JP2019025769A - メンテナンス機構、液体噴射装置、及び、メンテナンス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル形成面の撥液膜の劣化を抑制することが可能なメンテナンス機構、液体噴射装置、及び、メンテナンス方法を提供する。
【解決手段】液体が噴射されるノズル開口(40)が形成されたノズル形成面(23)に付着した付着物(固形成分48)をクリーニング部材(9)により除去するメンテナンス機構(7)であって、クリーニング部材を帯電させる帯電機構(17)を備えることを特徴とする。帯電機構は、ノズル形成面の表面電位の絶対値以上の逆極性の電位をクリーニング部材に付与する。
【選択図】図5
【解決手段】液体が噴射されるノズル開口(40)が形成されたノズル形成面(23)に付着した付着物(固形成分48)をクリーニング部材(9)により除去するメンテナンス機構(7)であって、クリーニング部材を帯電させる帯電機構(17)を備えることを特徴とする。帯電機構は、ノズル形成面の表面電位の絶対値以上の逆極性の電位をクリーニング部材に付与する。
【選択図】図5
Description
本発明は、例えばインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドが備えるノズルプレートをメンテナンスするメンテナンス機構、液体噴射装置、及び、メンテナンス方法に関するものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドから着弾対象としての記録紙等の記録媒体に対して液体状のインクを液滴として噴射・着弾させてドットを形成することで画像等の記録を行うインクジェット式記録装置(以下、単にプリンターという)等の画像記録装置を挙げることができる。この液体噴射装置は、近年においては、画像記録装置に限らず、例えばディスプレイ製造装置等の各種の製造装置にも応用されている。
液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置では、ノズルから噴射された液体が当該ノズル形成面に付着して汚染されることがあるため、ノズル形成面を払拭するクリーニング部材を備えたクリーニング機構(ワイピング機構、払拭機構)が設けられている(例えば、特許文献1参照)。また、上記のような液体噴射ヘッドでは、ノズル形成面の払拭性向上の観点から、ノズル形成面には撥液膜が形成されていることが一般的であり、当該ノズル形成面の撥液性が高められている。
ところで、ノズル形成面が帯電している場合、ノズルから噴射された液滴のミストが静電気力により付着しやすく、また、一旦付着したミストやこれに含まれる顔料等の固形成分等の付着物がノズル形成面から除去されにくいという問題がある。そして、何らの対策することなくクリーニング部材でノズル形成面を払拭した場合、ノズル形成面とクリーニング部材との間に挟まれた付着物(固形成分)がノズル形成面を摺動することにより撥液膜を傷つけやすい。特に、固形成分として酸化チタン等の比較的硬質な成分を含む液体を噴射する用途に液体噴射ヘッドが使用される場合、このような硬い固形成分をノズル形成面上で引きずることでノズル形成面上の撥液膜に傷がついて次第に摩耗(劣化)するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズル形成面の撥液膜の劣化を抑制することが可能なメンテナンス機構、液体噴射装置、及び、メンテナンス方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、液体が噴射されるノズル開口が形成されたノズル形成面に付着した付着物をクリーニング部材により除去するメンテナンス機構であって、
前記クリーニング部材を帯電させる帯電機構を備えることを特徴とする。
前記クリーニング部材を帯電させる帯電機構を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ノズル形成面の帯電を、帯電させたクリーニング部材により中和することにより、又は、付着物を静電気力により吸着することにより、ノズル形成面に形成された撥液膜の劣化の原因となる付着物をより容易に除去することができる。これにより、ノズル形成面に形成された撥液膜の劣化を抑制することが可能となる。
上記構成において、前記帯電機構は、前記ノズル形成面の表面電位に応じて前記クリーニング部材の帯電電位を変化させるように構成されることが望ましい。
この構成によれば、ノズル形成面の表面電位に応じてクリーニング部材の帯電電位を変化させることにより、より付着物を除去しやすい状態でクリーニング動作を行うことができる。
また、上記構成において、前記ノズル形成面の表面電位を計測する表面電位計測部を備える構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、ノズル形成面の表面電位をより正確にクリーニング部材の帯電電位に反映させることが可能となる。
上記構成において、前記ノズル形成面に前記クリーニング部材を接触させて前記付着物を除去するように構成することができる。
この構成において、前記帯電機構は、前記表面電位計測部により計測された前記ノズル形成面の表面電位の絶対値以上の逆極性の電位を前記クリーニング部材に付与するように構成することが望ましい。
この構成によれば、ノズル形成面の表面電位の絶対値以上の逆極性の電位をクリーニング部材に付与することにより、ノズル形成面にクリーニング部材が接触した際に、ノズル形成面に対してクリーニング部材から電荷が供給される。これにより、ノズル形成面の帯電が中和される。これにより、当該ノズル形成面に静電気力によって吸着されていた付着物がクリーニング部材に引き込まれてノズル形成面から除去される。このため、ノズル形成面に付着物が残ることがより確実に抑制される。
また、前記ノズル形成面に前記クリーニング部材を非接触で対向させて前記付着物を除去するように構成することができる。
この構成において、前記帯電機構は、前記表面電位計測部により計測された前記ノズル形成面の表面電位以上の同極性の電位を前記クリーニング部材に付与するように構成することが望ましい。
この構成によれば、ノズル形成面の表面電位以上の同極性の電位をクリーニング部材に付与することにより、ノズル形成面にクリーニング部材を非接触で対向した際に、付着物を静電気力によりクリーニング部材に吸着させることができる。これにより、当該ノズル形成面に静電気力によって吸着されていた付着物がノズル形成面から除去される。そして、クリーニング部材がノズル形成面に接触することなくノズル形成面の付着物が除去されるので、クリーニング動作時にクリーニング部材とノズル形成面との間の付着物によりノズル形成面の撥液膜が傷つけられることが抑制される。
また、本発明の液体噴射装置は、上記何れかの構成のメンテナンス機構と、
前記ノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、
を備えることを特徴とする。
前記ノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、付着物によりノズル形成面の撥液膜が傷つけられて摩耗することによる撥液性の低下が抑制されるので、液体噴射ヘッドの耐久性が向上する。
そして、本発明のメンテナンス方法は、液体が噴射されるノズル開口が形成されたノズル形成面に付着した付着物をクリーニング部材により除去するメンテナンス方法であって、
前記ノズル形成面の表面電位を計測する工程と、
計測された前記ノズル形成面の表面電位に応じて前記クリーニング部材を帯電させる工程と、
帯電された前記クリーニング部材により前記ノズル形成面における前記付着物を除去する工程と、
を有することを特徴とする。
前記ノズル形成面の表面電位を計測する工程と、
計測された前記ノズル形成面の表面電位に応じて前記クリーニング部材を帯電させる工程と、
帯電された前記クリーニング部材により前記ノズル形成面における前記付着物を除去する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、ノズル形成面の帯電を、帯電させたクリーニング部材により中和することにより、又は、付着物を静電気力により吸着することにより、ノズル形成面に形成された撥液膜の劣化の原因となる付着物をより容易に除去することができる。これにより、ノズル形成面に形成された撥液膜の劣化を抑制することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。なお、本実施形態では、液体噴射装置の一形態である画像記録装置、詳しくは、液体噴射ヘッドとしてインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を搭載したインクジェット式プリンター(以下、プリンターという)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の構成を説明する正面図、図2は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2は、インクカートリッジ(液体供給源)を搭載したキャリッジ3の底面側に取り付けられている。そして、当該キャリッジ3は、キャリッジ移動機構16によってガイドロッド4に沿って往復移動可能に構成されている。すなわち、プリンター1は、紙送り機構15によって記録媒体をプラテン5上に順次搬送すると共に、記録ヘッド2を記録媒体の幅方向(主走査方向)に相対移動させながら当該記録ヘッド2のノズル40(図3及び図4参照)から本発明における液体の一種であるインクを噴射させて、記録媒体上に着弾させることにより画像等を記録する。なお、インクカートリッジがプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジのインクが供給チューブを通じて記録ヘッド2側に送られる構成を採用することもできる。
本実施形態におけるプリンター1においては、インクとして、色材や、当該色材を分散または溶解させる溶剤などを含むものが使用される。色材は、例えば顔料であり、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料、染料キレート、染色レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料、カーボンブラック、卑金属顔料などを使用することができる。さらに、顔料としては、例えば酸化銅や二酸化マンガンなどの無機材料(黒色顔料)、並びに、例えば亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、などの無機材料などを使用することができる。また、染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料などを使用することができる。水系インクの溶媒としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を使用することができる。油性インクの溶剤としては、エチレングリコールやプロピレングリコールなどの揮発性の有機溶剤を含んだものを使用することができる。さらに、インクは、上述した色材や溶剤の他に、塩基性触媒、界面活性剤、第三級アミン、熱可塑性樹脂、pH調整剤、緩衝液、定着剤、防腐剤、酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤などを含んでいてもよい。
プリンター1の内部において、プラテン5に対して主走査方向の一端側(図2中、右側)に外れた位置には、記録ヘッド2の待機位置であるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、一端側から順にキャッピング機構6(封止機構の一種)、および、ワイピング機構7(本発明におけるメンテナンス機構の一種)が設けられている。キャッピング機構6は、例えば、エラストマー等の弾性部材からなるキャップ8を有しており、当該キャップ8を記録ヘッド2のノズル形成面23に対して当接させて封止した状態(キャッピング状態)あるいは当該ノズル形成面23から離隔した待避状態に変換可能に構成されている。このキャッピング機構6では、キャップ8内の空間が封止空部として機能し、この封止空部内に記録ヘッド2のノズル40を臨ませた状態でノズル形成面23を封止する。また、このキャッピング機構6には、図示しないポンプユニット(吸引手段)が接続されており、このポンプユニットの作動によって封止空部内を負圧化することができる。そして、吸引動作においては、ノズル形成面23への密着状態でポンプユニットが作動され、封止空部内が負圧化されると、ノズル40から記録ヘッド2内のインクや気泡が吸引されてキャップ8の封止空部内に排出される。
本実施形態におけるワイピング機構7は、記録ヘッド2の主走査方向に対して交差する方向、換言すると後述するノズル列方向に沿ってクリーニング部材の一形態であるワイパー9を摺動可能に有している。そして、ワイピング機構7は、ワイパー9をノズル形成面23に当接させた状態で摺動させることでノズル形成面23をクリーニングするクリーニング動作(ワイピング動作)を行う。なお、ワイピング機構7の詳細については後述する。
本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー11により各部の制御が行われる。本実施形態におけるプリンターコントローラー11は、制御回路12と、駆動信号発生回路13と、を有する。制御回路12は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置であり、図示しないCPUや記憶装置等から構成されている。制御回路12は、記憶装置に記憶されているプログラム等に従って、各ユニットを制御する。また、本実施形態における制御回路12は、外部機器等からの印刷データに基づき、記録動作時に記録ヘッド2のどのノズル40からどのタイミングでどの大きさ(量)のインクを噴射させるかを示す噴射データを生成し、当該噴射データを記録ヘッド2のヘッドコントローラー14に送信する。また、制御回路12は、リニアエンコーダー19から出力されるエンコーダーパルスからラッチ信号LAT等のタイミング信号を生成して記録ヘッド2のヘッドコントローラー14に出力する。ヘッドコントローラー14は、上記噴射データおよびタイミング信号に基づき駆動信号中の駆動パルスを選択的に圧電素子28(図3参照)に印加する。これにより圧電素子28が駆動されてノズル40からインク滴が噴射されたり、あるいは、インク滴が噴射されない程度に微振動動作が行われたりする。駆動信号発生回路13は、記録媒体に対してインク滴を噴射して画像等を記録するための駆動パルスを含む駆動信号を発生する。
図3は、液体噴射ヘッドの一形態である記録ヘッド2の構成を説明する断面図である。本実施形態における記録ヘッド2は、ノズルプレート24、連通基板25、圧力室形成基板26、振動板27、圧電素子28、および保護基板29が積層された状態で接着剤等により接合されてなる噴射ユニット30を有し、この噴射ユニット30がユニットケース31に取り付けられている。ユニットケース31は、インクカートリッジ側からのインクを導入する導入口32と、当該導入口32から導入されたインクを共通液室34側に導入するケース流路35が形成された部材である。このユニットケース31の平面視における中央部には配線空部36が形成されている。この配線空部36は、後述する保護基板29の配線接続空部44と連通する。また、ユニットケース31の下面側には、当該下面からユニットケース31の高さ方向の途中まで直方体状に窪んだ収納空部37が形成されている。この収納空部37には、噴射ユニット30のうち、圧力室形成基板26、振動板27、圧電素子28、および保護基板29が収容される。この状態で、ユニットケース31の下面には、噴射ユニット30における連通基板25の上面が接合される。
本実施形態における圧力室形成基板26は、例えばシリコン基板から作製されている。この圧力室形成基板26には、圧力室38を区画する圧力室空部が、ノズルプレート24の各ノズル40に対応して異方性エッチングによって複数形成されている。圧力室形成基板26における圧力室空部の一方(上面側)の開口部は、振動板27によって封止される。また、圧力室形成基板26における振動板27とは反対側の面には、連通基板25が接合され、当該連通基板25によって圧力室空部の他方の開口部が封止される。これにより、圧力室38が区画形成される。ここで、圧力室38の上部開口が振動板27により封止された部分は、圧電素子28の駆動により変位する可撓面である。
本実施形態における圧力室38は、ノズル40の並設方向に直交する方向に長尺な空部である。この圧力室38の長尺方向の一端部は、連通基板25のノズル連通口41を介してノズル40と連通する。また、圧力室38の長尺方向の他端部は、連通基板25の供給口42を介して共通液室34と連通する。そして、圧力室38は、ノズル40毎に対応して複数並設されている。連通基板25は、圧力室形成基板26と同様にシリコン基板から作製された板材である。この連通基板25には、圧力室形成基板26の複数の圧力室38に共通に設けられる共通液室34(リザーバーあるいはマニホールドとも呼ばれる)となる空部が、異方性エッチングによって形成されている。この共通液室34は、各圧力室38の並設方向に沿って長尺な空部である。各圧力室38は、それぞれ供給口42を介してこの共通液室34と連通している。
ノズルプレート24は、複数のノズル40が列状に開設された板材である。本実施形態では、ドット形成密度に対応したピッチでノズル40が複数列設されてノズル列が構成されている。本実施形態における記録ヘッド2では、主走査方向に交差する副走査方向(記録媒体の搬送方向)に沿ってノズル40が並設されたノズル列が形成されている。また、本実施形態におけるノズルプレート24は、例えばシリコン基板から作製され、当該基板に対してドライエッチングにより円筒形状のノズル40が形成されている。このノズルプレート24のインクが噴射される側の面(連通基板25が接合されている面とは反対側の面)が、ノズル形成面23である。なお、ノズルプレート24の周囲に記録ヘッド2を固定するための固定板が配置される構成においては、ノズルプレート24と固定板とで構成される面(記録動作時に記録媒体等と対向する面)がノズル形成面23として機能する。
図4は、ノズル40の中心軸方向(インク噴射方向)に沿った断面図である。なお、同図において上側がインク噴射方向における上流側(圧力室38側)であり、下側がインク噴射方向における下流側(記録動作時における記録媒体側)である。本実施形態におけるノズル40は、下流側の第1ノズル部40aと上流側の第2ノズル部40bとにより2段の円筒状を呈し、第1ノズル部40aの流路断面積は、第2ノズル部40bの流路断面積よりも小さくなっている。これらの第1ノズル部40aと第2ノズル部40bとは、平面視においていずれも円形状を呈している。第1ノズル部40aにおける第2ノズル部40b側とは反対側の開口(本発明におけるノズル開口に相当)からインクが噴射される。なお、第2ノズル部40bの内径が、下流側(第1ノズル部40a側)から上流側(圧力室38側)に向けて拡大するように内壁面が傾斜したテーパー形状のものであってもよい。
ノズルプレート24のノズル形成面23には、保護膜46を介して撥液膜47が形成されている。この保護膜46は、ノズル40の内壁面も含むノズルプレート24の表面全体を図示しない酸化膜(SiOx)を介して被覆するように形成されており、ノズルプレート24の基材をインクから保護するための膜である。また、この保護膜46は、ノズルプレート24の基材と保護膜46とを結び付ける下地膜としての機能も有する。これにより、撥液膜47がノズル形成面23から剥がれにくくなっている。撥液膜47は、保護膜46の上に重ねて形成された撥液性を有する膜である。この撥液膜47は、例えばフッ素を含む撥液剤(シランカップリング剤)が塗布されることで形成されている。この撥液剤としては、フルオロアルキル基を含むシラン化合物、例えば、トリフルオロプロピルトリメトキシシランが用いられる。また、塗布によるものではなく、例えば、PVD,CVD,あるいはALD等の気相成長法によって撥液膜47が成膜されてもよい。
圧力室形成基板26の上面に形成された振動板27は、例えば厚さが約1μmの二酸化シリコンから構成される。また、この振動板27上には、図示しない絶縁膜が形成される。この絶縁膜は、例えば、酸化ジルコニウムから成る。そして、この振動板27および絶縁膜上における各圧力室38に対応する位置に、圧電素子28がそれぞれ形成されている。本実施形態における圧電素子28、振動板27および絶縁膜上に、金属製の下電極膜、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層、および、金属製の上電極膜(何れも図示せず)が順次積層されて構成される(何れも図示せず)。この構成において、上電極膜または下電極膜の一方が共通電極とされ、他方が個別電極とされる。また、個別電極となる電極膜および圧電体層が圧力室38毎にパターニングされる。
圧力室形成基板26および圧電素子28が積層された連通基板25の上面には、保護基板29が配置される。この保護基板29は、例えば、ガラス、セラミックス材料、シリコン単結晶基板、金属、合成樹脂等から作製される。この保護基板29の内部には、圧電素子28に対向する領域に当該圧電素子28の駆動を阻害しない程度の大きさの凹部43が形成されている。さらに、保護基板29の中央部分には、基板厚さ方向を貫通した配線接続空部44が形成されている。この配線接続空部44内には、圧電素子28の素子端子とフレキシブル基板45の一端部とが配置される。駆動信号発生回路13側からフレキシブル基板45を通じて駆動信号(駆動電圧)が圧電素子28に印加されると、当該圧電素子28は印加電圧の変化に応じて圧電能動部が撓み変形することにより、圧力室38の一面を区画する可撓面、すなわち、振動板27が、ノズル40に近づく側またはノズル40から遠ざかる方向に変位する。これにより、圧力室38内のインクに圧力変動が生じ、この圧力変動を利用してノズル40からインクが噴射される。
ここで、記録ヘッド2のノズル40から噴射されるインク(インク滴)は、数〔ng〕から十数〔ng〕と微小であるため、噴射に伴ってさらに微小なミストが生じ、このようなミストがノズル形成面23に付着する場合がある。特に、本実施形態におけるノズル形成面23にはフッ素を含有する撥液膜47が形成されており、当該撥液膜47は負極性に帯電しやすい。これに対し、ノズル40から噴射されたインクは、当該ノズル40から噴射される際に負極性に帯電したノズル形成面23による静電誘導により正極性に帯電しやすい。また、記録媒体に向けて飛翔するインクは、レナード効果によって、より正極性に偏りやすい。このため、ノズル40から噴射されて記録媒体に着弾しなかったミストが、負極性に帯電したノズル形成面23に引き寄せられて付着しやすい。また、キャップ8によりノズル形成面23が封止された状態でノズル40からインクを排出させる上記吸引動作においてもノズル形成面23にインクが付着する。
図4に示されるように、ノズル形成面23に付着したインク(ミスト)等の付着物Wiには、顔料等の固形成分48(本実施形態においては、酸化チタンのような無機成分)が含まれており、このような付着物Wiを放置しておくと、この付着物Wiに含まれる固形成分48が凝集した凝集物が生じる場合がある。このような状態でワイピング機構7によりノズル形成面23を払拭すると、ワイパー9が凝集物(固形成分)をノズル形成面23に対し押し付けて引き摺ることにより、撥液膜47を劣化させるおそれがある。このような問題を防止するため、ノズル形成面23には、付着物Wiができるだけ残らないようにすることが肝要となる。本発明に係るプリンター1では、ノズル形成面23に付着した付着物Wiをより確実に除去して、当該付着物Wiに含まれる固形成分により撥液膜47を損傷しにくいように構成されている。以下、この点について説明する。
図5は、クリーニング機構の一形態であるワイピング機構7の構成について説明する模式図である。また、図なお、同図において、ワイピング機構7については、主走査方向に交差する副走査方向(本実施形態においては記録ヘッド2のノズル列方向)における断面で表されている。本実施形態におけるワイピング機構7は、副走査方向に沿って配設されたレール51にユニット本体52が摺動可能に取り付けられて構成されている。ユニット本体52は、図示しないラックギア、ピニオンギア、および駆動源等からなるワイパー移動機構によってレール51に案内されつつ、図中白抜きの矢印で示される副走査方向に沿った払拭方向に往復移動することが可能となっている。このユニット本体52は、織物・編物・不織布等の布、すなわちシート状のワイパー9が巻き回された第1ロール54と、払拭後のワイパー9が巻き取られる第2ロール55と、が収容されている。
第1ロール54と第2ロール55とは、払拭方向において互いに所定の距離を隔てた状態で軸支されている。第1ロール54は、第1軸56に未使用のワイパー9が巻装されており、ワイピングの際にワイパー9を第2ロール55側に順次繰り出す。また、第2ロール55は、第2軸57に使用済み(ノズル形成面23の払拭後)のワイパー9を巻き取る。払拭方向における第1ロール54および第2ロール55との間であって、上方(ノズル形成面23側)の位置には、押圧ローラー58が配置されている。第1ロール54から繰り出されたワイパー9は、押圧ローラー58の外周の上部に架け渡され、その先が第2ロール55に巻き取られるようになっている。
押圧ローラー58は、第1ロール54と第2ロール55の回動に応じて回転可能に遊転軸59に軸支されている。この遊転軸59には、帯電機構17が接続されている。この帯電機構17は、直流電源から構成され、本実施形態においては、ノズル形成面23の帯電極性とは逆極性であって、当該ノズル形成面の表面電位の絶対値以上の直流電位を、押圧ローラー58を介してワイパー9に付与し、当該ワイパー9の表面を帯電させるように構成されている。本実施形態においては、記録動作中のノズル形成面23が負極性に帯電するため、帯電機構17は、押圧ローラー58を介して正極性の電位をワイパー9に付与する。この帯電機構17が付与する電位の大きさ及び極性は、後述する表面電位計18の計測値に応じて制御回路12によって調整される。なお、帯電機構17としては、例示したものには限られず、例えば、押圧ローラー58に接触した状態で回動することにより押圧ローラー58の表面を帯電させ、これによりワイパー9を帯電させることが可能な帯電ローラーを採用することも可能である。また、第1ロール54と押圧ローラー58との間に架け渡されたワイパー9に帯電ローラーを接触させて当該ワイパー9を直接帯電させる構成を採用することも可能である。
ユニット本体52の上面、すなわち、記録ヘッド2のノズル形成面23と相対する面の中央部には、第1挿通口61が開設されている。そして、ユニット本体52の内部から当該第1挿通口61を介して押圧ローラー58の一部(上部)が外側のノズル形成面23側に突出している。このため、ワイパー9において押圧ローラー58に架け渡された部分(払拭領域)もユニット本体52の上面よりノズル形成面23側に突出して、ノズル形成面23と相対している。上記押圧ローラー58の遊転軸59は、図示しないばね等の付勢部材により、上方、すなわちノズル形成面23側へ付勢されている。このため、ワイパー9の払拭領域は、押圧ローラー58を介してノズル形成面23に当接する側へ付勢されている。
本実施形態におけるワイパー9は、織物(布帛)、編物、または不織布等の天然繊維あるいは化学繊維を含む絶縁性の薄手の繊維素材(布材)である。本実施形態においては、繊維素材として例えばポリエステル繊維が使用される。ワイパー9の幅(主走査方向における寸法)は、記録ヘッド2のノズル形成面23の主走査方向の寸法よりも長くなっている。これにより、ワイピング動作時においてワイパー9によりノズル形成面23の全面を払拭することができるようになっている。なお、ワイパー9を構成している繊維素材は、繊維の他に繊維同士を接着する接着剤等を含んでいてもよい。
ユニット本体52の内部であって、押圧ローラー58に対して払拭方向に外れてワイパー9に干渉しない位置には、表面電位計18(本発明における表面電位計測部に相当)が配設されている。この表面電位計18は、ワイピング機構7によるノズル形成面23のワイピング動作に先立ち、当該ノズル形成面23の表面電位を計測し、計測結果を制御回路12に出力するように構成されている。ユニット本体52の上面における表面電位計18に対応する位置には、第2挿通口62が開設されており、ワイピング機構7の上方のワイピング位置に配置された記録ヘッド2のノズル形成面23に表面電位計18が相対するように構成されている。そして、制御回路12は、表面電位計18より検出されたノズル形成面23の表面電位以上の逆極性の直流電圧信号を印加するように、帯電機構17を制御する。このように、表面電位計18を用いることにより、ノズル形成面23の表面電位をより正確に計測して、帯電機構17によるワイパー9の帯電電位に反映させることが可能となる。なお、必ずしも表面電位計18を用いなくてもよく、例えば、ワイピング動作の前に最後に実行された記録動作における各ノズル40からのインク滴の単位時間当たりの噴射回数(駆動周波数)、記録時間、あるいは記録動作終了時からワイピング動作実行時までの経過時間等に基づいてワイピング動作時におけるノズル形成面23の表面電位を推定する構成を採用することも可能である。また、押圧ローラー58に表面電位を計測する機能を持たせる構成とすることもできる。
図6は、メンテナンス動作の一種であるワイピング機構7によるワイピング動作、すなわち、本発明のメンテナンス方法について説明するフローチャートである。また、図7及び図8は、ワイピング動作について説明する工程図である。なお、図7及び図8においてはノズル形成面23における撥液膜47の図示は省略されている。ワイピング動作は、例えば、定期的、すなわち、前回実行されたワイピング動作からの経過時間が閾値を超えた場合、又は、前回ワイピング動作からの記録ヘッド2から噴射されたインクの総噴射量が閾値を超えた場合等、所定の条件が成立した場合に実行される。本実施形態においては、上記の経過時間が閾値を超えた場合がワイピング動作の実行条件とされている。そして、ワイピング動作の実行タイミングが到来すると、制御回路12は、キャリッジ移動機構16を制御して、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ3をワイピング機構7の上方のワイピング位置まで移動させる(ステップS1)。
記録ヘッド2がワイピング位置に移動してノズル形成面23が表面電位計18の上方に位置するタイミングで、表面電位計18によりノズル形成面23の表面電位(より具体的には、撥液膜47の表面電位)が計測される(ステップS2)。ここで、ノズル形成面23の帯電に関し、ワイピング動作の前に最後に実行された記録動作における上記の駆動周波数等の条件に応じて異なるが、例えば、200〔V〕から600〔V〕の負極性に帯電する。表面電位計18によりノズル形成面23の表面電位が計測されたならば、制御回路12は、帯電機構17を制御して、表面電位計18より検出されたノズル形成面23の表面電位以上の逆極性の直流電位を、押圧ローラー58を介してワイパー9に付与し、図7に示されるように、当該ワイパー9を本実施形態においては正極性に帯電させる(ステップS3)。この際の印加電位は、例えばノズル形成面23の表面電位の絶対値以上、当該表面電位の絶対値+10〔%〕以下の範囲に調整される。この状態で、ワイパー9がノズル形成面23に接触した状態でユニット本体52が払拭方向に移動することでワイピング動作が行われる(ステップS4)。本実施形態においては、ノズル列方向に沿ってワイパー9によってノズル形成面23が払拭される。
ここで、ノズル形成面23における表面電位以上の逆極性(本実施形態においては正極性)の電位が付与されて帯電しているワイパー9がノズル形成面23に接触することにより、当該ノズル形成面23に対してワイパー9から正電荷が供給される。これにより、ノズル形成面23の負電荷が中和される。そして、ワイパー9の表面自由エネルギーと比較してノズル形成面23における撥液膜47の表面自由エネルギーが小さいので、ノズル形成面23の帯電が中和されることにより、図8に示されるように、当該ノズル形成面23に静電気力によって吸着されていた固形成分48を含む付着物Wiがワイパー9に引き込まれてノズル形成面23から除去される。
以上のようにワイピング動作(クリーニング動作)が行われると、ノズル形成面23に付着した付着物Wiに含まれる顔料等の固形成分48が除去されるので、ノズル形成面23が清浄に保たれる。そして、このワイピング動作の際、ノズル形成面23の表面電位に応じてワイパー9の帯電電位を変化させることにより、より付着物Wiを除去しやすい状態でクリーニング動作を行うことができる。すなわち、本実施形態においては、ノズル形成面23とは逆極性に帯電したワイパー9によりノズル形成面23の帯電を中和しながらワイピング動作が行われることにより、ノズル形成面23に付着した付着物Wiに含まれる顔料等の固形成分48がより容易に除去できる。つまり、当該ノズル形成面23に静電気力によって吸着されていた付着物Wiがワイパー9に引き込まれてノズル形成面23から除去される。このため、撥液膜47の劣化の原因となる付着物Wiがノズル形成面23に残ることがより確実に抑制される。その結果、撥液膜47の撥液性の低下によるインク滴の飛翔曲がり等の不具合が抑制される。また、本実施形態においては、ワイピング動作時にノズル形成面23に対するワイパー9の当接圧を従来よりも低下させても、ノズル形成面23の付着物Wiを除去することができる。このため、ワイピング動作時にワイパー9とノズル形成面23との間の固形成分48により撥液膜47が傷つけられることがより確実に抑制される。そして、このような構成を有する記録ヘッド2及びこれを備えるプリンター1では、固形成分48により記録ヘッド2のノズル形成面23の撥液膜47が摩耗することによる撥液性の低下が抑制されるので、耐久性が向上する。
図9及び図10は、第2の実施形態におけるワイピング動作について説明する工程図である。上記第1実施形態においてはワイパー9をノズル形成面23に接触させることによりノズル形成面23の帯電を中和しながら払拭動作が行われる構成を例示したが、これには限られない。本実施形態においては、図9に示されるように、ノズル形成面23に付着している付着物Wi及びこれに含まれる顔料等の固形成分48の帯電極性とは逆極性に帯電されたワイパー9の頂部がノズル形成面23から僅かに離れた非接触で対向させた状態でワイピング動作が行われる。この構成においては、表面電位計18によりノズル形成面23の表面電位が計測されたならば、制御回路12は帯電機構17を制御して、表面電位計18より検出されたノズル形成面23の表面電位以上の同極性の直流電位を、押圧ローラー58を介してワイパー9に付与する。この際の印加電位は、例えばノズル形成面23の表面電位以上、当該表面電位+10〔%〕以下の範囲に調整される。これにより、図9に示されるように、ワイパー9が負極性に帯電する。この状態で、ワイパー9がノズル形成面23に接触しない程度に近接した状態でユニット本体52が払拭方向に移動することでワイピング動作が行われる。
本実施形態においても、ワイピング動作の際、ノズル形成面23の表面電位に応じてワイパー9の帯電電位を変化させることにより、より付着物Wiを除去しやすい状態でクリーニング動作を行うことができる。すなわち、付着物Wiの帯電電位とは逆極性であってノズル形成面23の表面電位よりも高い電位にワイパー9が帯電していることにより、ノズル形成面23に付着している固形成分48を含む付着物Wiが静電気力によってワイパー表面に吸着される。これにより、図10に示されるように、当該ノズル形成面23に静電気力によって吸着されていた付着物Wiがワイパー9によってより確実に除去される。このように、本実施形態においては、ワイパー9がノズル形成面23に接触させなくてもノズル形成面23の付着物Wiが除去されるので、ワイピング動作時にワイパー9とノズル形成面23との間の固形成分48により撥液膜47が傷つけられることが一層確実に抑制される。
上記各実施形態においては、ユニット本体52が払拭方向に移動してワイピング動作が行われる構成を例示したが、これには限られず、ノズル形成面23とユニット本体52との相対位置を維持した状態で、ワイパー9を回動させることによりワイピング動作が行われてもよい。あるいは、ワイピング機構7は駆動せずに、記録ヘッド2を払拭方向に移動させることによりワイピング動作を行う構成を採用することができる。要するに、ワイパー9とノズル形成面23とが相対的に移動することでワイピング動作を行えばよい。
図11及び図12は、第3の実施形態におけるクリーニング動作について説明する工程図である。上記各実施形態においては、ワイパー9とノズル形成面23とを、当該ノズル形成面に平行な面方向に相対移動させる(払拭させる)ことによりノズル形成面23の付着物Wiを除去する構成を例示したが、これには限られない。本実施形態におけるワイピング機構7′には一対の押圧ローラー58a,58bが払拭方向に並設されており、ワイパー9はこれらの押圧ローラー58a,58bに架け渡されている。また、これらの押圧ローラー58a,58bのうち、第1ロール54側の第1押圧ローラー58aには、帯電機構17が接続されている。これらの押圧ローラー58a,58bの間隔(軸間の距離)は、第1ロール54と第2ロール55との間隔よりも狭く、且つ、ノズル形成面23の寸法よりも広く設定されている。そして、本実施形態においては、クリーニング動作に先立って、表面電位計18によりノズル形成面23の電位が計測されると、第1ロール54からワイパー9が繰り出されると共に帯電機構17は、表面電位計18より検出されたノズル形成面23の表面電位以上の逆極性の直流電位をワイパー9に付与し、図11に示されるように、当該ワイパー9のノズル形成面23と対向する領域を本実施形態においては正極性に帯電させる。
この状態で、図12に示されるように、記録ヘッド2とワイピング機構7とを互いに近接する方向に相対移動させて、押圧ローラー58a,58bの間の正極性に帯電したワイパー9をノズル形成面23に接触させる。これにより、当該ノズル形成面23に対してワイパー9から正電荷が供給され、ノズル形成面23の負電荷が中和される。これにより当該ノズル形成面23に静電気力によって吸着されていた固形成分48を含む付着物Wiがワイパー9に引き込まれてノズル形成面23から除去される。なお、ノズル形成面23とワイパー9とを非接触で対向させた状態で静電気力により付着物Wiをワイパー9に吸着させて除去する構成を採用することも可能である。この場合、表面電位計18より検出されたノズル形成面23の表面電位以上の同極性の直流電位がワイパー9に付与される。
なお、以上では、プリンター1の記録ヘッド2のノズル形成面23をクリーニングする構成に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル形成面をクリーニング部材で払拭する構成のものであれば、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等のノズル形成面にも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,3…キャリッジ,4…ガイドロッド,5…プラテン,6…キャッピング機構,7…ワイピング機構,8…キャップ,9…ワイパー,11…プリンターコントローラー,12…制御回路,13…駆動信号発生回路,14…ヘッドコントローラー,15…紙送り機構,16…キャリッジ移動機構,17…帯電機構17…表面電位計,19…リニアエンコーダー,23…ノズル形成面,24…ノズルプレート,25…連通基板,26…圧力室形成基板,27…振動板,28…圧電素子,29…保護基板,30…噴射ユニット,31…ユニットケース,34…共通液室,35…ケース流路,36…配線空部,37…収納空部,38…圧力室,40…ノズル,41…ノズル連通口,42…供給口,43…凹部,44…配線接続空部,46…保護膜,47…撥液膜,48…固形成分,51…レール,52…ユニット本体,54…第1ロール,55…第2ロール,56…第1軸,57…第2軸,58…押圧ローラー,59…遊転軸,61…第1挿通口,62…第2挿通口
Claims (9)
- 液体が噴射されるノズル開口が形成されたノズル形成面に付着した付着物をクリーニング部材により除去するメンテナンス機構であって、
前記クリーニング部材を帯電させる帯電機構を備えることを特徴とするメンテナンス機構。 - 前記帯電機構は、前記ノズル形成面の表面電位に応じて前記クリーニング部材の帯電電位を変化させるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス機構。
- 前記ノズル形成面の表面電位を計測する表面電位計測部を備えることを特徴とする請求項2に記載のメンテナンス機構。
- 前記ノズル形成面に前記クリーニング部材を接触させて前記付着物を除去するように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のメンテナンス機構。
- 前記帯電機構は、前記表面電位計測部により計測された前記ノズル形成面の表面電位の絶対値以上の逆極性の電位を前記クリーニング部材に付与するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のメンテナンス機構。
- 前記ノズル形成面に前記クリーニング部材を非接触で対向させて前記付着物を除去するように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のメンテナンス機構。
- 前記帯電機構は、前記表面電位計測部により計測された前記ノズル形成面の表面電位以上の同極性の電位を前記クリーニング部材に付与するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載のメンテナンス機構。
- 請求項1から請求項7の何れか一項に記載のメンテナンス機構と、
前記ノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 液体が噴射されるノズル開口が形成されたノズル形成面に付着した付着物をクリーニング部材により除去するメンテナンス方法であって、
前記ノズル形成面の表面電位を計測する工程と、
計測された前記ノズル形成面の表面電位に応じて前記クリーニング部材を帯電させる工程と、
帯電された前記クリーニング部材により前記ノズル形成面における前記付着物を除去する工程と、
を有することを特徴とするメンテナンス方法。
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-
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- 2017-07-31 JP JP2017147584A patent/JP2019025769A/ja active Pending
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