JP2016089633A - 流量制御弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油の温度変化に応じて潤滑油の供給量の調節を行うことが可能な流量制御弁を提供する。【解決手段】ターボチャージャの軸受部へと潤滑油を供給する供給油路に設けられる流量制御弁50であって、内部を潤滑油が流通する弁本体110と、弁本体110に対して摺動することで当該弁本体110を流通する潤滑油の流路面積を調節可能であり、弁本体110を流通する潤滑油の油圧によって左方に向かって付勢されるスプール120と、スプール120を右方に向かって付勢する第一スプリング140と、形状記憶合金で形成され、温度に応じて伸縮可能であると共に、スプール120をに向かって付勢する第二スプリング160と、を具備した。【選択図】図4
Description
本発明は、ターボチャージャの軸受部へと潤滑油を供給する潤滑油供給油路に設けられる流量制御弁の技術に関する。
従来、ターボチャージャの軸受部へと潤滑油を供給するための技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、オイルポンプにより圧送される潤滑油を軸受部へと供給するための供給油路(ターボチャージャ用給油通路)と、軸受部から潤滑油を排出するための戻り油路(戻り管路)と、軸受部を迂回するように供給油路と戻り油路とを連通するドレン油路(ドレーン通路)と、ドレン油路の中途部に設けられる圧力調整弁と、を具備する機構が記載されている。
このような構成において、オイルポンプの吐出圧力(ひいては供給油路内の圧力)が高くなった場合には、圧力調整弁が開いて供給油路内の潤滑油をドレン油路に逃がすことで、供給油路内の圧力を所定圧力以下になるように調節している。これによって、潤滑油が軸受部へ過剰に供給されるのを防止することができる。
しかしながら、このような構成においては、オイルポンプは軸受部に供給される潤滑油だけでなく、圧力調整弁を介して逃がされることになる潤滑油も含めた多量の潤滑油を圧送するため、当該オイルポンプの仕事に無駄がある点で不利であった。
そこで、特許文献2においては、供給油路の中途部に流量制御弁を設け、当該流量制御弁によって供給油路の流路を絞ることで、軸受部へと供給される潤滑油の流量を調節する技術が提案されている。当該技術によれば、流量制御弁は、オイルポンプの吐出圧力が高くなる(すなわち、エンジンの回転数が高くなる)のに応じて供給油路の流路を絞ることができる。従って、エンジンが高回転数で回転している状態であっても、供給油路を流通する潤滑油の量を略一定に制限することができる。これによって、過剰な潤滑油が軸受部へ供給されるのを防止しながら、オイルポンプの仕事の低減を図ることが可能となる。
しかしながら当該技術では、温度変化による潤滑油の動粘度の変化が考慮されていなかった。具体的には、潤滑油の温度によって当該潤滑油の動粘度が変化した場合には、軸受部へと供給される潤滑油の量(供給量)が変化する。これに対し、特許文献2の技術では、当該潤滑油の温度変化に応じて潤滑油の供給量の調節を行うことができなかった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、潤滑油の温度変化に応じて軸受部へと供給される潤滑油の量の調節を行うことが可能な流量制御弁を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、ターボチャージャの軸受部へと潤滑油を供給する潤滑油供給油路に設けられる流量制御弁であって、内部を潤滑油が流通するハウジングと、前記ハウジングに対して摺動することで当該ハウジングを流通する潤滑油の流路面積を調節可能であり、前記ハウジングを流通する潤滑油の油圧によって摺動方向一側に向かって付勢されるスプールと、前記スプールを当該スプールの摺動方向他側に向かって付勢する第一のコイルスプリングと、形状記憶合金で形成され、温度に応じて伸縮可能であると共に、前記スプールを前記摺動方向一側又は前記摺動方向他側のいずれか一方に向かって付勢する第二のコイルスプリングと、を具備するものである。
請求項2においては、前記第二のコイルスプリングは、前記スプールの摺動方向に沿って前記第一のコイルスプリングと隣り合うように配置され、前記スプールを前記摺動方向一側に向かって付勢するものである。
請求項3においては、前記第二のコイルスプリングは、少なくとも一部が前記第一のコイルスプリングの径方向内側又は外側に配置され、前記スプールを前記摺動方向一側に向かって付勢するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、潤滑油の温度変化に応じて潤滑油の供給量の調節を行うことができる。
請求項2においては、簡素な構成で、潤滑油の温度変化に応じて潤滑油の供給量の調節を行うことができる。
請求項3においては、流量制御弁の小型化(スプールの摺動方向に沿った長さの短縮化)を図ることができる。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
まず、図1を用いて、本発明の第一実施形態に係る流量制御弁50を具備する潤滑油供給機構1全体の構成を説明する。
潤滑油供給機構1は、図示せぬエンジンに設けられたターボチャージャ6(より詳細には、当該ターボチャージャ6の軸受部41)へと潤滑油を供給するためのものである。潤滑油供給機構1は、主としてオイルパン2、圧送油路3、オイルポンプ4、オイルフィルタ5、ターボチャージャ6(より詳細には、当該ターボチャージャ6のうち潤滑油が流通する経路を成す部分)及び戻り油路7により構成される。
オイルパン2は、潤滑油を貯溜するものである。
圧送油路3は、オイルパン2に貯溜された潤滑油をターボチャージャ6へと案内するものである。圧送油路3の一端は、オイルパン2に接続される。当該圧送油路3の一端には、オイルストレーナ3aが設けられる。圧送油路3の他端は、ターボチャージャ6(より詳細には、後述するベアリングハウジング40の供給油路42)に接続される。
オイルポンプ4は、潤滑油を圧送するものである。オイルポンプ4は、圧送油路3の中途部に設けられる。オイルポンプ4は、前記エンジンの回転に応じて駆動される。前記エンジンの回転数の増減に応じて、オイルポンプ4から吐出される潤滑油の量(吐出量)が増減する。
オイルフィルタ5は、潤滑油中の異物を取り除くものである。オイルフィルタ5は、圧送油路3の中途部(オイルポンプ4よりも下流側)に設けられる。
ターボチャージャ6は、前記エンジンのシリンダに圧縮空気を送り込むものである。ターボチャージャ6においては、コンプレッサホイール20とタービンホイール30とがシャフト10によって連結される。当該シャフト10はベアリングハウジング40の軸受部41において回転可能に支持される。
ベアリングハウジング40には供給油路42及び排出油路43が形成される。供給油路42の一端(外側の端部)は前述の通り圧送油路3の他端に接続され、供給油路42の他端(内側の端部)は軸受部41に接続される。供給油路42の中途部には流量制御弁50が設けられる。排出油路43の一端(内側の端部)は軸受部41に接続され、排出油路43の他端(外側の端部)は後述する戻り油路7の一端に接続される。
なお、ターボチャージャ6の具体的な構成については後述する。
なお、ターボチャージャ6の具体的な構成については後述する。
戻り油路7は、ターボチャージャ6から排出される潤滑油をオイルパン2へと案内するものである。戻り油路7の一端は、ターボチャージャ6(より詳細には、ベアリングハウジング40の排出油路43)に接続される。戻り油路7の他端は、オイルパン2に接続される。
このように構成された潤滑油供給機構1において、前記エンジンの回転に応じてオイルポンプ4が駆動すると、当該オイルポンプ4によってオイルパン2内の潤滑油が圧送油路3を介してターボチャージャ6へと圧送される。さらに当該潤滑油は、流量制御弁50によって適宜流量を調節されながら、供給油路42を介してベアリングハウジング40の軸受部41へと案内される。当該軸受部41を潤滑した潤滑油は、排出油路43及び戻り油路7を介してオイルパン2へと戻される。
なお、本実施形態においては特に言及しないが、オイルポンプ4によって圧送された潤滑油は、図示せぬ他の油路を介して前記エンジンの各部(その他の潤滑部位)へも供給され、当該エンジンの各部を適宜潤滑する。
次に、図2及び図3を用いて、ターボチャージャ6の構成について説明する。
ターボチャージャ6は、前記エンジンのシリンダに圧縮空気を送り込むためのものである。ターボチャージャ6は、主としてシャフト10、コンプレッサホイール20、タービンホイール30、ベアリングハウジング40、流量制御弁50、すべり軸受60、スラストカラー70及びスラスト軸受90を具備する。
シャフト10は、後述するコンプレッサホイール20とタービンホイール30とを連結するものである。シャフト10は、その長手方向(軸線方向)を前後方向へ向けて配置される。
コンプレッサホイール20は、複数の羽根を有し、回転駆動されることによって空気を圧縮するものである。コンプレッサホイール20は、シャフト10の後端部に固定される。
タービンホイール30は、複数の羽根を有し、前記エンジンからの排気を受けて回転することで駆動力を発生させるものである。タービンホイール30は、シャフト10の前端部に一体的に形成される。
ベアリングハウジング40は、シャフト10を間接的に回転可能に支持する略箱状の部材である。ベアリングハウジング40の底面は平ら(平面状)に形成される。ベアリングハウジング40の下部には、オイルパイプアッシ40aが設けられる。
オイルパイプアッシ40aは、略板状の部材とパイプからなる部材である。オイルパイプアッシ40aの上面(フランジ部)は平ら(平板状)に形成される。オイルパイプアッシ40aは、その上面をガスケットを介してベアリングハウジング40の底面と当接させた状態で、ボルト等によってベアリングハウジング40に固定される。当該オイルパイプアッシ40aによって、圧送油路3及び戻り油路7の一部が形成される。
また、ベアリングハウジング40には、軸受部41、供給油路42及び排出油路43が形成される。
軸受部41は、シャフト10を間接的に回転可能に支持する部分である。軸受部41は円形断面を有し、ベアリングハウジング40を前後方向に貫通するように形成される。
供給油路42は、圧送油路3を介して供給される潤滑油を軸受部41へと案内するためのものである。すなわち、圧送油路3及び供給油路42によって、オイルポンプ4から圧送される潤滑油を軸受部41へと案内するための油路が形成される。供給油路42は、ベアリングハウジング40の下面から上方に向かって形成される。供給油路42の一端(下端)は圧送油路3の他端に接続される。供給油路42の他端(上端)は、前後に分岐されて軸受部41の前端部及び後端部にそれぞれ接続される。
なお、供給油路42の中途部には、後述する流量制御弁50が設けられる。よって、説明の便宜上、以下では供給油路42のうち一端(下端)から当該流量制御弁50までの部分を第一供給油路42aと、供給油路42のうち当該流量制御弁50から他端(上端)までの部分を第二供給油路42bと、それぞれ称する。
排出油路43は、潤滑油を軸受部41から排出するためのものである。排出油路43は、供給油路42の左方において、ベアリングハウジング40の下面から上方に向かって形成される。排出油路43の一端(上端)は適宜に分岐されて軸受部41の前端部、後端部及び前後中途部にそれぞれ接続される。排出油路43の他端(下端)は戻り油路7の一端に接続される。排出油路43内の圧力は大気圧となるように開放されている。
流量制御弁50は、供給油路42を流通する潤滑油の圧力に基づいて当該潤滑油の流路の面積(流路面積)を変更することによって当該潤滑油の流量を調節するものである。流量制御弁50は、供給油路42の中途部に設けられる。流量制御弁50は、その長手方向(軸線方向)を左右方向へ向けて配置される。
なお、流量制御弁50の詳細な構成については後述する。
なお、流量制御弁50の詳細な構成については後述する。
すべり軸受60は、シャフト10を回転可能に支持する略円筒状の軸受である。すべり軸受60は、ベアリングハウジング40の軸受部41の前端部及び後端部(第二供給油路42bと対向する部分)にそれぞれ配置される。当該すべり軸受60にはシャフト10が挿通される。
スラストカラー70は略円筒状に形成され、前後方向に向けて配置される。スラストカラー70にはシャフト10が挿通される。スラストカラー70は、シャフト10に対して相対回転不能となるように固定される。スラストカラー70の前後中途部にはスラスト軸受90が外嵌される。スラスト軸受90は、軸受部41の後方においてベアリングハウジング40と接するように配置される。このようにして、スラスト軸受90はシャフト10に加わる軸線方向の荷重を受けることになる。
次に、図4及び図5を用いて、流量制御弁50の構成について説明する。
流量制御弁50は、主として弁本体110、スプール120、調圧部材130、第一スプリング140、閉塞部材150及び第二スプリング160を具備する。
弁本体110は、内部を潤滑油が流通可能な部材である。弁本体110は、略円筒状に形成される。弁本体110は、その長手方向を左右方向に向けて、ベアリングハウジング40の内部に配置される。この際、弁本体110は、供給油路42及び排出油路43に亘るように配置される。弁本体110には、摺動部111、第一ポート112、第二ポート113、連通油路114、貫通孔115及びめねじ部116が形成される。
摺動部111は、弁本体110の内部を左右方向に貫通するように形成される孔である。摺動部111は円形断面を有するように形成される。
第一ポート112は、摺動部111と弁本体110の外部とを連通するように形成される孔である。第一ポート112は、ベアリングハウジング40の第一供給油路42aと対向する位置に形成される。
第二ポート113は、摺動部111と弁本体110の外部とを連通するように形成される孔である。第二ポート113は、ベアリングハウジング40の第二供給油路42bと対向する位置に形成される。
連通油路114は、摺動部111の左右中途部と右端部近傍とを、弁本体110の外部を介して連通するものである。連通油路114は、第一連通油路114a、第二連通油路114b及び第三連通油路114cにより構成される。
第一連通油路114aは、弁本体110の左右中途部において摺動部111と弁本体110の外部とを連通するように形成されるものである。第一連通油路114aは、第一ポート112よりも左方に位置するように形成される。
第二連通油路114bは、弁本体110の外周面に形成される溝である。第二連通油路114bは、第一連通油路114aの外側端部から、弁本体110の右端部近傍まで延設される。
第三連通油路114cは、弁本体110の右端部近傍において摺動部111と弁本体110の外部(第二連通油路114bの右端部近傍)とを連通するように形成されるものである。第三連通油路114cは、第一ポート112よりも右方に位置するように形成される。
貫通孔115は、弁本体110を上下方向に貫通する孔である。貫通孔115は、円形断面を有するように形成される。貫通孔115は、ベアリングハウジング40の排出油路43上に位置するように形成される。
めねじ部116は、弁本体110の左端部近傍に形成される。めねじ部116は、摺動部111と同一軸線上の孔の内側にねじを切ることで形成される。
スプール120は、流量制御弁50を流通する潤滑油の流路を適宜に絞るためのものである。スプール120は略円柱状の部材である。スプール120は、その長手方向を左右方向に向けて、弁本体110の摺動部111の内部に配置される。より詳細には、スプール120は、弁本体110の摺動部111の右端部近傍から左右中途部(貫通孔115が形成された部分)に亘って配置される。スプール120には、第一拡径部121、第二拡径部122、左側突出部123及び右側突出部124が形成される。
第一拡径部121は、その径が他の部分よりも大きくなるように形成される部分である。第一拡径部121は、スプール120の左端部近傍に形成される。第一拡径部121の径(外径)は、弁本体110の摺動部111の径(内径)と略同一となるように形成される。
第二拡径部122は、その径が他の部分よりも大きくなるように形成される部分である。第二拡径部122は、スプール120の右端部近傍に、第一拡径部121と所定距離だけ離間して形成される。第二拡径部122は、弁本体110の第一連通油路114aよりも右方かつ第三連通油路114cよりも左方に位置するように形成される。第二拡径部122の径(外径)は、弁本体110の摺動部111の径(内径)と略同一となるように形成される。
また、第二拡径部122は、弁本体110の第一ポート112の一部と対向する位置に形成される。すなわち、第一ポート112は、第二拡径部122によってその一部が閉塞された(絞られた)状態になる。
左側突出部123は、略円柱状に形成される部分である。左側突出部123は、第一拡径部121の左端面から左方に向けて突出するように形成される。左側突出部123の径は、第一拡径部121の径よりも小さくなるように形成される。
右側突出部124は、略円柱状に形成される部分である。右側突出部124は、第二拡径部122の右端面から右方に向けて突出するように形成される。右側突出部124の径は、第二拡径部122の径よりも小さくなるように形成される。
このように構成されたスプール120の第一拡径部121及び第二拡径部122が弁本体110の摺動部111に対して左右方向に摺動可能に接することにより、当該スプール120が弁本体110の摺動部111の内部において左右方向に摺動可能となるように配置される。また、スプール120が左右方向に摺動することによって、弁本体110の第一ポート112の第二拡径部122による閉塞具合(絞り具合)が変化する。すなわち、当該第一ポート112の開口面積(第一ポート112を流通する潤滑油の流路面積)が変更される。
また、スプール120の第一拡径部121、第二拡径部122及び弁本体110の摺動部111によって囲まれた部分に、潤滑油が満たされる第一油室R1が形成される。また、スプール120の第二拡径部122及び弁本体110の摺動部111によって囲まれた部分に、潤滑油が満たされる第二油室R2が形成される。
第一油室R1と第二油室R2とは、スプール120の第二拡径部122によって区画されると共に、連通油路114によって接続されることになる。
調圧部材130は、後述する第一スプリング140を左方から支持すると共に、当該第一スプリング140によってスプール120に加えられる付勢力を調節するためのものである。調圧部材130は、スプール120の左方に配置される。調圧部材130には、本体部131及び突出部132が形成される。
本体部131は、略円柱状に形成される部分である。本体部131は、その長手方向を左右方向に向けて配置される。本体部131には、その外周面の左端部から右端部近傍に亘ってねじ(おねじ)が形成される。
突出部132は、略円柱状に形成される部分である。突出部132は、本体部131の右端面から右方に向けて突出するように形成される。突出部132の径は、本体部131の径よりも小さくなるように形成される。
このように構成された調圧部材130は、本体部131が弁本体110のめねじ部116にねじ込まれることで、当該弁本体110に固定される。また、本体部131をめねじ部116の任意の位置までねじ込むことで、調圧部材130の左右方向の位置を任意に調節することができる。
第一スプリング140は、圧縮されることで弾性エネルギーを蓄積する圧縮コイルスプリングである。第一スプリング140は、スプール120と調圧部材130との間に配置される。
具体的には、第一スプリング140の左端は、調圧部材130の本体部131の右端面によって受けられる。第一スプリング140の右端は、スプール120の第一拡径部121の左端面によって受けられる。このようにして、第一スプリング140はスプール120を右方に向かって所定の力で付勢する。この際、第一スプリング140の右端部にはスプール120の左側突出部123が挿通されると共に、第一スプリング140の左端部には調圧部材130の突出部132が挿通される。これによって、第一スプリング140の姿勢が崩れないように保持されている。
閉塞部材150は、摺動部111の右端部を閉塞すると共に、後述する第二スプリング160を右方から支持するものである。閉塞部材150は、その板面を左右方向に向けた略円板状に形成される。閉塞部材150は、スプール120の右方に配置される。閉塞部材150には、突出部151が形成される。
突出部151は、略円柱状に形成される部分である。突出部151は、閉塞部材150の左端面から左方に向けて突出するように形成される。突出部151の径は、閉塞部材150の径よりも小さくなるように形成される。
このように構成された閉塞部材150は、弁本体110の摺動部111の右端部に嵌め込まれることで、当該弁本体110に固定される。このようにして、当該摺動部111の右端部は閉塞部材150によって閉塞される。
第二スプリング160は、圧縮されることで弾性エネルギーを蓄積する圧縮コイルスプリングである。第二スプリング160は、スプール120と閉塞部材150との間に配置される。
具体的には、第二スプリング160の右端は、閉塞部材150の左端面によって受けられる。第二スプリング160の左端は、スプール120の第二拡径部122の右端面によって受けられる。このようにして、第二スプリング160はスプール120を左方に向かって所定の力で付勢する。この際、第二スプリング160の左端部にはスプール120の右側突出部124が挿通されると共に、第二スプリング160の右端部には閉塞部材150の突出部151が挿通される。これによって、第二スプリング160の姿勢が崩れないように保持されている。
第二スプリング160は形状記憶合金によって形成され、温度に応じて伸縮する。具体的には、第二スプリング160は、温度の上昇に伴って伸長する。このため、第二スプリング160がスプール120を付勢する力(付勢力)は、温度に応じて変化する。具体的には、第二スプリング160の温度が低温になるほど、当該第二スプリング160がスプール120を左方に付勢する付勢力は小さくなる。また、第二スプリング160の温度が高温になるほど、当該第二スプリング160がスプール120を左方に付勢する付勢力は大きくなる。
次に、図1から図4までを用いて、潤滑油の供給態様(潤滑油が軸受部41に供給された後、排出される様子)について具体的に説明する。
前述の如く、オイルポンプ4(図1参照)によって圧送された潤滑油は、ベアリングハウジング40の第一供給油路42a及び弁本体110の第一ポート112を介して第一油室R1内へと供給される(図4参照)。当該第一油室R1内の潤滑油は、第二ポート113から吐出されてベアリングハウジング40の第二供給油路42bへと供給される。この際、第二ポート113を流通する潤滑油の流量は、第一油室R1内の圧力と排出油路43内の圧力(大気圧)との差(差圧)に応じて変化する。
第二供給油路42bへと供給された潤滑油は、当該第二供給油路42bに案内されてベアリングハウジング40の軸受部41へと供給される(図2及び図3参照)。軸受部41へと供給された潤滑油は、当該軸受部41(特に、すべり軸受60)を潤滑した後、当該軸受部41の前端部、後端部及び前後中途部から排出油路43へと流出する。当該潤滑油は、排出油路43及び戻り油路7を介してオイルパン2へと戻される(図1参照)。
次に、図4から図7までを用いて、流量制御弁50によって軸受部41へと供給される潤滑油の流量が調節される様子について説明する。
前記エンジンが始動し、その回転数(エンジン回転数)が上昇すると、オイルポンプ4の回転数が上昇し、流量制御弁50の第一ポート112へと供給される潤滑油の量(すなわち、流量制御弁50へと供給される潤滑油の圧力)も増加する。流量制御弁50へと供給される潤滑油の圧力を、以下では供給油圧Pと称する。供給油圧P(すなわち、エンジン回転数)が低い場合(図6(a)における供給油圧Pが0からP1までの範囲)には、第一スプリング140によってスプール120が右方へと押され、第一ポート112の開口面積は広く確保されている(図4参照)。このため、エンジン回転数の増加に伴って流量制御弁50の下流側へと供給される潤滑油の量が上昇し、当該流量制御弁50の下流側の油圧も上昇する。流量制御弁50の下流側(すなわち、ベアリングハウジング40の軸受部41)へと供給される潤滑油の量を、以下では潤滑油量Vと称する。
ここで、流量制御弁50の下流側の油圧は、第二ポート113、第一油室R1及び連通油路114を介して第二油室R2にも付与されている(図4及び図5参照)。すなわち、第二油室R2内の油圧によってスプール120は左方へと付勢されている。また、スプール120は、第二スプリング160によっても左方へと付勢されている。
供給油圧Pがさらに増加し(図6(a)における供給油圧PがP1以上の範囲)、流量制御弁50の下流側の油圧(すなわち、第二油室R2内の油圧)が高くなると、第二油室R2内の油圧及び第二スプリング160によってスプール120が左方へと付勢される力が、第一スプリング140によってスプール120が右方へと付勢される力よりも大きくなる。これによって、スプール120が左方へと摺動されることになり(図7参照)、第一ポート112の開口面積が小さく絞られる。
このように、供給油圧Pが所定の値(P1)以上に増加すると、当該供給油圧Pの増加に伴って第一ポート112の開口面積が小さくなる。このため、供給油圧Pが所定の値(P1)以上に増加しても、潤滑油量Vはほとんど増加しなくなる。このようにして、流量制御弁50の下流側(軸受部41)へと供給される潤滑油量Vを調節(制限)することができる。これによって、当該軸受部41への過剰な潤滑油の供給を防止することができる。軸受部41への潤滑油の供給量を削減することで、当該軸受部41における摩擦損失の低減を図ることができる。
次に、図4及び図6(b)を用いて、第二スプリング160の温度に応じた潤滑油量Vの変化について説明する。
第二スプリング160の温度は、流量制御弁50を流通する潤滑油の温度に応じて変化する。例えば、前記エンジンが始動した直後においては、潤滑油の温度は比較的低いため、第二スプリング160の温度も比較的低くなる。一方、前記エンジンが始動して時間が経過するにつれて、当該エンジンの各部を潤滑する潤滑油の温度は上昇する。当該潤滑油の熱によって、第二スプリング160の温度も上昇する。
図6(b)には、第二スプリング160の温度がT1である場合の供給油圧Pと潤滑油量Vとの関係(図6(b)の実線L1)、及び第二スプリング160の温度がT2である場合の供給油圧Pと潤滑油量Vとの関係(図6(b)の一点鎖線L2)を示している。ここで、温度T1は温度T2よりも低いものとする。
第二スプリング160の温度が高い場合に比べて、第二スプリング160の温度が低い場合には、当該第二スプリング160の付勢力は小さくなる。すなわち、温度が低いほど、第二スプリング160がスプール120を左方へと付勢する力は小さくなる。従って、第二スプリング160の温度が高い場合(図6(b)の一点鎖線L2)に比べて、第二スプリング160の温度が低い場合(図6(b)の実線L1)の方が、スプール120を左方へと摺動させるために大きい供給油圧Pが必要になる。
具体的には、第二スプリング160の温度が高い場合(一点鎖線L2)には、供給油圧PがP2に達した時点でスプール120が摺動し、潤滑油量Vが制限され始める。これに対し、第二スプリング160の温度が低い場合(実線L1)には、供給油圧PがP2よりも高いP3に達した時点で潤滑油量Vが制限され始める。
このように、第一実施形態においては、第二スプリング160の温度が低い場合、すなわち潤滑油の温度が低く、当該潤滑油の動粘度が高い場合には、供給油圧Pが比較的高くなるまで潤滑油量Vが制限されることがない。これによって、潤滑油の動粘度が高く、軸受部41へと供給される潤滑油の量が減少(不足)するおそれがある場合には、潤滑油が当該軸受部41へと供給され易くなる。従って、軸受部41における焼き付き等の不具合の発生を抑制することができる。
一方、第二スプリング160の温度が高い場合、すなわち潤滑油の温度が高く、当該潤滑油の動粘度が低い場合には、比較的低い供給油圧Pで潤滑油量Vが制限され始める。これによって、軸受部41に過剰な潤滑油が供給されるのを防止することができる。
なお、調圧部材130の左右方向の位置を変更して第一スプリング140によってスプール120に加えられる付勢力を調節したり、第一スプリング140又は第二スプリング160を特性の異なるものに変更したりすることで、スプール120が摺動され始める(潤滑油量Vが制限され始める)供給油圧Pの値を任意に調節することができる。
また、図6には、上述のような流量制御弁50による潤滑油量Vの制限(第一ポート112の開口面積の調節)が行われなかったと想定した場合の潤滑油量Vを、破線で示している。
以上の如く、本実施形態に係る流量制御弁50は、ターボチャージャ6の軸受部41へと潤滑油を供給する供給油路42(潤滑油供給油路)に設けられる流量制御弁50であって、内部を潤滑油が流通する弁本体110(ハウジング)と、弁本体110に対して摺動することで当該弁本体110を流通する潤滑油の流路面積を調節可能であり、弁本体110を流通する潤滑油の油圧によって左方(摺動方向一側)に向かって付勢されるスプール120と、スプール120を右方(当該スプール120の摺動方向他側)に向かって付勢する第一スプリング140(第一のコイルスプリング)と、形状記憶合金で形成され、温度に応じて伸縮可能であると共に、スプール120を左方(スプール120の摺動方向一側)に向かって付勢する第二スプリング160(第二のコイルスプリング)と、を具備するものである。
このように構成することにより、潤滑油の温度変化に応じて軸受部41へと供給される潤滑油の量(潤滑油量V)の調節を行うことができる。
このように構成することにより、潤滑油の温度変化に応じて軸受部41へと供給される潤滑油の量(潤滑油量V)の調節を行うことができる。
なお、本実施形態に係る圧送油路3及び供給油路42は、本発明に係る潤滑油供給油路の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る弁本体110は、本発明に係るハウジングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一スプリング140は、本発明に係る第一のコイルスプリングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二スプリング160は、本発明に係る第二のコイルスプリングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る弁本体110は、本発明に係るハウジングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一スプリング140は、本発明に係る第一のコイルスプリングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二スプリング160は、本発明に係る第二のコイルスプリングの実施の一形態である。
以下では、図8及び図9を用いて、第二実施形態に係る流量制御弁50Aについて説明する。
まず、図8を用いて、流量制御弁50Aの構成について説明する。
なお、流量制御弁50Aが、第一実施形態に係る流量制御弁50(図4参照)と主に異なる点は、形状記憶合金によって形成された第二スプリング160Aが、スプール120の右側ではなく左側(左端部近傍)に配置されている点である。よって以下では、主に当該相違点に関する構成について説明を行い、第一実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
なお、流量制御弁50Aが、第一実施形態に係る流量制御弁50(図4参照)と主に異なる点は、形状記憶合金によって形成された第二スプリング160Aが、スプール120の右側ではなく左側(左端部近傍)に配置されている点である。よって以下では、主に当該相違点に関する構成について説明を行い、第一実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
第二実施形態に係る流量制御弁50Aは、第一実施形態に係る第一スプリング140及び第二スプリング160(図4参照)に代えて、第一スプリング140A及び第二スプリング160Aを具備する。
第一スプリング140Aは、圧縮されることで弾性エネルギーを蓄積する圧縮コイルスプリングである。第一スプリング140Aは、スプール120と調圧部材130との間に配置される。
具体的には、第一スプリング140Aの左端は、調圧部材130の本体部131の右端面によって受けられる。第一スプリング140Aの右端は、後述する第二スプリング160Aを介してスプール120の第一拡径部121によって受けられる。このようにして、第一スプリング140Aはスプール120を右方に向かって所定の力で付勢する。この際、第一スプリング140Aの右端部にはスプール120の左側突出部123が挿通されると共に、第一スプリング140Aの左端部には調圧部材130の突出部132が挿通される。これによって、第一スプリング140Aの姿勢が崩れないように保持されている。
第二スプリング160Aは、圧縮されることで弾性エネルギーを蓄積する圧縮コイルスプリングである。第二スプリング160Aの径は、第一スプリング140Aの径と略同一になるように形成される。第二スプリング160Aは、スプール120(第一拡径部121)と第一スプリング140Aとの間に配置される。このようにして、第二スプリング160Aはスプール120を右方に向かって所定の力で付勢する。この際、第二スプリング160Aには、スプール120の左側突出部123が挿通される。これによって、第二スプリング160Aの姿勢が崩れないように保持されている。
第二スプリング160Aは形状記憶合金によって形成され、温度に応じて伸縮する。具体的には、第二スプリング160Aは、温度の上昇に伴って伸長する。このため、第二スプリング160Aがスプール120を付勢する力(付勢力)は、温度に応じて変化する。具体的には、第二スプリング160Aの温度が低温になるほど、当該第二スプリング160Aがスプール120を右方に付勢する付勢力は小さくなる。また、第二スプリング160Aの温度が高温になるほど、当該第二スプリング160Aがスプール120を右方に付勢する付勢力は大きくなる。
以上のように、第二実施形態に係る流量制御弁50Aにおいては、第一スプリング140Aと第二スプリング160Aとが長手方向(左右方向)に沿って隣り合うように、一直線上に並べて配置(いわゆる、直列配置)される。当該第一スプリング140A及び第二スプリング160Aによって、スプール120は右方へと付勢される。
このように構成された流量制御弁50Aによって、第一実施形態と同様に、軸受部41へと供給される潤滑油の流量が調節される(図6(a)参照)。
次に、図8及び図9を用いて、第二スプリング160Aの温度の違いに基づく潤滑油量Vの変化について説明する。
図9には、第二スプリング160Aの温度がT3である場合の供給油圧Pと潤滑油量Vとの関係(図9の実線L3)、及び第二スプリング160Aの温度がT4である場合の供給油圧Pと潤滑油量Vとの関係(図9の一点鎖線L4)を示している。ここで、温度T3は温度T4よりも低いものとする。
第二スプリング160Aの温度が高い場合に比べて、当該第二スプリング160Aの温度が低い場合には、当該第二スプリング160Aの付勢力は小さくなる。すなわち、温度が低いほど、第二スプリング160Aがスプール120を右方へと付勢する力は小さくなる。従って、第二スプリング160Aの温度が低い場合(図9の実線L3)に比べて、第二スプリング160Aの温度が高い場合(図9の一点鎖線L4)の方が、スプール120を左方へと摺動させるために大きい供給油圧Pが必要になる。
具体的には、第二スプリング160Aの温度が低い場合(実線L3)には、供給油圧PがP4に達した時点でスプール120が摺動し、潤滑油量Vが制限され始める。これに対し、第二スプリング160Aの温度が高い場合(一点鎖線L4)には、供給油圧PがP4よりも高いP5に達した時点で潤滑油量Vが制限され始める。
このように、第二実施形態においては、第二スプリング160Aの温度が低い場合、すなわち潤滑油の温度が低く、当該潤滑油の動粘度が高い場合には、比較的早い段階(比較的低い供給油圧P)で潤滑油量Vが制限され始めることになる。潤滑油量Vが制限される(第一ポート112の開口面積が絞られる)と、第一ポート112を流通する潤滑油の温度上昇が促される。これによって、前記エンジンの暖機運転が行われる際の、潤滑油の温度上昇を促進させることができる。
また、温度が低い(すなわち、動粘度が高い)潤滑油が軸受部41に供給されると、当該軸受部41における摩擦損失が増加する。しかしながら、本実施形態においては、潤滑油の温度が低い場合には、流量制御弁50によって軸受部41に供給される潤滑油の流量が制限される。このため、当該軸受部41における摩擦損失を低減することができ、ひいては燃費の向上を図ることができる。
一方、第二スプリング160Aの温度が高くなった場合、すなわち潤滑油の温度が高くなり、当該潤滑油の動粘度が低くなった場合には、供給油圧Pが比較的高くなるまで潤滑油量Vが制限されることがない。これによって、潤滑油の温度上昇を過剰に促すのを防止することができる。
以上の如く、本実施形態に係る第二スプリング160A(第二のコイルスプリング)は、スプール120の摺動方向に沿って第一スプリング140Aと隣り合うように配置され、スプール120を右方(前記摺動方向一側)に向かって付勢するものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、潤滑油の温度変化に応じて潤滑油の供給量の調節を行うことができる。
このように構成することにより、簡素な構成で、潤滑油の温度変化に応じて潤滑油の供給量の調節を行うことができる。
なお、本実施形態に係る第一スプリング140Aは、本発明に係る第一のコイルスプリングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二スプリング160Aは、本発明に係る第二のコイルスプリングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二スプリング160Aは、本発明に係る第二のコイルスプリングの実施の一形態である。
以下では、図10を用いて、第三実施形態に係る流量制御弁50Bについて説明する。
まず、図10を用いて、流量制御弁50Bの構成について説明する。
なお、流量制御弁50Bが、第二実施形態に係る流量制御弁50A(図8参照)と主に異なる点は、形状記憶合金によって形成された第二スプリング160Bが、第一スプリング140Bの内側に配置されている点である。よって以下では、主に当該相違点に関する構成について説明を行い、第二実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
なお、流量制御弁50Bが、第二実施形態に係る流量制御弁50A(図8参照)と主に異なる点は、形状記憶合金によって形成された第二スプリング160Bが、第一スプリング140Bの内側に配置されている点である。よって以下では、主に当該相違点に関する構成について説明を行い、第二実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
第三実施形態に係る流量制御弁50Bは、第二実施形態に係るスプール120、調圧部材130、第一スプリング140A及び第二スプリング160Aに代えて、スプール120B、調圧部材130B、第一スプリング140B及び第二スプリング160Bを具備する。
スプール120Bは、流量制御弁50を流通する潤滑油の流路を適宜に絞るためのものである。スプール120Bには、第二実施形態に係るスプール120と同様に、第一拡径部121及び第二拡径部122が形成される。またスプール120Bには、第一突出部123B及び第二突出部124Bが形成される。
第一突出部123Bは、略円柱状に形成される部分である。第一突出部123Bは、第一拡径部121の左端面から左方に向けて突出するように形成される。第一突出部123Bの径は、第一拡径部121の径よりも小さくなるように形成される。
第二突出部124Bは、略円柱状に形成される部分である。第二突出部124Bは、第一突出部123Bの左端面から左方に向けて突出するように形成される。第二突出部124Bの径は、第一突出部123Bの径よりも小さくなるように形成される。
調圧部材130Bは、後述する第一スプリング140B及び第二スプリング160Bを左方から支持すると共に、当該第一スプリング140B及び第二スプリング160Bによってスプール120に加えられる付勢力を調節するためのものである。調圧部材130Bには、第二実施形態に係る調圧部材130と同様に、本体部131が形成される。また調圧部材130Bには、第一突出部132B及び第二突出部133Bが形成される。
第一突出部132Bは、略円柱状に形成される部分である。第一突出部132Bは、本体部131の右端面から右方に向けて突出するように形成される。第一突出部132Bの径は、本体部131の径よりも小さくなるように形成される。また第一突出部132Bの径は、スプール120Bの第一突出部123Bの径と略同一になるように形成される。
第二突出部133Bは、略円柱状に形成される部分である。第二突出部133Bは、第一突出部132Bの右端面から右方に向けて突出するように形成される。第二突出部133Bの径は、第一突出部132Bの径よりも小さくなるように形成される。また第二突出部133Bの径は、スプール120Bの第二突出部124Bの径と略同一になるように形成される。
第一スプリング140Bは、圧縮されることで弾性エネルギーを蓄積する圧縮コイルスプリングである。第一スプリング140Bは、スプール120Bと調圧部材130Bとの間に配置される。
具体的には、第一スプリング140Bの左端は、調圧部材130Bの本体部131の右端面によって受けられる。第一スプリング140Bの右端は、スプール120Bの第一拡径部121の左端面によって受けられる。このようにして、第一スプリング140Bはスプール120Bを右方に向かって所定の力で付勢する。この際、第一スプリング140Bの右端部にはスプール120Bの第一突出部123Bが挿通されると共に、第一スプリング140Bの左端部には調圧部材130Bの第一突出部132Bが挿通される。これによって、第一スプリング140Bの姿勢が崩れないように保持されている。
第二スプリング160Bは、圧縮されることで弾性エネルギーを蓄積する圧縮コイルスプリングである。第二スプリング160Bの径(外径)は、第一スプリング140Bの径(内径)よりも小さくなるように形成される。第二スプリング160Bは、スプール120Bと調圧部材130Bとの間において、第一スプリング140Bの径方向内側に挿入された状態で配置される
具体的には、第二スプリング160Bの左端は、調圧部材130Bの第一突出部132Bの右端面によって受けられる。当該第二スプリング160Bの右端は、スプール120Bの第一突出部123Bの左端面によって受けられる。このようにして、第二スプリング160Bは、スプール120Bを右方に向かって所定の力で付勢する。この際、第二スプリング160Bの右端部にはスプール120の第二突出部124Bが挿通されると共に、第二スプリング160Bの左端部には調圧部材130の第二突出部133Bが挿通される。これによって、第二スプリング160Bの姿勢が崩れないように保持されている。
第二スプリング160Bは形状記憶合金によって形成され、温度に応じて伸縮する。具体的には、第二スプリング160Bは、温度の上昇に伴って伸長する。このため、第二スプリング160Bがスプール120Bを付勢する力(付勢力)は、温度に応じて変化する。具体的には、第二スプリング160Bの温度が低温になるほど、当該第二スプリング160Bがスプール120Bを右方に付勢する付勢力は小さくなる。また、第二スプリング160Bの温度が高温になるほど、当該第二スプリング160Bがスプール120Bを右方に付勢する付勢力は大きくなる。
以上のように、第三実施形態に係る流量制御弁50Bにおいては、第二スプリング160Bは、第一スプリング140Bの径方向内側に位置するように配置(いわゆる、並列配置)される。当該第一スプリング140B及び第二スプリング160Bによって、スプール120は右方へと付勢される。
このように構成された流量制御弁50Bによって、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、軸受部41へと供給される潤滑油の流量が調節される(図6(a)参照)。
また、このように構成された流量制御弁50Bによって、第二実施形態と同様に、第二スプリング160Bの温度に応じて潤滑油量Vが調節される(図9参照)。
以上の如く、本実施形態に係る第二スプリング160B(第二のコイルスプリング)は、第一スプリング140Bの径方向内側に配置され、スプール120Bを右方(前記摺動方向一側)に向かって付勢するものである。
このように構成することにより、流量制御弁50Bの小型化(スプール120Bの摺動方向に沿った長さの短縮化)を図ることができる。
このように構成することにより、流量制御弁50Bの小型化(スプール120Bの摺動方向に沿った長さの短縮化)を図ることができる。
なお、本実施形態に係る第一スプリング140Bは、本発明に係る第一のコイルスプリングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二スプリング160Bは、本発明に係る第二のコイルスプリングの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二スプリング160Bは、本発明に係る第二のコイルスプリングの実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本発明に係る第二のコイルスプリングは、第一実施形態に係る第二スプリング160(図4参照)のようにスプール120の右方に配置することも、第二実施形態に係る第二スプリング160A(図8参照)等のようにスプール120の左方に配置することも可能である。すなわち、本発明に係る第二のコイルスプリングは、スプールを摺動方向一側に向かって付勢するように配置することも、摺動方向他側に向かって付勢するように配置することも可能である。
また、第二実施形態に係る第二スプリング160A(図8参照)は、第一スプリング140Aの右側に配置されるものとしたが、第一スプリング140の左側に配置することも可能である。
また、第三実施形態に係る第二スプリング160B(図10参照)は、全体が第一スプリング140Bの径方向内側に挿入された状態で配置されるものとしたが、一部だけが第一スプリング140Bの径方向内側に挿入された状態で配置されるものでも良い。
また、第三実施形態に係る第二スプリング160B(図10参照)は、第一スプリング140Bの径方向内側に挿入された状態で配置されるものとしたが、第一スプリング140Bの径方向外側に配置される(第一スプリング140Bが第二スプリング160Bの径方向内側に配置される)ものでも良い。
また、本発明に係る流量制御弁は、ターボチャージャへと潤滑油を案内する潤滑油供給油路に設けられていれば良く、第一実施形態に係る流量制御弁50のように供給油路42に設けられるものに限るものではない。例えば、本発明に係る流量制御弁は、ターボチャージャ6のベアリングハウジング40に接続された圧送油路3に設けられる構成とすることも可能である。
42 供給油路(潤滑油供給油路)
50 流量制御弁
110 弁本体(ハウジング)
120 スプール
130 調圧部材
140 第一スプリング(第一のコイルスプリング)
150 閉塞部材
160 第二スプリング(第二のコイルスプリング)
50 流量制御弁
110 弁本体(ハウジング)
120 スプール
130 調圧部材
140 第一スプリング(第一のコイルスプリング)
150 閉塞部材
160 第二スプリング(第二のコイルスプリング)
Claims (3)
- ターボチャージャの軸受部へと潤滑油を供給する潤滑油供給油路に設けられる流量制御弁であって、
内部を潤滑油が流通するハウジングと、
前記ハウジングに対して摺動することで当該ハウジングを流通する潤滑油の流路面積を調節可能であり、前記ハウジングを流通する潤滑油の油圧によって摺動方向一側に向かって付勢されるスプールと、
前記スプールを当該スプールの摺動方向他側に向かって付勢する第一のコイルスプリングと、
形状記憶合金で形成され、温度に応じて伸縮可能であると共に、前記スプールを前記摺動方向一側又は前記摺動方向他側のいずれか一方に向かって付勢する第二のコイルスプリングと、
を具備する流量制御弁。 - 前記第二のコイルスプリングは、
前記スプールの摺動方向に沿って前記第一のコイルスプリングと隣り合うように配置され、前記スプールを前記摺動方向一側に向かって付勢する、
請求項1に記載の流量制御弁。 - 前記第二のコイルスプリングは、
少なくとも一部が前記第一のコイルスプリングの径方向内側又は外側に配置され、前記スプールを前記摺動方向一側に向かって付勢する、
請求項1に記載の流量制御弁。
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