JP2016091089A - タッチペン - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネルへの接触面積が小さくても、タッチパネルが反応可能な静電容量の変化を生じさせることができ、且つ操作性と作業効率を向上することのできる静電容量式タッチパネル用のタッチペンを提供する。
【解決手段】静電容量方式のタッチパネルにペン先2を接触させて用いるタッチペン1であって、前記ペン先がエピハロヒドリン系ゴム中に所定の配合比でカーボンナノチューブを分散した導電性ゴム材料により形成され、その体積抵抗率が8.4Ω・cm以下である。
【選択図】図1
【解決手段】静電容量方式のタッチパネルにペン先2を接触させて用いるタッチペン1であって、前記ペン先がエピハロヒドリン系ゴム中に所定の配合比でカーボンナノチューブを分散した導電性ゴム材料により形成され、その体積抵抗率が8.4Ω・cm以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は静電容量式タッチパネル用のタッチペンに関し、特にペン先が接触したタッチパネルとの間にタッチパネルが反応可能な静電容量の変化を生じさせることのできるタッチペンに関する。
近年、急速に普及しているスマートフォンやタブレットPC等の携帯型情報端末においては、マルチタッチ操作の可能な投影型の静電容量方式のタッチパネルが多く用いられている。
この投影型の静電容量方式のタッチパネルの構造について図6(分解図)を用いて簡単に説明する。図6に示す静電容量方式のタッチパネル50は、例えば透明な絶縁フィルム53の裏側に、Y方向の座標検出を行うための複数の電極を有する酸化インジウム・スズ膜(以下、ITO膜と称する)51が形成され、表側にX方向の座標検出を行うための複数の電極を有するITO膜52が形成される。
この投影型の静電容量方式のタッチパネルの構造について図6(分解図)を用いて簡単に説明する。図6に示す静電容量方式のタッチパネル50は、例えば透明な絶縁フィルム53の裏側に、Y方向の座標検出を行うための複数の電極を有する酸化インジウム・スズ膜(以下、ITO膜と称する)51が形成され、表側にX方向の座標検出を行うための複数の電極を有するITO膜52が形成される。
前記ITO膜51は、X方向に連結されて相互に電気的に接続された複数の菱形の電極パッド54(センサ電極)がY方向に複数行設けられており、前記ITO膜52は、Y方向に連結されて相互に電気的に接続された複数の菱形の電極パッド55(センサ電極)がX方向に複数列設けられている。各電極パッド54,55は、指示体(指やタッチペンなど)の接触位置を検出可能な静電容量(約1pF)の変化を発生させるに十分な面積を有しており、例えばその対角線の幅が6mm程度に形成されている。
前記ITO膜51,52が形成された絶縁フィルム53を平面視すると、図7のように各電極パッド54,55が所定の隙間を空けて面方向に配置された2次元格子状の構造をなしている。
前記ITO膜51,52が形成された絶縁フィルム53を平面視すると、図7のように各電極パッド54,55が所定の隙間を空けて面方向に配置された2次元格子状の構造をなしている。
このタッチパネル50に対し、カバーガラス(図示せず)を介し、例えばタッチペンを接触させると、X方向に連結された電極パッド54のうち、接触位置の電極パッド54の静電容量が所定値以上に変化する。これによりY方向の座標位置が検出される。
また、Y方向に連結された電極パッド55のうち、接触位置の電極パッド55の静電容量が所定値以上に変化する。これによりX方向の座標位置が検出される。
また、Y方向に連結された電極パッド55のうち、接触位置の電極パッド55の静電容量が所定値以上に変化する。これによりX方向の座標位置が検出される。
ところで、前記静電容量方式のタッチパネル50は、前記のようにタッチペン等による接触箇所に所定以上の静電容量(約1pF)の変化を発生させなければ、その位置を検出することができない。このため従来から、静電容量方式のタッチパネルに対する入力操作は、電極パッド54,55の面積よりも大きい接触面積で接触可能な導電性のタッチペンにより行い、位置検出に必要な静電容量の変化を発生させるようにしている(従来は、接触面積が小さいと、位置検出に必要な静電容量の変化が生じなかった)。
尚、投影型静電容量方式のタッチパネルについての先行技術は、例えば特許文献1に記載されている。
尚、投影型静電容量方式のタッチパネルについての先行技術は、例えば特許文献1に記載されている。
しかしながら、電極パッド54,55の面積よりも大きい接触面積で接触可能なタッチペンを使用する場合、ペン先の直径(太さ)が大きくなるため、視認性が著しく低下し、作業効率が著しく低下するという課題があった。
また、従来広く用いられているシリコン導電ゴム製のペン先を有するタッチペンにおいても、ペン先をパネルに押圧する力で変形させ、反応に必要な接触面積を確保する必要があるため、操作時に大きな摩擦抵抗が生まれ、スムーズな操作性が損なわれるという課題があった。
また、従来広く用いられているシリコン導電ゴム製のペン先を有するタッチペンにおいても、ペン先をパネルに押圧する力で変形させ、反応に必要な接触面積を確保する必要があるため、操作時に大きな摩擦抵抗が生まれ、スムーズな操作性が損なわれるという課題があった。
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、タッチパネルへの接触面積が小さくても、タッチパネルが反応可能な静電容量の変化を生じさせることができ、且つ操作性と作業効率を向上することのできる静電容量式タッチパネル用のタッチペンを提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係るタッチペンは、静電容量方式のタッチパネルにペン先を接触させて用いるタッチペンであって、前記ペン先がエピハロヒドリン系ゴム中に所定の配合比でカーボンナノチューブを分散した導電性ゴム材料により形成され、その体積抵抗率が8.4Ω・cm以下であることに特徴を有する。尚、前記ペン先の硬度は55°以下であることが望ましい。また、前記ペン先は、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを少なくとも4.8%分散した導電性ゴム材料により形成されていることが望ましい。
このようにタッチペンのゴム製のペン先に、カーボンナノチューブが分散されることにより体積抵抗率が低くなり導電性が高くなるため、細いペン先であってもパネル面に対し低荷重で良好な反応性を得ることができる。即ち、視認性と摺動性が向上し、作業効率や操作性を高めることができる。
このようにタッチペンのゴム製のペン先に、カーボンナノチューブが分散されることにより体積抵抗率が低くなり導電性が高くなるため、細いペン先であってもパネル面に対し低荷重で良好な反応性を得ることができる。即ち、視認性と摺動性が向上し、作業効率や操作性を高めることができる。
また、前記ペン先に導電性を有する繊維が植毛されていることが望ましい。また、前記繊維の表面にAgメッキ処理が施されていることが望ましい。
このようにペン先に導電性繊維を設けることにより、ペン先とタッチパネルとの接触の際の荷重が小さくても、タッチパネルを反応させるために充分な静電容量の変化をより容易に生じさせることができる。
このようにペン先に導電性繊維を設けることにより、ペン先とタッチパネルとの接触の際の荷重が小さくても、タッチパネルを反応させるために充分な静電容量の変化をより容易に生じさせることができる。
本発明によれば、タッチパネルへの接触面積が小さくても、タッチパネルが反応可能な静電容量の変化を生じさせることができ、且つ操作性と作業効率を向上することのできる静電容量式タッチパネル用のタッチペンを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明に係るタッチペンの断面図である。
図1のタッチペン1は、導電性ゴムにより形成されたペン先2と、ペン先2を保持するペン軸本体3とを備える。ペン軸本体3は、人体とペン先2とを電気的に結合するように、前記ペン先2と電気的に接続された導電性材料(例えばアルミニウム合金)により形成されている。或いは、前記ペン軸本体3の表面に、ペン使用者(人体)の手(指)が必ず接触する例えば金属製の導通部(図示せず)を、前記ペン先2と電気的に接続された状態で設けてもよい。
尚、図1においてペン軸本体3は軽量化のために内部が空洞の筒状とし、後端部にキャップ4を嵌めた状態としているが、それに限らず無垢棒からなるペン軸本体3としてもよい。
図1のタッチペン1は、導電性ゴムにより形成されたペン先2と、ペン先2を保持するペン軸本体3とを備える。ペン軸本体3は、人体とペン先2とを電気的に結合するように、前記ペン先2と電気的に接続された導電性材料(例えばアルミニウム合金)により形成されている。或いは、前記ペン軸本体3の表面に、ペン使用者(人体)の手(指)が必ず接触する例えば金属製の導通部(図示せず)を、前記ペン先2と電気的に接続された状態で設けてもよい。
尚、図1においてペン軸本体3は軽量化のために内部が空洞の筒状とし、後端部にキャップ4を嵌めた状態としているが、それに限らず無垢棒からなるペン軸本体3としてもよい。
図2に前記ペン先2の断面図を拡大して示す。前記ペン先2は、接触するパネル表面での摺動性をよくするために先端部2aが例えばドーム状(半球状)に形成されている。また、ペン先2は、前記のように導電性ゴム材料により形成されており、先端部2aがパネル面に対して押圧されると、荷重の大きさに応じて接触面積が変化するようになっている。即ち、ペン先2をパネル面に強く押し付けるほど接触面積が大きくなるようになっている。
また、前記ペン先2は、従来の導電性ゴム製(例えば導電性シリコンゴム)のペン先よりも細い径で操作可能とするために、エピハロヒドリン系ゴムの中にカーボンナノチューブが所定の配合で分散されている。即ち、ペン先2の全体形状を形成するゴム材料の中に、(体積抵抗率を低くして)導電性を向上させるために導電材としてカーボンナノチューブが添加されている。
具体的には、ペン先2は、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを4.8%、加硫剤を0.9%、軟化剤を5.0%添加し、硬度を54°以下、体積抵抗率を8.4Ω・cm以下としたものにより形成されている。
具体的には、ペン先2は、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを4.8%、加硫剤を0.9%、軟化剤を5.0%添加し、硬度を54°以下、体積抵抗率を8.4Ω・cm以下としたものにより形成されている。
尚、添加するカーボンナノチューブとしては、炭素原子が網状に結合し、一層グラフェンシートが筒状になったシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、二層が筒状になったダブルウォールカーボンナノチューブ(DWCNT)、より多層が筒状になったマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)のいずれを用いてもよい。
このような導電性ゴムにより形成されたペン先2の径寸法d1は、ドーム状の先端部2aがパネル表面に軽く押し付けられた際に、その接触面積が、タッチパネルの反応可能な静電容量の変化が生じる大きさとなるように形成されている。
具体的には、例えば、接触面の径が、後述する図3に示すタッチパネル本体12の電極パッド16,17の対角線の幅よりも小さい5mm程度となるように、径d1は6mm程度に形成されている。
具体的には、例えば、接触面の径が、後述する図3に示すタッチパネル本体12の電極パッド16,17の対角線の幅よりも小さい5mm程度となるように、径d1は6mm程度に形成されている。
また、前記タッチペン1は、図3に示すような一般的な構成のタッチパネル装置10で使用することができる。図3は、タッチパネル装置10の模式的な断面図である。タッチパネル装置10は、液晶表示装置であるLCDユニット11の上にタッチパネル本体12が設けられ、その上には、誘電体であるカバーガラス13を介して、保護フィルム14が設けられている。尚、保護フィルム14を前記カバーガラス13上に取り付けるために、保護フィルム14は、例えば所定厚さ(例えば約50μm)に形成されたポリエチレンテレフタレートのフィルムからなり、その最下層に少なくとも粘着層(図示せず)を有している。
前記タッチパネル本体12は、例えば図6に示した構成と同様に、透明な絶縁フィルム15(図6の絶縁フィルム53に相当)の表裏面に、ITO膜からなるセンサ電極が形成されている。具体的には、絶縁フィルム15の表側に複数の電極パッド16(図6の電極パッド55に相当)が形成され、裏側に複数の電極パッド17(図6の電極パッド54に相当)が形成されている。各電極パッド16,17は、従来の図6,図7の構成と同様に菱形状に形成され、それにより、(図7の構成と同様に)2次元格子状のセンサ電極を構成している。また、各電極パッド16,17の対角線の幅は例えば6mmに形成され、所定の静電容量(例えば約1pF)の変化により、その電極パッド16,17におけるタッチペン1のペン先の接触が検出可能となされている。
このように構成されたタッチペン1のペン先2を、図4に示すようにタッチパネル装置10のパネル表面に軽く荷重N(例えばN=50g)で接触した場合、荷重Nが小さいため、ペン先2の接触面は小さいもの(例えば電極パッド16,17の対角線の幅より小さい値、直径d2=5mm程度)となる。
タッチパネルが反応する静電容量の変化量を1pFとした場合、導電性を有するゴムでは単位面積あたり0.026pF/mm2の静電容量変化があれば良いが、体積抵抗率が8.4Ω・cm以下の高い導電性を有するペン先2では単位面積あたり0.080pF/mm2の静電容量変化が得られるため、さらに細い先端径(φ4.0mm)でもタッチパネルは反応する。また、導電性が高いほど低い荷重で所望の静電容量変化が生じる。
そして、前記ペン先2の接触面を含む所定領域と電極パッド16との間に生じた静電容量は、タッチペン1を介して人体に微弱な電流(例えば10μA〜20μA)として流れ、それによりタッチペン1のペン先2の接触位置のうち、例えば縦方向の座標位置(図6,図7のY方向の位置)が検出される。
タッチパネルが反応する静電容量の変化量を1pFとした場合、導電性を有するゴムでは単位面積あたり0.026pF/mm2の静電容量変化があれば良いが、体積抵抗率が8.4Ω・cm以下の高い導電性を有するペン先2では単位面積あたり0.080pF/mm2の静電容量変化が得られるため、さらに細い先端径(φ4.0mm)でもタッチパネルは反応する。また、導電性が高いほど低い荷重で所望の静電容量変化が生じる。
そして、前記ペン先2の接触面を含む所定領域と電極パッド16との間に生じた静電容量は、タッチペン1を介して人体に微弱な電流(例えば10μA〜20μA)として流れ、それによりタッチペン1のペン先2の接触位置のうち、例えば縦方向の座標位置(図6,図7のY方向の位置)が検出される。
また、前記ペン先2の接触位置を含む所定領域と電極パッド16の場合と同様に、タッチペン1のペン先2の接触位置を含む所定領域と電極パッド17との間(誘電体である保護フィルム14、カバーガラス13)にも、単位面積あたり所定の静電容量の変化(約0.47〜5.96pF/mm2)が生じる。
そして、前記ペン先2の接触位置を含む所定領域と電極パッド17との間に生じた静電容量は、タッチペン1を介して人体に微弱な電流(例えば10μA〜20μA)として流れ、それによりタッチペン1のペン先2の接触位置のうち、例えば横方向の座標位置(図6,図7のX方向の位置)が検出される。
そして、前記ペン先2の接触位置を含む所定領域と電極パッド17との間に生じた静電容量は、タッチペン1を介して人体に微弱な電流(例えば10μA〜20μA)として流れ、それによりタッチペン1のペン先2の接触位置のうち、例えば横方向の座標位置(図6,図7のX方向の位置)が検出される。
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、タッチペン1のゴム製のペン先2は、カーボンナノチューブが分散されることにより体積抵抗率が低くなり、導電性が高くなるため、細いペン先であってもパネル面に対し低荷重で良好な反応性を得ることができる。その結果、視認性と摺動性が向上し、作業効率や操作性を高めることができる。
尚、前記実施の形態にあっては、ゴム製のペン先2は、その先端部2aが単にドーム状(半球状)に形成されているものとしたが、本発明にあっては、それに限定されるものではなく、他の形状であってもよい。例えば、先端部2aがより平坦な形状であってもよい。
また、図5に示すようにドーム状のペン先2の先端部2aに複数本の導電性繊維6(例えば太さ1.7T(デシテックス)、長さ0.8mm)を植毛してもよい。それによりペン先2とタッチパネルとの接触の際の荷重が小さくても、タッチパネルを反応させるために充分な静電容量の変化をより容易に生じさせることができる。
前記導電性繊維6としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、および金属粒子等で全体を形成したものを用いることができる。
或いは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを基材とする繊維に導電性材料を被覆することによって繊維に導電性を持たせたものであってもよい。
その場合、前記導電性材料は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリンなどの導電性樹脂を分散又は可溶化させた樹脂溶液を前記基材の繊維に塗布後、固化又は加熱硬化させることにより得られる。また、これらの導電性材料を用いる際に、導電性を適宜調整するために、2,3,7,8−テトラシアノ−1,4,6,9−テトラアザナフタレン、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのドーパントを添加した導電性樹脂を使用することができる。
或いは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを基材とする繊維に導電性材料を被覆することによって繊維に導電性を持たせたものであってもよい。
その場合、前記導電性材料は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリンなどの導電性樹脂を分散又は可溶化させた樹脂溶液を前記基材の繊維に塗布後、固化又は加熱硬化させることにより得られる。また、これらの導電性材料を用いる際に、導電性を適宜調整するために、2,3,7,8−テトラシアノ−1,4,6,9−テトラアザナフタレン、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのドーパントを添加した導電性樹脂を使用することができる。
或いは、前記導電性材料の代わりに、基材の繊維の表面に金属メッキ層を設けてもよい。この金属メッキ層の金属としては、経済性、抗菌性等の点から銀(Ag)が好ましいが、その他、金、銅、アルミニウム、亜鉛、白金、パラジウム、ニッケル、イリジウム、ロジウム、コバルト、オスミウム、ルテニウム、鉄等を用いてもよい。
また、前記実施の形態においては、タッチペン1でタッチ操作する対象の表面にポリエチレンテレフタレートからなる保護フィルム14を用いるものとしたが、それに限らず、保護フィルムとして機能する導電性フィルムをタッチ操作の対象面に用いてもよい。
そのようにすれば、ペン先2が接触した際の静電容量の変化がより大きくなるため、ペン先2の幅をより細くしてもタッチパネルを反応させることができる。
そのようにすれば、ペン先2が接触した際の静電容量の変化がより大きくなるため、ペン先2の幅をより細くしてもタッチパネルを反応させることができる。
また、前記実施の形態においては、投影型静電容量方式のタッチパネルを例に説明したが、本発明に係るタッチペンは、それに限らず、ペン先の接触による微弱電流の変化を捉えて位置検出を行う静電容量方式のタッチパネルであれば適用することができる。
本発明について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、以下の実験1〜3を行うことにより、本発明の構成要件を特定すると共に、その有効性を確認した。
[実験1]
実験1では、タッチパネル装置としてアップル社製iPhone5sを用い、タッチペンのペン先(厚み2mm)の接触面の大きさ(直径)を条件にして、その反応荷重(タッチパネルが反応可能な荷重)を測定した。
ペン先の材質は、実施例1として、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを4.8%、加硫剤を0.9%、軟化剤を5.0%添加し、硬度を54°、体積抵抗率を8.4Ω・cmとしたものを用いた(CNT+EP系ゴムAと呼ぶ)。
実験1では、タッチパネル装置としてアップル社製iPhone5sを用い、タッチペンのペン先(厚み2mm)の接触面の大きさ(直径)を条件にして、その反応荷重(タッチパネルが反応可能な荷重)を測定した。
ペン先の材質は、実施例1として、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを4.8%、加硫剤を0.9%、軟化剤を5.0%添加し、硬度を54°、体積抵抗率を8.4Ω・cmとしたものを用いた(CNT+EP系ゴムAと呼ぶ)。
また、実施例2として、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを9.1%、加硫剤を0.9%、軟化剤を10.0%添加し、硬度を55°、体積抵抗率を0.43Ω・cmとしたものを用いた(CNT+EP系ゴムBと呼ぶ)。
また、比較例1として、体積抵抗率を2.3×106Ω・cmとした導電性シリコンゴム製のペン先を用いた(導電性シリコンゴムAと呼ぶ)。
比較例2として、体積抵抗率を160Ω・cmとした導電性シリコンゴム製のペン先を用いた(導電性シリコンゴムBと呼ぶ)。
比較例3として、体積抵抗率を20Ω・cmとした導電性シリコンゴム製のペン先を用いた(導電性シリコンゴムCと呼ぶ)。
比較例2として、体積抵抗率を160Ω・cmとした導電性シリコンゴム製のペン先を用いた(導電性シリコンゴムBと呼ぶ)。
比較例3として、体積抵抗率を20Ω・cmとした導電性シリコンゴム製のペン先を用いた(導電性シリコンゴムCと呼ぶ)。
また、比較例4として、体積抵抗率を5.4Ω・cmとした導電性シリコンゴム製のペン先を用いた(導電性シリコンゴムD)。
尚、タッチパネルとして、パネル最上層にあるガラス板の上に、保護層として厚さ100μmのPETフィルムを貼ったものを使用した。
表1に実験1の結果を示す。尚、表1において、×は反応なしの状態を示す。
尚、タッチパネルとして、パネル最上層にあるガラス板の上に、保護層として厚さ100μmのPETフィルムを貼ったものを使用した。
表1に実験1の結果を示す。尚、表1において、×は反応なしの状態を示す。
実験1の結果、表1に示すように、実施例1、2のCNT+EP系ゴム製のペン先によれば、直径4.0mmの接触面積であってもタッチパネルは反応した。ここで、表2は、前記先端接触面の径(mm)に対応する面積(mm2)と、1pFでタッチパネルが反応するとしたときの単位面積当たりの静電容量の関係を示す表である。即ち、表1、表2から、体積抵抗率が8.4Ω・cm以下の導電性が高いペン先においては、単位面積あたり0.080pF/mm2の静電容量が生じることが確認できる。
[実験2]
実験2では、タッチパネルとして、ガラスプレートの上に保護層として、表面抵抗率が106〜108Ω/sqの導電フィルムを貼付したものを使用した。
また、実施例3としてCNT+EP系ゴムA製のペン先(実施例1と同一)を用い、実施例4としてCNT+EP系ゴムB製のペン先(実施例2と同一)を用いた。
また、比較例5として導電性シリコンゴムA製のペン先(比較例1と同一)を用い、比較例6として導電性シリコンゴムB製のペン先(比較例2と同一)を用い、比較例7として導電性シリコンゴムC製のペン先(比較例3と同一)を用い、比較例8として導電性シリコンゴムD製のペン先(比較例4と同一)を用いた。その他の条件は実験1と同じである。表3に実験2の結果を示す。尚、表3において、×は反応なしを示す。
実験2では、タッチパネルとして、ガラスプレートの上に保護層として、表面抵抗率が106〜108Ω/sqの導電フィルムを貼付したものを使用した。
また、実施例3としてCNT+EP系ゴムA製のペン先(実施例1と同一)を用い、実施例4としてCNT+EP系ゴムB製のペン先(実施例2と同一)を用いた。
また、比較例5として導電性シリコンゴムA製のペン先(比較例1と同一)を用い、比較例6として導電性シリコンゴムB製のペン先(比較例2と同一)を用い、比較例7として導電性シリコンゴムC製のペン先(比較例3と同一)を用い、比較例8として導電性シリコンゴムD製のペン先(比較例4と同一)を用いた。その他の条件は実験1と同じである。表3に実験2の結果を示す。尚、表3において、×は反応なしを示す。
実験2の結果、表3に示すようにタッチパネル表面が導電フィルムであることにより、実験1の場合よりもさらに接触面積が小さくても低荷重でパネルを反応させることができることを確認した。
特に、実施例3、4では、接触面積が直径2.5mmであっても25g以下の低荷重でパネルを反応させることができた。これは、パネル表面がガラス板やPETフィルムの場合と比べ、導電性フィルムに貯まる静電気量が大きくなるためと考えられた。
特に、実施例3、4では、接触面積が直径2.5mmであっても25g以下の低荷重でパネルを反応させることができた。これは、パネル表面がガラス板やPETフィルムの場合と比べ、導電性フィルムに貯まる静電気量が大きくなるためと考えられた。
[実験3]
実験3では、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを4.8%、加硫剤を0.9%、軟化剤を5.0%添加し、硬度を54°、体積抵抗率を8.4Ω・cmとしたペン先にAgメッキを施した繊維を植毛したタッチペンを用い、タッチパネルが反応可能な荷重を求めた。植毛繊維の太さは1.7T(デシテックス)、長さは0.8mmとした。尚、タッチパネルとしてパネル最上層にあるガラス板の上に、保護層として厚さ100μmのPETフィルムを貼ったものを使用した。表4に実験3の結果を示す。
実験3では、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを4.8%、加硫剤を0.9%、軟化剤を5.0%添加し、硬度を54°、体積抵抗率を8.4Ω・cmとしたペン先にAgメッキを施した繊維を植毛したタッチペンを用い、タッチパネルが反応可能な荷重を求めた。植毛繊維の太さは1.7T(デシテックス)、長さは0.8mmとした。尚、タッチパネルとしてパネル最上層にあるガラス板の上に、保護層として厚さ100μmのPETフィルムを貼ったものを使用した。表4に実験3の結果を示す。
実験3の結果、表4に示すように接触面の直径が5.0mmの場合であっても荷重10gで反応することを確認した。これは、Agメッキを施した植毛によって、ペン先を押し付けなくてもペン先とフィルム間に充分な静電容量の変化が生じるためと考えられた。
以上の実施例の結果から、本発明に係るタッチペンによれば、ペン先が従来の導電性シリコンゴム製などのものに比べ導電性が高いため、タッチ面における静電容量の変化が大きくなり、ペン先の接触面の径が細い場合も低荷重で反応させることができることを確認することができた。
1 タッチペン
2 ペン先
2a 先端部
3 ペン軸本体
6 繊維
10 タッチパネル装置
11 LCDユニット
12 タッチパネル本体
2 ペン先
2a 先端部
3 ペン軸本体
6 繊維
10 タッチパネル装置
11 LCDユニット
12 タッチパネル本体
Claims (5)
- 静電容量方式のタッチパネルにペン先を接触させて用いるタッチペンであって、
前記ペン先がエピハロヒドリン系ゴム中に所定の配合比でカーボンナノチューブを分散した導電性ゴム材料により形成され、
その体積抵抗率が8.4Ω・cm以下であることを特徴とするタッチペン。 - 前記ペン先の硬度は55°以下であることを特徴とする請求項1に記載されたタッチペン。
- 前記ペン先は、エピハロヒドリン系ゴムに対し、重量比としてカーボンナノチューブを少なくとも4.8%分散した導電性ゴム材料により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたタッチペン。
- 前記ペン先に導電性を有する繊維が植毛されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたタッチペン。
- 前記繊維の表面にAgメッキ処理が施されていることを特徴とする請求項4に記載されたタッチペン。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014221247A JP2016091089A (ja) | 2014-10-30 | 2014-10-30 | タッチペン |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|---|
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-
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- 2014-10-30 JP JP2014221247A patent/JP2016091089A/ja active Pending
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