JP2016090030A - 弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い低騒音性能を有し、金属積層造形法を用いて容易に実現可能な弁装置の提供。【解決手段】弁座2と弁座2に設けた流通孔を開閉自在に塞ぐ弁体3とから成り流通路4の途中部に設けられる弁機構と、弁体3と弁座2との間の流通間隙を通過する流体を減圧する減圧機構とを備えた弁装置であって、減圧機構を、流通路4を開放した際に生じる弁体3と弁座2との流通間隙を囲うように設けられた筒体5に、この筒体5に流入した流体が流出する多数の流体通過孔6を貫通状態に設けた構成とし、流体通過孔6は、複数の整流板を左右交互に設けて蛇行状の流路を形成した蛇行流路部と、蛇行流路部の下流側に設けられ蛇行流路部より径小な多数の流出孔9から成る多孔流路部とを有する構成とする。【選択図】図1
Description
本発明は、弁装置に関するものである。
従来から、高圧流体のための減圧調整弁が種々提案されており、例えば、特許文献1には、複数の直角屈曲を持つ流通孔(蛇行流路)を備え、この流通孔の曲りにより圧力水頭エネルギーを損失させて高圧流体の減圧を図ることで、騒音やキャビテーションの発生を抑制する技術が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、高圧流体を多数の小孔(多孔流路)を通過させることで、流体の噴流のサイズを小さくして騒音等の発生を抑制する技術が開示されている。
従来の減圧調整弁は、上記蛇行流路若しくは多孔流路のいずれかを用いて騒音を可及的に抑制するように設計されてはいるが、騒音を一層小さくするための更なる改良が要望されているのが現状である。
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、蛇行流路及び多孔流路を具備することでより高い低騒音性能を有し、金属積層造形法を用いて容易に実現可能な極めて実用性に優れた弁装置を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
弁座2とこの弁座2に設けた流通孔を開閉自在に塞ぐ弁体3とから成り流通路4の途中部に設けられる弁機構と、前記弁体3を前記弁座2から離脱させ前記流通路4を開放した際、この弁体3と弁座2との間の流通間隙を通過する流体を減圧する減圧機構とを備えた弁装置であって、前記減圧機構は、前記流通路4を開放した際に生じる前記弁体3と前記弁座2との流通間隙を囲うように設けられた筒体5に、この筒体5に流入した流体が流出する多数の流体通過孔6を貫通状態に設けた構成とし、この流体通過孔6は、複数の整流板7を左右交互に設けて蛇行状の流路を形成した蛇行流路部8と、この蛇行流路部8の下流側に設けられこの蛇行流路部8より径小な多数の流出孔9から成る多孔流路部10とを有する構成としたことを特徴とする弁装置に係るものである。
また、前記筒体5に、この筒体5の軸心に対して垂直な放射方向に前記流体通過孔6を多数設け、前記各流体通過孔6は、前記筒体5の内側となる上流側には前記蛇行流路部8を設け、前記筒体5の外側となる下流側には前記多孔流路部10を設けた構成とし、前記筒体5に流入した流体が、前記蛇行流路部8及び前記多孔流路部10を順次通過して流出するように前記筒体5を構成したことを特徴とする請求項1記載の弁装置に係るものである。
また、前記整流板7には、前記流体の通過を許容する通過許容孔11を設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の弁装置に係るものである。
また、前記整流板7は前記流体の流通方向に対して垂直な整流面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の弁装置に係るものである。
また、前記多孔流路部10の前記各流出孔9は、前記流体通過孔6の軸心と交差するように傾斜状態に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の弁装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、蛇行流路及び多孔流路を具備することでより高い低騒音性能を有し、金属積層造形法を用いて容易に実現可能な極めて実用性に優れた弁装置となる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
弁体3を弁座2から離脱させて流通路4を開放すると、弁座2の流通孔を通過した流体は、筒体5に流入し流体通過孔6を通過して流出し、流通路4の出口から放出される。
この際、高圧流体であっても、流体通過孔6の蛇行流路部8と多孔流路部10とを順次通過させることで、上流側の蛇行流路部8により十分に減圧した後、下流側の多孔流路部10で噴流サイズを可及的に小さくして流通路4へ流出することができ、良好に減圧しつつ騒音を可及的に小さくすることができる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、弁座2とこの弁座2に設けた流通孔を開閉自在に塞ぐ弁体3とから成り流通路4の途中部に設けられる弁機構と、前記弁体3を前記弁座2から離脱させ前記流通路4を開放した際、この弁体3と弁座2との間の流通間隙を通過する流体を減圧する減圧機構とを備えた弁装置であって、前記減圧機構は、前記流通路4を開放した際に生じる前記弁体3と前記弁座2との流通間隙を囲うように設けられた筒体5に、この筒体5に流入した流体が流出する多数の流体通過孔6を貫通状態に設けた構成とし、この流体通過孔6は、複数の整流板7を左右交互に設けて蛇行状の流路を形成した蛇行流路部8と、この蛇行流路部8の下流側に設けられこの蛇行流路部8より径小な多数の流出孔9から成る多孔流路部10とを有する構成としたものである。
また、本実施例は、前記筒体5に、この筒体5の軸心に対して垂直な放射方向に前記流体通過孔6を多数設け、前記各流体通過孔6は、前記筒体5の内側となる上流側には前記蛇行流路部8を設け、前記筒体5の外側となる下流側には前記多孔流路部10を設けた構成とし、前記筒体5に流入した流体が、前記蛇行流路部8及び前記多孔流路部10を順次通過して流出するように前記筒体5を構成したものである。
具体的には、図1に図示したように、本体1に形成される流通路4の中央に設けられこの流通路4を開閉するグローブ弁機構と、開放したグローブ弁機構を通過する流体を減圧する減圧機構とを備えた減圧調整弁であり、高圧流体が流通するプラント等に用いられるものである。
本体1の流通路4の両端には、夫々配管が接続される入口側配管接続部及び出口側配管接続部(図示省略)が設けられている。
また、本体の流通路4の中央には、水平環状の弁座2が設けられ、この弁座2に対して弁体3が接離動自在に設けられている。図中符号15は弁軸、16は接続部材、17は接続ボルトである。
弁体3の周囲には、弁体3を弁座2から離脱させた際に生じる流通間隙を囲うように金属製の筒体5が設けられている。具体的には、筒体5の内径に対し弁体3の外径を同一径か若しくは僅かに小さくして、筒体5の内周面を弁体3が摺動するように構成されている。即ち、弁体3と筒体5との間から流体が漏出しない構成としている。従って、弁座2の流通孔を通過し筒体に流入した流体は、その殆どが筒体5に貫通形成した流体通過孔6を通過して流出し出口側に向かうことになる。
この筒体5の流体通過孔6を通過する高圧流体は、蛇行流路部8と多孔流路部10とを順次通過することで、蛇行流路部8において良好に減圧されると共に、流通路4への流出時に生じる騒音を多孔流路部10において可及的に小さくできる。
本実施例においては、蛇行流路部8において、直線孔に半月薄板状の整流板7を左右交互に設けることで、蛇行状の流路を形成している。
また、整流板7には、流体の通過を許容する通過許容孔11を設けている。通過許容孔11を設けた場合でも、流体の全体的な流れは整流板7により蛇行状となる。なお、所望の減圧を行うために通過許容孔11の孔径は適宜設定できるが、0.5mm〜2mm程度とするのが好ましい。また、通過許容孔11を設けない構成としても良い。
また、整流板7は、流体の流通方向に対して垂直な整流面を有する構成としている。従って、蛇行流路部8には、90°ターン流路が形成されることになり、良好に減圧を行えることになる。
また、整流板7の形状及び並設間隔は、必要な減圧に応じて適宜設定することができる。例えば、形状は蛇行流路部8の直線孔の流路断面の30〜60%を覆う形状とすることができ、並設間隔は蛇行流路部8の全長の10〜50%に設定することができる。
本実施例においては蛇行流路部8の直線孔の流路断面を、左右の整流板7で左右半分ずつを覆う形状に設定している。また、整流板7の並設間隔は蛇行流路部8の全長の約33%に設定し、等間隔で3つの整流板7を設けている。
なお、蛇行流路部8は直線孔に限らず曲線孔に整流板7を設けて構成しても良い。
蛇行流路部8の下流側には多孔流路部10が連設されている。
多孔流路部10は、少なくとも蛇行流路部8の孔径より径小な流出孔9を多数設けて構成されている。具体的には1つの蛇行流路部8の下流端に6〜10個程度の流出孔9を設ける。流出孔9は、夫々流体通過孔6の軸心と交差するように傾斜状態に設けられている。流出孔9の軸心に対する傾斜角度は3°〜15°程度に設定するのが好ましい。
なお、流出孔9は、流体通過孔6の軸心と平行に設ける構成としても良いが、軸心と交差するように設けることで、より多数の流出孔9を蛇行流路部8の下流側に設けることが可能となる。
また、筒体5は厚さが10mm〜60mmで金属製であり積層造形法(光学造形方式、粉末焼結積層造形方式、熱溶解積層方式、インクジェット方式等)を用いて形成されている。上記厚さの範囲に、多数の蛇行流路部8及び多孔流路部10から成る流体通過孔6を設ける。
流体通過孔6の蛇行流路部8の孔径は1.5mm〜8mm程度に設定することができ、特に2.5mm〜4.5mm程度に設定するのが好ましい。
また、多孔流路部10の各流出孔9の孔径は、蛇行流路部8より小さく設定する。具体的には、0.5〜5mm程度に設定する。特に、0.8mm〜3mm程度(蛇行流路部8の孔径の30%〜65%程度)に設定するのが好ましい。
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
2 弁座
3 弁体
4 流通路
5 筒体
6 流体通過孔
7 整流板
8 蛇行流路部
9 流出孔
10 多孔流路部
11 通過許容孔
3 弁体
4 流通路
5 筒体
6 流体通過孔
7 整流板
8 蛇行流路部
9 流出孔
10 多孔流路部
11 通過許容孔
Claims (5)
- 弁座とこの弁座に設けた流通孔を開閉自在に塞ぐ弁体とから成り流通路の途中部に設けられる弁機構と、前記弁体を前記弁座から離脱させ前記流通路を開放した際、この弁体と弁座との間の流通間隙を通過する流体を減圧する減圧機構とを備えた弁装置であって、前記減圧機構は、前記流通路を開放した際に生じる前記弁体と前記弁座との流通間隙を囲うように設けられた筒体に、この筒体に流入した流体が流出する多数の流体通過孔を貫通状態に設けた構成とし、この流体通過孔は、複数の整流板を左右交互に設けて蛇行状の流路を形成した蛇行流路部と、この蛇行流路部の下流側に設けられこの蛇行流路部より径小な多数の流出孔から成る多孔流路部とを有する構成としたことを特徴とする弁装置。
- 前記筒体に、この筒体の軸心に対して垂直な放射方向に前記流体通過孔を多数設け、前記各流体通過孔は、前記筒体の内側となる上流側には前記蛇行流路部を設け、前記筒体の外側となる下流側には前記多孔流路部を設けた構成とし、前記筒体に流入した流体が、前記蛇行流路部及び前記多孔流路部を順次通過して流出するように前記筒体を構成したことを特徴とする請求項1記載の弁装置。
- 前記整流板には、前記流体の通過を許容する通過許容孔を設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の弁装置。
- 前記整流板は前記流体の流通方向に対して垂直な整流面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の弁装置。
- 前記多孔流路部の前記各流出孔は、前記流体通過孔の軸心と交差するように傾斜状態に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の弁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014229034A JP2016090030A (ja) | 2014-11-11 | 2014-11-11 | 弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014229034A JP2016090030A (ja) | 2014-11-11 | 2014-11-11 | 弁装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016090030A true JP2016090030A (ja) | 2016-05-23 |
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ID=56018152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014229034A Pending JP2016090030A (ja) | 2014-11-11 | 2014-11-11 | 弁装置 |
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Country | Link |
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-
2014
- 2014-11-11 JP JP2014229034A patent/JP2016090030A/ja active Pending
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