JP2016094558A - 加硫ゴム組成物の製造方法、加硫ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
[1](a)ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
(b)改質天然ゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
(c)(a)で得られたマスターバッチと(b)で得られたマスターバッチとを混練りする工程、および
(d)(c)で得られた混練物を加硫する工程
を含む加硫ゴム組成物の製造方法であって、
該改質天然ゴムが、天然ゴムの非ゴム成分を除去したのち、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7、好ましくは3〜6、より好ましくは4〜6に調整されたものであり、
該加硫ゴム組成物が、
ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、改質天然ゴムおよびシリカを含む相(改質NR相)とを有し、
BR相と改質NR相とは互いに非相溶であり、
加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物の製造方法
0.3≦α≦0.7 (好ましくは0.5≦α≦0.6) (式1)
0.45≦β≦0.8 (好ましくは0.5≦β≦0.7) (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+改質NR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中の改質天然ゴムの質量)である。)、
[2]上記ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、ブタジエンゴム100質量部に対して、シリカを40質量部以上、好ましくは50質量部以上、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下含有する上記[1]記載の製造方法、
[3]上記改質天然ゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、改質天然ゴム100質量部に対して、シリカを15質量部以上、好ましくは30質量部以上、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下含有する上記[1]または[2]記載の製造方法、
[4]上記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上、好ましくは95%以上のブタジエンゴムである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法、
[5]上記加硫ゴム組成物が、改質天然ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを25〜120質量部、好ましくは30〜70質量部、軟化剤を15〜80質量部、好ましくは20〜70質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して50質量%以上、好ましくは70質量%以上のシリカを含有する上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法、
[6]上記改質天然ゴムのゴム中のリン含有量が200ppm以下、好ましくは150ppm以下である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法、
[7]上記改質天然ゴムのゴム中の窒素含有量が0.15質量%以下、好ましくは0.1質量%以下である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法、
[8]上記改質天然ゴムのpHが、上記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法、
[9]上記改質天然ゴムの80℃、18時間熱処理後の耐熱老化性指数(式3)が、75〜120%、好ましくは40〜75%、より好ましくは50〜70%、さらに好ましくは55〜65%である上記[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法、
耐熱老化性指数=熱処理後のムーニー粘度/熱処理前のムーニー粘度×100 (式3)
[10]ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、改質天然ゴムおよびシリカを含む相(改質NR相)とを有する加硫ゴム組成物であって、
該改質天然ゴムが、天然ゴムの非ゴム成分を除去したのち、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7、好ましくは3〜6、より好ましくは4〜6に調整されたものであり、
BR相と改質NR相とは互いに非相溶であり、
加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物
0.3≦α≦0.7 (好ましくは0.5≦α≦0.6) (式1)
0.45≦β≦0.8 (好ましくは0.5≦β≦0.7) (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+改質NR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中の改質天然ゴムの質量)である。)、
[11]上記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上、好ましくは95%以上のブタジエンゴムである上記[10]記載の加硫ゴム組成物、
[12]改質天然ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを25〜120質量部、好ましくは30〜70質量部、軟化剤を15〜80質量部、好ましくは20〜70質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して50質量%以上、好ましくは70質量%以上のシリカを含有する上記[10]または[11]記載の加硫ゴム組成物、
[13]上記改質天然ゴムのゴム中のリン含有量が200ppm以下、好ましくは150ppm以下である上記[10]〜[12]のいずれかに記載の加硫ゴム組成物、
[14]上記改質天然ゴムのゴム中の窒素含有量が0.15質量%以下、好ましくは0.1質量%以下である上記[10]〜[13]のいずれかに記載の加硫ゴム組成物、
[15]上記改質天然ゴムのpHが、上記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である上記[10]〜[14]のいずれかに記載の加硫ゴム組成物、
[16]上記改質天然ゴムの80℃、18時間熱処理後の耐熱老化性指数(式3)が、75〜120%、好ましくは40〜75%、より好ましくは50〜70%、さらに好ましくは55〜65%である上記[10]〜[15]のいずれかに記載の加硫ゴム組成物、
耐熱老化性指数=熱処理後のムーニー粘度/熱処理前のムーニー粘度×100 (式3)
および
[17]上記[10]〜[16]のいずれかに記載の加硫ゴム組成物により構成されたトレッドを有するスタッドレスタイヤ
に関する。
BRマスターバッチの作製方法は、特に限定されるものではないが、BRおよびシリカを混練りすることにより作製することができる。混練方法としては、特に限定されず、バンバリーミキサー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される混練機を使用することができる。また、例えば、BRラテックスとシリカ水分散体を混合して得るウェットマスターバッチとして作製することもできる。
改質NRマスターバッチは、改質NRおよびシリカを混練りすることにより作製することができる。混練方法や混練の条件は、上記X1練り工程と同様である。また、X1練り工程と同様、改質NRラテックスとシリカ水分散体を混合して得るウェットマスターバッチとして作製することもできる。
耐熱老化性指数(%)=80℃で18時間熱処理した後のムーニー粘度/熱処理前のムーニー粘度×100 (式3)
(工程1−1)
工程1−1では、天然ゴムラテックスをケン化処理する。これにより、ゴム中のリン脂質やタンパク質が分解され、非ゴム成分が低減されたケン化天然ゴムラテックスが調製される。
工程1−2では、上述の工程1−1で得られたケン化天然ゴムラテックスを洗浄する。この洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程1−3では、工程1−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。塩基性化合物の処理などに起因して耐熱老化性が低下する傾向があるが、更に酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性を得ることができる。
(工程2−1)
工程2−1では、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理する。これにより、タンパク質などの非ゴム成分が除去された脱蛋白天然ゴムラテックスが調製できる。工程2−1で使用する天然ゴムラテックスとしては、製法1において説明したものと同様のものが挙げられる。
工程2−2では、工程2−1で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄する。この洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程2−3では、工程2−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。塩基性化合物での処理はもちろん、酸凝集においても酸量が少ない場合、最終的に得られたゴムを水で抽出した際、アルカリ性〜中性になることに起因して耐熱老化性が低下する傾向がある。一般的に、好適に脱蛋白できるという理由から、蛋白質分解酵素として、アルカリ領域に至適pHを有する酵素が使用されており、当該酵素反応は、至適pHに合わせてアルカリ条件下で行われることが多い。その後、凝集の際に酸性下で凝固されるが、そのゴムを水洗しただけでは、後述する抽出でpHが抽出液よりも上がり、この場合に特に耐熱老化性の低下が大きくなる。これに対して、凝固後、必要に応じて塩基性化合物で処理した後に、酸性化合物で処理をすることにより、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性を得ることができる。
X1練りで得られたBRマスターバッチと、X2練りで得られた改質NRマスターバッチとを混練りして行う。混練方法としては、例えば、上記X1およびX2練り工程同様、バンバリーミキサー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される混練機を使用し、一般的なゴム工業で使用される条件下で行うことができる。
上記Y練りで得られた混練物に、加硫剤と、必要に応じて加硫促進剤とをF練りにより混練りし、混練物(未加硫ゴム組成物)を得る。そして、この未加硫ゴム組成物を、必要な形状に成形し、タイヤ部材として貼り合せた後、公知の方法により加硫することにより、本発明の加硫ゴム組成物を得ることができる。
0.3≦α≦0.7 (式1)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+改質NR相中のシリカ量)である。)
0.45≦β≦0.8 (式2)
(ここで、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中の改質天然ゴムの質量)であり、加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量および加硫ゴム組成物中の改質天然ゴムの質量は、それぞれ加硫ゴム組成物を製造する際に含有させた各ゴムの含有量に相当する。)
0.3≦α≦0.7 (式1)
0.45≦β≦0.8 (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+改質NR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中の改質天然ゴムの質量)である。)
以下、製造例において用いた各種材料を示す。
フィールドラテックス:マレーシアのムヒバラテックス社から入手したフィールドラテックス
アニオン系界面活性剤:花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効成分27質量%)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
老化防止剤:ELIOKEM社製のWingstay L(ρ−クレゾールとジシクロペンタジエンとの縮合物をブチル化した化合物)
界面活性剤:LANXESS社製のエマルビンW(芳香族ポリグリコールエーテル)
界面活性剤:BASF社製のタモールNN9104(ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒドのナトリウム塩)
界面活性剤:Vanderbilt社製のVan gel B(マグネシウムアルミニウムシリケートの水和物)
水(462.5g)、エマルビンW(12.5g)、タモールNN9104(12.5g)、Van gel B(12.5g)、Wingstay L(500g)の合計1000gをボールミルで16時間混合し、老化防止剤分散体を調製し、以下の製造例に用いた。
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、このラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、さらに水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。その後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は0.5〜5mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。さらに、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした。その後、90℃で4時間乾燥して固形ゴムを得た。
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、このラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、さらに水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。その後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は3〜15mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水1000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を1回行った。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間撹拌した。さらに、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、90℃で4時間乾燥して固形ゴムを得た。
製造例1において炭酸ナトリウム水溶液で処理し、水洗を7回繰り返した後、2質量%ギ酸による酸処理をすることなく、水しぼりロールで水を絞ってシート状にしたほかは、同様の手順で固形ゴムを得た。
得られたゴム5gを5mm以下(約1〜2×約1〜2×約1〜2(mm))に切断して100mlビーカーに入れ、常温の蒸留水50mlを加えて2分間で90℃に昇温し、その後90℃に保つように調整しながらマイクロ波(300W)を13分(合計15分)照射した。次いで、浸漬水をアイスバスで冷却して25℃とした後、pHメーターを用いて、浸漬水のpHを測定した。
(アセトン抽出(試験片の作製))
各固形ゴムを1mm角に細断したサンプルを約0.5g用意した。サンプルをアセトン50g中に浸漬して、室温(25℃)で48時間後にゴムを取出し、乾燥させ、各試験片(老化防止剤抽出済み)を得た。
得られた試験片の窒素含有量を以下の方法で測定した。窒素含有量は、微量窒素炭素測定装置「SUMIGRAPH NC95A((株)住化分析センター製)」を用いて、上記で得られたアセトン抽出処理済みの各試験片を分解、ガス化し、そのガスをガスクロマトグラフ「GC−8A((株)島津製作所製)」で分析して窒素含有量を定量した。
ICP発光分析装置(P−4010、(株)日立製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル約70mgを正確に計り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
80℃で18時間熱処理した前後の固形ゴムのムーニー粘度ML1+4(130℃)を、JIS K6300:2001−1に準拠して測定し、さらに次の式により耐熱老化性指数を算出した。熱処理前のムーニー粘度が50〜70の範囲、特に50〜65の範囲であれば物性が良く、素練りの必要もなく、優れている。低すぎるとゴム物性が悪い。また、耐熱老化性指数が大きいほど、耐熱老化性が優れている。
耐熱老化性指数(%)=熱処理後のムーニー粘度/熱処理前のムーニー粘度×100
改質天然ゴム(改質NR):製造例1にて製造したもの
天然ゴム(NR):TSR20
ブタジエンゴム(BR):JSR(株)製のBR730(シス1,4−含有率95%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(ISAFカーボン、N2SA:114m2/g、平均粒子径:23nm)
シリカ:エボニック・デグザ(Evonik Degussa)社製のULTRASIL(登録商標)VN3(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:エボニック・デグザ社製のSi266
ミネラルオイル:出光興産(株)製のPS−32(パラフィン系プロセスオイル)
ステアリン酸:日油(株)製の「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエースワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン)
表2の工程(I)に示す配合処方にしたがい、ゴム成分、シリカおよびその他の材料を入れ、1.7Lのバンバリーミキサーを用いて排出温度150℃で3分間混練りすることにより、ブタジエンゴムおよびシリカを含む混練物(BRマスターバッチ)および改質天然ゴムおよびシリカを含む混練物(改質NRマスターバッチ)を得た。次に、得られた両混練物と、表2の工程(II)に示す配合処方にしたがい、その他の材料を添加し、排出温度150℃で5分間混練りし、混練物を得た。得られた混練物に、表2の工程(III)に示す配合処方にしたがい硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて150℃で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。なお、表2の工程(I)に配合量の記載がないものは、工程(II)のみ行った。
(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/分、付加荷重3.0kg、落砂量15g/分でスリップ率20%にて摩耗量を測定し、それらの摩耗量の逆数をとった。そして、比較例1の摩耗量の逆数を100とし、その他の摩耗量の逆数を指数で表した。指数が大きいほど耐摩耗性能に優れることを示す。なお、105以上を性能目標値とする。
実施例および比較例のスタッドレスタイヤを用いて、下記の条件で、氷上で実車性能を評価した。試験場所は、住友ゴム工業株式会社の北海道名寄テストコースで行い、氷上気温は−2〜−6℃であった。試験用タイヤを国産2000ccのFR車に装着し、時速30km/hでロックブレーキを踏み停止させるまでに要した氷上の停止距離を測定した。そして、比較例1を基準として、下記式から算出した。なお、110以上を性能目標値とする。
(氷上性能)=(比較例1の制動停止距離)/(各配合の停止距離)×100
加硫ゴム組成物を面出しし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。各相のモルホロジーは、コントラストの比較により確認することが可能であった。その結果、実施例、比較例では、ブタジエンゴムを含む相(BR相)と改質天然ゴムを含む相(改質NR相)とは互いに非相溶であることが確認された。BR相が海相を形成し、改質NR相が島相を形成しており、シリカは、実施例ではBR相および改質NR相の両方に分散していた。
上記と同様にして、同一の加硫ゴム組成物について、加硫完了から1年後の状態におけるBR相中のシリカ存在率αを測定した。そして、加硫完了から200時間後の状態におけるBR相中のシリカの存在率αを基準として加硫完了から1年後の状態におけるBR相中のシリカの存在率αの変化率を調べた。
変化率(%)=|α(1年後)−α(200時間後)|/α(200時間後)×100
A:変化率が10%以内である
B:変化率が10%を超え、30%以内である
C:変化率が30%を超える
2 IR相
3 シリカ
4 カーボンブラック
Claims (17)
- (a)ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
(b)改質天然ゴムおよびシリカを含むマスターバッチを作製する工程、
(c)(a)で得られたマスターバッチと(b)で得られたマスターバッチとを混練りする工程、および
(d)(c)で得られた混練物を加硫する工程
を含む加硫ゴム組成物の製造方法であって、
該改質天然ゴムが、天然ゴムの非ゴム成分を除去したのち、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7に調整されたものであり、
該加硫ゴム組成物が、
ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、改質天然ゴムおよびシリカを含む相(改質NR相)とを有し、
BR相と改質NR相とは互いに非相溶であり、
加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物の製造方法。
0.3≦α≦0.7 (式1)
0.45≦β≦0.8 (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+改質NR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中の改質天然ゴムの質量)である。) - 前記ブタジエンゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、ブタジエンゴム100質量部に対して、シリカを40質量部以上含有する請求項1記載の製造方法。
- 前記改質天然ゴムおよびシリカを含むマスターバッチが、改質天然ゴム100質量部に対して、シリカを15質量部以上含有する請求項1または2記載の製造方法。
- 前記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上のブタジエンゴムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記加硫ゴム組成物が、改質天然ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを25〜120質量部、軟化剤を15〜80質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して50質量%以上のシリカを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記改質天然ゴムのゴム中のリン含有量が200ppm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記改質天然ゴムのゴム中の窒素含有量が0.15質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記改質天然ゴムのpH値が、前記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定した値である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記改質天然ゴムの80℃、18時間熱処理後の耐熱老化性指数(式3)が、75〜120%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
耐熱老化性指数=熱処理後のムーニー粘度/熱処理前のムーニー粘度×100 (式3) - ブタジエンゴムおよびシリカを含む相(BR相)と、改質天然ゴムおよびシリカを含む相(改質NR相)とを有する加硫ゴム組成物であって、
該改質天然ゴムが、天然ゴムの非ゴム成分を除去したのち、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7に調整されたものであり、
BR相と改質NR相とは互いに非相溶であり、
加硫工程の完了から100時間〜500時間後におけるBR相中のシリカの存在率αが下記式1を満たし、
ブタジエンゴムの割合βが下記式2を満たす、加硫ゴム組成物。
0.3≦α≦0.7 (式1)
0.45≦β≦0.8 (式2)
(ここで、α=BR相中のシリカ量/(BR相中のシリカ量+改質NR相中のシリカ量)であり、β=加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量/(加硫ゴム組成物中のブタジエンゴムの質量+加硫ゴム組成物中の改質天然ゴムの質量)である。) - 前記ブタジエンゴムが、シス1,4結合含有率が90%以上のブタジエンゴムである請求項6記載の加硫ゴム組成物。
- 改質天然ゴムとブタジエンゴムとを含むゴム成分100質量部に対して、フィラーを25〜120質量部、軟化剤を15〜80質量部含有し、該フィラーは、全フィラー量に対して50質量%以上のシリカを含有する請求項10または11記載の加硫ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムのゴム中のリン含有量が200ppm以下である請求項10〜12のいずれか1項に記載の加硫ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムのゴム中の窒素含有量が0.15質量%以下である請求項10〜13のいずれか1項に記載の加硫ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムのpH値が、前記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定した値である請求項10〜14のいずれか1項に記載の加硫ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムの80℃、18時間熱処理後の耐熱老化性指数(式3)が、75〜120%である請求項10〜15のいずれか1項に記載の加硫ゴム組成物。
耐熱老化性指数=熱処理後のムーニー粘度/熱処理前のムーニー粘度×100 (式3) - 請求項10〜16のいずれか1項に記載の加硫ゴム組成物により構成されたトレッドを有するスタッドレスタイヤ。
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