JP2016087954A - 液体噴射装置 - Google Patents

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JP2016087954A JP2014225851A JP2014225851A JP2016087954A JP 2016087954 A JP2016087954 A JP 2016087954A JP 2014225851 A JP2014225851 A JP 2014225851A JP 2014225851 A JP2014225851 A JP 2014225851A JP 2016087954 A JP2016087954 A JP 2016087954A
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和行 藤岡
Kazuyuki Fujioka
和行 藤岡
俊広 新原
Toshihiro Niihara
俊広 新原
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Abstract

【課題】払拭部によってノズル開口面を払拭する際に、無機物によってノズル開口面におけるノズル群が配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化したりすることを抑制することができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクジェット式プリンターは、前後方向に並ぶ複数のノズル30からなるノズル群が左右方向に間隔をおいて5つ配置されたノズルプレート32を有し、第1〜第5ノズル群31A〜31Eごとに異なる色のインクをインク滴として噴射可能な液体噴射ヘッド19と、左右方向において液体噴射ヘッドと隣り合うように配置され、ノズルからのインク滴の噴射に伴って生じるミストを静電吸引可能な第1電極41及び第2電極42と、ノズルプレートのノズル開口面32aを払拭可能なワイパー25とを備える。5つのノズル群のうちで第1電極及び第2電極に最も近い位置にある第1及び第5ノズル群からは、無機顔料を含むインクが噴射される。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置に関する。
一般に、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンターは、ノズル開口面に複
数のノズルが開口した液体噴射ヘッドを備えており、各ノズルから記録媒体に対してイン
ク(液体)を噴射することで印刷を行うようになっている。こうしたプリンターでは各ノ
ズルからのインクの噴射に伴ってミストが生じるため、従来からこのようなミストを吸引
するミスト吸引手段を備えたプリンターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このミスト吸引手段は、記録媒体を乾燥させるための加熱手段の発熱面の縁部に配置さ
れた電極部材と電位差発生手段とを有しており、電極部材とノズル開口面との間に電位差
を発生させて電極部材にミストを静電吸着させることで、浮遊するミストが発熱面の中心
部に付着することを抑制している。
特開2009−241578号公報
ところで、上述のようなプリンターにおいてインクに無機顔料(例えば、カーボンブラ
ックなどの無機物)を含んだ顔料インクを用いた場合には、各ノズルからのインクの噴射
に伴って生じるミスト中にも無機顔料が含まれる。そして、この顔料インクのミストがノ
ズル開口面に付着した状態で、払拭部によってノズル開口面に付着した顔料インクを払拭
した場合には、顔料インク中の無機顔料によってノズル開口面におけるノズルが配置され
た領域が傷付けられたり表面状態が変化したりすることにより、ノズルからの正常なイン
クの噴射ができなくなるという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その
目的とするところは、無機物が付着した状態のノズル群が配置された領域を、払拭部によ
って払拭することによって、ノズルからの正常なインクの噴射ができなくなってしまうこ
とを抑制することが可能な液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、第1方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル群が
前記第1方向と交差する第2方向に間隔をおいて複数配置されたノズル形成部材を有し、
前記ノズル群ごとに異なる種類の液体を液滴として噴射可能な液体噴射部と、前記第2方
向において前記液体噴射部と隣り合うように配置され、前記ノズルからの液滴の噴射に伴
って生じるミストを静電吸引可能なミスト吸引部と、少なくとも前記ノズル形成部材のノ
ズル開口面を払拭可能な払拭部と、を備え、前記複数のノズル群のうちで最も前記ミスト
吸引部に近い位置にあるノズル群からは、無機物を含む液体が噴射される。
この構成によれば、ミスト吸引部によって無機物を含む液体のミストが吸引されるので
、当該ミストがノズル開口面におけるノズル群が配置された領域に付着し難くなる。この
ため、無機物が付着した状態のノズル群が配置された領域を、払拭部によって払拭するこ
とによって、ノズルからの正常なインクの噴射ができなくなってしまうことを抑制するこ
とが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記ミスト吸引部には、前記ミストを吸引する電界が、前
記ノズル形成部材における前記第2方向の中央部に配置された前記ノズル群に及ばない一
方で前記無機物を含む液体が噴射されるノズル群に及ぶ程度の電圧が印加されることが好
ましい。
この構成によれば、ミストを吸引する電界が、ノズル形成部材における第2方向の中央
部に配置されたノズル群に及ぶように電圧を印加する場合よりも低い電圧の印加で、無機
物を含むミストを静電吸引することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記ミスト吸引部は、前記第2方向における前記液体噴射
部の両側に当該液体噴射部と隣り合うようにそれぞれ配置され、前記液体噴射部における
前記第2方向の両端部に位置する2つのノズル群からは、無機物を含む液体がそれぞれ噴
射されることが好ましい。
この構成によれば、2つのミスト吸引部によって液体噴射部における第2方向の両端部
に位置する2つのノズル群から噴射される無機物を含む液体のミストが吸引されるので、
当該ミストがノズル開口面におけるノズル群が配置された領域に付着し難くなる。このた
め、払拭部によってノズル開口面を払拭する際に、無機物によってノズル開口面における
ノズル群が配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化したりすることを抑制する
ことが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記無機物は、カーボンであることが好ましい。
この構成によれば、ミスト吸引部によって比較的硬いカーボンを含む液体のミストが吸
引されるので、当該ミストがノズル開口面におけるノズル群が配置された領域に付着し難
くなる。このため、払拭部によってノズル開口面を払拭する際に、カーボンによってノズ
ル開口面におけるノズル群が配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化したりす
ることを抑制することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記無機物は、酸化チタンであることが好ましい。
この構成によれば、ミスト吸引部によって比較的硬い酸化チタンを含む液体のミストが
吸引されるので、当該ミストがノズル開口面におけるノズル群が配置された領域に付着し
難くなる。このため、払拭部によってノズル開口面を払拭する際に、酸化チタンによって
ノズル開口面におけるノズル群が配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化した
りすることを抑制することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記払拭部は、前記ノズル開口面を当該ノズル開口面から
前記ミスト吸引部に向かって払拭することが好ましい。
この構成によれば、無機物を含む液体のミストに含まれる無機物がノズル群に摺接する
ことを抑制しつつノズル開口面に付着した液体を払拭することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記払拭部は、前記ノズル開口面を前記第1方向に払拭す
ることが好ましい。
この構成によれば、無機物を含む液体のミストに含まれる無機物がノズル群に摺接する
ことを低減しつつノズル開口面に付着した液体を払拭することが可能となる。
上記液体噴射装置において、前記液体噴射部は、前記ノズル開口面における外縁部を覆
うカバー部材を有していることが好ましい。
この構成によれば、無機物を含む液体が噴射されるノズル群とミスト吸引部との間にカ
バー部材が配置されるので、ミスト吸引部によって吸引される無機物を含むミストはカバ
ー部材に付着する。このため、払拭部によってノズル開口面を払拭した場合に、無機物に
よってカバー部材が傷付けられたり、表面状態が変化したりしても、無機物によってノズ
ル開口面におけるノズル群が配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化したりす
ることはほとんどなくなる。したがって、ノズルからの液体の噴射不良を低減することが
可能となる。
上記液体噴射装置において、前記ノズル開口面は、前記カバー部材よりも撥液性の高い
撥液膜によって覆われていることが好ましい。
この構成によれば、無機物を含む液体のミストがノズルの開口付近に付着し難くなるの
で、払拭部によりノズル開口面及びカバー部材に付着したミストをカバー部材側に集めな
がら払拭することができる。このため、無機物によってノズル開口面におけるノズル群が
配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化したりすることはほとんどなくなるの
で、ノズルからの液体の噴射不良を低減することが可能となる。
一実施形態のインクジェット式プリンターの斜視図。 同プリンターの要部を示す断面模式図。 図2の底面模式図。 変更例のノズル群を示す模式図。
以下、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態を図面に基
づいて説明する。
図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンター11は、略矩形
箱状をなすフレーム12を備えている。フレーム12内の下部には、その長手方向となる
左右方向に沿って支持台13が延設されている。支持台13上には、フレーム12の背面
下部に設けられた紙送りモーター14の駆動に基づき、図示しない紙送り機構により媒体
の一例としての記録用紙Pが左右方向と直交する前後方向に沿うように後方側から前方側
に向かって給送されるようになっている。
フレーム12内における支持台13の上方には、支持台13の長手方向となる左右方向
に沿ってガイド軸15が架設されている。ガイド軸15には、ガイド軸15の軸線方向と
なる左右方向に沿って往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。すなわち、キャ
リッジ16には左右方向に貫通するように支持孔16aが形成されており、支持孔16a
にガイド軸15が挿通されることにより、キャリッジ16がガイド軸15に沿って往復移
動可能になっている。
フレーム12の後壁内面におけるガイド軸15の両端部と対応する位置には、駆動プー
リー17a及び従動プーリー17bが回転自在に支持されている。駆動プーリー17aに
はキャリッジ16を往復移動させる際の駆動源となるキャリッジモーター18の出力軸が
連結されており、これら一対のプーリー17a,17bには一部がキャリッジ16に連結
された無端状のタイミングベルト17が巻き掛けられている。
したがって、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモータ
ー18の駆動力により無端状のタイミングベルト17を介してガイド軸15に沿って往復
移動される。なお、本実施形態では、キャリッジ16が往復移動する方向である主走査方
向が左右方向と一致している。
キャリッジ16の下部には液体の一例としてのインクをインク滴(液滴)として噴射可
能な液体噴射部の一例としての液体噴射ヘッド19が支持される一方、キャリッジ16上
には液体噴射ヘッド19に対してインクを供給するための複数(本実施形態では5つ)の
インクカートリッジ20a〜20eが着脱可能に装着されている。インクカートリッジ2
0a〜20eには、異なる色(種類)のインクが収容されている。
すなわち、インクカートリッジ20aにはホワイトインクが収容され、インクカートリ
ッジ20bにはイエローインクが収容され、インクカートリッジ20cにはマゼンタイン
クが収容され、インクカートリッジ20dにはシアンインクが収容され、インクカートリ
ッジ20eにはブラックインクが収容されている。本実施形態では、これらのインクに顔
料インクが用いられている。
イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクは、有機顔料をそれぞれ含有して
おり、無機物を含有していない。また、ホワイトインク及びブラックインクは、無機物の
一例としての無機顔料をそれぞれ含有している。
ホワイトインクには、白色の無機顔料として、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫
酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸や合成ケイ酸塩等のシ
リカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、及び酸化亜鉛等の
金属化合物、並びにタルク及びクレイ等を使用することができる。
特に酸化チタンは隠蔽性、着色性、及び分散粒径が好ましい白色顔料として知られてい
るため、本実施形態のホワイトインクは白色の無機顔料として酸化チタン(モース硬度は
5.5〜7.5)を含有している。また、本実施形態のブラックインクは黒色の無機顔料
としてカーボンブラック(モース硬度は1〜2)を含有している。
そして、インクカートリッジ20a〜20e内のインクは、液体噴射ヘッド19内に備
えられた図示しない圧電素子の駆動により、それぞれ液体噴射ヘッド19へと供給されて
支持台13上に給送された記録用紙Pに噴射される。これにより、記録用紙Pの印刷が行
われる。なお、フレーム12内の右端部(一端部)に位置する記録用紙Pと対応しないホ
ームポジション領域(非印刷領域)には、非印刷時に液体噴射ヘッド19のクリーニング
等のメンテナンスを行うためのメンテナンス機構23が設けられている。
図2及び図3に示すように、液体噴射ヘッド19は、第1方向である前後方向に並ぶ複
数のノズル30からなるノズル群31が第1方向と直交(交差)する第2方向である左右
方向に間隔をおいて複数(本実施形態では5つ)配置されたノズル形成部材の一例として
の矩形状をなすノズルプレート32を備えている。5つのノズル群31は、前後方向に沿
って直線状に並ぶ複数のノズル30によってそれぞれ構成され、左右方向に等間隔で平行
となるように配置されている。
5つのノズル群31は、左側から右側に向かって順に、ホワイトインクが噴射される第
1ノズル群31A、イエローインクが噴射される第2ノズル群31B、マゼンタインクが
噴射される第3ノズル群31C、シアンインクが噴射される第4ノズル群31D、ブラッ
クインクが噴射される第5ノズル群31Eとされている。したがって、5つのノズル群3
1からは、当該ノズル群31ごとに異なる色(種類)のインクがインク滴として噴射され
る。
ノズルプレート32の下面は各ノズル30が開口するノズル開口面32aとされ、ノズ
ル開口面32aはインクなどの液体を弾く撥液膜33によって覆われている。撥液膜33
のうち特に撥水性を有するものは、撥水膜と呼ばれる。また、液体噴射ヘッド19は、ノ
ズル開口面32aにおける外縁部及び各ノズル群31間を覆う金属製のカバー部材34を
備えている。カバー部材34は、ノズルプレート32を支持し、記録用紙Pが浮き上がっ
て各ノズル30に直接接触することを抑制する。そして、撥液膜33は、カバー部材34
よりも撥液性が高くなるように構成されている。
撥液膜33は、撥液性を有している膜であれば特に限定されず、例えば、撥液性を有す
る金属アルコキシドの分子膜を成膜し、その後、乾燥処理、アニール処理等を経て形成す
ることができる。金属アルコキシドの分子膜は撥液性を有していればいかなるものでもよ
いが、フッ素を含む長鎖高分子基(長鎖RF基)を有する金属アルコキシドの単分子膜又
は撥液基(例えば、フッ素を含む長鎖高分子基)を有する金属酸塩の単分子膜であること
が望ましい。
金属アルコキシドとしては、特に限定されないが、その金属種としては、例えば、ケイ
素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムが一般的に用いられる。長鎖RF基としては、
例えば、パーフルオロアルキル鎖、パーフルオロポリエーテル鎖が挙げられる。この長鎖
RF基を有するアルコキシシランとして、例えば、長鎖RF基を有するシランカップリン
グ剤等が挙げられる。撥液膜33としては、特に限定されず、例えばSCA(silane cou
pling agent)膜や、特許第4424954号に記載されたものも用いることができる。
また、撥液膜33は、ノズル30が形成されたノズルプレート32に導電膜を形成し、
その導電膜上に形成してもよいが、先にシリコン材料をプラズマ重合することにより下地
膜(PPSi(Plasma Polymerization Silicone)膜)を成膜し、この下地膜上に形成し
てもよい。この下地膜によりノズルプレート32のシリコン材料と撥液膜33とを馴染ま
せることができる。
撥液膜33は、1nm以上30nm以下の厚さを有することが好ましく、1nm以上2
0nm以下の厚さを有することがより好ましく、1nm以上15nm以下の厚さを有する
ことがさらに好ましい。撥液膜33の厚さを上記範囲とすることにより、ノズル開口面3
2aがより撥液性に優れたものとなる。さらに、撥液膜33の厚さを上記範囲とすること
により、撥液膜33の劣化が比較的遅くなり、より長期間の撥液性を維持できる。加えて
、コスト的にも膜形成の容易さにも、より優れたものとなる。
図1及び図2に示すように、メンテナンス機構23は、有底四角箱状をなすキャップ2
4と、少なくともノズルプレート32のノズル開口面32aを払拭可能な払拭部の一例と
してのワイパー25と、ワイパー25及びキャップ24をそれぞれ昇降する図示しない昇
降装置とを備えている。そして、キャリッジ16をホームポジション領域に移動させた状
態で、キャップ24を上昇させると、キャップ24が各ノズル30を囲うように液体噴射
ヘッド19のカバー部材34に当接して液体噴射ヘッド19との間で閉空間を形成する。
ワイパー25は、ゴムやエラストマーなどの可撓性材料によって矩形板状をなすように
形成されている。そして、ワイパー25をその先端部が液体噴射ヘッド19のカバー部材
34に対して接触するように上昇させた状態でキャリッジ16を左右方向に移動させるこ
とで、液体噴射ヘッド19のカバー部材34やノズルプレート32の撥液膜33(ノズル
開口面32a)がワイパー25によって払拭される。
図2及び図3に示すように、キャリッジ16の下面には、各ノズル30からのインク滴
の噴射に伴って生じるミストを静電吸引可能なミスト吸引部の一例としての第1電極41
及び第2電極42が液体噴射ヘッド19の左右方向の両側に液体噴射ヘッド19と隣り合
うように設けられている。すなわち、第1電極41及び第2電極42は、共に直方体状を
なしており、液体噴射ヘッド19を左右方向に挟んで対向するように配置されている。
したがって、5つのノズル群31のうちで、白色の無機顔料(無機物)を含むホワイト
インクが噴射される第1ノズル群31Aは第1電極41に最も近い位置にあり、黒色の無
機顔料(無機物)を含むブラックインクが噴射される第5ノズル群31Eは第2電極42
に最も近い位置にある。すなわち、5つのノズル群31のうちで、液体噴射ヘッド19に
おける左右方向の両端部に位置する2つのノズル群31である第1ノズル群31A及び第
5ノズル群31Eからは無機顔料(無機物)を含むインクがそれぞれ噴射される。なお、
図2においては、インク滴を涙形の図形で表し、ミストをドットによって表している。
図2に示すように、インクジェット式プリンター11(図1参照)は、インクジェット
式プリンター11を統括的に制御する制御部43を備えている。液体噴射ヘッド19は、
アース線44を介して接地(アース)されている。第1電極41及び第2電極42は、第
1電線45及び第2電線46を介してそれぞれ電源47に接続されている。第1電線45
の途中位置には、第1電極41と電源47との間で電気的に切断(OFF)したり接続(
ON)したりするための第1スイッチ回路48が設けられている。
第2電極42の途中位置には、第2電極42と電源47との間で電気的に切断(OFF
)したり接続(ON)したりするための第2スイッチ回路49が設けられている。制御部
43は、第1スイッチ回路48及び第2スイッチ回路49とそれぞれ電気的に接続されて
おり、第1スイッチ回路48及び第2スイッチ回路49をそれぞれON状態とOFF状態
との間で切替制御する。
そして、第1スイッチ回路48をON状態にした場合、第1電極41には、次のような
電圧が印加される。すなわち、第1電極41には、各ノズル30からのインク滴の噴射に
伴って生じるミストを静電吸引する電界D1が、ノズルプレート32のおける左右方向の
中央部に配置された第2〜第4ノズル群31B〜31Dに及ばない一方で白色の無機顔料
を含むインクが噴射される第1ノズル群31Aに及ぶ程度の電圧が印加される。
また、第2スイッチ回路49をON状態にした場合、第2電極42には、次のような電
圧が印加される。すなわち、第2電極42には、各ノズル30からのインク滴の噴射に伴
って生じるミストを静電吸引する電界D2が、ノズルプレート32のおける左右方向の中
央部に配置された第2〜第4ノズル群31B〜31Dに及ばない一方で黒色の無機顔料を
含むインクが噴射される第5ノズル群31Eに及ぶ程度の電圧が印加される。
次に、インクジェット式プリンター11で記録用紙Pの印刷を行う際の作用について説
明する。
さて、制御部43は、外部機器などから送信された印刷データを受信すると、当該印刷
データに基づいて印刷命令を出す。これにより、キャリッジ16が左右方向に往復移動さ
れながら液体噴射ヘッド19の第1〜第5ノズル群31A〜31Eのそれぞれのノズル3
0から支持台13上に給送された記録用紙Pにインク滴が噴射されて記録用紙Pの印刷が
行われる。このとき、液体噴射ヘッド19の周囲には、インク滴の噴射に伴うミストが漂
っている。
そして、記録用紙Pの印刷が完了すると、制御部43は、第1スイッチ回路48及び第
2スイッチ回路49をON状態にする。すると、第1電極41と液体噴射ヘッド19との
間、及び第2電極42と液体噴射ヘッド19との間にそれぞれ電圧が印加される。
このとき、第1電極41と液体噴射ヘッド19との間に生じる電界D1は、ノズルプレ
ート32における左右方向の中央部に配置された第2〜第4ノズル群31B〜31Dに及
ばない一方で白色の無機顔料である酸化チタンを含むホワイトインクが噴射される第1ノ
ズル群31Aに及ぶ。さらにこのとき、第2電極42と液体噴射ヘッド19との間に生じ
る電界D2は、ノズルプレート32における左右方向の中央部に配置された第2〜第4ノ
ズル群31B〜31Dに及ばない一方で黒色の無機顔料であるカーボンブラックを含むブ
ラックインクが噴射される第5ノズル群31Eに及ぶ。
したがって、酸化チタン(無機物)を含むホワイトインクのミストは、電界D1によっ
て第1電極41側に静電吸引されるので、カバー部材34の表面における第1ノズル群3
1Aと第1電極41との間の部分や第1電極41に対して主に付着する。一方、カーボン
ブラック(無機物)を含むブラックインクのミストは、電界D2によって第2電極42側
に静電吸引されるので、カバー部材34の表面における第5ノズル群31Eと第2電極4
2との間の部分や第2電極42に対して主に付着する。
その後、キャリッジ16をホームポジション領域側に移動させて、液体噴射ヘッド19
の下面(印刷時における記録用紙Pとの対向面)における第3ノズル群31Cと対応する
位置にワイパー25の先端部を接触させた状態でキャリッジ16をホームポジション領域
側である右側に移動させる。すると、液体噴射ヘッド19の下面がワイパー25によって
ノズル開口面32a側(右側)から第1電極41側(左側)に向かって払拭される。
このとき、ノズル開口面32aを覆う撥液膜33よりも硬い酸化チタン(無機物)を含
むホワイトインクのミストの大半は、液体噴射ヘッド19の下面の左端部(カバー部材3
4の表面における第1ノズル群31Aと第1電極41との間の部分)に付着している。こ
のため、ワイパー25による払拭時に、ワイパー25に付着した酸化チタンがワイパー2
5によって撥液膜33上に押し付けられながら摺動することが抑制される。
引き続き、キャリッジ16をホームポジション領域側に移動させて、液体噴射ヘッド1
9の下面(印刷時における記録用紙Pとの対向面)における第3ノズル群31Cと対応す
る位置にワイパー25の先端部を接触させた状態でキャリッジ16を印刷領域側である左
側に移動させる。すると、液体噴射ヘッド19の下面がワイパー25によってノズル開口
面32a側(左側)から第2電極42側(右側)に向かって払拭される。
このとき、ノズル開口面32aを覆う撥液膜33よりも硬いカーボンブラック(無機物
)を含むブラックインクのミストの大半は、液体噴射ヘッド19の下面の右端部(カバー
部材34の表面における第5ノズル群31Eと第2電極42との間の部分)に付着してい
る。このため、ワイパー25による払拭時に、ワイパー25に付着したカーボンブラック
がワイパー25によって撥液膜33上に押し付けられながら摺動することが抑制される。
このように、ワイパー25によって液体噴射ヘッド19の下面(ノズル開口面32a)
を払拭する際に、酸化チタン及びカーボンブラックによってノズル開口面32a(撥液膜
33)におけるノズル群31が配置された領域が傷付けられることが抑制される。この結
果、ノズル群31の各ノズル30からのインクの噴射不良が低減される。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)液体噴射ヘッド19の5つのノズル群31のうちで、最も第1電極41に近い位
置にある第1ノズル群31Aからは酸化チタン(無機物)を含むホワイトインクが噴射さ
れ、最も第2電極42に近い位置にある第5ノズル群31Eからはカーボンブラック(無
機物)を含むブラックインクが噴射される。すなわち、液体噴射ヘッド19の5つのノズ
ル群31のうち液体噴射ヘッド19における左右方向の両端部に位置する第1ノズル群3
1A及び第5ノズル群31Eからは、酸化チタン(無機物)を含むホワイトインク及びカ
ーボンブラック(無機物)を含むブラックインクがそれぞれ噴射される。このため、第1
電極41及び第2電極42によって第1ノズル群31A及び第5ノズル群31Eからそれ
ぞれ噴射される酸化チタン(無機物)を含むホワイトインクのミスト及びカーボンブラッ
ク(無機物)を含むブラックインクのミストをそれぞれ静電吸引することができる。した
がって、これらのミストがノズル開口面32a(撥液膜33)におけるノズル群31が配
置された領域に付着することを抑制することができる。よって、ワイパー25によってノ
ズル開口面32a(撥液膜33)を払拭する際に、酸化チタン及びカーボンブラックによ
ってノズル開口面32a(撥液膜33)におけるノズル群31が配置された領域が傷付け
られたり、表面状態が変化したりすることを抑制することができる。この結果、ノズル群
31の各ノズル30からの正常なインクの噴射ができなくなってしまうことを抑制できる
(2)第1電極41には、各ノズル30からのインク滴の噴射に伴って生じるミストを
静電吸引する電界D1が、ノズルプレート32における左右方向の中央部に配置された第
2〜第4ノズル群31B〜31Dに及ばない一方で酸化チタン(無機物)を含むインクが
噴射される第1ノズル群31Aに及ぶ程度の電圧が印加される。加えて、第2電極42に
は、各ノズル30からのインク滴の噴射に伴って生じるミストを静電吸引する電界D2が
、ノズルプレート32における左右方向の中央部に配置された第2〜第4ノズル群31B
〜31Dに及ばない一方でカーボンブラック(無機物)を含むインクが噴射される第5ノ
ズル群31Eに及ぶ程度の電圧が印加される。このため、電界D1,D2が、第2〜第4
ノズル群31B〜31Dに及ぶ程度の電圧の印加よりも低い電圧の印加で、無機物を含む
ミストを静電吸引することができる。また、第1電極41及び第2電極42に印加される
電圧が低いので、各ノズル30からのインク滴の噴射に対して電界D1,D2の影響があ
る場合には、第2〜第4ノズル群31B〜31Dに及ぶ程度の電圧の印加よりも電界D1
,D2の影響を低減することができる。
(3)液体噴射ヘッド19の5つのノズル群31のうちで最も第2電極42に近い位置
にある第5ノズル群31Eからは、カーボンブラック(無機物)を含むブラックインクが
噴射される。このため、第2電極42によって撥液膜33よりも硬いカーボンブラックを
含むブラックインクのミストが静電吸引されるので、当該ミストがノズル開口面32a(
撥液膜33)におけるノズル群31が配置された領域に付着し難くなる。したがって、ワ
イパー25によってノズル開口面32a(撥液膜33)を払拭する際に、カーボンブラッ
クによってノズル開口面32aにおけるノズル群31が配置された領域が傷付けられるこ
とを抑制することができる。
(4)液体噴射ヘッド19の5つのノズル群31のうちで最も第1電極41に近い位置
にある第1ノズル群31Aからは、酸化チタン(無機物)を含むホワイトインクが噴射さ
れる。このため、第1電極41によって撥液膜33よりも硬い酸化チタンを含むホワイト
インクのミストが静電吸引されるので、当該ミストがノズル開口面32a(撥液膜33)
におけるノズル群31が配置された領域に付着し難くなる。したがって、ワイパー25に
よってノズル開口面32a(撥液膜33)を払拭する際に、酸化チタンによってノズル開
口面32aにおけるノズル群31が配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化し
たりすることを抑制することができる。
(5)酸化チタン(無機物)を含むホワイトインクのミストの大半は、液体噴射ヘッド
19の下面の左端部に付着し、カーボンブラック(無機物)を含むブラックインクのミス
トの大半は、液体噴射ヘッド19の下面の右端部に付着する。そして、ワイパー25は、
液体噴射ヘッド19の下面(ノズル開口面32a)を、当該下面の左右方向の中央部から
第1電極41及び第2電極42のそれぞれに向かって払拭している。このため、ホワイト
インクのミストに含まれる酸化チタン(無機物)及びブラックインクのミストに含まれる
カーボンブラック(無機物)がノズル群31に摺接することを抑制しつつ液体噴射ヘッド
19の下面(ノズル開口面32a)に付着したミストを払拭することができる。
(6)液体噴射ヘッド19は、ノズル開口面32aにおける外縁部を覆うカバー部材3
4を有している。このため、ノズル開口面32aにおける酸化チタン(無機物)を含むホ
ワイトインクが噴射される第1ノズル群31Aと第1電極41との間及びカーボンブラッ
ク(無機物)を含むブラックインクが噴射される第5ノズル群31Eと第2電極42との
間にカバー部材34が配置される。したがって、第1電極41及び第2電極42によって
静電吸引される酸化チタン(無機物)またはカーボンブラック(無機物)を含むミストは
カバー部材34に付着する。よって、ワイパー25によって液体噴射ヘッド19の下面(
ノズル開口面32a)を払拭した場合に、酸化チタン又はカーボンブラックによって、カ
バー部材34が傷付けられたり表面状態が変化したりしても、ノズル開口面32a(撥液
膜33)におけるノズル群31が配置された領域が傷付けられたり表面状態が変化したり
することは殆どなくなる。この結果、ノズル群31の各ノズル30からのインクの噴射不
良を低減することができる。
(7)液体噴射ヘッド19のノズル開口面32aは、カバー部材34よりも撥液性の高
い撥液膜33によって覆われている。このため、撥液膜33によって酸化チタン(無機物
)またはカーボンブラック(無機物)を含むインクのミストがノズル開口面32a(撥液
膜33)におけるノズル群31の各ノズル30の開口付近に付着し難くなる。したがって
、ワイパー25によりノズル開口面32a(撥液膜33)及びカバー部材34に付着した
ミストをカバー部材34側に集めながら払拭することができる。よって、酸化チタン(無
機物)またはカーボンブラック(無機物)によって、ノズル開口面32a(撥液膜33)
におけるノズル群31が配置された領域が傷付けられたり、表面状態が変化したりするこ
とはほとんどなくなるので、ノズル群31の各ノズル30からのインクの噴射不良を低減
することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図4に示すように、ノズル群31は、左右方向と交差する方向に直線状に複数のノズ
ル30を配列してなるノズル列40を前後方向に複数平行に並べて配置したもので構成し
てもよい。
・ワイパー25は、液体噴射ヘッド19の下面(ノズル開口面32a)をノズル群31
の各ノズル30が並ぶ方向である前後方向(第1方向)に払拭するようにしてもよい。こ
のようにすれば、ホワイトインクのミストに含まれる酸化チタン(無機物)及びブラック
インクのミストに含まれるカーボンブラック(無機物)がノズル群31に摺接することを
抑制しつつ液体噴射ヘッド19の下面(ノズル開口面32a)に付着したインクのミスト
を払拭することができる。
・液体噴射ヘッド19のノズル開口面32aは、必ずしも撥液膜33で覆う必要はない

・撥液膜33は、カバー部材34よりも撥液性が高くなくてもよい。
・カバー部材34は、ノズル開口面32aにおける外縁部を覆うとともに、ノズル開口
面32aにおける各ノズル群31間を覆わないように構成してもよい。
・カバー部材34は、省略してもよい。
・第1電極41及び第2電極42のうちいずれか一方を省略してもよい。
・第1電極41には、各ノズル30からのインク滴の噴射に伴って生じるミストを静電
吸引する電界D1が、ノズルプレート32のおける左右方向の中央部に配置された第2〜
第4ノズル群31B〜31Dに及ぶ程度の電圧を印加するようにしてもよい。
・第2電極42には、各ノズル30からのインク滴の噴射に伴って生じるミストを静電
吸引する電界D2が、ノズルプレート32のおける左右方向の中央部に配置された第2〜
第4ノズル群31B〜31Dに及ぶ程度の電圧を印加するようにしてもよい。
・第1電極41及び第2電極42のうち少なくとも一方に付着したインク(ミスト)を
ワイパー25によって払拭するようにしてもよい。
・記録用紙Pの印刷中に第1電極41及び第2電極42のうち少なくとも一方に電圧を
印加するようにしてもよい。
・第1ノズル群31A及び第5ノズル群31Eの両方から酸化チタン(無機物)を含む
ホワイトインクが噴射されるようにしてもよい。
・第1ノズル群31A及び第5ノズル群31Eの両方からカーボンブラック(無機物)
を含むブラックインクが噴射されるようにしてもよい。
・ワイパー25は、布帛やスポンジなどで構成してもよい。
・第1電極41には、第1ノズル群31Aからホワイトインクが噴射された場合にだけ
電圧を印加するようにしてもよい。
・第2電極42には、第5ノズル群31Eからブラックインクが噴射された場合にだけ
電圧を印加するようにしてもよい。
・インクを接地する場合には、液体噴射ヘッド19内のインク流路に接地ピンを設けて
インクを接地するようにしてもよいし、ノズルプレート32を接地するようにしてもよい
し、カバー部材34を接地するようにしてもよい。
・インクジェット式プリンター11は、インクカートリッジ20a〜20eをキャリッ
ジ16に装着する所謂オンキャリッジタイプに限らず、インクカートリッジ20a〜20
eをフレーム12に設けられた装着部に装着する所謂オフキャリッジタイプでもよい。
・インクジェット式プリンター11は、記録用紙Pの幅全体と対応した長尺状の固定さ
れた液体噴射部を備える、いわゆるフルラインタイプに変更してもよい。この場合の液体
噴射部は、ノズルが形成された複数の単位ヘッド部を並列配置することによって印刷範囲
が記録用紙Pの幅全体に亘るようにしてもよいし、単一の長尺ヘッドに記録用紙Pの幅全
体に亘るように多数のノズルを配置することによって、印刷範囲が記録用紙Pの幅全体に
亘るようにしてもよい。
・インクカートリッジ20a〜20eは、剛性を有するケースの中に、インクを収容し
た可撓性を有するパックが収容された構成としてもよいし、剛性を有するケースの中に直
接インクを収容する構成としてもよい。
・インクカートリッジ20a〜20eにインクを注入可能な注入口を設けて、この注入
口を通じてインクを注入したり補充したりすることができるようにしてもよい。このよう
にすれば、インクカートリッジ20a〜20eを着脱することなくインクカートリッジ2
0a〜20eにインクを注入したり補充したりすることができる。
・インクカートリッジ20a〜20eをフレーム12の外側に配置して、このインクカ
ートリッジ20a〜20eに収容されたインクをキャリッジ16に接続された供給チュー
ブ等を介して液体噴射ヘッド19に供給する構成にしてもよい。この場合、インクカート
リッジ20a〜20eをフレーム12の外面に固定して配置してもよいし、インクカート
リッジ20a〜20eをフレーム12から離れた位置に配置してもよい。このようにすれ
ば、インクカートリッジ20a〜20eの大きさがフレーム12の容積に制限されないた
めに、インクカートリッジ20a〜20eを大型化して、より多くの印刷を連続して行う
ことができる。
・媒体は、記録用紙Pだけでなく、プラスチックフィルム、薄い板材やパネルなどでも
よいし、捺染装置などに用いられる布帛や、Tシャツなどの衣料であってもよい。
・上記実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出し
たりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐
出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また
、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい
。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体
、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)
のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や
金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものな
ども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや
液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェ
ルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置
の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディ
スプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等
の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオ
チップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いら
れ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であっ
てもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴
射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために
紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、
基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装
置であってもよい。
11…液体噴射装置の一例としてのインクジェット式プリンター、19…液体噴射部の
一例としての液体噴射ヘッド、25…払拭部の一例としてのワイパー、30…ノズル、3
1…ノズル群、32…ノズル形成部材の一例としてのノズルプレート、32a…ノズル開
口面、33…撥液膜、34…カバー部材、41…ミスト吸引部の一例としての第1電極、
42…ミスト吸引部の一例としての第2電極、D1,D2…電界。

Claims (9)

  1. 第1方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル群が前記第1方向と交差する第2方向に間
    隔をおいて複数配置されたノズル形成部材を有し、前記ノズル群ごとに異なる種類の液体
    を液滴として噴射可能な液体噴射部と、
    前記第2方向において前記液体噴射部と隣り合うように配置され、前記ノズルからの液
    滴の噴射に伴って生じるミストを静電吸引可能なミスト吸引部と、
    少なくとも前記ノズル形成部材のノズル開口面を払拭可能な払拭部と、
    を備え、
    前記複数のノズル群のうちで最も前記ミスト吸引部に近い位置にあるノズル群からは、
    無機物を含む液体が噴射されることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記ミスト吸引部には、前記ミストを吸引する電界が、前記ノズル形成部材における前
    記第2方向の中央部に配置された前記ノズル群に及ばない一方で前記無機物を含む液体が
    噴射されるノズル群に及ぶ程度の電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の液
    体噴射装置。
  3. 前記ミスト吸引部は、前記第2方向における前記液体噴射部の両側に当該液体噴射部と
    隣り合うようにそれぞれ配置され、
    前記液体噴射部における前記第2方向の両端部に位置する2つのノズル群からは、無機
    物を含む液体がそれぞれ噴射されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液
    体噴射装置。
  4. 前記無機物は、カーボンであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一
    項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記無機物は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか
    一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記払拭部は、前記ノズル開口面を当該ノズル開口面から前記ミスト吸引部に向かって
    払拭することを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置
  7. 前記払拭部は、前記ノズル開口面を前記第1方向に払拭することを特徴とする請求項1
    〜請求項5のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記液体噴射部は、前記ノズル開口面における外縁部を覆うカバー部材を有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 前記ノズル開口面は、前記カバー部材よりも撥液性の高い撥液膜によって覆われている
    ことを特徴とする請求項8に記載の液体噴射装置。
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JP7450850B2 (ja) 2020-01-20 2024-03-18 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

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