JP2016086702A - 魚釣用リール - Google Patents

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雄一 梅沢
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Abstract

【課題】引きの強い大型の対象魚に対処している場合や根掛かり対応中の魚釣操作性を向上させることができる魚釣用リールを提供する。【解決手段】釣糸の繰り出しで回転する回転体と、回転体を支持する支持部と、駆動力の伝達を接続または遮断するトルクリミッタ装置30と、を備え、支持部と回転体とは、トルクリミッタ装置30を介して係脱可能であり、トルクリミッタ装置30には、回転体と支持部との係合解除時に回転体と支持部との接続力を調節する調節機構が設けられている構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は魚釣用リールに関する。
一般に、ルアー等の疑似餌をキャストするために用いられる魚釣用リールとして、両軸受型の魚釣用リールが知られている。この魚釣用リールには、釣糸が巻回されるスプールに制動力を付与するドラグ装置が設けられている。ドラグ装置は釣糸の張力を調整できるように構成されており、魚の急激な引き込みによる釣糸の切断防止や魚の口切れ防止、さらに魚とのファイティング(巻き取りと引き出しとの繰り返し)で魚を弱らせることが可能である。
ところで、実釣において釣糸の張力がドラグ装置の設定ドラグ力を超える場合、例えば、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や、根掛かり時に釣竿を引き上げて強くタックルを引いている場合等に、ドラグ装置が滑ってしまうことがある。
前記のようにドラグ装置の滑りに対応するものとして、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1の魚釣用リールでは、釣場の状況に応じてドラグ機構を装備する状態と装備しない状態とを選択できる切換機構を備えている。
切換機構は、ハンドル軸に軸方向移動可能に回り止め嵌合されたカムを備えている。カムは、外部からの操作によって駆動歯車に対し係脱可能に構成されており、ドラグ機構の作動状態と非作動状態とに切り換えられる。
特許第4500599号公報
特許文献1の魚釣用リールでは、釣糸の張力がドラグ装置の設定ドラグ力を超える場合に、ドラグ機構を装備しない状態に切り換えて対処することができる。
しかしながら、特許文献1の魚釣用リールでは、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や根掛かり対応中にドラグ機構を装備しない状態に切り換えると、急激な釣糸の張力変化が生じてしまい、魚釣操作性が低下するという課題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や根掛かり対応中の魚釣操作性を向上させることができる魚釣用リールを提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明の魚釣用リールは、釣糸の繰り出しで回転する回転体と、前記回転体を支持する支持部と、駆動力の伝達を接続または遮断するトルクリミッタ装置と、を備え、前記支持部と前記回転体とは、前記トルクリミッタ装置を介して係脱可能であり、前記トルクリミッタ装置には、前記回転体と前記支持部との係合解除時に前記回転体と前記支持部との接続力を調節する調節機構が設けられていることを特徴とする。
この魚釣用リールによれば、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や、根掛かり時に釣竿を引き上げて強くタックルを引いている場合等に、釣糸の高負荷な引き出し方向の力が入力されると、トルクリミッタ装置によって、回転体から支持部への駆動力の伝達が接続状態から遮断状態される。そして、このような回転体と支持部との係合解除時に、調節機構によって回転体と支持部とに接続力を引続き付与することができる。
また、本発明は、「前記支持部はハンドル軸であり、前記回転体は、前記ハンドル軸に回転自在に支持される駆動歯車であり、前記トルクリミッタ装置は、前記駆動歯車に設けられる凹部と、前記ハンドル軸に回り止め嵌合される支持体と、前記支持体に設けられ、前記凹部に係合する凸部と、前記凸部を前記凹部に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記調節機構は、前記支持体と前記駆動歯車との軸方向の摩擦結合による接続力を調節可能である」ことを特徴とする。
この魚釣用リールによれば、ハンドル軸に備わる部材をそのまま用いてトルクリミッタ装置および調節機構を簡易に構成することができる。
また、本発明は、「前記支持体と前記駆動歯車との間に介設されたライニング部材と、前記ハンドル軸に螺合され、前記支持体と前記駆動歯車とを軸方向に締め付けるナットと、を備える」ことを特徴とする。
この魚釣用リールによれば、ナットを締め付けることによって、支持体と駆動歯車との間の摩擦結合による接続力を変化させて、トルクリミッタ装置の切換速度を調節することができる。
また、本発明は、「前記ナットを覆うカバー部材を備える」ことを特徴とする。
この魚釣用リールによれば、カバー部材によってナットを好適に保護することができる。
本発明によれば、トルクリミッタ装置による回転体と支持部との係合解除時に、調節機構によって、回転体と支持部とに接続力を引続き付与することができるので、急激な釣糸の張力変化を生じ難くなり、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や根掛かり対応中の魚釣操作性が向上する。
また、ハンドル軸に備わる部材をそのまま用いてトルクリミッタ装置および調節機構をを簡易に構成することができるので、ハンドル軸上の部品点数が多くなってハンドル軸方向に嵩張って大型化することがない。また、ハンドル軸方向の重量バランスが偏り難くなり、魚釣操作性が向上する。
また、ナットを締め付けることによって、トルクリミッタ装置の係合解除に伴うスリップ回転速度(切換速度)を調節することができるので、魚釣操作性に優れる。また、切換速度の調節も簡単である。
また、カバー部材によってナットを好適に保護することができるので、操作する手が触れる等して不意にナットが緩むこともなく、トルクリミッタ装置の所望の切換速度を好適に維持することができる。したがって、魚釣操作性に優れる。
本発明の第1実施形態に係る魚釣用リールの上面図である。 同じく内部構造を示す上面図(一部省略)である。 トルクリミッタ装置を示す拡大上面図である。 トルクリミッタ装置の構成を示す分解斜視図である。 トルクリミッタ装置の構成を示す側断面図である。 本発明の第2実施形態に係る魚釣用リールの内部構造を示す側面図(一部省略)である。 トルクリミッタ装置を示す拡大上面図である。
以下、本発明に係る魚釣用リールの実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「前後」「左右」を言うときは、図1に示した方向を基準とし、「上下」を言うときは、図5に示した方向を基準とする。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る魚釣用リールは、図1に示すように、左右側板1A,1Bを備えたリール本体1を有している。左右側板1A,1Bは、左右フレーム2a,2bを左右カバー3a,3bで覆って構成される。リール本体1には、左右側板1A,1B間に位置し、図示しない釣竿に装着されるリール脚1Cが一体形成されている。また、左右フレーム2a,2b間には、図2に示すように、スプール軸5が軸受6a,6bを介して回転可能に支持されており、スプール軸5には、釣糸が巻回されるスプール50が一体的に固定されている。さらに、左右側板1A,1B間には、スプール50に対して上方側に、指を載置可能なサムレスト1D(図1参照)が設けられている。
本実施形態では、図1に示すように、スプール50を回転駆動するハンドル8を右側板1B側に設置している。図2に示すように、右フレーム2bと右カバー3bとの間には空間が形成され、この空間には、ハンドル8の回転駆動力をスプール軸5に伝達する駆動力伝達機構10が配設されている。また、右フレーム2bと右カバー3bとの間には、スプール軸5を動力伝達状態と動力遮断状態に切り換える公知のクラッチ機構20が配設されている。クラッチ機構20は、スプール50の後方側の左右側板1A,1B間に配設されたクラッチ切り換え操作部材21(図1参照)を押し下げ操作することで、これに連動するクラッチプレート25、ヨーク22等(図5参照)の作用によってクラッチON状態(動力伝達状態であり釣糸巻き取り状態)からクラッチOFF状態(動力遮断状態であり釣糸放出状態)に切り換えるものである。
駆動力伝達機構10は、ハンドル8が固定されたハンドル軸(支持部)8aにトルクリミッタ装置30と関連して回転可能に装着された回転体としての駆動歯車11と、この駆動歯車11に噛合するピニオン12とを備えている。
ハンドル軸8aは、公知のように、右カバー3bとの間に設けられた一方向クラッチ(楔作用を利用した転がり式一方向クラッチ)Kにより、釣糸巻き取り方向の回転を許容し、釣糸繰り出しに伴う逆回転を防止する逆回転防止機構を構成している。
ハンドル軸8a周りの構成およびトルクリミッタ装置30の構成の詳細は後記する。
ピニオン12は、図2に示すように、スプール軸5と同軸上に設置されており、軸受6d,6eを介してピニオン軸(スプール軸5であってもよい)12aに沿って軸方向に移動可能となっている。また、ピニオン12の外周には、円周溝12bが形成されており、この円周溝12bに、クラッチ機構20のヨーク22が係合して、ピニオン12を軸方向に移動させるように構成されている。すなわち、ピニオン12が軸方向に移動することで、スプール軸5との間で継脱がなされ、動力伝達状態(クラッチON)/動力遮断状態(クラッチOFF)に切り換えられるように構成されている。
スプール50の前方において、リール本体1の左右側板1A,1B間には、レベルワインド装置40が配置されている。レベルワインド装置40は、駆動力伝達機構10を介して回転駆動される螺軸41と、螺軸41に装着されて左右方向に往復動可能に設けられた釣糸案内体45とを備えている。
螺軸41は、左右側板1A,1B間に回転可能に支持されており、駆動力伝達機構10を介して回転駆動されるようになっている。螺軸41の端部には、連動歯車42が取り付けられており、この連動歯車42には、ハンドル軸8aの駆動歯車11に隣接して設けられた固定歯車としての歯車11aが噛合している。歯車11aは、ハンドル軸8aに回り止め嵌合されている。これにより、ハンドル8を巻き取り回転操作すると、ハンドル軸8aの回転が、歯車11aおよび連動歯車42を通じて螺軸41に伝わり、螺軸41が回転駆動される。
螺軸41の外周面には、螺旋溝41aが形成されており、この螺旋溝41aには、釣糸案内体45に設けられた摺動子(不図示)が係合している。このような螺軸41は、左右側板1A,1B間に架け渡された筒体43内に収容されている。
釣糸案内体45は、螺軸41が連動歯車42によって回転駆動されることで、螺旋溝41aに係合する摺動子を介して左右往復動するようになっている。
釣糸案内体45は、釣糸を案内するためのラインガイド46を有している。ラインガイド46には、釣糸挿通孔47が形成されている。
左カバー3aには、スプール50の制動力の調整を行う調節つまみ9が設けられ、また、左フレーム2aと左カバー3aとの間には、調節つまみ9の操作によって調整される制動装置7が設けられている。制動装置7には、スプール軸5に固着された円筒状の導電環体50aが配置される。
次に、ハンドル軸8a周りの構造およびトルクリミッタ装置30について詳細に説明する。
ハンドル軸8aは、図3に示すように、右フレーム2bと右カバー3bとの間に回転自在に支持されている。ハンドル軸8aの左端部81は、軸受2b1および固定ワッシャ2b2を介して右フレーム2bに抜け止め支持されている。また、ハンドル軸8aの右側部82が軸受3b1を介して右カバー3bに支持されている。ハンドル軸8aの右端部83は、右カバー3bの右側方に延在している。
ハンドル軸8a上には、駆動力の伝達を接続または遮断するトルクリミッタ装置30が設けられている。駆動歯車11と支持体31とは、トルクリミッタ装置30を介して係脱可能である。トルクリミッタ装置30には、駆動歯車11と支持体31との係合解除に伴う接続力を調節可能な調節機構が設けられている。
ハンドル軸8aには、軸受2b1に隣接して鍔状基部84が一体形成され、さらに鍔状基部84から右端部83に向かって、第1非円形外周嵌合部85、円形外周部86、第2非円形外周嵌合部87、ねじ部88が設けられている。
第1非円形外周嵌合部85には、鍔状基部84に抜け止め保持されるようにして、ラチェット11b、歯車11a、および調節機構を構成するライニング部材としてのライニングワッシャ11cが嵌合されている。円形外周部86には、駆動歯車11が周方向へ回転自在に支持されている。第2非円形外周嵌合部87には、駆動歯車11に隣接してトルクリミッタ装置30を構成している支持体31が回り止め嵌合されている。
また、第2非円形外周嵌合部87には、支持体31に隣接してクラッチリングK1が回り止め嵌合されている。クラッチリングK1は、一方向クラッチKの内側に配置され、外周面にはコロK2が摺接している。さらに、第2非円形外周嵌合部87には、クラッチリングK1に隣接して軸受3b1の内輪が嵌合している。ねじ部88には、調節機構を構成するナットとしての締め付けナット90が螺合されている。締め付けナット90は、締め付けられることで、左側方の軸受3b1の内輪に当接する。
駆動歯車11は、図4に示すように、有底円筒状を呈しており、凹所部110を備えている。凹所部110には、調節機構を構成するライニング部材としてのライニングワッシャ11dおよび環状体32が収容される。凹所部110の底部111の中央には、ハンドル軸8aが挿通される支持孔112が形成されている。支持孔112の周りにはライニングワッシャ11dが配置される。凹所部110の内周面には周方向に90度の間隔を空けて計四つの溝部113が形成されている。溝部113は軸方向から見て半円形状を呈している(図5参照)。凹所部110の開口部の内周面には、周溝114が形成されている。駆動歯車11は、図3に示すように、ハンドル軸8aに組み付けられることで、その左側面の中央部寄りとなる部分がライニングワッシャ11cの右側面に当接している。
ライニングワッシャ11dの左側面は、凹所部110の底部111に当接し、反対側(右フレーム2b側)に配置されるライニングワッシャ11cとの間に軸方向から駆動歯車11を挟んでいる。ライニングワッシャ11c,11dによる駆動歯車11への締め付け力(当接による押圧力)は、後記するように、締め付けナット90を緩めたり締め付けたりすることによって調節可能である。
環状体32は、図4に示すように、フランジ部32aと、フランジ部32aから軸方向に延出する胴部32bとを備えている。フランジ部32aには、周方向に90度の間隔を空けて計四つの突出部32cが設けられてる。各突出部32cは、駆動歯車11の凹所部110に形成された溝部113に対応する外形状を備えており(軸方向から見て先端部が半円形状に形成されており)溝部113に対して嵌合可能である。胴部32bの内周面には、凹部としての複数の係合溝32dが形成されている。複数の係合溝32dは周方向に所定の間隔を空けて連続して形成されている。
駆動歯車11に環状体32を組み付ける際には、駆動歯車11の凹所部110内にライニングワッシャ11dを先に収容し、その後、凹所部110の各溝部113に環状体32の各突出部32cを合わせて凹所部110内に環状体32を挿入する。その後、凹所部110の周溝114にスナップリング33を嵌め入れる。これによって、環状体32のフランジ部32aがスナップリング33によって保持され、凹所部110内に環状体32が回り止め、かつ脱落不能に組み付けられる。
支持体31は、図4に示すように、円板状を呈しており、中央部にはハンドル軸8aが挿通される挿通孔31aが形成されている。挿通孔31aは、ハンドル軸8aに対して支持体31が回り止め嵌合されるように、非円形状(角部がアール状とされた略長四角形状)を呈している。支持体31には、挿通孔31aを挟んで径方向に延在する収容部としての円筒状の透孔31b,31bが形成されている。
各透孔31bには、凸部としてのピン状の係合部材31cおよびコイルスプリング31dが挿入されている。係合部材31cは、先端部が略半球状に形成されており、各透孔31bに対して先端部を径方向外側に向けて挿入されている。各係合部材31cは、コイルスプリング31dによって径方向外側に向けて付勢されており、環状体32の係合溝32dに対して係合可能である。各コイルスプリング31dの内側端は、図3に示すように、ハンドル軸8aの外周面に当接しており、各コイルスプリング31dは、透孔31b内に縮設されている。本実施形態では、釣糸の高負荷な引き出しが行われた場合に(支持体31と環状体32(駆動歯車11)との間に過負荷な回転力が作用した場合に)、係合部材31cと係合溝32dとの係合が解除されるように、つまり、トルクリミッタ装置30の接続が遮断されるように、コイルスプリング31dの付勢力が設定してある。
支持体31は、駆動歯車11の凹所部110に収容されてハンドル軸8aに組み付けられることで、その左側面がライニングワッシャ11dの右側面に当接している。また、支持体31の右側の開口縁部には、クラッチリングK1の左端部が当接している。
一方、クラッチリングK1の右端部には、軸受3b1の内輪の左端部が当接しており、さらに、軸受3b1の内輪の右端部には、締め付けナット90の左端部が当接している。つまり、ハンドル軸8aのねじ部88に螺合した締め付けナット90を締め付けると、その締付け力が、軸受3b1、クラッチリングK1を介して支持体31に伝わり、ライニングワッシャ11dを介して支持体31が駆動歯車11に押圧される。そして、駆動歯車11は、ライニングワッシャ11cを介して歯車11aに押圧される。すなわち、駆動歯車11は、ライニングワッシャ11c,11dで軸方向両側から挟み込まれる。
ここで、駆動歯車11は、前記したように、ハンドル軸8aに回転自在に支持されており、その両側に配置される歯車11aおよび支持体31が、ハンドル軸8aに回り止め嵌合されているので、締め付けナット90を締め付けることによって、支持体31と環状体32(駆動歯車11)との間には、係合部材31cと係合溝32dとの係合力に加えて、摩擦結合による接続力が作用する。すなわち、支持体31と環状体32(駆動歯車11)とは、係合部材31cと係合溝32dとの係合力に摩擦結合による接続力を加えた結合力で連結されており、この結合力を上回る釣糸の高負荷な引き出しが行われた場合に、係合解除されて、駆動力の伝達が遮断されるように構成されている。接続力は、締め付けナット90により調節可能である。
図3に示すように、締め付けナット90の右側方には、カバー部材91が配置されている。カバー部材91は、締め付けナット90の径方向全体を覆っている。カバー部材91の左端開口部は、右カバー3bの右端部にオーバーラップしている。締め付けナット90とカバー部材91との間には、板ばね92が配置されている。なお、カバー部材91を装着する前に締め付けナット90を調節する。
また、ねじ部88が形成された非円形外周の右端部には、ハンドル8が回り止め嵌合されている。ハンドル8は、ねじ部88の右端部に形成されたねじ穴8fに固定ねじ8eを螺合することによってハンドル軸8aに抜け止め固定されている。
次に、釣糸の高負荷な引き出しが行われた場合の作用について説明する。
例えば、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や、根掛かり時に釣竿を引き上げて強くタックルを引いている場合等に、釣糸の高負荷な引き出し方向の力が入力されると、その力がスプール軸5を通じてピニオン12に伝達され、ピニオン12を介して駆動歯車11に入力される。入力された力が、支持体31と環状体32(駆動歯車11)との前記結合力以下である場合には、係合部材31cと係合溝32dとの係合が維持される。したがって、従来のドラグ機構を備えた魚釣用リールに比べ、強いトルクで対処することが可能である。
一方、入力された力が、支持体31と環状体32(駆動歯車11)との前記結合力よりも大きい(過負荷の)場合には、係合部材31cがコイルスプリング31dの付勢力に抗して係合溝32dから外れて、駆動歯車11が逆回転を開始する。これによって、ピニオン12およびスプール軸5を介してスプール50が釣糸引き出し方向に回転し、回転した分だけ釣糸が引き出される(繰り出される)。
ここで、トルクリミッタ装置30は、締め付けナット90とライニングワッシャ11c,11dとによる、環状体32(駆動歯車11)と支持体31との係合解除時に環状体32と支持体31との接続力を調節する調節機構を備えているので、前記のように係合部材31cが係合溝32dから外れた状態で、駆動歯車11には摩擦結合による接続力が作用している。したがって、支持体31に対して駆動歯車11が急激に回転することが防止され、釣糸の高負荷な引き出しによる接続から遮断への係合解除に伴うスリップ回転速度(切換速度)が遅くなって、衝撃が緩和される。つまり、釣糸が所望の遅れをもって引き出されることとなる。
その後、入力された力が、支持体31と環状体32(駆動歯車11)との前記結合力以下となった場合には、係合部材31cと係合溝32dとが再び係合する。また、入力された力が前記結合力よりも大きい場合には、係合部材31cが係合溝32dから外れた状態が継続し、駆動歯車11が逆回転して釣糸が引き出される。この場合にも、調節機構によって釣糸が所望の遅れをもって(接続から遮断への切換速度、遮断から接続への切換速度が遅くなることによる遅れをもって)引き出されることとなる。
以上説明した本実施形態の魚釣用リールによれば、釣糸の高負荷な引き出し方向の力が入力された場合に、駆動歯車11に連動する部分の駆動力の伝達が遮断されるので、駆動歯車11に連動する部分、例えば、駆動歯車11とピニオン12との連結部分や、ピニオン12とスプール軸5との連結部分等の損傷を好適に回避することができる。
また、ハンドル軸8aに備わる部材を用いてトルクリミッタ装置30を簡易に構成することができるので、ハンドル軸8a方向に嵩張って大型化することもない。したがって、ハンドル軸8a方向の重量バランスの偏りを好適に抑えることができる。したがって、魚釣操作性に優れる。
なお、本実施形態では、ドラグ装置を有さないので、従来必須の部材であったドラグ調節部材(スタードラグ)が不要となり、その分、ハンドル軸8aの軸長が短くなる。したがって、ハンドル8をリール本体1側(フレーム側)に近づけて配置することができるので、重量バランスがよい。また、まとまりのある外観となり、意匠性にも優れる。
また、環状体32を駆動歯車11に組み込むことで、駆動歯車11に係合溝32dを簡単に構成することができるので、係合溝32dを有する構成でありながら駆動歯車11の加工が容易である。
また、支持体31を環状体32の径方向内側に配置し、支持体31に係合部材31cを収容する透孔31b,31bを設けることで、駆動歯車11の径方向内側にトルクリミッタ装置30を構成でき、ハンドル軸8aの軸方向の省スペース化を図れるので、ハンドル軸8aの軸方向の重量バランスの偏りを好適に抑えることができる。したがって、魚釣操作性に優れる。
本発明によれば、トルクリミッタ装置30による駆動歯車11と支持体31との係合解除時に、調節機構によって、駆動歯車11と支持体31とに接続力を引続き付与することができるので、急激な釣糸の張力変化を生じ難くなり、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や根掛かり対応中の魚釣操作性が向上する。
また、締め付けナット90を締め付けることによって、トルクリミッタ装置30の切換速度を調節することができるので、魚釣操作性に優れる。また、切換速度の調節も簡単である。
また、カバー部材91によって締め付けナット90を好適に保護することができるので、操作する手が触れる等して不意に締め付けナット90が緩むこともなく、トルクリミッタ装置30の所望の切換速度を好適に維持することができる。したがって、魚釣操作性に優れる。
(第2実施形態)
図6,図7を参照して第2実施形態の魚釣用リールについて説明する。本実施形態が前記実施形態と異なるところは、ハンドル軸8aと異なる軸上にトルクリミッタ装置300が設けられている点である。
図6に示すように、トルクリミッタ装置300は、駆動歯車11の上方斜め前方において、右フレーム2bに設けられている。トルクリミッタ装置300は、図7に示すように、第1ギャ310と、第2ギャ320とを備えている。第1ギャ310は、支軸311と、支軸311に連続する連動ギャ312と、連動ギャ312に連続する支持部313と、を備えている。
支軸311は、右フレーム2bに設けられた軸受け部2b5に軸受2b6を介して回転支持されている。連動ギャ312は、ハンドル軸8aに回り止め嵌合された歯車11aに歯合している。つまり、ハンドル8を回転操作すると、その駆動力が歯車11aに噛合する連動ギャ312を通じてトルクリミッタ装置300に入力される。
なお、ハンドル軸8a上には、釣糸繰り出し方向の逆回転を阻止する一方向クラッチKが設けられているが、この一方向クラッチKに代えて、支軸311と右フレーム2bの軸受け部2b5との間に、図示しない一方向クラッチを設けて逆回転を阻止するように構成してもよい。
支持部313には、径方向に有底円筒状の収容部315が形成されている。収容部315には係合部材317が収容されている。係合部材317は、先端部が略半球状に形成されており、収容部315に対して先端部を径方向外側に向けて挿入されている。係合部材317は、コイルスプリング316によって径方向外側に向けて付勢されており、第2ギャ320に向けて突出している。支持部313の先端部には、ねじ部314が形成されている。ねじ部314には、締め付けナット90(調節機構を構成)が螺合される。
第2ギャ320は、環状を呈しており、第1ギャ310の支持部313に回転自在に支持されている。第2ギャ320は、駆動歯車11に噛合している。第2ギャ320の内周面には、凹部としての複数の係合溝321が形成されている。複数の係合溝321は周方向に所定の間隔を空けて連続して形成されている。係合溝321には、第1ギャ310の係合部材317が係合されている。これによって、連動ギャ312に入力された駆動力は、トルクリミッタ装置300を介して駆動歯車11に出力される。なお、駆動歯車11は、ハンドル軸8aに回転可能に軸方向に規制されている。
第2ギャ320と第1ギャ310の連動ギャ312との間にはライニングワッシャ330(調節機構を構成)が介設されている。つまり、第2ギャ320は、軸方向にライニングワッシャ330を介して連動ギャ312と当接している。第2ギャ320は、第1ギャ310の支持部313に支持された状態で、その右側面が第1ギャ310の支持部313の右側面よりも側方へ突出している。これによって、第2ギャ320の右側面に締め付けナット90が当接するように構成されている。したがって、締め付けナット90を締め付けると、第1ギャ310と第2ギャ320との間には、係合部材317と係合溝321との係合力に加えて、摩擦結合による接続力が作用する。すなわち、第1ギャ310に噛合している歯車11aと第2ギャ320に噛合している駆動歯車11とは、係合部材317と係合溝321との係合力に摩擦結合による接続力を加えた結合力で連結されており、この結合力を上回る釣糸の高負荷な引き出しが行われた場合に、係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断されるように構成されている。
本実施形態においても、例えば、引きの強い大型の対象魚に対処している場合や、根掛かり時に釣竿を引き上げて強くタックルを引いている場合等に、釣糸の高負荷な引き出し方向の力が入力されると、その力がスプール軸5を通じてピニオン12に伝達され、ピニオン12を介して駆動歯車11に入力される。入力された力が、第1ギャ310と第2ギャ320との前記結合力以下である場合には、係合部材317と係合溝321との係合が維持される。したがって、従来のドラグ機構を備えた魚釣用リールに比べ、強いトルクで対処することが可能である。
一方、入力された力が、第1ギャ310と第2ギャ320との前記結合力よりも大きい場合には、係合部材317が係合溝321から外れて、駆動歯車11が逆回転を開始する。これによって、ピニオン12およびスプール軸5を介してスプール50が釣糸引き出し方向に回転し、回転した分だけ釣糸が引き出される(繰り出される)。
ここで、トルクリミッタ装置300は、締め付けナット90とライニングワッシャ330とによる調節機構を備えているので、前記のように係合部材317が係合溝321から外れた状態で、駆動歯車11には摩擦結合による接続力が作用している。したがって、ピニオン12に噛合する駆動歯車11が急激に回転することが防止され、釣糸の高負荷な引き出しによる接続から遮断への切換速度が遅くなって、衝撃が緩和される。つまり、釣糸が所望の遅れをもって引き出されることとなる。
その後、入力された力が、第1ギャ310と第2ギャ320との前記結合力以下となった場合には、係合部材317と係合溝321とが再び係合する。また、入力された力が前記結合力よりも大きい場合には、係合部材317が係合溝321から外れた状態が継続し、駆動歯車11が逆回転して釣糸が引き出される。この場合にも、調節機構によって釣糸が所望の遅れをもって(接続から遮断への切換速度、遮断から接続への切換速度が遅くなることによる遅れをもって)引き出されることとなる。
以上説明した本実施形態の魚釣用リールによれば、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、ハンドル軸8aと異なる軸上において、歯車11aと駆動歯車11との間にトルクリミッタ装置300が介設されているので、ハンドル軸8aの軸方向の省スペース化を図ることができる。これにより、ハンドル軸8aの軸方向の重量バランスの偏りを抑えることができる。したがって、魚釣操作性に優れる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、トルクリミッタ装置30,300は、釣糸の繰り出しで回転する回転体と、回転体を支持する支持部との間に設けられていればよく、設置場所は限定されない。
また、係合部材31c,317は、径方向に突出して係合するものを示したが、これに限られることはなく、軸方向に突出して対向する部材(駆動歯車11等)に係合するものであってもよい。
また、係合部材31c,317の設置個数は限定されず、1つでも複数でもよい。さらに、係合部材31c,317は、軸方向に2段以上配置してもよい。
さらに、第1実施形態で収容部として透孔31b(貫通孔)を示したが、有底の穴としてもよい。
また、第1実施形態において、調節機構の構成部材として二つのライニングワッシャ11c,11dを設けたが、いずれか一方のみ設けてもよい。
8a ハンドル軸(支持部)
11 駆動歯車(回転体)
11c ライニングワッシャ(調節機構を構成)
11d ライニングワッシャ(調節機構を構成)
30,300 トルクリミッタ装置
31 支持体
32d 係合溝(凹部)
31c 係合部材(凸部)
31d コイルスプリング(付勢部材)
90 締め付けナット(調節機構を構成)
91 カバー部材
32 環状体
31b 透孔(収容部)
310 第1ギャ
315 収容部
316 コイルスプリング
317 係合部材(凸部)
320 第2ギャ
321 係合溝(凹部)
330 ライニングワッシャ(調節機構を構成)

Claims (4)

  1. 釣糸の繰り出しで回転する回転体と、
    前記回転体を支持する支持部と、
    駆動力の伝達を接続または遮断するトルクリミッタ装置と、を備え、
    前記支持部と前記回転体とは、前記トルクリミッタ装置を介して係脱可能であり、
    前記トルクリミッタ装置には、前記回転体と前記支持部との係合解除時に前記回転体と前記支持部との接続力を調節する調節機構が設けられていることを特徴とする魚釣用リール。
  2. 前記支持部はハンドル軸であり、
    前記回転体は、前記ハンドル軸に回転自在に支持される駆動歯車であり、
    前記トルクリミッタ装置は、
    前記駆動歯車に設けられる凹部と、前記ハンドル軸に回り止め嵌合される支持体と、前記支持体に設けられ、前記凹部に係合する凸部と、前記凸部を前記凹部に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
    前記調節機構は、前記支持体と前記駆動歯車との軸方向の摩擦結合による接続力を調節可能であることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
  3. 前記調節機構は、前記支持体と前記駆動歯車との間に介設されたライニング部材と、前記ハンドル軸に螺合され、前記支持体と前記駆動歯車とを軸方向に締め付ける締め付けナットと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の魚釣用リール。
  4. 前記ナットを覆うカバー部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用リール。
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