JP2016088943A - 硬化性組成物、硬化物、光学フィルム及び積層体 - Google Patents

硬化性組成物、硬化物、光学フィルム及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電防止性及び透明性に優れ、反射防止機能を付与できる高屈折率ハードコート層を形成できる硬化性組成物の提供。
【解決手段】成分(A)、(B)を含み、これらの合計量に対し成分(B)を1〜99重量%含む硬化性組成物。成分(A):芳香環構造と(メタ)アクリロイル基とを有し、屈折率1.50〜1.70の化合物、成分(B):式(1)で表される化合物に由来する構造単位50〜90重量%と、式(2)〜(5)の構造単位のSP値のモル平均が9.30〜15.00である(メタ)アクリル系重合体。CH2=C(R1)−C(O)−Q1−(CH2)m−N234・X(1)、CH2=C(R8)−C(O)−Q2−(CH2)n−NR910(2)、CH2=C(R11)−C(O)−Q3−R12(3)、CH2=C(R13)−C(O)−NR1415(4)、CH2=C(R16)−C(O)−Q4−(R17O)p−R18(5)
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関する。より詳細には、本発明は、反射防止フィルム用の高屈折率ハードコート材として好適な硬化性組成物であって、帯電防止性と透明性に優れる硬化性組成物、該硬化性組成物からなる硬化物及び光学フィルム、並びに該硬化性組成物を用いた積層体に関する。
一般にディスプレイは、室内外での使用を問わず、外光などが入射する環境下で使用される。この外光等の入射光はディスプレイ表面等において正反射され、それによる反射像が表示画像と混合することにより画面表示品質を低下させてしまう。そのため、ディスプレイ表面等に反射防止機能を付与することが要求されている。
また、ディスプレイ表面には、埃等の付着による汚染を防止すると共に、ディスプレイ表面の帯電によるディスプレイ内部への影響を防止するために、帯電防止性も要求される。
一般に反射防止機能は、透明基材上にITO等の金属酸化物、カーボン、チオフェン系導電性ポリマー等を用いた高屈折率層と低屈折率層の交互積層構造による多層構造の反射防止層を形成することで得られる。また、金属酸化物、カーボン、チオフェン系導電性ポリマー等を用いた材料は帯電防止機能を付与することも可能であり、帯電防止性の高屈折率層を形成することができる。このようなものの例として、例えば特許文献1には、高屈折率層に導電性粒子を用いることが記載されている。しかし、この技術では、導電性粒子を用いることにより、透明性が損なわれるという問題がある。
高屈折率層を形成するためのコート材については、近年、ITO等の無機系高屈折率コート材に代わるものとして、芳香環構造を有する高屈折率アクリル系化合物を主成分とする有機系コート材が提案され、既に市販されている(例えば、大成ファインケミカル社製高屈折率コート材「アクリット8DK」シリーズ(非特許文献1))。このアクリル系コート材であれば、高屈折率で透明性に優れ、しかもアクリル系であることから表面硬度も高い高屈折率ハードコート層を形成することができるが、アクリル系材料は絶縁性が高いため、このアクリル系高屈折率ハードコート層は、帯電しやすいという欠点がある。
一方、特許文献2には帯電防止性を付与しうるアクリル系材料として、4級アンモニウム塩基を有するアクリル系重合体が提案されており、このアクリル系重合体であれば、透明性と帯電防止機能を得ることができることが開示されている。
特開2010−217873号公報 特開2010−174180号公報
大成ファインケミカル株式会社、"高屈折率コート材 UV硬化型アクリルポリマー アクリット8DKシリーズ"、[online]、平成26年6月10日プレスリリース、[平成26年10月24日検索]、インターネット<URL:http://www.taisei-fc.co.jp/index.html>、<URL:http://www.taisei-fc.co.jp/products/pdf/8dk.pdf>
本発明者の検討により、特許文献2に記載される4級アンモニウム塩基を有するアクリル系重合体は、帯電防止性付与に有効であるが、この4級アンモニウム塩基を有するアクリル系重合体を、非特許文献1に記載されているような芳香環構造を有する高屈折率のアクリル系化合物を主成分とするコート材に適用しようとすると、4級アンモニウム塩基を有するアクリル系重合体と芳香環構造を有する高屈折率アクリル系化合物との相溶性が悪いために、透明性が大きく損なわれるという問題があることが見出された。
従って、本発明は、帯電防止性及び透明性に優れる高屈折率ハードコート層を形成することができる硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明はまた、この硬化性組成物からなる硬化物及び光学フィルムと、この硬化性組成物を用いた積層体を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香環構造を有する高屈折率のアクリル系化合物に、帯電防止機能を担う構造単位と、相溶性に寄与する構造単位とを含有する特定の(メタ)アクリル系重合体を配合することにより、透明性を損なうことなく帯電防止性を付与することができることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[9]の通りである。
[1] 下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつこれらの合計量に対し、成分(B)を1〜99重量%含む硬化性組成物。
成分(A):少なくとも芳香環構造と(メタ)アクリロイル基とを有し、かつ屈折率が1.50〜1.70である化合物
成分(B):下記式(1)で表される化合物に由来する構造単位を分子中に50〜90重量%含有し、下記式(2)〜(5)のいずれかで表される少なくとも1つの化合物に由来する構造単位をこれらの合計量で分子中に10〜50重量%含有し、かつ下記式(2)〜(5)で表される化合物に由来する各構造単位のSP値のモル平均が9.30〜15.00である(メタ)アクリル系重合体
CH2=C(R1)−C(O)−Q1−(CH2)m−N234・X …(1)
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N567・Yを表し、R5〜R7はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q1はO又はNHである。X及びYは、それぞれ独立に陰イオンを表す。mは1〜10の整数である。)
CH2=C(R8)−C(O)−Q2−(CH2)n−NR910 …(2)
(式(2)中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。Q2はO又はNHである。nは1〜4の整数である。)
CH2=C(R11)−C(O)−Q3−R12 …(3)
(式(3)中、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q3はO又はNHである。)
CH2=C(R13)−C(O)−NR1415 …(4)
(式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を表し、R14及びR15はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
CH2=C(R16)−C(O)−Q4−(R17O)p−R18 …(5)
(式(4)中、R16は水素原子又はメチル基を表し、R17は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R18は水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基を表す。Q4はO又はNHである。pは1〜50の整数である。)
[2] 成分(B)の重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000である、[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 成分(A)がフルオレン構造、ビフェニル構造及びカルバゾール構造のうちの少なくとも1つを有する化合物である、[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4] 更に、下記成分(C)を含み、かつその含有量が成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重量部に対し、1〜99重量部である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
成分(C):芳香環構造を含まず、1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
[5] 成分(C)が多官能(メタ)アクリレート化合物である、[4]に記載の硬化性組成物。
[6] 更に、重合開始剤を含む[1]乃至[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] [1]乃至[6]のいずれかに記載の硬化性組成物に活性エネルギー線を照射してなる硬化物。
[8] [7]に記載の硬化物よりなるハードコート層を有する光学フィルム。
[9] 基材とハードコート層とを有する積層体であり、該ハードコート層が[1]乃至[6]のいずれかに記載の硬化性組成物を該基材上に塗布し、これに活性エネルギー線を照射して形成されたものである積層体。
本発明の硬化性組成物によれば、帯電防止性と透明性に優れたハードコート層を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。なお、本発明において、「(メタ)アクリル」という表現を用いる場合、「アクリル」及び「メタクリル」の一方又は両方を意味するものとする。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」についても同様の意味をもつこととする。
〔硬化性組成物〕
本発明の硬化性組成物は、下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつこれらの合計量に対し、成分(B)を1〜99重量%含むことを特徴とする。
成分(A):少なくとも芳香環構造と(メタ)アクリロイル基とを有し、かつ屈折率が1.50〜1.70である化合物
成分(B):下記式(1)で表される化合物に由来する構造単位を分子中に50〜90重量%含有し、下記式(2)〜(5)のいずれかで表される少なくとも1つの化合物に由来する構造単位をこれらの合計量で分子中に10〜50重量%含有し、かつ下記式(2)〜(5)で表される化合物に由来する各構造単位のSP値のモル平均が9.30〜15.00である(メタ)アクリル系重合体
CH2=C(R1)−C(O)−Q1−(CH2)m−N234・X …(1)
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N567・Yを表し、R5〜R7はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q1はO又はNHである。X及びYは、それぞれ独立に陰イオンを表す。mは1〜10の整数である。)
CH2=C(R8)−C(O)−Q2−(CH2)n−NR910 …(2)
(式(2)中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。Q2はO又はNHである。nは1〜4の整数である。)
CH2=C(R11)−C(O)−Q3−R12 …(3)
(式(3)中、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q3はO又はNHである。)
CH2=C(R13)−C(O)−NR1415 …(4)
(式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を表し、R14及びR15はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
CH2=C(R16)−C(O)−Q4−(R17O)p−R18 …(5)
(式(4)中、R16は水素原子又はメチル基を表し、R17は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R18は水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基を表す。Q4はO又はNHである。pは1〜50の整数である。)
以下において、上記式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と称し、上記式(2)で表される化合物を「化合物(2)」と称し、上記式(3)で表される化合物を「化合物(3)」と称し、上記式(4)で表される化合物を「化合物(4)」と称し、上記式(5)で表される化合物を「化合物(5)」と称する場合がある。
また、化合物(1)に由来する構造単位を「構造単位(1)」と称し、化合物(2)に由来する構造単位を「構造単位(2)」と称し、化合物(3)に由来する構造単位を「構造単位(3)」と称し、化合物(4)に由来する構造単位を「構造単位(4)」と称し、化合物(5)に由来する構造単位を「構造単位(5)」と称する場合がある。
[成分(A)]
成分(A)は、少なくとも芳香環構造と(メタ)アクリロイル基とを有し、かつ屈折率が1.50〜1.70である化合物である。
成分(A)は、上記の通り、芳香環構造と(メタ)アクリロイル基とを有し、かつ屈折率が1.50〜1.70である化合物であればよく、モノマーであってもポリマーであってもよい。また、化合物中に芳香環構造を2個以上有するものであってもよく、その場合において、2個以上の芳香環構造は同一であってもよく異なるものであってもよい。(メタ)アクリロイル基についても、1個のみ有するものであってもよく、2個以上有するものであってもよい。
成分(A)は、その高屈折率性を担う構造部分として、芳香環構造を有するものであり、その芳香環構造としては特に制限はないが、例えば次のような構造が挙げられる。なお、以下に例示する芳香環構造を有するものについて、置換される官能基の種類や数に特に制限はない。以下において、「Ph」はフェニル基を示す。
Figure 2016088943
これらの芳香環構造のうち、特に、高屈折率の観点から、剛直なフルオレン構造、カルバゾール構造が、電子密度が高く、高屈折率性を発現し易い点において好ましく、ビフェニル構造もまた電子密度が高く、高屈折率性を発現し易い点において好ましい。より好ましい芳香環構造は、フルオレン構造及び/又はビフェニル構造である。
成分(A)の化合物の屈折率が1.50より低いと、目的とする高屈折率性を得ることができない。高屈折率性の観点から成分(A)の化合物の屈折率は1.51以上であることが好ましく、1.52以上であることが更に好ましい。成分(A)の化合物の屈折率は高屈折率性の観点から高い程好ましいが、有機化合物としての屈折率の上限は通常1.70程度である。
なお、本発明の成分(A)における屈折率は化合物単独の硬化していない状態で測定した屈折率であり、また成分(A)の屈折率の測定方法は、後掲の実施例の項に記載される通りである。
[成分(B)]
成分(B)は、前記式(1)で表される化合物(1)に由来する構造単位(1)を分子中に50〜90重量%含有し、前記式(2)〜(5)のいずれかで表される少なくとも1つの化合物に由来する構造単位をこれらの合計量で分子中に10〜50重量%含有し、かつ式(2)〜(5)で表される化合物に由来する各構造単位のSP値のモル平均が9.30〜15.00である(メタ)アクリル系重合体である。
<化合物(1)>
化合物(1)は下記式(1)で表され、帯電防止性に寄与する成分である。
CH2=C(R1)−C(O)−Q1−(CH2)m−N234・X …(1)
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N567・Yを表し、R5〜R7はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q1はO又はNHである。X及びYは、それぞれ独立に陰イオンを表す。mは1〜10の整数である。)
上記式(1)において、Rは水素原子又はメチル基であり、好ましくはメチル基である。
及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基である。ここで炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基が挙げられる。R、R〜Rの炭化水素基、後掲の式(3)における炭化水素基についても同様である。
及びRはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
はメチル基、エチル基又はブチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
〜Rはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
及びYで表される陰イオンとしては、それぞれ独立に塩素イオン、沃素イオン、臭素イオン等のハロゲン化物イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF )、テトラフルオロボレートイオン(BF )又は硫酸イオンが好ましく、これらの中でも帯電防止性が良好であるという点からハロゲン化物イオン、さらには原料の入手および合成が比較的容易という点から塩素イオンがより好ましい。
はO(酸素原子)であることが好ましく、mは1〜5の整数が好ましく、3がより好ましい。
化合物(1)としては、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルクロライド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アタリロイルオキシエチル−N,N,N−トリエチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−[3−{N,−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N’,N,−ジメチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−卜リメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{Ν’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−Ν’,Ν,−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,Ν,Ν−トリエチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリルエステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N-ジエチル−N−メチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウム=モノ硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N-ジエチル−N−メチルアンモニウム=モノ硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノ硫酸塩、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
なかでも、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドが好ましく用いられ、特にN−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体には、上記の構造単位(1)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
<化合物(2)>
化合物(2)は下記式(2)で表され、後述のSP値のモル平均の調整においてSP値のモル平均を高くして成分(A)と成分(B)との相溶性を高め、透明性の改善に寄与する成分である。
CH2=C(R8)−C(O)−Q2−(CH2)n−NR910 …(2)
(式(2)中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。Q2はO又はNHである。nは1〜4の整数である。)
式(2)において、QはO(酸素原子)であることが好ましく、またnは1〜6であることが好ましい。また、R9とR10は同一のアルキル基であることが好ましい。
化合物(2)としては、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体には、上記の構造単位(2)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
<化合物(3)>
化合物(3)は下記式(3)で表され、後述のSP値のモル平均の調整においてSP値のモル平均を低くして成分(A)と成分(B)との相溶性を高め、透明性の改善に寄与する成分である。
CH2=C(R11)−C(O)−Q3−R12 …(3)
(式(3)中、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q3はO又はNHである。)
式(3)において、R12は好ましくは炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜13の直鎖又は分岐のアルキル基である。
化合物(3)としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系化合物;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ペンチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−オクタデシル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系化合物が挙げられる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、これらの中でもn−ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートがより好ましい。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体には、上記の構造単位(3)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
<化合物(4)>
化合物(4)は下記式(4)で表され、後述のSP値のモル平均の調整においてSP値のモル平均を低くして成分(A)と成分(B)との相溶性を高め、透明性の改善に寄与する成分である。
CH2=C(R13)−C(O)−NR1415 …(4)
(式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を表し、R14及びR15はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
式(4)において、R14及びR15はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜13の直鎖又は分岐のアルキル基である。
化合物(4)としては、具体的には、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジt−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジドデシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジトリデシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−オクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミドが好ましく、これらの中でもN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体には、上記の構造単位(4)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
<化合物(5)>
化合物(5)は下記式(5)で表され、後述のSP値のモル平均の調整においてSP値のモル平均を高くして成分(A)と成分(B)との相溶性を高め、透明性の改善に寄与する成分である。
CH2=C(R16)−C(O)−Q4−(R17O)p−R18 …(5)
(式(5)中、R16は水素原子又はメチル基を表し、R17は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R18は水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基を表す。Q4はO又はNHである。pは1〜50の整数である。)
17は好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。
pは1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましい。pが2以上の場合、複数のR17は同一であってもよく異なるものであってもよいが、好ましくは同一のものである。
18は好ましくは水素原子又はメチル基である。
化合物(5)としては、具体的には、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリルアミドや、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられるが、これらのうち、好ましくはpが5〜20のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体には、上記の構造単位(5)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
<各構造単位の含有量>
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体は、分子中に構造単位(1)を50〜90重量%含有し、構造単位(2)〜(5)のうち1種以上(2種以上の場合はその合計量)を10〜50重量%含有する。ここで、成分(B)の(メタ)アクリル系重合体に含まれる各構造単位の含有割合は、成分(B)の(メタ)アクリル系重合体の製造に用いた原料モノマーのすべてが反応したものと仮定し、原料モノマーの仕込み量の合計に対する各化合物(1)〜(5)の仕込み量の割合として算出される。後述の他の化合物についても同様である。
帯電防止性に寄与する構造単位(1)の含有量が50重量%以上であることにより、硬化性組成物の帯電防止性を十分に高めることができる。構造単位(1)の含有量が90重量%以下であることにより、相溶性に寄与する構造単位(2)〜(5)の含有量を確保して、硬化性組成物の透明性を高めることができる。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体は、分子中に構造単位(1)を55重量%以上含有することが好ましく、60重量%以上含有することがより好ましい。また、構造単位(1)を80重量%以下含有することが好ましく、70重量%以下含有することがより好ましい。
一方、相溶性に寄与する構造単位(2)〜(5)の含有量が10重量%以上であることにより、硬化性組成物の透明性を十分に高めることができる。構造単位(2)〜(5)の含有量が50重量%以下であることにより、帯電防止性に寄与する構造単位(1)の含有量を確保して、硬化性組成物の帯電防止性を高めることができる。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体は、分子中に構造単位(2)〜(5)を15重量%以上含有することが好ましく、20重量%以上含有することがより好ましい。また、構造単位(2)〜(4)を45重量%以下含有することが好ましく、40重量%以下含有することがより好ましい。
<SP値のモル平均>
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体は、分子中に含まれる構造単位(2)〜(4)のSP値のモル平均が9.30〜15.00である。即ち、成分(B)は分子中に含まれる構造単位(2)〜(5)のSP値のモル平均が9.3〜15.0となるように、構造単位(2)〜(5)の含有量が調整される。
このSP値のモル平均が9.30〜15.00であることにより、成分(A)との相溶性が良好となり、透明性に優れた硬化性組成物とすることができる。成分(A)との相溶性の観点から、SP値のモル平均は9.31以上であることが好ましく、9.32以上であることがより好ましい。一方、12.00以下であることが好ましく、10.00以下であることがより好ましい。
SP値のモル平均を上記範囲とするには、SP値を高くする成分である構造単位(2),(5)と、SP値を低くする成分である構造単位(3),(4)とがバランスよく含有されるように、各構造単位の含有量を調整すればよい。
なお、ここで、各構造単位のSP値は、Fedorsの式(文献:R.F.Fedors:Polym.Eng.Sci.,14[2],147−154(1974))に基づき、各構造単位の分子式から算出される。ただし、ここでいう「各構造単位」とは化合物(1)〜(5)の不飽和二重結合が重合した後の構造単位を意味する。
構造単位(2)のSP値をSP、構造単位(3)のSP値をSP、構造単位(4)のSP値をSP、構造単位(5)のSP値をSPとし、成分(B)の(メタ)アクリル系重合体に含まれる構造単位(2)〜(5)の合計モル数に対する構造単位(2)のモル含有量割合(%)をM、構造単位(3)のモル含有量割合(%)をM、構造単位(4)のモル含有量割合(%)をM、構造単位(5)のモル含有量割合(%)をMとすると、SP値のモル平均は、以下の式で算出される。
(SP値のモル平均)=
(SP×M)/100+(SP×M)/100+(SP×M)/100+(SP×M)/100
例えば、後掲の実施例において製造されたDQ100/SLMA/DMMA=60/5/35(重量比)の共重合体であるポリマーB−1では、SLMAとDMMAのSP値のモル平均は次の通り算出される。なお、SLMAは、LMA(ラウリルメタクリレート)とTDMA(トリデシルメタクリレート)の45/55(重量比)の混合物であるため、ポリマーB−1は、LMA/TDMA/DMMA=2.25/2.75/35(重量比)である。
LMAとTDMAとDMMAの各単位につき、Fedorsの式でSP値をそれぞれ算出する。各モノマーのSP値と分子量は以下の通りである。
LMA (SP値)=9.017
(分子量)=254.41
TDMA (SP値)=8.991
(分子量)=268.44
DMMA (SP値)=9.521
(分子量)=157.21
LMA:TDMA:DMMA
=(2.25/254.41):(2.75/268.44):(35/157.21)
=3.7:4.2:92.1(モル比)
(SP値のモル平均)
=9.017×3.7(モル%)+8.991×4.2(モル%)+9.521×92.1(モル%)
=9.48
<その他の構造単位>
成分(A)の(メタ)アクリル系重合体は、上記構造単位(1)〜(4)以外の他の化合物に由来する構造単位(以下「他の構造単位」と称す。)を含有していてもよい。
他の構造単位となる化合物(1)〜(5)以外の他の化合物としては、共重合可能なビニル系モノマーであればよく、特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのモノエステル;さらにはこのモノエステルの水酸基がメタノールやエタノール等でエーテル化されたエステル;(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸;N,N−ジメチル−N,N−ジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル系4級アンモニウム塩;L−アルギニンとグリシジルメタクリレートの反応物等のアミノ酸系のカチオン性モノマー;酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルアルコールのアルキルエーテル;スチレン、α−アルキルスチレン、ブタジエン、イソプレン、プロペン、塩化ビニル、アクリロニトリル等が例示できる。
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体には、上記の他の構造単位の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
ただし、成分(B)の(メタ)アクリル系重合体における上記他の構造単位の含有量が多過ぎると、相対的に構造単位(1)〜(5)の含有量が少なくなって、帯電防止性や透明性が劣ることになるため、成分(B)の(メタ)アクリル系重合体中の他の構造単位の含有量は30重量%以下、特に15重量%以下、とりわけ5重量%以下であることが好ましく、下限は通常、0重量%である。
<重量平均分子量(Mw)>
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、塗膜でのブリードアウトを抑制し帯電防止性の耐久性が高くなるという観点から1,000以上であり、好ましくは5,000以上であり、より好ましくは10,000以上である。また、他成分との相溶性の観点から100,000以下であり、より好ましくは80,000以下であり、更に好ましくは60,000以下である。
なお、本発明において、成分(B)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の値であり、具体的には後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
<製造方法>
成分(B)の(メタ)アクリル系重合体は、前述の化合物(1)と化合物(2)〜(5)の1種又は2種以上と、必要に応じて用いられるその他の化合物とを、構造単位(1)及び構造単位(2)〜(5)の含有量とSP値のモル平均が前述の好適範囲となるように用いて、公知のラジカル重合反応で製造することができる。ここで、ラジカル重合反応は通常、有機溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下で実施することができる。
ラジカル重合反応に用いることのできる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒;エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、イソブタノール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−エトキシエチルアセタート等のエステル系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を用いることができるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤は原料の化合物(1)〜(5)及び必要に応じて用いられるその他の化合物の合計100重量部に対し、通常0.01〜5重量部の範囲で用いられる。
ラジカル重合反応の反応時間は、通常1〜20時間であり、好ましくは3〜12時間である。また、反応温度は、通常40〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。
[成分(A)と成分(B)との含有割合]
本発明の硬化性組成物は、成分(B)を、成分(A)と成分(B)との合計量に対して、1〜99重量%含む。成分(B)は、帯電防止性付与のための添加剤として機能するものであり、成分(B)を、成分(A)と成分(B)との合計量に対して1重量%以上含むことにより、良好な帯電防止性を得ることができる。帯電防止性の観点から、本発明の硬化性組成物は、成分(B)を、成分(A)と成分(B)との合計量に対して10重量%以上含むことが好ましく、20重量%以上含むことがより好ましい。一方、本発明の硬化性組成物の成分(B)の含有量が成分(A)と成分(B)との合計量に対して99重量%以下であることにより、高屈折率化合物である成分(A)の含有量を確保して、高屈折率の硬化性組成物を得ることができる。高屈折率性の観点から、本発明の硬化性組成物は、成分(B)を、成分(A)と成分(B)との合計量に対して80重量%以下含むことが好ましく、60重量%以下含むことがより好ましく、40重量%以下含むことが更に好ましい。
[成分(C)]
本発明の硬化性組成物は、成分(A)及び成分(B)に加えて、更に下記成分(C)を、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量100重量部に対して1〜99重量部含むことが、硬化性、硬化膜の硬度、耐擦傷性の点において好ましい。
成分(C):芳香環構造を含まず、1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
成分(C)としては、芳香環構造を含まない、1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であればよく、単官能(メタ)アクリレート化合物であっても2官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物であってもよい。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート化合物の中でも、得られる硬化物の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、或いはこれらの酸変性物等が好ましい。
これらの成分(C)は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物の成分(C)の含有量が、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重量部に対して1重量部以上であることにより、成分(C)を含有することによる硬化性、硬化膜の硬度、耐擦傷性等の向上効果を有効に得ることができる。これらの観点から、本発明の硬化性組成物は、成分(C)を成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重量部に対して10重量部以上含むことが好ましく、30重量部以上含むことがより好ましい。一方、本発明の硬化性組成物の成分(C)の含有量が成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重量部に対して99重量部以下であることにより、成分(A)及び成分(B)による高屈折率性、帯電防止性、透明性を有効に得ることができる。これらの観点から、本発明の硬化性組成物は成分(C)を成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量100重量部に対して85重量部以下含むことが好ましく、70重量部以下含むことがより好ましい。
[重合開始剤]
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー線による硬化性を向上させるために、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の含有量は、硬化性を高める観点から、成分(A)、成分(B)及び必要に応じて用いられる成分(C)の合計100重量部に対し、好ましくは0.01重量部以上であり、より好ましくは0.05重量部以上であり、更に好ましくは0.1重量部以上である。また、重合開始剤の含有量は、硬化性組成物の安定性の観点から、好ましくは20重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下であり、更に好ましくは5重量部以下である。
[有機溶媒]
本発明の硬化性組成物は、通常、有機溶媒を含み、固形分濃度5〜95重量%程度に調製される。固形分濃度が5重量%以上であることが、硬化性組成物の意図しない硬化反応(ゲル化等)を防ぐ観点から好ましく、また、95重量%以下であることが塗工性の観点から好ましい。これらの観点から固形分濃度は、より好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは20重量%以上であり、また、より好ましくは90重量%以下であり、更に好ましくは85重量%以下であり、特に好ましくは80重量%以下である。なお、本発明において、「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味するものであり、固体の成分のみならず、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。
有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、成分(A)、成分(B)及び必要に応じて用いられる成分(C)の種類やハードコート層を形成する際に用いる基材の種類、基材への塗布方法等を考慮して適宜選択することができる。有機溶媒の具体例としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、2,3−ジメチルヘキサン、2−メチルヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フエネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
[その他の成分]
本発明の硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で成分(A)、成分(B)、成分(C)、重合開始剤及び有機溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、反応性希釈剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、無機粒子等が挙げられる。
[硬化性組成物の製造方法]
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、成分(A)、(B)及び必要により適宜、成分(C)、重合開始剤、有機溶媒、その他の成分等を混合することにより得ることができる。各成分の混合に際しては、ディスパーザー、撹拌機等で均一に混合することが好ましい。
〔硬化物・積層体〕
本発明の硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する等して硬化させることにより、本発明の硬化物を得ることができる。特に、本発明の硬化性組成物を基材の上等に塗布して硬化させることにより、本発明の硬化性組成物よりなる硬化層を基材上に形成してなる積層体とすることができる。また、このように、本発明の硬化性組成物を基材の上等に塗布し、フィルム状に硬化させることで、ハードコートフィルム(高屈折率ハードコート層)を得ることができる。また、基材として他の樹脂フィルム上に本発明の硬化性組成物を塗布し、硬化させてハードコートフィルムを成形することで、他の樹脂フィルム上に高屈折率ハードコートフィルムを積層してなるフィルム積層体が得られる。なお、本発明において、「塗布」とは一般的に「塗工」と呼ばれるものも含む概念として用いることとする。
上記の積層体に用いる基材としては、プラスチック基材等の有機材料;金属基材、ガラス基材等の無機材料が挙げられるが、本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物は、透明性に優れるものであるため、透明基材に適用することが好ましい。プラスチック基材としては、各種合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリオフィン樹脂等よりなるものが挙げられる。金属基材としては、特に限定はないが、例えば、熱延板、冷延板等の鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、ブリキ、ティンフリースチール、その他各種のめっき、あるいは合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の金属板が挙げられる。更にはこれらをリン酸塩処理、クロメート処理、有機リン酸塩処理、有機クロメート処理、ニッケル等の重金属置換処理等、各種の表面処理を施したものであってもよい。ガラス基材としては、通常のガラスのほか、各種の化学処理を施したガラス(例えば、コーニング社のゴリラガラス(登録商標)や旭硝子社のドラゴントレイル(登録商標)等)や多成分系のガラスを用いてもよい。本発明の硬化性組成物はプラスチック基材、ガラス基材に好適であり、特にプラスチック基材に適したものである。
前記基材上に形成されるハードコート層(高屈折率層)は、例えば、本発明の硬化性組成物を基材上に塗布(塗工)し、これに活性エネルギー線を照射して形成することができる。本発明の硬化性組成物を基材上に塗布(塗工)する方法としては、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法等が挙げられる。また、本発明の硬化物の形態は特に制限されないが、通常、基材上で活性エネルギー線を照射して硬化させて得られた硬化物は基材の少なくとも片面の一部に硬化被膜(硬化膜)の状態として得ることができる。
本発明の硬化性組成物を硬化させる際に用いることのできる活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化防止の観点から好ましいのは紫外線及び電子線である。
本発明の硬化性組成物を紫外線照射により硬化させる場合には、種々の紫外線照射装置を用いることができ、その光源としてはキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED−UVランプ等を使用することができる。紫外線の照射量(単位はmJ/cm)は、通常10〜10,000mJ/cmであり、本発明の硬化性組成物の硬化性、硬化物(硬化膜)の可撓性等の観点から好ましくは100〜5,000mJ/cmであり、より好ましくは200〜3,000mJ/cmである。
また、本発明の硬化性組成物を電子線照射で硬化させる場合は、種々の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量(Mrad)は、通常、0.5〜20Mradであり、本発明の硬化性組成物の硬化性、硬化物の可撓性、基材の損傷防止等の観点から好ましくは1〜15Mradである。
〔用途〕
本発明の硬化性組成物より得られる硬化物は、高屈折率で、帯電防止性、透明性に優れるため、反射防止フィルム等の光学フィルムのハードコート層(高屈折率層)として有用である。なお、高屈折率層としての用途において、本発明の硬化性組成物よりなる硬化膜の膜厚には特に制限はないが、通常1〜20μm程度であり、好ましくは1〜10μmである。
特に、本発明の硬化性組成物より得られる硬化膜よりなるハードコート層(高屈折率層)を有する反射防止フィルムは、この高屈折率層の他、低屈折率層、その他のハードコート層、更に必要に応じて、防汚性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能、色補正性能等を有する機能層が設けることができる。これらの機能層としては、防汚層、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等が挙げられる。なお、これらの機能層は単層であっても、複数の層であってもよい。機能層は、1層で複数の機能を有するものでもよい。また、これらの機能層は、各層間に設けてもよいし、反射防止フィルム表面に設けてもよい。また、各種層間の接着性向上のために、各層間にプライマー層や接着層等を設けてもよい。
本発明の硬化物よりなる高屈折率ハードコート層を有する反射防止フィルム等の光学フィルムは、液晶ディスプレイ等のディスプレイ表面に設ける光学フィルムとして好適であり、本発明の硬化物よりなる高屈折率ハードコート層を有する光学フィルムを液晶ディスプレイ等のディスプレイ表面に設けることにより、その優れた透明性及び帯電防止性と反射防止機能から、視認性に優れ、かつ埃等による汚れが付き難い表示面を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味を持つものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔評価方法〕
以下の実施例、比較例においては、以下の方法により硬化膜の評価を行った。
<帯電防止性:表面抵抗値>
硬化膜を、23℃、湿度60%RHの恒温室内で24時間状態を調整した後、同恒温室内で、高抵抗抵抗率計(三菱化学アナリテック社製「ハイレスタ−UP MCP−HT450」)を用いて100Vの電圧を印加した後の表面固有抵抗値を測定した。
<透明性:ヘーズ>
硬化膜に対して、JIS K−7105に従ってヘーズメーター(村上色彩技術研究所製「HAZE METER HM−65W」)にてヘーズ値を測定した。
評価基準は次の通りとした。
◎:0.2%以下
○:0.3〜0.5%
△:0.6〜0.7%
×:0.8〜1.0%
××:1.1%以上
〔成分(A)の屈折率〕
成分(A)の屈折率は以下の方法により測定した。
溶剤を含有するもの(アクリット8DK 2030,アクリット8DK 3000)については、40℃、真空下で6時間乾燥させた後の残渣を測定サンプルとした。また、溶剤を含まず室温で液体のもの(A−LEN−10T)についてはそのものをサンプルとして測定を行った。さらに溶剤を含まず室温で固体のもの(A−BPEF)については、一度80℃で加温して融解させたものをサンプルとした。測定は、ATAGO社製「デジタル屈折系RX−7000α」を用いて測定温度25℃で行った。
〔成分(B)の重量平均分子量(Mw)〕
成分(B)の重量平均分子量(Mw)はGPC法により次の条件により測定した。
機器 :東ソー株式会社製「SD−8022/DP−8020/AS−8020, CO−8020/RI−8020」
カラム :和光純薬工業社製「WakobeadsG−50,Wakobeads
G−40」
検出器 :示差屈折率検出器(RI−8020)
溶媒 :蒸留水/メチルアルコール/酢酸/酢酸ナトリウム(360g/240g
/18g/24.6g)
温度 :40℃
流速 :0.7mL/分
注入量 :100μL
濃度 :0.4重量%
較正試料:ポリエチレングリコール
較正法 :ポリエチレングリコール換算
〔成分(A)〕
成分(A)として以下の市販品を使用した。
(A−1)
・大成ファインケミカル社製アクリット8DK 2030
組成:アクリル樹脂/プロピレングリコールモノメチルーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/メチルエチルケトン=45/1未満/40〜50/10未満(重量比、メーカーカタログ、SDSより)
フルオレン構造及びアクリロイル基を有する化合物
屈折率:1.550
(A−2)
・大成ファインケミカル社製アクリット8DK 3000
組成:アクリル樹脂/トルエン/プロピレングリコールモノメチルーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=40/10未満/45〜55/10未満(重量比、メーカーカタログ、SDSより)
フルオレン構造及びアクリロイル基を有する化合物
屈折率:1.562
(A−3)
・新中村化学社製A−LEN−10T
ビフェニル構造及びアクリロイル基を有する化合物
屈折率:1.577
(A−4)
・新中村化学社製A−BPEF
フルオレン構造及びアクリロイル基を有する化合物
屈折率:1.622
〔成分(B)〕
成分(B)として、以下の通り、アクリル系重合体を製造した。なお、使用した各原料とその略称は以下の通りである。
<化合物(1)>
DQ−100:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライドによる4級化物(共栄社化学社製「ライトエステル(登録商標)DQ−100」)
<化合物(2)>
DMMA:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステル(登録商標)DM」)(SP値:9.521)
<化合物(3)>
SLMA:ラウリルメタクリレート(SP値:9.017)とトリデシルメタクリレート(SP値:8.991)の45:55(重量比)の混合物(三菱レイヨン社製「アクリエステル(登録商標)SL」)
<化合物(5)>
AE−400 ポリエチレングリコールモノアクリレート(前記式(5)においてp=10であるもの)(日油社製「ブレンマー(登録商標)AE400」)(SP値:10.523)
(B−1)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、DQ100:18重量部、SLMA:1.5重量部、DMMA:10.5重量部、メチルエチルケトン(MEK):20重量部、イソプロピルアルコール(IPA):50重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製「V−65」):0.09重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.09重量部を添加して65℃で3時間撹拌した。系内を80℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマーB−1の溶液を得た。反応液の組成はポリマーB−1/IPA/MEK=30/20/50(重量比)であった。
ポリマーB−1の重量平均分子量(Mw)は45,200であった。
(B−2)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、DQ100:18重量部、SLMA:0.75重量部、DMMA:10.5重量部、AE−400:0.75重量部、メチルエチルケトン(MEK):20重量部、イソプロピルアルコール(IPA):50重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製「V−65」):0.09重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.09重量部を添加して65℃で3時間撹拌した。系内を80℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマーB−2の溶液を得た。反応液の組成はポリマーB−2/IPA/MEK=30/20/50(重量比)であった。
ポリマーB−2の重量平均分子量(Mw)は51,900であった。
(B−3)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、DQ100:18重量部、SLMA:3重量部、DMMA:9重量部、メチルエチルケトン(MEK):20重量部、イソプロピルアルコール(IPA):50重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製「V−65」):0.09重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.09重量部を添加して65℃で3時間撹拌した。系内を80℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマーB−3の溶液を得た。反応液の組成はポリマーB−3/IPA/MEK=30/20/50(重量比)であった。
ポリマーB−3の重量平均分子量(Mw)は46,600であった。
(B−4)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、DQ100:18重量部、SLMA:4.5重量部、DMMA:7.5重量部、メチルエチルケトン(MEK):20重量部、イソプロピルアルコール(IPA):50重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製「V−65」):0.09重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.09重量部を添加して65℃で3時間撹拌した。系内を80℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマーB−4の溶液を得た。反応液の組成はポリマーB−4/IPA/MEK=30/20/50(重量比)であった。
ポリマーB−4の重量平均分子量(Mw)は47,400であった。
(b−1<比較例用>)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、DQ100:18重量部、SLMA:7.5重量部、DMMA:4.5重量部、メチルエチルケトン(MEK):20重量部、イソプロピルアルコール(IPA):50重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製「V−65」):0.09重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.09重量部を添加して65℃で3時間撹拌した。系内を80℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマーb−1の溶液を得た。反応液の組成はポリマーb−1/IPA/MEK=30/20/50(重量比)であった。
ポリマーb−1の重量平均分子量(Mw)は20,500であった。
(b−2<比較例用>)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、DQ100:18重量部、SLMA:9重量部、DMMA:3重量部、メチルエチルケトン(MEK):20重量部、イソプロピルアルコール(IPA):50重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製「V−65」):0.09重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.09重量部を添加して65℃で3時間撹拌した。系内を80℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマーb−2の溶液を得た。反応液の組成はポリマーb−2/IPA/MEK=30/20/50(重量比)であった。
ポリマーb−2の重量平均分子量(Mw)は33,500であった。
成分(B)のモノマー組成とSP値のモル平均及び重量平均分子量(Mw)を表−1にまとめて示す。
Figure 2016088943
〔成分(C)〕
成分(C)として以下の市販品を使用した。
(C−1)
・日本化薬社製カヤラッド(登録商標)DPHA
ジペンタエリスリトールテトラアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物
(C−2)
・東亜合成社製アロニックス(登録商標)M−510
ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物のコハク酸変性物
〔実施例1〕
四つ口フラスコに、成分(A)として、「A−1」を50重量%、成分(B)として、「B−1」を6.6重量%、成分(C)として、「C−1」を40重量%及び「C−2」を3.4重量%(ここで、成分(A)〜(C)の「重量%」は固形分の重量%である。)、並びに重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製「イルガキュア(登録商標)184」(表中、「Irg184」と略記する。))4重量部(成分(A)〜(C)の固形分100重量部基準)を混合し、これにn−ブタノールとメチルエチルケトンの50:50(重量比)の混合溶媒により、固形分濃度30重量%となるように希釈して硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み:40μm)上にバーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚さが2μmとなるように塗布し、80℃で2分間加熱乾燥した。硬化性組成物の塗膜が形成されたTACフィルムを、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下15cmの位置で、アイグラフイック社製「EYE UV METER UVPF−A1、PD365」を使用して1パスが積算光量300mJ/cmとなるように紫外線を2パス照射して、硬化膜(高屈折率ハードコートフィルム)を得た。この硬化膜について、前述の帯電防止性及び透明性の評価を行った。その結果を表−2に示す。
〔実施例2〜17及び比較例1〜10〕
表−2、表−3及び表−4に示すように硬化性組成物の組成を変更した以外は実施例1と同様にして各硬化性組成物を得、更に硬化膜を得た。それぞれの硬化膜について、前述の帯電防止性及び透明性の評価を行った。得られた結果を表−2、表−3及び表−4に示す。
Figure 2016088943
Figure 2016088943
Figure 2016088943
〔評価結果〕
表−2、表−3及び表−4からわかるように、実施例1〜17及び比較例1〜10のいずれも帯電防止性は良好であった。しかし、実施例1〜17はいずれも透明性に優れるのに対し、比較例1〜10は透明性に劣っていた。これは、比較例1〜10において用いた成分(B)のアクリル系重合体の構造単位(2)〜(5)のSP値のモル平均が9.30より低く、成分(A)との相溶性に劣るためである。一方、実施例1〜17で用いた成分(B)のアクリル系重合体のSP値のモル平均は、9.30〜15.00の範囲内にあり、成分(A)との相溶性に優れるため、良好な透明性が得られる。

Claims (9)

  1. 下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつこれらの合計量に対し、成分(B)を1〜99重量%含む硬化性組成物。
    成分(A):少なくとも芳香環構造と(メタ)アクリロイル基とを有し、かつ屈折率が1.50〜1.70である化合物
    成分(B):下記式(1)で表される化合物に由来する構造単位を分子中に50〜90重量%含有し、下記式(2)〜(5)のいずれかで表される少なくとも1つの化合物に由来する構造単位をこれらの合計量で分子中に10〜50重量%含有し、かつ下記式(2)〜(5)で表される化合物に由来する各構造単位のSP値のモル平均が9.30〜15.00である(メタ)アクリル系重合体
    CH2=C(R1)−C(O)−Q1−(CH2)m−N234・X …(1)
    (式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N567・Yを表し、R5〜R7はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q1はO又はNHである。X及びYは、それぞれ独立に陰イオンを表す。mは1〜10の整数である。)
    CH2=C(R8)−C(O)−Q2−(CH2)n−NR910 …(2)
    (式(2)中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。Q2はO又はNHである。nは1〜4の整数である。)
    CH2=C(R11)−C(O)−Q3−R12 …(3)
    (式(3)中、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。Q3はO又はNHである。)
    CH2=C(R13)−C(O)−NR1415 …(4)
    (式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を表し、R14及びR15はそれぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
    CH2=C(R16)−C(O)−Q4−(R17O)p−R18 …(5)
    (式(4)中、R16は水素原子又はメチル基を表し、R17は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R18は水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基を表す。Q4はO又はNHである。pは1〜50の整数である。)
  2. 成分(B)の重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 成分(A)がフルオレン構造、ビフェニル構造及びカルバゾール構造のうちの少なくとも1つを有する化合物である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 更に、下記成分(C)を含み、かつその含有量が成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重量部に対し、1〜99重量部である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
    成分(C):芳香環構造を含まず、1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
  5. 成分(C)が多官能(メタ)アクリレート化合物である、請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. 更に、重合開始剤を含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化性組成物に活性エネルギー線を照射してなる硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物よりなるハードコート層を有する光学フィルム。
  9. 基材とハードコート層とを有する積層体であり、該ハードコート層が請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化性組成物を該基材上に塗布し、これに活性エネルギー線を照射して形成されたものである積層体。
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