JP2016089479A - 緩衝装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で以て、取扱い性、組付け作業性、及び経済性を改善した緩衝装置を提供すること。【解決手段】2本のロープA,Bを収容可能な外装筒20と、外装筒20にインロー嵌合する内挿筒30とからなり、両筒20,30は把持溝21,31と、嵌着手段を具備し、嵌着手段を介して両筒20,30を嵌着させたとき、相対向する把持溝21,31で2本のロープA,Bの周面を把持可能であり、所定以上の張力が作用したときにロープA,Bが摺動する。【選択図】図1

Description

本発明は2本のロープを把持しつつ、ロープに作用する引張力を吸収する緩衝装置に関する。
落石用又は雪崩用防護柵は、防護ネットに作用した外力の吸収機能を有する緩衝装置を具備している。
特許文献1には、2本のロープを把持可能な鋼又は鋳鉄で形成した二枚の挟持板と、挟持板を締め付けるための複数のボルト、ナットを具備した緩衝装置が開示されている。
この緩衝装置は、ロープと挟持板との間に設定した所定の摩擦力以上の引張力が作用したときにロープの摺動抵抗によってエネルギーを吸収する。
特許文献2には、ループを形成したロープの重合部を把持した主緩衝装置と、ループ部の複数箇所を把持した補助緩衝装置を組み合せてエネルギーを吸収することが開示されている。
特許文献2に開示された緩衝装置は何れも1本又は1本のロープを収容可能な二枚の挟持板と、挟持板を締め付けるための複数のボルト、ナットからなり、ロープの把持力で以てエネルギーを吸収する摩擦摺動式の装置である。
特開2005−240388号公報 特開2010−144433号公報
従来の緩衝装置はつぎのような改良すべき多くの問題点を有している。
<1>緩衝装置が正規に性能を発揮するためには、すべてのボルト、ナットを予め規定された均一のトルクで締め付けなければならい。
ボルト、ナットの締結作業をレンチ等の一般工具を用いて行う際のトルク管理が難しいために、締結力にバラツキを生じてロープを均一な力で把持することが難しい。
<2>トルクレンチを用いることも可能であるが、作業工程が増すために防護柵の施工性が悪化する。
<3>緩衝装置を組み立てるには、挟持板の間にロープを位置させる工程と、二枚の挟持板の両端部にそれぞれボルトを挿通し、各ボルトの露出端にナットを仮止めする工程と、両端部のボルト、ナットを交互に本締めする工程が必要であり、緩衝装置の組立て作業に多くの時間と労力を要する。
<4>従来の緩衝装置は挟持板1枚で数kg単位の重さがあり、現場での取扱いがし難いだけでなく、構成部品の点数が多い為に緩衝装置のコストが高くなる。
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、簡易な構造で以て、取扱い性、組付け作業性、及び経済性を改善した緩衝装置を提供することにある。
本発明は、単数又は複数のロープの複数箇所を摺動可能に把持して、前記ロープに作用する張力を吸収する摩擦摺動式の緩衝装置であって、前記ロープを横断させて収容可能な外装筒と、前記ロープを横断させて収容可能であり、前記外装筒にインロー嵌合する内挿筒とを具備し、前記外装筒及び内挿筒はその対向面間に前記ロープを収容する単数、又は複数の把持溝を形成するとともに、インロー嵌合させた前記両筒を分離不能に嵌着する嵌着手段を形成し、前記嵌着手段を介して前記外装筒及び内挿筒を嵌着させたとき、前記両筒の相対向する把持溝が各ロープの周面の複数箇所に接面して把持可能であり、所定以上の張力が作用したときに前記複数のロープが摺動するように構成したことを特徴とする。
他の形態において、前記外装筒又は内挿筒の何れか一方の筒の側面に軸方向に沿ってスリットを形成し、前記スリットを介して外装筒又は内挿筒の何れか一方、又は両筒を径方向へ向けて弾性変形可能に構成する。
他の形態において、前記外装筒の嵌着手段は前記外装筒に隣接して形成した断面楔形の外顎と外溝であり、前記内挿筒の嵌着手段が内挿筒に隣接して形成した断面楔形の内顎と内溝であり、前記外装筒の外顎と前記内挿筒の内顎とが嵌着可能である。
他の形態において、前記外装筒の躯体の一部、又は内挿筒の躯体の一部に欠損部を形成してもよい。
本発明に係る発明はつぎの効果を奏する。
<1>ロープを間に挟んで外装筒と内挿筒を嵌着させるだけで、両筒に形成した把持溝を介して2本のロープの周面の複数箇所を均等な力で把持することができる。
したがって、ロープの把持にボルトやナットが不要となるだけでなくなく、ボルトやナットに対する締結トルクの管理も不要となる。
<2>両筒の把持溝の形成位置と、嵌着手段の嵌着位置を選択することで、ロープの把持力を任意に設定することが可能である。
<3>ロープを間に挟んで外装筒と内挿筒を嵌着することで、緩衝装置の組立作業とロープの把持作業を同時に行えるので、従来と比べて現場における作業性が格段によくなる。
<4>2本のロープを収容可能な小型で軽量な外装筒と内挿筒の組み合せで緩衝装置を構成するので、従来と比べて緩衝装置の運搬が容易であり、現場での取扱性も非常によくなる。
<5>外装筒と内挿筒の組み合せであるから、従来と比べて構成部品の点数を大幅に削減できて、緩衝装置の製作コストを大幅に削減できる。
本発明に係る緩衝装置の組立図 外装筒の中央縦断面図 内挿筒の中央縦断面図 外装筒と内挿筒を弾性変形させて緩衝装置を組み立てる緩衝装置の中央縦断面図 組み立てを完了した緩衝装置の中央縦断面図 組み立てを完了して2本のロープを把持した緩衝装置の平面モデル図 複数の緩衝装置を組み付けて防護柵用の防護ネットを形成した説明図 2本のロープを把持して組み立てた他の実施例1に係る緩衝装置の中央縦断面図 ロープの交差部を把持して組み立てた他の実施例2に係る緩衝装置の平面モデル図
図面を参照しながら本発明を実施するための好適な形態について説明する。
<1>緩衝装置の概要
図1を参照して説明すると、緩衝装置10は並列する2本のロープA,Bの複数箇所を摺動可能に把持し、ロープA,Bへの把持力で以てロープA,Bに作用する張力を吸収する摩擦摺動式の装置である。
ロープA,Bは鋼製ロープ、樹脂製ロープ、繊維製ロープ、又はこれらの複合物を含む。
緩衝装置10は2本のロープA,Bを横断させて収容可能で、かつ、拡径可能な外装筒20と、2本のロープA,Bを横断させて収容可能であり、外装筒20内にインロー嵌合して縮径可能な筒状の内挿筒30とを具備する。
両筒20,30はその対向面に夫々形成した、各ロープA,Bを収容して把持可能な略半円形を呈する複数の把持溝21,31と、インロー嵌合させた両筒20,30を分離不能に嵌着する嵌着手段とを具備する。
筒本体35は前記外装筒20の筒本体25に内挿してインロー嵌合が可能な寸法関係にある。
外装筒20及び内挿筒30は共に弾性変形が可能な鋼材、硬質樹脂材等の硬質材で形成されている。
以降に緩衝装置10を構成する外装筒20及び内挿筒30について詳しく説明する。
<2>外装筒
図1,2を参照して説明すると、外装筒20は両端を開放した断面C字形の筒本体25を有する。
筒本体25は、ロープA,Bを収容する複数の把持溝21,21と、筒本体25を径方向へ向けて弾性変形させるためのスリット23と、内挿筒30と嵌合して連結するための嵌着手段とを具備する。
<2.1>把持溝
筒本体25の一端には他端側へ向けて相対向する側面を一端から所定の長さだけ切除した有底の切欠22,22が形成してあり、各切欠22,22の奥部には筒本体25の横断方向に向けて略半円形を呈する複数の把持溝21,21,21,21が並設されている。
ここでいう「横断方向」とは、筒本体25の軸方向Sと直交する方向を指す。
又、ここでいう「複数」とは、外装筒20を正面から見たときの溝数を指し、左右一対の把持溝21,21と、前後一対の把持溝21,21を意味する。
各把持溝21には円弧面21aを形成していて、筒本体25の横断方向に沿って間隔を隔てた前後二つの円弧面21a,21aは各ロープA,Bの略半周面に接面して圧接可能である。
<2.2>スリット
切欠22,22を形成して残存した筒本体25の二つの延出側面25a,25bのうちの一方の延出側面25aには、筒本体25の軸方向Sと平行に連続して開設したスリット23を有する。
外装筒20はスリット23を介して拡径可能である。
スリット23の形成方向は図示した形態に限定されず、筒本体25の軸方向Sに対して斜め方向に形成してもよく、要は外装筒20の径方向へ向けた弾性変形を許容できる構造であればよい。
<2.3>欠損部
スリット23を形成していない他方の延出側面25bの内周面または外周面、内外両周面の一部を切り欠いて欠損部24を形成すると、筒本体25の剛性が低下して外装筒20が拡径方向へ向けて弾性変形し易くなる。
欠損部24は必須ではなく省略する場合がある。
<2.4>外装筒の嵌着手段
外装筒20は内挿筒30と連結可能な嵌着手段を有する。
筒本体25の一端側の内周には、延出側面25a,25bの内側を断面楔形に加工した外顎26と、外顎26に隣接して円弧状に形成した外溝27を有していて、これらの外顎26と外溝27とにより嵌着手段を構成する。
外顎26は筒本体25の一端から他端へ向けて躯体厚が漸増していて、その内周面がテーパになっている。
<3>内挿筒
図1,3を参照して説明すると、内挿筒30は両端を開放した断面C字形の筒本体35を有する。
筒本体35は、ロープA,Bを収容する複数の把持溝31,31と、筒本体35を径方向へ向けて弾性変形させるためのスリット33と、外装筒20と嵌合して連結するための嵌着手段とを具備する。
<3.1>フランジ
筒本体35の一端には径方向に張り出した大径のフランジ38が一体に形成してある。
フランジ38は必須ではなく省略する場合もある。
<3.2>把持溝
筒本体35の他端には筒本体35の横断方向に向けて略半円形を呈する複数の把持溝21,21,21,21が並設されている。
ここでいう「横断方向」とは、筒本体35の軸方向Sと直交する方向を指す。
又、ここでいう「複数」とは、内挿筒30を正面から見たときの溝数を指し、左右一対の把持溝31,31と、前後一対の把持溝31,31を意味する。
各把持溝31には円弧面31aを形成していて、筒本体25の横断方向に沿って間隔を隔てた前後二つの円弧面31a,31aは各ロープA,Bの略半周面に接面して圧接可能である。
<3.3>スリット
筒本体35およびフランジ37の一部には、筒本体25の軸方向Sと平行に連続して開設したスリット23を有する。
内挿筒30はスリット33を介して縮径可能である。
スリット33の形成方向は図示した形態に限定されず、筒本体35の軸方向Sに対して斜め方向に形成してもよく、要は内挿筒30の径方向へ向けた弾性変形を許容できる構造であればよい。
<3.4>欠損部
フランジ37の一部を切り欠いて欠損部34を形成すると、筒本体35の剛性が低下して内挿筒30が縮径方向へ向けて弾性変形し易くなる。
欠損部34は必須ではなく省略する場合がある。
<3.5>内挿筒の嵌着手段
内挿筒30は外装筒20と連結可能な嵌着手段を有する。
筒本体35の他端の外周には、断面楔形に加工した内顎36と、内顎36に隣接して円弧状に形成した内溝37とを有していて、これらの内顎36と内溝37とにより嵌着手段を構成する。
内顎36は筒本体35の他端から一端へ向けて躯体厚が漸増していて、その外周面がテーパになっている。
<3.6>両筒の嵌着構造
上記した外装筒20の外溝27は内挿筒30の内顎36を収容可能であり、内挿筒30の内溝37は外装筒20の外顎26を収容可能であり、外顎26と内顎36は各溝37,27内で嵌着可能である。
[緩衝装置の組立方法]
図4,5を参照して緩衝装置10の組立方法について説明する。
<1>ロープの収容
図4に示すように外装筒20の一端に形成した前後左右の4つの把持溝21,21,21,21に2本のロープA,Bをそれぞれ収容する。
<2>両筒の嵌合
本発明では外装筒20と内挿筒30を互い押し込んで嵌着手段を互いに嵌着させるだけの簡単な操作で以て、緩衝装置10の組立て作業と、2本のロープA,Bの把持作業を同時に行うことができる。
以下に緩衝装置10の組立方法について詳しく説明する。
尚、本例では外装筒20側に2本のロープA,Bを収容する場合について説明するが、内挿筒30側に2本のロープA,Bを収容させた後に、外装筒20を嵌合させて緩衝装置10を組み立てるようにしてもよい。
<2.1>両筒の弾性変形
内挿筒30の内顎36を外装筒20の外顎26内に軽く嵌め込み、両筒20,30を互いに接近方向へ向けて押し込むと、外顎26の内面と内顎36の外面が互いに摺接しながら、両筒20,30の嵌入が進行する。
両筒20,30の押し込みは、人力、又は簡易工具を用いて簡単に行うことができる。
外顎26と内顎36に夫々形成したテーパの勾配により、両顎26,36にそれぞれ離反方向へ向けた力が生じ、外装筒20はスリット23の幅を広げながら拡径方向へ向けて弾性変形し、内挿筒30はスリット33の幅を縮小しながら縮径方向へ向けて弾性変形する。
<2.2>外装筒と内挿筒の嵌着
両筒20,30の嵌入が進行して外顎26と内顎36が互いに乗り越えると、弾性復元力により両筒20,30が変形前の元の形状に復元する。
すなわち、外装筒20は拡径力が消失することで縮径方向へ弾性変形して元の形状に復元し、内挿筒30は縮径力が消失することで拡径方向へ弾性変形して元の形状に復元する。
両筒20,30が元の形状に復元することで、各溝37,27内で外顎26と内顎36とが嵌着して両筒20,30を分離不能に嵌着することができる。
このように緩衝装置10は連結用のボルトやナットを用いずに、ワンタッチ操作で外装筒20と内挿筒30を一体に連結することができる。
<3>ロープの把持
一方のロープAは距離を隔てて前後二箇所の全周面が両筒20,30の把持溝21,31に形成した円弧面21a,21a,31a,31aにより均等な拘束力を受けて把持される。他方のロープBについても同様に把持される。
緩衝装置10による両ロープA,Bの把持力は、両筒20,30の押込量(嵌入深さ)に比例して増大し、外顎26と内顎36が嵌着した時点で両ロープA,Bに対する把持力が最大となる。
<3.1>把持力の調整要因
両筒20,30に形成する把持溝21,31の形成位置と、外顎26と内顎36の嵌着位置は、両顎26,36が嵌着したときに、両ロープA,Bを所定の把持力で把持できる寸法関係になっている。
したがって、両ロープA,Bの把持力に応じて把持溝21,31の形成位置と、嵌着手段である外顎26と内顎36の嵌着位置を適宜選択することで、両ロープA,Bを所定の把持力を調整することができる。
<3.2>ロープの把持面積
図6は両筒20,30の把持溝21,31に形成した円弧面21a,21a,31a,31aによりロープA,Bの全周面を上下両側から把持したときのモデル図を示し、斜線の範囲が把持溝21,31と各ロープA,Bの摩擦接触面積(接面範囲)を示している。
各ロープA,Bとの摩擦接触面積は、両筒20,30の躯体厚により求めることができ、両筒20,30の躯体厚が厚くなるほど両ロープA,Bとの摩擦接触面積が大きくなる。
<3.3>緩衝装置の緩衝性能
緩衝装置10の緩衝性能は、ロープA,Bの把持力と摩擦接触面積により求められるので、要求される緩衝性能に応じてロープA,Bの把持力と摩擦接触面積を適宜選択する。
<4>緩衝作用
図6を参照して緩衝装置10の緩衝作用について説明する。
各ロープA,Bに張力が作用した場合、この張力が緩衝装置10の把持力を越えない範囲においては、各ロープA,Bに摺動は生じない。
各ロープA,Bに作用する張力が緩衝装置10の把持力を越えると、各ロープA,Bが摺動し、その摺動抵抗により張力を効率よく吸収することができる。
<5>緩衝装置の組付け例
図7を参照して複数のロープA,Bと複数の緩衝装置10とを組み合せて防護柵用の防護ネットを形成した緩衝装置の組付け例について説明する。
本例では、各ロープA,Bをループ状に巻き掛け、各ロープA,Bの交差部に緩衝装置10を組み付けて複数の単体輪A,Bを横一列に連続して形成する。
更に図面上で上下に隣接させた各単体輪A,Bの中間地点と各ロープA,Bの直線部との間に緩衝装置10を組み付けて、上下に位置するロープA,B間を連結して、連続輪要素からなる防護ネットを組み立てる。
本例において、ループ状の単体輪A,Bの形成に用いた緩衝装置10は、各ロープA,Bの同一ロープの重合部を把持し、緩衝装置10は各ロープA,Bの隣接部を把持するが、2本のロープを把持する点では共通する。
本例における緩衝装置10,10の緩衝作用は既述した緩衝装置10と同様であるのでその説明を省略する。
[他の実施例1]
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
先の緩衝装置10では、外装筒20及び内挿筒30の対向面に、両筒20,30の軸方向Sと直交方向に沿って複数の把持溝21,21,31,31を形成し、これらの把持溝21,21,31,31間で両筒20,30の軸方向Sと直交方向に配列した2本のロープA,Bの全周面を把持する形態について説明したが、ロープA,Bの配列方向はこれに限定されるものではない。
<1>ロープの他の配置形態
図8は外装筒20及び内挿筒30の対向面に、両筒20,30の軸方向Sに沿って単数の把持溝21,31を形成し、これらの各把持溝21,31内で両筒20,30の軸方向Sに沿って配列した2本のロープA,Bを把持するように構成してもよい。
ここでいう「単数」とは、各筒20,30を正面から見たときの溝数を指し、前後一対の把持溝21,21、又は31,31を意味する。
外装筒20及び内挿筒30の各把持溝21,31は夫々単独で各ロープA,Bを収容して把持可能に形成してある。
本例では、内挿筒30に一方のロープAを単独で収容し、外装筒20に他方のロープBを単独で収容した状態を示していて、両筒20,30を互い押し込んで嵌着させるだけの簡単な操作で以て、緩衝装置10の組立て作業と、2本のロープA,Bの把持作業を同時に行うことができる。
緩衝装置10で把持された一方のロープAは距離を隔てて前後二箇所の周面が内挿筒30に形成した前後2つの把持溝31,31(円弧面31a,31a)により均等に拘束され、他方のロープBは距離を隔てて前後二箇所の周面が外装筒20に形成した前後2つの把持溝21,21(円弧面21a,21a)により均等に拘束され、更に両ロープA,Bは互いに一部の周面が面接触の関係で圧接する。
<2>本例の効果
本例にあっては、2本のロープA,Bを両筒20,30の軸方向Sに沿って配列した状態で把持するので、先の実施例と比較して緩衝装置10の径を小さく形成できる。
更に本例にあっては、各ロープA,Bは距離を隔てて前後二箇所の周面が両筒20,30の把持溝21,31に形成した円弧面21a,31aと21a,31aにより均等な拘束力で把持されるとともに、両ロープA,Bの周面が面接触する関係で摩擦抵抗面積が増すために、先の実施例と比較して緩衝装置10の緩衝性能が高くなる。
又、本例では各把持溝21,31が夫々単独で各ロープA,Bを収容可能であることから、各ロープA,Bの径が異なる組み合せの場合でも各ロープA,Bを把持することが可能となる。
[他の実施例2]
先の緩衝装置10では、外装筒20及び内挿筒30の対向面の間で2本のロープA,Bを互いに平行、又は略平行に配置した状態で把持する形態について説明したが、ロープA,Bの配列方向はこれに限定されるものではない。
<1>ロープの他の配置形態
図9は外装筒20及び内挿筒30の対向面の間で、2本のロープA,Bの交差部を把持するように構成してもよい。
本例では先の図8で示した緩衝装置10を使用することができる。
すなわち、外装筒20はロープA,Bの何れか他方のロープBの周面を収容可能な単独の把持溝21を有し、内挿筒30はロープA,Bの何れか一方のロープAの周面を収容可能な単独の把持溝31を有していて、外装筒20及び内挿筒30の対向面に形成した各把持溝21,31は適宜の角度で交差している。
本例では、外装筒20と内挿筒30の間でロープA,Bを交差させて収容した状態で、両筒20,30を互い押し込んで嵌着させるだけの簡単な操作で以て、緩衝装置10の組立て作業と、2本の交差させたロープA,Bの把持作業を同時に行うことができる。
<2>本例の効果
本例にあっては、既述した他の実施例1の効果に加えて、2本のロープA,Bの交差部に緩衝装置10を摺動可能に組み付けるだけで、交差する各ロープA,Bの張力を吸収して緩衝することができる。
又、本例の緩衝装置10は、複数のロープを交差させて編成する格子状網製の防護ネットへの適用に好適である。
各ロープの交差部に緩衝装置10を組み付けることで、四角形や三角形等の任意の形状の輪郭形を呈する格子状網製の防護ネットを簡単に製作することができる。
[他の変形例]
先の緩衝装置10は、外装筒20と内挿筒30がそれぞれスリット23,33を有していて嵌合時に弾性変形をするように構成した形態について説明したが、この形態に限定されるものではない。
他の緩衝装置10としては、前記外装筒20又は内挿筒30のうち、何れか一方を径方向へ向けた弾性変形可能とし、何れか他方を変形不能とした組み合わせでもよい。
すなわち、弾性変形可能な外装筒20と変形不能な内挿筒30とを組み合せて緩衝装置10を構成するか、又は変形不能な外装筒20と弾性変形可能な内挿筒30とを組み合せて緩衝装置10を構成する。
本例では、外装筒20又は内挿筒30の何れかのスリット23,33の形成を省略できて経済的に緩衝装置10を製作できるといった利点がある。
又、緩衝装置10が把持可能なロープの本数は、2本に限定されるものではなく、把持溝21,31の形成数を選択することで、両筒20,30の間で1本、又は3本以上のロープを収容して把持可能に構成することも可能である。
A,B・・・・ロープ
10,10,10・・・緩衝装置
20・・・・・外装筒
21・・・・・外装筒の把持溝
21a・・・・把持溝の円弧面
22・・・・・切欠
23・・・・・スリット
24・・・・・欠損部
25・・・・・筒本体
26・・・・・外顎
27・・・・・外溝
30・・・・・内挿筒
31・・・・・内挿筒の把持溝
31a・・・・把持溝の円弧面
32・・・・・切欠
33・・・・・スリット
34・・・・・欠損部
35・・・・・筒本体
36・・・・・内顎
37・・・・・内溝
38・・・・・フランジ

Claims (5)

  1. 単数又は複数のロープの複数箇所を摺動可能に把持して、前記ロープに作用する張力を吸収する摩擦摺動式の緩衝装置であって、
    前記ロープを横断させて収容可能な外装筒と、
    前記ロープを横断させて収容可能であり、前記外装筒にインロー嵌合する内挿筒とを具備し、
    前記外装筒及び内挿筒はその対向面間に前記ロープを収容する単数、又は複数の把持溝を形成するとともに、インロー嵌合させた前記両筒を分離不能に嵌着する嵌着手段を形成し、
    前記嵌着手段を介して前記外装筒及び内挿筒を嵌着させたとき、前記両筒の相対向する把持溝が各ロープの周面の複数箇所に接面して把持可能であり、
    所定以上の張力が作用したときに前記複数のロープが摺動するように構成したことを特徴とする、
    緩衝装置。
  2. 前記外装筒又は内挿筒の何れか一方の筒の側面、又は両筒の側面に軸方向に沿ってスリットを形成し、前記スリットを介して外装筒又は内挿筒の何れか一方、又は両筒を径方向へ向けて弾性変形可能に構成したことを特徴とする、請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 前記外装筒の嵌着手段が前記外装筒に隣接して形成した断面楔形の外顎と外溝であり、前記内挿筒の嵌着手段が内挿筒に隣接して形成した断面楔形の内顎と内溝であり、前記外装筒の外顎と前記内挿筒の内顎とが嵌着可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の緩衝装置。
  4. 前記外装筒の躯体の一部に欠損部を形成したことを特徴とする、請求項2又は3に記載の緩衝装置。
  5. 前記内挿筒の躯体の一部に欠損部を形成したことを特徴とする、請求項2乃至4の何れか一項に記載の緩衝装置。
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