JP2016088885A - 脂肪酸混合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸との組み合わせを有効成分とする細胞増殖促進剤、当該細胞増殖促進剤を含有する医薬組成物又は美容組成物を提供することを課題とする。【解決手段】本発明者らは、奇数脂肪酸とω−3高度不飽和脂肪酸との組み合わせ添加が藻類及び動物細胞の培養において相乗的な増殖促進効果を有するという驚異的な知見に基づいて、本発明者らは、当該脂肪酸の組み合わせの新規用途に関する、本発明を完成するに至った。【選択図】図3

Description

本発明は、高度不飽和脂肪酸と奇数脂肪酸との組み合わせによる細胞増殖促進作用、当該組み合わせを有効成分として含有する、医薬組成物、細胞増殖促進剤、化粧料、又は皮膚外用剤に関する。
高度不飽和脂肪酸は、ヒトの代謝機構において本質的な役割を果たす脂肪酸である。高度不飽和脂肪酸は、さらに2つの大きな群に分けることができる。即ち、リノール酸から生じて形成されるγ−リノレン酸等のω−6高度不飽和脂肪酸の群、及びα−リノレン酸から生じて作られるω−3高度不飽和脂肪酸の群である。
アラキドン酸に代表されるω‐6高度不飽和脂肪酸は、細胞膜、網膜および髄膜の重要なビルディングブロックであると共に、アラキドン酸カスケードによって生成するプロスタグランジン、トロンボキサンおよびロイコトリエン等の重要な生理活性物質である。
α―リノレン酸やDHAに代表されるω‐3高度不飽和脂肪酸は、人体の健康増進またはヒト疾患に多くの有益な直接的効果を有することが益々見出されてきている。多くの臨床研究によって、ω‐3高度不飽和脂肪酸は、例えば神経変性疾患、自己免疫性疾患、代謝性疾患、癌等、様々な疾患の治癒または緩和に寄与し得ることが見出されてきた。とりわけ、DHA、EPAに代表されるω‐3高度不飽和脂肪酸は多くの優れた生理活性が報告されており、これらを有効成分として含有する市販製品も数多く存在する。
ヒトはC9位以上の炭素鎖に二重結合を導入する酵素系(Δ12−デサチュラーゼ等)を有していないため、高度不飽和脂肪酸を体内で合成することができない。そのため、ヒトは、高度不飽和脂肪酸を専ら食物から摂取している。植物油はω−6脂肪酸を含有する(例えば、月見草油はγ−リノレン酸(GLA)を含有する。)が、C18までのものに限られる。一方、魚油および微生物からの油は、更に炭素鎖が長く機能性に優れたω−3脂肪酸に富んでいる(特にC20のエイコサペンタエン酸(EPA)およびC22のドコサヘキサエン酸(DHA)を含有する。)。
現在、魚油および微生物からの油が、多価不飽和脂肪酸の主要な供給源である。しかしながら、魚油から分離したDHAやEPAは臭気物質とエチルエステル化しており、分子蒸留による濃縮精製を経ても魚臭を完全に除去することが出来ない。そのため、魚油由来のDHAやEPA製品は、若干残る魚臭が購買者に不快感を与えているとの評価がある。特に欧米圏の購買者に対しては、そのような臭気は重大な忌避の要因となっている。従って、微生物由来のω−3高度不飽和脂肪酸は、魚油由来のものと比較して購買者の忌避が無く、その商業的価値を損なわない点で有利である。
近年、微生物の炭素同化を利用した、炭化水素やトリグリセリド等の有用物質の生産技術の開発が盛んに行われている。所望の有用物質を生産する微生物を培養し、その生産物として様々な物質を取得することが出来る当該技術は、生産効率が極めて高く、生産規模を工業レベルに拡大することが比較的容易であることから、工業的利用が有望視されている。
物質生産に利用される微生物の例として、ラビリンチュラ類(Labyrinthulomycetes)に属する藻類が挙げられる。ラビリンチュラ類藻類は様々な炭化水素や油脂を生産するものが報告されており、微生物を利用した物質生産技術の有望な材料として注目されている。例えば物質生産性ラビリンチュラ類藻類として、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)等のω−3高度不飽和脂肪酸を多量に蓄積する性質を有するもの(SR21株、特許文献1)や、スクワレンを生産するものが知られている。(非特許文献1〜3)。
ラビリンチュラ類藻類の中で、2007年に定義されたオーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類は、汽水域に生息する従属栄養性のヤブレツボカビ目藻類で、水中の栄養分を同化して脂質を生産し、細胞内に蓄積する特徴を有する。彼谷らは、スクワレンを生産するオーランチオキトリウム属藻類tsukuba−3株を同定し、その生産効率が、ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)等の従来から産業利用が研究されている炭化水素生産藻類よりも格段に優れていることを見出した(非特許文献4)。
オーランチキトリウム属藻類は、2つの脂肪酸合成経路を有することが知られている(非特許文献5)。一方は、飽和脂肪酸を合成する脂肪酸シンターゼ経路であり、他方は、デサチュラーゼの作用を受けずに高度不飽和脂肪酸を合成するポリケチドシンターゼ経路である。これらの両経路を有するオーランチキトリウム属藻類は、パルミチン酸(C16)、ペンタデカン酸(C15)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を合成することが出来る(非特許文献6)。
C15ペンタデカン酸のような炭素数が奇数の脂肪酸(奇数脂肪酸)は、哺乳類や鳥類の体内に、炭素数が偶数の脂肪酸(偶数脂肪酸)と比較して極めて僅かにしか存在しない。このような奇数脂肪酸は、発見当初は異常な脂肪酸として毒性があるのではないかと思われていた。1975年の奇数脂肪酸に関する総説では、奇数脂肪酸は偶数脂肪酸と同様にβ‐酸化によりエネルギー源となるもので毒性は無い旨、ヒトおよび家畜と家禽の体脂肪、筋肉、臓器、乳および卵に0.1〜数%程度の奇数脂肪酸が含まれており、臓器により組成が異なる旨、奇数脂肪酸は体外から取り込まれたものだけでなく、体内で生合成され得る旨が記載されている(非特許文献7)。更に1993年になって、Adachiらは、ペンタデカノイルモノグリセリドが毛母細胞のATPレベルを上昇させ、細胞を活性化させることを報告し(非特許文献8)、この知見に基づき育毛剤が開発され、製品化された。
また、奇数脂肪酸は偶数脂肪酸の場合と異なる特異な代謝経路でTCAサイクルに導入されることが見出されており、偶数脂肪酸の代謝によるアセチル−CoAから出発するATP生産に加えて、C3のプロピオニル−CoAから出発する細胞の生理機能活性化にも関与することが示唆されている。従って、奇数脂肪酸を摂取してTCAサイクルの機能を維持することにより、細胞の生理活性低下に伴う身体の様々な機能不全が軽減されることが予想される。
以上のように、奇数脂肪酸は細胞の生理機能の改善や健康増進に有益な効果を有することが期待されているため、今後の産業上の需要が増大することが予想される。
:特許第2764572号公報
:G. Chen. et al. New Biotechnology 27, 382-289 (2010) :Q. Li et al., J. Agric. Food Chem. 57(10), 4267-4272 (2009) :K. W. Fan et al., World J. Microbiol. Biotechnol. 26, 1303-1309 (2010) :BioScience, Biotechnology, and Biochemistry 75, 2246-2248 :Metz JG, Roessler P, Facciotti D, Levering C, Dittrich F, Lassner M, Valentine R, Lardizabal K, Dommergue F, Yamada A, Yazawa K, Knauf V, Browse J.(2001) Production of polyunsaturated fatty acids by polyketide synthases in both prokaryotes and eukaryotes. Science 293, 290-293. :Hayashi M, Yukino T, Watanabe F, Miyamoto E, Nakano Y. (2007) Effrct of vitamin B12-enriched thraustchytrides on the population growth of rotifers. Biosci. Biotechnol. Biochem.71, 222-225. :生雲 晴久、吉田 実. 家畜・家禽における奇数脂肪酸の分布とその代謝. 日本家禽学会誌 12,(4) 155-166 (1975) :Adachi K, Yokoyama D, Tamai H, Sadai M, and Oba K (1993) Effect of glyceride of pentadecanoic acid on energy metabolism in hair follicles. International Journal of Cosmetic Science 15 (3): 125-131.
本発明は、奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸との組み合わせの添加が藻類及び動物細胞の培養において相乗的な増殖促進効果を有するという、本発明者らにより見出された新規知見に基づき、当該組み合わせを有効成分とする細胞増殖促進剤、当該細胞増殖促進剤を含有する医薬組成物又は美容組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸を細胞内に蓄積するオーランチオキトリウム藻類のAurantiochytrium sp. NB6−3(沖縄、オーピーバイオファクトリー株式会社)において、増殖速度と脂質組成の関連性を詳細に調査した。
Aurantiochytrium sp. NB6−3は、培養開始後48時間で対数増殖期の末期または静止期の初期に達した。この時点が最も細胞内のトリグリセリド量が多く、脂肪酸の中でC15とDHAが急激に増加した。この時点を過ぎると、トリグリセリド量は急激に減少し、C15は痕跡程度まで減少した。DHAはいったん減少した後、4日目からトリグリセリド量が減少するにも関わらず、再度増加した。このように、藻類の増殖の進行段階に呼応するようにして、藻類においてC15トリグリセリドとDHAトリグリセリドの含有量が顕著に変化することから、藻類細胞内のC15とDHAの含有量の変動が、藻類細胞の増殖に関与することが示唆された。
DHAとC15のオーランチオキトリウム属藻類の細胞増殖に及ぼす影響を明らかにするため、脂肪酸混合物(DHA+C15、DHA+ミリスチン酸(C14)、オレイン酸(C18=1)+C15、C18=1+C14のいずれか)を含む増殖培地の中で上記藻類細胞を培養したところ、C15またはDHAを含む培地の中で細胞の顕著な増殖が促進された。特に、DHAとC15の両方を含有する培地は、最も強力に細胞の増殖を促進した。また、同様の結果が、マウス線維芽細胞系BalB/3T3の細胞を、C15とDHAを含む培地、またはC15とC18=1を含む培地で培養したときに得られた。これらの結果から、DHAとC15の組み合わせが、生物種に拘らず細胞増殖を相乗的に促進することが示された。
斯かる奇数脂肪酸とω−3高度不飽和脂肪酸との組み合わせ添加が藻類及び動物細胞の培養において相乗的な増殖促進効果を有するという驚異的な知見に基づいて、本発明者らは、当該脂肪酸の組み合わせの新規用途に関する、本発明を完成するに至った。
従って、本願は、以下の発明を提供する。
1.有効成分として、奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸を含有する、細胞増殖促進剤。
2.奇数脂肪酸が、C3プロピオン酸、C5吉草酸、C7エナント酸、C9ペラルゴン酸、C11ウンデカン酸、C13トリデカン酸、C15ペンタデカン酸、C17マルガリン酸、C19ノナデカン酸、C21ヘンイコシル酸、C23トリコシル酸からなる群から選択される、項目1に記載の細胞増殖促進剤。
3.高度不飽和脂肪酸が、ω-3脂肪酸である、項目1又は2のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
4.奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸が生物由来の天然に存在するものである、項目1〜3のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
5.奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸がオーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類由来である、項目1〜4のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
6.奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸が、同一の、又は個別のトリグリセリドとのエステルの形態で存在する、項目1〜5のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
7.オーランチオキトリウム属藻類から抽出された奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドを有効成分として含有する細胞増殖促進剤。
8.オーランチオキトリウム属藻類細胞を有効成分として含有する細胞増殖促進剤。
9.奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸を、脂肪酸の重量比にして20:1〜1:20、18:1〜1:18、16:1〜1:16、14:1〜1:14、12:1〜1:12、10:1〜1:10、8:1〜1:8、6:1〜1:6、4:1〜1:4、又は2:1〜1:1で含有する、項目1〜8のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
10.損傷した組織の治癒、疼痛、自己免疫性疾患、神経変性疾患、免疫性疾患、代謝性症候群に関連する疾患及び癌関連疾患の緩和、皮膚の皺の減少、皮膚の代謝促進、育毛、アレルギー症状の軽減、筋肉痛の軽減、又は運動機能の向上のために用いられる、項目1〜9に記載の細胞増殖促進剤。
奇数脂肪酸とω−3高度不飽和脂肪酸との組み合わせ添加により、培養細胞の増殖を相乗的に促進することが出来る。インビトロで実証された培養細胞の増殖促進効果は、斯かる組み合わせがインビボでも同様に優秀な細胞増殖促進効果を有することを示唆するものである。
また、オーランチキトリウム属藻類は、上記のように、奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドの両方を細胞内に蓄積することから、当該細胞から抽出したトリグリセリド混合物、あるいはそのようなトリグリセリド混合物を細胞内に含有する当該細胞自体を、細胞増殖に関連する身体の様々な機能の改善に利用出来ることが予想される。
オーランチキトリウム属藻類NB6−3株の増殖曲線を示す。 オーランチキトリウム属藻類NB6−3株の培養中の細胞内のトリグリセリドとリン脂質の含有量の変化を示す。 オーランチキトリウム属藻類NB6−3株の凍結乾燥重量中の脂肪酸の含有量を示す。
本発明において、「細胞」とは、単細胞生物自体、多細胞生物の組織の構成単位、又は多細胞生物の組織から単離され樹立された細胞株のいずれの意味としても用いられる。多細胞生物の細胞の場合、表皮細胞、膵実質細胞、膵管細胞、肝細胞、血液細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、骨芽細胞、骨格筋芽細胞、神経細胞、血管内皮細胞、色素細胞、平滑筋細胞、脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞等のあらゆる組織の分化細胞、並びに胚性幹細胞(ES)及び組織幹細胞が包含される。
本発明の文脈において、「脂肪酸」とは直鎖モノカルボン酸を指し、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸を含む。他に言及の無い限り、脂肪酸は、遊離脂肪酸に加えて金属塩、有機塩基との塩、トリ、ジ、およびモノグリセリドを含む脂肪酸とアルコールのエステルやアミドの形態のものを含む。
本発明の文脈において、「高度不飽和脂肪酸」とは、複数の不飽和結合を有する炭素鎖を有する脂肪酸を意味し、ω−3、ω−6、ω−7、ω−9のいずれの不飽和脂肪酸であってもよい。ω‐3脂肪酸として、α―リノレン酸、ω‐3エイコサペンタエン酸(EPA)、ω‐3ドコサペンタエン酸(ω‐3DPA)コサヘキサエン酸(DHA)が挙げられる。
本発明の文脈において、「奇数脂肪酸」は、炭素数が奇数の炭素鎖を有する脂肪酸を意味し、C3プロピオン酸、C5吉草酸、C7エナント酸、C9ペラルゴン酸、C11ウンデカン酸、C13トリデカン酸、C15ペンタデカン酸、C17マルガリン酸、C19ノナデカン酸、C21ヘンイコシル酸、C23トリコシル酸が挙げられる。
本発明の文脈において、「トリグリセリド」とは、CH2(OOCR1)CH(OOCR2)CH2(OOCR3)という一般化学式を有する、3個の脂肪酸残基とグリセロールとのエステルであり、式中、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3は、各々、エステル結合した脂肪酸残基を表す。本発明において、奇数脂肪酸を含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3の1つ以上が奇数脂肪酸であるトリグリセリドを意味する。また、高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3の1つ以上が高度不飽和脂肪酸であるトリグリセリドを意味する。
本発明の方法において用いられる脂肪酸は、遊離脂肪酸の形態であっても、トリグリセリドの形態であってもよい。各脂肪酸がトリグリセリドの形態で用いられる場合、添加量は各枝の脂肪酸成分を遊離脂肪酸に換算した量として表記されてもよい。
更に、本発明において、各脂肪酸がトリグリセリドの形態で用いられる場合、奇数脂肪酸を含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3のいずれか1つ以上が奇数脂肪酸であり、あるいは、高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3のいずれか1つ以上が高度不飽和脂肪酸である。好ましくは、本発明において、奇数脂肪酸を含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3のいずれも高度不飽和脂肪酸でなく、また、高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3のいずれも奇数脂肪酸ではない。例えば、奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドを別個の経路を用いて合成するオーランチキトリウム属藻類は、奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸が同一のトリグリセリドの枝に共存しない。
本発明において用いられる脂肪酸は、化学的に合成されたものであっても、天然に存在するものであってもよい。天然の脂肪酸の供給源としては、生物が体内で生産する脂質、例えば家畜や家禽の脂肪、魚介類の油脂、植物油又は脂質生産性の微生物が挙げられる。天然の脂肪酸の供給源は所望の脂肪酸の種類、量及び品質に応じて適切なものが選択される。
本発明の方法において、天然に存在する脂肪酸は、当業者に既知の方法で抽出及び精製することができる。
例えば、脂質産生性の藻類から脂肪酸を取得する場合、藻類細胞を培養及び増殖させ、得られた培養液から遠心分離又は濾過等により回収したペレットを、凍結乾燥又は加温による乾燥等により乾燥させる。または、培養後の藻類細胞が懸濁した培地をそのままトリグリセリドの抽出ステップに用いてもよい。
脂質供給源の生体試料から、有機溶媒を用いてトリグリセリドを含有する脂質を抽出できる。抽出は、異なる有機溶媒を用いて複数回行ってもよい。有機溶媒としては、n−ヘキサン・エタノール混合溶媒、クロロホルム・メタノール混合溶媒、又はエタノール・ジエチルエーテル混合溶媒等の極性溶媒と弱極性溶媒の混合液を用いることができる。得られた抽出液は、当業者に既知の方法で精製される。例えば、シリカゲルや酸性白土や活性白土を用い、極性脂質を吸着させて精製することができる。また、精製したトリグリセリドの組成は、NMR、IR、ガスクロマトグラフィー、GC/MS等により分析することができる。
トリグリセリドを分離する手法は、当業者に既知の分画手法が採用される。分画するトリグリセリド分子の極性、溶媒への溶解度、融点、比重、分子量等の様々な物理化学的特性を利用して分離精製が行われてもよく、好ましくはカラムクロマトグラフィー技術が用いられる。トリグリセリド分離手段の条件は、トリグリセリド混合物の組成及び分画すべきトリグリセリドの種類に依存して、当業者による通常の条件検討により設定することが出来る。
オーランチオキトリウム属藻類は、奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドのいずれも細胞内で合成して蓄積することが出来る。そのため、当該藻類から抽出したトリグリセリド混合物を、分離精製を経ずに直接本発明の組成物として調製することが出来る。好ましくは、当該トリグリセリド混合物中の奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸との重量比を適切な範囲内に収めるために、当該トリグリセリド混合物に、更に奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸が添加される。
オーランチオキトリウム属藻類から調製されるトリグリセリド混合物は、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドの両方を、顕著な量で含有する。好ましい態様において、当該トリグリセリド混合物は、抽出された混合物の重量に対して、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを、10%〜90%、15%〜85%、20%〜80%、25%〜75%、30%〜70%、35%〜65%、40%〜60%、45%〜55%含有する。更に好ましい態様において、当該トリグリセリド混合物は、抽出された混合物の重量に対して、高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを、10%〜90%、15%〜85%、20%〜80%、25%〜75%、30%〜70%、35%〜65%、40%〜60%、45%〜55%含有する。
他の態様において、奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドに富むオーランチオキトリウム属藻類の細胞自体が、本発明の組成物として調製されてもよい。当該細胞は、ペレット、溶媒懸濁物、ホモジネート、凍結乾燥品、粉砕品等、用途に応じて適切な形態で提供される。
本発明の奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸の組み合わせにおいて、両脂肪酸の比率は、所望の生理的効果を達成することが出来るように適宜選択される。好ましくは、奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸の比率は、脂肪酸の重量比にして20:1〜1:20、18:1〜1:18、16:1〜1:16、14:1〜1:14、12:1〜1:12、10:1〜1:10、8:1〜1:8、6:1〜1:6、4:1〜1:4、又は2:1〜1:1である。
本発明の奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸の組み合わせ剤は、対象に適用することにより、様々な生理機能の改善や健康増進に有益な効果を有することが期待される。細胞増殖に関連する健康上の問題として、損傷した組織の治癒、疼痛、自己免疫性疾患、神経変性疾患、免疫性疾患、代謝性症候群に関連する疾患及び癌関連疾患の緩和、皮膚の皺の減少、皮膚の代謝促進、育毛、アレルギー症状の軽減、筋肉痛の軽減、運動機能の向上等が挙げられる。
実施例1:オーランチオキトリウム属藻類の増殖速度と脂質組成の関連性
オーランチキトリウム属藻類NB6−3株(沖縄、オーピーバイオファクトリー株式会社)を、250mlのGTY培地(1%トリプトン、2%グルコース、0.5%酵母エキス、1.0%海水塩)を用いて、500mlの坂口培養フラスコの中で、一定温度、25℃、100ストローク/分で培養を行った。これを2,500g×で15分間遠心分離して12時間ごとに回収し、1.5%海水塩溶液で2回洗浄した。得られた細胞塊を、凍結乾燥させた。細胞量は、凍結乾燥させた細胞を計量して求めた。
凍結乾燥させた細胞からクロロホルム/メタノール混合物(2:1、v/v)を用いてトリグリセリドを抽出した。クロロホルムを使用したシリカゲル60カラムクロマトグラフィーによりトリグリセリドを個々のクラスに分離した。床体積の4倍量のクロロホルムによって中性脂質を溶離させた後、床体積の4倍量のクロロホルム/メタノール(1:4、v/v)を用いて極性脂質を溶離させた。
シリカゲル−60を用いたクロマトグラフィーによってトリグリセリドを分画した。カラムはn−ヘキサンを用いて調製した。中性脂質画分をn−ヘキサンで溶かし、カラムに適用した。スクワレン、カロテノイド、ステロールエステルなどの炭化水素を、床体積の2倍量のn−ヘキサン/クロロホルム(1:1、v/v)を用いて溶離させた。続いて、床体積の3倍量のクロロホルムを用いて、トリグリセリド、極性カロテノイド及び遊離脂肪酸を溶離させた。遊離脂肪酸を除去するため、n−ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(82/18/1、v/v)を使用し、トリグリセリド画分をシリカゲル−60プレート上の分離用TLCに付着させた。トリグリセリドは、展開溶媒によりRf約0.6〜0.8の位置に移動した。トリグリセリドのスポットを削り落とし、クロロホルム/メタノール(1:1、v/v)で抽出した。画分中のトリグリセリド含有量は、96重量%を超えていた。当該トリグリセリド画分は、飽和脂肪酸だけで構成されていた。抽出溶媒を除去した後、残ったトリグリセリドを5倍の体積のn−ヘキサンに再度溶かし、得られた溶液を0〜4℃で一晩保管した。保管後、白色沈殿物を溶液から回収し、少量の冷たいn−ヘキサンで洗浄した。回収したこの溶媒画分を、35℃の窒素流で凝集させ、沈殿操作を2回繰り返した。回収した溶媒画分からは、高度不飽和脂肪酸を含むトリグリセリドが得られた。
クロロホルム/メタノール/酢酸/水(25/15/4/2、v/v)を使用し、シリカゲル−6−プレート上の分離用TLCによってリン脂質を分画した。リン脂質(PL)は、展開溶媒によってRf約0.2〜0.8の位置に移動した。TLC上のスポットを削り落とし、クロロホルム/メタノール(1:5、v/v)を用いて抽出した。極性脂質画分中のリン脂質の含有量は、92重量%を超えていた。
トリグリセリドとリン脂質が結合した脂肪酸を、メタノール中で90℃にて15分間14%三フッ化ホウ素と反応させることにより、メチルエステルに変換した。その脂肪酸メチルエステルをn−ヘキサンで抽出した後、Uniport C80/100(ジーエル サイエンス株式会社、東京、日本国)の表面に被覆されたUnisole 3000を備える開放チューブ状ガラス製カラム(φ3mm×3m)を使用した炎イオン化検出器(FID)(株式会社島津製作所、京都、日本国)での気液クロマトグラフィーによって分析した。
上記培養におけるオーランチキトリウム属藻類NB6−3株の増殖曲線を、図1に示した。当該細胞は、短い遅滞期を経て急速に増殖し、1.5日で対数増殖期の末期に到達し、2.5日でバイオマスの最大値4.4g/lに達した。2.5日目の後、バイオマスは6.5日目まで徐々に低下したが、この培養期間中には死滅期は観察されなかった。
培養中の細胞内のトリグリセリドとリン脂質の含有量の変化を、図2に示す。トリグリセリドの含有量(凍結乾燥させた細胞1g当たりのmg)は培地への接種後に急速に増加し、2日目にその増加が停止した。増大の傾向は対数増殖期とよく一致しており、細胞濃度が最大値になる直前に、トリグリセリドの含有量は細胞の約10%に達した。その後、トリグリセリド含有量は急速に減少し、3日目に細胞の4%になり、このトリグリセリド含有量が培養終了時まで維持された。結果は、トリグリセリドの含有量が細胞の増殖と関係して変化することを示唆していた。
一方、細胞中のリン脂質の含有量(凍結乾燥させた細胞1g当たりのmg)は、培養中は44.5±4.67mgで一定であった。しかしトリグリセリドの含有量が2日目に最大値に到達したとき、リン脂質の含有量は減少して最小値になった。リン脂質の含有量が最小値をとったのは、トリグリセリドの含有量が最大値に到達したことが原因と考えられる。
0.5、1、2、3、6.5日目のトリグリセリドの脂肪酸組成を、表1に示す。
Figure 2016088885
トリグリセリド中のC15分子とDHAの含有量が培養の過程で大幅に変化することが認められる。C15の場合、0.5日目では3.3%であった含有量が、3日目には急増しして24.5%に達し、その後減少して6.5日目に6.0%になった。その一方で、DHAの初期値は27.5%であったのが、減少して2日目に16.2%になり、そこから反転して増大し、6.5日目に70.5%に達した。
以上の結果を凍結乾燥させた細胞の重量中の脂肪酸の含有量として表記したものを、図3に示す。脂肪酸の含有量の傾向が明確に認められる。細胞内のC15、パルミチン酸(C16)、DHAの含有量は、培養当初、トリグリセリドの増大に伴い増加した。2日目以降、C15とC16は、やはりTGが減少するにつれて減少した。
リン脂質の脂肪酸組成の変化を表2に示す。
Figure 2016088885
培養中に組成が変化したが、トリグリセリドの場合と比較して変化は少なかった。リン脂質のみに存在するドコサペンタエン酸(C22=5)は6.5日で10.0%から29.4%へと徐々に増加したが、C22=5+DHAの含有量はほぼ一定であった。
実施例2:オーランチオキトリウム属藻類の細胞増殖に対する脂肪酸混合物の効果の調査
対数増殖期のC15およびDHAの増加と細胞増殖の関係を明らかにするために、脂肪酸混合物を含む増殖培地の中で、オーランチオキトリウム属藻類NB6−3を増殖させた。DHA(50 mg/mL、東京化成工業製)とC15ペンタデカン酸(東京化成工業製)またはC14ミリスチン酸(和光純薬製)(25 mg/mL)の混合物を、50% DMSOで乳化した。同様に、オレイン酸(C18=1、50 mg/mL) と、C15またはC14(25 mg/mL)の混合物を50% DMSOで乳化した。これらの乳化液を、それぞれ培養液 (GTY培地(1%トリプトン、2%グルコース、0.5%酵母エキス、1.0%海水塩))で10倍に希釈し、当該希釈乳化液10μLを、オーランチオキトリウム属藻類NB6−3の培養物100μL(1×105細胞)に添加して、96穴のプレートで25℃、24時間培養後、培養物中の細胞の濃度を定量するため、分光光度計で濁度(OD650nm)を測定した。脂肪酸混合物の最終濃度は、75μg/100μLとなる。24時間培養後の濁度から培養液開始時の濁度を差し引いた値を、細胞増殖量とした。
前記実験の結果を、表3に示す。オーランチオキトリウム属藻類 の細胞では、DHA+C15が細胞増殖に極めて有効である。また、DHAとC15またはC14との組み合わせでは、C15の増殖促進効果が有意に高いことが認められる。
オーランチオキトリウムNB6−3の細胞増殖に対する脂肪酸混合物の効果
Figure 2016088885
実施例3:マウス細胞増殖に対する脂肪酸混合物の効果の調査
実施例2において示された脂肪酸混合物のオーランチオキトリウム属藻類NB6−3に対する増殖促進効果が哺乳類細胞でも観察されるか否かを調査するために、脂肪酸混合物を含む増殖培地の中で、マウス胎児由来繊維芽細胞BalB/3T3 (Cell No. RCB0005、理化学研究所)を増殖させた。
50 mgのDHAと、25 mgのC15、50 mgのオレイン酸と、25 mgのC15とを混合し、窒素ガスで空気を置換した後、超音波で乳化した(それぞれDP−1、OP−1)。これら乳化液100μLを50%DMSOで1.0mLに希釈した(それぞれDP−2、OP−2)。さらにこれらの希釈乳化液を50%DMSOで10倍に希釈した(それぞれDP−3、OP−3)。増殖試験直前にこれらの乳化液を培養液で10倍に希釈し、その10μLを各ウェルに添加した。50%DMSO溶液を同様に希釈したものを対照とした。各ウェル中の最終DMSO濃度は0.5%となる。
これらの乳化液を、それぞれ培養液 (DMEM培地(Dulbeco’s Modified Eagle’s Medium−high glucose 粉末17.3 g(L−グルタミン、HEPES含有培地)を超純水に溶解後、炭酸水素ナトリウム3.7 gを加えて900mLに調整した。牛胎児血清を100mL(10%、v/v)加え、0.2μmのメンブレンフィルター(Nalge Nune International K.K)でろ過滅菌した))で10倍に希釈し、当該希釈乳化液10μLを、BalB/3T3の培養物100μL(1 x 10細胞/ 100μL培地)に添加して、96穴のプレートにアプライし、37℃、5%CO2に設定したCO2インキュベーター中で24時間インキュベーションした。細胞増殖を定量するため、Cell Counting Kit−8 ((株)同仁化学研究所)用い、マイクロプレートリーダーで波長450 nmで吸光度を測定した。脂肪酸混合物の最終濃度は、75μg/100μLとなる。24時間培養後の濁度から培養液開始時の濁度を差し引いた値を、細胞増殖量とした。
前記実験の結果を、表4に示す。
マウス胎児由来繊維芽細胞BalB/3T3の増殖に対する脂肪酸混合物の効果
Figure 2016088885
DP−1、DP−2、OP−1で対照に対して有意に増殖が促進された。実施例2におけるオーランチオキトリウム属藻類の場合程顕著ではないが、高度不飽和脂肪酸のDHAとC15ペンタデカン酸の脂肪酸混合物の方が、飽和脂肪酸のオレイン酸とC15ペンタデカン酸の脂肪酸混合物より優れた細胞増殖促進効果を有することは明確に認められる。
以上の結果から、高度不飽和脂肪酸と奇数脂肪酸の組み合わせが、オーランチキトリウム属藻類及びマウス線維芽細胞株の増殖を顕著に促進することが示された。両脂肪酸が培地の中に共存しているとき、斯かる細胞増殖促進効果が相乗的に促進された。
奇数脂肪酸は、β−酸化によってプロピオニル−CoAとアセチル−CoAが形成される。プロピオニル−CoAは、メチルマロニル−CoAに変換され、メチルマロニル−CoAムターゼとビタミンB12によってさらにスクシニル−CoAに変換される。スクシニル−CoAは、TCAサイクルでコハク酸塩に変換される際にGTPを生産する。奇数脂肪酸の細胞内への取り込みに際して、融点が低く流動性の高い不飽和脂肪酸、特にDHA等の高度不飽和脂肪酸との共存は有利に働くと考えられ、また、抗酸化作用等の高度不飽和脂肪酸自体の生理的効果も期待できる。

Claims (10)

  1. 有効成分として、奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸を含有する、細胞増殖促進剤。
  2. 奇数脂肪酸が、C3プロピオン酸、C5吉草酸、C7エナント酸、C9ペラルゴン酸、C11ウンデカン酸、C13トリデカン酸、C15ペンタデカン酸、C17マルガリン酸、C19ノナデカン酸、C21ヘンイコシル酸、C23トリコシル酸からなる群から選択される、請求項1に記載の細胞増殖促進剤。
  3. 高度不飽和脂肪酸が、ω-3脂肪酸である、請求項1又は2に記載の細胞増殖促進剤。
  4. 奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸が生物由来の天然に存在するものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
  5. 奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸がオーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類由来である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
  6. 奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸が、同一の、又は個別のトリグリセリドとのエステルの形態で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
  7. オーランチオキトリウム属藻類から抽出された奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドを有効成分として含有する細胞増殖促進剤。
  8. オーランチオキトリウム属藻類細胞を有効成分として含有する細胞増殖促進剤。
  9. 奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸を、脂肪酸の重量比にして20:1〜1:20、18:1〜1:18、16:1〜1:16、14:1〜1:14、12:1〜1:12、10:1〜1:10、8:1〜1:8、6:1〜1:6、4:1〜1:4、又は2:1〜1:1で含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
  10. 損傷した組織の治癒、疼痛、自己免疫性疾患、神経変性疾患、免疫性疾患、代謝性症候群に関連する疾患及び癌関連疾患の緩和、皮膚の皺の減少、皮膚の代謝促進、育毛、アレルギー症状の軽減、筋肉痛の軽減、又は運動機能の向上のために用いられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の細胞増殖促進剤。
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