JP2018122533A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル面へのダメージを低減しつつノズル面に付着した液体を払拭できる液体噴射装置を提供する。【解決手段】液体噴射装置は、インクを吸収可能な吸収部材55を、ノズル面65のうちノズルを含むノズル周辺領域67とは非接触であって、ノズルから膨出させられたインクに接触させる接触動作を行い、接触動作の後、払拭部材(57)をノズル周辺領域に接触させた状態で、当該払拭部材をノズル面に沿う払拭方向に相対移動させて当該ノズル面を払拭する払拭動作を行う。【選択図】図10

Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、液体噴射部の一例である液体噴射ヘッドに配置されたノズルから用紙に対してインクなどの液体を噴射することにより印刷を行うインクジェット式プリンターが知られている。このようなプリンターの中には、拭き取り部材(吸収部材)で液体吐出ヘッド(液体噴射ヘッド)の吐出面(ノズルが配置されたノズル面)を払拭して、吐出面に付着した液体を吸収する液体吐出ヘッド清掃装置を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、従来の液体吐出ヘッド清掃装置は、液体吐出ヘッドの吐出面に対して拭き取り部材を押圧して接触させる押圧手段(押圧部)としての第1押圧ローラーと第2押圧ローラーとを備えている。そして、第1押圧ローラーとしての全幅ローラーにより吐出面の全面を本拭きした後に、第2押圧ローラーとしてのノズル面ローラーにより吐出面を仕上げ拭きするものである。
特開2011−67985号公報
しかしながら、従来の液体噴射装置では、最初の拭き取り動作の押圧力を高くして、ノズル面に異物やインクの無機顔料が付着した状態で拭き取り動作を行うと、拭き取り動作に際して異物や無機顔料がノズル面を擦ることが起こり得る。このため、ノズル面が損傷してノズル面がダメージを受けてしまうという課題がある。
なお、こうした課題は、ノズルから液体を噴射して印刷を行うインクジェット式のプリンターに限らず、ノズルが配置されたノズル面に付着した液体を払拭する払拭動作が行われる液体噴射装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ノズル面へのダメージを低減しつつノズル面に付着した液体を払拭できる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、供給される液体をノズル面に配置された複数のノズルから噴射可能な液体噴射部と、前記液体を吸収可能な吸収部材と、前記ノズル面を払拭可能な払拭部材と、を備え、前記吸収部材を、前記ノズル面のうち前記ノズルを含むノズル周辺領域とは非接触であって、前記ノズルから膨出させられた前記液体に接触させる接触動作を行い、前記接触動作の後、前記払拭部材を前記ノズル周辺領域に接触させた状態で、当該払拭部材を前記ノズル面に沿う払拭方向に相対移動させて当該ノズル面を払拭する払拭動作を行う。
この構成によれば、払拭動作の前に接触動作を行うことによって、ノズル周辺領域に付着した異物や液体中の無機物を吸収部材によって回収できるので、払拭動作において、ノズル面へのダメージを低減しつつノズル面に付着した液体を払拭できる。
上記液体噴射装置において、前記払拭部材は前記吸収部材より前記液体を吸収する吸収能力が低いことが好ましい。
この構成によれば、払拭動作において払拭部材がノズル周辺領域に接触しながら摺動しても、液体の吸収能力(液体吸収率)が低いため、払拭部材の摺動においてノズル周辺領域(ノズル面)に与えるダメージを抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記払拭部材は薄板状のゴム部材で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ゴム部材は液体の吸収能力が低いのでノズル面の払拭部材として好適である。
上記液体噴射装置において、前記吸収部材は前記ノズル周辺領域より大きい平面部を有し、前記吸収部材の平面部が前記ノズル周辺領域と対向する位置で前記吸収部材の平面部に向かって前記液体噴射部の前記ノズルから前記液体を噴射するフラッシング動作を行い、前記吸収部材の平面部が前記ノズル周辺領域と対向する位置であって、前記吸収部材の平面部と前記ノズル周辺領域との距離が前記フラッシング動作時より短い位置で、前記接触動作を行うことが好ましい。
この構成によれば、接触動作において、吸収部材はノズル周辺領域との間の距離がフラッシング動作時よりも短くなるので、ノズル周辺領域と非接触の状態であっても液体を吸収し易くなる。
上記液体噴射装置においては、前記吸収部材および前記払拭部材が、前記払拭動作時の前記払拭方向において隣り合うように収容された、前記ノズル面より大きい開口部を有する有底箱状のメンテナンスユニットを備え、前記メンテナンスユニットは、前記液体噴射部の前記ノズル面と対向可能な領域であって、前記ノズル面を保湿する保湿液を貯留可能な貯留領域を有することが好ましい。
この構成によれば、液体噴射部においてノズルから前記液体を噴射しない待機時に、ノズル面を貯留領域と対向させることによって、ノズル面に残留した液体(インク)の増粘を低減できる。
上記液体噴射装置において、前記貯留領域は、前記払拭方向と交差する方向において前記吸収部材の平面部と隣り合う位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、払拭動作の後や待機時に容易に貯留領域に移動してノズル面を保湿できる。
上記液体噴射装置において、前記ノズル面のうち前記ノズル周辺領域以外の領域は、前記ノズル周辺領域より突出した突出面であり、該突出面は、前記ノズル周辺領域より前記液体に対する撥液性が低いことが好ましい。
この構成によれば、ノズル周辺領域を印刷対象物との接触から保護できる。また、ノズル周辺領域に残留した液体をノズル周辺領域以外の領域に移動しやすくできる。
上記液体噴射装置において、前記吸収部材の平面部が前記突出面と接触する位置で前記接触動作を行うことが好ましい。
この構成によれば、接触動作時において、ノズル周辺領域と吸収部材とを非接触に維持しやすい。
上記液体噴射装置において、前記払拭部材は、前記払拭動作において前記ノズル周辺領域に接触する中央領域が前記払拭方向と交差する交差方向における端領域よりも前記払拭方向側に突出する第1払拭部材と、前記交差方向における幅が前記第1払拭部材よりも広い第2払拭部材と、を有し、前記第1払拭部材を前記ノズル周辺領域に接触させた状態で前記払拭動作を行った後、前記第2払拭部材を前記ノズル面に接触させた状態で前記払拭動作を行うことが好ましい。
この構成によれば、第1払拭部材による払拭動作でノズル周辺領域の液体をノズル周辺領域以外の領域に移動させた後、第2払拭部材による払拭動作でノズル周辺領域以外の領域の液体を払拭するので、払拭部材による払拭動作によりノズル面の液体を払拭できる。
一実施形態のプリンターの概略構成を示す模式図。 用紙の支持台とメンテナンス機構との位置関係を示す模式平面図。 メンテナンス機構が有するメンテナンスユニットの概略構成を示す模式図。 液体を噴射するノズルを備える液体噴射ヘッドの平面図。 メンテナンスユニットの平面図。 メンテナンスユニットの斜視図。 メンテナンスユニットの吸収部材に係る構成を示す分解斜視図。 メンテナンスユニットの払拭部材に係る構成を示す分解斜視図。 液体噴射ヘッドのメンテナンス動作開始状態を示す模式図。 メンテナンス動作における吸収部材による接触動作を示す模式図。 接触動作後のノズル面の状態を示す模式図。 接触動作後に行われる払拭部材による払拭動作を示す模式図。 払拭動作が終了した状態を示す模式図。 払拭部材がノズル面を払拭する状態を示す液体噴射ヘッドの平面図。 フラッシング動作のため移動するメンテナンスユニットを示す模式図。 フラッシング動作が行われる状態を示す模式図。 メンテナンスユニットが液体噴射ヘッドを保湿する状態を示す模式図。
以下、液体噴射装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、液体噴射装置の一例としてのプリンター11は、支持台12に支持された印刷対象物の一例である用紙などの記録媒体13を支持台12の表面に沿って搬送方向Yに搬送させる搬送部14と、搬送される記録媒体13に液体の一例としてのインクを噴射して印刷を行う印刷部15とを備えるインクジェット式のプリンターである。
支持台12、搬送部14、及び印刷部15は、ハウジングやフレームなどによって構成されるプリンター本体16に組み付けられている。支持台12は、プリンター11において、記録媒体13の幅方向(図1では紙面と直交する方向)に延在している。また、プリンター本体16には、カバー17が開閉可能に取り付けられている。
搬送部14は、搬送方向Yにおける支持台12の上流側及び下流側にそれぞれ配置される搬送ローラー対18,19と、搬送方向Yにおける搬送ローラー対19の下流側に配置されて記録媒体13を支持しながら案内する案内板20とを備えている。そして、搬送部14は、搬送ローラー対18,19が搬送モーター(図示略)に駆動されて記録媒体13を挟持しながら回転することで、支持台12の表面及び案内板20の表面に沿って記録媒体13を搬送方向Yに搬送する。
印刷部15は、記録媒体13の搬送方向Yと直交(交差)する記録媒体13の幅方向となる走査方向Xに沿って延設されたガイド軸22,23と、そのガイド軸22,23に案内されて走査方向Xに往復動可能なキャリッジ25とを備えている。キャリッジ25は、キャリッジモーター24(図2参照)の駆動に伴い走査方向Xに往復動するキャリッジベース25Bと、このキャリッジベース25Bに対して、支持台12との間の距離が変化するように鉛直方向Zに沿ってスライド移動可能なキャリッジ本体25Aとを有している。すなわち、キャリッジ本体25Aは、カムなどによって構成された移動機構28によって、キャリッジベース25Bに対して上下移動が可能である。
キャリッジ25(キャリッジ本体25A)の下端部には、インクを噴射可能なノズル26を有した液体噴射部の一例である液体噴射ヘッド60が少なくとも1つ(本実施形態では4つ)取り付けられている。各液体噴射ヘッド60は、その下面が鉛直方向Zにおいて支持台12と所定の間隔を置いて対向可能な姿勢でキャリッジ25に取り付けられ、キャリッジモーター24(図2参照)の駆動に伴いキャリッジ25と共に走査方向Xに往復動する。
一方、キャリッジ25の反重力方向側となる上側には、インクカートリッジ30から液体噴射ヘッド60へインクを供給する供給機構31の一部が取り付けられている。供給機構31は、インクカートリッジ30側となる上流側から液体噴射ヘッド60側となる下流側に向かう供給方向Aに沿ってインクを流動させる。インクカートリッジ30と供給機構31は、インクの種類ごとに少なくともそれぞれ1つの組となって設けられ、本実施形態では、それぞれ4つ(4組)設けられている。
4つのインクカートリッジ30は、複数(本実施形態では4つ)の装着部32にそれぞれ着脱自在に装着され、それぞれ異なる色(種類)のインクを収容している。一例としてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(BK)の各色のインクが各インクカートリッジ30に収容されている。各インクカートリッジ30から供給されるインクを液体噴射ヘッド60から噴射することにより、記録媒体13へのカラー印刷などが行われる。
各供給機構31は、インクカートリッジ30から液体噴射ヘッド60にインクを供給する供給経路33を備えている。供給経路33には、供給方向Aに沿って上流側から順に、インクを流動させる供給ポンプ34、インク中の気泡や異物を捕捉するフィルターユニット35、供給経路33のインクの流れを変化させてインクを撹拌するスタティックミキサー36、インクを貯留する液体貯留室37、及びインクの圧力を調整する圧力調整ユニット38が設けられている。
供給ポンプ34は、ポンプ室の容積が可変のダイヤフラムポンプ40と、ダイヤフラムポンプ40よりも上流側に配置された吸入弁41と、ダイヤフラムポンプ40よりも下流側に配置された吐出弁42とを有している。吸入弁41及び吐出弁42は、下流側へのインクの流れを許容する一方、上流側へのインクの流れを阻害する一方向弁によって構成されている。
このため、供給ポンプ34は、ダイヤフラムポンプ40のポンプ室の容積が増大するのに伴ってインクカートリッジ30側から吸入弁41を介してインクを吸引し、ポンプ室の容積が減少するのに伴って液体噴射ヘッド60側へ吐出弁42を介してインクを吐出する。また、フィルターユニット35は、プリンター本体16のカバー17と対応する位置に配置され、供給経路33に対して着脱可能に装着されている。そして、フィルターユニット35は、カバー17を開くことで交換可能になっている。
なお、プリンター11は、搬送ローラー対18,19を駆動する搬送モーター(図示略)、キャリッジモーター24(図2参照)、及び供給ポンプ34などの駆動制御や、液体噴射ヘッド60の各ノズル26からのインクの噴射制御などを行う制御部39を備えている。そして、液体噴射ヘッド60は、キャリッジモーター24の駆動に伴いキャリッジ25と共に走査方向Xに往復動しながら、供給されるインクを各ノズル26から支持台12上を搬送される記録媒体13に対して噴射することで印刷を行う。また、制御部39は、移動機構28を動作させて、キャリッジ25(キャリッジ本体25A)を、例えば記録媒体13の厚さに応じて上下移動させる。
図2に示すように、走査方向Xにおける支持台12の一端と隣り合う位置には、液体噴射ヘッド60のメンテナンスを行うためのメンテナンス機構43が設けられている。本実施形態において、液体噴射ヘッド60が印刷のために記録媒体13に対してインクを噴射する領域であって記録媒体13が搬送される領域は、搬送領域PAとされている。この場合、メンテナンス機構43は、走査方向Xにおけるキャリッジ25の走査領域内であって搬送領域PAの外側(図2では右側)に配置される。
メンテナンス機構43は、走査方向Xにおいて搬送領域PAに近い位置から順に並ぶように配置された、液体受容部44を有したフラッシングユニット45と、クリーニング機構47とを備えている。なお、メンテナンス機構43は、クリーニング機構47に対するフラッシングユニット45側とは反対側に、必要に応じて複数のノズル26を囲むように各液体噴射ヘッド60に接触して各液体噴射ヘッド60とで閉空間を形成するキャッピングを行うキャップユニット(放置キャップ)を備える。
キャリッジ25及び液体噴射ヘッド60は、印刷を行わないときや電源オフ時などに、メンテナンス機構43が配置されたホーム位置HPで待機する。すなわち、液体噴射ヘッド60は、搬送方向Yと直交(交差)する走査方向Xにおいて、搬送領域PAとホーム位置HPとの間を移動可能になっている。
フラッシングユニット45は、各ノズル26の目詰まりなどを予防または解消する目的で、印刷とは無関係に各ノズル26からインク滴を噴射する所謂フラッシングを行う際に、噴射(吐出)されるインクを液体受容部44で受容する。
本実施形態では、図2に示すように、液体噴射ヘッド60は走査方向Xに一定ピッチで4個並列に配列され、液体噴射ヘッド60同士は、走査方向Xに互いに所定の間隔をあけて設置されている。クリーニング機構47は、ホーム位置HPで待機するこれらの4つの液体噴射ヘッド60と対向し、対向する4つの液体噴射ヘッド60をそれぞれメンテナンスする4つのメンテナンスユニット50が装着されたユニットホルダー75を備えている。また、クリーニング機構47は、ユニットホルダー75の走査方向Xの両側を搬送方向Yに沿って移動可能に案内する一対のガイドフレーム73と、ユニットホルダー75を搬送方向Yに沿って往復動させるホルダー駆動部70とを備えている。なお、ガイドフレーム73およびホルダー駆動部70はプリンター本体16に組み付けられている。
図2及び図3に示すように、プリンター本体16に組み付けられたホルダー駆動部70は、動力源となる電動モーター71の動力を、駆動プーリー72aと従動プーリー72bとの間に張架されたベルト72によって、ベルト72の一部に固定されたユニットホルダー75に伝達する動力伝達機構を有している。すなわち、ホルダー駆動部70において電動モーター71が回転駆動され、この電動モーター71に直結された駆動プーリー72aが回転することによって張架されたベルト72が周回し、このベルト72の周回に伴って、ユニットホルダー75は、その走査方向Xの両側がガイドフレーム73に案内され、搬送方向Yに沿って往復動する。なお、電動モーター71は制御部39によって駆動が制御される。
例えば、電動モーター71が正転駆動することによって、ユニットホルダー75が図3に実線で示す位置から搬送方向Y上流側(図3では右方)に往動し、図3において二点鎖線で示す所定の位置まで往動したところで電動モーター71の回転停止によって停止する。その後、停止した電動モーター71が次に逆転駆動すると、ユニットホルダー75は、搬送方向Y下流側(図3では左方)へ復動して図3において実線で示す元の位置に復帰する。なお、本実施形態では、ユニットホルダー75は搬送方向Yに沿って長さLYの距離を往復動可能である。
また、図3に示すように、本実施形態のクリーニング機構47には、4つのメンテナンスユニット50を、ユニットホルダー75に対して、鉛直方向Zに沿って上下にスライド移動させる、偏心カム76と駆動モーター74を有するユニット駆動部77が備えられている。すなわち、4つのメンテナンスユニット50は、ユニットホルダー75の走査方向Xの両側壁および搬送方向Yの両側壁の少なくとも一方に案内され、上下方向へ一体となって、対向する液体噴射ヘッド60との間の距離が変化するように移動可能とされている。そして、ユニットホルダー75内において、4つのメンテナンスユニット50に対して下側から接触するように設けられた偏心カム76が、駆動モーター74の駆動によって回転させられることによって、4つのメンテナンスユニット50は、図3において実線と二点鎖線とで示すように、長さLZの距離を上下移動可能である。なお、駆動モーター74は制御部39によって駆動(回転)が制御される。
図1および図4に示すように、液体噴射ヘッド60は、キャリッジ25(キャリッジ本体25A)の重力方向側となる下面部に取り付けられるもので、キャリッジ25に取り付けるためのブラケット部61を備えている。そして、液体噴射ヘッド60は、このブラケット部61から下方へ突出するヘッド本体部62を備えている。
ヘッド本体部62の下面には、4つの貫通孔66A,66B,66C,66Dが設けられた板状のカバー部材63が、係止等の固定構造により液体噴射ヘッド60(ヘッド本体部62)に固定されている(図9参照)。すなわち、カバー部材63は、搬送方向Yに沿って一列に並ぶノズル列64を構成する各ノズル26が開口するノズル開口面62a(本例ではヘッド本体部62の下面)を覆うように取着され、4つの貫通孔66A,66B,66C,66Dのそれぞれにおいて、所定列数(一例として2列)のノズル列64が露出している。もちろん、カバー部材63には、ノズル列64の1列毎に貫通孔が設けられてもよい。なお、カバー部材63は、例えば金属(例えばステンレス鋼等)等によって構成される。
本実施形態では、搬送方向Y下流側から順に、貫通孔66Aと貫通孔66Bが搬送方向Yにおいて所定の間隔を空けて並んで配置されるとともに、貫通孔66Cと貫通孔66Dが搬送方向Yにおいて所定の間隔を空けて並んで配置されている。そして、貫通孔66Aにおいて露出するノズル列64と貫通孔66Bにおいて露出するノズル列64は、搬送方向Yに沿って一列に並ぶ状態でノズル開口面62aに設けられ、貫通孔66Cにおいて露出するノズル列64と貫通孔66Dにおいて露出するノズル列64は、搬送方向Yに沿って一列に並ぶようにノズル開口面62aに設けられている。
また、貫通孔66Aまたは貫通孔66Bと、貫通孔66Cまたは貫通孔66Dは、走査方向Xにおいて所定の間隔を空けて配置されるとともに、貫通孔66Cが搬送方向Yにおいて貫通孔66Aと貫通孔66Bとの中間位置に配置され、貫通孔66Bが搬送方向Yにおいて貫通孔66Cと貫通孔66Dとの中間位置に配置されている。そして、貫通孔66Cにおいて露出するノズル列64は、走査方向Xから見て、貫通孔66Aにおいて露出するノズル列64と貫通孔66Bにおいて露出するノズル列64と重なる状態でノズル開口面62aに設けられている。同様に、貫通孔66Bにおいて露出するノズル列64は、走査方向Xから見て、貫通孔66Cにおいて露出するノズル列64と貫通孔66Dにおいて露出するノズル列64と重なる状態でノズル開口面62aに設けられている。
本実施形態では、ノズル開口面62aのうちカバー部材63の貫通孔66A,66B,66C,66Dにより露出する領域が各ノズル26の開口領域を含むノズル周辺領域67となっている。つまり、液体噴射ヘッド60におけるノズル26を有するノズル開口面62aは、ノズル26の開口領域の外側に隣り合う領域であってノズル周辺領域67となる部分を露出させる貫通孔66A,66B,66C,66Dを有したカバー部材63によって覆われている。
また、本実施形態では、カバー部材63は、ノズル開口面62aのうち貫通孔66A,66B,66C,66Dによって露出するノズル周辺領域67以外の部分を覆う状態で、液体噴射ヘッド60に固定されている。このため、カバー部材63の重力方向側の底面は、おおよそ、搬送方向Yを長手方向とする2つの矩形形状が搬送方向Yにずれた形状を呈している。そして、貫通孔66A,66B,66C,66Dにより露出する4つのノズル周辺領域67とカバー部材63の底面68、つまり液体噴射ヘッド60の重力方向側の底面全体が、メンテナンスユニット50の払拭の対象となるノズル面65となっている。
したがって、ノズル面65は、ノズル周辺領域67(つまり貫通孔66A,66B,66C,66D内の領域)と、ノズル周辺領域67以外の領域である非ノズル周辺領域(つまりカバー部材63の底面68)とを備える。そして、非ノズル周辺領域は、ノズル周辺領域67よりもカバー部材63の厚み(本例では寸法0.1mm)分だけ突出している突出面となっている。したがって、ノズル周辺領域67と非ノズル周辺領域との間には、寸法0.1mmの段差が存在する。すなわち、ノズル面65は、ノズル周辺領域67の部分で凹部となるとともに非ノズル周辺領域の部分で凸部となる凹凸面によって構成されている。
なお、図4に示すように、ノズル列64は、搬送方向Yに沿ってノズル面65(詳しくはノズル開口面62a)に一定ピッチで配置された多数個(例えば180個または360個)のノズル26からなり、各ノズル列64は、インクカートリッジ30(図1参照)のインク色に対応する1色のインクをそれぞれ噴射する。もちろん、CMYKの4色以外の色のインクを噴射してもよく、例えばライトマゼンタ、ライトシアン、ライトイエロー、灰、オレンジ、白等の色のインクを噴射してもよい。また、液体噴射ヘッド60の色数は、CMYKの4色以外に、CMYの3色、黒の1色などでもよい。さらに、複数のノズル列64中にインクの噴射されない不使用ノズル列が存在してもよい。
本実施形態では、ノズル開口面62aに、インクをはじき易い撥液処理(撥インク処理)が施されており、その表面には撥液膜(撥インク膜)が成膜されている。一方、本実施形態で使用するインクは、一例として顔料インクである。顔料インクでは、その分散媒として使用される液中に多数の顔料の粒子が分散している。シアン、マゼンタ、及びイエローの顔料としては平均粒径約100nmの有機顔料が採用され、黒の顔料としては平均粒径約120nmの無機顔料(例えばカーボンブラック)などが採用される。
また、本例の顔料インクは水系インクであり、分散媒である水の中に多数の顔料の粒子が分散している。このため、本例では、撥液膜を、水系インクをはじく機能をもつ撥水膜としている。撥液膜は、例えばアルキル基を含むポリオルガノシロキサンを主材料とする薄膜下地層とフッ素を含む長鎖高分子基を有する金属アルコキシドからなる撥液膜層とから構成してもよい。なお、撥液膜は、撥液コーティング膜でもよいし、撥液性の単分子膜でもよく、その膜厚及び撥液処理方法は任意に選択できる。
一方、カバー部材63は金属プレートを所定形状に加工して製造され、カバー部材63の表面には撥液処理が施されていない。このため、非ノズル周辺領域(カバー部材63の底面68)はノズル周辺領域67よりも撥液性が低くなっている。つまり、非ノズル周辺領域に対するインクの濡れ角が、ノズル周辺領域67に対するインクの濡れ角よりも小さくなっている。
つぎに、液体噴射ヘッド60をメンテナンスするメンテナンスユニット50の構成について説明する。なお、本実施形態では、ユニットホルダー75に備えられた4つのメンテナンスユニット50は、それぞれ同様の構成を有している。
図5および図6に示すように、メンテナンスユニット50は、上面に開口部52を有する有底箱状のユニット枠体51を備え、そのユニット枠体51内に、インクを吸収可能な吸収部材55およびノズル面65を払拭可能な払拭部材54が、搬送方向Yにおいて隣り合うように収容されている。なお、開口部52は、液体噴射ヘッド60がメンテナンスユニット50に対向する状態において、鉛直方向Zから見て開口部52内にノズル面65が収容されるようにノズル面65より大きい形状とされている。
吸収部材55は、上面が矩形の平面部55aとされ、ユニット枠体51内に備えられたキャップ56A,56B,56C,56D内に備えられている。キャップ56A,56B,56C,56Dは、端面(上面)が長円形状の筒状側壁を有している。そして、図5において二点鎖線で示すように、キャップ56A,56B,56C,56Dは、液体噴射ヘッド60がメンテナンスユニット50と対向する状態において、貫通孔66A,66B,66C,66Dが筒状側壁内(長円形状内)に位置するように、固定板53によってユニット枠体51内に固定されている。また、吸収部材55が有する上面の平面部55aは、貫通孔66A,66B,66C,66Dつまりノズル周辺領域67よりも大きい面(平面)となっている。
図6および図7に示すように、本実施形態では、キャップ56A,56B,56C,56Dは、端部が直角に折り曲げられて補強された金属板で形成された固定板53に設けられた長円孔に対して下側から挿入して取り付けられる。そして、キャップ56A,56B,56C,56Dは、これらが取り付けられた固定板53が固定ねじ91によってユニット枠体51に固定されることにより、ユニット枠体51内に固定される。その後、上面が矩形の平面部55aとなっている吸収部材55が、固定されたキャップ56A,56B,56C,56Dのそれぞれに対して挿入され、ユニット枠体51内に備えられる。
図5および図6に示すように、払拭部材54は、キャップ56Aの搬送方向Y下流側とキャップ56Cの搬送方向Y下流側との2か所にそれぞれ1つ(合計2つ)備えられている。詳しくは、払拭部材54は、走査方向Xに沿う長さW1の幅を有し、その中央領域57aが搬送方向Yと交差する交差方向すなわち走査方向Xにおいて両側に位置する端領域57bよりも搬送方向Yの下流側に突出する第1払拭部材57と、走査方向Xにおける幅が第1払拭部材57よりも広い長さW2の幅を有する第2払拭部材58とを有している。そして、第1払拭部材57は、第2払拭部材58よりも搬送方向Y上流側に位置し、第1払拭部材57の走査方向Xにおける中心と、第2払拭部材58の走査方向Xにおける中心とがほぼ一致するようにユニット枠体51内に備えられる。また、第1払拭部材57は、その中央領域57aの走査方向Xにおける中心が、貫通孔66Aあるいは貫通孔66Cの走査方向Xにおける中心とほぼ一致するようにユニット枠体51内に備えられる。
図6および図8に示すように、本実施形態では、第1払拭部材57は、基台59に設けられた凸部59aに対して金属製の押え板57Fを介して固定ねじ97によって固定されることにより、基台59に取り付けられる。また、第2払拭部材58は、基台59に設けられたスリット部59bに差し込まれたのち固定ねじ98によって固定されることにより、基台59に取り付けられる。そして、第1払拭部材57と第2払拭部材58が取り付けられた2つの基台59は、基台59に設けられた2つの丸孔のうち、一方の丸孔59cに対してユニット枠体51内に設けられた円柱ピン51cが挿入された状態で、他方の丸孔59dに対して挿入される固定ねじ92によって、ユニット枠体51内の所定の位置にそれぞれ固定される。本実施形態では、ユニット枠体51内において、固定された2つの基台59において取り付けられた第1払拭部材57と第2払拭部材58は、キャップ56Aおよびキャップ56Cに対応してそれぞれ搬送方向Yにおいて同じ長さだけ離れた位置に備えられる。
なお、本実施形態では、第1払拭部材57は、中央領域57aが走査方向Xに沿って長さWaの幅で延在する平面とされ、端領域57bが中央領域57aから延在する走査方向Xに対して傾いた斜面とされている。また、第2払拭部材58は走査方向Xに沿って延在する平面とされている。なお、本実施形態では第1払拭部材57および第2払拭部材58(払拭部材54)は薄板状のゴム部材で形成され、このゴム部材は吸収部材55よりインクを吸収する吸収能力が低い弾性部材とされている。
さて、プリンター11では、キャリッジ25が走査方向Xに移動する途中で液体噴射ヘッド60の各ノズル26からインク(インク滴)を噴射して記録媒体13に1走査分の記録を施す印字動作と、記録媒体13を次の印字位置まで搬送する搬送動作とを交互に繰り返すことで、記録媒体13への印刷が行われる。このため、プリンター11では、所定のタイミング(インクカートリッジ30の交換時、ノズル26からのインクの噴射不良の発生時、印刷前など)で、インクがノズル26から適切に噴射できるようにメンテナンスするメンテナンス動作としてのフラッシング動作がホーム位置HPにおいて行われる。
次に、本実施形態のメンテナンスユニット50の作用、すなわち、メンテナンスユニット50による液体噴射ヘッド60のメンテナンス動作について、図を参照しながら説明する。このメンテナンス動作は制御部39によって制御され、ここでは、接触動作と払拭動作が行われる。なお、メンテナンスユニット50は、貫通孔66A,66Bのノズル周辺領域67についてのメンテナンス動作と同時に、貫通孔66C,66Dのノズル周辺領域67についてのメンテナンス動作を行う。したがって、以下の説明では、一例として貫通孔66A,66Bのノズル周辺領域67についてメンテナンスユニット50が行うメンテナンス動作を説明する。なお、以下参照する図面においては、液体噴射ヘッド60のカバー部材63の厚さが誇張されて図示されている。また、メンテナンスユニット50は断面で図示されている。
まず図9および図10を参照して接触動作について説明する。
図9に示すように、キャリッジモーター24の駆動により、キャリッジ25を走査方向Xに移動させ、液体噴射ヘッド60のノズル面65がメンテナンスユニット50(開口部52)と対向する状態にする。この状態から、図9においてそれぞれ白抜き矢印と二点鎖線で示すように、移動機構28により液体噴射ヘッド60(キャリッジ本体25A)を下降させるとともに、ユニット駆動部77によりメンテナンスユニット50を上昇させる。これらの下降および上昇移動によって、メンテナンスユニット50の吸収部材55がノズル周辺領域67に非接触であって、ノズル周辺領域67と吸収部材55(詳しくは平面部55a)との間を長さG1離れた状態にする。
次に図10において太線矢印で示すように、圧力調整ユニット38によって液体噴射ヘッド60に供給されるインクの圧力を高く調整して、ノズル周辺領域67においてノズル26(図10では不図示)からインクを膨出させる。したがって、圧力調整ユニット38は、液体噴射ヘッド60に供給されるインクを加圧することによりノズル26からインクを膨出させる液体加圧部として機能する。
本実施形態では、図10において網掛け領域で示すように、ノズル周辺領域67において膨出させられたインクは、ノズル26からの最大飛び出し量、すなわちノズル開口面62aからの鉛直方向Zにおける最大長さが、ノズル周辺領域67と吸収部材55との隙間となる長さG1よりも大きくなっている。換言すれば、ノズル周辺領域67と吸収部材55との隙間となる長さG1は、ノズル周辺領域67において膨出させられたインクのノズル開口面62aからの最大飛び出し量よりも小さくなっている。したがって、ノズル周辺領域67において膨出させられたインクは、吸収部材55に接触して吸収部材55に吸収される。尚、この状態において、キャップ56A,56B,56C,56Dは、カバー部材63(非ノズル周辺領域)と接触していない。
このように、プリンター11では、液体噴射ヘッド60の下降とメンテナンスユニット50の上昇とによって、吸収部材55を、ノズル面65のうちノズル周辺領域67とは非接触であって、ノズル面65(ノズル開口面62a)から膨出させられたインクに接触させる接触動作が行われる。なお、液体噴射ヘッド60の下降およびメンテナンスユニット50の上昇は、移動機構28およびユニット駆動部77が制御部39によって駆動制御されることによって行われる。したがって、吸収部材55を有するメンテナンスユニット50に加えて、移動機構28およびユニット駆動部77が、吸収部材55のインクとの接触動作を行う接触動作部として機能する。
次に、図11〜図13を参照して払拭動作について説明する。
図11に示すように、接触動作によりノズル26から膨出したインクが吸収部材55に吸収される。このとき、図11において網掛け領域で示すように、ノズル周辺領域67(ノズル開口面62a)において、吸収されずに残った残インク(インク滴)が存在する場合がある。そこで、メンテナンス動作として、接触動作の後、残インクを取り除くためにノズル面65を払拭する払拭動作が行われる。
図12に示すように、払拭動作では、メンテナンスユニット50を、搬送方向Yに沿って、その下流側から上流側に向かう方向を払拭方向とし、この払拭方向へ移動させる。すなわち、ホルダー駆動部70における電動モーター71の正転駆動によって、ユニットホルダー75が図12において白抜き矢印で示すように搬送方向Y上流側に往動する。このユニットホルダー75の往動に伴って、メンテナンスユニット50は、図12において二点鎖線で示す状態(すなわち図11で示す状態)から搬送方向Yに沿って、搬送方向Y上流側に移動する。
このメンテナンスユニット50の移動により、メンテナンスユニット50に備えられた第1払拭部材57と第2払拭部材58が、この順序でノズル面65を払拭する。すなわち、吸収部材55および払拭部材54は、払拭動作時の払拭方向において隣り合うようにメンテナンスユニット50に収容されるとともに、払拭部材54は、吸収部材55に対して払拭方向の上流側となる搬送方向Y下流側に収容されている。そして、払拭部材54において、第1払拭部材57は第2払拭部材58よりも払拭方向の下流側に位置している。
なお、ホルダー駆動部70(電動モーター71)は制御部39によって駆動制御される。したがって、払拭部材54を有するメンテナンスユニット50に加えて、ユニットホルダー75およびホルダー駆動部70が、払拭部材54によるノズル面65の払拭動作を行う払拭動作部として機能する。
図13に示すように、この払拭動作は、第2払拭部材58による貫通孔66Bのノズル周辺領域67の払拭が終了したところまでメンテナンスユニット50が往動したところで、電動モーター71の回転停止によって停止する。なお、払拭動作の終了後、メンテナンスユニット50は、図13において実線の白抜き矢印で示すようにユニット駆動部77による下降移動が行われ、図13において二点鎖線で示す位置に移動する。その後、メンテナンスユニット50は、図13において二点鎖線の白抜き矢印で示すようにホルダー駆動部70による搬送方向Yへのスライド移動が行われ、図9において実線で示す位置、つまり接触動作開始前の位置に戻る。
図14に示すように、本実施形態では、この払拭動作において、最初にノズル面65を払拭する第1払拭部材57は、搬送方向Yの下流側から上流側に向かう払拭方向に突出する中央領域57aが、ノズル周辺領域67に接触しつつ、複数のノズルが搬送方向Yに並ぶノズル列64に沿って移動する。すなわち、メンテナンスユニット50の吸収部材55とノズル周辺領域67との間が長さG1離れた状態において、第1払拭部材57のうち、少なくとも中央領域57aがノズル周辺領域67に接触する。換言すれば、第1払拭部材57は、吸収部材55とノズル周辺領域67との間が長さG1離れた状態で、走査方向Xに長さWaの幅を有する中央領域57aが、図14において実線で示すように、その長さWaの幅内においてノズル周辺領域67と接触するように、メンテナンスユニット50に備えられる。
この第1払拭部材57による払拭動作によって、ノズル列64のノズル26を含むノズル周辺領域67に付着していた残インクは、第1払拭部材57の端領域57bの斜面に沿って非ノズル周辺領域(つまりカバー部材63の底面68)に移動する。
第1払拭部材による払拭動作に続いて行われる第2払拭部材58による払拭動作は、この第2払拭部材58をノズル面65に接触させた状態で、第2払拭部材58をノズル面65に沿う払拭方向に相対移動させて当該ノズル面65を払拭する。この第2払拭部材58による払拭動作によって、ノズル周辺領域67から非ノズル周辺領域(カバー部材63の底面68)に移動した残インクがノズル面65から除去される。
すなわち、メンテナンスユニット50の吸収部材55とノズル周辺領域67との間が長さG1離れた状態において、第2払拭部材58はノズル面65に接触する。換言すれば、第2払拭部材58は、吸収部材55とノズル周辺領域67との間が長さG1離れた状態で、カバー部材63の底面68と接触するように、メンテナンスユニット50に備えられる。
ノズル面65を払拭する2つの払拭部材54は、図14においてそれぞれ二点鎖線と破線とで示すように、ユニットホルダー75の往動距離である長さLYの距離を同時に移動する。この移動によって、2つの払拭部材54のうちの一方は、貫通孔66Aと貫通孔66Bによって露出する搬送方向Yに並ぶ2つのノズル周辺領域67を含むノズル面65を払拭し、他方は、貫通孔66Cと貫通孔66Dによって露出する搬送方向Yに並ぶ2つのノズル周辺領域67を含むノズル面65を払拭する。
本実施形態では、貫通孔66Aと貫通孔66Bによって露出する2つのノズル周辺領域67を含むノズル面65を払拭する第2払拭部材58と、貫通孔66Cと貫通孔66Dによって露出する2つのノズル周辺領域67を含むノズル面65を払拭する第2払拭部材58とは、走査方向Xにおいて重なる部分を有する。すなわち、第2払拭部材58の幅となる走査方向Xに沿う長さW2(図5参照)は、払拭部材54の払拭方向(搬送方向Yに沿う方向)から見て走査方向Xにおいて2つの第2払拭部材58が重なる長さに設定されている。この重なる部分を有することで、貫通孔66Cと貫通孔66Dによって露出する2つのノズル周辺領域67を含むノズル面65において第2払拭部材58が払拭できずに残ったインクを、貫通孔66Cと貫通孔66Dによって露出する2つのノズル周辺領域67を含むノズル面65を払拭する第2払拭部材58で払拭する。
また、払拭方向と交差する走査方向Xにおいて2つの第2払拭部材58が存在する長さとなる第2払拭部材58の幅(全幅)は、走査方向Xにおけるノズル面65の幅よりも広い長さを有している。このように2つの第2払拭部材58の走査方向Xにおける全幅が、ノズル面65の幅よりも広くなっていることで、ノズル面65の全体が第2払拭部材58によって払拭される。なお、本実施形態では、払拭動作は、図14(図13)に示すように、第2払拭部材58がノズル面65(カバー部材63)に接触した状態で終了しているが、第2払拭部材58がノズル面65(カバー部材63)から払拭方向に離れた状態で終了してもよい。
さらに、本実施形態では、この払拭動作に続いて、印刷とは関係なくノズル26からインクを強制的に噴射するフラッシング動作が行われる。
次に、図15および図16を参照して、このフラッシング動作について説明する。
図15に示すように、液体噴射ヘッド60のノズル面65と対向する状態にあるメンテナンスユニット50を、この状態から、図15において白抜き矢印と二点鎖線で示すように、ユニット駆動部77(図3参照)を駆動してメンテナンスユニット50を上昇させる。この上昇移動によって、吸収部材55の平面部55aがノズル周辺領域67と対向する位置であって、メンテナンスユニット50の吸収部材55(平面部55a)とノズル周辺領域67との間が長さG2離れた状態になる。
次に図16に示すように、吸収部材55(平面部55a)とノズル周辺領域67との間が長さG2離れた状態において、フラッシング動作が行われる。すなわち、制御部39による噴射制御によって、液体噴射ヘッド60の各ノズル26(不図示)からノズル周辺領域67と対向する位置にある吸収部材55の平面部55aに向かって液体噴射ヘッド60のノズル26からインクを噴射するフラッシング動作を行う。したがって、メンテナンスユニット50に加えて、ユニット駆動部77および液体噴射ヘッド60(ノズル26)がフラッシング動作を行うフラッシング動作部として機能する。
なお、フラッシング動作が行われる際のノズル周辺領域67と吸収部材55との隙間となる長さG2は、接触動作が行われる際のノズル周辺領域67と吸収部材55との隙間となる長さG1よりも大きい長さとされている。換言すれば、接触動作が行われる際のノズル周辺領域67と吸収部材55との隙間となる長さG1は、フラッシング動作が行われる際のノズル周辺領域67と吸収部材55との隙間となる長さG2よりも短い長さとされている。
本実施形態では、このフラッシング動作において、メンテナンスユニット50(好ましくは吸収部材55)と液体噴射ヘッド60との間において所定の電位差を有する電圧を印加するように電気的に接続された電圧印加回路82が設けられている。また、この電圧印加回路82による電圧の印加時において、メンテナンスユニット50の電圧を検出する電圧検出回路81が設けられている。なお、電圧印加回路82および電圧検出回路81はプリンター11の制御部39に設けられている。もとより、電圧印加回路82および電圧検出回路81は制御部39とは別体で設けられていてもよい。
そして、電圧印加回路82が液体噴射ヘッド60とメンテナンスユニット50との間に所定の電位差を生じさせた状態で、液体噴射ヘッド60から帯電したインクが噴射されると、所定の電位差、すなわちメンテナンスユニット50の電圧が変化する。そこで、電圧検出回路81が液体噴射ヘッド60からインクが噴射された際のメンテナンスユニット50の電圧変化を検出することによって、実際にインクが噴射されたか否かを検査するインク噴射検査を行う。このインク噴射検査によりノズル26はインクが噴射可能にメンテナンスされたか否かが調べられる。
なお、フラッシング動作の終了後は、図16においてそれぞれ実線の白抜き矢印で示すように、液体噴射ヘッド60は移動機構28により上昇し、メンテナンスユニット50はユニット駆動部77によって下降して、それぞれ図9において実線で示す位置、つまり接触動作開始前の位置に戻る。以上で、メンテナンスユニット50による液体噴射ヘッド60のメンテナンス動作が終了する。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)払拭動作の前に接触動作を行うことによって、ノズル周辺領域67に付着した異物やインク中の無機物を吸収部材55によって回収できるので、払拭動作において、ノズル面65へのダメージを低減しつつノズル面65に付着したインクを払拭できる。
(2)払拭動作において払拭部材54(第1払拭部材57)がノズル周辺領域67に接触しながら摺動しても、インクの吸収能力(液体吸収率)が低いため、払拭部材54の摺動においてノズル周辺領域67(ノズル面65)に与えるダメージを抑制することができる。
(3)払拭部材54を形成する薄板状の弾性部材はインクの吸収能力が低いのでノズル面65の払拭部材として好適である。
(4)接触動作において吸収部材55はフラッシング動作時での距離(長さG2)よりノズル周辺領域67との間の距離(長さG1)が短くなるので、非接触の状態であってもインクを吸収し易くなる。
(5)ノズル周辺領域67以外の領域(非ノズル周辺領域)は、ノズル周辺領域67より突出した突出面であるので、ノズル周辺領域67を記録媒体13(印刷対象物)との接触から保護できる。また、突出面はノズル周辺領域67よりインクに対する撥液性が低いので、ノズル周辺領域67に残留したインクをノズル周辺領域67以外の非ノズル周辺領域に移動しやすくできる。
(6)第1払拭部材57による払拭動作でノズル周辺領域67のインクをノズル周辺領域67以外の領域に移動させた後、第2払拭部材58による払拭動作でノズル周辺領域67以外の領域のインクを払拭するので、払拭部材54による払拭動作によりノズル面65のインクを払拭できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、接触動作部は、吸収部材55の平面部55aが突出面すなわち非ノズル周辺領域となるカバー部材63の底面68と接触する位置で接触動作を行うようにしてもよい。すなわち、図9に示すノズル周辺領域67と吸収部材55(平面部55a)との間の長さG1が、カバー部材63の厚み(本例では寸法0.1mm)の長さになるように、液体噴射ヘッド60およびメンテナンスユニット50を移動させる。このように移動させることで、図10に示す接触動作において、吸収部材55の平面部55aは、カバー部材63の底面68と接触する状態になるとともに、ノズル周辺領域67とは、カバー部材63の厚み(本例では寸法0.1mm)分の隙間を有する非接触の状態となる。
この変形例によれば、上記実施形態の効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(7)接触動作時において、ノズル周辺領域67と吸収部材55とを非接触に維持しやすい。
・上記液体噴射装置において、メンテナンスユニット50は、液体噴射ヘッド60のノズル面65と対向可能な領域であって、ノズル面65を保湿する保湿液を貯留可能な貯留領域を有するようにしてもよい。
図17に示すように、例えば、メンテナンスユニット50において、ユニット枠体51の開口部52内に形成される液体噴射ヘッド60のノズル面65と対向可能な凹部領域(図7参照)に保湿液78を貯留させるようにしてもよい。
このようにすることによって、図17においてハッチング領域で示すように、ユニット枠体51の開口部52内に設けられた貯留領域に貯留された保湿液78は、吸収部材55の下面側から浸透する。その後、浸透した保湿液78は吸収部材55の上面(平面部55a)側に移動して図17において破線矢印で示すように気化し、液体噴射ヘッド60のノズル面65(ノズル周辺領域67)を保湿することが可能である。
したがって、吸収部材55が、液体噴射ヘッド60のノズル面65と対向可能な領域に設けられ、ノズル面65を保湿する保湿液78を貯留可能な貯留領域として機能する。なお、本変形例において、保湿液78は吸収部材55にのみ含浸されて貯留される状態であっても差し支えない。
この変形例によれば、上記実施形態の効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(8)印刷を行わないときや電源オフ時など、液体噴射ヘッド60のホーム位置HPでの待機時に、ノズル面65を貯留領域と対向させることによって、ノズル面65に残留した液体(インク)の増粘を低減できる。
あるいは、図17に示す変形例において、保湿液の貯留領域は、払拭部材54の払拭方向と交差する方向において吸収部材55の平面部55aと隣り合う位置に配置されていてもよい。例えば、ここでは図示による説明を省略するが、図5または図6に示すメンテナンスユニット50において、各キャップ56A,56B,56C,56Dに対して、払拭方向(搬送方向Y)と交差する走査方向Xの少なくとも一方の側において、吸収部材55と同様の吸収部材を別途備え、この別途備えた吸収部材に保湿液を含浸させるようにしてもよい。この場合、別途備えた吸収部材の上面が貯留領域となる。
例えば、各キャップ56A,56B,56C,56D内の吸収部材55に対してフラッシング動作によって噴射されたインクにより、保湿液の気化が抑制される場合がある。そこで、このように別途備えられた吸収部材から保湿液78を気化させることによって、液体噴射ヘッド60のノズル面65(ノズル周辺領域67)を保湿することができる。また、各キャップ56A,56B,56C,56Dに対して走査方向Xに隣接して貯留領域が備えられるので、払拭動作の後や待機時にメンテナンスユニット50を貯留領域に容易に移動することができる。
なお、図17においては、液体噴射ヘッド60のノズル面65と貯留領域として機能する吸収部材55の平面部55aとの間の距離が離れた状態で図示されているが、もとより、吸収部材55の平面部55aとの間は、ノズル面65の保湿に適した距離に調節される。
・上記実施形態において、払拭部材54は、必ずしも第1払拭部材57と第2払拭部材58の2つを有さなくてもよい。例えば、第1払拭部材57および第2払拭部材58のうちの1つを有していてもよい。もとより、例えば第2払拭部材58の1つを有する場合は、この第2払拭部材58はノズル周辺領域67に接触することが好ましい。あるいは、第1払拭部材57および第2払拭部材58に第3払拭部材を加えるなど3つ以上を有していてもよい。
・上記実施形態において、非ノズル周辺領域をノズル周辺領域67よりも突出している突出面としない構成としてもよい。この場合、ノズル周辺領域67に撥液処理を施し、その外側の非ノズル周辺領域に撥液処理を施さないようにしてもよい。あるいは、非ノズル周辺領域に施す撥液処理の撥液性は、必ずしもノズル周辺領域67の撥液性よりも低くする必要はない。例えば、非ノズル周辺領域の撥液性がノズル周辺領域67の撥液性と同じであってもよい。
・上記実施形態において、メンテナンスユニット50は、保湿液78を貯留可能な貯留領域を有さなくてもよい。この場合、メンテナンスユニット50は、ノズル面65より大きい開口部52を有する有底箱状の形状でなくても差し支えない。
・上記実施形態において、接触動作時における吸収部材55の平面部55aとノズル周辺領域67との距離(長さG1)は、必ずしもフラッシング動作時における吸収部材55の平面部55aとノズル周辺領域67との距離(長さG2)より短くなくてもよい。すなわち、同じ長さであってもよい。あるいは、上記実施形態においては、必ずしもフラッシング動作を行わなくてもよい。
・上記実施形態において、払拭部材54は必ずしも薄板状のゴム部材で形成されなくてもよい。例えば、払拭部材54は樹脂部材、弾性のある樹脂エラストマー(例えばシリコン系エラストマー)や布部材で形成されてもよい。
・上記実施形態において、第2払拭部材58は吸収部材55と比較してインクを吸収する吸収能力が同等かそれ以上としてもよい。また、この場合、第1払拭部材57を吸収部材55よりインクを吸収する吸収能力が低い部材で形成し、第2払拭部材58を帯状の布部材で形成し、液体噴射ヘッド60に向かって押圧する構成としてもよい。
・上記実施形態において、払拭部材54は、必ずしも吸収部材55よりインクを吸収する吸収能力が低くなくてもよい。例えば、払拭部材54のインクの吸収能力は吸収部材55のインクの吸収能力と同じであってもよい。
・上記実施形態において、メンテナンスユニット50の各キャップ56A,56B,56C,56Dは、液体噴射ヘッド60に接触して液体噴射ヘッド60とで閉空間を形成するキャッピングを行うことによって、各ノズル26内のインクの乾燥を抑制したり、ノズル26からインクを吸引するようにしてもよい。すなわち、印刷を行わないときなどに、液体噴射ヘッド60をホーム位置HPにおいて各キャップ56A,56B,56C,56Dによってキャッピングするようにしてもよい。
あるいは、上記実施形態において、必ずしも、メンテナンスユニット50にキャップ56A,56B,56C,56Dが備えられなくてもよい。例えば、印刷を行わないときなどに、液体噴射ヘッド60をホーム位置HPにおいてキャッピングするキャップユニット(放置キャップ)が別途備えられる場合は、メンテナンスユニット50にキャップ56A,56B,56C,56Dは必ずしも必要ではない。
・上記実施形態において、実際にインクが噴射されたか否かを検査するインク噴射検査を、電圧検出回路81が液体噴射ヘッド60からインクが噴射された際のメンテナンスユニット50の電圧変化を検出して行う方法とは異なる方法で行ってもよい。例えば、液体噴射ヘッド60に備えられたアクチュエーター(例えば圧電素子)によるノズル26に連通する圧力室の変位によって、加圧されたインクがノズル26から噴射する構成の場合、この圧力室のインクの加圧後の振動(残留振動)によってアクチュエーターに生ずる電圧(逆起電圧)を検出して行う方法であってもよい。すなわち、検出されたアクチュエーターに生ずる電圧(逆起電圧)が、インクが噴射された場合の残留振動によって発生する電圧か否かを判定することによって、ノズル26はインクが噴射可能にメンテナンスされたか否かが調べられる。
・上記実施形態においては、液体噴射ヘッド60とメンテナンスユニット50の双方が鉛直方向Zに沿って上下方向に移動(相対移動)する構成としたが、これに限らず、メンテナンスユニット50の一方が上下方向に移動する構成であってもよい。あるいは、メンテナンスユニット50において、吸収部材55がユニット枠体51に対して上下方向に移動する構成であってもよい。
・上記実施形態においては、払拭部材54のノズル面65に沿う払拭方向の移動(相対移動)をメンテナンスユニット50の移動により行う構成としたが、これに限らず、払拭部材54がメンテナンスユニット50内で移動する構成であってもよい。
・上記実施形態においては、払拭部材54のノズル面65に沿う払拭方向の移動(相対移動)をメンテナンスユニット50の移動により行う構成としたが、払拭部材54のノズル面65に沿う払拭方向の移動(相対移動)の方向を走査方向Xとする場合は、払拭部材54のノズル面65に沿う払拭方向の移動(相対移動)を液体噴射ヘッド60の移動により行う構成としてもよい。
・上記実施形態においては、クリーニング機構47において、払拭動作におけるメンテナンスユニット50の払拭方向が、搬送方向Yの上流側から下流側に向かう方向であってもよい。この場合、メンテナンスユニット50において、払拭部材54は、吸収部材55に対して払拭方向の上流側となる搬送方向Y上流側に収容されている。そして、払拭部材54において、第1払拭部材57は第2払拭部材58よりも払拭方向の下流側(搬送方向Y上流側)に位置している。
・上記実施形態において、非ノズル周辺領域である突出面は、カバー部材63を用いずに、液体噴射ヘッド60に一体形成するようにして形成されてもよい。この場合、ノズル開口面62aが凹凸面によって構成される。
・上記実施形態において、払拭部材54によるノズル面65の払拭は、メンテナンスユニット50が停止した状態でノズル面65(液体噴射ヘッド60)を移動させることによって行ってもよいし、メンテナンスユニット50およびノズル面65(液体噴射ヘッド60)の両方を移動させることによって行ってもよい。
・上記実施形態において、液体加圧部としての圧力調整ユニット38に代えて、供給ポンプ34を動作させることによって液体噴射ヘッド60に供給されるインクを加圧して、ノズル26からインクを膨出させてもよい。また、液体噴射ヘッド60に備えられたアクチュエーターを駆動させることにより圧力室内のインクをすることによりノズル26からインクを膨出させてもよい。
・上記実施形態において、ノズル26からインクを膨出させた状態で、液体噴射ヘッド60に備えられたアクチュエーターを駆動させてもよい。これにより、ノズル26内やノズル周辺領域67に付着した異物の接触動作による回収効率の向上が期待できる。
・上記実施形態において採用されるインクは、溶剤を主溶媒とする顔料インクであってもよいし、水系の染料インクであってもよい。顔料を含まない場合であっても、払拭動作の前に接触動作を行うことによって、ノズル周辺領域67に付着した異物としての増粘したインク成分や固化したインク成分を吸収部材55によって回収できるので、払拭動作において、ノズル面65へのダメージを低減しつつノズル面65に付着したインクを払拭できる。
・上記実施形態において、インクジェット式のプリンター11は、液体噴射ヘッド60が、走査方向Xに移動するキャリッジ25(キャリッジ本体25A)に取り付けられた所謂シリアルヘッドタイプに限らず、走査方向Xに移動することなく記録媒体13の幅全体に亘って印刷可能なラインヘッドタイプのものであってもよい。液体噴射ヘッド60がこのラインヘッドタイプの場合、払拭部材54の払拭方向への移動(相対移動)を、メンテナンスユニット50を移動させることによって行うようにしてもよいし、液体噴射ヘッド60(ラインヘッド)の移動により行うようにしてもよい。
・上記実施形態において、プリンター11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したような水系インク、非水系インク、油性インク、ジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物や液晶等が挙げられる。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
11…プリンター(液体噴射装置の一例)、12…支持台、13…記録媒体、26…ノズル、28…移動機構、38…圧力調整ユニット(液体加圧部の一例)、50…メンテナンスユニット、51…ユニット枠体、52…開口部、53…固定版、54…払拭部材、55…吸収部材、55a…平面部、56A…キャップ、56B…キャップ、57…第1払拭部材、57a…中央領域、57b…端領域、58…第2払拭部材、60…、液体噴射ヘッド(液体噴射部の一例)、65…ノズル面、66A…貫通孔、66B…貫通孔、67…ノズル周辺領域、70…ホルダー駆動部(払拭動作部の一例)、75…ユニットホルダー、77…ユニット駆動部(接触動作部の一例)、78…保湿液、X…走査方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向。

Claims (9)

  1. 供給される液体をノズル面に配置された複数のノズルから噴射可能な液体噴射部と、
    前記液体を吸収可能な吸収部材と、
    前記ノズル面を払拭可能な払拭部材と、
    を備え、
    前記吸収部材を、前記ノズル面のうち前記ノズルを含むノズル周辺領域とは非接触であって、前記ノズルから膨出させられた前記液体に接触させる接触動作を行い、
    前記接触動作の後、前記払拭部材を前記ノズル周辺領域に接触させた状態で、当該払拭部材を前記ノズル面に沿う払拭方向に相対移動させて当該ノズル面を払拭する払拭動作を行うことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記払拭部材は前記吸収部材より前記液体を吸収する吸収能力が低いことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記払拭部材は薄板状のゴム部材で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記吸収部材は前記ノズル周辺領域より大きい平面部を有し、
    前記吸収部材の平面部が前記ノズル周辺領域と対向する位置で前記吸収部材の平面部に向かって前記液体噴射部の前記ノズルから前記液体を噴射するフラッシング動作を行い、
    前記吸収部材の平面部が前記ノズル周辺領域と対向する位置であって、前記吸収部材の平面部と前記ノズル周辺領域との距離が前記フラッシング動作時より短い位置で、前記接触動作を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記吸収部材および前記払拭部材が、前記払拭動作時の前記払拭方向において隣り合うように収容された、前記ノズル面より大きい開口部を有する有底箱状のメンテナンスユニットを備え、
    前記メンテナンスユニットは、前記液体噴射部の前記ノズル面と対向可能な領域であって、前記ノズル面を保湿する保湿液を貯留可能な貯留領域を有することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記貯留領域は、前記払拭方向と交差する方向において前記吸収部材の平面部と隣り合う位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 前記ノズル面のうち前記ノズル周辺領域以外の領域は、前記ノズル周辺領域より突出した突出面であり、該突出面は、前記ノズル周辺領域より前記液体に対する撥液性が低いことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記吸収部材の平面部が前記突出面と接触する位置で前記接触動作を行うことを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
  9. 前記払拭部材は、
    前記払拭動作において前記ノズル周辺領域に接触する中央領域が前記払拭方向と交差する交差方向における端領域よりも前記払拭方向側に突出する第1払拭部材と、前記交差方向における幅が前記第1払拭部材よりも広い第2払拭部材と、を有し、
    前記第1払拭部材を前記ノズル周辺領域に接触させた状態で前記払拭動作を行った後、前記第2払拭部材を前記ノズル面に接触させた状態で前記払拭動作を行うことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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