JP2016094134A - 多目的車両 - Google Patents

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剛 川上
Takeshi Kawakami
剛 川上
山下 正晃
Masaaki Yamashita
正晃 山下
大輔 平田
Daisuke Hirata
大輔 平田
清行 奥山
Kiyoyuki Okuyama
清行 奥山
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Abstract

【課題】より利便性に優れた多目的車両を提供する。
【解決手段】エンジン5を備える多目的車両1において、携帯端末Pと通信可能に構成された制御装置80を備え、携帯端末Pの識別情報Ipと、携帯端末Pを通して制御装置80に入力されるパスワードとを、予め制御装置80に登録された登録識別情報と、登録パスワードとに基づいて制御装置80が認証した場合に、エンジン5を始動することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、多目的車両に関する。
従来から、日常的に用いられる利便性の高い携帯端末(モバイル端末)を利用してエンジンの始動を許可する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、多目的車両において、携帯端末をエンジン始動の他にも用いることによって、より利便性を高めることができる。すなわち、より利便性に優れた多目的車両が望まれている。
特開2014−51194号公報
本発明は、より利便性に優れた多目的車両を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1に係る発明は、
エンジンを備える多目的車両において、
携帯端末と通信可能に構成された制御装置を備え、
前記携帯端末の識別情報と、前記携帯端末を通して前記制御装置に入力される識別情報とを、予め前記制御装置に登録された識別情報に基づいて前記制御装置が認証した場合に、前記エンジンを始動することができる、としたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した多目的車両において、
前記携帯端末の識別情報と前記制御装置に入力される識別情報とのうちの少なくとも一つを前記制御装置が認証した場合には、当該多目的車両の状態、当該多目的車両の作動状態、及び、当該多目的車両を操作するための操作子のうちの少なくとも一つが、所定の表示態様で前記携帯端末の画面に表示される、としたものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載した多目的車両において、
前記表示態様は、前記制御装置に入力される識別情報ごとに設定可能である、としたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載した多目的車両において、
前記制御装置は、当該多目的車両の状態を前記携帯端末に記憶させる、としたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載した多目的車両において、
前記携帯端末を運転席周辺に着脱自在に取り付けることができるように構成されている、としたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5の何れかに記載した多目的車両において、
前記携帯端末は、傾斜角度検出手段を有し、
前記携帯端末が当該多目的車両に取り付けられ且つ前記携帯端末の識別情報が前記制御装置に認証された場合に、検出される角度値が予め設定された値を超えたまま所定時間が経過するときには、前記制御装置は、予め設定された連絡先に報知する、としたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、日常的に用いられる利便性の高い携帯端末を利用してエンジンを始動することができるので、利便性の向上を図ることができる。また、請求項1に係る発明によれば、携帯端末の識別情報が認証される場合であっても、携帯端末を通して制御装置に入力される識別情報が認証されなければ、エンジンを始動することはできない。このように、エンジンの始動までに複数段階の認証が要求されるため、防犯性の向上を図ることもできる。従って、より利便性に優れた多目的車両を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、当該多目的車両に必要な情報又は必要な操作子を携帯端末の画面に表示できるので、当該多目的車両の運転席周辺に設置される機器を削減することができる。これにより、運転席周辺のデザインの自由度を拡大することができる。また、請求項2に係る発明によれば、オペレータは、エンジンを始動する前であっても、当該多目的車両の状態を確認できる。従って、より利便性に優れた多目的車両を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、制御装置に入力される識別情報ごとに異なる表示の態様が設定されるので、利便性の向上を図ることができる。例えば、オペレータごとに異なる識別情報が入力されることによってエンジンを始動する場合に、各オペレータは、一つの識別情報を共有することなく、個人の識別情報を使用することができる。従って、更に利便性の向上を図ることができる。更に、一人のオペレータが複数の識別情報を使用することにより、例えば走行コース及び作業内容等に応じて表示の態様を使い分けることができる。これにより、更に利便性の向上を図ることができる。従って、より利便性に優れた多目的車両を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、携帯端末は、当該多目的車両の状態を記憶できるので、オペレータは、当該多目的車両から離れたところにおいても、携帯端末を通して状態を確認することができる。更に、制御装置に入力される識別情報ごとに当該多目的車両の状態を携帯端末が記憶することにより、オペレータは、例えば、自身の運転による状態とともに別のオペレータの運転による状態を確認することができる。また、オペレータは、例えば、制御装置に入力される識別情報ごとに使い分けされた当該多目的車両の状態を確認することができる。従って、より利便性に優れた多目的車両を提供することができる。
請求項5に係る発明によれば、オペレータは、当該多目的車両の運転席周辺に携帯端末を着脱自在に取り付けることができるので、携帯端末を当該多目的車両に持ち込んで容易に使用することができる。また、オペレータは、運転席周辺に取り付けられた携帯端末を、運転席に着座した状態で容易に視認できるとともに容易に操作できる。従って、より利便性に優れた多目的車両を提供することができる。
請求項6に係る発明によれば、検出される角度が予め設定された値を超えたまま所定時間が経過するときには、制御装置は、予め設定された連絡先に報知する。検出される角度が予め設定された値を超えたまま所定時間が経過するときには、事故等による当該多目的車両の転倒が考えられる。そのため、当該多目的車両の乗員又は携帯端末の利用者等のオペレータに関係する者として、予め設定された連絡先に制御装置が報知することによって、当該多目的車両の転倒の対応を早めることができる。従って、より利便性に優れた多目的車両を提供することができる。
本発明の実施形態に係る多目的車両の全体構成を示した斜視図。 多目的車両の全体側面図。 多目的車両の正面図。 多目的車両のルーフを外した状態の平面図。 多目的車両のステアリングハンドルの周辺を示した平面図。 ダッシュボードのセンターパネルを拡大して示す斜視図。 多目的車両と携帯端末との間の制御システムを示した図。 制御装置の記憶部に格納される情報の概念を示した図。 携帯端末における表示を示した図。 携帯端末における表示を示した図。 携帯端末における表示を示した図。 携帯端末における表示を示した図。 多目的車両と携帯端末との間の制御を示すフローチャート。 多目的車両を管理する管理サーバと携帯端末とを含むシステムの概略を示した図。 有人運転走行車両である多目的車両及び無人運転走行車両が、無線通信システムを用いた移動・作業システムを利用して走行する様子を示すイメージ図。 無人運転走行車両の走行の開始を指示するために操作される携帯端末における表示を示した図。
本発明の技術的思想は、エンジンを備えるあらゆる車両に適用することが可能である。
以下に、本発明を具体化した実施形態を、多目的車両1について全体構成から説明する。なお、F方向を前方として説明する。
図1から図4に示すように、多目的車両1は機体フレーム2の前部上に運転部10を配置し、機体フレーム2の後部上に荷台50を配置している。また、機体フレーム2の前下部には、操舵用車輪としての左右一対の前輪3・3が支持され、機体フレーム2の後下部に左右一対の後輪4・4が支持されて走行部を形成している。機体フレーム2の後部側であって荷台50の下方には動力源としてのエンジン5と燃料タンク6とミッションケース7とバッテリー8が搭載されている(図4参照)。
前記エンジン5は、荷台50の前部左右中央下方に配置され、エンジン5の右側の空いた空間に燃料タンク6が配置され、エンジン5左側の空いた空間にバッテリー8が配置される。燃料タンク6及びバッテリー8は荷台50の幅からはみ出さないように配設される。エンジン5の後部にはミッションケース7とリヤアクスルケースが配置される。前記運転部10の前方のボンネット12内にフロントアクスルケースや操舵機構が配設される。なお、前輪3・3及び後輪4・4は独立懸架機構により機体フレーム2に支持される。
前記エンジン5からの動力は、ミッションケース7内の変速装置により変速されて、リヤアクスルケース内の伝動機構を介して後輪4・4に伝達し、更に、ミッションケース7から伝動軸、フロントアクスルケース内の伝動機構を介して前輪3・3に伝達可能に構成している。
前記荷台50は、図4に示すように、床板51と前板52と左右のあおり板53L・53Rと後あおり板54からなる。床板51の周囲にはロープ掛け可能にフック55・55・・・が適宜間隔をあけて配置されている。但し、フック55は前板52や左右のあおり板53L・53Rや後あおり板54に設ける構成とすることも可能である。
前記床板51の後下部は左右を軸心として機体フレーム2に枢支され、機体フレーム2と床板51の下面との間には図示しない油圧シリンダが配置され、油圧シリンダを伸縮させることにより荷台50の前部を昇降できるようにしている。また、床板51の後部下面から後バンパー29が後下方に突設して左右方向に延設されている。
前記運転部10は、ステアリングハンドル11やロプスフレーム20や座席シート30等よりなり、左右のドア28・28を開けることにより、運転部10内にアクセスできる。運転部10の前方にはボンネット12が配置されステアリング装置が収納され、ボンネット12の左右前部にはヘッドライト13・13が配置される。ボンネット12の前方の機体フレーム2の前端には前バンパー14が配置される。
図1、図3に示すように、前バンパー14は、パイプフレーム15とフロントガード16とサイドガード17・17からなる。パイプフレーム15は上下二本の主パイプ15a・15aと補強パイプ15bが左右にそれぞれ配置され、主パイプ15a・15aは左右中央に配置されるフロントガード16から左右上斜め側方へ上がりサイドガード17に固定されている。上下の主パイプ15a・15aの間の左右中央には補強パイプ15bが側方上がりに連結固定されている。
フロントガード16は、ボンネット12前方の左右中央に配置され、フロントガード16は左右両側にブロック部16a・16aを構成し、左右のブロック部16a・16aの間にウインチが配置される。左右のブロック部16a・16aから左右両側方に前記上下の主パイプ15a・15aが延設され、左右のブロック部16a・16aの前端は主パイプ15a・15a及びウインチより一部前方に突出するように配置される。この左右のブロック部16aの各中央に前ライト19が設けられている。前ライト19はブロック部16aに埋め込まれ直接衝撃が加えられないようにし、LED等により縦長となるように構成している。前ライト19は作業灯であってもフォグランプであってもよく限定するものではない。
図4に示すように、前記ボンネット12の後部にはダッシュボード9が設けられ、該ダッシュボード9の左側からステアリングハンドル11が上方に突出されている。但し、ステアリングハンドル11は右側に設ける構成であってもよい。
前記ダッシュボード9の後方にはフロア34を介して座席シート30が配置される。座席シート30は、運転席31と助手席32と補助席33からなる。運転席31と助手席32と補助席33はシートフレーム(図示せず)上に取り付けられる。
運転席31は、ステアリングハンドル11の後方に配置され、本実施形態では、左側に配置され、右側に助手席32が配置される。
運転席31は座部311と背もたれ部312とが一体的に形成され、シートフレーム上に固定される。但し、座部311と背もたれ部312を分割し、座部311または背もたれ部312を前方に回動する構成であってもよい。運転席31の背もたれ部312の上方にはヘッドレスト35が配置され、後述するロプスフレーム20の補強フレーム25に取り付けられる。
助手席32は、座部321と背もたれ部322とからなる。
前記補助席33は、運転席31と助手席32の幅よりも狭く構成して、運転席31と助手席32との間の空間を埋めるように配置している。補助席33は座部331と背もたれ部332からなり、座部331の上面は、運転席31と助手席32の座部311・321の上面と高さを一致させ段差ができないようにし、背もたれ部332の前面は、運転席31と助手席32の背もたれ部312・322の前面が一致するように構成して段差ができないようにしている。こうして、運転席31と助手席32の間で左右方向に容易に移動できるようにしている。
そして、座部331の前端面は運転席31と助手席32の座部311・321の前端面よりも後方に位置するように構成され、座部311・321と座部331で凹状の囲まれた空間に変速レバー36やサイドブレーキレバー37等の操作レバーを配置できるようにしている。座部331と背もたれ部332は一体的に構成してシートフレームに固定される。但し、座部331と背もたれ部332を分離して、座部331はシートフレームに枢支して上方に回動してシートフレームの上面を開放可能に構成することもできる。
また、前記背もたれ部332は、助手席32の背もたれ部322が上下方向姿勢のとき一体的な形状となるように構成して意匠性を高めている。但し、背もたれ部332を前方に倒れるように構成して、背もたれ部332が座部331の上部で水平方向に保持することで、アームレストの役目を果たす構成とすることもできる。また、背もたれ部332の背面に円筒状の凹部を形成して、カップホルダーを設ける構成とすることもできる。この場合、背もたれ部332を前へ倒すことで、前記凹部にコップやペットボトル等を安定した状態で収納でき、取出しも容易にでき、運転の邪魔にもならい。
次に、運転部10の保護構造について説明する。運転部10はその周囲と上方がロプスフレーム20とルーフ60により保護できるようにしている。ロプスフレーム20は、高い強度(剛性)を有する鋼管を折り曲げ形成及び溶接して、左右の前支柱21L・21Rと、左右の後支柱(参照番号なし)と、後中支柱22Mと、左右の上フレーム(参照番号なし)と、前後の横フレーム(参照番号なし)と、補強フレーム25とから構成される。
更に、ロプスフレーム20には、グリップ62と上作業灯63が一体的に取り付けられている。このように、グリップ62を設けることにより、運転席31に乗り込むときにグリップ62を握って体を支えたり、助手席32に座った同乗者が悪路を走行する時などにグリップ62を握って体を支えたりすることができるのである。上作業灯63の光源は複数のLEDを上下方向に並べて配置している。但し、光源はLEDに限定するものではない。また、上作業灯63は方向指示器や車幅灯とすることも可能である。また、前記上作業灯63は前記前ライト19と後述する後作業灯65と統一した形で配設することで、デザインの統一及び部品の種類が多くなることを防止してコスト低減化を図っている。
ルーフラック70は、ブラケット66・66・67とラックバー68からなる。本実施形態では、ブラケット66が後コーナー部材64と一体的に成形され、後コーナー部材64(またはブラケット66)に後作業灯65が一体的に取り付けられる構成としている。後作業灯65は、後コーナー部材64の後面でブラケット66の下方に縦長で後コーナー部材64の幅内に構成して固定され、荷台50方向を照らすように配設される。
次に、多目的車両1に持ち込まれる携帯端末Pを取り付けるための構成について説明する。
図5は、多目的車両のステアリングハンドル11の周辺を示している。図6は、ダッシュボード9のセンターパネル91を拡大して示している。図6(a)は、携帯端末Pが取り外されたセンターパネル91を示している。図6(b)は、携帯端末Pが取り付けられたセンターパネル91を示している。
携帯端末Pは、容易に持ち運びができ且つ無線通信ができるPDA(Personal Data Assistance)であって、タブレットPC(Tablet PC)又は電話機能を有するスマートフォン等である。
ダッシュボード9は、センターパネル91と左パネル92と右パネル93とを含む。センターパネル91の略中央部には、携帯端末Pを着脱自在に取り付けることができる。センターパネル91の略中央部には、アタッチメント90が構成されている。アタッチメント90としては、左右一対のリブ91a・91bがセンターパネル91の略中央部に形成されている。
左パネル92は、ステアリングハンドル11のステアリング軸を通すための保持部92aを有する。ステアリングハンドル11のステアリング軸(図示せず)は、保持部92aを貫通している。保持部92aの前上方には、アクセサリケース94が形成されている。
右パネル93には、グラブバー96が固定されている。グラブバー96の前上方には、グローブボックス95が形成されている。グローブボックス95には、開閉自在の蓋95aが付けられている。
携帯端末Pは、左右のリブ91a・91bの間に嵌め込まれることによって、センターパネル91に取り付けられる。オペレータは、運転席31からダッシュボード9に向かって携帯端末Pを押し込むことによって、携帯端末Pを取り付けることができる。このように、携帯端末Pの位置は、ダッシュボード9の略中央部であって、取り付けられた携帯端末Pに表示される情報をオペレータが容易に目視できる位置である。
また、リブ91a・91bには、それぞれ、溝91c・91dが形成されている。多目的車両1の乗員は、左右の溝91c・91dに指を差し込むことによって、ダッシュボード9から携帯端末Pを容易に取り外すことができる。
左右のリブ91a・91bの間には、充電コネクタ97が取り付けられている。携帯端末Pがダッシュボード9に取り付けられた場合には、携帯端末Pのコネクタ接続部Pnに充電コネクタ97が接続される。充電コネクタ97は、携帯端末Pのバッテリー(図示せず)と多目的車両1のバッテリー8とを接続する配線と、携帯端末Pと制御装置80の通信部83とを接続する配線とを含む。携帯端末Pに充電コネクタ97を接続することによって、携帯端末Pを充電できるとともに、後述するように携帯端末Pが有する識別情報Ipを有線で制御装置80に伝達することができる(図7参照)。
なお、携帯端末Pをダッシュボード9に取り付けるための構成は、上述のものに限定しない。ダッシュボード9に携帯端末Pの移動を案内するレールが設けられて、このレールに沿って携帯端末Pをスライドさせることによって取り付けることも可能である。ダッシュボード9は、携帯端末Pを着脱自在に取り付けられるように構成されていればよい。
次に、多目的車両1の制御装置80について説明する。
多目的車両1は、最大限の性能を発揮できるよう、各所に情報ネットワークが張り巡らされている。具体的には、エンジン5のほか、多目的車両1の各構成が互いに情報を共有できるコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)を構成している。
図7に示すように、制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部81と、ROM(Read Only Memory)、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記憶部82とを有している。処理部81は、ROMに格納されているプログラム等をRAM上に読み出したうえで、これを実行することができる。更に、制御装置80は、制御プログラムを処理部81が実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。具体的には、通信時における情報の送受信、各種の入出力制御及び演算処理の制御等を行う。
また、制御装置80は、通信部83を有する。通信部83は、多目的車両1の外部の構成と通信する機能を有する。後述するように、制御装置80は、通信部83を通じて携帯端末Pと通信する。
更に、制御装置80は、エンジン5を制御するとともに、各種センサ(回転速度センサSe1、走行速度センサSe2、燃料量センサSe3及び冷却水温度センサSe4等)による検出結果を認識する。
また、制御装置80は、携帯端末Pを通さずに別の携帯端末Pと通信することができる。制御装置80は、非常用の通信機器84を備えるとともに、時間を計測する機能を有する。
次に、制御装置80と通信する携帯端末Pについて説明する。
携帯端末Pは、コネクタ接続部Pnを有し、コネクタ接続部Pnに充電コネクタ97が接続されることによって、制御装置80と通信することができる。携帯端末Pは、多目的車両1のエンジン5の始動を指示するために用いられる。更に、携帯端末Pは、多目的車両1のメータ類を表示することができる。
携帯端末Pは、不揮発性のメモリ等から構成される記憶領域Pmを有する。記憶領域Pmには、エンジン5の始動の指示と、多目的車両1の作動状態の設定等に用いられるアプリケーションソフトウェアが格納される。また、携帯端末PのモニタScは、タッチパネルである。携帯端末Pは、識別情報Ipを有する。
なお、携帯端末Pと制御装置80とは、無線通信が可能であるように構成されていてもよい。例えば、携帯端末Pが、Wi−Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を備えることにより、無線通信機器を含む制御装置80と無線通信を実施できる。
更に、携帯端末Pは、傾斜角度を検出する傾斜角センサSeiを備える。携帯端末Pが多目的車両1に取り付けられることにより、傾斜角センサSeiは、多目的車両1の傾斜角度として、ロール量とピッチ量とを検出する。また、携帯端末Pが、時間を計測する機能を有していてもよい。
一方、制御装置80は、予め登録された情報に基づいてエンジン5の始動(以下、エンジン始動という)の可否を判定する。以下では、制御装置80の記憶部82に格納される情報について説明する。
図8に示すように、記憶部82には、登録識別情報Ipr1・Ipr2・・・Iprn(nは任意の整数であって、登録された携帯端末Pの台数)が予め格納されている。登録識別情報Ipr1・Ipr2・・・Iprnのそれぞれは、各携帯端末Pの識別情報Ipに対応する。また、多目的車両1が自己の識別コードを有する場合には、登録識別情報Ipr1・Ipr2・・・Iprnのそれぞれは、この識別コードに対応するように登録されている。
所定のアプリケーションソフトウェアが携帯端末Pに導入されたときには、この携帯端末Pの識別情報Ipに対応する登録識別情報Iprnが通信部83を介して制御装置80に入力され、この情報が記憶部82に格納される。このように、制御装置80には、登録識別情報Ipr1(・Ipr2・・・Iprn)が予め登録されている。各オペレータは、登録識別情報Ipr1(・Ipr2・・・Iprn)を予め登録することによって、自分が所有する携帯端末Pを、多目的車両1のインターフェースとして多目的車両1に持ち込んで使用することができる。
更に、記憶部82は、複数の登録パスワードID11・ID12・・・ID1m(mは登録パスワードの数)/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnm(nは登録識別情報の数)を格納している。登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmのそれぞれは、オペレータ等によって予め登録され、制御装置80がエンジン始動の可否を判定するための識別情報である。各登録パスワードID11・ID12・・・ID1mは、登録識別情報Ipr1に関連付けられ、各登録パスワードID21・ID22・・・ID2mは、登録識別情報Ipr2に関連付けられ、各登録パスワードIDn1・IDn2・・・IDnmは、登録識別情報Iprnに関連付けられている。オペレータは、複数のパスワードを登録できる。なお、各パスワードの文字数及び数字の数は限定しない。
なお、携帯端末Pを通して制御装置80に入力される識別情報の認証には、生体認証を用いることができる。
オペレータは、希望する数だけ登録パスワードを登録できる。つまり、オペレータは、1以上のパスワードを登録できる。図中においては、1つ目の登録識別情報Ipr1(1台目の携帯端末P)に対して、登録パスワードID11・ID12・・・ID1mが登録され、2つ目の登録識別情報Ipr2(2台目の携帯端末P)に対して、登録パスワードID21・ID22・・・ID2mが登録され、n番目の登録識別情報Iprn(n台目の携帯端末P)に対して、IDn1・IDn2・・・IDnmが登録されていることを示す。すなわち、一つの登録識別情報Iprnに対して、1からmまでの数の登録パスワードが登録されていることを示す。
登録される登録パスワードの数は、登録識別情報Iprnごとに異なっていてもよい。例えば、2台の携帯端末Pの登録識別情報Ipr1・Ipr2が登録されている場合に、1台目の登録識別情報Ipr1に対して、1つの登録パスワードID11が登録され、2台目の登録識別情報Ipr2に対して、1から3までの数の登録パスワードID21・ID22・ID23(つまりm=3)が登録されていてもよい。
また、オペレータは、多目的車両1の状態に関する複数の設定値SET11・SET12・・・SET1m(mは設定値の数であって登録パスワードの数)/SET21・SET22・・・SET2m/SETn1・SETn2・・・SETnm(nは登録識別情報の数)を登録できる。各設定値は、各登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmに対応している。つまり、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmごとに、設定値SET11・SET12・・・SET1m/SET21・SET22・・・SET2m/SETn1・SETn2・・・SETnmが登録されている。言い換えると、一つの登録パスワードに対応するように、一つの設定値が登録されている。
エンジン始動に際して登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmのうちのいずれかを示すパスワードが入力されることにより、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmごとに携帯端末Pの表示の態様と多目的車両1に関する設定値とを変更できる。
多目的車両1に関する設定値には、例えば、最高走行速度の上限値、エンジン回転速度の上限値、走行ルート等が含まれる。設定値として異なる走行ルートの情報が登録されている場合には、地図のアプリケーションを導入した携帯端末PのモニタScに、入力されるパスワード(例えばn番目の携帯端末Pを用いる場合には登録パスワードIDn1・IDn2・・・IDnmのうちのいずれか)に対応する個別の走行ルートが表示される。
その他、運転席31、助手席32及び補助席33のすべて又はいずれかが自動でスライド及びリクライニングできるように構成されている場合には、これらの座席の位置に関する設定値が該当する。従って、後述するように、入力されたパスワードが登録パスワードに基づいて認証されると、該当する登録パスワードに対応した設定値に、座席の姿勢(つまり、設定値が示す位置及び角度)が自動的に調整される。
更に、上作業灯63と後作業灯65とのそれぞれの照度と点灯時間、四輪駆動と二輪駆動との切り替え、運転部10の空調の設定に関する値等が設定値に該当する。ここでいう設定値には、多目的車両1の作動状態を含む状態を変更するための設定に関する値が該当する。このような設定値を登録することによって、オペレータは、多目的車両1の状態をカスタマイズできる。
例えば、n番目の1台の携帯端末Pを複数のオペレータが共有する場合に、オペレータ一人ずつが異なる登録パスワードIDn1・IDn2・・・IDnmのうちの一つずつを使用するときには、各オペレータが一つの登録パスワードを共有することなく、各オペレータが個人のパスワード(登録パスワードIDn1・IDn2・・・IDnmのうちのいずれか)を使用することができる。
また、一人のオペレータが1台の携帯端末P(例えば1台目)を使用し且つ異なる複数の登録パスワードID11・ID12・・・ID1mを用意することにより、例えば走行コース及び作業内容等に応じて表示の態様と設定値とを使い分けることができる。つまり、オペレータは、自分の好みに合わせてモニタScの表示と多目的車両1の状態とをカスタマイズできる。そのため、一人のオペレータが異なる複数の登録パスワードID11・ID12・・・ID1mを使い分けることにより、各オペレータは、カスタマイズされた状態に基づいて多目的車両1を運転することができ、更に、カスタマイズされたモニタScの表示を見ながら多目的車両1を運転することができる。
更に、一人のオペレータが複数の携帯端末Pを使用し且つ各携帯端末Pの登録識別情報Ipr1・Ipr2・・・Iprnについて、一つずつの登録パスワードID11・ID21・・・IDn1を用意することにより、モニタScの表示と多目的車両1の状態とを携帯端末Pごとにカスタマイズすることができる。この場合に、オペレータが共通する一つの登録パスワードを用いれば、より容易にモニタScの表示と多目的車両1の状態とをカスタマイズすることができる。
なお、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmは、携帯端末Pの記憶領域Pmに格納されていてもよく、設定値SET11・SET12・・・SET1m/SET21・SET22・・・SET2m/SETn1・SETn2・・・SETnmは、携帯端末Pの記憶領域Pmに格納されていてもよい。
次に、オペレータがエンジン始動を指示するときに使用する携帯端末Pの操作方法について、図9と図10とを用いて説明する。
図9及び図10は、携帯端末Pにおける表示を示す。
上述のように、携帯端末Pがダッシュボード9に取り付けられ、携帯端末Pと制御装置80との通信が開始されると、制御装置80は、携帯端末Pの識別情報Ipを登録識別情報Iprに基づいて認証する。この認証が成立すると、携帯端末PのモニタScにおいて、車両状態画面Sc1(図9参照)が表示される。
車両状態画面Sc1においては、多目的車両1の状態が表示される。図中においては、多目的車両1の状態として、総走行距離I1、トリップメータI2・I3、前回運転終了日時I4、警告及び注意I5が表示されている。また、エンジン始動ボタンBsと、燃料量I6とが、車両状態画面Sc1に表示されている。なお、車両状態画面Sc1は、登録パスワード(登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmのうちのいずれか)ごとにカスタマイズできる。
オペレータは、エンジン始動のために、エンジン始動ボタンBsをタップする。エンジン始動ボタンBsがタップされると、モニタScは、認証画面Sc2(図10参照)を表示する。認証画面Sc2においては、パスワード入力欄CとキーボードKとエンターボタンBeとが表示される。オペレータは、キーボードKを操作して、いずれかのパスワードを入力する。
オペレータは、パスワードの入力が済んだときにエンターボタンBeをタップする。ここで、入力されるパスワードの認証が成立する場合には、モニタScにおいて車両状態画面Sc1が表示される(図9参照)。つまり、モニタScの表示は、車両状態画面Sc1に戻る。ここで、オペレータがエンジン始動ボタンBsをタップすることにより、エンジン5が始動する。
なお、エンジン5は、ダッシュボード9に設けられた操作具によって始動する構成であってもよい。但し、上述の2段階の認証が完了しない間には、この操作具が操作されてもエンジン5は始動しない。
なお、認証画面Sc2におけるパスワードの入力によって、入力されたパスワードと登録パスワードとの認証が成立する場合に、モニタScの表示は、車両状態画面Sc1に戻らなくてもよい。この場合には、認証画面Sc2に表示されるエンターボタンBeは、エンジン始動を指示するボタンの機能を有する。
車両状態画面Sc1と認証画面Sc2とが表示される順は、入れ替わっていてもよい。つまり、携帯端末Pの識別情報Ipの認証が成立した後に、先にパスワードの認証が要求される。そして、パスワードの入力によって認証が成立すれば、モニタScが車両状態画面Sc1を表示する。ここでオペレータがエンジン始動ボタンBsをタップすれば、エンジン5が始動する。
次に、エンジン始動後の画面について説明する。
図11及び図12は、携帯端末Pにおける表示を示す。図11の表示は、多目的車両1が走行している状態を示している。また、図12の表示も、多目的車両1が走行している状態を示している。
エンジン5が始動すると、モニタScは、メータ画面Sc3(図11参照)を表示する。メータ画面Sc3においては、多目的車両1の状態と作動状態とが表示される。図中においては、作動状態として、走行速度計M1と回転速度計M2とが表示されている。また、多目的車両1の状態として、冷却水温度計M3と燃料残量計M4と総走行距離メータM5とが表示されている。
メータ画面Sc3は、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmごとにカスタマイズできる。カスタマイズされた画面として、メータ画面Sc4(図12参照)について説明する。
メータ画面Sc4においても、多目的車両1の状態と作動状態とが表示される。図中においては、作動状態として、走行速度計M6と回転速度計M7とが表示されている。また、多目的車両1の状態として、冷却水温度計M8と燃料残量計M9とトリップメータM10とが表示されている。更に、時計M11が表示されている。
これら二つの画面を比較すると、メータ画面Sc4においては、速度の単位が変換され、走行速度計M6と回転速度計M7とがアナログ表示に似た形式で表示されている。また、冷却水温度計M8と燃料残量計M9とが大きく表示されている。更に、総走行距離メータM5に対してトリップメータM10が表示されている。
このように、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmごとにモニタScにおける表示をカスタマイズすることにより、利便性の向上を図ることができる。なお、カスタマイズによって、これらのメータ類の他に、GPS(Global Positioning System)の観測による走行速度、総燃料消費量、オペレータ名等が表示されていてもよい。
メータ画面Sc3・Sc4には、多目的車両1の操作に用いられるボタン等の操作子が表示されていてもよい。四輪駆動と二輪駆動とを切り替えるためのボタン、トリップメータの表示の更新に用いられるボタン、車載オーディオ機器のコントローラ等が、このような操作子に該当する。
更に、制御装置80は、多目的車両1の状態を携帯端末Pに記憶させる。このとき、携帯端末Pは、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmごとに多目的車両1の状態を記憶することができる。
次に、制御装置80において判定されるエンジン始動の可否について、フローチャートを用いて説明する。
制御装置80は、エンジン始動の可否を判定する場合に、携帯端末Pから送信される識別情報Ipと、予め格納された登録識別情報Ipr及び登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmを使用する。上述のように、携帯端末Pがダッシュボード9に取り付けられ、携帯端末Pと制御装置80との通信が開始されると、制御装置80は、識別情報Ipの認証と、入力されるパスワードの認証とを実施する。
図13に示すように、まず、ステップS11において、識別情報Ipが入力される。ここでは、携帯端末Pから制御装置80に識別情報Ipが送信される。これにより、制御装置80は、識別情報Ipを携帯端末Pから取得する。
続いて、ステップS12において、識別情報Ipの認証が実施される。ここでは、予め登録された登録識別情報Iprに基づいて、携帯端末Pから送信された識別情報Ipが認証される。ステップS11において、認証が成立する場合にはステップS13に進み、認証が成立しない場合にはステップS21に進む。
ステップS21においては、識別情報Ipの認証の失敗を知らせるエラー画面(図示せず)がモニタScに表示される。この画面が所定時間表示された後に、図13に示すルーティンを抜ける。
ステップS13においては、多目的車両1の状態がモニタScに表示される。具体的には、車両状態画面Sc1(図9参照)が表示される。
続いて、ステップS14において、エンジン始動の要求が入力される。ここでは、車両状態画面Sc1においてエンジン始動ボタンBsがタップされることにより、携帯端末Pから制御装置80にエンジン始動の要求が送信される。
続いて、ステップS15において、認証画面Sc2がモニタScに表示される。
次に、ステップS16において、パスワードPwが入力される。ここでは、認証画面Sc2においてパスワードPwが入力されることにより、携帯端末Pから制御装置80にパスワードPwの情報が送信される。これにより、制御装置80は、パスワードPwを取得する。
続いて、ステップS17において、パスワードPwの認証が実施される。ここでは、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmに基づいて、携帯端末Pを通して制御装置80に入力されるパスワードPwが認証される。ステップS17において、認証が成立する場合にはステップS18に進み、認証が成立しない場合にはステップS22に進む。
ステップS22においては、パスワードPwの認証の失敗が所定回数に達したか否かが判定される。ステップS22において認証の失敗が所定回数に達したと判定される場合には、図13に示すルーティンを抜ける。一方、ステップS22において認証の失敗が所定回数に達していないと判定される場合には、ステップS15に戻る。ステップS15から先のステップにおいて、オペレータは、パスワードPwを改めて入力することができる。
ステップS18においては、エンジン始動ボタンBsがモニタScに表示される。つまり、モニタScには、車両状態画面Sc1(図9参照)が表示される。
続いて、ステップS19においては、エンジン始動ボタンBsが所定時間内に操作されたか否かが判定される。ステップS19において、エンジン始動ボタンBsが所定時間内に操作されたと判定される場合にはステップS20に進み、エンジン始動ボタンBsが所定時間内に操作されていないと判定される場合には図13に示すルーティンを抜ける。
ステップS20においては、所定のルーティンに従ってエンジン始動の制御が実施される。これにより、エンジン5が始動する。
このように、携帯端末Pの識別情報Ipを登録識別情報Iprに基づいて制御装置80が認証し、更に、携帯端末Pを通して制御装置80に入力されるパスワードPwを、登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmに基づいて制御装置80が認証した場合に、多目的車両1は、エンジン5を始動することができる。
また、制御装置80は、事故等によって多目的車両1が転倒した場合に、予め設定された連絡先に自動的に報知することができる。多目的車両1の乗員又は携帯端末Pの利用者等のオペレータは、自身に関係する者の連絡先を、制御装置80に予め登録することができる。
上述のように、多目的車両1に取り付けられた傾斜角センサSeiは、多目的車両1のロール量とピッチ量とを検出する。携帯端末Pが多目的車両1に取り付けられ且つ携帯端末Pの識別情報Ipが制御装置80に認証された状態において、検出される角度値が予め設定された値を超えたまま所定時間が経過すると、制御装置80は、事故等によって多目的車両1が転倒していると判定することができる。この判定に基づいて、制御装置80は、認証した携帯端末Pを介して、多目的車両1の転倒を知らせるための連絡を当該連絡先に自動的に報知する。
或いは、制御装置80の非常用の通信機器84が用いられることにより、多目的車両1の転倒を知らせるための連絡は、制御装置80から自動的に当該連絡先に報知されることでもよい。
なお、制御装置80に登録される登録識別情報Iprと登録パスワードID11・ID12・・・ID1m/ID21・ID22・・・ID2m/IDn1・IDn2・・・IDnmとは、多目的車両1を管理する管理サーバSによって管理されていてもよい。
図14に示すように、制御装置80の通信部83と携帯端末Pとは、ネットワークNを介して管理サーバSに接続される。ネットワークNは、携帯端末P、管理サーバS、及び、多目的車両1の通信機器と情報伝達を行う。管理サーバSと、1以上の携帯端末と、1以上の多目的車両1のそれぞれに設けられる通信機器(つまり通信部83)とを含むシステムにおいて、多目的車両1は、管理サーバSに遠隔監視されている。
このような遠隔監視によれば、携帯端末Pと多目的車両1との使用状態を管理サーバSにおいて確認することができる。
アプリケーションソフトウェアが携帯端末Pに導入されるときには、管理サーバSは、携帯端末Pの識別情報Ipを格納するとともに、ネットワークNを介して識別情報Ipを制御装置80に送信する。また、管理サーバSは、アプリケーションソフトウェアを通して、各多目的車両1の固有識別コードに対応するように各携帯端末Pの識別情報Ipを格納する。各多目的車両1の固有識別コードは、出荷時等に予め登録されている。
管理サーバSにおいて、例えばシステムの管理者は、認証が成立する正しい組み合わせによって、多目的車両1と携帯端末Pとが利用されているかを確認することができる。例えば、認証が成立しない不適切な組み合わせが構成される携帯端末Pによって多目的車両1が使用されていることが、管理サーバSで発見される場合に、管理サーバSからは、多目的車両1の固有識別コードに対応する識別情報Ipを有する携帯端末Pに、自動的に連絡が送信される。このように、管理サーバSによる遠隔監視によって、多目的車両1の利便性の向上を図ることができる。
また、このようなシステムによれば、管理サーバSからは、多目的車両1の転倒を知らせるために、登録された連絡先に自動的に連絡が送信される。オペレータは、自身に関係する者の連絡先を管理サーバSに予め登録することができる。
なお、有人運転走行車両としての多目的車両1は、無人運転走行車両100(図15参照)とともに、無線通信を用いた移動・作業システムに利用することができる。
図15は、多目的車両1及び無人運転走行車両100が、無線通信システムを用いた移動・作業システムを利用して走行する様子を示している。
この移動・作業システムは、非作業時の拠点(第1地点P1)と作業対象地(第2地点P2)との間における多目的車両1及び無人運転走行車両100の移動に適用される移動システムであって、且つ、当該作業対象地において多目的車両1及び無人運転走行車両100を用いて実施される作業に適用される作業システムである。無人運転走行車両100は、自動走行用コントローラ(図示せず)を備え、コントローラの自動制御によって無人運転走行する。無人運転走行車両100は、農作業用トラクタである。
多目的車両1及び無人運転走行車両100は、それぞれ、様々な情報を記憶する記憶機能と、無線通信によって情報を互いに送受信するための送受信機能とを有する。上述のように、多目的車両1に着脱自在に取り付けられる携帯端末Pは、これら記憶機能及び送受信機能を備える。オペレータは、このような記憶機能及び送受信機能を、多目的車両1に乗った状態で取り扱えるだけでなく、多目的車両1から降りた状態でも携帯端末Pを携帯することによって取り扱うことができる。また、携帯端末Pは、GPSを利用した現在位置の検出機能を有する。これにより、携帯端末Pは、タッチパネルであるモニタScを含めて、ルート選択手段として用いることもできる。
多目的車両1及び無人運転走行車両100は、それぞれ、記憶すべき情報の取得手段として、現在位置を検出する機能と、各車両の傾斜状態を検出する機能と、各車両の周辺の状態を認識するための画像を取得する機能とを有する。これらの機能によって検出及び取得した情報は、それぞれの記憶領域において記録され、互いに送受信される。
多目的車両1及び無人運転走行車両100は、走行する間に、現在位置の情報を取得し、現在位置ごとの傾斜状態を検出し、更に、現在位置ごとの周辺の画像を取得する。多目的車両1及び無人運転走行車両100においては、現在位置の情報が蓄積されることによってそれぞれの走行軌跡が記録され、また、現在位置ごとに検出される傾斜状態及び周辺の状態に基づいて走行路としての当該走行軌跡の状態に関する情報が格納される。
更に、無人運転走行車両100は、障害物検出センサ(図示せず)を備えている。障害物検出センサによって検出される情報は、コントローラの記憶領域に記憶される。障害物検出センサとしては、接触センサ、赤外線センサ等を用いることができる。なお、多目的車両1及び無人運転走行車両100が走行した軌跡上の状況として把握し格納すべき情報は、他に、気温、エンジン温度、エンジン負荷等に関する情報等が該当する。
更に、無人運転走行車両100のコントローラは、自身で取得した情報と多目的車両1から受信した情報とに基づき、走行を開始すべきか中止すべきか、或いは、走行を継続すべきか停止すべきかを判定する機能を有する。コントローラは、このような判定に基づいて、無人運転走行車両100の走行を制御する。また、コントローラは、各種演算を実施する機能を有する。
携帯端末Pを携帯するオペレータは、車庫等の第1地点P1から任意の第2地点P2まで多目的車両1を運転して走行させる。多目的車両1は、第2地点P2まで走行する間に、走行軌跡L1を記録し、走行軌跡L1の情報L1aを格納する。走行軌跡L1の情報L1aは、発進の指示を受けた無人運転走行車両100が走行するルートの指標である。
走行軌跡L1及びその状態を示す情報L1aは、最短でも、無人運転走行車両100に送信されるまで、又は、送信されることなく代替走行経路L2が選択されるまでは、携帯端末Pの記憶領域Pmに格納される。オペレータは、後日の別の作業のために、代替走行経路L2を画定するための情報として、走行軌跡L1及びその状態を示す情報L1aを携帯端末Pに登録させておくことができる。
オペレータは、携帯端末Pを用いて、記録された走行軌跡L1及び走行軌跡L1の情報L1aを確認できるとともに、代替走行経路L2を画定できる。また、オペレータは、携帯端末Pを用いて、無人運転走行車両100の走行の開始を指示できる。
オペレータは、第2地点P2に到着した後に、例えば携帯端末Pを用いた動画再生等によって、走行軌跡L1の情報L1aとして蓄積された画像データ等を把握することができる。これにより、走行軌跡L1が無人運転走行車両100の無人運転走行に適しているのか否かをオペレータが判断することができる。或いは、携帯端末Pの記憶領域Pmに無人運転走行車両100に関するデータが予め格納されており、無人運転走行車両100の走行にとって不適切な要素が走行軌跡L1の情報L1aに含まれていることが検出される場合に、自動的に携帯端末Pに画像、音等による警報が発せられてもよい。
また、オペレータは、走行軌跡L1が無人運転走行車両100の無人運転走行に適さないと判断する場合に、携帯端末Pをルート選択手段として用いることにより、代替走行経路L2・L3を改めて画定することができる。代替走行経路L2・L3には、その状態を示す情報L2a・L3aが含まれる。以下では、無人運転走行車両100の走行の開始を指示するために操作される携帯端末Pの画面について説明する。
図16は、無人運転走行車両100の走行の開始を指示するために操作される携帯端末Pにおける表示を示した図である。
第1地点P1から第2地点P2までの多目的車両1の走行が終了し、走行軌跡L1及び走行軌跡L1の情報L1aが記録された状態において、所定のアプリケーションが起動すると、モニタScは、走行指示画面Sc5を表示する。走行指示画面Sc5においては、走行指示ボタンBfと、走行軌跡確認ボタンB51と、代替ルート作成ボタンB52と、走行キャンセルボタンB53とが表示される。
走行軌跡確認ボタンB51が操作(タップ)されると、動画再生用のアプリケーションが起動し、動画再生の画面に移行する。オペレータは、走行軌跡L1の情報L1aとして蓄積された画像データ等を動画によって把握することができる。動画が終了した後には、例えば自動的に元の走行指示画面Sc5に戻る。
一方、代替ルート作成ボタンB52がタップされる場合には、代替ルートとしての代替走行経路L2・L3を画定及び作成するための操作用画面、又は、改めて起動する別のアプリケーションの画面に移行する(図示せず)。
或いは、オペレータは、走行軌跡L1を確認した後に、第1地点P1から第2地点P2まで別のルートで多目的車両1を再度走行させることによって、走行軌跡L1及びその情報L1aを改めて取得することを判断してもよい。このような場合には、走行キャンセルボタンB53をオペレータがタップすることにより、登録された走行軌跡L1及びその情報L1aを削除できる。
以上、このような走行指示画面Sc5の表示により、オペレータは、携帯端末Pを用いて、無人運転走行車両100を多目的車両1の走行軌跡L1・L2・L3に沿って走行させることができる。
1 多目的車両
5 エンジン
80 制御装置
Bs エンジン始動ボタン
IDnm 登録パスワード(制御装置に登録された識別情報)
Ip (携帯端末の)識別情報
Iprn 登録識別情報(制御装置に登録された識別情報)
P 携帯端末
Pw パスワード(制御装置に入力される識別情報)
Sc (携帯端末の)モニタ
Sei 傾斜角センサ(傾斜角度検出手段)

Claims (6)

  1. エンジンを備える多目的車両において、
    携帯端末と通信可能に構成された制御装置を備え、
    前記携帯端末の識別情報と、前記携帯端末を通して前記制御装置に入力される識別情報とを、予め前記制御装置に登録された識別情報に基づいて前記制御装置が認証した場合に、前記エンジンを始動することができる、ことを特徴とした多目的車両。
  2. 前記携帯端末の識別情報と前記制御装置に入力される識別情報とのうちの少なくとも一つを前記制御装置が認証した場合には、当該多目的車両の状態、当該多目的車両の作動状態、及び、当該多目的車両を操作するための操作子のうちの少なくとも一つが、所定の表示態様で前記携帯端末の画面に表示される、ことを特徴とした請求項1に記載の多目的車両。
  3. 前記表示態様は、前記制御装置に入力される識別情報ごとに設定可能である、ことを特徴とした請求項2に記載の多目的車両。
  4. 前記制御装置は、当該多目的車両の状態を前記携帯端末に記憶させる、ことを特徴とした請求項1から請求項3の何れかに記載の多目的車両。
  5. 前記携帯端末を運転席周辺に着脱自在に取り付けることができるように構成されている、ことを特徴とした請求項1から請求項4の何れかに記載の多目的車両。
  6. 前記携帯端末は、傾斜角度検出手段を有し、
    前記携帯端末が当該多目的車両に取り付けられ且つ前記携帯端末の識別情報が前記制御装置に認証された場合に、検出される角度値が予め設定された値を超えたまま所定時間が経過するときには、前記制御装置は、予め設定された連絡先に報知する、ことを特徴とした請求項1から請求項5の何れかに記載の多目的車両。
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