JP2016091121A - 偽造防止媒体の真贋判定方法および偽造防止媒体用真贋判定装置 - Google Patents

偽造防止媒体の真贋判定方法および偽造防止媒体用真贋判定装置 Download PDF

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伸子 老川
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満 北村
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Koji Eto
浩司 衞藤
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豪 山内
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Tomoe Sato
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Abstract

【課題】本発明は、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行うことが可能な偽造防止媒体の真贋判定方法等を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者と上記偽造防止媒体の上記発光層側または上記選択透過層側とが対向するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側に上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判定方法を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、IDカード、紙幣、有価証券等の偽造防止媒体の真贋判定をする偽造防止媒体の真贋判定方法に関する。
近年、印刷技術の発達により、高精細な印刷が可能となったことから、クレジットカード、有価証券類、各種証明書等の物品についての偽造が懸念されており、偽造を防止するための偽造防止技術の開発が推奨されている。
このような偽造防止技術としては、例えば、蛍光インキなどが利用されている。蛍光インキとは、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含むインキである。このような蛍光インキを用いることにより、有価証券などに、例えば、特定の波長領域内の紫外線が照射されたときにのみ現れる蛍光画像(発光画像)を形成することができる。これによって、有価証券が汎用のカラープリンターなどにより容易に偽造されるのを防ぐことができる。
蛍光体を用いた偽造防止技術として、例えば特許文献1においては、基材上に発光画像を有する発光媒体において、上記発光画像は、第1蛍光体を含む第1領域と、第2蛍光体を含む第2領域と、を有し、上記第2領域の少なくとも一部が上記第1領域に隣接し、第1波長領域内の不可視光が照射されたとき、または第2波長領域内の不可視光が照射されたときに、上記第1蛍光体と、上記第2蛍光体は、互いに同色として視認される色の光を発光し、第1波長領域内の不可視光と第2波長領域内の不可視光とが同時に照射されたとき、上記第1蛍光体と、上記第2蛍光体は、互いに異色として視認される色の光を発光することを特徴とする発光媒体が提案されている。
また、偽造防止技術としては、例えば、有価証券等の一部に透明領域を設け、透明領域の一部に印刷層や、回折構造を設ける技術も知られている。例えば特許文献2においては、窓状の貫通した開口部を有するキャリアを備えた有価証書において、上記開口部が、カバーホイルにより閉じられ、上記カバーホイルは、上記キャリア作製後形成され、少なくとも部分的には透明で、かつ四方に上記開口部を越えて突出し、かつ上記キャリアの表面に対して固定され、かつ上記窓状の開口部を含む上記キャリアの表面内の凹部に配置されることを特徴とする有価証書が開示されている。また、特許文献2においては、上記カバーホイルに回折構造を設けてもよいことが記載されている。
ここで、上述した偽造防止媒体を用いた場合における偽造防止媒体の真贋方法としては、例えば、偽造防止媒体の一方の面側から発光画像、回折構造等に対して、再生用の照明光を照射し、上記光の照射方向と同一面側から偽造防止媒体を観察することにより、発光画像、回折画像を確認し偽造防止媒体の真贋を判定する方法が採用されている。また、透明領域を有する偽造防止媒体においても、透明領域に配置される印刷層等については、偽造防止媒体の表裏に印刷された像を透かして観察することにより、偽造防止媒体の真贋を判定する方法が採用されている。
すなわち、従来の偽造防止媒体の真贋判定方法においては、真贋判定に用いられる発光画像等の情報について、観察方向または再生用の照明光の照射方向の違いにより、その情報が変化するものを用いることは想定されていない。
特許5573469号公報 特許4064449号公報
近年、偽造防止媒体においては、セキュリティ性の向上が望まれており、偽造防止媒体の真贋判定についても、より高度に行うことが求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行うことが可能な偽造防止媒体の真贋判定方法、およびこれに用いられる偽造防止媒体用真贋判定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者と上記偽造防止媒体の上記発光層側または上記選択透過層側とが対向するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側に上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判定方法を提供する。
本発明によれば、上記偽造防止媒体を用いて、観察者と上記偽造防止媒体の発光層側または選択透過層側とが対向するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側に電磁波を照射することにより、上記発光層側に上記電磁波を照射した場合と、上記選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、上記観察者から観察される他の電磁波の形態を変化させることができる。よって、上記他の電磁波の形態の変化を用いて、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行なうことができる。
本発明は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者の観察位置および上記電磁波の照射位置が上記偽造防止媒体における同一の面側に位置するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判定方法を提供する。
本発明によれば、上記偽造防止媒体を用いて、観察者の観察位置および電磁波の照射位置が上記偽造防止媒体における同一の面側に位置するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記発光層側に上記電磁波を照射した場合と、上記選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、上記観察者から観察される他の電磁波の形態を変化させることができる。よって、上記他の電磁波の形態の変化を用いて、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行なうことができる。
本発明は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者と上記電磁波の照射位置との間に上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判定方法を提供する。
本発明によれば、上記偽造防止媒体を用いて、観察者と電磁波の照射位置との間に上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記発光層側に上記電磁波を照射した場合と、上記選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、上記観察者から観察される他の電磁波の形態を変化させることができる。よって、上記他の電磁波の形態の変化を用いて、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行なうことができる。
本発明は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体の真贋判定に用いられる偽造防止媒体用真贋判定装置であって、上記偽造防止媒体を配置する配置部と、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体の両面側に配置され、上記電磁波を照射する照射部と、上記偽造防止媒体の両面側に配置された上記照射部のうち、一方の上記照射部と他方の上記照射部からの上記電磁波の照射を切り換えられるように、上記照射部を制御する制御部と、一方の上記照射部側に設けられ、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体を観察する観察部と、を有することを特徴とする偽造防止媒体用真贋判定装置を提供する。
本発明によれば、偽造防止媒体用真贋判定装置が上記構成を有することにより、上述した偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側のそれぞれに対して電磁波を照射することができる。よって、本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置を用いて、上述した偽造防止媒体の真贋判定方法を行なうことができる。
本発明は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体の真贋判定に用いられる偽造防止媒体用真贋判定装置であって、上記偽造防止媒体を配置する配置部と、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体の一方の面側に配置され、上記電磁波を照射する照射部と、上記照射部側または上記照射部とは反対側に設けられ、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体を観察する観察部とを有し、上記配置部が、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側が上記電磁波の上記照射部と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えることができるものであることを特徴とする偽造防止媒体用真贋判定装置を提供する。
本発明によれば、偽造防止媒体用真贋判定装置が上記構成を有することにより、上述した偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側のそれぞれに対して電磁波を照射することができる。よって、本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置を用いて、上述した偽造防止媒体の真贋判定方法を行なうことができる。
本発明においては、偽造防止媒体の真贋判定方法を高度に行なうことが可能であるといった効果を有する。
本発明に用いられる偽造防止媒体の一例を示す概略断面図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の一例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。 本発明に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。 本発明に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。 本発明に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。 本発明に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置の一例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置の他の例を示す模式図である。 本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置の他の例を示す模式図である。
以下、本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法およびこれに用いる偽造防止媒体用真贋判定装置の詳細について説明する。
なお、本明細書において、紫外線とは、波長400nm未満の波長を有する電磁波をいう。また、紫外線領域とは400nm未満の波長の領域をいう。可視光とは、波長400nm〜700nmの範囲内の波長を有する電磁波(光)をいう。また、可視光領域とは400nm〜700nmの波長の領域をいう。赤外線とは、波長700nmを超える波長を有する電磁波をいう。また、赤外線領域とは700nmを超える波長の領域をいう。
A.偽造防止媒体の真贋判定方法
本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者と上記偽造防止媒体の上記発光層側または上記選択透過層側とが対向するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側に上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする方法である。
ここで、観察者から観察される他の電磁波の形態の変化とは、偽造防止媒体の発光層側に電磁波を照射した場合と、上記偽造防止媒体の選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、観察者から観察される他の電磁波の形態が異なることをいう。また、他の電磁波の形態の変化は、観察者により目視で観察される変化だけでなく、紫外線または赤外線の検出装置を用いて観察者により観察される変化を含む。
具体的には、他の電磁波の形態の変化としては、他の電磁波が可視光の場合は、例えば、可視光の発光領域の有無、可視光の発光領域のパターンの形状の変化、可視光の色の変化等を挙げることができる。また、他の電磁波の形態の変化としては、例えば、他の電磁波が紫外線または赤外線である場合は、紫外線または赤外線の発光領域の有無、紫外線または赤外線の発光領域のパターンの形状の変化等を挙げることができる。
また、偽造防止媒体の発光層側に電磁波を照射した場合と、上記偽造防止媒体の選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、観察者から観察される他の電磁波の発光領域について左右対称性が異なることのみで同一の形状が観察される場合は、すなわち他の電磁波の発光領域が選択透過層側から透けて観察される場合は、他の電磁波の形態の変化には含まれない。
本発明の偽造防止媒体の判定方法は、観察者の観察位置、偽造防止媒体および紫外線または赤外線の照射位置の位置関係の違いにより3つの態様を有する。以下、各態様について説明する。
I.第1態様
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者と上記偽造防止媒体の上記発光層側または上記選択透過層側とが対向するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側に上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする方法である。
まず、本態様に用いられる偽造防止媒体について説明する。
図1は本態様に用いられる偽造防止媒体の一例を示す概略断面図である。図1に示す偽造防止媒体1は、選択透過層2と、選択透過層2上に積層された発光層3とを有している。図1に示す発光層3は、後述する図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)に示すように、波長λEXの紫外線L1を吸収して波長λEMの可視光L2を発光する蛍光体を含有している。また、図1に示す選択透過層2は、後述する図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)に示すように、紫外線L1を吸収または反射し可視光L2を透過する選択透過性を有している。図1においては、偽造防止媒体1は選択透過層2が単一の層であり、選択透過層2上の全面に発光層3が積層されている例について示している。
次に、本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法について図を用いて説明する。
図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)は本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の一例を示す模式図である。図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)においては、図1に示す偽造防止媒体1を用いる場合について示している。
まず、図2(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の発光層3側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図2(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は発光層3から観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。よって、観察者Aからは、図2(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が形成されている領域、すなわち偽造防止媒体1の全面が可視光L2の発光領域として観察される。次に、図2(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。よって、観察者Aからは、図2(d)に示すように、偽造防止媒体1において上述した可視光の発光領域は観察されない。
次に、図3(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の選択透過層2側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図3(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は選択透過層2を透過して観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。よって、観察者Aからは、図3(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が形成されている領域、すなわち偽造防止媒体1の全面が可視光L2の発光領域として観察される。次に、図3(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。よって、観察者Aからは、図3(d)に示すように、偽造防止媒体1の全面において可視光の発光領域は観察されない。
図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)においては、観察者により観察される可視光L2の形態の変化として、偽造防止媒体1の全面における可視光の発光領域の有無を用いて、偽造防止媒体1の真贋判定をすることができる。
上述したように、従来の偽造防止媒体の真贋判定方法においては、真贋判定に用いられる発光画像等の情報について、観察方向または再生用の照明光等の電磁波の照射方向の違いにより、その情報が変化するものを用いることは想定されていない。
これに対して、本態様によれば、上記偽造防止媒体を用いて、観察者と上記偽造防止媒体の発光層側または選択透過層側とが対向するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側に電磁波を照射することにより、上記発光層側に上記電磁波を照射した場合と、上記選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、観察者から観察される他の電磁波の形態を変化させることができる。よって、上記他の電磁波の形態の変化を用いて、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行なうことができる。
以下、本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の詳細を説明する。
1.偽造防止媒体
本態様に用いられる偽造防止媒体は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され電磁波を吸収して他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有するものである。
(1)選択透過層
選択透過層は、発光層と積層させて用いられるものであり、発光層に含有される蛍光体に吸収される電磁波を吸収または反射し上記蛍光体から発光される他の電磁波を透過する選択透過性を有するものである。
選択透過層における上記電磁波の遮蔽率としては、偽造防止媒体において選択透過層側から照射される電磁波を遮蔽して、発光層に含有される蛍光体に吸収されること抑制することができる程度であれば特に限定されず、偽造防止媒体の用途、蛍光体の種類等に応じて適宜選択することができる。
選択透過層における上記電磁波の遮蔽率としては、具体的には、10%以上、特に50%以上であることが好ましい。上記遮蔽率が低すぎる場合は、偽造防止媒体に対する電磁波の照射方向の違いによる他の電磁波の形態の変化を十分に示すことが困難となる可能性があるからである。
電磁波の遮蔽率については、一般的な分光測定機を用い、電磁波が有する特定波長における選択透過層の分光反射率または透過率を測定することで、測定できる。
また、選択透過層における蛍光体からの他の電磁波の透過率としては、偽造防止媒体の発光層側に電磁波を照射した場合に、観察者が選択透過層を介して他の電磁波を観察することができる程度であれば特に限定されず、偽造防止媒体の用途、蛍光体の種類等に応じて適宜選択することができる。
選択透過層における蛍光体からの他の電磁波の透過率としては、具体的には、10%以上、特に50%以上であることが好ましい。上記蛍光体からの他の電磁波の透過率が低すぎる場合、発光層からの発光を選択透過層を介して観察しにくくなる可能性があるからである。
選択透過層における蛍光体の他の電磁波の透過率については、一般的な分光測定機を用い、他の電磁波が有する波長における選択透過層の分光透過率を測定することで、測定できる。
選択透過層は、通常、透明性を有する。選択透過層の透明性としては、可視光領域の全域における選択透過層の平均透過率が、10%以上、特に50%以上であることが好ましい。
可視光領域の全域における偽造防止媒体の各部材の平均透過率については、一般的な分光測定機を用い、可視光領域の全域の各波長における偽造防止媒体の各部材の分光透過率を測定して平均値を算出することで、求めることができる。
選択透過層は、単一の層で構成されていてもよく、支持基材上に形成されて構成されていてもよい。以下、それぞれの場合について説明する。
(a)選択透過層が単一の層で構成される場合
選択透過層が単一の層で構成される場合、図1に示すように、選択透過層2は発光層3の支持基材としての機能を有する。
選択透過層としては、所望の選択透過性を示すことができる材料であれば特に限定されず、例えば、樹脂を含有するもの、紫外線吸収剤およびバインター樹脂を含有するもの、赤外線吸収剤およびバインダー樹脂を含有するもの、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤およびバインダー樹脂を含有するもの等を挙げることができる。
選択透過層に用いられる樹脂としては、所望の選択透過性を示すことができれば特に限定されず、蛍光体の種類に応じて適宜選択することができる。選択透過層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)等の各種樹脂が選択できる。
選択透過層が紫外線吸収剤および赤外線吸収剤の少なくともいずれかと、バインダー樹脂を含有する場合、バインダー樹脂としては、公知の紫外線吸収層、赤外線吸収層に用いられるものと同様とすることができ、例えば、特開2014−117927号公報に記載のバインダー樹脂、特開2007−015196号公報に記載のカード基材に用いられる樹脂等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤としては、公知の化合物を挙げることができ、例えば、特開2014−117927号公報、特開2007−015196号公報に記載の紫外線吸収剤を挙げることができる。
選択透過層が紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量については、選択透過性に所望の紫外線吸収性を付与することができる範囲内であれば特に限定されず、例えば、選択透過層中、1質量%〜25質量%の範囲内、特に5質量%〜15質量%の範囲内であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有量が少なすぎると、所望の選択透過性を示すことが困難となる可能性があるからであり、紫外線吸収剤の含有量が多すぎると選択透過層の透明性が低下する可能性があるからである。
また、赤外線吸収剤としては、公知の化合物を挙げることができ、例えば、特開2007−015196号公報に記載の赤外線吸収剤を挙げることができる。
選択透過層が赤外線吸収剤を含有する場合、赤外線吸収剤の含有量については、選択透過性に所望の赤外線吸収性を付与することができる範囲内であれば特に限定されず、例えば、選択透過層中、1質量%〜25質量%の範囲内、特に5質量%〜15質量%の範囲内であることが好ましい。赤外線吸収剤の含有量が少なすぎると、所望の選択透過性を示すことが困難となる可能性があるからであり、赤外線吸収剤の含有量が多すぎると選択透過層の透明性が低下する可能性があるからである。
選択透過層が、紫外線吸収剤及び赤外線吸収剤を含有する場合は、選択透過層が所望の選択透過性を有するように、適宜調整される。
選択透過層としては、市販の樹脂フィルム、紫外線吸収フィルム、紫外線反射フィルム、赤外線吸収フィルム、赤外線反射フィルム等を用いることもできる。
選択透過層の厚みとしては、所望の選択透過性を示すことができ、発光層の支持することが可能な程度であれば特に限定されず、偽造防止媒体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、0.3μm〜500μmの範囲内、中でも1μm〜100μmの範囲内、特に5μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
なお、厚みについては、一般的な測定方法で測定することができる。偽造防止媒体の各部材、層の厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法等を挙げることができる。なお、厚みとして、対象となる部材の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
(b)選択透過層が支持基材上に形成されて構成されている場合
選択透過層が支持基材上に形成されて構成されている場合、支持基材としては、通常、発光層に含有される蛍光体に吸収される電磁波を透過し、上記蛍光体から発光される他の電磁波を透過するもの、すなわち選択透過性を有さないものが用いられる。
選択透過層が支持基材上に形成される場合、図4に示すように支持基材4の発光層3側に選択透過層2が形成されてもよく、図示はしないが発光層側とは反対側に選択透過層が形成されてもよい。通常は、選択透過層は支持基材の発光層側に形成され、発光層よりも支持基材側に形成される。
また、選択透過層が支持基材上に形成される場合、図4に示すように、支持基材4上の全面に選択透過層2が形成されてもよく、後述する図5(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、支持基材4上に所定のパターン状に選択透過層2が形成されていてもよい。
なお、図4は本態様に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図である。また、図5(a)、(b)は本態様に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。図5(a)は図5(b)のX−X線断面に該当する。また、図5(b)においては選択透過層2が形成されている領域を破線を用いて示している。また、図5(a)、(b)においては、選択透過層2が三角形および円形のパターン状に形成されている例について示している。
また、図6(a)、(b)は本態様に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。図6(a)は図6(b)のX−X線断面に該当する。また、図6(b)においては選択透過層2が形成されている領域を破線を用いて示している。また、図6(a)、(b)においては、選択透過層2が三角形および円形のパターン状に形成されており、発光層3が円形および四角のパターン状に形成されている例について示している。
選択透過層が所定のパターン状に形成されている場合、選択透過層のパターンとしては、偽造防止媒体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、図形、文字、数字、写真、絵柄、商標、バーコート、QRコード(登録商標)等を挙げることができる。
支持基材に用いられる材料としては、選択透過性を有しないものであればよく、偽造防止媒体の用途、蛍光体の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、上述した選択透過層が紫外線吸収剤および赤外線吸収剤の少なくともいずれかとバインダー樹脂とを含有する場合において、バインダー樹脂に用いられる樹脂、ガラス基板等を挙げることができる。
支持基材は、透明性を有する。支持基材の透明性としては、可視光領域の全域における支持基材の平均透過率が、80%以上、中でも90%以上であることが好ましい。
支持基材の厚みについては、偽造防止媒体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、上述した「(a)選択透過層が単一の層で構成される場合」の項で説明した選択透過層の厚みと同様とすることができる。
選択透過層の材料としては、上述した「(a)選択透過層が単一の層で構成される場合」の項で説明した材料を用いることができる。選択透過層の厚みとしては、支持基材上に形成することができれば特に限定されず、偽造防止媒体の用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、0.3μm〜500μmの範囲内、なかでも1μm〜100μmの範囲内、特に5μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
支持基材上に選択透過層を形成する方法としては、例えば、選択透過層の材料を含有する選択透過層用塗工液を準備し、支持基材上に選択透過層用塗工液を用いて、塗布法により選択透過層を形成する方法や、支持基材上に上記選択透過層用塗工液を用いて印刷法により選択透過層を形成する方法を挙げることができる。塗布法、印刷法については、一般的な塗布法、印刷法とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(c)その他
偽造防止媒体が、後述する第2発光層を有する場合、選択透過層は、第2発光層に含有される蛍光体が吸収する電磁波を透過するものであってもよく、吸収するものであってもよい。また、選択透過層は、通常、第2発光層に含有される蛍光体が発光する他の電磁波を透過するものである。
選択透過層は所定の選択透過性を有するものであり、選択透過性については発光層に含有される蛍光体の種類に応じて適宜選択される。選択透過層としては、例えば、紫外線を吸収または反射し蛍光体から発光される可視光を透過するもの、赤外線を吸収または反射し蛍光体から発光される可視光を透過するもの、可視光を吸収または反射し蛍光体から発光される赤外線を透過するものを好適に用いることができる。
(2)発光層
本態様に用いられる発光層は、選択透過層上に積層されるものであり、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有するものである。また、選択透過層は発光層上に直接形成されて積層されていてもよく、他の層を介して積層されていてもよい。
また、発光層は、蛍光体として後述する紫外線吸収性蛍光体、赤外線吸収性蛍光体、可視光吸収性蛍光体の少なくともいずれかを含有していればよく、上述した2種以上の蛍光体を含有していてもよい。中でも、本態様においては、発光層が、紫外線を吸収して可視光を発光する紫外線吸収性蛍光体、および赤外線を吸収して可視光を発光する赤外線吸収性蛍光体の少なくともいずれかの蛍光体を含有していることが好ましい。観察者の目には見えない波長の電磁波である紫外線または赤外線を偽造防止媒体に照射することにより、他の電磁波の形態の変化として、可視光の形態の変化を観察者の目視により観察することができるため、セキュリティ性高く、容易に偽造防止媒体の真贋判定を行うことができるからである。
発光層は、通常、透明性を有する。発光層の透明性としては、例えば、可視光領域の全域における発光層の平均透過率が、上述した可視光領域の全域における選択透過層の平均透過率の範囲内を示すことが好ましい。
発光層は、選択透過層上に積層されていればよく、例えば、図1等に示すように、選択透過層2上の全面に発光層3が積層されていてもよく、図6(a)、(b)、図7(a)、(b)、図8に示すように、選択透過層2上に所定のパターン状に発光層3が形成されていてもよい。また、図5(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、選択透過層2が支持基材4上に所定のパターン状に形成されている場合は、発光層3が選択透過層2を覆うように形成されていてもよい。また、選択透過層2が支持基材4上に所定のパターン状に形成されている場合は、図5(a)、(b)に示すように、支持基材4の全面に発光層3が形成されていてもよく、図6(a)、(b)に示すように、支持基材4上に所定のパターン状に発光層3が形成されていてもよい。
なお、図7(a)、(b)は本態様に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。図7(a)は図7(b)のX−X線断面に該当する。また、図7(a)、(b)においては発光層3が星形および三日月形のパターン状に形成されている例について示している。また、図8は本態様に用いられる偽造防止媒体の一例を示す概略断面図である。図8においては、偽造防止媒体1が、支持基材4、支持基材4上の全面に形成された選択透過層2、選択透過層2上に所定のパターン状に形成された発光層3を有している例について示している。
発光層が所定のパターン状に形成されている場合、発光層のパターンとしては、偽造防止媒体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、図形、文字、数字、写真、絵柄、商標、バーコート、QRコード等を挙げることができる。
発光層に用いられる蛍光体としては、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光するものであれば特に限定されない。このような蛍光体としては、紫外線吸収性蛍光体、可視光吸収性蛍光体、赤外線吸収性蛍光体を挙げることができる。
紫外線吸収性蛍光体は、紫外線を吸収する蛍光体である。また、紫外線吸収性蛍光体としては、例えば、紫外線を吸収し上記紫外線よりも短波長側の紫外線を発光するもの、紫外線を吸収し可視光を発光するもの、紫外線を吸収し赤外線を発光するものが挙げられる。本態様においては、中でも、紫外線を吸収し可視光を発光する紫外線吸収性蛍光体が好ましい。本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法をセキュリティ性高く、容易に行なうことができるからである。
紫外線を吸収して可視光を発光する紫外線吸収性蛍光体としては、例えば、UV−A(波長315nm〜380nmの範囲内)を吸収して可視光を発光する蛍光体、UV−B(波長280nm〜315nmの範囲内)を吸収して可視光を発光する蛍光体、UV−C(波長200nm〜280nmの範囲内)を吸収して可視光を発光する蛍光体等を挙げることができる。なお、蛍光体から発光される可視光については、蛍光体の種類に応じて適宜選択することができる。
紫外線吸収性蛍光体としては、公知のものを挙げることができ、具体的には、特開2012−011550号公報に記載の紫外線励起可視光発光型の蛍光体、特許第5573469号公報に記載の二色性蛍光体等を挙げることができる。
二色性蛍光体を用いた場合は、例えば、2つの異なる波長の紫外線を用いて、異なる波長の可視光を発光させることができる。この場合、本態様においては、少なくとも一方の波長の紫外線を照射した場合に可視光の形態の変化を示すようにすればよい。
赤外線吸収性蛍光体は、赤外線を吸収する蛍光体である。赤外線吸収性蛍光体としては、例えば、赤外線を吸収し可視光を発光するもの、赤外線を吸収し上記赤外線よりも長波長側の赤外線を発光するもの、赤外線を吸収し上記赤外線よりも短波長側の赤外線を発光するものが挙げられる。本態様においては、なかでも赤外線を吸収し可視光を発光する赤外線吸収性蛍光体が好ましい。本発明の偽造防止媒体の真贋判定方法をセキュリティ性高く、容易に行なうことができるからである。
赤外線を吸収して可視光を発光する赤外線吸収性蛍光体としては、例えば、アップコンバージョン材料とも呼ばれ、例えば、近赤外の800nmの光を吸収して緑の530nm付近の可視光を発光する蛍光体等があり、励起波長は蛍光体によって適宜選択されるものであり、蛍光体から発光される可視光については、蛍光体の種類に応じて適宜選択することができる。
赤外線吸収性蛍光体としては、公知のものを挙げることができ、具体的には、特開2012−011550号公報に記載の赤外線励起可視光発光型の蛍光体や特許第4276864号や特許第4498825号に記載のアップコンバージョンする希土類元素を含む蛍光体を挙げることができる。
可視光吸収性蛍光体は、可視光を吸収して赤外線を発光する蛍光体である。可視光吸収性蛍光体としては、公知のものを挙げることができる。
本態様においては、複数種類の蛍光体を用いてもよい。また、発光層をパターン状に形成する場合等においては、各発光層のパターンに含有される蛍光体の種類を異ならせてもよい。
発光層は、通常、バインダー樹脂を含有する。発光層に用いられるバインダー樹脂としては、公知のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
発光層の厚みとしては、偽造防止媒体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、0.3μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
発光層の形成方法としては、選択透過層上に発光層を積層させることができれば、特に限定されず、例えば、発光層の材料を含有する発光層形成用塗工液を用いて、塗布法により選択透過層上に発光層を形成する方法や、発光層形成用塗工液を用いて、印刷方法により選択透過層上に発光層を形成する方法等を挙げることができる。
また、発光層としては、ホログラムとしての機能をさらに有していてもよい。発光層がホログラムとして用いられる場合、具体的には、ホログラム記録樹脂に蛍光体を含有させ、ホログラムを記録すれば、ホログラムの機能を有する発光層となる。ホログラム記録樹脂については公知のホログラムに用いられるものを用いることができる。
(3)第2発光層
本態様に用いられる偽造防止媒体1は、図9(a)〜(c)および図10に示すように、上述した発光層3側とは反対の面側に形成され、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する第2発光層5を有していてもよい。偽造防止媒体に対する電磁波の照射方向による他の電磁波の形態の変化をより複雑なものとすることができるため、偽造防止媒体の真贋判定をより高度に行なうことができる。
なお、図9(a)〜(c)は本態様に用いられる偽造防止媒体の他の例を示す概略断面図および概略平面図である。図9(a)は図9(b)、(c)のX−X線断面に該当する。また、図9(b)は偽造防止媒体1を発光層3側から見た概略平面図であり、図9(c)は偽造防止媒体1を第2発光層5側から見た概略平面図である。図9(a)〜(c)においては発光層3が星形および三日月形のパターン状に形成されており、第2発光層5が円形および四角のパターン状に形成されている例について示している。
また、図10は本態様に用いられる偽造防止媒体の一例を示す概略断面図である。図10においては、偽造防止媒体1が、支持基材4、支持基材4上の全面に形成された選択透過層2、選択透過層2上に所定のパターン状に形成された発光層3、および支持基材4の発光層2側とは反対側の表面上に積層された第2発光層5を有している例について示している。
第2発光層に含有される蛍光体については、発光層に含有される蛍光体と同一種類の蛍光体であってもよく、異なる種類の蛍光体であってもよい。
第2発光層は、偽造防止媒体において、選択層の発光層側とは反対の面側に形成されるものである。第2発光層の詳細については、上述した「(2)発光層」の項で記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(4)その他の構成
偽造防止媒体は、上述した選択透過層および発光層の積層体を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
(a)保護層
偽造防止媒体は、通常、選択透過層および発光層の積層体よりも外部側に保護層が設けられる。保護層としては、偽造防止媒体の真贋判定方法に用いられる電磁波、および他の電磁波を遮らないものであればよく、例えば、透明基材等を挙げることができる。透明基材については、上述した支持基材の項で説明したものから選択して用いることができる。
(b)印刷層
偽造防止媒体は、可視光下で観察することが可能な印刷層が設けられていてもよい。印刷層は、通常、上記選択透過層および発光層の積層体が設けられている領域と重ならないように設けられる。印刷層としては、例えば、顔料等の色材を含む着色層を挙げることができる。
(c)偽造防止媒体用基材
本態様においては、通常、上述した選択透過層および発光層の積層体を支持するための偽造防止媒体用基材を有する。偽造防止媒体用基材としては、偽造防止媒体の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、偽造防止媒体がカードである場合は、偽造防止媒体用基材としてはカード基材を挙げることができる。偽造防止媒体が有価証券、紙幣、身分証である場合は、偽造防止媒体用基材としてはこれらに用いられる基材を挙げることができる。
また、上述した選択透過層および発光層の積層体は、上記偽造防止媒体用基材の全面に配置されていてもよく、偽造防止媒体用基材の一部に配置されていてもよい。
2.偽造防止媒体の真贋判定方法
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法は、上述の偽造防止媒体を用いて、観察者と上記偽造防止媒体の発光層側または選択透過層側とが対向するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側に電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定する方法である。観察者から観察される他の電磁波の形態の変化については、偽造防止媒体の層構成および各構成の形態に応じて適宜決定される。以下、本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法について、具体例を挙げて説明する。
なお、以下の説明においては、蛍光体に吸収される特定波長の電磁波が紫外線であり、蛍光体から発光される他の電磁波が可視光である場合について説明するが、これに限定されるものではない。
上述した図1で説明したように、偽造防止媒体1が、単一の層で構成される選択透過層2と、選択透過層2上の全面に積層された発光層とを有する場合、図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)に示すように、観察者Aにより観察される可視光L2の形態の変化として、偽造防止媒体1の全面における可視光L2の発光領域の有無を用いて、偽造防止媒体1の真贋判定をすることができる。
また、図4に示す偽造防止媒体1を用いた場合も、観察者により観察される可視光の形態の変化として、偽造防止媒体の全面おける可視光の発光領域の有無を用いて、偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。
次に、図7に示すように、偽造防止媒体1が、単一の層で構成される選択透過層2と、選択透過層2上に所定のパターン状に積層された発光層3とを有している場合の偽造防止媒体の真贋判定方法について図を用いて説明する。
図11(a)〜(d)、図12(a)〜(d)は本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。
図11(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の発光層3側とが対向するように偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図11(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域においては、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は発光層3から観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。一方、発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射される。よって、観察者Aからは、図11(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。次に、図11(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。よって、観察者Aからは、図11(d)に示すように、偽造防止媒体1において上述した所定のパターン状の可視光の発光領域は観察されない。
次に、図12(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の選択透過層2側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図12(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域においては、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は選択透過層2を透過して観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。一方、発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は選択透過層2により吸収または反射される。よって、観察者Aからは、図12(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。次に、図12(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。よって、観察者Aからは、図12(d)に示すように、偽造防止媒体1おいてパターン状の可視光の発光領域は観察されない。
したがって図7に示す偽造防止媒体1を用いた場合、図11(a)〜(d)および図12(a)〜(d)に示すように、観察者から観察される可視光の形態の変化として、偽造防止媒体における所定のパターン状の可視光の発光領域の有無を用いて、偽造防止媒体1の真贋判定をすることができる。
また、図8に示す偽造防止媒体1を用いた場合も、観察者により観察される可視光の形態の変化として、偽造防止媒体における所定のパターン状の可視光の発光領域の有無を用いて、偽造防止媒体1の真贋判定をすることができる。
次に、図5(a)、(b)に示すように、偽造防止媒体1が、支持基材4と、支持基材4上に所定のパターン状に形成された選択透過層2と、選択透過層2を覆うように支持基材4上の全面に積層された発光層3とを有している場合の偽造防止媒体の真贋判定方法について説明する。
図13(a)〜(d)および図14(a)〜(d)は、本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。
図13(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の発光層3側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図13(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は発光層3から観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。よって、観察者Aからは、図13(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が形成されている領域、すなわち偽造防止媒体1の全面が可視光L2の発光領域として観察される。次に、図13(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、選択透過層2が形成されている領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。一方、選択透過層2が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過して発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は発光層3から観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。よって、観察者Aからは、図13(d)に示すように、偽造防止媒体1において選択透過層が所定のパターン状に形成されている領域を全面から除いた領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。
次に、図14(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の選択透過層2側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図14(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は選択透過層2および支持基材4を透過して観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。一方、発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は選択透過層2により吸収または反射される。よって、観察者Aからは、図14(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が形成されている領域、すなわち偽造防止媒体1の全面が可視光L2の発光領域として観察される。次に、図14(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、選択透過層2が形成されている領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。一方、選択透過層2が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過して発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は支持基材4を透過して観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。よって、観察者Aからは、図14(d)に示すように、偽造防止媒体1において選択透過層が所定のパターン状に形成されている領域を全面から除いた領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。
したがって図5(a)、(b)に示す偽造防止媒体1を用いた場合、図13(a)〜(d)および図14(a)〜(d)に示すように、観察者から観察される可視光の形態の変化として、偽造防止媒体における可視光の発光領域のパターンの形状の変化を用いて、偽造防止媒体1の真贋判定をすることができる。
次に、図6(a)、(b)に示すように、偽造防止媒体1が、支持基材4と、支持基材4上に所定のパターン状に形成された選択透過層2と、選択透過層2を覆うように支持基材4上にパターン状に積層された発光層3とを有している場合の偽造防止媒体の真贋判定方法について説明する。
図15(a)〜(d)および図16(a)〜(d)は、本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。
図15(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の発光層3側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図15(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域においては、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は発光層3から観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。一方、選択透過層2および発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過する。よって、観察者Aからは、図15(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。次に、図15(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域において選択透過層2が形成されている領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。一方、発光層3が形成されている領域において選択透過層2が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過して発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部が観察者A側に出射することにより、観察者Aに観察される。さらに、選択透過層2および発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過して観察者A側に出射するが、紫外線L1は観察者Aに観察されない。よって、観察者Aからは、図15(d)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域から、選択透過層が所定のパターン状に形成されている領域を除いた領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。
次に、図16(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の選択透過層2側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図16(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域においては、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は発光層3から支持基材4を透過して観察者A側に出射され、観察者Aに観察される。一方、選択透過層2および発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過するが紫外線L1は観察者Aに観察されない。よって、観察者Aからは、図16(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。次に、図16(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域において選択透過層2が形成されている領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射されるため、発光層3に含有される蛍光体に吸収されない。そのため、蛍光体から可視光は発光されない。一方、発光層が形成されている領域において選択透過層が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過して発光層3に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部が支持基材4を透過して観察者A側に出射することにより、観察者Aに観察される。さらに、選択透過層2および発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は支持基材4を透過して観察者A側とは反対側に出射する。よって、観察者Aからは、図16(d)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域から、選択透過層が所定のパターン状に形成されている領域を除いた領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。
したがって図6(a)、(b)に示す偽造防止媒体1を用いた場合、図15(a)〜(d)および図16(a)〜(d)に示すように、観察者から観察される可視光の形態の変化として、偽造防止媒体における可視光の発光領域のパターンの形状の変化を用いて、偽造防止媒体1の真贋判定をすることができる。
次に、偽造防止媒体が、図9(a)〜(c)に示すように、偽造防止媒体1が、単一の層で構成される選択透過層2と、選択透過層2上にパターン状に積層された発光層3と、選択透過層2の発光層側とは反対側の面上に積層された第2発光層5とを有している場合の偽造防止媒体の真贋判定方法について説明する。
図17(a)〜(d)および図18(a)〜(d)は、本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の他の例を示す模式図である。図17(a)〜(d)および図18(a)〜(d)においては、第2発光層が紫外線L1を吸収し、可視光L3を発光する蛍光体を含有している例について示している。また、可視光L2と可視光L3とが異なる波長を有する例について示している。
図17(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の発光層3側とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図17(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域おいては、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収される。また、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は観察者A側に出射して観察者Aに観察される。一方、発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射される。よって、観察者Aからは、図17(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。次に、図17(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の第2発光層5側に紫外線L1を照射する。このとき、第2発光層5が形成されている領域においては、紫外線L1は第2発光層5に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L3が発光する。また可視光L3の一部が観察者A側に出射して観察者Aに観察される。一方、第2発光層5が形成されていない領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射される。よって、観察者Aからは、図17(d)に示すように、偽造防止媒体1において第2発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L3の発光領域として観察される。
次に、図18(a)、(c)に示すように、観察者Aと偽造防止媒体1の第2発光層5側とが対向するように偽造防止媒体1を配置する場合について説明する。この場合において、まず図18(a)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。このとき、発光層3が形成されている領域においては、紫外線L1は発光層3に含有される蛍光体に吸収される。また、蛍光体から可視光L2が発光する。また、可視光L2の一部は選択透過層2および第2発光層5を透過して観察者A側に出射して観察者Aに観察される。一方、発光層3が形成されていない領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射される。よって、観察者Aからは、図18(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L2の発光領域として観察される。次に、図18(c)に示すように、光源10を用いて、偽造防止媒体1の第2発光層5側に紫外線L1を照射する。このとき、第2発光層5が形成されている領域においては、紫外線L1は第2発光層5に含有される蛍光体に吸収され、蛍光体から可視光L3が発光する。また、可視光L3の一部が観察者A側に出射して観察者Aに観察される。一方、第2発光層が形成されていない領域においては、紫外線L1は選択透過層2に吸収または反射される。よって、観察者Aからは、図18(d)に示すように、偽造防止媒体1において第2発光層が所定のパターン状に形成されている領域が、所定のパターン状の可視光L3の発光領域として観察される。
したがって図9(a〜(d)に示す偽造防止媒体1を用いた場合、図17(a)〜(d)および図18(a)〜(d)に示すように、観察者から観察される可視光の形態の変化として、偽造防止媒体1における可視光の発光領域のパターンの形状の変化および可視光の色の変化を用いて、偽造防止媒体1の真贋判定をすることができる。
また、図10に示す偽造防止媒体を用いた場合も、観察者により観察される可視光の形態の変化として、可視光の発光領域のパターンの形状の変化および可視光の色の変化を用いて、偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。
3.用途
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法は、IDカード、キャッシュカード、パスポート、紙幣、有価証券、証明証等の種々の偽造防止媒体の真贋判定方法に適用することができる。
II.第2態様
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者の観察位置および上記電磁波の照射位置が上記偽造防止媒体における同一の面側に位置するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする方法である。
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法について図を用いて説明する。
図19(a)〜(d)は本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の一例を示す模式図である。図19(a)〜(d)においては、図1に例示される偽造防止媒体1を用いる例について説明する。
まず、図19(a)に示すように、観察者Aの観察位置と紫外線L1の照射位置(光源10の位置)とが、偽造防止媒体1の発光層3側に位置するように、偽造防止媒体1を配置する。次に、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。この際、観察者Aからは、図19(b)に示すように、偽造防止媒体1において発光層が形成されている領域、すなわち偽造防止媒体1の全面が可視光L2の発光領域として観察される。なお、紫外線L1および可視光L2の光路の詳細については図2(a)で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、図19(c)に示すように、観察者Aの観察位置と紫外線L1の照射位置(光源10の位置)とが、偽造防止媒体1の選択透過層2側に位置するように、偽造防止媒体1を配置する。次に、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線L1を照射する。この際、観察者Aからは、図19(d)に示すように、偽造防止媒体1において上述した可視光の発光領域は観察されない。なお、紫外線L1および可視光L2の光路の詳細については図3(c)で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様においては、偽造防止媒体1の発光層3側および選択透過層2側が紫外線L1の照射位置と対向するように、偽造防止媒体1の位置を変えて紫外線L1を照射することにより、観察者Aから観察される可視光L2の形態の変化を用いて、偽造防止媒体1の真贋の判定が行われる。
本態様によれば、上記偽造防止媒体を用いて、観察者の観察位置および電磁波の照射位置が上記偽造防止媒体における同一の面側に位置するように、上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記発光層側に上記電磁波を照射した場合と、上記選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、観察者から観察される他の電磁波の形態を変化させることができる。よって、上記他の電磁波の形態の変化を用いて、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行なうことができる。
本態様においては、偽造防止媒体の発光層側に電磁波を照射する場合、偽造防止媒体の選択透過層に電磁波を照射する場合の両方において、電磁波の照射方向と同一面側から他の電磁波を観察する。また、本態様においては、通常、観察者に対しては、上記偽造防止媒体の発光層側または選択透過層側が対向するように、偽造防止媒体の表裏をひっくり返すことで観察がされる。上記以外は、上述した「I.第1態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の具体例としては、図1に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図19(a)、(c)に示す位置関係とした場合、図19(b)および図19(d)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図7に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図11(a)および図12(c)に示す位置関係とした場合、図11(b)および図12(d)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図5に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図13(a)および図14(c)に示す位置関係とした場合、図13(b)および図14(d)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図6に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図15(a)および図16(c)に示す位置関係とした場合、図15(b)および図16(d)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図9に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図17(a)および図18(c)に示す位置関係とした場合、図17(b)および図18(d)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。
III.第3態様
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、観察者と上記電磁波の照射位置との間に上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記観察者から観察される上記他の電磁波の形態の変化を用いて上記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする方法である。
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法について図を用いて説明する。
図20(a)〜(d)は本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の一例を示す模式図である。図20(a)〜(d)においては、図1に例示される偽造防止媒体1を用いる例について説明する。
図20(a)に示すように、観察者Aと紫外線L1の照射位置(光源10の位置)との間に、偽造防止媒体1の発光層3と光源10とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する。次に、偽造防止媒体1の発光層3側に紫外線L1を照射する。この際、観察者Aからは、図20(b)に示すように、偽造防止媒体1の全面に配置された発光層3は可視光の発光領域として観察されない。なお、紫外線L1および可視光L2の光路の詳細については図1(c)で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、図20(c)に示すように、観察者Aと紫外線L1の照射位置(光源10の位置)との間に、偽造防止媒体1の選択透過層2側と光源10とが対向するように、偽造防止媒体1を配置する。次に、偽造防止媒体1の選択透過層2側に紫外線を照射する。この際、観察者Aからは、図20(b)に示すように、偽造防止媒体1の全面に配置された発光層3は可視光の発光領域として観察される。なお、紫外線L1および可視光L2の光路の詳細については図2(a)で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様においては、偽造防止媒体1の発光層3側および選択透過層2側が紫外線L1の照射位置と対向するように、偽造防止媒体1の位置を変えて紫外線L1を照射することにより、観察者Aから観察される可視光L2の形態の変化を用いて、偽造防止媒体1の真贋の判定が行われる。
本態様によれば、上記偽造防止媒体を用いて、観察者と電磁波の照射位置との間に上記偽造防止媒体を配置し、上記偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側が上記電磁波の上記照射位置と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えて上記電磁波を照射することにより、上記発光層側に上記電磁波を照射した場合と、上記選択透過層側に上記電磁波を照射した場合とで、観察者から観察される上記他の電磁波の形態を変化させることができる。よって、上記他の電磁波の形態の変化を用いて、偽造防止媒体の真贋判定を高度に行なうことができる。
本態様においては、偽造防止媒体の発光層側に電磁波を照射する場合、偽造防止媒体の選択透過層に電磁波を照射する場合の両方において、電磁波の照射方向と反対の面側から他の電磁波を観察する。また、本態様においては、通常、観察者に対しては、上記偽造防止媒体の発光層側または選択透過層側が対向するように、偽造防止媒体の表裏をひっくり返すことで観察がされる。上記以外は、上述した「I.第1態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の偽造防止媒体の真贋判定方法の具体例としては、図1に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図20(a)および図20(c)に示す位置関係とした場合、図20(b)および図20(d)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図7に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図11(c)および図12(a)に示す位置関係とした場合、図11(d)および図12(b)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図5に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図13(c)および図14(a)に示す位置関係とした場合、図13(d)および図14(b)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図6に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図15(c)および図16(a)に示す位置関係とした場合、図15(d)および図16(b)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。また、図9に示す偽造防止媒体1を用いた場合は、観察者、偽造防止媒体、および紫外線の照射位置を図17(c)および図18(a)に示す位置関係とした場合、図17(d)および図18(b)に示す可視光の形態の変化を用いて偽造防止媒体の真贋判定をすることができる。
B.偽造防止媒体用真贋判定装置
本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置は、上述した偽造防止媒体の真贋判定方法に用いられる装置である。また、本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置は構造の違いにより、2つの態様を有する。以下、各態様について説明する。
I.第1態様
本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体の真贋判定に用いられるものであって、上記偽造防止媒体を配置する配置部と、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体の両面側に配置され、上記電磁波を照射する照射部と、上記偽造防止媒体の両面側に配置された上記照射部のうち、一方の上記照射部と他方の上記照射部からの上記電磁波の照射を切り換えられるように、上記照射部を制御する制御部と、一方の上記照射部側に設けられ、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体を観察する観察部と、を有することを特徴とするものである。
本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置について図を用いて説明する。
図21は本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置の一例を示す模式図である。図21に示すように、本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置30は、選択透過層2および発光層3を有する偽造防止媒体1の真贋判定に用いられるものである。偽造防止媒体用真贋判定装置30は、偽造防止媒体を配置する配置部31と、偽造防止媒体1を配置した場合において偽造防止媒体の両面側に配置され、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を照射する照射部32と、一方の照射部32側に設けられ、偽造防止媒体1を配置した場合において偽造防止媒体を観察する観察部33と、を有することを特徴とするものである。また、図示はしないが、偽造防止媒体の両面側に配置された照射部のうち、一方の照射部と他方の照射部からの電磁波の照射を切り換えられるように、照射部を制御する制御部を有する。照射部32は、光源10を有する。また、配置部31は対向する照射部32の間に設けられていればよい。また、観察部33は偽造防止媒体1と一方の照射部32との間に設けられる。
本態様によれば、偽造防止媒体用真贋判定装置が上記構成を有することにより、上述した偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側のそれぞれに対して電磁波を照射することができる。よって、本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置を用いて、上述した偽造防止媒体の真贋判定方法を行なうことができる。
以下、本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置の各構成について説明する。
1.照射部
本態様における照射部は、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体の両面側に配置され、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を照射するものである。
照射部は、通常、光源を有する。照射部に用いられる光源としては、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を照射することができるものであれば特に限定されず、偽造防止媒体の発光層に含有される蛍光体の種類に応じて適宜決定される。光源としては、高圧紫外線ランプ、低圧紫外線ランプ、紫外および赤外LED、紫外および赤外LD(レーザーダイオード)、紫外および赤外レーザー等を用いることができる。
2.配置部
本態様における配置部は、偽造防止媒体を配置するものである。また、配置部は、偽造防止媒体の両面側に上述した照射部が配置されるように、偽造防止媒体を配置するものである。
配置部としては、偽造防止媒体の両面側に上述した照射部が配置されるように、偽造防止媒体を配置することができれば特に限定されない。配置部は、偽造防止媒体を照射部に対して所定の位置に固定する固定部を有していてもよい。固定部は台状であってもよい。
3.観察部
観察部は、上記一方の照射部側に設けられ、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体を観察するものである。
観察部は、上記一方の照射部側に設けることができ、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体を観察することができれば特に限定されない。観察部は偽造防止媒体と一方の照射部との間に設けられる。
4.制御部
制御部は、上記偽造防止媒体の両面側に配置された上記照射部のうち、一方の上記照射部と他方の上記照射部からの上記電磁波の照射を切り換えられるように、上記照射部を制御するものである。
制御部は、上記偽造防止媒体の両面側に配置された上記照射部のうち、一方の上記照射部と他方の上記照射部からの上記電磁波の照射を切り換えられるものであれば特に限定されず、一般的なスイッチを用いることができる。
5.その他の構成
本態様においては、上記構成以外にも、例えば、偽造防止媒体の真贋判定中に、偽造防止媒体に環境光(外光)が照射されることを抑制する覆い部を有していてもよい。
6.用途
本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置は、上述した「A.偽造防止媒体の真贋判定方法」における「I.第1態様」の偽造防止媒体の真贋判定方法に用いることができる。
II.第2態様
本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置は、選択透過層および上記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して上記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、上記選択透過層が上記電磁波を吸収または反射し上記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体の真贋判定に用いられるものであって、上記偽造防止媒体を配置する配置部と、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体の一方の面側に配置され、上記電磁波を照射する照射部と、上記照射部側または上記照射部とは反対側に設けられ、上記偽造防止媒体を配置した場合において上記偽造防止媒体を観察する観察部とを有し、上記配置部が、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側が上記電磁波の上記照射部と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えることができるものであることを特徴とするものである。
本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置について図を用いて説明する。
図22および図23は本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置の一例および他の例を示す模式図である。図22および図23に示すように、本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置30は、選択透過層2および発光層3を有する偽造防止媒体1の真贋判定に用いられるものである。偽造防止媒体用真贋判定装置30は、偽造防止媒体を配置する配置部31と、偽造防止媒体1を配置した場合において偽造防止媒体の一方の面側に配置され、紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を照射する照射部32と、一方の照射部32側に設けられ、偽造防止媒体1を配置した場合において偽造防止媒体を観察する観察部33と、を有する。また、配置部31が、偽造防止媒体1の発光層3側および選択透過層2側が照射部32と対向するように、偽造防止媒体1の位置を変えることができるものである。照射部32は、光源10を有する。図22においては、偽造防止媒体に対して照射部側と同一面側に観察部が設けられている例について示しており、図23においては、偽造防止媒体に対して照射部側とは反対側に観察部が設けられている例について示している。
本態様によれば、偽造防止媒体用真贋判定装置が上記構成を有することにより、上述した偽造防止媒体の発光層側および選択透過層側のそれぞれに対して電磁波を照射することができる。よって、本発明の偽造防止媒体用真贋判定装置を用いて、上述した偽造防止媒体の真贋判定方法を行なうことができる。
1.配置部
本態様における配置部は、偽造防止媒体を配置するものである。また、配置部は、上記偽造防止媒体の上記発光層側および上記選択透過層側が上記電磁波の上記照射部と対向するように、上記偽造防止媒体の位置を変えることができるものである。
配置部としては、照射部における電磁波の照射位置において、偽造防止媒体の表裏をひっくり返すことにより、上記偽造防止媒体の位置を変えるものを挙げることができる。また、照射部における電磁波の照射位置の外側で偽造防止媒体の表裏をひっくり返した後、電磁波の照射位置に偽造防止媒体を配置することにより、上記偽造防止媒体の位置を変えるものを挙げることができる。
2.照射部
本態様における照射部については、照射部が偽造防止媒体を配置した場合に、偽造防止媒体の一方の面側に配置されること以外は、上述した「I.第1態様」の項で説明した内容と同様とすることができる。
3.その他
本態様の偽造防止媒体用真贋判定装置の構成について、上記以外の点については、上述した「I.第1態様」の項で説明した内容と同様とすることができる。
本態様の偽造防止媒体は、偽造防止媒体に対して照射部側と同一面側に観察部が設けられている場合は、上述した「A.偽造防止媒体の真贋判定方法」における「II.第2態様」の偽造防止媒体の真贋判定方法に用いることができる。一方、偽造防止媒体に対して照射部側と反対の面側に観察部が設けられている場合は、上述した上述した「A.偽造防止媒体の真贋判定方法」における「III.第3態様」の偽造防止媒体の真贋判定方法に用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(選択透過層の準備)
はじめに選択透過層となる単一の層で構成された樹脂基材を準備した。樹脂基材としては、厚み38μmの透明のポリエチレンテレフタレートからなる樹脂基材を用いた。上記樹脂基材は、可視光および波長365nmの紫外線を透過し、波長254nmの紫外線を吸収または反射する選択透過性を有するものである。
(蛍光インキの準備)
下記の蛍光インキを準備した。
蛍光体として、波長254nmの紫外線により励起されて緑色光を発光し、波長365nmの紫外線により励起されて赤色光を発光する蛍光体DE−GR(根本特殊化学製)を用いた。また上記蛍光インキは、上述の蛍光特性を有する蛍光体25重量%に、マイクロシリカ8重量%、有機ベントナイト2重量%、アルキッド樹脂50重量%およびアルキルベンゼン系溶剤15重量%を加えてオフセットインキ化して調製されたものである。
(偽造防止媒体の作製)
上述の蛍光インキを用いて、上述の樹脂基材上に発光層として発光画像を印刷して形成し、偽造防止媒体を作製した。
[評価]
(観察1)
実施例1で得られた偽造防止媒体について、以下の観察を行なった。
観察者が、実施例1で得られた偽造防止媒体の発光層である発光画像を印刷した側から偽造防止媒体を観察した場合、発光層側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察された。また、発光層側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、緑色の発光画像が観察された。一方、樹脂基材側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察されたが、樹脂基材側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、樹脂基材が254nmの紫外線をほとんど透過しないため選択透過層として作用し、発光画像が観察されなかった。
よって、上述した観察を行うことにより、上記偽造防止媒体について真贋判定を行うことができることが確認できた。
(観察2)
実施例1で得られた偽造防止媒体について、以下の観察を行なった。
観察者の観察位置と照明位置を常に、実施例1で得られた偽造防止媒体の同一の面側になるように配置し、発光層側および樹脂基材側から観察を行った場合、発光層側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察された。また、発光層側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、緑色の発光画像が観察された。一方、樹脂基材側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察されたが、樹脂基材側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、発光画像が観察されなかった。
よって、上述した観察を行うことにより、上記偽造防止媒体について真贋判定を行うことができることが確認できた。
(観察3)
実施例1で得られた偽造防止媒体について、以下の観察を行なった。
観察者と照明位置との間に作製した偽造防止媒体を配置し、発光層側および樹脂基材側から観察を行った場合であって、発光層側および樹脂基材側から観察を行った場合、発光層側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察された。また、発光層側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、緑色の発光画像が観察された。一方、樹脂基材側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察されたが、樹脂基材側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、発光画像が観察されなかった。
よって、上述した観察を行うことにより、上記偽造防止媒体について真贋判定を行うことができることが確認できた。
[実施例2]
上述の厚み38μmの透明のポリエチレンテレフタレート基材上に体積ホログラムを形成して積層体を形成し、上記積層体上に、さらに実施例1と同様に蛍光画像を形成し、偽造防止媒体を得た。
上記積層体の作製は下記の方法で行なった。
(積層体の作製)
以下の手順により、未処理PETフィルム1/体積型ホログラム層/PETフィルム2の積層体を作製した。
(体積型ホログラム記録用溶液の調製)
下記組成の体積型ホログラム記録用溶液を調製した。
<体積型ホログラム記録用溶液>
・ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量 200,000) 100重量部
・9,9−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン 80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 70重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 5重量部
・3,9−ジエチル−3’−カルボキシメチル−2,2’−チアカルボシアニンヨードニウム塩 1重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/1−ブタノール=1/1(重量比)) 200重量部
PETフィルム2(A4300(厚み38μm);TOYOBO(株)製)上に上述の体積型ホログラム記録用溶液をアプリケータにより乾燥後膜厚10μmとなるように塗布した後、90℃のオーブンで乾燥させて体積型ホログラム記録用層/未処理PETフィルム2の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの体積型ホログラム記録用層面をホログラム原版に密着させ、レーザー光(532nm)を未処理PETフィルム2側から80mJ/cm入射し、体積型ホログラム記録用層に体積型ホログラムを記録した。記録後、ホログラム原版から剥離して未処理PETフィルム1(ルミラー(登録商標)T60(厚み50μm);東レ株式会社製)を体積型ホログラム層面にラミネートし、その後、加熱し、紫外線定着露光を実施した。以上の手順により、530nmに反射中心波長を有する体積ホログラム積層ポリエチレンテレフタレート基材、すなわち積層体を作製した。
[評価]
実施例2で得られた偽造防止媒体を用い、上述の観察1〜3をそれぞれ実施したところ、実施例1と同様に、発光層側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察された。また、発光層側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、緑色の発光画像が観察された。一方、樹脂基材側から波長365nmの紫外線を照射した場合には、赤色の発光画像が観察されたが、樹脂基材側から波長254nmの紫外線を照射した場合には、発光画像が観察されなかった。
よって、上述した観察1〜3を行うことにより、実施例2で得られた偽造防止媒体について真贋判定を行うことができることが確認できた。
1 … 偽造防止媒体
2 … 選択透過層
3 … 発光層
4 … 支持基材
5 … 第2発光層
30 … 偽造防止媒体用真贋判定装置
31 … 配置部
32 … 照射部
33 … 観察部
A … 観察者
L1 … 紫外線
L2、L3 … 可視光

Claims (5)

  1. 選択透過層および前記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して前記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、前記選択透過層が前記電磁波を吸収または反射し前記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、
    観察者と前記偽造防止媒体の前記発光層側または前記選択透過層側とが対向するように、前記偽造防止媒体を配置し、
    前記偽造防止媒体の前記発光層側および前記選択透過層側に前記電磁波を照射することにより、前記観察者から観察される前記他の電磁波の形態の変化を用いて前記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判定方法。
  2. 選択透過層および前記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して前記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、前記選択透過層が前記電磁波を吸収または反射し前記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、
    観察者の観察位置および前記電磁波の照射位置が前記偽造防止媒体における同一の面側に位置するように、前記偽造防止媒体を配置し、
    前記偽造防止媒体の前記発光層側および前記選択透過層側が前記電磁波の前記照射位置と対向するように、前記偽造防止媒体の位置を変えて前記電磁波を照射することにより、前記観察者から観察される前記他の電磁波の形態の変化を用いて前記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判定方法。
  3. 選択透過層および前記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して前記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、前記選択透過層が前記電磁波を吸収または反射し前記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体を準備し、
    観察者と前記電磁波の照射位置との間に前記偽造防止媒体を配置し、
    前記偽造防止媒体の前記発光層側および前記選択透過層側が前記電磁波の前記照射位置と対向するように、前記偽造防止媒体の位置を変えて前記電磁波を照射することにより、前記観察者から観察される前記他の電磁波の形態の変化を用いて前記偽造防止媒体の真贋を判定することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判定方法。
  4. 選択透過層および前記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して前記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、前記選択透過層が前記電磁波を吸収または反射し前記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体の真贋判定に用いられる偽造防止媒体用真贋判定装置であって、
    前記偽造防止媒体を配置する配置部と、
    前記偽造防止媒体を配置した場合において前記偽造防止媒体の両面側に配置され、前記電磁波を照射する照射部と、
    前記偽造防止媒体の両面側に配置された前記照射部のうち、一方の前記照射部と他方の前記照射部からの前記電磁波の照射を切り換えられるように、前記照射部を制御する制御部と、
    一方の前記照射部側に設けられ、前記偽造防止媒体を配置した場合において前記偽造防止媒体を観察する観察部と、
    を有することを特徴とする偽造防止媒体用真贋判定装置。
  5. 選択透過層および前記選択透過層上に積層され紫外線領域から赤外線領域までの波長の領域のうち特定の波長を有する電磁波を吸収して前記電磁波とは異なる波長を有する他の電磁波を発光する蛍光体を含有する発光層を有し、前記選択透過層が前記電磁波を吸収または反射し前記他の電磁波を透過する選択透過性を有する偽造防止媒体の真贋判定に用いられる偽造防止媒体用真贋判定装置であって、
    前記偽造防止媒体を配置する配置部と、
    前記偽造防止媒体を配置した場合において前記偽造防止媒体の一方の面側に配置され、前記電磁波を照射する照射部と、
    前記照射部側または前記照射部とは反対側に設けられ、前記偽造防止媒体を配置した場合において前記偽造防止媒体を観察する観察部とを有し、
    前記配置部が、前記偽造防止媒体の前記発光層側および前記選択透過層側が前記電磁波の前記照射部と対向するように、前記偽造防止媒体の位置を変えることができるものであることを特徴とする偽造防止媒体用真贋判定装置。
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