JP2016094560A - 加硫ゴム組成物の製造方法、加硫ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ - Google Patents

加硫ゴム組成物の製造方法、加硫ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】氷上性能、ウェット性能および耐摩耗性能をバランス良く改善できる加硫ゴム組成物の製造方法、氷上性能、ウェット性能および耐摩耗性能に優れた加硫ゴム組成物ならびにこれをトレッドの構成に用いたスタッドレスタイヤを提供すること。
【解決手段】(a)ブタジエンゴムとシリカのマスターバッチを作製する工程、(b)イソプレン系ゴムとシリカのマスターバッチを作製する工程、(c)(a)のマスターバッチと(b)のマスターバッチとを混練りする工程、および(d)(c)で得られた混練物を加硫する工程を含み、得られる加硫ゴム組成物が、互いに非相溶のBR相およびIR相を有し、所定の水酸化アルミニウムを所定量含有し、所定のBR相中のシリカの存在率αが0.3≦α≦0.7、ブタジエンゴムの割合βが0.4≦β≦0.8である加硫ゴム組成物の製造方法、所定の加硫ゴム組成物およびそれにより構成されたトレッドを有するスタッドレスタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、加硫ゴム組成物の製造方法、加硫ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関する。
従来、氷雪路面走行用として、スパイクタイヤの使用やタイヤへのチェーンの装着がなされてきたが、これによる粉塵問題等の環境問題への対応として、スタッドレスタイヤが開発されている。スタッドレスタイヤには、低温特性を向上させるべく、材料面および設計面での工夫がなされており、例えば低温特性に優れたジエン系ゴムに多量のミネラルオイルを配合したゴム組成物などが使用されているが、一般にミネラルオイルを増量すると、耐摩耗性が低下する。
氷雪路面では、一般路面に比べてタイヤの摩擦係数が著しく低下し、滑りやすくなるため、スタッドレスタイヤには、低温特性のみならず、氷雪上性能(氷雪上グリップ性能)と耐摩耗性能とをバランス良く備えることが求められる。しかしながら、氷雪上性能は耐摩耗性能と背反することが多く、両性能を同時に改善することは一般的に困難である。
氷雪上性能と耐摩耗性能とをバランスよく改善するために、シリカおよび軟化剤を多量に配合する技術が見出されている(特許文献1)が、バランスよく改善するという点については、いまだ改善の余地がある。
その他、低温性能、氷雪上性能、耐摩耗性能など様々なタイヤ性能をバランスよく向上させる方法として、複数のポリマー(ゴム)成分を配合する方法(ポリマーブレンド)が古くから行われてきた。具体的には、タイヤにおけるゴム成分としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)に代表されるいくつかのポリマー成分をブレンドすることが主流になってきている。これは、各ポリマー成分の特徴を活かして、単一のポリマー成分ではできないゴム組成物の物性を引き出す手段である。
このポリマーブレンドにおいては、加硫された後の各ゴム成分の相構造(モルホロジー)および各ゴム相への充填剤の分配具合(偏在)が、物性を決定する重要な因子となる。モルホロジーや充填剤偏在のコントロールを決定する要素は非常に複雑で、これまでタイヤ物性をバランス良く発現するための検討が多くなされてきたが、いずれも改良の余地がある。
例えば、特許文献2には、スチレンブタジエンゴムを含むタイヤトレッド用ゴム組成物の海島マトリクスの島相粒径とシリカ分配を規定した技術が開示されている。しかしながら、そのモルホロジーを実現できる具体的な方法については、シリカマスターバッチを用いて混練時間やローターの回転トルクにより調整したと記載されているのみであり、このような方法では、混練、加硫条件に大きくモルホロジーが左右され、安定したモルホロジーコントロールは困難であった。また、実施例において開示されているゴム成分も比較的極性の近いスチレンブタジエンゴム同士のものであり、ブタジエンゴムと天然ゴムとのように極性、即ちシリカとの親和性が大きく異なるゴム成分同士のブレンドにおいては適用できない技術であることは明らかである。
特に、シリカマスターバッチを用いて、シリカ分散の相間分散コントロールを行った場合、一時的に所望のモルホロジーやシリカ分散が達成されたとしても、時間と共に変化する場合が多く、数カ月以上にわたる経時的に安定なモルホロジー形成は困難であった。
特許文献3には、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含む配合系のモルホロジーとシリカ偏在をコントロールする技術が開示されているが、シリカ偏在が不利なブタジエンゴムが連続相になる場合に関するブタジエンゴム側へのシリカ偏在コントロールに対しては記載がない。
天然ゴムは機械的強度に優れる等の、タイヤ、特にサイドウォール用ゴム組成物においては重要なゴム成分であるが、ブタジエンゴムと配合した場合、シリカの偏在を招きやすく、シリカ分配状況をコントロールして配合を組み立てる必要があるが、従来は十分なモルホロジー、シリカ分配状況の確認が行われておらず、物性発現が十分でない配合となっている場合があった。
さらに、近年は、低燃費性向上を狙って、天然ゴムにシリカと親和性を高めるような変性を行う傾向もあり、天然ゴムへのシリカ偏在の可能性がますます顕著になっている。
また、近年、耐摩耗性や低温グリップ特性に優れたシス含有量の高いハイシスブタジエンゴムを配合することが多くなってきたが、ジエン系ゴムの中でも、ハイシスブタジエンゴムは、特にシリカとの親和性が低く、天然ゴムとの配合系では、ハイシスブタジエンゴム相にはほとんどシリカが取り込まれない傾向にある。したがって、従来のハイシスブタジエンゴム配合系では、モルホロジーやシリカ分配の状況が確認されないまま、十分な物性が発現しないような配合となっている場合があった。
特に、サイドウォール用ゴム組成物においては、耐屈曲亀裂成長性のようなサイドウォールに求められる性能を有するブタジエンゴムを連続相としてゴム組成物を構成することが重要であり、耐摩耗性能への寄与の大きい連続相ゴム成分にシリカ偏在コントロールを行う技術が必須である。
さらに、天然ゴムはブタジエンゴムと比較すると連続相を形成しにくい傾向があり、さらに天然ゴムがゴム成分100部に対して50部以下の配合系であるとその傾向はさらに顕著となり、いわゆる島相を形成するようになる。一般に島相に存在するゴム成分は、周囲を連続相のゴム成分に固められているため、硬度が上昇してゴム弾性が低下する傾向にあり、充填剤が偏在するとさらにその傾向は強くなり、結果として連続相ゴム成分との硬度差が大きくなることにより、ゴム強度や耐摩耗性の低下を起こしやすくなる。天然ゴムは単独でもブタジエンゴムよりも硬度が大きい傾向にあり、シリカ偏在によってさらに硬度差ができることは、本来望ましくない。したがって、天然ゴム側にシリカを偏在させすぎない技術の開発は重要である。
タイヤ用ゴム組成物における複数のポリマー成分におけるモルホロジー形成については、相溶系(単相)であるか、非相溶の場合は連続相(海相)の中に粒子状の他成分の相(島相)が存在する海島相構造のものしか検討されていなかった。
このため、タイヤ物性発現に有用であるが、極性が異なるブタジエンゴムと天然ゴムとのブレンドを用いた系で、良好なゴム物性を発現するためのモルホロジーコントロール、シリカ分配の技術の開発が必要とされていた。
特開2011−038057号公報 特開2006−089636号公報 特開2006−348222号公報
近年の温暖化に伴い、スタッドレスタイヤを装着して舗装道路を走行する機会が増えているため、ドライ性能およびウェット性能を含めた総合性能の改善も要求され、なかでも、安全性に関わるウェット性能については改善要求が特に強い。しかし、さらなる氷上性能の向上が求められるなか、トレッドゴムのガラス転移温度は低く設定される傾向にあるため、同時にウェット性能も確保することは難しく、従来の技術で氷上性能、ウェット性能、耐摩耗性能をバランス良く改善することは困難な状況にある。
そこで、本発明は、氷上性能、ウェット性能および耐摩耗性能をバランス良く改善できる加硫ゴム組成物の製造方法、氷上性能、ウェット性能および耐摩耗性能をバランス良く改善できる加硫ゴム組成物ならびにこれをトレッドの構成に用いたスタッドレスタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、
[1](a)ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
(b)イソプレン系ゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
(c)(a)で得られたマスターバッチと(b)で得られたマスターバッチとを混練りする工程、および
(d)(c)で得られた混練物を加硫する工程
を含む加硫ゴム組成物の製造方法であって、
該加硫ゴム組成物が、
ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、イソプレン系ゴムおよびシリカを含む相(IR相)とを有し、
BR相とIR相とは互いに非相溶であり、
BET比表面積が10〜50m2/g、好ましくは11〜45m2/g、より好ましくは12〜40m2/g、平均粒子径(d50)が0.1〜3.0μm、好ましくは0.2〜2.0μm、より好ましくは0.3〜2.0μmである水酸化アルミニウムを、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは2〜45質量部、より好ましくは5〜40質量部含有し、
加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物の製造方法
0.3≦α≦0.7 (好ましくは0.5≦α≦0.6) (式1)
0.4≦β≦0.8 (好ましくは0.5≦β≦0.7) (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+IR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの質量)である。)、
[2]上記ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、ブタジエンゴム100質量部に対して、シリカを40質量部以上、好ましくは50質量部以上、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下含有する上記[1]記載の製造方法、
[3]上記イソプレン系ゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、イソプレン系ゴム100質量部に対して、シリカを15質量部以上、好ましくは30質量部以上、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下含有する上記[1]または[2]記載の製造方法、
[4]上記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上、好ましくは95%以上のブタジエンゴムである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法、
[5]上記加硫ゴム組成物が、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを26〜150質量部、好ましくは30〜100質量部、軟化剤を15〜80質量部、好ましくは20〜70質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して40質量%以上、好ましくは50質量%以上のシリカを含有する上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法、
[6]ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、イソプレン系ゴムおよびシリカを含む相(IR相)とを有する加硫ゴム組成物であって、
BR相とIR相とは互いに非相溶であり、
BET比表面積が10〜50m2/g、好ましくは11〜45m2/g、より好ましくは12〜40m2/g、平均粒子径(d50)が0.1〜3.0μm、好ましくは0.2〜2.0μm、より好ましくは0.3〜2.0μmである水酸化アルミニウムを、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは2〜45質量部、より好ましくは5〜40質量部含有し、
加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物
0.3≦α≦0.7 (好ましくは0.5≦α≦0.6) (式1)
0.4≦β≦0.8 (好ましくは0.5≦β≦0.7) (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+IR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの質量)である。)、
[7]上記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上のブタジエンゴムである上記[6]記載の加硫ゴム組成物、
[8]イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを26〜150質量部、好ましくは30〜100質量部、軟化剤を15〜80質量部、好ましくは20〜70質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して40質量%以上、好ましくは50質量%以上のシリカを含有する上記[6]または[7]記載の加硫ゴム組成物、および
[9]上記[6]〜[8]のいずれかに記載の加硫ゴム組成物により構成されたトレッドを有するスタッドレスタイヤ
に関する。
本発明によれば、イソプレン系ゴムおよびブタジエンゴムをそれぞれシリカを含むマスターバッチ化してから混練りすることにより、得られる加硫ゴム組成物の氷上性能および耐摩耗性能をバランス良く改善することができ、さらに所定の水酸化アルミニウムを所定量含有させることにより、氷上性能と耐摩耗性能の両立を維持したまま、ウェット性能を向上することができる。また、この加硫ゴム組成物をトレッドなどのタイヤ部材に使用することにより、これらの性能に優れたスタッドレスタイヤを提供することができる。
シリカの分散が良好な加硫ゴム組成物(a)およびシリカが偏在している加硫ゴム組成物(b)の断面のSEM写真を示す図である。
本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物の製造方法は、(a)ブタジエンゴム(BR)およびシリカを含むマスターバッチ(BRマスターバッチ)を作製する工程、(b)イソプレン系ゴム(IR)およびシリカを含むマスターバッチ(IRマスターバッチ)を作製する工程、(c)(a)で得られたBRマスターバッチと(b)で得られたIRマスターバッチとを混練りする工程、および(d)(c)で得られた混練物を加硫する工程を含み、得られる加硫ゴム組成物が、所定の性質を有するものである。このように各ゴム成分とシリカとを別々に混練りしたマスターバッチを用意して混練りすることにより、イソプレン系ゴムに偏在しやすいシリカをブタジエンゴムにも偏在させることができ、所定のBR相中のシリカの存在率α、および所定のブタジエンゴムの割合βを満たす加硫ゴム組成物を容易に作製することができる。これにより、イソプレン系ゴム(IR)の優れた耐摩耗性能を損なうことなく、シリカによる氷上性能の改善を行うことができる。また、いずれかの工程において所定の水酸化アルミニウムを添加し、得られる加硫ゴム組成物を、水酸化アルミニウムを含有したものとすることにより、氷上性能と耐摩耗性能の両立を維持したままウェット性能を向上することができる。さらには、使用する水酸化アルミニウムの平均粒子径(d50)が0.1〜3.0μmであるため、小粒径化によるヒステリシスロス増加により、良好なグリップアップ(ウェットグリップ性)および耐摩耗性を獲得することができる。
加硫ゴム組成物におけるゴム成分中のシリカの分散状態は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することができる。例えば、シリカの分散が良好な例では、図1の(a)にみられるように、ブタジエンゴムを含む相(BR相)1が海相を形成し、イソプレン系ゴム(天然ゴム)を含む相(IR相)2が島相を形成しており、シリカ3はBR相1およびIR相2の両方に分散している。一方、シリカが片方の相に偏在している例では、図1の(b)にみられるように、図1の(a)と同様、BR相1が海相を形成し、IR相2が島相を形成しているが、シリカ3はIR相2に偏在しており、両相に分散していない。
(a)BRマスターバッチを作製する工程(X1練り工程)
BRマスターバッチの作製方法は、特に限定されるものではないが、BRおよびシリカを混練りすることにより作製することができる。混練方法としては、特に限定されず、バンバリーミキサー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される混練機を使用することができる。また、例えば、BRラテックスとシリカ水分散体を混合して得るウェットマスターバッチとして作製することもできる。
X1練り工程における混練温度は、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、140℃以上がさらに好ましい。混練温度を80℃以上にすることで、シランカップリング剤とシリカの反応を十分に進ませ、シリカを良好に分散させることができ、雪氷上性能と耐摩耗性能をバランス良く改善させやすくなる。また、X1練り工程における混練温度は、200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。混練温度を200℃以下にすることで、ムーニー粘度の上昇を抑え、加工性を良好にすることができる傾向がある。また、排出温度は、130〜160℃を採用することができる。
X1練り工程の混練時間は、特に限定されるものではないが、通常30秒以上であり、1〜30分間が好ましく、3〜6分間がより好ましい。
BRとしては特に限定されず、例えば、シス1,4結合含有率が50%未満のBR(ローシスBR)、シス1,4結合含有率が90%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)などを使用できる。なかでも、ハイシスBR、ローシスBRおよびローシス変性BRからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、ハイシスBRを用いることがより好ましい。
ハイシスBRとしては、例えば、JSR(株)製のBR730、BR51、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B、BR710などがあげられる。ハイシスBRのなかでも、シス1,4−結合含有率が95%以上のものがさらに好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性を向上させることができる。ローシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1250などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
X1練り工程におけるシリカの配合量は、BR100質量部に対して、40質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。シリカの配合量を40質量部以上とすることで、シリカをBR相に偏在させる効果を十分に得られる傾向がある。また、X1練り工程におけるシリカの配合量は、BR100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましい。シリカの配合量を100質量部以下とすることで、シリカの分散が容易になり、加工性を良好にすることができる。
シリカは、特に限定されるものではなく、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)や、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)など、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、70m2/g以上が好ましく、140m2/g以上がより好ましい。シリカのN2SAを70m2/g以上とすることにより、十分な補強性が得られ、破壊強度、耐摩耗性能を良好なものとすることができる。また、シリカのN2SAは、220m2/g以下が好ましく、200m2/g以下がより好ましい。シリカのN2SAを220m2/g以下とすることにより、シリカの分散が容易になり、加工性を良好にすることができる。ここで、本明細書におけるシリカのN2SAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
X1練り工程には、シリカとともにシランカップリング剤を混練りすることが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を併用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シリカとの反応性が良好であるという点から、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが特に好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、3質量部以上が好ましく、6質量部以上がより好ましい。シランカップリング剤の含有量を3質量部以上とすることにより、破壊強度を良好なものとすることができる。また、シランカップリング剤のシリカ100質量部に対する含有量は、12質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量を12質量部以下とすることにより、コストの増加に見合った効果を得ることができる。
(b)IRマスターバッチを作製する工程(X2練り工程)
IRマスターバッチは、IRおよびシリカを混練りすることにより作製することができる。混練方法や混練の条件は、上記X1練り工程と同様である。また、X1練り工程と同様、IRラテックスとシリカ水分散体とを混合して得るウェットマスターバッチとして作製することもできる。
本発明において使用するイソプレン系ゴムは特に限定されるものではなく、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20などの天然ゴムが挙げられる。また、本発明のイソプレン系ゴムとしては、改質天然ゴム、変性天然ゴム、合成イソプレンゴム、変性合成イソプレンゴムが含まれるものとする。
X2練り工程におけるシリカの配合量は、IR100質量部に対して、15質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましい。シリカの配合量を15質量部以上とすることにより、シリカを分散した効果を十分に得ることができる。また、X2練り工程におけるシリカの配合量は、IR100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましい。シリカの配合量を100質量部以下とすることにより、シリカの分散が容易になり、加工性を良好なものとすることができる。
X2練り工程に使用されるシリカは、特に限定されるものではなく、上記X1練り工程において説明したとおりである。
X2練り工程においても、シリカとともにシランカップリング剤を混練りすることが好ましく、シランカップリング剤は、上記X1練り工程において説明したとおりである。
(c)BRマスターバッチとIRマスターバッチとを混練りする工程(Y練り工程)
X1練りで得られたBRマスターバッチと、X2練りで得られたIRマスターバッチとを混練りして行う。混練方法としては、例えば、上記X1およびX2練り工程同様、バンバリーミキサー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される混練機を使用し、一般的なゴム工業で使用される条件下で行うことができる。
Y練り工程における混練温度は、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、145℃以上がさらに好ましい。混練温度を80℃以上とすることにより、シランカップリング剤とシリカとの反応を十分に進ませ、シリカを良好に分散させることができ、雪氷上性能と耐摩耗性能をバランス良く改善させやすくなる。また、Y練り工程における混練温度は、200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、160℃以下がさらに好ましい。混練温度を200℃以下とすることにより、ムーニー粘度の上昇を抑え、加工性を良好にすることができる傾向がある。また、排出温度は、130〜160℃を採用することができる。
Y練り工程の混練時間は、特に限定されるものではないが、通常30秒以上であり、1〜30分間が好ましく、2〜6分間がより好ましい。
本発明の加硫ゴム組成物の製造方法においては、X1練り工程、X2練り工程、Y練り工程またはその他の工程を設けて、上記材料以外に、最終的に得られる加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部のBET比表面積が10〜50m2/g、平均粒子径(d50)が0.1〜3.0μmである水酸化アルミニウムを混練りする。水酸化アルミニウムを配合することにより、低温での硬度が低下し、良好なウェットグリップ性能が得られ、氷上性能と耐摩耗性能の両立を維持したままウェット性能を向上することができる。したがって、得られるゴム組成物をキャップトレッドなどのタイヤ部材に使用することにより、これらの性能バランスに優れたスタッドレスタイヤを提供することができる。水酸化アルミニウムを混練りする工程としては、特に限定されるものではないが、フィラーの分散性を向上するなどの理由からX1またはX2練り工程が好ましい。
水酸化アルミニウムとしてはBET比表面積が10〜50m2/g、平均粒子径(d50)が0.1〜3.0μmであるものであれば、特に限定されるものではなく、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。
水酸化アルミニウムのBET比表面積は、10m2/g以上であり、11m2/g以上が好ましく、12m2/g以上がより好ましい。BET比表面積が、10m2/g未満の場合は、ウェットグリップ性が改善しない傾向がある。また、水酸化アルミニウムのBET比表面積は、50m2/g以下であり、45m2/g以下が好ましく、40m2/g以下がより好ましい。BET比表面積が、50m2/gを超える場合は、耐摩耗性が悪化する傾向がある。なお、本明細書における水酸化アルミニウムのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
水酸化アルミニウムの平均粒子径(d50)は、0.1μm以上であり、0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の場合は、水酸化アルミニウムの分散が困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、水酸化アルミニウムの平均粒子径(d50)は3.0μm以下であり、2.0μmが好ましい。平均粒子径が3.0μmを超える場合は、水酸化アルミニウムが破壊核となり、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、本明細書における平均粒子径(d50)とは、レーザー回折法によって測定される粒子径分布測定装置により求めた粒子径分布曲線の積算質量値50%の粒子径である。
水酸化アルミニウムのイソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上であり、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。水酸化アルミニウムの含有量が1質量部未満の場合は、ウェットグリップ性の改善効果が小さい傾向がある。また、水酸化アルミニウムの含有量は、50質量部以下であり、45質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。水酸化アルミニウムの含有量が50質量部を超える場合は、分散不良が発生し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
本発明の加硫ゴム組成物の製造方法においては、X1練り工程、X2練り工程、Y練り工程またはその他の工程を設けて、上記材料以外に、必要に応じて、IRおよびBR以外のゴム成分や、カーボンブラックなどのフィラー、オイルなどの軟化剤、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、その他タイヤ工業において一般的に用いられている各種材料もあわせて混練りしてもよい。
その他のゴム成分としては、スチレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴムがあげられる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられ、これらのカーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。なかでも、低温特性と耐摩耗性能をバランスよく向上させることができるという理由から、ファーネスブラックが好ましい。カーボンブラックを混練りする工程としては、特に限定されるものではないが、シリカをBR相に優先的に分散させるなどの理由からX2練りが好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、十分な補強性および耐摩耗性が得られる点から、70m2/g以上が好ましく、90m2/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、分散性に優れ、発熱しにくいという点から、300m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましい。なお、N2SAは、JIS K 6217−2「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」に準じて測定することができる。
カーボンブラックを含有する場合の全ゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。カーボンブラックの含有量を1質量部以上とすることにより、十分な補強性が得られる傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は124質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。カーボンブラックの含有量を124質量部以下とすることにより、加工性が良好となり、発熱が抑えられ、耐摩耗性を向上することができる。
オイルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、プロセスオイル、植物油脂またはその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、亜麻仁油、菜種油、大豆油、パーム油、ヤシ油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油などがあげられる。なかでも、プロセスオイル、特にパラフィン系プロセスオイルを用いることが好ましい。
オイルを含有する場合の全ゴム成分100質量部に対する含有量は、15質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。オイルの含有量を15質量部以上とすることにより、スタッドレスタイヤに必要な雪氷上性能を発揮する傾向がある。また、オイルの含有量は80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。オイルの含有量を80質量部以下とすることにより、加工性の悪化、耐摩耗性の低下、老化物性の低下を防ぐ傾向がある。
本発明に用いられる老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩などの老化防止剤を適宜選択して配合することができ、これらの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐オゾン性を顕著に改善できる、効果が長持ちするという理由からアミン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンがより好ましい。
老化防止剤を含有する場合の全ゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.2質量部以上がさらに好ましい。老化防止剤の含有量を0.5質量部以上とすることにより、十分な耐オゾン性を得ることができる傾向がある。また、老化防止剤の含有量は、8質量部以下が好ましく、4質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下がさらに好ましい。老化防止剤の含有量を8質量部以下とすることにより、変色を抑制することができ、ブリードを抑制することができる傾向がある。
ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛はいずれも、ゴム工業において一般的に用いられるものを好適に用いることができる。
(d)加硫する工程(F練り工程および加硫工程)
上記Y練りで得られた混練物に、加硫剤と、必要に応じて加硫促進剤とをF練りにより混練りし、混練物(未加硫ゴム組成物)を得る。そして、この未加硫ゴム組成物を、必要な形状に成形し、タイヤ部材として貼り合せた後、公知の方法により加硫することにより、本発明の加硫ゴム組成物を得ることができる。
F練り工程は、混練機が冷えている場合は50℃程度、連続使用している場合は80℃程度から混練を開始し、排出温度95〜110℃になるまで混練りして行うことができる。
加硫温度は、本発明の効果が良好に得られるという点から、120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。加硫時間は、本発明の効果が良好に得られるという点から、5〜30分間が好ましい。
加硫剤は特に限定されるものではなく、ゴム工業において一般的なものを使用することができるが、硫黄原子を含むものが好ましく、粉末硫黄が特に好ましく用いられる。
加硫促進剤も特に限定されるものではなく、ゴム工業において一般的なものを使用することができる。
上述したような本発明の加硫ゴム組成物の製造方法により得られる加硫ゴム組成物は、ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)とイソプレン系ゴムおよびシリカを含む相(IR相)を有し、BR相とIR相とは互いに非相溶である。ここで、本明細書において「非相溶」とは、例えば加硫ゴム組成物の断面における、非連続相の平均円相当半径が100nm以上であることを意味し、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像により容易に評価することができる。
また、本発明の加硫ゴム組成物の製造方法により得られる加硫ゴム組成物は、BR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たすことにより、加硫ゴム組成物の耐摩耗性能が向上し、トレッドに用いた場合には、氷上性能も向上する。本明細書において、「BR相中のシリカの存在率α」は、加硫工程の完了から100時間〜500時間後における、ゴム組成物中の全シリカ量のうちどのくらいがBR相に存在しているかを示す指標である。
0.3≦α≦0.7 (式1)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+IR相中のシリカ量)である。)
具体的には、例えば、加硫ゴム組成物を面出しし、サンプルとする。1つのサンプルの走査型電子顕微鏡(SEM)写真について、互いに重複しない2μm×2μmの領域を10ヵ所選択する。各領域で、単位面積当たりのシリカ面積と、単位面積中のBR相におけるシリカ面積を測定し、BR相のシリカ存在率γを算出する。10ヵ所のγの最大値と最小値との差が10%以内であることを確認できれば、その10ヵ所のγの平均をαとする。
BR相中のシリカの存在率αは、0.3以上であり、0.5以上が好ましい。BR相中のシリカの存在率αが0.3未満の場合、耐摩耗性能や氷上性能の向上が期待できず、むしろ低下する傾向がある。また、BR相中のシリカの存在率αは、0.7以下であり、0.6以下が好ましい。BR相中のシリカの存在率αが0.7を超えると、特に耐摩耗性能の向上が期待できず、むしろ低下する傾向がある。
本発明の加硫ゴム組成物の製造方法により得られる加硫ゴム組成物は、ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たすものである。
0.4≦β≦0.8 (式2)
(ここで、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの質量)であり、加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量および加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの質量は、それぞれ加硫ゴム組成物を製造する際に含有させた各ゴムの含有量に相当する。)
ブタジエンゴムの割合βは、0.4以上であり、0.5以上が好ましい。ブタジエンゴムの割合βが0.4未満の場合、得られる氷上性能の向上が期待できない傾向がある。また、ブタジエンゴムの割合βは、0.8以下であり、0.7以下が好ましい。ブタジエンゴムの割合βが0.8を超える場合、イソプレン系ゴムの含有量が少なくなり、十分な破壊強度および耐摩耗性を得ることができない傾向がある。
また、本発明の加硫ゴム組成物の製造方法により得られる加硫ゴム組成物において、全ゴム成分中の、ブタジエンゴムとイソプレン系ゴムとの合計含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。ブタジエンゴムとイソプレン系ゴムとの合計含有量が多いほど、低温特性に優れており、必要な雪氷上性能を発揮することができるため、ゴム成分としてはブタジエンゴムおよびイソプレン系ゴムのみからなるゴム成分を使用することが好ましい。
上述の本発明の加硫ゴム組成物の製造方法により、IRに偏在しやすいシリカをBRにも偏在させ、加硫ゴム組成物全体にシリカを分散させることができる。これにより、イソプレン系ゴムの優れた耐摩耗性を損なうことなく、シリカによる氷上性能の改善を行うことができ、これらの性能がバランス良く得られる。
本発明のまた別の実施態様である加硫ゴム組成物は、ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、イソプレン系ゴムおよびシリカを含む相(IR相)とを有する加硫ゴム組成物であって、BR相とIR相とは互いに非相溶であり、BET比表面積が10〜50m2/g、平均粒子径(d50)が0.1〜3.0μmである水酸化アルミニウムを、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部含有し、加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす加硫ゴム組成物であり、例えば上記本発明の加硫ゴム組成物の製造方法により製造することができる。
0.3≦α≦0.7 (式1)
0.4≦β≦0.8 (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+IR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの質量)である。)
本明細書中の加硫ゴム組成物に関する説明は、上記本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物のみならず上述の本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物の製造方法により得られる加硫ゴム組成物にも適用されるものとし、本明細書中の本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物の製造方法の説明においてした、各種材料や配合比、得られる加硫ゴム組成物の性質などに関わる記載は、上記本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物にも適用されるものとする。
本発明の加硫ゴム組成物では、ブタジエンゴムが海相、イソプレン系ゴムが島相を形成し、かつブタジエンゴム側のシリカ存在率が30%以上であり、ブタジエンゴム側への十分な偏在が見られない場合、すなわちBR相におけるシリカ存在率αが0.3に満たない場合、イソプレン系ゴムは単独でもブタジエンゴムよりも硬度が大きい傾向にあるため、シリカ偏在によってさらに硬度差ができ、耐摩耗性能の低下が見られる傾向がある。
本発明の加硫ゴム組成物は、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを26〜150質量部、そして軟化剤を15〜80質量部含有することが好ましい。
フィラーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、26質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましい。フィラーの含有量を26質量部以上とすることにより、耐摩耗性および破壊特性が良好となる傾向、ウェット性能が向上する傾向がある。また、フィラーの含有量は150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。フィラーの含有量を150質量部以下とすることにより、加工性、作業性が向上し、フィラー増量による低温特性の低下を防ぐ傾向、フィラー分散性が良好となる傾向がある。フィラーには、シリカ、カーボンブラック、水酸化アルミニウムなどが含まれ、全フィラー量に対して好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上のシリカを配合することが好ましい。
シリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、25質量部以上が好ましく、38質量部以上がより好ましい。シリカの合計含有量を25質量部以上とすることにより、耐摩耗性および破壊特性が良好となる傾向がある。また、シリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましい。シリカの合計含有量を100質量部以下とすることにより、加工性、作業性が向上し、シリカ増量による低温特性の低下を防ぐ傾向がある。
軟化剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、15質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。軟化剤の含有量を15質量部以上とすることにより、スタッドレスタイヤに必要な雪氷上性能を発揮する傾向がある。また、軟化剤の含有量は、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。軟化剤の含有量を80質量部以下とすることにより、加工性の悪化、耐摩耗性の低下、老化物性の低下を防ぐ傾向がある。軟化剤には、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、テルペン系樹脂などが含まれる。
本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物や本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物の製造方法により得られる加硫ゴム組成物は、タイヤの各部材、例えばトレッド、カーカス、サイドウォール、ビードなどのタイヤ用途をはじめ、防振ゴム、ベルト、ホース、その他の工業製品などにも用いることができる。なかでも、氷上性能および耐摩耗性能に優れることから、トレッドに好適に使用されるものであり、さらにトレッドがキャップトレッドとベーストレッドとからなる2層構造のトレッドである場合はキャップトレッドに好適に使用されるものである。
本発明のスタッドレスタイヤは、本発明の一実施態様である加硫ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造することができる。すなわち、本発明の加硫ゴム組成物の未加硫段階で未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に合わせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合せ、通常の方法にて成形することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱および加圧することにより、本発明のスタッドレスタイヤを製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
ブタジエンゴム(BR1):JSR(株)製のBR730(シス1,4−含有率95%)
ブタジエンゴム(BR2):日本ゼオン(株)製のBR1250(シス1,4−含有率45%)
イソプレン系ゴム(IR1):天然ゴム(NR)(RSS#3)
イソプレン系ゴム(IR2):天然ゴム(NR)(TSR20)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(ISAF、N2SA:114m2/g、平均粒子径:23nm)
シリカ:エボニック・デグザ(Evonik Degussa)社製のULTRASIL(登録商標)VN3(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:エボニック・デグザ社製のSi266
水酸化アルミニウム:住友化学(株)製のATH#B(平均粒子径(d50):0.6μm、BET:15m2/g)
ミネラルオイル:出光興産(株)製のPS−32(パラフィン系プロセスオイル)
ステアリン酸:日油(株)製の「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエースワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン)
なお、前記水酸化アルミニウム1〜3の平均粒子径(d50)は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置((株)堀場製作所製のPartica LA−950V2)を用いて測定した数値より算出した値である。
実施例1〜8および比較例1〜6
表1〜3の工程(I)に示す配合処方にしたがい、ゴム成分、シリカおよびその他の材料を入れ、1.7Lのバンバリーミキサーを用いて排出温度150℃で3分間混練りすることにより、それぞれブタジエンゴムおよびシリカを含む混練物(BRマスターバッチ)およびイソプレン系ゴムおよびシリカを含む混練物(IRマスターバッチ)を得た。次に、得られた両混練物と、表1〜3の工程(II)に示す配合処方にしたがい、その他の材料を添加し、排出温度150℃で2分間混練りし、混練物を得た。得られた混練物に、表1〜3の工程(III)に示す配合処方にしたがい硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて150℃で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。なお、表1〜3の工程(I)に配合量の記載がないものは、工程(II)のみ行った。
得られた各未加硫ゴム組成物を170℃で12分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた各未加硫ゴム組成物をそれぞれキャップトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材と共に貼り合せて170℃で15分間加硫することにより、試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用スタッドレスタイヤについて、を室温で保管し、加硫完了から200時間後(約1週間後)のものについて、下記試験により、耐摩耗性能、ウェットグリップ性能、氷上性能、シリカ偏在評価を行った。また、加硫ゴム組成物について、加硫完了から200時間後の状態と加硫完了から1年後の状態とを比較して、下記試験によりシリカ分散状態の経時安定性の評価を行った。それぞれの試験結果を表1〜3に示す。
<耐摩耗性能>
(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/分、付加荷重3.0kg、落砂量15g/分でスリップ率20%にて摩耗量を測定し、それらの摩耗量の逆数をとった。そして、比較例1の摩耗量の逆数を100とし、その他の摩耗量の逆数を指数で表した。指数が大きいほど耐摩耗性能に優れることを示す。
<ウェットグリップ性能>
各試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。結果は指数で表し、数字が大きいほどウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が良好であることを示す。指数は次の式で求めた。
ウェットグリップ性能指数=(基準比較例の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
<氷上性能>
実施例および比較例のスタッドレスタイヤを用いて、下記の条件で、氷上で実車性能を評価した。試験場所は、住友ゴム工業株式会社の北海道名寄テストコースで行い、氷上気温は−2〜−6℃であった。試験用タイヤを国産2000ccのFR車に装着し、時速30km/hでロックブレーキを踏み停止させるまでに要した氷上の停止距離を測定した。そして、比較例1を基準として、下記式から算出した。
(氷上性能)=(比較例1の制動停止距離)/(各配合の停止距離)×100
<モルホロジーの評価およびシリカ偏在の評価>
加硫ゴム組成物を面出しし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。各相のモルホロジーは、コントラストの比較により確認することが可能であった。その結果、実施例、比較例では、ブタジエンゴムを含む相(BR相)とイソプレン系ゴムを含む相(IR相)とは互いに非相溶であることが確認された。BR相が海相を形成し、IR相が島相を形成しており、シリカは、実施例ではBR相およびIR相の両方に分散していた。
シリカは粒状の形態として観察可能である。1つのサンプルのSEM写真について、互いに重複しない2μm×2μmの領域を10ヵ所選択した。各領域で、各相の単位面積あたりのシリカ面積を測定し、BR相のシリカ存在率γを算出した。10ヵ所のγの最大値と最小値との差が、10%以内であることを確認し、10ヵ所のγの平均をαとした。
<シリカ分散状態の経時安定性>
上記と同様にして、同一の加硫ゴム組成物について、加硫完了から1年後の状態におけるBR相中のシリカ存在率αを測定した。そして、加硫完了から200時間後の状態におけるBR相中のシリカの存在率αを基準として加硫完了から1年後の状態におけるBR相中のシリカの存在率αの変化率を調べた。
変化率(%)=|α(1年後)−α(200時間後)|/α(200時間後)×100
以下の評価基準に基づいて、実施例および比較例を評価した。変化率が小さい方が結果は良好である。
A:変化率が10%以内である
B:変化率が10%を超え、30%以内である
C:変化率が30%を超える
表1〜3の結果より、シリカをそれぞれ含むBRとIRの二種類のマスターバッチを作製したうえで、それらを混練りする製造方法とすることにより、良好なBR相のシリカ存在率αを有する加硫ゴム組成物を作製することができ、シリカの分散安定性が良好となることがわかる。そして、そのような良好なBR相のシリカ存在率αを有する加硫ゴム組成物は、耐摩耗性能および氷上性能をバランス良く改善できることがわかる。また、水酸化アルミニウムを添加することで、氷上性能と耐摩耗性能の両立を維持したままウェットグリップ性能を向上させることができることがわかる。
1 BR相
2 IR相
3 シリカ
4 カーボンブラック

Claims (9)

  1. (a)ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
    (b)イソプレン系ゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
    (c)(a)で得られたマスターバッチと(b)で得られたマスターバッチとを混練りする工程、および
    (d)(c)で得られた混練物を加硫する工程
    を含む加硫ゴム組成物の製造方法であって、
    該加硫ゴム組成物が、
    ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、イソプレン系ゴムおよびシリカを含む相(IR相)とを有し、
    BR相とIR相とは互いに非相溶であり、
    BET比表面積が10〜50m2/g、粒子径(D50)が0.1〜3.0μmである水酸化アルミニウムを、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部含有し、
    加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
    ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物の製造方法。
    0.3≦α≦0.7 (式1)
    0.4≦β≦0.8 (式2)
    (ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+IR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの質量)である。)
  2. 前記ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、ブタジエンゴム100質量部に対して、シリカを40質量部以上含有する請求項1記載の製造方法。
  3. 前記イソプレン系ゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、イソプレン系ゴム100質量部に対して、シリカを15質量部以上含有する請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上のブタジエンゴムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記加硫ゴム組成物が、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを26〜150質量部、軟化剤を15〜80質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して40質量%以上のシリカを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、イソプレン系ゴムおよびシリカを含む相(IR相)とを有する加硫ゴム組成物であって、
    BR相とIR相とは互いに非相溶であり、
    BET比表面積が10〜50m2/g、粒子径(D50)が0.1〜3.0μmである水酸化アルミニウムを、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部含有し、
    加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
    ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物。
    0.3≦α≦0.7 (式1)
    0.4≦β≦0.8 (式2)
    (ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+IR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの質量)である。)
  7. 前記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上のブタジエンゴムである請求項6記載の加硫ゴム組成物。
  8. イソプレン系ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを26〜150質量部、軟化剤を15〜80質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して40質量%以上のシリカを含有する請求項6または7記載の加硫ゴム組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の加硫ゴム組成物により構成されたトレッドを有するスタッドレスタイヤ。
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