JP2016088914A - 皮膚保護用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪を所定の色に染める処理において皮膚が染色してしまうことを良好に防止する皮膚保護用組成物を提供する。【解決手段】皮膚に塗布されることで皮膚上に保護膜を形成し、この保護膜を形成した後に行われる毛髪の染色処理において、上記皮膚が染色することを防止するためのものであり、全質量の57〜96.99質量%である油性成分と、全質量の3〜25質量%である界面活性剤と、全質量の0.01〜18質量%である無機粒子と、を含有する皮膚保護用組成物。好ましくは、無機粒子が、シリカ粒子である皮膚保護用組成物。更に好ましくは、無機粒子が、疎水性シリカ粒子である皮膚保護用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚保護用組成物に関し、更に詳しくは、毛髪を所望の色に染める染毛処理において皮膚が染色してしまうことを良好に防止する皮膚保護用組成物に関する。
従来、毛髪を染めるためにヘアカラー剤を用いることが知られている。このヘアカラー剤は、毛髪を所望の色に染めることができるものであるが、皮膚に付着してしまうと、皮膚が染色され、ヘアカラー剤を洗い流すことは簡単ではない。つまり、ヘアカラー剤が皮膚に染着してしまい、簡単に洗い流すことができない。そのため、ヘアカラー剤が皮膚に染着してしまうことを防止するために、ヘアカラー剤を毛髪に塗布する前に、染着を防止したい部分(毛髪の生え際など)に予め保護剤を塗布することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−56848号公報
しかし、特許文献1に記載の保護剤(皮膚保護用組成物)は、ヘアカラー剤による皮膚の染着に対する防止効果において更なる改良の余地があった。
そのため、毛髪を所望の色に染める処理(染毛処理)における皮膚の染着をより良好に防止できる皮膚保護用組成物の開発が望まれていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、染毛処理における皮膚の染着をより良好に防止できる皮膚保護用組成物を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す、皮膚保護用組成物が提供される。
[1]皮膚に塗布されることで前記皮膚上に前記皮膚を保護する保護膜を形成し、前記保護膜を形成した後に行われる毛髪の染色処理において、前記皮膚が染色することを防止するためのものであり、全質量の57〜96.99質量%である油性成分と、全質量の3〜25質量%である界面活性剤と、全質量の0.01〜18質量%である無機粒子と、を含有する皮膚保護用組成物。
[2]前記無機粒子が、シリカ粒子である前記[1]に記載の皮膚保護用組成物。
[3]前記無機粒子が、疎水性シリカ粒子である前記[1]または[2]に記載の皮膚保護用組成物。
[4]前記油性成分が、炭化水素を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の皮膚保護用組成物。
[5]前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも1つを含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の皮膚保護用組成物。
[6]前記無機粒子の一次粒子の平均粒子径が、1nm〜15μmである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の皮膚保護用組成物。
[7]水分が、全質量の25質量%以下の量である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の皮膚保護用組成物。
本発明の皮膚保護用組成物は、染毛処理において皮膚が染着してしまうことを良好に防止することができる。なお、ヘアマニキュア(酸性染毛料)は皮膚に染着し易いが、本発明の皮膚保護用組成物は、ヘアマニキュアによる染毛処理においても皮膚が染着してしまうことを良好に防止することができる。
本発明の皮膚保護用組成物を使用した時の皮膚の状態を示す写真である。 本発明の皮膚保護用組成物を毛髪に塗布して染毛処理した後の毛髪を示す写真である。 比較例1の皮膚保護用組成物を使用した時の皮膚の状態を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]皮膚保護用組成物:
本発明の皮膚保護用組成物は、染毛処理の際に用いられるものであり、全質量の57〜96.99質量%である油性成分と、全質量の3〜25質量%である界面活性剤と、全質量の0.01〜18質量%である無機粒子と、を含有するものである。
このような皮膚保護用組成物は、皮膚に塗布されることで皮膚上に保護膜を形成し、この保護膜を形成した後に行われる染毛処理において、皮膚が染着(染色)することを良好に防止できるものである。
本発明の皮膚保護用組成物は、染毛処理で通常使用されるヘアカラー剤に対する保護剤として用いることができる。ここで、ヘアカラー剤は、例えば、アルカリ性酸化染毛剤、酸性酸化染毛剤、酸性染毛料(ヘアマニキュア)、HC染毛料、塩基性染毛料、いわゆるヘナ、法定色素(例えば、黒401号)、銀塩、顔料などが挙げられる。
特に、従来、ヘアマニキュアで染毛処理を行う場合、既存の保護剤では、皮膚の染着を防止することができないことがあったが(図3参照)、本発明の皮膚保護用組成物によれば、ヘアマニキュア(酸性染毛料)による染毛処理においても皮膚が染着してしまうことを良好に防止することができる(図1参照)。つまり、本発明の皮膚保護用組成物は、従来の保護剤に比べて、高い皮膚保護効果(染着防止効果)を発揮するものである。なお、ヘアマニキュアは、ベンジルアルコールなどの有機溶剤と染料とを含有するタイプのヘアカラー剤のことである。図1は、実施例4〜7の皮膚保護用組成物を用いて、ヘアマニキュアに対する皮膚保護効果を評価した際の写真である。図3は、比較例1の皮膚保護用組成物を用いて、ヘアマニキュアに対する皮膚保護効果を評価した際の写真である。
なお、本発明の皮膚保護用組成物は、上記のように高い皮膚保護効果(染着防止効果)を発揮するが、毛髪に付着しても毛髪の染色を阻害することがない(図2参照)。これは、皮膚保護用組成物は、皮膚に対する浸透性と毛髪に対する浸透性とが異なるためであると考えられる。つまり、皮膚保護用組成物は、毛髪に対する浸透性が小さく、毛髪を構成するキューティクル上には皮膚保護用組成物の薄い膜(保護膜)が形成されるに過ぎず、ヘアカラー剤に対する保護効果が小さい。一方、皮膚保護用組成物は、皮膚に対する浸透性が大きく、皮膚の表層(角質層)には、皮膚保護用組成物の厚い膜(保護膜)が形成される。そのため、ヘアカラー剤に対する保護効果が大きい。図2は、本発明の皮膚保護用組成物を毛髪に塗布して染毛処理した後の毛髪を示す写真である。
また、本発明の皮膚保護用組成物を用いると、皮膚上に付着したヘアカラー剤は、水でも簡単に洗い流される。使用する水の温度は、具体的には37℃以下とすることができる。そのため、季節、設備事情、使用者の希望などにより、比較的低い温度の水(具体的には37℃以下)を使用する必要があったとしても、本発明の皮膚保護用組成物を用いれば、簡単にヘアカラー剤を洗い流すことができる。
更に、本発明の皮膚保護用組成物を用いると、水で洗い流した後の皮膚がべたつき難い。即ち、本発明の皮膚保護用組成物によって形成された保護膜も水によって簡単に洗い流すことができる。これは、皮膚保護用組成物中の無機粒子(例えば、シリカ粒子)が水と接触することにより部分的にゲル化し、皮膚から剥がれ落ちやすくなるためと考えられる。
ここで、本発明の皮膚保護用組成物において、無機粒子は油性成分中に均一に分散された状態で存在しており、更に、無機粒子は互いに緩く結び付き、三次元網目構造を形成していると考えられる。そして、この三次元網目構造によって、ヘアカラー剤中の染料が皮膚に侵入することを防止し、皮膚の染色が阻止されると考えられる。
[1−1]無機粒子:
無機粒子は、一次粒子の平均粒子径が1nm〜15μmであるものが好ましく、5nm〜1μmであるものが更に好ましい。。一次粒子の平均粒子径が1nm〜15μmである無機粒子を用いることにより、油性成分中における無機粒子がより均一に分散される。そのため、更に高い染着防止効果が得られる。また、良好な展延性を有することになる。即ち、本発明の皮膚保護用組成物を皮膚上で良好に塗り広げることができる。更に、本発明の皮膚保護用組成物を手で掬い取る際や皮膚上に塗布する際における滑らかな感触も得ることができる。
ここで、本明細書にいう一次粒子の平均粒子径とは、一次粒子の平均粒子径が1μm以下の場合には、動的散乱法(光子相関法)により測定し、粒径解析法「CONTIN法」を使用して個数分布から導き出した測定値(モード径)である。また、一次粒子の平均粒子径が1μm超である場合には、レーザー回折法により測定した値(メジアン径)である。
無機粒子は、親水性のものでもよいし、疎水性のものでもよいが、疎水性の無機粒子であることが好ましい。疎水性の無機粒子であると、親水性の無機粒子に比べて、より高い皮膚保護効果を得ることができる。また、水によって簡単に染料を洗い流すことができる。更には、油性成分との親和性がより高いことから油性成分と良好に混合するため、皮膚に塗布する際の手触りがより滑らかで、皮膚上でも容易に塗り広げることができる。
無機粒子としては、シリカ粒子、リン酸カルシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化チタン粒子、カーボン粒子、タルク粒子、マイカ粒子、ケイ酸ナトリウム、アルミナ粒子などが挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子の市販品としては、例えば、AEROSIL 90、AEROSIL 130、AEROSIL 150、AEROSIL 200、AEROSIL 255、AEROSIL 300、AEROSIL 380、AEROSIL OX 50、AEROSIL TT 600、AEROSIL 200 SP、AEROSIL 300 SP、AEROSIL 200 Pharma、AEROSIL 300 Pharma、AEROSIL 300/30(エボニック社製)、HDK S13、HDK V15、HDK V15P、HDK N20、HDK N20P、HDK T30、HDK T40(旭化成ワッカーシリコーン社製)などを挙げることができる。これらのシリカは、親水性シリカ粒子である。
更に、シリカ粒子の市販品としては、例えば、AEROSIL R972、AEROSIL R974、AEROSIL R104、AEROSIL R106、AEROSIL R202、AEROSIL R805、AEROSIL R812、AEROSIL R812S、AEROSIL R816、AEROSIL R7200、AEROSIL R8200、AEROSIL R9200、AEROSIL R711、AEROSIL R972 Pharma(エボニック社製)、VM−2270 Aerogel Fine Particles(ダウ・コーニング社製)、HDK H15、HDK H15P、HDK H20、HDK H30、HDK H18、HDK H2000、HDK H1018、HDK H2050、HDK H3004(旭化成ワッカーシリコーン社製)などを挙げることができる。これらのシリカは、疎水性シリカ粒子である。
ここで、疎水性シリカ粒子とは、粒子の表面が疎水化処理されたシリカ粒子のことである。疎水化処理とは、例えば、シリカ粒子の表面に存在する親水性基(例えば、ヒドロキシル基(−OH))をジメチルシリル化やトリメチルシリル化してシリカ粒子の表面に疎水性基を導入する処理である。
無機粒子の含有割合は、皮膚保護用組成物の全質量の0.01〜18質量%であり、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることが更に好ましい。無機粒子の含有割合を皮膚保護用組成物の全質量の0.01質量%以上とすることにより、皮膚の十分な保護が可能になる。また、染毛処理後に、水で洗浄するだけでヘアカラー剤を簡単に洗い落とすことができ、更には、皮膚保護用組成物も皮膚から簡単に除去されることになる。無機粒子の含有割合を皮膚保護用組成物の全質量を18質量%以下とすることにより、良好な流動性が確保され、皮膚に塗り広げることが容易になる。
[1−2]油性成分:
油性成分は、無機粒子を分散させるものである限り、特に制限はない。具体的には、炭化水素、ロウ、高級アルコール、高級脂肪酸、油脂、エステル、シリコーンなどを挙げることができる。これらの油性成分は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
油性成分は、炭化水素及びロウの少なくとも一方を含有するものであることが好ましい。このような条件を満たすことにより、高い染着防止効果が得られる。炭化水素及びロウの中では、炭化水素が好ましい。炭化水素は、油性成分の中でも疎水性が高いため無機粒子をより安定して分散させることができるという利点があるためである。
油性成分が炭化水素を含む場合、油性成分中の炭化水素の含有割合は、5〜100質量%であることが好ましく、10〜99質量%であることが更に好ましく、40〜98.5質量%であることが特に好ましい。含有割合が上記範囲であることにより、高い染着防止効果が得られる。
油性成分がロウを含む場合、油性成分中のロウの含有割合は、5〜100質量%であることが好ましく、10〜99質量%であることが更に好ましく、40〜98.5質量%であることが特に好ましい。含有割合が上記範囲であることにより、高い染着防止効果が得られる。
また、油性成分は、炭化水素及びロウの少なくとも一方を含有することに加えて、更に高級アルコールを含むことが好ましい。つまり、油性成分として炭化水素及びロウの少なくとも一方を用いる場合、高級アルコールを併用することが好ましい。高級アルコールは、無機粒子の分散系を安定させる作用が高く、高級アルコールを併用することで経時安定性が良くなる。また、高級アルコールを添加することで、皮膚上での塗布に適した粘度及び稠度を得ることができ、塗り易さ及び手触りの滑らかさも確保することができる。
油性成分が高級アルコールを含む場合、油性成分中の高級アルコールの含有割合は、全油性成分の全質量の0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。
また、油性成分が炭化水素及びロウの少なくとも一方と高級アルコールとを含有する場合、「炭化水素及びロウの総質量」と高級アルコールの質量との質量比の値(「炭化水素及びロウの総質量%」/高級アルコールの質量%)は、10〜85であることが好ましく、27〜60であることが更に好ましい。
炭化水素としては、例えば、飽和または不飽和の炭化水素を挙げることができ、具体的には、ワセリン、セレシン、スクワラン、スクワレン、α−オレフィンオリゴマー、水添ポリデセン、ポリデセン、ドデカン、固形パラフィン(パラフィンワックス)、ミネラルオイル(流動パラフィン)、イソパラフィン、水添ポリイソブテン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。これらの中でも、ワセリンが好ましい。ワセリンは、高い染着防止効果が得られ、更に、皮膚上で良く延び広がり、保護膜を良好に形成するためである。
ロウとしては、例えば、動物性ロウ、植物性ロウ、鉱物性固体ロウなどのロウを挙げることができる。具体的には、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、オレンジラフィー油、鯨ロウ、セラック、ホホバ油、異性化ホホバ油、サラシミツロウ、木ロウ、オゾケライト、モンタンロウ、ラノリン、ラノリン誘導体などが挙げられる。
高級アルコールとは、炭素数6以上のアルコールをいう。高級アルコールとしては、鎖状または環状の高級アルコールを挙げることができる。具体的には、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、水添ナタネ油アルコール、ミリスチルアルコール、アラキルアルコール、ラウリルアルコール、キミルアルコール、コレステロール、ジヒドロコレステロール、GLコレステリン、ラノリンアルコール、2−オクチルデカノール、デシルテトラデカノール、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエ一テル)、バチルアルコール(グリセリルモノステアリルエーテル)、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル、フィトステロール、シトステロール、水素添加ラノリンアルコール、カプリルアルコール、リノリルアルコール、POEステリアルエーテル、POEセチルエーテルなどが挙げられる。中でも、炭素数16〜24の高級アルコールが好ましく、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
高級脂肪酸としては、例えば、飽和または不飽和の高級脂肪酸を挙げることができ、具体的には、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ステアリン酸、セバシン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
油脂としては、例えば、植物性油脂、動物性油脂、これらの水素化物などを挙げることができ、具体的には、オリーブ油、アボガド油、月見草油、ホホバ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ハッカ油、ヒマワリ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、豚脂、魚油、馬脂、卵黄油、カルナウバロウ、ラノリンなどが挙げられる。
エステルとしては、例えば、一塩基脂肪酸または多塩基脂肪酸と、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、環状アルコールまたはこれらの組合せとから脱水してなるエステルが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(POP)アルキルエーテル、POE脂肪酸、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。POEアルキルエーテルの具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテルなどが挙げられる。
シリコーンとしては、例えば、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシカプリリルシラン、ジメチコン、シクロペンタシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、アミノプロピルジメチコン、シメチコンなどを挙げることができる。
油性成分の含有割合は、皮膚保護用組成物の全質量の57〜96.99質量%であり、62〜95質量%であることが好ましく、80〜93質量%であることが更に好ましい。油性成分の含有割合が上記範囲内であると、皮膚の十分な保護が可能になる。
油性成分と無機粒子との質量比の値(油性成分の質量%/無機粒子の質量%)は、3.1〜9699であることが好ましく、4.1〜950であることが更に好ましく、26.7〜186であることが特に好ましい。上記質量比の値が3.1未満であると、使用に適した剤型を維持できないおそれがある。上記質量比の値が9699超であると皮膚保護用組成物が皮膚保護効果を十分に発揮できないおそれがある。
[1−3]界面活性剤:
本発明の皮膚保護用組成物は、界面活性剤を含有している。界面活性剤としては、従来公知のものを用いることができる。界面活性剤としては、具体的には、陰イオン(アニオン)性界面活性剤、陽イオン(カチオン)性界面活性剤、非イオン(ノニオン)性界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、陰イオン性界面活性剤または両性界面活性剤が好ましく、両性界面活性剤がより好ましい。両性界面活性剤を用いると、皮膚保護作用が更に向上するため、ヘアカラー剤の皮膚への染着をより良好に防止できる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、例えば、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。N−アシルアミノ酸型界面活性剤としては、例えば、N−ラウロイル、L−グルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、アルキロイルアミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(ジステアリルジモニウムクロリド)などが挙げられる。これらの界面活性剤のカチオン基の対イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、サッカリンなどが挙げられる。これらの中でも、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(ジステアリルジモニウムクロリド)が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、アルキルアミンオキサイドなどが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(ラネス)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(セテス)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(ステアレス)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(オレス)、パレスなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(ラネス)、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド(コカミドMEAなど)が好ましく、ラネス−5が特に好ましい。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型、ベタイン型、天然物が挙げられ、具体的には、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルアミンオキシド、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイソダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドMEA、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルメチル−β−アラニン、ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシド、レシチンなどを挙げることができる。これらの中でも、ベタイン型の両性界面活性剤が好ましく、ラウリルベタインが特に好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、油性成分及び無機粒子との相性も考慮しつつ適宜選択するとよい。
界面活性剤の含有割合は、皮膚保護剤組成物の全質量の3〜25質量%であり、4.9〜23質量%が好ましく、6.5〜17質量%であると更に好ましい。界面活性剤の含有割合が上記範囲内であると、皮膚の十分な保護が可能になる。皮膚保護用組成物の全質量の3質量%未満であると、洗浄工程において皮膚保護組成物を簡単に洗い落とすことができなくなるおそれがある。また、皮膚保護用組成物の全質量の25質量%を超えると、無機粒子の分散系が安定せず、高い皮膚保護効果が得られないおそれがある。
[1−4]その他の成分:
本発明の皮膚保護用組成物は、水分が、全質量の25質量%以下の量であることが好ましく、全質量の17質量%以下の量であることが更に好ましい。そして、本発明の皮膚保護用組成物は、水分を含有しないことが好ましい。上記範囲外であると、皮膚保護用組成物が分離し剤型が崩れ、皮膚へ塗布が困難となるおそれがある。
本発明の皮膚保護用組成物は、必要に応じて、上記成分以外のその他の成分、例えば、多価アルコール、低級脂肪酸、低級アルコール、酸化防止剤、保存安定剤、香料、保湿剤、抗炎症剤、増粘剤、UV吸収剤、pH調整剤、植物抽出エキス、動物抽出エキス、防腐剤、抗菌剤などを含有してもよい。
[2]用途:
本発明の皮膚保護用組成物は、ヘアカラー剤から皮膚を保護するために用いられるものである。つまり、皮膚がヘアカラー剤によって染色することを防止するものである。つまり、具体的には、皮膚保護用組成物を皮膚上に塗布することによって皮膚上に保護膜を形成し、当該保護膜が形成された後に毛髪の染色処理を行うことによって、皮膚保護用組成物が塗布された部分の皮膚が染色してしまうことを防止できる。
ここで、「塗布」とは、皮膚保護用組成物を直接皮膚に塗ることに加えて、皮膚または頭部に噴霧することも含む概念である。頭皮に塗布することにより、頭皮に皮膚保護用組成物の保護膜を形成することができる。このように頭皮に塗布した場合、頭皮に保護膜が形成される一方で、皮膚保護用組成物が毛髪に付着しても毛髪の染色を阻害しない(図2参照)。
また、本発明の皮膚保護用組成物は、常温で、液体状態、半固体状態または固体状態とすることができる。具体的には、クリーム状、ジェル状、バーム状などとすることができる。
本発明の皮膚保護用組成物は、染毛処理をする前に、皮膚上に塗布して使用する。塗布する部分は、具体的には、毛髪の生え際、頭皮などとすることができる。なお、必要に応じて、ヘアカラー剤が付着する可能性のある部分(例えば、額、こめかみ、耳など)に塗布してもよい。塗布する方法としては、指、手のひら、刷毛、コーム、ブラシ、ローラ、ノズル付容器、スプレーなどを用いる方法が挙げられる。
そして、本発明の皮膚保護用組成物により保護膜を形成した後、ヘアカラー剤を使用して、従来知られた方法により毛髪の染色処理を行う。染毛処理後、ヘアカラー剤を水で洗い落とす(洗浄工程)と、本発明の皮膚保護用組成物は、水に晒されると直ぐに皮膚から流れ落ち始め、弱い力で擦るだけで簡単に除去される。また、洗浄後も皮膚がべとつくことがない。
洗浄工程では、通常37〜40℃の水を用いるが、季節、設備事情、使用者の希望などにより、例えば35℃以下の温度の水で洗い流すこともある。このように水の温度が低いと、一般に、ヘアカラー剤は皮膚から落ちにくくなる傾向があるが、本発明の皮膚保護用組成物を用いると、37℃以下の温度の水であっても、極めて容易にかつ良好にヘアカラー剤を洗い落とすことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[皮膚保護用組成物の調製]
(実施例1)
ワセリン(商品名:Snow White Pet−V USP、カネダ社製)45.091質量%、ミネラルオイル(商品名:ハイコールK−140N、カネダ社製)27.39452質量%、マイクロクリスタリンワックス(商品名:Hi−Mic−1045、日本精蝋社製)15.9968質量%、ポリオキシラノリンアルコール(ラネス−5)(商品名:POLYCHOL 5−SO−(JP)、クローダジャパン株式会社製)9.998質量%、ベヘニルアルコール(商品名:ベヘニルアルコール、高級アルコール工業社製)1.4997質量%、及び疎水性シリカ(商品名:AEROSIL R812、エボニック社製、平均粒径:7nm)0.020質量%を混合して、皮膚保護用組成物を得た。
(実施例2〜17、比較例1)
表2に記載した配合量にて調製を行ったこと以外は実施例1と同様にして、皮膚保護用組成物を得た。
(実施例18〜25)
配合する無機粒子の種類を疎水性シリカから親水性シリカ(商品名:AEROSIL 300、エボニック社製)に替え、表3に記載した配合量にて調製を行ったこと以外は実施例1と同様にして、皮膚保護用組成物を得た。
(実施例26〜40)
水分として水を添加して、表4に記載した配合量にて調製を行ったこと以外は実施例1と同様にして、皮膚保護用組成物を得た。
(実施例41〜43)
「油性成分」を表5に記載した種類及び配合量にて調製を行ったこと以外は実施例1と同様にして、皮膚保護用組成物を得た。具体的には、実施例1のワセリンを、ミツロウ(商品名:精製ミツロウCY−100、横関油脂工業株式会社製)、パラフィンワックス(商品名:Paraffin Wax−130、日本精蝋株式会社製)またはキャンデリラロウ(商品名:精製キャンデリラワックスMK−2、横関油脂工業株式会社製)に替え、表5の配合量にて調製を行った。
(実施例44〜47)
配合する無機粒子の種類を、VM−2270 Aerogel Fine Particle(平均粒径:5〜15μm、ダウ・コーニング社製)、HDK H18(平均粒径:100〜400nm、ワッカー・シリコーン社製)、HDK H20(平均粒径10〜100nm、ワッカー・シリコーン社製)またはHDK H2000(平均粒径10〜100nm、ワッカー・シリコーン社製)に替え、表6に記載の配合量にて調製を行ったこと以外は実施例1と同様にして、皮膚保護用組成物を得た。
(実施例48〜52)
界面活性剤の種類を、ポリオキシラノリンアルコール(ラネス−20)(商品名:POLYCHOL20−SO−(JP)、クローダジャパン社製)、コカミドMEA(商品名:プロファンAB−20、三洋化成工業社製)、ラウリル硫酸Na(商品名:エマール0、花王社製)、ラウリルベタイン(商品名:アンヒトール、花王社製)、またはジステアリルジモニウムクロリド/イソプロパノール(商品名:カチオン2ABT、日油社製)に替え、表7に記載の配合量にて調製を行ったこと以外は実施例1と同様にして、皮膚保護用組成物を得た。
(比較例2)
比較例2では、皮膚保護用組成物としてサンスター社製の「オピニオンマスク」を用いた。その組成は、ワセリン、ラノリン、ミネラルオイル、パラフィン、パルミチン酸イソプロピル、セレシン、ジラウリン酸PEG−8、ラネス−5、及びBHTを配合したものであった。
実施例1〜52、比較例1、2の皮膚保護用組成物を用いて各種評価を行った。
まず、実施例1〜52、比較例1、2の皮膚保護用組成物のそれぞれについて、0.5gを腕の表面に塗布して保護膜(一辺7cmの正方形状)を形成した。次に、保護膜上であってこの保護膜からはみ出る程度に、ヘアマニキュア(商品名:カラーフレッシュ ブラック0、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン社製)2gをコームブラシで掬い、塗布した。15分間放置した後、ヘアマニキュアを水で洗い流した(洗浄工程)。水分を拭き取った後、以下の方法で、「皮膚への染着防止」及び「皮膚保護用組成物の性状」の各評価を行った。なお、実施例1、2、3、11、20、比較例1、2の皮膚保護用組成物については、特に、分光測色計を用いた評価を行った。
[皮膚への染着防止の評価(分光測色計を用いた評価)]
まず、実施例1、2、3、11、20、比較例1、2の皮膚保護用組成物の「皮膚への染着防止」について、分光測色計を用いて評価を行った。
分光測色計での測定条件は、以下の通りである。
使用機器:分光測色計 CM−600d(コニカミノルタ株式会社製)
照明受光光学系:拡散照明 8°方向受光
正反射光処理:正反射光除去(SCE)方式
光源:D65
視野:10°
表色系:L
結果を表1に示す。表1中、Lは明度を、a、bはそれぞれ色度(色相及び彩度)を表す。ΔLは、処理前後での明度の差を示す値であり、この値が大きい程(即ち、ゼロに近い程)、処理前後での肌の色に違いはないと考えられる。つまり、ΔLの値がゼロに近い程、染料の染着が少なく、皮膚保護効果が大きいことを意味する。なお、表1中、「処理前」の欄には、処理前(皮膚保護用組成物を塗布する前)の皮膚について3回測定を行った後の平均値を示す。また、「処理後」の欄には、洗浄処理後に水分を拭き取った後の皮膚について7回測定を行った後の平均値を示す。
無機粒子を配合した皮膚保護用組成物(実施例1〜3、11、20)の染着防止効果は、無機粒子を配合していない皮膚保護用組成物(比較例1、2)に比べて、高いことが確認できた。全質量の0.03質量%を超える含有割合で無機粒子を含有する皮膚保護用組成物(実施例3、11、20)の染着防止効果の高さは顕著であった。更に、無機粒子が、疎水性シリカであっても、または親水性シリカであっても染着防止効果が得られることが分かる(実施例1〜3、11、20)。
[皮膚への染着防止の評価(目視による評価)]
更に、実施例1〜52、比較例1の全ての皮膚保護用組成物について、染着防止効果を目視によって評価した。評価基準は、全く染まらなかったものを「優」、皮膚があまり染まらないものを「良」、皮膚がやや染まるものを「可」、皮膚が明らかに染まってしまうものを「不可」とした。なお、この評価には、上記「分光測色計を用いた評価」の測定結果を目安とした。即ち、ΔLの値(明度の差)が−4及び−3であった実施例3及び11と同等の結果が得られていると判断できる場合を「全く染まらなかった」として「優」とした。ΔLの値が−9であった実施例20と同等の結果が得られていると判断できる場合を「皮膚があまり染まらない」として「良」とした。ΔLの値が−19及び−17であった実施例1、2と同等の結果が得られていると判断できる場合を「皮膚がやや染まる」として「可」とした。ΔLの値が−23及び−24であった比較例1、2と同等の結果が得られていると判断できる場合を「皮膚が明らかに染まってしまう」として「不可」とした。
[皮膚保護用組成物の性状]
実施例1〜52、比較例1の皮膚保護用組成物の性状(塗布のし易さ)についても評価を行った。柔らかく極めて塗布し易いものを「優」、やや柔らかく塗布し易いものを「良」、やや硬く塗布するのがやや困難であるものを「可」、固化して塗布するのが困難であるものを「不可」とする。表2〜7中では、単に「性状」と表す。
実施例1〜17、比較例1の評価結果を表2に、実施例18〜25の評価結果を表3に、実施例26〜40の評価結果を表4に、実施例41〜43の評価結果を表5に、実施例44〜47の評価結果を表6に、実施例48〜52の評価結果を表7に示す。
上記結果により、本発明の皮膚保護用組成物は、ヘアマニキュア(ヘアカラー剤)による皮膚の染着を防止することができ、高い皮膚保護効果を発揮することが分かった(図1参照)。また、無機粒子(疎水性シリカ)を皮膚保護用組成物の全質量の0.03〜7.0質量%含有するもの(特に0.5〜3.0質量%含有するもの)は「皮膚への染着防止」及び「性状」の両方において優れていることが分かった。図1は、実施例4〜7の皮膚保護用組成物を用いて、ヘアマニキュアに対する皮膚保護効果を評価した際の写真である。図3は、比較例1の皮膚保護用組成物を用いて、ヘアマニキュアに対する皮膚保護効果を評価した際の写真である。図1、3から明らかなように、本発明の皮膚保護用組成物は、ヘアマニキュア(ヘアカラー剤)に対して高い皮膚保護効果を発揮していることが分かる。
上記結果より、親水性シリカを所定量含有した皮膚保護用組成物は、ヘアマニキュア(ヘアカラー剤)による皮膚の染着を防止することができることが分かる。また、表2と表3を比較すると、親水性シリカに比べて、疎水性シリカの方がより高い皮膚保護効果を発揮することが分かる。
上記結果より、水分を、皮膚保護用組成物の全質量の25質量%以下とすることにより高い染着防止効果が得られることが分かった。特に、水分が皮膚保護用組成物の全質量の7質量%以下である場合、優れた染着防止効果を発揮することが分かった。なお、水分の量を徐々に増やした場合、皮膚保護用組成物の全質量の10質量%以上となると、皮膚保護用組成物の分離が始まるため、性状が低下してくる。
上記結果より、室温で固体または半固体である、パラフィンワックス、キャンデリラロウ、ミツロウをそれぞれ用いた場合、高い染着防止効果が得られることが分かった。特にパラフィンワックス(炭化水素)を用いた場合には、優れた染着防止効果が得られることが分かった。
上記結果より、様々な粒径を有する疎水性シリカを配合した場合にも染着防止効果が得られることが分かった。疎水性シリカの一次粒子の粒径は、ナノオーダーであってもミクロンオーダーであってもよい。
上記結果より、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはカチオン性界面活性剤を配合した場合に、高い染着防止効果が得られることが分かった。特に、両性界面活性剤を配合した場合、優れた染着防止効果が得られることが分かった。なお、カチオン性界面活性剤を使用した場合には、洗浄工程後、皮膚のべたつきがやや残った。
[毛髪の染色実験]
白髪の人毛の毛束を用意し、毛束の下半分(図2中の「塗布部分」参照)に、実施例11の皮膚保護用組成物を刷り込むように塗布した。次に、ヘアマニキュア(商品名:カラーフレッシュ ブラック0、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン社製)をコームブラシで掬い、上記毛束の全体に塗布した。15分間放置した後、水洗いした。水分をペーパータオルで拭き取り、毛束を目視にて観察した。
水分をペーパータオルで拭き取った後の毛束の写真を図2に示す。図2から分かるように、染色を施した毛束全体が同じ明度で染まることが確認できた。つまり、本発明の皮膚保護用組成物を塗布した部分の毛髪も、皮膚保護用組成物を塗布しなかった部分の毛髪も同様に染色されていることが分かる。このように、本発明の皮膚保護用組成物は、毛髪の染色を阻害するものではないことが分かる。
本発明の皮膚保護用組成物は、毛髪の染色処理において皮膚が染色してしまうことを防止するための保護剤として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 皮膚に塗布されることで前記皮膚上に前記皮膚を保護する保護膜を形成し、前記保護膜を形成した後に行われる毛髪の染色処理において、前記皮膚が染色することを防止するためのものであり、
    全質量の57〜96.99質量%である油性成分と、全質量の3〜25質量%である界面活性剤と、全質量の0.01〜18質量%である無機粒子と、を含有する皮膚保護用組成物。
  2. 前記無機粒子が、シリカ粒子である請求項1に記載の皮膚保護用組成物。
  3. 前記無機粒子が、疎水性シリカ粒子である請求項1または2に記載の皮膚保護用組成物。
  4. 前記油性成分が、炭化水素を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の皮膚保護用組成物。
  5. 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも1つを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の皮膚保護用組成物。
  6. 前記無機粒子の一次粒子の平均粒子径が、1nm〜15μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の皮膚保護用組成物。
  7. 水分が、全質量の25質量%以下の量である請求項1〜6のいずれか一項に記載の皮膚保護用組成物。
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