JP2016088292A - 車両用空調装置 - Google Patents

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加藤 光敏
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光敏 加藤
雅彦 森川
Masahiko Morikawa
雅彦 森川
剛史 脇阪
Takashi Wakizaka
剛史 脇阪
隆宏 荒木
Takahiro Araki
隆宏 荒木
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Abstract

【課題】蒸発器からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させる。【解決手段】少なくともエンジン20によって駆動され、冷凍サイクルRの冷媒を吸入して吐出する圧縮機1と、圧縮機1から吐出された冷媒が循環し、冷媒と車室内へ送風される空気とを熱交換させて空気を冷却する蒸発器5と、蒸発器5に内気と外気とを切替導入する内外気切替手段6bと、圧縮機1の作動を制御する制御手段32とを備え、圧縮機1は、車両が停車するとエンジン20を自動停止させるアイドルストップ時に停止するようになっており、制御手段32は、アイドルストップ時に蒸発器5の温度TEが再起動温度TESよりも高くなった場合、圧縮機1を再起動させ、内外気切替手段6bが蒸発器5に内気を導入している場合、乗車人数に応じて再起動温度TESを変更する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に用いられる空調装置に関するものである。
従来、特許文献1には、アイドルストップ車に搭載された車両用空調装置において、アイドルストップ停車時に圧縮機を停止させ、その後、蒸発器の温度が所定温度よりも高くなった場合に圧縮機を再駆動させるようにした車両用空調装置が記載されている。
この従来技術では、蒸発器の温度分布偏差が大きいほど、上述の所定温度を低い温度に可変して設定する。これにより、蒸発器の冷媒流れ下流部において、凝縮水に溶解していた臭い成分が離脱するほど温度上昇してしまうことを抑制できる。また、温度分布偏差が小さい場合には、上述の所定温度を高い温度に可変して設定するので、圧縮機を停止させてから再駆動するまでの時間を長くして燃費を向上できる。
特開2004−98975号公報
上記従来技術では、アイドルストップ停車時に圧縮機を停止させていても、送風機によって蒸発器に空気が送風される。このとき、蒸発器に流入する空気の湿度が高い場合、蒸発器表面の凝縮水が乾きにくくなるので、凝縮水に溶解していた臭い成分が離脱するまでの時間が長くなる。
しかしながら、上記従来技術によると、上述の所定温度を設定する際に、蒸発器に流入する空気の湿度を何ら考慮していないので、蒸発器がまだ乾いておらず臭いがまだ発生しない状態であるにもかかわらず圧縮機を再駆動してしまうことが起こり得る。そのため、圧縮機を無駄に駆動して燃費を悪化させてしまうことが起こり得る。
本発明は上記点に鑑みて、蒸発器からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1ないし4に記載の発明では、
少なくともエンジン(20)によって駆動され、冷凍サイクル(R)の冷媒を吸入して吐出する圧縮機(1)と、
圧縮機(1)から吐出された冷媒が循環し、冷媒と車室内へ送風される空気とを熱交換させて空気を冷却する蒸発器(5)と、
蒸発器(5)に内気と外気とを切替導入する内外気切替手段(6b)と、
圧縮機(1)の作動を制御する制御手段(32)とを備え、
圧縮機(1)は、車両が停車するとエンジン(20)を自動停止させるアイドルストップ時に停止するようになっており、
制御手段(32)は、アイドルストップ時に蒸発器(5)の温度(TE)が再起動温度(TES)よりも高くなった場合、圧縮機(1)を再起動させる。
そして、乗車人数が多いほど乗員の呼気や発汗の量が多くなって内気の湿度が上昇することに鑑みて、請求項1に記載の発明では、
制御手段(32)は、内外気切替手段(6b)が蒸発器(5)に内気を導入している場合、乗車人数に応じて再起動温度(TES)を変更することを特徴とする。
これによると、蒸発器(5)に内気を導入している場合、乗車人数に応じて再起動温度(TES)を変更するので、蒸発器(5)に導入される空気の湿度に応じて圧縮機(1)を再起動するタイミングを変更できる。そのため、蒸発器(5)からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、
制御手段(32)は、内外気切替手段(6b)が蒸発器(5)に内気を導入している場合、乗車人数に応じて再起動時間(ts)を変更することを特徴とする。
これによると、乗車人数が多いほど乗員の呼気や発汗の量が多くなって内気の湿度が上昇することに鑑みて、蒸発器(5)に内気を導入している場合、乗車人数に応じて再起動時間(ts)を変更するので、蒸発器(5)に導入される空気の湿度に応じて圧縮機(1)を再起動するタイミングを変更できる。そのため、蒸発器(5)からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
請求項3に記載の発明では、
制御手段(32)は、内外気切替手段(6b)が蒸発器(5)に内気を導入している場合において、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して再起動温度(TES)を高くすることを特徴とする。
これによると、蒸発器(5)に内気を導入している場合において、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して再起動温度(TES)を高くするので、圧縮機(1)を再起動するタイミングを遅くできる。そのため、蒸発器(5)からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、
制御手段(32)は、内外気切替手段(6b)が蒸発器(5)に内気を導入している場合において、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して再起動時間(ts)を長くすることを特徴とする。
これによると、蒸発器(5)に内気を導入している場合において、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器(5)に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して再起動時間(ts)を長くするので、圧縮機(1)を再起動するタイミングを遅くできる。そのため、蒸発器(5)からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。 第1実施形態における車両用空調装置の制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における乗車人数と再起動温度との関係等を説明する説明図である。 第2実施形態における車両用空調装置の制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における乗車人数と再起動温度との関係等を説明する説明図である。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、車両用空調装置は、冷凍サイクルRを備えている。冷凍サイクルRは、圧縮機1、凝縮器2、受液器3、膨張弁4および蒸発器5等から構成されている。
圧縮機1は、冷凍サイクルRの冷媒を吸入して吐出する。凝縮器2は、圧縮機1から吐出された気相冷媒(高圧側冷媒)と外気とを熱交換させることによって気相冷媒を凝縮させる熱交換器である。
受液器3は、凝縮器2で凝縮された冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を蓄える。膨張弁4は、受液器3から流出した液相冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。蒸発器5は、膨張弁4で減圧膨張された気液2相冷媒(低圧側冷媒)と車室内へ送風される空気とを熱交換させることによって液相冷媒を蒸発させるとともに空気を冷却する低圧側熱交換器(冷却用熱交換器)である。
蒸発器5は、空調ケース6の内部に収容されている。空調ケース6は車室内へ向かって空気が流れる空気通路を形成するものであって、空調ケース6内の空気通路に蒸発器5が配置されている。この蒸発器5は空調空気を冷却する冷房用熱交換器であって、膨張弁4からの低圧の気液2相冷媒が送風機7の送風空気から吸熱して蒸発することにより空気を冷却する。
空調ケース6内の空気通路には送風機7が配置されている。送風機7は遠心式送風ファン7aとファン駆動用モータ7bを有している。送風機7の吸入口には内外気切替箱6aを通じて外気または内気が吸入される。
内外気切替箱6aには、空調ケース6内に内気を導入させる内気導入口、および外気を導入させる外気導入口が形成されている。内外気切替装置33の内部には内外気切替ドア6bが配置されている。
内外気切替ドア6bは、内気導入口および外気導入口の開口面積を連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる。内外気切替ドア6bは、空調ケース6内に内気と外気とを切替導入する内外気切替手段である。
空調ケース6内の空気通路において蒸発器5の下流側にはヒータコア8が配置されている。ヒータコア8には、エンジン20の冷却水(温水)が循環するようになっている。ヒータコア8は、エンジン20の冷却水を熱源として蒸発器5通過後の空気を加熱する加熱用熱交換器である。
空調ケース6内においてヒータコア8の側方(上方)にはバイパス通路8aが形成されている。空調ケース6内の空気通路において蒸発器5とヒータコア8との間にはエアミックスドア9が配置されている。エアミックスドア9は、回動可能な板状の部材であり、バイパス通路8aを通過する冷風とヒータコア8を通過する温風との風量割合を調整する。エアミックスドア9はサーボモータ9aによって駆動される。
バイパス通路8aを通過した冷風とヒータコア8を通過した温風とが混合することによって所望温度になった空気は、デフロスタ開口部14、フェイス開口部15およびフット開口部16を経て車室内の各部(窓ガラス内面、乗員上半身側、乗員足元側)に吹き出される。
デフロスタ開口部14、フェイス開口部15およびフット開口部16は、吹出モード切替ドア11、12、13により開閉される。吹出モード切替ドア11、12、13は、サーボモータ(図示せず)によって駆動される。
エンジン20は、車両走行用の駆動源および圧縮機1の駆動源となる。圧縮機1はエンジン20によって駆動される。すなわち、エンジン20の作動時(車両走行中)には、エンジン20によって圧縮機1を駆動するが、停車時等のエンジン20の停止時には、圧縮機1が駆動されずに停止する。
具体的には、エンジン20のクランクシャフトにクランクプーリ23が備えられ、圧縮機1のプーリ1aに電磁クラッチ25が備えられている。エンジン20の回転は、クランクプーリ23およびベルト24を介して圧縮機1のプーリ1aに伝達される。電磁クラッチ25は、クランクプーリ23から圧縮機1への回転伝達を断続する。
圧縮機1は、吐出容量(圧縮機1回転当たりの冷媒吐出量)を変化させることができる可変容量型圧縮機である。可変容量型圧縮機は、回転軸に連結された斜板を有し、この斜板の回転により冷媒の吸入、圧縮、吐出を行うピストンを往復動させる。
圧縮機1は、斜板に作用する制御圧力を調整する電磁式圧力制御装置1bを有し、電磁式圧力制御装置1bの電磁コイルに供給する電流量Inによって制御圧力を調整するようになっている。この制御圧力の調整により、斜板の傾斜角度を変えてピストンのストロークを変化させて吐出容量を変化させることができる。電磁式圧力制御装置1bの電磁コイルに供給する電流量Inは、連続制御、デューティ制御のいずれで制御してもよい。
エンジン20を構成する各種エンジン構成機器は、エンジン制御部30の出力側に接続されている。例えば、各種エンジン構成機器は、エンジン20を始動させるスタータ、エンジン20に燃料を供給する燃料噴射弁の駆動回路等である。
内外気切替ドア6b、送風機7、エアミックスドア9、吹出モード切替ドア11、12、13、圧縮機1の電磁式圧力制御装置1bおよび電磁クラッチ25等の空調用構成機器は、空調制御部32の出力側に接続されている。空調制御部32は、圧縮機1の作動を制御する制御手段である。
エンジン制御部30および空調制御部32はマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されるもので、各制御部相互の間で信号を通信し合うようになっている。これらの制御部30、32には車載蓄電池50からエンジン20のイグニッションスイッチ51を介して電源を供給するようになっている。
空調制御部32には、入力センサとして、外気温Tamを検出する外気温センサ33、車室内温度Trを検出する内気温センサ34、車室内への日射量Tsを検出する日射センサ35、蒸発器5の冷却度合としての吹出空気温度(蒸発器温度)TEを検出する蒸発器温度センサ36、ヒータコア8の温水温度Twを検出する水温センサ37、電磁式圧力制御装置1bの電磁コイルに供給する電流量Inを検出する冷媒流量センサ44、車速SPDを検出する車速センサ45等が接続されている。
車速センサ45からの信号は、エンジン制御部30を介して空調制御部32に入力されるようにしてもよい。
車室内の計器盤近傍に配置された空調操作パネル38には、車室内の設定温度Tsetを設定する温度設定器39、圧縮機1の断続信号を出すエアコンスイッチ40、吹出モードの切替信号を出す吹出モードスイッチ41、送風機7の風量切替信号を出す風量切替スイッチ42、内外気切替信号を出す内外気切替スイッチ43等の操作部材が設けられ、これらの操作部材の操作信号も空調制御部32に入力される。
次に、上記構成における作動を説明する。図2は、本実施形態の車両用空調装置の空調制御部32が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、図2のフローチャートは図示しない空調制御のメインルーチンのサブルーチンとして実行される。空調制御のメインルーチンは、イグニッションスイッチ51の投入によりスタートする。図2の各制御ステップは、空調制御部32が有する各種の機能実現手段を構成している。
まずステップS100では、アイドルストップ中であるか否かを判定する。アイドルストップは、車両が停車し且つ所定の条件を満たしたときにエンジン制御部30がエンジン20を自動停止させる制御のことである。アイドルストップ中においては、エンジン20が圧縮機1を駆動しなくなるので圧縮機1が停止する。この場合、送風機7は作動を継続するので、蒸発器5への送風が継続される。
アイドルストップ中でないと判定した場合、ステップS100を繰り返す。一方、アイドルストップ中であると判定した場合、ステップS110へ進み、吸込口モードが内気モードであるか否かを判定する。内気モードでは、内外気切替箱は空調ケース6内の空気通路に内気を導入させる。
内気モードであると判定した場合、ステップS120に進み、乗車人数(乗員数)を検出する。具体的には、シート荷重センサやシートベルトバックルセンサの検出信号に基づいて乗車人数を推定する。
シート荷重センサは、車両の各シートに配置され、シートに着座した乗員の体重を検出する。シート荷重センサが検出した荷重が所定値以上の場合、その座席に乗員が着座していると推定できる。
シートベルトバックルセンサは、シートベルトのバックルに配置され、シートベルトのバックルにシートベルトのタング(T字状の金具)が差し込まれているか否かを検出する。バックルにタングが差し込まれている場合、その座席に乗員が着座していると推定できる。
続くステップS130では、ステップS120で推定した乗車人数に基づいて再起動温度TESを決定する。再起動温度TESは、蒸発器5が乾燥して臭いが発生する可能性が生じる蒸発器温度である。
具体的には、図3に示すように、乗車人数が多いほど、再起動温度TESを高い温度に決定する。すなわち、乗車人数が多いほど乗員の呼気や発汗の量が多くなって内気の湿度が上昇するので、内気の湿度が高いほど再起動温度TESが高い温度に決定される。換言すれば、蒸発器5に導入される空気の湿度が高いほど再起動温度TESが高い温度に決定される。
続くステップS140では、蒸発器温度TEが再起動温度TESを超過したか否かを判定する。蒸発器温度TEが再起動温度TESを超過していないと判定した場合、ステップS140を繰り返す。
一方、蒸発器温度TEが再起動温度TESを超過したと判定した場合、ステップS150へ進み、アイドルステップ解除要求をエンジン制御部30に出力する。これにより、エンジン制御部30がアイドルステップを解除してエンジン20を再起動する。その結果、エンジン20が圧縮機1を駆動するので圧縮機1が再起動する。
これにより、蒸発器温度TEが低下するので、蒸発器5表面の凝縮水が乾いて臭いが発生することを防止できる。
ステップS130で説明したように、再起動温度TESは、内気の湿度が高いほど高い温度に決定される。そのため、蒸発器5に導入される空気の湿度が高くて蒸発器5表面の凝縮水が乾きにくい場合に圧縮機1の再起動を遅らせて省燃費化を図ることができる。
ステップS110において吸込口モードが内気モードでないと判定した場合もステップS150へ進む。これにより、エンジン20および圧縮機1が再起動する。
本実施形態では、乗車人数が多いほど乗員の呼気や発汗の量が多くなって内気の湿度が上昇することに鑑みて、空調制御部32は、アイドルストップ時に蒸発器5の温度TEが再起動温度TESよりも高くなった場合、圧縮機1を再起動させる。そして、空調制御部32は、蒸発器5に内気を導入している場合、乗車人数に応じて再起動温度TESを変更する。
これによると、蒸発器5に導入される空気の湿度に応じて圧縮機1を再起動するタイミングを変更できる。そのため、蒸発器5からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
すなわち、空調制御部32は、蒸発器5に内気を導入している場合において、蒸発器5に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器5に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して再起動温度TESを高くする。
これによると、蒸発器5に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器5に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して圧縮機1を再起動するタイミングを遅くできる。そのため、蒸発器5からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
本実施形態では、内気の湿度を直接検出することなく、乗車人数に基づいて内気の湿度を推定して再起動温度TESを決定するので、内気の湿度を検出するための専用のセンサが不要である。乗車人数については、既存のシート荷重センサやシートベルトバックルセンサを利用して検出可能である。そのため、車両用空調装置の構成を簡素化できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、図4に示すように、上記第1実施形態のステップS130、S140をステップS131、S141に変更している。
ステップS131では、ステップS120で推定した乗車人数に基づいて再起動時間tsを決定する。再起動時間tsは、圧縮機1を停止してから、蒸発器5が乾燥して臭いが発生する可能性が生じるまでの経過時間である。
具体的には、図5に示すように、乗車人数が多いほど、再起動時間tsを長い時間に決定する。したがって、内気の湿度が高いほど再起動時間tsが長い時間に決定される。換言すれば、蒸発器5に導入される空気の湿度が高いほど再起動時間tsが長い時間に決定される。
図5の例では、外気温度が高いほど再起動時間tsが長い時間に決定される。したがって、車両窓ガラスが曇る可能性が低いほど再起動時間tsが長い時間に決定される。換言すれば、蒸発器5で空気を除湿することによって車両窓ガラスの曇りを防止する必要性が低いほど再起動時間tsが長い時間に決定される。
続くステップS141では、圧縮機1停止後の経過時間が再起動時間tsを超過したか否かを判定する。圧縮機1停止後の経過時間が再起動時間tsを超過していないと判定した場合、ステップS141を繰り返す。
一方、蒸発器温度TEが再起動時間tsを超過したと判定した場合、ステップS150へ進み、アイドルステップ解除要求をエンジン制御部30に出力する。これにより、エンジン制御部30がアイドルステップを解除してエンジン20を再起動する。その結果、エンジン20が圧縮機1を駆動するので圧縮機1が再起動する。
これにより、蒸発器温度TEが低下するので、蒸発器5表面の凝縮水が乾いて臭いが発生することを防止できる。
ステップS131で説明したように、再起動時間tsは、内気の湿度が高いほど長い時間に決定される。そのため、蒸発器5に導入される空気の湿度が高くて蒸発器5表面の凝縮水が乾きにくい場合に圧縮機1の再起動を遅らせて省燃費化を図ることができる。
本実施形態では、乗車人数が多いほど乗員の呼気や発汗の量が多くなって内気の湿度が上昇することに鑑みて、空調制御部32は、アイドルストップ時に圧縮機1が停止してからの経過時間が再起動時間tsを超えた場合、圧縮機1を再起動させる。そして、空調制御部32は、蒸発器5に内気を導入している場合、乗車人数に応じて再起動時間tsを変更する。
これによると、蒸発器5に導入される空気の湿度に応じて圧縮機1を再起動するタイミングを変更できる。そのため、蒸発器5からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
すなわち、空調制御部32は、蒸発器5に内気を導入している場合において、蒸発器5に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器5に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して再起動時間tsを長くする。
これによると、蒸発器5に導入される内気の湿度が高いと推定される場合、蒸発器5に導入される内気の湿度が低いと推定される場合と比較して圧縮機1を再起動するタイミングを遅くできる。そのため、蒸発器5からの臭い発生を抑制しつつ燃費を一層向上させることができる。
本実施形態においても、内気の湿度を検出するための専用のセンサが不要であり、乗車人数については、既存のシート荷重センサやシートベルトバックルセンサを利用して検出可能である。そのため、車両用空調装置の構成を簡素化できる。
(他の実施形態)
上記実施形態を適宜組み合わせ可能である。上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。
(1)上記実施形態では、乗車人数に応じて再起動温度TESまたは再起動時間tsを変更するが、天候、季節、乗員の体格等に応じて再起動温度TESまたは再起動時間tsを変更してもよい。
例えば、日射センサ35やレインセンサの検出結果に基づいて雨天であるか否かを判定し、雨天であると判定した場合、再起動温度TESを高い温度に決定、または再起動時間tsを長い時間に決定してもよい。
例えば、外気温度等の情報に基づいて、湿度が高い夏期、湿度が低い冬期、中間期である春秋期のいずれであるかを判定し、湿度が高い季節であると判定した場合、再起動温度TESと高い温度に決定、または再起動時間tsを長い時間に決定してもよい。
例えば、シート荷重センサの検出結果に基づいて乗員が大人、子供のいずれであるかを判定し、発汗量の多い大人であると判定した場合、再起動温度TESを高い温度に決定、または再起動時間tsを長い時間に決定してもよい。
(2)上記実施形態では、圧縮機1はエンジン20によって駆動されるようになっているが、圧縮機1は電動モータによって駆動されるようになっていてもよい。
(3)上記実施形態では、走行用の駆動力をエンジン20から得る自動車に車両用空調装置を適用しているが、走行用の駆動力をエンジン20および走行用電動モータから得るハイブリッド自動車に車両用空調装置を適用してもよい。
(4)上記実施形態の車両用空調装置は、乗用車のみならずバスやトラック等の種々の車両に適用可能である。
1 圧縮機
5 蒸発器
6b 内外気切替ドア(内外気切替手段)
20 エンジン
32 空調制御部(制御手段)
R 冷凍サイクル

Claims (4)

  1. 少なくともエンジン(20)によって駆動され、冷凍サイクル(R)の冷媒を吸入して吐出する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された前記冷媒が循環し、前記冷媒と車室内へ送風される空気とを熱交換させて前記空気を冷却する蒸発器(5)と、
    前記蒸発器(5)に内気と外気とを切替導入する内外気切替手段(6b)と、
    前記圧縮機(1)の作動を制御する制御手段(32)とを備え、
    前記圧縮機(1)は、車両が停車すると前記エンジン(20)を自動停止させるアイドルストップ時に停止するようになっており、
    前記制御手段(32)は、
    前記アイドルストップ時に前記蒸発器(5)の温度(TE)が再起動温度(TES)よりも高くなった場合、前記圧縮機(1)を再起動させ、
    前記内外気切替手段(6b)が前記蒸発器(5)に前記内気を導入している場合、乗車人数に応じて前記再起動温度(TES)を変更することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 少なくともエンジン(20)によって駆動され、冷凍サイクル(R)の冷媒を吸入して吐出する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された前記冷媒が循環し、前記冷媒と車室内へ送風される空気とを熱交換させて前記空気を冷却する蒸発器(5)と、
    前記蒸発器(5)に内気と外気とを切替導入する内外気切替手段(6b)と、
    前記圧縮機(1)の作動を制御する制御手段(32)とを備え、
    前記圧縮機(1)は、車両が停車すると前記エンジン(20)を自動停止させるアイドルストップ時に停止するようになっており、
    前記制御手段(32)は、
    前記アイドルストップ時に前記圧縮機(1)が停止してからの経過時間が再起動時間(ts)を超えた場合、前記圧縮機(1)を再起動させ、
    前記内外気切替手段(6b)が前記蒸発器(5)に前記内気を導入している場合、乗車人数に応じて前記再起動時間(ts)を変更することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 少なくともエンジン(20)によって駆動され、冷凍サイクル(R)の冷媒を吸入して吐出する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された前記冷媒が循環し、前記冷媒と車室内へ送風される空気とを熱交換させて前記空気を冷却する蒸発器(5)と、
    前記蒸発器(5)に内気と外気とを切替導入する内外気切替手段(6b)と、
    前記圧縮機(1)の作動を制御する制御手段(32)とを備え、
    前記圧縮機(1)は、車両が停車すると前記エンジン(20)を自動停止させるアイドルストップ時に停止するようになっており、
    前記制御手段(32)は、
    前記アイドルストップ時に前記蒸発器(5)の温度(TE)が再起動温度(TES)よりも高くなった場合、前記圧縮機(1)を再起動させ、
    前記内外気切替手段(6b)が前記蒸発器(5)に前記内気を導入している場合において、前記蒸発器(5)に導入される前記内気の湿度が高いと推定される場合、前記蒸発器(5)に導入される前記内気の湿度が低いと推定される場合と比較して前記再起動温度(TES)を高くすることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 少なくともエンジン(20)によって駆動され、冷凍サイクル(R)の冷媒を吸入して吐出する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された前記冷媒が循環し、前記冷媒と車室内へ送風される空気とを熱交換させて前記空気を冷却する蒸発器(5)と、
    前記蒸発器(5)に内気と外気とを切替導入する内外気切替手段(6b)と、
    前記圧縮機(1)の作動を制御する制御手段(32)とを備え、
    前記圧縮機(1)は、車両が停車すると前記エンジン(20)を自動停止させるアイドルストップ時に停止するようになっており、
    前記制御手段(32)は、
    前記アイドルストップ時に前記蒸発器(5)の温度(TE)が再起動温度(TES)よりも高くなった場合、前記圧縮機(1)を再起動させ、
    前記内外気切替手段(6b)が前記蒸発器(5)に前記内気を導入している場合において、前記蒸発器(5)に導入される前記内気の湿度が高いと推定される場合、前記蒸発器(5)に導入される前記内気の湿度が低いと推定される場合と比較して前記再起動時間(ts)を長くすることを特徴とする車両用空調装置。
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