JP2016087219A - 医用画像観察装置、読影画像表示制御装置および読影画像表示制御方法 - Google Patents

医用画像観察装置、読影画像表示制御装置および読影画像表示制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医用画像観察装置の表示特性に応じて医用画像の注意所見の見落とし危険度を判定することができる医用画像観察装置、読影画像表示制御装置を提供する。【解決手段】所定の表示性能を有する表示部と、医用画像を取得する画像取得部52と、症例ごとに、症例に関係する部位を撮影した医用画像中に含まれると予想される観察注意状態としての注意所見と、症例の必要表示性能とを関連付けた注意所見リストを取得するリスト取得部53と、注意所見リストにもとづいて、医用画像に対応する症例の注意所見のうち、必要表示性能に対して自機の表示部の現在の表示性能が不足する注意所見である危険注意所見を抽出する危険注意所見抽出部54と、必要表示性能に対する現在の表示性能の不足度に応じて、表示部に表示された医用画像の観察において危険注意所見に注意するよう促す観察警告情報を生成する警告情報生成部57と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、医用画像観察装置、読影画像表示制御装置および読影画像表示制御方法に関する。
医用画像の読影は、病院内の読影用の医用画像観察装置などの医用画像観察装置で行われる。医用画像観察装置としては、たとえば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの一般的な情報処理装置を用いることができる。
各医用画像観察装置の表示装置が有する画素数、輝度値、階調特性などの表示性能は、必ずしも同一ではない。そこで、たとえば医用画像観察装置に対して医用画像を送信する前に、医用画像観察装置の階調特性に応じて医用画像の階調変換を行うことにより、医用画像の階調特性と医用画像観察装置の階調特性とを一致させる技術が提案されている。
特開205−131267号公報
しかし、近年、一般的なパーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置により構成された画像観察装置に限らず、携帯型の情報処理端末などでも医用画像の読影が行われるようになってきている。このため、医用画像観察装置の表示装置の表示性能には、装置間で大きな差が生じている。
したがって、医用画像を医用画像観察装置ごとに画質調整してから医用画像観察装置に送信することは、非常に煩雑である。また、病院内の医用画像観察装置に比べて大きく劣る表示性能を有する医用画像観察装置で読影する場合には、画質調整した医用画像であっても異常状態(正常でない状態)の発見が困難な場合がある。
本発明の一実施形態に係る医用画像観察装置は、上述した課題を解決するために、所定の表示性能を有する表示部と、医用画像を取得する画像取得部と、症例ごとに、前記症例に関係する部位を撮影した前記医用画像中に含まれると予想される観察注意状態としての注意所見と、前記症例の必要表示性能とを関連付けた注意所見リストを取得するリスト取得部と、前記注意所見リストにもとづいて、前記医用画像に対応する症例の注意所見のうち、前記必要表示性能に対して自機の前記表示部の現在の表示性能が不足する注意所見である危険注意所見を抽出する危険注意所見抽出部と、前記必要表示性能に対する前記現在の表示性能の不足度に応じて、前記表示部に表示された前記医用画像の観察において前記危険注意所見に注意するよう促す観察警告情報を生成する警告情報生成部と、を備えたものである。
本発明の一実施形態に係る医用画像観察装置を含む医用画像観察システムの一例を示すブロック図。 医用画像観察装置の主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。 注意所見リストの一例を示す説明図。 注意所見リストの各情報の多重度を説明するための図。 (a)は必要画素数と表示部の画素数との差と、不足度との関係の一例を示す説明図、(b)は必要モニタサイズと表示部のモニタサイズとの差と、不足度との関係の一例を示す説明図、(c)は必要輝度値と表示部の現在の輝度値との差と、不足度との関係の一例を示す説明図。 ユーザによる表示性能の調整指示を受け付けるための画像の一例を示す説明図。 (a)は、表示部の現在の表示性能および調整可能範囲の一例を示す説明図、(b)は、注意所見「GGO」に関連付けられた必要表示性能の一例を示す説明図、(c)は、注意所見「GGO」に関連付けられた必要表示性能に近づくようユーザによる表示性能の調整指示を受け付けるための画像の例を示す説明図。 観察警告画像の一例を示す説明図。 観察結果情報に対して再観察時警告情報が関連付けられて画像サーバに与えられる様子の一例を示す説明図。 図1に示す医用画像観察装置の主制御部のCPUにより、医用画像観察装置の表示部の表示性能に応じて医用画像の注意所見の見落とし危険度を判定する際の手順の一例を示すフローチャート。
本発明に係る医用画像観察装置、読影画像表示制御装置および読影画像表示制御方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る医用画像観察装置10を含む医用画像観察システム1の一例を示すブロック図である。また、図2は、医用画像観察装置10の主制御部15のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。図2には、読影画像表示制御装置20が主制御部15のCPUによる機能実現部の一部である場合の例について示した。
なお、本実施形態では、本発明に係る医用画像観察装置10として、タブレット端末やノートブック型パーソナルコンピュータなどの携帯型の情報処理端末を用いる場合の例について示す。
医用画像観察システム1は、医用画像観察装置(携帯型観察端末)10、病院内の医用画像観察装置(以下、院内観察装置という)30、モダリティ41、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)サーバ42および画像サーバ43を有する。
図1に示すように、医用画像観察装置10は、表示部11、入力部12、記憶部13、ネットワーク接続部14および主制御部15を有する。また、院内観察装置30は、表示部31、入力部32、記憶部33、ネットワーク接続部34および主制御部35を有する。以下の説明では、医用画像観察装置10の表示部11の表示性能は、院内観察装置30の表示部31の表示性能よりも劣る場合の例について示す。なお、院内観察装置30の各構成31−35は医用画像観察装置10の各構成11−15と表示性能を除き同一の構成を有するため説明を省略する。
医用画像観察装置10は、たとえば画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)、放射線科情報システム(RIS:Radiology Information System)などの種々のシステムのビューワとして用いられる。また、医用画像観察装置10は、ネットワーク100を介してPACSが保持するビューワソフトウエアをリモートから利用することにより、PACSに保持された医用画像を参照可能に構成されてもよい。この場合、読影画像表示制御装置20の一部または全部の機能は、ビューワソフトウエアを読み込んだ画像サーバ43や図示しない情報処理装置などのプロセッサ、院内観察装置30の主制御部35などにより実現されてもよい。
表示部11は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。表示部11は、主制御部15の制御に従って医用画像などの各種情報や、主制御部15により生成された観察警告情報などを表示する。入力部12は、たとえばキーボード、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を主制御部15に出力する。
表示部11および入力部12は、一体として操作パネルを構成してもよい。この場合、操作パネルは、ユーザが押したときにそれぞれ固有の指示信号をCPUに与えるボタンなどの入力部12の一部としてのハードキーと、表示入力装置とを有する。この場合、表示入力装置は、表示部11と、表示部11の近傍に設けられた入力部12の一部としてのタッチパネルとを有する。表示部11は、主制御部15に制御されて、医用画像観察装置10を操作するための情報および医用画像観察装置10を操作するための複数のソフトキーを表示する。タッチパネルは、ユーザによるタッチパネル上の指示位置の情報を主制御部15に与える。
表示部11は、所定の表示性能を有する。表示性能としては、画素数、モニタサイズ、輝度値などが挙げられる。また、表示性能の一部(たとえば輝度値など)は、所定の調整可能範囲を有する。
記憶部13は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPU等の演算装置により読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。記憶部13に記憶されるデータは、ネットワーク100を介してダウンロードされてもよい。
記憶部13は、注意所見リスト、表示部11の表示性能の調整可能範囲、表示部11の現在の表示性能(たとえば現在の輝度値など)などを記憶する。表示部11の現在の表示性能の情報は、たとえば画像表示制御を行うCPUやGPUにより記憶部13に記憶される。また、表示部11の表示性能に関する情報として、画像表示制御を行うCPUやGPUの性能、表示部11の製品名、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格を満たす表示装置であるか否かの情報などを記憶しておいてもよい。
ネットワーク接続部14は、ネットワーク100の形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワーク接続部14は、この各種プロトコルに従って医用画像観察装置10と院内観察装置30、モダリティ41、HISサーバ42、PACSの画像サーバ43などとを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続などを適用することができる。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線の病院基幹LAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
主制御部15は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従って医用画像観察装置10を制御する。
主制御部15のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された読影画像表示制御プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、このプログラムに従って医用画像観察装置10の表示部11の表示性能に応じて医用画像の注意所見の見落とし危険度を判定するための処理を実行する。
主制御部15のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。主制御部15のROMをはじめとする記憶媒体は、医用画像観察装置10の起動プログラム、読影画像表示制御プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
なお、ROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどのCPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は、記憶部13に記憶されたデータと同様に、ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
図2に示すように、主制御部15のCPUは、読影画像表示制御プログラムによって、少なくとも読影依頼受付部51、画像取得部52、リスト取得部53、危険注意所見抽出部54、優先度算出部55、表示性能調整部56、警告情報生成部57および観察結果生成部58として機能する。この各部51−58は、RAMの所要のワークエリアをデータの一時的な格納場所として利用する。なお、これらの機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
また、リスト取得部53、危険注意所見抽出部54、優先度算出部55、表示性能調整部56、警告情報生成部57は、読影画像表示制御装置20を構成する。なお、読影画像表示制御装置20の一部または全部は、読影画像表示制御装置20の一部または全部の機能は、ビューワソフトウエアを読み込んだ画像サーバ43や図示しない情報処理装置などのプロセッサ、院内観察装置30の主制御部35などにより実現されてもよい。図2には、主制御部15のCPUにより読影画像表示制御装置20が実現される場合の例について示した。
読影依頼受付部51は、医用画像観察装置10に対する読影依頼を受け付ける。
画像取得部52は、読影依頼を受け付けると、画像サーバ43から読影対象となる医用画像およびこの医用画像に対応する症例情報を受信する。医用画像観察装置10に対する読影依頼は、たとえば院内観察装置30を介して行われる。
なお、画像サーバ43から医用画像観察装置10へ送信されるデータは、医用画像および症例情報に限られず、他のデータが一緒に送信されてもよい。また、医用画像に対して症例情報が埋め込まれているような場合には、症例情報が別途送信される必要はない。
図3は、注意所見リスト61の一例を示す説明図である。
リスト取得部53は、症例ごとに、症例の注意所見と、注意所見を見落とすと生じる危険度と、症例の必要表示性能とを関連付けた注意所見リスト61を取得する。注意所見リスト61は、あらかじめ記憶部13に記憶されてもよいし、ネットワーク100を介して画像サーバ43などから取得されてもよい。ここで、症例とは、病気、怪我などの症状を表す。また、所見とは、正常でない状態のことを指し、本実施の形態においては、医用画像上で観察される正常でない状態、画像(診断)所見を指す。なお、正常とは、統計学的に大部分が当てはまり、明らかな異常ではない状態のことを指す。更に、本実施の形態において、注意所見とは、ある症例(たとえば肺がんなど)において、その症例に関係する部位を撮影した医用画像中に含まれると予想される観察注意状態(たとえば石灰化など)をいう。医用画像の読影者は、読影により注意所見が医用画像中に存在するか否かを的確に識別することが望まれる。また、見落とし危険度は、各注意所見が読影対象の医用画像中に存在しているにも関わらず、それを見落とした場合の影響の大きさであり、生命に危険が及ぶ場合程、その値が大きい。
図4は、注意所見リスト61の各情報の多重度を説明するための図である。
図4に示すように、1つの症例には1または複数の注意所見が関連付けられる。1つの注意所見には、1つの危険度が関連付けられるとともに、1または複数の必要表示性能が関連付けられる。
なお、注意所見リスト61は、さらに部位など他の情報が関連付けられてもよい。たとえば、肺がんの例では、“肺門部”、“肺野部”などの部位情報を利用し、部位ごとに、危険度、必要表示性能などを細分化してもよい。
危険注意所見抽出部54は、注意所見リスト61のうち、医用画像に対応する症例に応じた注意所見を抽出する。さらに、危険注意所見抽出部54は、記憶部13から表示部11の現在の表示性能を取得し、抽出した注意所見のうち、必要表示性能に対して表示部11の現在の表示性能が不足する注意所見(以下、危険注意所見という)を抽出する。
たとえば、表示部11の現在の表示性能が、画素数=800×1280、モニタサイズ=5.3インチ、輝度値=300cdであり、医用画像の症例が「肺がん」である場合を考える。この場合において、図3に示す注意所見リスト61を用いるとき、危険注意所見抽出部54はまず、注意所見リスト61のうち、「肺がん」に対応する注意所見としてNo.1、No.2およびNo.3の注意所見を抽出する。そして、危険注意所見抽出部54は、No.1、No.2およびNo.3の注意所見の必要表示性能と表示部11の現在の表示性能とを比較し、危険注意所見(表示部11の現在の表示性能が不足している注意所見)としてNo.1およびNo.3の注意所見を抽出する。すなわちこの場合、危険注意所見抽出部54は、石灰化の異常箇所(石灰化の異常状態が生じていると読影で判断されるべき医用画像中の箇所)とGGO(Ground Glass Opacity;すりガラス陰影)の異常箇所(GGOの異常状態が生じていると読影で判断されるべき医用画像中の箇所)については、表示部11による読影では画像表示性能不足により見落とされる危険があると判断することになる。
また、表示部11の製品名や、画像表示制御を行うCPUやGPUの性能、DICOM規格を満たす表示装置であるか否かによって、例外的に表示性能をみたすものとしてあつかってもよい(危険注意所見として抽出しなくてもよい)。図3に示した「except ABCtablet」は、医用画像観察装置10の製品名が「ABC tablet」であれば、例外として表示性能をみたすものとしてあつかうことを意味する。また、複数の必要表示性能が定義されている場合は、いずれかの表示性能を満たしていれば危険注意所見として抽出しなくてもよい。
図5(a)は必要画素数と表示部11の画素数との差と、不足度との関係の一例を示す説明図であり、(b)は必要モニタサイズと表示部11のモニタサイズとの差と、不足度との関係の一例を示す説明図であり、(c)は必要輝度値と表示部11の現在の輝度値との差と、不足度との関係の一例を示す説明図である。
優先度算出部55は、危険注意所見抽出部54により抽出された危険注意所見ごとに、見落とし危険度と現在の表示性能の不足度に応じて注意優先度を算出する。具体的には、優先度算出部55は、たとえば次の式(1)を用いて注意優先度を算出する。
注意優先度
=見落とし危険度×(画素数不足度+モニタサイズ不足度+輝度値不足度)(1)
たとえば、表示部11の現在の表示性能が、画素数=800×1280、モニタサイズ=5.3インチ、輝度値=300cdである場合、No.1の注意所見の必要画素数は1080×1920=2073600である。一方、表示部11の画素数は800×1280=1024000である。これらの差は1000000以上であるため、画素数不足度は「3」となる(図5(a)参照)。このようにして、危険注意所見として抽出されたNo.1およびNo.3の注意所見の注意優先度は、式(1)を用いてそれぞれ次のように求められる(図3、図5参照)。
No.1の注意優先度=3×(3+0+0)=6
No.3の注意優先度=2×(2+0+3)=10
したがって、上記例ではNo.3の注意所見のほうがより優先的に対応すべきであることがわかる。
なお、注意優先度を求めるための数式は式(1)に限られない。たとえば、注意所見の見落とし危険度のみから注意優先度を求めてもよいし、注意所見の必要表示性能と医用画像観察装置10の表示性能との差のみから注意優先度を求めてもよい。
表示性能調整部56は、危険注意所見のうちの1つに関連付けられた必要表示性能に近づくように、表示部11の現在の表示性能を、所定の調整可能範囲で調整する。
具体的には、表示性能調整部56は、調整可能な表示性能および調整可能範囲を記憶部13から読み出す。調整可能な表示性能がある場合、表示性能調整部56は、危険注意所見の1つに関連付けられた必要表示性能に近づくように、表示部11の現在の表示性能を調整可能範囲で調整する。たとえば、表示性能調整部56は、注意優先度が最も高い危険注意所見に関連付けられた必要表示性能に近づくように、表示部11の現在の表示性能を調整可能範囲で自動調整する。
また、表示性能調整部56は、ユーザによる入力部12を介した指示にもとづいて表示性能の調整を行ってもよい。
図6は、ユーザによる表示性能の調整指示を受け付けるための画像の一例を示す説明図である。図6に示す「所見A」および「所見B」は、それぞれ危険注意所見である。
図6に示すように、表示性能調整部56は、危険注意所見の視認性を向上させるための表示性能の調整指示を受け付けるための画像を生成して医用画像観察装置10の表示部11に表示させてもよい。この場合、表示性能調整部56は、ユーザにより押下された危険注意所見に関連付けられた必要表示性能に近づくように表示部11の現在の表示性能を調整可能範囲で調整する。以下、図7を用いてより詳細に説明する。
図7(a)は、表示部11の現在の表示性能および調整可能範囲の一例を示す説明図であり、(b)は、注意所見「GGO」に関連付けられた必要表示性能の一例を示す説明図であり、(c)は、注意所見「GGO」に関連付けられた必要表示性能に近づくようユーザによる表示性能の調整指示を受け付けるための画像の例を示す説明図である。
図7に示す例では、表示部11の現在の表示性能のうち、注意所見「GGO」に関連付けられた必要表示性能に対して、輝度値は現在の300cdから400cdへ調整可能である。このとき、表示性能調整部56は、図7(c)に示すようなボタンを表示させてもよい。この場合、ユーザにより「GGOの画像表示条件」ボタンが押下されると、表示性能調整部56は、輝度値を300cdから400cdへ調整する。
表示性能調整部56により表示性能が調整されると、優先度算出部55は、調整後の表示性能の不足度を用いて式(1)にもとづいて注意優先度を再算出して更新する。図7に示す例では、輝度値の調整の結果、GGOの注意優先度は10(=2×(2+0+3))から8(=2×(2+0+2))に更新される。
図8は、観察警告画像71の一例を示す説明図である。
警告情報生成部57は、注意優先度に応じて、表示部11に表示された医用画像の観察において危険注意所見に注意するよう促す観察警告情報を生成する。具体的には、警告情報生成部57は、注意優先度が閾値以下の危険注意所見について、注意して読影するように促す観察警告情報をユーザに提示する。観察警告情報は、音声であってもよいし、図8に示すような観察警告画像71であってもよい。
図9は、観察結果情報に対して再観察時警告情報が関連付けられて画像サーバ43に与えられる様子の一例を示す説明図である。
警告情報生成部57は、注意優先度が閾値より大きい危険注意所見については、注意して読影するように促す観察警告情報を生成してユーザに提示するだけでなく、再観察時警告情報を生成する。再観察時警告情報は、医用画像観察装置10を用いて生成された医用画像の観察結果(読影結果)のうち、特に当該危険注意所見についての信頼性が低い旨の情報である。再観察時警告情報により、今後たとえば院内観察装置30などの表示部11よりも表示性能の高い装置で医用画像が再観察される際に、観察者に対して当該危険注意所見について注意深く観察するよう促すメッセージなどを再観察する観察装置に表示させることができる。
観察結果生成部58は、医用画像に対するユーザの観察結果情報を生成して画像サーバ43に送信する。このとき、観察結果生成部58は、再観察時警告情報が生成されている場合は、図9に示すように、観察結果情報に対して再観察時警告情報を関連付けて画像サーバ43に送信する。
次に、本実施形態に係る医用画像観察装置10、読影画像表示制御装置20および読影画像表示制御方法の動作の一例について説明する。
図10は、図1に示す医用画像観察装置10の主制御部15のCPUにより、医用画像観察装置10の表示部11の表示性能に応じて医用画像の注意所見の見落とし危険度を判定する際の手順の一例を示すフローチャートである。図10において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まず、ステップS1において、読影依頼受付部51は、医用画像観察装置10に対する読影依頼を受け付ける。
次に、ステップS2において、画像取得部52は、読影依頼を受け付けると、画像サーバ43から読影対象となる医用画像およびこの医用画像に対応する症例情報を受信する。
次に、ステップS3において、リスト取得部53は、症例ごとに、症例の注意所見と、注意所見を見落とすと生じる危険度と、症例の必要表示性能とを関連付けた注意所見リスト61を取得する(図3参照)。
次に、ステップS4において、危険注意所見抽出部54は、注意所見リスト61のうち、医用画像に対応する症例に応じた注意所見を抽出する。
次に、ステップS5において、危険注意所見抽出部54は、記憶部13から表示部11の現在の表示性能を取得し、抽出した注意所見のうち、必要表示性能に対して表示部11の現在の表示性能が不足する危険注意所見があるか否かを判定する。表示性能が不足する注意所見がない場合は、一連の手順は終了となる。一方、表示性能が不足する注意所見がある場合は、ステップS6に進む。
次に、ステップS6において、優先度算出部55は、危険注意所見抽出部54により抽出された危険注意所見ごとに、見落とし危険度と現在の表示性能の不足度に応じて注意優先度を算出する(式(1)参照)。
次に、ステップS7において、表示性能調整部56は、危険注意所見のうちの1つ(たとえば注意優先度が最も高い危険注意所見)に関連付けられた必要表示性能に近づくように、表示部11の現在の表示性能を調整する。このとき、表示性能調整部56は、ユーザによる入力部12を介した指示を受け付けるための画像を生成し、この画像に対するユーザ指示にもとづいて表示性能の調整を行ってもよい(図6、図7参照)。
次に、ステップS8において、優先度算出部55は、調整後の表示性能の不足度を用いて注意優先度を再算出して更新する。
なお、調整可能な表示性能がない場合は、ステップS7およびステップS8は省略される。
次に、ステップS9において、警告情報生成部57は、注意優先度が閾値以下の危険注意所見について、注意して読影するように促す観察警告情報をユーザに提示する。
次に、ステップS10において、警告情報生成部57は、注意優先度が閾値より大きい危険注意所見についてはさらに、当該危険注意所見についての信頼性が低い旨の情報を示す再観察時警告情報を生成する。そして、観察結果生成部58は、観察結果情報に対して再観察時警告情報を関連付けて画像サーバ43に送信する。
以上の手順により、医用画像観察装置10の表示部11の表示性能に応じて医用画像の注意所見の見落とし危険度を判定することができる。
本実施形態に係る医用画像観察装置10および読影画像表示制御装置20は、医用画像観察装置10の表示部11の表示性能に応じて医用画像の注意所見の見落とし危険度を判定することができる。このため、表示性能の不足による注意所見の見落としを未然に防ぐことができる。また、表示性能が大幅に不足している場合は、見落とされた可能性のある注意所見を示す情報を画像サーバ43に登録することができる。
すなわち、危険注意所見が存在しない医用画像の場合には、表示性能の調整は行われず、観察警告情報も生成されない。これは、この場合には医用画像の症例の各注意所見の観察に対して表示部11の表示性能が十分であることを意味するためである。
また、危険注意所見が存在するものの注意優先度が閾値以下の場合には、表示部11の表示性能は観察に十分とはいえないものの、注意して観察すれば許容範囲といえる。この場合には、警告情報生成部57は、観察警告情報を生成してユーザに提示する。このため、表示性能の不足による注意所見の見落としを未然に防ぐことができる。
また、危険注意所見が存在し、かつ注意優先度が閾値より大きい場合には、表示部11の表示性能は観察に十分とはいえず、かつ許容できない性能であるといえる。この場合には、警告情報生成部57は、観察警告情報を生成してユーザに提示するとともに、再観察時警告情報を生成して観察結果情報に関連付けて画像サーバ43に送信させる。この場合、十分な画像表示性能を有する他の画像観察装置で再観察される際に、観察者に対して、医用画像観察装置10で生成された観察結果のうち、正確性が疑われる注意所見を提示することができる。また、換言すれば、医用画像観察装置10で生成された観察結果のうち、再観察時警告情報が付されていない注意所見については、正確性が保証された所見であると考えることができ、観察時間を短縮することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
たとえば、医用画像観察装置10で観察結果情報が生成された後、より表示性能の高い他の観察装置における再観察時(二次読影時)に観察結果情報の所見が修正された場合(所見の追加、削除を含む)を考える。この場合、まず、所見が修正された原因が表示性能にあるか否かを判定する。この判定は、たとえば修正された所見の内容(たとえば石灰化の疑いありなどの特定の症例名や陰影などの用語の有無)と、医用画像の情報(検査や部位など)にもとづいて行うとよい。
所見が修正された原因が表示性能にあると判定された場合、二次読影時の表示環境が一次読影環境で再現できるか否かを判定する。この再現可否判定は、たとえば二次読影環境における医用画像の表示状態(拡大/縮小の有無、輝度値調整、白黒反転など)と、医用画像観察装置10における一次読影時の医用画像の表示状態および表示部11の表示性能と、にもとづいて行うとよい。また、再現可否判定は、たとえば、一次読影環境で完全に再現可能か、ある程度なら再現可能か、再現不可能かの3段階など、複数段階に分けて行ってもよい。この再現可否判定を行った場合、判定結果を医用画像および観察結果情報に関連付けて画像サーバ43に登録しておくとよい。この判定結果を用いることにより、次回以降、医用画像観察装置10で医用画像を観察するユーザに対して、二次読影において所見が修正されたことや、医用画像の観察において表示部11の表示性能に起因する見落としを防止するよう注意を喚起する警告情報を提示することができる。
10 医用画像観察装置
11 表示部
20 読影画像表示制御装置
43 画像サーバ
52 画像取得部
53 リスト取得部
54 危険注意所見抽出部
55 優先度算出部
56 表示性能調整部
57 警告情報生成部
58 観察結果生成部
61 注意所見リスト

Claims (8)

  1. 所定の表示性能を有する表示部と、
    医用画像を取得する画像取得部と、
    症例ごとに、前記症例に関係する部位を撮影した前記医用画像中に含まれると予想される観察注意状態としての注意所見と、前記症例の必要表示性能とを関連付けた注意所見リストを取得するリスト取得部と、
    前記注意所見リストにもとづいて、前記医用画像に対応する症例の注意所見のうち、前記必要表示性能に対して自機の前記表示部の現在の表示性能が不足する注意所見である危険注意所見を抽出する危険注意所見抽出部と、
    前記必要表示性能に対する前記現在の表示性能の不足度に応じて、前記表示部に表示された前記医用画像の観察において前記危険注意所見に注意するよう促す観察警告情報を生成する警告情報生成部と、
    を備えた医用画像観察装置。
  2. 前記医用画像に対するユーザの観察結果情報を生成して画像サーバに送信する観察結果生成部、
    をさらに備え、
    前記警告情報生成部は、
    前記観察結果情報に対して、前記現在の表示性能の前記不足度に応じて、前記医用画像の再観察時において前記危険注意所見に注意するよう促す再観察時警告情報を生成し、
    前記観察結果生成部は、
    前記再観察時警告情報が生成されると、前記観察結果情報に対して前記再観察時警告情報を関連付けて前記画像サーバに送信する、
    請求項1記載の医用画像観察装置。
  3. 前記リスト取得部が取得する前記注意所見リストは、
    前記症例ごとに、前記症例の前記注意所見と、前記注意所見を見落とすと生じる危険度と、前記症例の前記必要表示性能とを関連付けたリストであり、
    前記危険注意所見抽出部により抽出された前記危険注意所見ごとに、前記危険度と前記現在の表示性能の前記不足度に応じて注意優先度を算出する優先度算出部、
    をさらに備え、
    前記警告情報生成部は、
    前記注意優先度が閾値以下の危険注意所見について前記観察警告情報を生成する、
    請求項2記載の医用画像観察装置。
  4. 前記警告情報生成部は、
    前記注意優先度が前記閾値より大きい危険注意所見について前記再観察時警告情報を生成する、
    請求項3記載の医用画像観察装置。
  5. 前記危険注意所見の1つに関連付けられた前記必要表示性能に近づくよう前記表示部の前記現在の表示性能を前記所定の表示性能の範囲内で調整する表示性能調整部、
    をさらに備えた請求項3または4に記載の医用画像観察装置。
  6. 前記優先度算出部は、
    前記必要表示性能に対する前記表示性能調整部によって調整された前記表示部の調整後の表示性能の不足度に応じて、前記注意優先度を再算出し、
    前記警告情報生成部は、
    前記注意優先度として、前記優先度算出部により再算出された前記注意優先度を用いる、
    請求項5記載の医用画像観察装置。
  7. 読影対象となる医用画像の表示制御装置であって、
    症例ごとに、前記症例に関係する部位を撮影した前記医用画像中に含まれると予想される観察注意状態としての注意所見と、前記症例の必要表示性能とを関連付けた注意所見リストを取得するリスト取得部と、
    前記注意所見リストにもとづいて、前記医用画像に対応する症例の注意所見のうち、前記必要表示性能に対して前記医用画像を表示させる表示部の現在の表示性能が不足する注意所見である危険注意所見を抽出する危険注意所見抽出部と、
    前記必要表示性能に対する前記現在の表示性能の不足度に応じて、前記表示部に表示される前記医用画像の観察において前記危険注意所見に注意するよう促す観察警告情報を生成する警告情報生成部と、
    を備えた読影画像表示制御装置。
  8. 所定の表示性能を有する表示部に医用画像を表示するステップと、
    症例ごとに、前記症例に関係する部位を撮影した前記医用画像中に含まれると予想される観察注意状態としての注意所見と、前記症例の必要表示性能とを関連付けた注意所見リストを取得するステップと、
    前記注意所見リストにもとづいて、前記医用画像に対応する症例の注意所見のうち、前記必要表示性能に対して前記表示部の現在の表示性能が不足する注意所見である危険注意所見を抽出するステップと、
    前記必要表示性能に対する前記現在の表示性能の不足度に応じて、前記表示部に表示された前記医用画像の観察において前記危険注意所見に注意するよう促す観察警告情報を生成するステップと、
    を有する読影画像表示制御方法。
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