JP2016085922A - 集電体および固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

集電体および固体酸化物形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】固体酸化物形燃料電池に用いられる高い導電率を有する集電体の、経時的な導電率低下の抑制を低コストで実現させる。【解決手段】実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池100は、燃料電池セル110同士を電気的に接続する集電体60を有する。集電体60は、ステンレス鋼を含む物質で形成されている。より具体的には、La、Li、Sr、Ba、Fe、Ca、Pr、Nd、Ni、Co、Mnのうち少なくとも1つ以上の元素を含む被覆層が、ステンレス鋼の表面に存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関する。より具体的には、本発明は、固体酸化物形燃料電池に用いられる集電体に関する。
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)の単電池すなわちセルは、カソード(空気極、酸化剤として酸素が用いられる場合は酸素極)とアノード(燃料極)が緻密な固体酸化物電解質を挟みこんでおり、カソードに酸素を含む酸化剤を供給し、アノードに水素を含む燃料を供給すると、カソードとアノードに接続した外部回路に電気を流すことのできる発電装置である。
一般に、SOFCは、複数のセル同士を集電体により電気的に接続したセルスタックを収納容器に収容して構成される。このような集電体は、SOFCの作動温度である400℃〜900℃の温度域において、導電率が高く、かつ経時的な導電率の低下が小さいことが望ましい。例えば、特許文献1では、SOFCの作動温度下において、初期導電率が高い組成の材料(ステンレス鋼)を提供している。
国際公開番号WO2011/034002
上述の材料は、SOFCの作動温度において、高い初期導電率を有するが、経時的な導電率低下という点では十分な性能を発揮しない。このため、固体酸化物形燃料電池の耐久性向上のためには、初期導電率の向上に加えて、経時的な導電率低下のさらなる抑制が要求される。さらに、上述の材料は、多数の元素によって形成されるステンレス鋼であるため、各元素を均一に分散させる必要があり、均一なステンレス鋼の作製が困難、もしくはコストが高くなる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、固体酸化物形燃料電池に用いられる、高い導電率を有する集電体の経時的な導電率低下の抑制を低コストで実現させることができる技術の提供にある。
本発明のある態様は、固体酸化物形燃料電池に用いられる集電体である。当該集電体は、ステンレス鋼を含む物質で形成され、La、Li、Sr、Ba、Fe、Ca、Pr、Nd、Ni、Co、Mnのうち少なくとも1つ以上の元素を含む被覆層が、前記ステンレス鋼の表面に存在することを特徴とする。
上記態様の集電体において、前記ステンレス鋼がAlを含んでもよい。前記ステンレス鋼を構成する元素と前記被覆層に含まれる元素とが混在する中間層が前記ステンレス鋼と前記被覆層との間に形成されていてもよい。前記被覆層が、ペロブスカイト型または岩塩型構造酸化物を含んでもよい。また、前記ペロブスカイト型酸化物が、LaSr(1−x)CoFe(1−y)、LaSr(1−x)MnO、LaNiFe(1−x)、BaSr(1−x)CoFe(1−y)、PrSr(1−x)MnO、NdSr(1−x)MnO、LaCa(1−x)CrO(上記x、yは、それぞれ0≦x≦1、0≦y≦1である)からなる群より選ばれる1以上の酸化物であってもよい。
本発明のある態様は、固体酸化物形燃料電池である。当該固体酸化物形燃料電池は、カソード、固体酸化物電解質層およびアノードが積層された積層体と、前記カソードまたは前記アノードと電気的に接続された、上述したいずれかの態様の集電体と、を備えることを特徴とする。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、固体酸化物形燃料電池に用いられる、高い導電率を有する集電体の経時的な導電率低下の抑制を低コストで実現させることができる。
実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池の構造を示す断面模式図である。 集電体の部分拡大斜視図である。 図2に示すA−A線に沿った断面図である。 実施例1乃至8の集電体における接触抵抗の経時変化を示すグラフである。 実施例1と比較例1の集電体における接触抵抗の経時変化を示すグラフである。 比較例2および比較例3の集電体における接触抵抗の経時変化を示すグラフである。 Fe−Cr−Al系合金と被覆層との界面部分のSTEM像と、Fe−Cr−Al系合金と被覆層との間の中間層部分の元素の定量結果を示す。 実施例9の集電体中の中間層部分の高分解能TEM像である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池100の構造を示す断面模式図である。固体酸化物形燃料電池100は、円筒平板型の燃料電池セル110の集合体である。具体的には、一対の平坦面を持つ柱状のセル支持体10の一方の平坦面上にアノード(燃料極)40、固体酸化物電解質層30、カソード(酸化剤極)20がこの順に積層され、セル支持体10の他方の平坦面上にインターコネクタ50が設けられている。集電体60は、隣接する一方の燃料電池セル110のカソード20と、他方の燃料電池セル110のインターコネクタ50に当接し導電性接着剤で固定される。
セル支持体10には、燃料を流通させるための流路12がセルの軸方向に沿って複数形成されている。セル支持体10は、積層する部材との熱膨張率が近く、熱伝導のよいものを用いるのが好ましく、たとえば、Ni/YSZ、Ni/ScSZ、Ni/SDC、Ni/YDC、Ni/LDC、Ni/GDC、Ni/LSGM(La−Sr−Ga−Mg複合酸化物)、Ni/Yからなる群から選択される少なくとも1つのサーメットであることが好ましい。
カソード20は、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物で構成される導電性セラミックを用いて形成することができる。カソード20は、ガス透過性を有することが求められる。そのため、カソード20の開気孔率は、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%〜50%である。したがって、カソード20は、LSM(LaSr(1−x)MnO)、LSC(LaSr(1−x)CoO)、LSCF(LaSr(1−x)CoFe(1−y))(上記x、yは、それぞれ0≦x≦1、0≦y≦1である)等の複合酸化物を含むことが好ましい。カソード20の層厚は、たとえば2μm〜200μmである。
固体酸化物電解質層30は、電極間の電子伝導やイオン伝導の橋渡しをする電解質として機能するとともに、燃料ガスおよび空気のリークを防止するためのガス遮断層としても機能する。固体酸化物電解質層30は、ジルコニア系複合酸化物、セリア系複合酸化物およびLSGMからなる群から選択される少なくとも1つの複合酸化物を含むことが好ましい。具体的には、固体酸化物電解質層30には、YSZ、ScSZ、SDC、YDC、LDC、GDC、LSGMからなる群から選択される固体電解質が好ましく用いられる。固体酸化物電解質層30の層厚は、たとえば0.2μm〜200μmである。
アノード40は、Ni金属および酸化Niの少なくとも一方と、ジルコニア系複合酸化物、セリア系複合酸化物およびLSGMからなる群から選択される少なくとも1つの複合酸化物とで構成される複合体であることが好ましい。具体的には、アノード40は、Ni/YSZ、Ni/ScSZ、Ni/SDC、Ni/YDC、Ni/LDC、Ni/GDC、Ni/LSGM(La−Sr−Ga−Mg複合酸化物)からなる群から選択される少なくとも1つのサーメットであることが好ましい。アノード40の層厚は、たとえば0.1μm〜50μmである。
インターコネクタ50は、電子伝導するとともに、ガスシール性が求められ、たとえば、LaCrO系材料等が好ましく用いられる。
集電体60は、近接する燃料電池セル110の一方の燃料電池セル110のカソードと、他方の燃料電池セル110のインターコネクタ50を、電気的に接続する機能を有する。ただし、固体酸化物形燃料電池100の最外部に位置する集電体60は、電流取り出しのための金属部材70に接続される。
図2は、集電体60の部分拡大斜視図である。図2に示すように、集電部材60は、第1導電部61、第1接続部65、第2導電部63、および第2接続部67を繰り返し単位として備える。第1導電部61は、固体酸化物形燃料電池100において隣接する燃料電池セル110のうち、一方の燃料電池セル110のカソード20(図1参照)に当接する。第2導電部63は、他方の燃料電池セル110のインターコネクタ50(図1参照)に当接する。第1接続部65は、第1導電部61の一方の端部側から第2導電部63の他方の端部側へ傾斜し、第1導電部61と第2導電部63とを電気的および物理的に接続する。また、第2接続部67は、第1導電部61の他方の端部側から第2導電部63の一方の端部側へ傾斜し、第1導電部61と第2導電部63とを電気的および物理的に接続する。上述した繰り返し単位がセル軸方向に複数配設されることにより、集電体60が形成される。集電体60は、第1接続部65および第2接続部67がばねの役割を果たすことにより柔軟性を有し、セル配列方向またはセル軸方向の変形に追従しやすくなっている。
図3は、図2に示すA−A線に沿った断面図である。具体的には、図3に示すように、集電体60は、芯側から順にステンレス鋼64、中間層66および被覆層68を含む。ステンレス鋼64、中間層66は緻密体であることが好ましい。集電体60が緻密でない場合、空気に触れる表面積が増大し、酸化による抵抗増大が起こりやすくなる。
ステンレス鋼64は1質量%以上のAlを含むことが好ましく、より好ましくは3質量%以上8質量%以下のAlを含む。Al量が1質量%以下の場合、後述する中間層66の形成が十分にできず、Crの飛散量が増大し、燃料電池セル110の耐久性を低下させる。具体的には、ステンレス鋼64として、Fe−Cr−Al系ステンレス鋼が用いられる。
被覆層68は、当該ステンレス鋼の表面に被覆層が形成されている。被覆層68は、La、Li、Sr、Ba、Fe、Ca、Pr、Nd、Ni、Co、Mnのうち少なくとも1つ以上の元素を含む。具体的には、被覆層68は、ペロブスカイト型または岩塩型構造酸化物を含む。ペロブスカイト型酸化物としては、LaSr(1−x)CoFe(1−y)、LaSr(1−x)MnO、LaNiFe(1−x)、BaSr(1−x)CoFe(1−y)、PrSr(1−x)MnO、NdSr(1−x)MnO、LaCa(1−x)CrO(上記x、yは、それぞれ0≦x≦1、0≦y≦1である)からなる群より選ばれる1以上の酸化物が挙げられる。また、岩塩型構造酸化物としては、NiOが挙げられる。NiOは、導電性向上のためにLi酸化物を微量添加して用いてもよい。
なお、被覆層68は、400℃以上1000℃以下の温度において、電子伝導性や電気化学的な酸素還元活性を有することが好ましい。また、被覆層68の層厚は、50nm以上が好ましい。
上述したステンレス鋼64と被覆層68との間に、ステンレス鋼を構成する元素と被覆層に含まれる元素とが混在する中間層66が形成されていることが好ましい。中間層66の層厚は、50nm以上2μm以下であることが好ましい。中間層66の層厚が50nm未満の場合には、ステンレス鋼64の腐食によって、Crが飛散し、セルを劣化させるおそれがあり、層厚が2μmより厚くなった場合には、層の抵抗により十分な電子伝導性が得られなくなる。さらに好ましくは、中間層66の層厚は0.1μm以上1μm以下である。中間層66の層厚をこの範囲にすることで、SOFCの集電体として良好な電子伝導性と長時間運転における耐腐食性を担保することができる。なお、中間層66において、ステンレス鋼64を構成する元素がリッチな部分と、被覆層68に含まれる元素がリッチな部分とが存在し、これらの部分がそれぞれステンレス鋼64の表面に直交する方向に配向していることが好ましい。ステンレス鋼64を構成する元素がリッチな部分と、被覆層68に含まれる元素がリッチな部分のそれぞれがステンレス鋼64の表面に直交する方向に配向することで界面抵抗を低減し、高い電子導電性を得ることができる。
以上説明した集電体の製造方法の概要について説明する。まず、所定の組成の合金板を用意し、上述した被覆層を構成する材料をスラリー塗布法などにより板上に塗布することにより、上述した集電体を得ることができる。なお、上記被覆層を塗布する工程は、集電体に空気中で500〜800℃の範囲で熱処理(酸化処理)を実施する前に行う。
以上説明した集電体によれば、ステンレス鋼の周囲をLa、Li、Sr、Ba、Fe、Ca、Pr、Nd、Ni、Co、Mnのうち少なくとも1つ以上の元素を含む被覆層で覆うことにより、アルミナ皮膜を形成することなく、集電体の導電性の向上を図ることができ、ひいては、固体酸化物形燃料電池の発電性能を向上させることができる。さらに、ステンレス鋼を多数の元素で形成する必要がないため、ステンレス鋼に要するコストを抑制しつつ、上述した効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(抵抗評価)
実施例の集電体を以下のプロセスにて作製した。まず、表1に示す組成のFe−Cr−Al系合金(日立金属製 HRE5)の厚さ0.5mmの板を用意し、用意した板の表面に、表2に示す被覆層用の各材料をスラリー塗布法により塗布し、被覆層を形成した後、空気中で700℃、230時間、酸化処理を施し、実施例1乃至8の集電体を得た。
Figure 2016085922
Figure 2016085922
これに対して、比較例1の集電体では、Fe−Cr−Al系合金板に、被覆層用の材料を塗布する工程を実施せず、空気中で700℃、100時間、酸化処理を施した。また、比較例2の集電体では、Fe−Cr−Al系合金板を空気中で700℃、100時間、熱処理(酸化処理)した後、LSCFを塗布した。また、比較例3の集電体では、Fe−Cr−Al系合金板を空気中で800℃、60時間、熱処理(酸化処理)した後、LSCFを塗布した。
実施例1乃至8、比較例1乃至3の各集電体について、空気中、700℃にて四端子法により接触抵抗の経時変化を計測した。図4は、実施例1乃至8の集電体における接触抵抗の経時変化を示すグラフである。図5は、実施例1と比較例1の集電体における接触抵抗の経時変化を示すグラフである。また、図6は、比較例2および比較例3の集電体における接触抵抗の経時変化を示すグラフである。図4に示すように、実施例1乃至8の集電体では、200時間経過後も接触抵抗が低い値で一定に保たれた。これに対して、比較例1乃至3の集電体では、接触抵抗が実施例1乃至8の集電体に比べて高く、かつ時間経過とともに急激に上昇することが確認された。
(中間層の元素分析)
実施例1の集電体において、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、Fe−Cr−Al系合金と被覆層との間の中間層部分の元素分析を行った。図7に、Fe−Cr−Al系合金と被覆層との界面部分のSTEM像を示す。下記表3に、Fe−Cr−Al系合金と被覆層との間の中間層部分(図7のSTEM像中の領域S部分)の元素の定量結果を示す。
Figure 2016085922
図7および表3に示すように、Fe−Cr−Al系合金と被覆層との間に、アルミナを主成分とし、Srが4atm%程度存在する酸化物層が中間層として形成されていることが確認された。
実施例3の集電体では、アルミナを主成分とし、Laが5atm%程度、Feが3atm%程度存在する酸化物層が中間層として形成されていることが確認された。
実施例5の集電体では、アルミナを主成分とし、Fe、Mn、Prを微量含む酸化物層が中間層として形成されていることが確認された。
実施例8の集電体では、アルミナを主成分とし、Niが数atm%程度、Feが1atm%程度存在する酸化物層が中間層として形成されていることが確認された。
以上の結果より、Fe−Cr−Al系合金と被覆層との間に、アルミナを主成分とし、被覆層に含まれる元素が微量入り込んだ酸化層が中間層として形成されることにより、導電性が向上したと推察される。
さらに、LSCFの塗布後の空気中での酸化処理温度を800℃としたことを除いて実施例1と同様に作製した実施例9の集電体および比較例3の中間層部分について高分解能TEM(透過像)観察および電子線回折による結晶構造解析を行った。図8は、実施例9の集電体中の中間層部分の高分解能TEM像である。
図8に示すように実施例9の集電体では、柱状のアルミナ結晶がFe−Cr−Al系合金の表面と直交する方向に配向し、その隙間にSrAlOなどのペロブスカイト型の導電性酸化物が形成されていることが確認され、アルミナ結晶と導電性酸化物とがナノレベルで複合化されていると推察される。これに対して、比較例3の集電体では、Fe−Cr−Al系合金の表面にアルミナからなる酸化物層が形成されており、被覆層からの元素の拡散経路が閉ざされている様子が確認された。実施例9の中間層は0.5μm程度であったが、中間層の厚さは、被覆層を形成した後の酸化処理の時間、温度、ガス雰囲気によって自由にコントロールできる。中間層の厚さを50nm以上2μm以下にすることで、同様の効果が発現することを確認した。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
また、上述の実施の形態では、固体酸化物形燃料電池として、円筒平板型のセル構造が例示されているが、固体酸化物形燃料電池のタイプは円筒平板型に限定されず、円筒型、平板型、円筒横縞型などの種々のセル構造に上述した集電体を適用することが可能である。
10 セル支持体、20 カソード、30 固体酸化物電解質層、40 アノード、50 インターコネクタ、60 集電体、64 ステンレス鋼、66 中間層、68 被覆層、100 固体酸化物形燃料電池

Claims (6)

  1. 固体酸化物形燃料電池に用いられる集電体であって、
    ステンレス鋼を含む物質で形成され、La、Li、Sr、Ba、Fe、Ca、Pr、Nd、Ni、Co、Mnのうち少なくとも1つ以上の元素を含む被覆層が、前記ステンレス鋼の表面に存在することを特徴とする集電体。
  2. 前記ステンレス鋼がAlを含む請求項1に記載の集電体。
  3. 前記ステンレス鋼を構成する元素と前記被覆層に含まれる元素とが混在する中間層が前記ステンレス鋼と前記被覆層との間に形成されている請求項1または2に記載の集電体。
  4. 前記被覆層が、ペロブスカイト型または岩塩型構造酸化物を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の集電体。
  5. 前記ペロブスカイト型酸化物が、LaSr(1−x)CoFe(1−y)、LaSr(1−x)MnO、LaNiFe(1−x)、BaSr(1−x)CoFe(1−y)、PrSr(1−x)MnO、NdSr(1−x)MnO、LaCa(1−x)CrO(上記x、yは、それぞれ0≦x≦1、0≦y≦1である)からなる群より選ばれる1以上の酸化物である請求項4に記載の集電体。
  6. カソード、固体酸化物電解質層およびアノードが積層された積層体と、
    前記カソードまたは前記アノードと電気的に接続された、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の集電体と、
    を備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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