以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、図1、図2における図面手前を「前方または表面」とし、図1、図2における図面奥側を「後方または裏面」とし、図1、図2における左方を「左方」とし、図1、図2における右方を「右方」とする。
図1に示すように、遊技機1は、外枠2をベースとして、外枠2の前面側上部にガラス枠ユニット5、また外枠2の前面側下部には受け皿ユニット6がそれぞれ開閉可能に装着される構成である。外枠2内には、遊技盤3が嵌め込まれ、遊技盤3のほぼ中央部分には表示装置4が配置される。
ガラス枠ユニット5のほぼ中央には、ガラス枠ユニット5を閉じた状態でも遊技盤3が前面から視認できるように透明板7(強化ガラス)が装着され、透明板7の周りにはスピーカー8a、発光装置9等が配置される。
受け皿ユニット6には、遊技機1の内部に設けられた賞球払出装置(図示略)から排出される遊技球を貯留する上皿10a及び下皿10b、上皿10aに貯留されている遊技球を発射装置(図示略)によって発射する際にその発射する力を調節するハンドル11、スピーカー8b、灰皿(図示略)及び鍵部12等が配設される。
図2に示すように、遊技盤3には、ガイドレール13によって囲まれる略円形の遊技領域31が形成される。発射装置から発射される遊技球は、ガイドレール13に誘導されて遊技領域31に打ち込まれることにより所定の遊技が行われる。
遊技盤3のほぼ中央部には、複数の図柄を変動表示可能な表示装置4が設けられる。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等によって構成される。本実施の形態における表示装置4は、背景画像及び複数種類の演出図柄を表示可能であり、多彩な演出画像及び演出動画を表示可能である。
遊技領域31における表示装置4の下方には、遊技領域31に打ち込まれた遊技球が入賞(通過または入球含む)可能な第1始動口21が設けられる。第1始動口21の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動口22が設けられる。第2始動口22は、左右の可動片22a、22bが開閉することによって、開口幅が拡大する第1状態と開口幅が縮小する第2状態とに変化可能である。第1状態となる時間は、通常遊技状態では例えば0.5秒、特別遊技状態では例えば2秒にそれぞれ設定される。通常、左右の可動片22a、22bは、閉鎖し、遊技球が遊技領域31の右上部に設けられた普通図柄作動ゲート24を通過し、普通図柄抽選の結果、当りとなった場合に開放する。
通常遊技状態においては、普通図柄抽選の結果が当りとなった場合、左右の可動片22a、22bが0.5秒×1回開放する。特別遊技状態においては、普通図柄抽選の結果が当りとなった場合、左右の可動片22a、22bが2秒×2回開放する。すなわち、特別遊技状態では通常遊技状態に比して、可動片22a、22bの開放時間及び開放回数が多く設定されている。なお、可動片22a、22bの開放時間及び開放回数は、本実施形態に限定されるものでなく適宜変更である。また、特別遊技状態中は、表示装置4、発光装置9及びスピーカー8a、8bが特定の報知態様を行うことによって、遊技者に特別遊技状態であることが報知される。
さらに、遊技領域31における表示装置4の下方には、遊技球を左右方向または前後方向に転動させることが可能なステージ14が設けられる。また、表示装置4の左部には、遊技領域31に打ち込まれた遊技球が流入可能なワープ入口15aと、このワープ入口15aに流入した遊技球をステージ14上に放出させるワープ出口15bが設けられる。ステージ14は、前面側が開放しており、ワープ出口15bから放出された遊技球を転動させた後、再度遊技領域31に放出する。
遊技領域31の右下方には、例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、7セグメントLEDまたはドットマトリクスLEDによって構成される第1特別図柄表示部211及び第2特別図柄表示部221が設けられる。第1、2特別図柄表示部211、221は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機に、変動表示を開始し所定時間経過後に停止表示する。その停止表示されるパターンによって、後述の主制御装置100によって実行される大当り抽選の結果及び確率変動抽選の実際の結果が報知される。なお、第1特別図柄表示部211及び第2特別図柄表示部221は互いに異なる装置である必要はなく、少なくともそれぞれの抽選結果を表示する箇所が異なっていればひとつの装置でも良い。
遊技球が普通図柄作動ゲート24を通過すると、主制御装置100によって所定の確率に基づいて準特賞状態を生起するか否かが抽選され、その結果をもって、表示装置4の右下方に設けられた普通図柄表示部241が変動表示し、所定時間経過後停止表示する。
普通図柄表示装置241は、例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、7セグメントLEDまたはドットマトリクスLEDによって構成される。本実施形態における普通図柄表示部241は、ドットマトリクスLEDで構成され、普通図柄当り表示領域241aと普通図柄ハズレ表示領域241bが交互に点灯を繰り返す表示を行う。そして、抽選結果の表示態様として、最終的に普通図柄当り表示領域241aが点灯して確定表示された場合に、準特賞状態を生起させ、可動片22a、22bを所定時間開放し、遊技球を第2始動口22に入賞しやすくする。図2においては、左右の可動片22a、22bが閉鎖した状態を示す。
普通図柄作動ゲート24の下方には、遊技球が常時入賞可能であるが、入賞しても大当り抽選は行わず、予め定められた賞球数のみを遊技者に還元する一般入賞口23が設けられている。
第2始動口22の下方には、遊技領域31に打ち込まれた遊技球が入賞可能な特別入賞装置25が配置される。特別入賞装置25は、遊技球を遊技盤3の内側に取り込む大入賞口26と、大入賞口26の前面を開閉可能な扉部材27とを備える。通常遊技中においては、扉部材27が閉鎖状態に固定されて遊技球の入賞が物理的に不可能であり、大当り遊技中においては、扉部材27が開放状態と閉鎖状態を交互に繰り返すことによって、その開放時に遊技球が入賞可能となる。
その他、遊技領域31には、遊技球の落下方向を変化させる遊技釘(図示せず)や同じく遊技球の転動方向を変化させる風車16、遊技球を遊技盤3の裏面に排出するアウト口28等が設けられている。
例えば、図8に示すように、表示装置4の表示領域は、左、中、右の3つに区分され、左の第1図柄表示領域41、中の第2図柄表示領域42、右の第3図柄表示領域43には、第1、2、3演出図柄50a、50b、50cがそれぞれ表示される。本実施形態においては、各演出図柄50a〜50cは、1〜9の9種類の数字と各数字に対応する女性キャラクタとにより構成される。
遊技領域31に打ち込まれた遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると、これを契機に各演出図柄50a〜50cが変動表示(本実施形態においては上から下方向にスクロール変動)を開始し、所定時間経過後に停止表示し、各演出図柄50a〜50cの組み合わせによって、主制御装置100によって実行される大当り抽選の結果を遊技者に対して報知する。本実施形態においては、各演出図柄50a〜50cが横一列又は斜め一列などで同一の数字で停止表示された場合に大当りとなる。
さらに、表示装置4の表示領域には、各表示領域41〜43の他に、右の領域に第4図柄表示領域44が設けられる。第4図柄表示領域44には、カラーバー等からなる第4図柄44aが表示される。この第4図柄44aは、各演出図柄50a〜50cの組み合わせによる大当り抽選の結果を報知するものである。各演出図柄50a〜50cは、様々な演出をともなって変動するのに対して、第4図柄44aは、カラーバーが点滅するだけのものである。
各演出図柄50a〜50cが様々な演出を実行している最中、その演出が一旦停止した場合でも、第4図柄44aは、点滅表示することで、各演出図柄50a〜50cがまだ変動中であることを示す。また、第4図柄44aが点灯表示(または消灯)に固定された場合には、各演出図柄50a〜50cの変動が終了したことを示す。なお、第4図柄表示領域44は、各図柄表示領域41〜43と完全に分離してもよいし、一部または全部が重なるように表示させてもよい。
さらに、表示装置4における第1図柄表示域41の左側には、始動情報表示領域45が設けられる。始動情報表示領域45には、主制御装置100のRAM103に記憶されている図柄始動保留数を報知するための始動情報表示図柄213が表示される。遊技者は、始動情報表示領域45に表示される星を模した始動情報表示図柄213を視認することにより、図柄始動保留数を知ることができる。
図3は、遊技機1の制御回路を説明するためのブロック図である。遊技機1に配設された各装置のうち主要なものは、マイクロコンピュータによって制御される。なお、図外の発射装置や賞球排出装置を制御する制御系統や電源回路等、ホールコンピュータなど、本発明に直接関係ないものは省略する。
遊技全般を統括制御する主制御装置100は、遊技盤3の裏面に取り付けられるとともに、制御プログラム及び各種データを記憶したROM102と、CPU101のワークエリアとして機能するRAM103とともに一体型のワンチップCPU101として構成され、ROM102に記憶された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
主制御装置100の入力ポート104には、第1始動口21内に設けられ、遊技球の通過を検出する第1始動口センサ121、第2始動口22内に設けられ、遊技球の通過を検出する第2始動口センサ122、普通図柄作動ゲート24内に設けられ、遊技球の通過を検出する普通図柄作動ゲートセンサ124、特別入賞装置25の大入賞口26内に設けられ、大入賞口26に入賞した遊技球を検出する大入賞口センサ125が接続されている。
主制御装置100の出力ポート105には、特別入賞装置25の扉部材27を開閉動作させるための大入賞口ソレノイド126、第2始動口22の左右の可動片22a、22bを開閉動作させるための第2始動口ソレノイド127、第1、2特別図柄表示部211、221、普通図柄表示部241及び副制御手段をなす演出制御装置110が接続される。
主制御装置100のRAM103は、演出制御装置110へ出力する制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。これにより、停電等により遊技機1への電源遮断が発生した場合、停電から復帰した際に、RAM103の記憶内容を停電直前の状態に復元し、RAM103のコマンド記憶領域に記憶されている制御コマンドを出力することにより、遊技機1の遊技状態を電源遮断前の状態に復帰させることができる。
演出制御装置110には、演出制御するためのプログラムや、図柄・音声制御部(図示略)に送信するための各種制御コマンドが記憶されている。演出制御装置110は、自身のROMに記憶されているプログラムにしたがって演出処理を実行するとともに、主制御装置100による大当り抽選の結果に基づいて決定された演出図柄変動パターンに応じて演出パターンを決定する。
演出制御装置110は、表示装置4の表示を制御するための表示制御部111と、発光装置9の点灯、点滅等を制御するためのランプ制御部112と、スピーカー8a、8bが出力する効果音を制御するための効果音制御部113とを含み、主制御装置100と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポート(共に図示略)を備える。
演出制御装置110のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。演出制御装置110のRAMには、主制御装置100から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶されるとともに、主制御装置100から受信した制御コマンドにしたがって内部コマンドを生成し、該内部コマンドを内部送信することによって、表示制御部111、ランプ制御部112及び効果音制御部113のそれぞれを制御する。
表示制御部111のROMには、表示演出制御を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御部111のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
表示制御部111のCPUは、演出制御装置110から入力された表示制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、該表示制御コマンドに応じた画像データをROMから読み出して、該画像データを表示装置4へ出力する。
図4は、主制御装置100の記憶手段をなすRAM103に設けられる始動情報記憶領域を説明するための図である。
始動情報記憶領域は、遊技球が第1、2始動口21、22に入賞した際に生成される始動情報を予め定めた上限値(本実施形態においては4個)まで記憶する。本実施形態においては、始動情報記憶領域は、1番目から4番目までの4つの記憶部(A1〜A4)を有し、それぞれの記憶部に始動情報を記憶することにより、4つの始動情報を記憶する。主制御装置100は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、1番目の記憶部A1に記憶されている始動情報から順番に当り判定を行って消化する。
始動情報には、大当り抽選(当りかハズレかを決定する抽選)、当り種別抽選(確変当りか非確変当りか、または7ラウンド当りか15ラウンド当りか等を決定する抽選)、リーチ抽選(リーチ成立させるか否か、またはどのリーチを行うかなどを決定する抽選)、変動パターン抽選(図柄を変動させる時間を決定する抽選)等の抽選結果が記憶される。また、始動情報にはここに挙げた以外にも、予告抽選(発光装置9、スピーカー8a、8b、表示装置4等を用いてどのような予告を行うか決定する抽選)の結果等をさらに記憶するようにしてもよいし、大当り抽選の結果のみを記憶する等、どの情報を記憶させるかは適宜選択可能である。
図5は、入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
入賞スイッチ入力処理は、まずステップS501において、第1始動口センサ121及び第2始動口センサ122のそれぞれからの検出信号を、入力ポート104の対応するポートから読み込む入力ポート読込処理を実行して、ステップS502に移行する。
ステップS502においては、ステップS501の処理結果に基づいて、第1、2始動口センサ121、122から検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合(Yes)には、ステップS503に移行し、また、第1、2始動口センサ121、122から検出信号を入力しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS503においては、主制御装置100のRAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶数が「4」以上であるか否かを判定し、始動情報の記憶数が「4」以上ではないと判定した場合(No)には、ステップS504に移行し、また、始動情報の記憶数が「4」以上であると判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS504においては、主制御装置100に設けられた抽選手段をなす当り決定乱数、当り種別決定乱数、変動パターン決定乱数、リーチ決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値(第1始動情報)を、RAM103の始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された始動情報は、始動情報記憶領域において、始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。例えば、RAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶数が「1」である場合には、取得した始動情報を、始動情報記憶領域における2番目の記憶部に記憶する。同様に、RAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶数が「2」である場合には、取得した始動始報を、始動情報記憶領域における3番目の記憶部に記憶する。これにより、RAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新される。
始動情報記憶処理では、RAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、始動情報表示領域45に始動情報数を「1」加算する形態の表示を行う。
さらに、始動情報記憶処理では、RAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御装置110に送信される。例えば、RAM103の始動情報記憶領域に新たな始動情報を記憶した結果、始動情報記憶数が「1」となった場合、始動情報記憶数が「1」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置110に送信される。また、各演出図柄50a〜50cの変動に伴って始動記憶数が減算される場合も同様にその情報が送信される。
図6は、主制御装置100が実行する当り判定処理を説明するためのフローチャートである。
当り判定処理は、主制御装置100は、所定確率で大当りを生起させるために、所定の数値範囲に1個の当り値を設定し、取得した当り決定乱数と当り値とが一致しているときに大当りを生起させる処理を実行する。
例えば、第1始動口21または第2始動口22への遊技球の入賞を契機として行われる大当り抽選によって大当りが生起される確率は、低確率(例えば、1/399)と、大当りが生起される確率が高確率(例えば、1/240)とがある。
当り判定処理は、図6に示すように、先ずステップS601において、表示装置4に表示される各演出図柄50a〜50c及び第4図柄44aが変動表示中か否かを判定し、変動表示中でないと判定した場合(No)は、ステップS602に移行し、また変動表示中であると判定した場合(Yes)は、ステップS604に移行する。
ステップS602においては、始動情報記憶数が「1」以上であるか否かを判定し、始動情報記憶数が「1」以上であると判定した場合(Yes)には、ステップS603に移行し、また始動情報記憶数が「1」以上でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS603においては、主制御装置100のRAM103に記憶されている始動情報記憶に基づく当り判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS604においては、各演出図柄50a〜50cの変動表示を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS605に移行し、また、各演出図柄50a〜50cの変動表示を開始してから所定時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS605においては、図柄停止コマンドをRAM103の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して図柄停止コマンドが演出制御装置110に送信される。
次に、主制御装置100が実行する図6に示したステップS603における始動情報に基づく当り判定処理を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
始動情報に基づく当り判定処理は、先ずステップS700において、RAM103の始動情報記憶領域における1番目の記憶部から当り決定乱数を読み出し、ステップS702に移行する。ステップS702においては、ステップS700で読み出した当り決定乱数の値が当り値と一致しているか否かを判定し、読み出した当り決定乱数の値が当り値と一致していると判定した場合(Yes)には、ステップS704に移行し、また、読み出した当り決定乱数の値が当り値と一致していないと判定した場合(No)には、ステップS714に移行する。
ステップS704においては、当りの種別を決定する当り種別決定処理を実行する。ここで、ROM102には、当り種別決定乱数の値と当り種別番号との対応を登録した当り種別決定テーブルが格納されている。そして、当り種別決定処理では、RAM103の始動情報記憶領域における1番目の記憶部から当り種別決定乱数を読み出し、該当り種別決定乱数の値に対応する当り種別番号を当り種別決定テーブルから読み出して当りの種別を決定して、ステップS706に移行する。
ステップS706においては、大当り時に停止表示する各演出図柄50a〜50cの組み合わせを決定する大当り時停止図柄決定処理を実行する。ここで、ROM102には、各大当り種別ごとに設定された停止図柄決定テーブルが格納されている。各停止図柄決定テーブルには、停止図柄決定乱数の値と停止表示する各演出図柄50a〜50cの組み合わせを示す停止図柄番号との対応が登録されている。そして、大当り時停止図柄決定処理では、先ずステップS704で決定された大当り種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、RAM103の始動情報記憶領域における1番目の記憶部から停止図柄決定乱数を読み出し、該停止図柄決定乱数の値に対応する停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して停止図柄指定コマンドが演出制御装置110に送信される。
次に、ステップS708に移行して、大当り時に変動表示する各演出図柄50a〜50cの変動パターンを決定する当り時変動パターン決定処理を実行する。ここで、ROM102には、当り種別、現在の遊技状態等の組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納される。各変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数の値と変動パターン番号との対応が登録されている。そして、当り時変動パターン決定処理では、まず、ステップS704で決定された大当り種別番号及び現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルを読み出す。そして、RAM103の始動情報記憶領域における1番目の記憶部から変動パターン決定乱数を読み出し、該変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターン番号を変動パターン決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをRAM103の所定領域に格納し、ステップS710に移行する。
ステップS710においては、各演出図柄50a〜50cの変動表示時間を設定する変動設定処理を実行する。各演出図柄50a〜50cの変動表示時間は、ステップS708で決定した変動パターン番号に基づいて決定される。また、大当りを生起させる場合、変動設定処理では、特別入賞装置25の開放回数及び開放時間を設定する。具体的には、大当り種別番号が大当りを示すときは、ラウンド最高継続回数を15回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口26の開放時間を約30秒に設定する。
次に、ステップS712に移行して、始動情報記憶数を「1」減算する始動情報記憶数減算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。始動情報記憶数減算処理においては、RAM103の始動情報記憶領域における1番目の記憶部に記憶されている始動情報を、RAM103における変動表示中の始動情報を記憶する領域に移すとともに、RAM103の始動情報記憶領域における2番目以降の記憶部に記憶されている始動情報を、それぞれ、1つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶する。これにより、RAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新される。
さらに、始動情報記憶数減算処理では、RAM103の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御装置110に送信される。例えば、RAM103の始動情報記憶領域に記憶されている始動情報が更新された結果、始動情報記憶数が「2」となった場合、始動情報記憶数が「2」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置110に送信される。
ステップS714においては、はずれ時に停止表示する各演出図柄50a〜50cの組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行する。はずれ時停止図柄決定処理は、ステップS706と同様に行われる。ここで、はずれ時停止図柄決定処理では、表示装置4で停止表示する具体的なはずれ演出図柄の組み合わせを指定するのではなく、大当り抽選の結果がはずれであるという結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドをRAM103の所定領域に格納する。これにより、ポート出力処理では、出力ポート105を介してはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置110に送信される。そして、演出制御装置110は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる各演出図柄50a〜50cの組み合わせを決定し、決定した組み合わせで各演出図柄50a〜50cを停止表示する。
次いで、ステップS716に移行して、はずれ時に変動表示する各演出図柄50a〜50cの変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行し、ステップS710に移行する。
はずれ時変動パターン決定処理は、ステップS708と同様に行われる。ただし、ROM102には、現在の遊技状態、リーチ決定乱数等の組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、はずれ時変動パターン決定処理では、現在の遊技状態及びリーチ決定乱数に対応する変動パターン決定テーブルを読み出して、変動パターン番号を決定する。
また、ここに示した処理は、始動情報を記憶するとき、すなわち遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに全ての処理を行ってもよいし、始動情報を記憶するときに一部の処理を行い、残りの処理を各演出図柄50a〜50cが変動表示を開始するときに行うようにしてもよい。このようにすると、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに、少なくとも大当りか否かが事前(演出図柄50a〜50cの変動表示が開始される前)に判定できるので、その結果に基づいて表示装置4や発光装置9、スピーカー8a、8b等の周辺装置を制御することが可能となる。この判定を行うのは主制御装置100または演出制御装置110のいずれであっても良い。
次に、遊技機1の遊技動作について説明する。遊技領域31に発射された遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると、第1始動口センサ121または第2始動口センサ122から検出信号が出力される。
主制御装置100は、第1始動口センサ121または第2始動口センサ122からの検出信号が入力されると、ほぼ同時のタイミングで当り決定乱数等の各種乱数が取得する。そして、取得された各種乱数は、始動情報として、RAM103の始動情報記憶領域に記憶される。始動情報は、第1始動口センサ121または第2始動口センサ122からの検出信号を入力したことを契機として、RAM103の始動情報記憶領域に上限値4個まで記憶される。
そして、主制御装置100は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当り判定を行う。そして、当り判定の結果、大当りを生起させることが決定している場合には、大当りの種別、停止表示する各演出図柄50a〜50cの組み合わせ、及び大当り時の変動パターンが決定される。一方、当り判定の結果、はずれであることが決定している場合には、停止表示する各演出図柄50a〜50cの組み合わせ、及びはずれ時の変動パターンが決定される。
主制御装置100は、当り判定により、大当りまたははずれを生起させることを決定すると、各演出図柄50a〜50cを変動表示し特定の組み合わせで停止表示させるために、変動パターンコマンド及び停止図柄指定コマンド等の制御コマンドを演出制御装置110に送信する。そして、演出制御装置110における表示制御部111は、主制御装置100から制御コマンドを受信すると、決定された変動パターンで各演出図柄50a〜50cと第4図柄44aとを、表示装置4に変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせでそれらを停止表示させる。
図8〜図15は、表示装置4に表示される各演出図柄50a〜50c、始動情報表示図柄213及び後述の各種報知パターンの画像214〜217を説明するための模式図である。
図8は、各演出図柄50a〜50cが停止表示している状態を示す。この状態においては、表示装置4における始動情報表示領域45に表示されている星形の始動情報表示図柄213が3個点灯し、始動情報が主制御装置100のRAM103に3個記憶されていることを示している。遊技者は、点灯している始動情報表示図柄213の数を視認することで、現在、保留されている始動情報数を知ることができる。
図9は、図8に示す状態から各演出図柄50a〜50cが変動表示を開始した状態を示す。この状態においては、主制御装置100のRAM103に記憶されている始動情報に基づいて、各演出図柄50a〜50cが変動表示を行うとともに、第4図柄表示領域44に表示されるカラーバーからなる第4図柄44aも変動表示(点滅)を行う。各演出図柄50a〜50c及び第4図柄44aは、所定時間変動表示した後、停止表示する。また、この状態においては、各演出図柄50a〜50cの変動表示が開始したことによって、RAM103に記憶されている始動情報数が「1」減算されて、始動情報表示領域45に表示される始動情報表示図柄213は2個点灯する。
図10は、各演出図柄50a〜50c及び第4図柄44aが所定時間変動表示した後、各演出図柄50a〜50cが横一列に同一の数字で停止表示して、大当り抽選の結果が大当りになったことを示している。
各演出図柄50a〜50cが同一の数字で停止表示すると、主制御装置100は、特別入賞装置25の扉部材27が所定回数開放と閉鎖を繰り返すことで、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御する。また、演出制御装置110は、主制御装置100からの始動情報記憶数コマンドを受信すると、RAMの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新し、該始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数を、演出制御装置110が表示装置4に表示させる制御を行う。そして、最後の開放(例えば、15回目の開放)が終了した時点から、予め定めたインターバル期間が経過すると、RAM103に記憶されている始動情報に基づく各演出図柄50a〜50cの変動表示が再び開始する。このインターバル期間中には、例えば、製造会社名を表示したり、遊技機1にかかわるメッセージを表示することなどが通常行なわれる。その時間の長さは設計者の判断によるが、概ね数秒から30秒程度以内である場合が多い。
図11は、表示装置4を用いて現在の大当り抽選の確率を遊技者に報知する各種報知パターンを示す模式図である。
図11(a)は、主制御装置100が行う現在の大当り抽選の確率が低確率である旨を報知する第1報知パターンの一例を示し、表示装置4の表示領域には、演出制御装置110の制御によって、現在の大当り抽選の確率が低確率である旨を示す第1報知パターンの画像214「細文字で描写される「低確率」」が表示される。
図11(b)は、主制御装置100が行う現在の大当り抽選の確率が高確率である旨を報知する第2報知パターンの一例を示し、この状態においては、演出制御装置110の制御によって、表示装置4の表示領域に現在の大当り抽選の確率が高確率である旨を示す第2報知パターンの画像215「太文字で描写される「高確率」」が表示される。
図11(c)、(d)は、主制御装置100が行う現在の大当り抽選の確率が低確率または高確率のいずれであるか判らない第3報知パターンの一例を示し、図11(c)においては、演出制御装置110の制御によって、表示装置4の表示領域に第3報知パターンの画像216「細文字で描写される「チャンス」」が表示され、また、図11(d)においては、演出制御装置110の制御によって、表示装置4の表示領域に第3報知パターンの画像217「太文字で描写される「大チャンス」」が表示される。
なお、図11(c)と図11(d)との違いは、第3報知パターンの画像216が表示されているときよりも画像217が表示されているときの方が、現在の大当り抽選の確率が高確率である可能性が高い。これは、現在の大当り抽選の確率に応じて、画像216または画像217が演出制御装置110の内部抽選によって選択される確率を異なることによって実現される。すなわち、主制御装置100における現在の大当り抽選の確率が低確率であれば画像216が選択される確率が高く、高確率であれば画像217が選択される確率が高い。
第1〜3報知パターンの画像214〜217のうち、いずれの報知パターンの画像が選択されるかは、所定条件の成立毎に現在の報知パターン及び現在の大当り抽選の確率に基づいて演出制御装置110に記憶されている抽選テーブルを参照して行われる。
図12は、表示装置4に表示されている報知パターンを他の報知パターンに切り換える際の演出(煽り演出)を示している。ここでは扉を模した演出画像218が用いられ、演出画像218の色や演出画像218に描かれる絵、色彩等によって、他の報知パターンに切り換わる確率が異ならせている。なお、本実施形態においては、演出画像218が表示装置4に表示させているが、これに代えて、表示装置4の前面に可動式の駆動式シャッター役物を設けても良い。
図13は、第1報知パターンから第2報知パターンに切り換わる際の演出の流れを示している。図13(a)は、表示装置4に主制御装置100の現在の大当り抽選の確率が低確率である旨を示す第1報知パターンの画像214が表示されている。図13(b)は、図13(a)の状態から演出画像218が表示装置4における表示領域に左右から出てきて、演出画像218が左右方向へ繰り返し移動するような表示を行っている状態を示す。図13(c)は、図13(b)の状態から演出画像218が完全に閉じて、演出図柄50a〜50c及び第1報知パターンの画像214を完全に隠蔽した状態を示す。図13(d)は、図13(c)の状態から演出画像218が開放するような表示、すなわち各演出画像50a〜50cが徐々に出現するような表示を行っている状態を示す。図13(e)は、図13(d)の状態から演出画像218が完全に開放するような表示、すなわち各演出画像50a〜50c及び報知パターンの画像が出現した状態を示す。この状態においては、表示装置4に表示されていた第1報知パターンの画像214が第2報知パターンの画像215に切り換わっている。なお、演出画像218の表示、第1報知パターンの画像214から第2報知パターンの画像215への切り換えは、演出制御装置110の制御によって行われる。
図14は、第1報知パターンから第2報知パターンに切り換わらない場合の演出の流れを示している。図14(a)は、表示装置4に主制御装置100における現在の大当り抽選の確率が低確率である旨を示す第1報知パターンの画像214が表示されている。図14(b)は、図14(a)の状態から演出画像218が表示装置4における表示領域に左右から出てきて、演出画像218が左右方向へ繰り返し移動するような表示を行っている状態を示す。図14(c)は、図14(b)の状態から演出画像218が完全に閉じないで再び開放した表示、すなわち各演出画像50a〜50c及び報知パターンの画像が出現した状態を示す。この状態においては、各演出画像50a〜50c及び報知パターンの画像が演出画像218により完全に隠蔽されなかったため、表示装置4に表示されていた第1報知パターンの画像214はそのままとなっている。
図15は、第3報知パターンから第2報知パターンに切り換わる場合の演出の流れを示している。図15(a)は、表示装置4に第3報知パターンの画像216が表示されている状態を示す。図15(b)は、図15(a)の状態から演出画像218が表示装置4における表示領域に左右から出てきて、演出画像218が左右方向へ繰り返し移動するような表示を行っている状態を示す。図15(c)は、図15(b)の状態を経て演出画像218が完全に閉じて、演出図柄50a〜50c及び第3報知パターンの画像216を完全に隠蔽した状態を示す。図15(d)は、図15(c)の状態から演出画像218が開放するような表示、すなわち各演出画像50a〜50cが徐々に出現するような表示を行っている状態を示す。図15(e)は、図15(d)の状態を経て演出画像218が完全に開放した表示、すなわち各演出画像50a〜50c及び報知パターンの画像が出現した状態を示す。この状態においては、表示装置4に表示されていた第3報知パターンの画像216が第2報知パターンの画像215に切り換わっている。
上述のように、第3報知パターンの画像216から第2報知パターンの画像215への切り換え制御は、主制御装置100の大当り抽選の確率が低確率で、かつ第3報知パターンの画像216が表示装置4に表示されている最中に、主制御装置100による大当り抽選の結果が大当りとなった場合に、主制御装置100の記憶手段に大当り抽選の結果が大当りであることが記憶されたときから当該大当りの結果に基づく各演出図柄50a〜50cの変動表示が開始されるまでの期間の次(a)〜(d)のいずれかまたはそれらの組合せのタイミングで行われる。なお、演出画像218の表示、第3報知パターンの画像216から第2報知パターンの画像215への切り換えは、演出制御装置110の制御によって行われる。
(a)所定条件の成立、すなわち遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞(以下、始動条件の成立と記す)したことを契機に行われる主制御装置100の大当り抽選の結果が大当りになったときが、各演出図柄50a〜50cが変動表示中であれば、現在実行している各演出図柄50a〜50cの変動表示が終了して次に行われる各演出図柄50a〜50cの変動表示の開始時に実行する。例えば、主制御装置100の記憶手段に2個の始動情報が保留記憶されている状態で、かつ各演出図柄50a〜50cが変動表示中であるときに、新たな始動条件の成立(3個目の始動情報)に基づいて大当りになった場合には、3個目の始動条件の成立に基づく各演出図柄50a〜50cの変動表示が実行されるときに、報知パターンの切り替え制御を実行する。
換言すると、主制御装置100の記憶手段に大当り抽選の結果が大当りであることが記憶される時点で行っている各演出図柄50a〜50cの変動表示が終了した次に行われる各演出図柄50a〜50cの変動表示の開始時に行う。
このようにすると、各演出図柄の50a〜50cの変動表示の開始と報知パターンの切り換えとが同時になるため、報知パターンの切り換え直前に行われる各演出図柄50a〜50cの変動表示の演出を最後まで行うことができ、遊技者に不快感を与えることがない。
(b)同じく主制御装置100の大当り抽選の結果が大当りになったとき、各演出図柄50a〜50cが変動表示中でなければ、主制御装置100の大当り抽選の結果が大当りになったときに実行する。
(c)始動条件の成立を契機に行われる主制御装置100の大当り抽選の結果が大当りになったときが、各演出図柄50a〜50cが変動表示中で、かつ主制御装置100の記憶手段に4個の始動情報数が保留記憶されている場合には、現在実行している演出図柄50a〜50cの変動表示が終了してから、4個の始動情報のうち、いずれかの始動情報に基づく各演出図柄の50a〜50cの変動表示を開始するときに実行する。
(d)主制御装置100の大当り抽選の結果が大当りになったときが各演出図柄50a〜50cが変動表示中であるか否かに関わらず、大当りになったときに実行する。すなわち、各演出図柄50a〜50cが変動表示中でなければ、各演出図柄の50a〜50c変動表示の開始と報知パターンの切り換え制御とがほぼ同じタイミングで実行される。また、各演出図柄50a〜50cが変動表示中である場合には、各演出図柄50a〜50cの変動表示中の変動表示態様に関係なく、即座に報知パターンの切り換え制御が実行される。
このようにすると、現在の演出図柄50a〜50cの変動表示態様に関係なく、常に報知パターンの切り換え表示が実行される期待感がもてるため、遊技者の遊技に対する興味を長期間持続させることが可能となる。
上述のようにすることにより、大当り抽選の確率が低確率で、かつ大当り抽選の確率が低確率または高確率のいずれであるか判らない第3パターンの報知を行っている最中に、大当り抽選の結果が大当りとなったことを契機に、第3報知パターンから第2報知パターンの報知に切り換えるようにしたことにより、遊技者に対して違和感を与えることなく、遊技者に対して早期に大当りになる可能性があることの期待を抱かせて自然に高確率である旨を遊技者に報知することができる。
次に、表示装置4に表示されている報知パターンを他の報知パターンに切り換えるか否かについて説明する。
報知パターンを他の報知パターンに切り換えるか否かは、次の(e)〜(h)のいずれか、またはそれらの組合せによって決定される。
(e)第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞する毎に、主制御装置100または演出制御装置110に設けた内部抽選手段の抽選の結果に基づいて決定する。
(f)演出図柄50a〜50cの変動表示が開始される毎に、主制御装置100または演出制御装置110に設けた内部抽選手段の抽選の結果に基づいて決定する。
(g)前回の大当り、または電源をオンにしたとき等、所定の時期から演出図柄50a〜50cの変動表示をカウントし、所定回数に達する毎(たとえば10回毎)に抽選する。
(h)始動条件が成立したときの各演出図柄50a〜50cの変動表示の有無によって、報知パターンの切り換えを即座に実行するか待機させるかを決定する。
図16は、主制御装置100の記憶手段に保留記憶されている始動情報が「はずれ」の場合の、報知パターンの切り換え抽選確率を表わしている。図16から理解できるように、現在の大当り抽選の確率が低確率である場合には、報知パターン3から報知パターン2へ切り換わることはあり得ない。また、現在の大当り抽選の確率が高確率であり、かつ現在の報知パターンが報知パターン1または3である場合には、報知パターン2に切り換わる可能性がある。
図17は、始動情報が「大当り」の場合の、報知パターン切り替え抽選確率を表わしている。図17から理解できるように、現在の大当り抽選の確率が低確率である場合には、報知パターン2へ切り換わる可能性がある。
すなわち、前述のように切り替えの実行タイミングはいろいろあるが、少なくともこの「大当り」の結果が確定告知されるまでの間に、報知パターン2に切り換える。こうすることによって、遊技者に現在の確率が高確率であるかのように見せることができ、遊技者の興味を大いにひくことができるとともに、結果的に大当りとなるので遊技者に不利益になることはない。
(他の実施例)
(ア)報知パターンの切り替え制御を行うか否かの抽選を、所定の期間中だけ行うようにしてもよい。例えば大当り終了後に演出図柄50a〜50cの変動表示回数が100回に達するまでの期間に行う。
(イ)報知パターンの切り換え制御を実行するか否かの抽選を、始動情報の内容が大当りまたはこれに準ずるものであった場合にのみ行うようにする。なお、大当りに準ずるものとは、例えば予め定めた変動パターンと一致するものや、演出図柄50a〜50cの変動秒数が所定時間以上のものなどを指す。
(ウ)大当り抽選の確率を遊技者に報知するための報知手段として、表示装置4に代えて、スピーカー8a、8bとする。例えば、スピーカー8a、8bにより、大当り抽選の確率を遊技者に報知する場合には、演出図柄50a〜50cの変動表示に付随して流れる効果音を低音のみとしたものを大当りの確率が低確率であることを示す第1の報知パターンの効果音、高音のみとしたものを低確率か高確率のいずれかであるかが判らない第3の報知パターンの効果音、また、低音と高音とが混じった効果音を大当りの確率が高確率であることを示す第2の報知パターンの効果音とする。もちろん、効果音はこれらに限定されず、BGMの種類そのものを変更しても良いことは説明するまでもない。さらには、煽り演出を示す効果音としては、特定の音(チャイム音、ラッパ音、銃声音など)のような、少なくとも遊技者の注意をひきつけるものであれば何でも良い。
(エ)大当り抽選の確率を遊技者に報知するための報知手段として、表示装置4に代えて、発光装置9とする。例えば、発光装置9により、大当り抽選の確率を遊技者に報知する場合には、発光装置9の一部分のみを点灯させた発光形態が低確率であることを示す第1の報知パターンの発光形態、発光装置9のすべてを点灯させた発光形態が低確率か高確率のいずれかであるかが判らない第3の報知パターンの発光形態、発光装置9のすべてを高速点滅させた発光形態が高確率であることを示す第2の報知パターンの発光形態とする。もちろん、発光形態は、これらに限らず、発光装置9が複色LEDであれば、その点灯させる色を変更しても良い。また、煽り演出に相当するものとしては、一旦すべての発光装置9を消灯させるなど、少なくとも遊技者の注意をひきつけるものであれば何でも良い。