JP2016085918A - 触媒インクの製造方法及び加工装置 - Google Patents

触媒インクの製造方法及び加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016085918A
JP2016085918A JP2014219550A JP2014219550A JP2016085918A JP 2016085918 A JP2016085918 A JP 2016085918A JP 2014219550 A JP2014219550 A JP 2014219550A JP 2014219550 A JP2014219550 A JP 2014219550A JP 2016085918 A JP2016085918 A JP 2016085918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
stirring
mixed solution
catalyst
rpm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014219550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6195120B2 (ja
Inventor
淳志 野木
Atsushi Nogi
淳志 野木
暢夫 奥村
Nobuo Okumura
暢夫 奥村
範昭 石原
Noriaki Ishihara
範昭 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2014219550A priority Critical patent/JP6195120B2/ja
Publication of JP2016085918A publication Critical patent/JP2016085918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6195120B2 publication Critical patent/JP6195120B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

【課題】均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクを製造するための方法を提供する。【解決手段】触媒電極の形成に用いられる触媒インクの製造方法であって、触媒担持粒子を溶媒に分散させて触媒分散液を生成する分散液生成工程S10と、アイオノマをゲル化してゲル体を生成するゲル化工程S20と、触媒分散液とゲル体とを撹拌混合して触媒インクを生成する撹拌混合工程S30と、を備える。ゲル化工程S20は、アイオノマを含む混合溶液の温度を所定温度まで上昇させつつ混合溶液を撹拌する昇温工程S21と、混合溶液の温度を所定温度のまま維持しつつ混合溶液を撹拌する保温工程S23と、混合溶液の温度を所定温度から下降させつつ混合溶液を撹拌する冷却工程S25と、を有し、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数よりも、冷却工程S25における撹拌回転数を小さい値に設定する。【選択図】図3

Description

本発明は、触媒インクの製造方法及び加工装置に関する。
現在、導電性を有する粒子に触媒を担持させた触媒担持粒子とアイオノマとを溶媒に分散させて触媒インクを生成し、この触媒インクを電解質膜の両面に塗布して乾燥させることにより、燃料電池用の触媒電極を形成する技術が実用化されている。近年においては、アイオノマと揮発性溶媒とを混合してゲル体を生成し、このゲル体と触媒分散液とを撹拌混合することにより、触媒インクの粘度を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術によれば、加熱処理やせん断力の印加により、ゲル体の粘弾性を調整できる、とされている。
国際公開第2013/031060号パンフレット
しかし、特許文献1に記載された技術を採用するだけでは、ゲル化したアイオノマ(ゲル体)について所望の弾性率が得られず、また、弾性率のバラツキが発生するという問題が発生していた。すなわち、ゲル体を増粘させるには、触媒分散液及びゲル体の温度を所定温度まで昇温させた後、その所定温度を一定時間維持し、その後冷却する、というプロセスを経る必要があるが、昇温及び保温時における撹拌回転数が小さい場合にはアイオノマに均一に熱が伝わらず、弾性率にバラツキが発生してしまう。一方、冷却時における撹拌回転数が高い場合には、ゲル体に含まれる絡み合った高分子がせん断力により破壊され、所望の弾性率が得られなくなる(弾性率が低くなる)という問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクを製造するための方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る製造方法は、触媒電極の形成に用いられる触媒インクの製造方法であって、触媒担持粒子を溶媒に分散させて触媒分散液を生成する分散液生成工程と、アイオノマをゲル化してゲル体を生成するゲル化工程と、触媒分散液とゲル体とを撹拌混合して触媒インクを生成する撹拌混合工程と、を備え、ゲル化工程は、アイオノマを含む混合溶液の温度を所定温度まで上昇させつつ混合溶液を撹拌する昇温工程と、混合溶液の温度を所定温度のまま維持しつつ混合溶液を撹拌する保温工程と、混合溶液の温度を所定温度から下降させつつ混合溶液を撹拌する冷却工程と、を有し、昇温工程及び保温工程における撹拌回転数よりも、冷却工程における撹拌回転数を小さい値に設定するものである。
かかる方法を採用すると、ゲル化工程の昇温・保温工程における撹拌回転数を比較的大きくすることにより、ゲル体の弾性率のバラツキを抑制して均一性を確保することができる。また、ゲル化工程の冷却工程における撹拌回転数を比較的小さくすることにより、ゲル体の高分子のせん断破壊を抑制して所望の弾性率を確保することができる。この結果、均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクを製造することができる。
本発明に係る製造方法において、昇温工程及び保温工程における撹拌回転数を30rpm以上(特に100rpm以上)に設定する一方、冷却工程における撹拌回転数を30rpm未満(特に20rpm以下)に設定することができる。
また、本発明に係る加工装置は、前記製造方法で使用される加工装置であって、アイオノマを含む混合溶液を収容するための容器と、容器に収容された混合溶液の温度を調整するための温度調整手段と、容器に収容された混合溶液を撹拌するための撹拌手段と、撹拌手段による撹拌回転数を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、温度調整手段で混合溶液の温度を所定温度まで上昇させかつ所定温度のまま維持するときの撹拌回転数よりも、温度調整手段で混合溶液の温度を所定温度から下降させるときの撹拌回転数が小さくなるように、撹拌手段による撹拌回転数を制御するものである。
かかる構成を採用すると、温度調整手段で混合溶液の温度を所定温度まで上昇させかつ所定温度のまま維持するときの撹拌回転数を比較的大きくすることにより、ゲル体の弾性率のバラツキを抑制して均一性を確保することができる。また、温度調整手段で混合溶液の温度を所定温度から下降させるときの撹拌回転数を比較的小さくすることにより、ゲル体の高分子のせん断破壊を抑制して所望の弾性率を確保することができる。この結果、均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクを製造することができる。
本発明に係る製造装置において、温度調整手段で混合溶液の温度を所定温度まで上昇させかつ所定温度のまま維持するときの撹拌回転数を30rpm以上(特に100rpm以上)に設定する一方、温度調整手段で混合溶液の温度を所定温度から下降させるときの撹拌回転数を30rpm未満(特に20rpm以下)に設定する制御手段を採用することができる。
本発明によれば、均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクを製造するための方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る触媒インクの製造方法で使用される加工装置の構成を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る触媒インクの製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る触媒インクの製造方法のゲル化工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る触媒インクの製造方法のゲル化工程における加工温度及び撹拌回転数の時間履歴を示すタイムチャートである。
以下、各図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を本実施形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。
最初に、図1を用いて、本発明の実施形態に係る触媒インクの製造方法で使用される加工装置1の構成について説明する。
本実施形態に係る加工装置1は、触媒インクの製造方法におけるゲル化工程S20(後述)で使用されるものである。燃料電池用の触媒電極を形成する際には、導電性を有する粒子に触媒を担持させた触媒担持粒子とアイオノマとを溶媒に分散させて触媒インクを生成し、この触媒インクを電解質膜の両面に塗布して乾燥させる、というプロセスを経る。この際、発電に寄与しない部分に触媒インクを塗布しないように間欠塗工を行うが、間欠塗工を行うためには、触媒インクのダレを抑制する必要がある。また、触媒インクが均一でないと、塗工での欠損が生じる。本実施形態に係る加工装置1は、触媒インクのダレを抑制するとともに塗工での欠損を無くすことができるように、均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクの製造に寄与するものである。
加工装置1は、図1に示すように、アイオノマと揮発性溶媒とを混合させた混合溶液Mを収容するための容器10と、容器10に収容された混合溶液Mの温度を調整するための温度調整手段20と、容器10に収容された混合溶液Mを撹拌するための撹拌手段30と、撹拌手段30による撹拌回転数を制御する制御手段40と、を備えている。
容器10としては、図1に示すような筒状の中空容体を採用することができる。容器10は、温度調整手段20による加熱に耐え得る材料(例えば、金属や熱可塑性樹脂等)で構成される。
温度調整手段20は、容器10に収容された混合溶液Mの温度を調整するためのものである。本実施形態においては、温度調整手段20として、容器10を構成する側壁11の内部に電気ヒータを採用している。電気ヒータの温度は、制御手段40から送出される制御信号によって制御されるようになっている。また、本実施形態に係る加工装置1は、容器10に収容された混合溶液Mの温度を計測する温度計測手段21を備えている。温度計測手段21で計測された温度に関する情報は、制御手段40に送られて、後述する撹拌回転数の制御に使用される。
撹拌手段30は、容器10に収容された混合溶液Mを撹拌するためのものである。本実施形態における撹拌手段30は、容器10に収容された混合溶液Mの内部に挿入される撹拌羽根31と、撹拌羽根31を回転させる撹拌モータ32と、を有している。撹拌モータ32の回転数(撹拌回転数)は、制御手段40から送出される制御信号によって制御されるようになっている。
制御手段40は、温度計測手段21等から送られた各種情報に基づいて、撹拌手段30による撹拌回転数を制御するものである。本実施形態における制御手段40は、温度調整手段20で混合溶液Mの温度を所定温度まで上昇させる昇温工程S21(後述)及び混合溶液Mの温度を所定温度のまま所定時間維持する保温工程S23(後述)における撹拌回転数よりも、温度調整手段20で混合溶液Mの温度を所定温度から下降させる冷却工程S25(後述)における撹拌回転数が小さくなるように、撹拌手段30による撹拌回転数を制御する。具体的には、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数を30rpm以上(好ましくは100rpm以上)に設定する一方、冷却工程S25における撹拌回転数を30rpm未満(好ましくは20rpm以下)に設定する。
次に、図2〜図4を用いて、本発明の実施形態に係る触媒インクの製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係る触媒インクの製造方法を説明するためのフローチャートである。また、図3及び図4は、本製造方法におけるゲル化工程を説明するためのフローチャート及びタイムチャートである。
まず、図2に示すように、触媒担持粒子を溶媒に分散させて触媒分散液を生成する(分散液生成工程:S10)。触媒担持粒子は、燃料電池反応を促進するための触媒(例えば白金(Pt)等)を導電性粒子に担持させたもの(例えば白金担持カーボン)である。触媒担持粒子を分散させる溶媒としては、水、有機溶媒、水溶性溶媒等を採用することができる。なお、溶媒には、触媒担持粒子の分散を促進させるための界面活性剤を添加してもよい。
分散液生成工程S10と並行して(又は分散液生成工程S10に次いで)、イオン伝導性を有するポリマーであるアイオノマをゲル化してゲル体を生成する(ゲル化工程:S20)。アイオノマとしては、例えばパーフロロスルホン酸等を採用することができる。本実施形態においては、アイオノマと揮発性溶媒(例えばアルコール溶液等)と水とを混合させた混合溶液Mに以下の処理を施すことにより、所望の弾性率を有するゲル体を生成する。
ここで、図3及び図4を用いて、ゲル化工程S20で混合溶液Mに施す処理について説明する。
ゲル化工程S20では、まず、アイオノマと揮発性溶媒とを混合させた混合溶液Mを加工装置1の容器10(図1)に収容し、加工装置1の制御手段40により温度調整手段(電気ヒータ)20を作動させて、容器10に収容された混合容器Mの温度を上昇させる(昇温工程:S21)。また、加工装置1の制御手段40は、昇温工程S21において、温度調整手段20を作動させると同時に撹拌手段30を作動させて、撹拌モータ32の回転数(撹拌回転数)を比較的大きい値(例えば100rpm)に設定する。
次いで、加工装置1の制御手段40は、温度計測手段21で計測された混合溶液Mの温度が所定温度TPに到達したか否かを判定し(第一温度判定工程:S22)、混合溶液Mの温度が所定温度TPに到達していないものと判定した場合には、昇温工程S21を続行させる。一方、制御手段40は、第一温度判定工程S22において、混合溶液Mの温度が所定温度TPに到達したものと判定した場合には、温度調整手段20を制御して、混合溶液Mの温度を所定温度のまま維持する(保温工程:S23)。加工装置1の制御手段40は、保温工程S23において、温度調整手段20を制御するとともに撹拌手段30を制御して、撹拌モータ32の回転数(撹拌回転数)を比較的大きい値(例えば100rpm)のまま維持する。
次いで、加工装置1の制御手段40は、混合溶液Mの温度が所定温度TPに到達してから所定時間tpが経過したか否かを判定し(経時判定工程:S24)、所定時間tpが経過していないものと判定した場合には、保温工程S23を続行する。一方、制御手段40は、経時判定工程S24において、混合溶液Mの温度が所定温度TPに到達してから所定時間tpが経過したものと判定した場合には、温度調整手段20による加熱を停止させて、混合溶液Mを自然冷却させる(冷却工程:S25)。加工装置1の制御手段40は、冷却工程S25において、撹拌手段30を制御して、撹拌モータ32の回転数(撹拌回転数)を昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数よりも小さい値(例えば20rpm)に設定する。
次いで、加工装置1の制御手段40は、温度計測手段21で計測された混合溶液Mの温度が目標温度TAに到達したか否かを判定し(第二温度判定工程:S26)、混合溶液Mの温度が目標温度TAに到達していないものと判定した場合には、冷却工程S25を続行する。一方、制御手段40は、第二温度判定工程S26において、混合溶液Mの温度が目標温度TAに到達したものと判定した場合には、撹拌手段30を停止させて、ゲル化処理を終了する。
図2に戻り、分散液生成工程S10で生成した触媒分散液と、ゲル化工程S20で生成したゲル体と、を撹拌混合して触媒インクを生成する(撹拌混合工程:S30)。撹拌混合工程S30で混合される触媒分散液とゲル体との質量比は、例えば1:1に設定することができる。このように生成した触媒インクは、均一でかつ所望の弾性率を有するものとなる。
以上説明した実施形態に係る触媒インクの製造方法においては、ゲル化工程20の昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数を比較的大きくすることにより、ゲル体の弾性率のバラツキを抑制して均一性を確保することができる。また、ゲル化工程S20の冷却工程S25における撹拌回転数を比較的小さくすることにより、ゲル体の高分子のせん断破壊を抑制して所望の弾性率を確保することができる。この結果、均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクを製造することができる。
また、以上説明した実施形態に係る製造方法で使用される加工装置1は、温度調整手段20で混合溶液Mの温度を所定温度まで上昇させかつ所定温度のまま維持するときの撹拌回転数を比較的大きくすることにより、ゲル体の弾性率のバラツキを抑制して均一性を確保することができる。また、温度調整手段20で混合溶液Mの温度を所定温度から下降させるときの撹拌回転数を比較的小さくすることにより、ゲル体の高分子のせん断破壊を抑制して所望の弾性率を確保することができる。この結果、均一でかつ所望の弾性率を有する触媒インクを製造することができる。
なお、以上の実施形態においては、ゲル化工程S20の冷却工程S25において、温度調整手段20(電気ヒータ)による加熱を停止させて混合溶液Mを自然冷却させた例を示したが、混合溶液Mを積極的に冷却させることができる温度調整手段を用いて混合溶液Mを強制的に冷却してもよい。
また、以上の実施形態においては、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数を100rpmに設定する一方、冷却工程S25における撹拌回転数を20rpmに設定した例を示したが、撹拌回転数の値はこれらに限定されるものではなく、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数よりも冷却工程S25における撹拌回転数が小さくなっていればよい。
但し、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数は、30rpm以上とすることが好ましい。昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数を30rpm未満とすると、容器10の中心付近における混合溶液Mの弾性率と、容器10の内壁付近における混合溶液Mの弾性率と、の差が大きくなる(すなわち不均一となる)ため好ましくない。一方、冷却工程S25における撹拌回転数は、30rpm未満とすることが好ましい。冷却工程S25における撹拌回転数を30rpm以上とすると、生成されるゲル体の弾性率が実用化に適しない程度に低くなる(例えば100Paを下回る)場合があるため好ましくない。
<実施例>
ここで、表1を用いて、本発明の実施例について説明する。本実施例においては、加工装置1の温度調整装置20として、ユラボ社製のサーキュレータを採用した。また、第一温度判定工程S22における判定で用いられる所定温度を「85℃」に設定し、サーキュレータで昇温された混合溶液Mの温度が「85℃」に到達した場合には、その温度を所定時間維持することとした。
本実施例においては、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数を「120rpm」に設定する一方、冷却工程S25における撹拌回転数を「15rpm」に設定した。これに対し、比較例1においては、昇温工程S21、保温工程S23及び冷却工程S25の全てにおいて撹拌回転数を「10rpm」(一定)に設定した。比較例2においては、昇温工程S21、保温工程S23及び冷却工程S25の全てにおいて撹拌回転数を「15rpm」(一定)に設定し、比較例3においては、昇温工程S21、保温工程S23及び冷却工程S25の全てにおいて撹拌回転数を「30rpm」(一定)に設定した。
本実施例及び各比較例において、容器10の中心付近におけるゲル体の弾性率(中心付近弾性率)と、容器10の内壁付近におけるゲル体の弾性率(内壁付近弾性率)と、を実測した。そして、中心付近弾性率の理論統計上計算される値(計算値)を算出し、中心付近弾性率の実測値と計算値の差を算出した。また、内壁付近弾性率と中心付近弾性率の差を算出した。以下の表1は、各実測値及び各計算値をまとめたものである。
Figure 2016085918
表1を見ると明らかなように、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数が比較的小さい(30rpm未満の)比較例1及び比較例2では、内壁付近弾性率と中心付近弾性率の差とが「71Pa」、「84.9Pa」と比較的大きくなっており、生成されるゲル体の弾性率が不均一となっていることがわかる。これに対し、昇温工程S21及び保温工程S23における撹拌回転数が比較的大きい(30rpm以上の)本実施例では、内壁付近弾性率と中心付近弾性率の差とが「23.2Pa」と比較的小さくなっており、生成されるゲル体の弾性率が均一になっていることがわかる。
また、表1を見ると明らかなように、冷却工程S25における撹拌回転数が比較的大きい(30rpm)比較例3では、中心付近弾性率の実測値と計算値の差とが「−278.0Pa」ときわめて大きくなっており、実際にはゲル体の中心付近弾性率が低い値(202Pa)となっている。これに対し、冷却工程S25における撹拌回転数が比較的小さい(30rpm未満の)本実施例では、中心付近弾性率の実測値と計算値の差とが「−30.7Pa」と比較的小さくなっており、実用に耐え得る程度(240Pa以上)の弾性率が確保されていることがわかる。
すなわち、本実施例で生成されるゲル体は、弾性率が比較的均一でかつ実用に耐え得る値となっている。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、この実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…加工装置
10…容器
20…温度調整手段
30…撹拌手段
40…制御手段
M…混合溶液
S10…分散液生成工程
S20…ゲル化工程
S21…昇温工程
S23…保温工程
S25…冷却工程
S30…撹拌混合工程

Claims (8)

  1. 触媒電極の形成に用いられる触媒インクの製造方法であって、
    触媒担持粒子を溶媒に分散させて触媒分散液を生成する分散液生成工程と、
    アイオノマをゲル化してゲル体を生成するゲル化工程と、
    前記触媒分散液と前記ゲル体とを撹拌混合して触媒インクを生成する撹拌混合工程と、を備え、
    前記ゲル化工程は、
    前記アイオノマを含む混合溶液の温度を所定温度まで上昇させつつ前記混合溶液を撹拌する昇温工程と、
    前記混合溶液の温度を所定温度のまま維持しつつ前記混合溶液を撹拌する保温工程と、
    前記混合溶液の温度を所定温度から下降させつつ前記混合溶液を撹拌する冷却工程と、を有し、
    前記昇温工程及び前記保温工程における撹拌回転数よりも、前記冷却工程における撹拌回転数を小さい値に設定する、触媒インクの製造方法。
  2. 前記昇温工程及び前記保温工程における撹拌回転数を30rpm以上に設定する一方、前記冷却工程における撹拌回転数を30rpm未満に設定する、請求項1に記載の触媒インクの製造方法。
  3. 前記昇温工程及び前記保温工程における撹拌回転数を100rpm以上に設定する、請求項2に記載の触媒インクの製造方法。
  4. 前記冷却工程における撹拌回転数を20rpm以下に設定する、請求項2又は3に記載の触媒インクの製造方法。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の触媒インクの製造方法で使用される加工装置であって、
    アイオノマを含む混合溶液を収容するための容器と、
    前記容器に収容された前記混合溶液の温度を調整するための温度調整手段と、
    前記容器に収容された前記混合溶液を撹拌するための撹拌手段と、
    前記撹拌手段による撹拌回転数を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記温度調整手段で前記混合溶液の温度を所定温度まで上昇させかつ前記所定温度のまま維持するときの撹拌回転数よりも、前記温度調整手段で前記混合溶液の温度を前記所定温度から下降させるときの撹拌回転数が小さくなるように、前記撹拌手段による撹拌回転数を制御する、加工装置。
  6. 前記制御手段は、前記温度調整手段で前記混合溶液の温度を所定温度まで上昇させかつ前記所定温度のまま維持するときの撹拌回転数を30rpm以上に設定する一方、前記温度調整手段で前記混合溶液の温度を前記所定温度から下降させるときの撹拌回転数を30rpm未満に設定する、請求項5に記載の加工装置。
  7. 前記制御手段は、前記温度調整手段で前記混合溶液の温度を所定温度まで上昇させかつ前記所定温度のまま維持するときの撹拌回転数を100rpm以上に設定する、請求項6に記載の加工装置。
  8. 前記制御手段は、前記温度調整手段で前記混合溶液の温度を前記所定温度から下降させるときの撹拌回転数を20rpm以下に設定する、請求項6又は7に記載の加工装置。
JP2014219550A 2014-10-28 2014-10-28 触媒インクの製造方法及び加工装置 Active JP6195120B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219550A JP6195120B2 (ja) 2014-10-28 2014-10-28 触媒インクの製造方法及び加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219550A JP6195120B2 (ja) 2014-10-28 2014-10-28 触媒インクの製造方法及び加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016085918A true JP2016085918A (ja) 2016-05-19
JP6195120B2 JP6195120B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=55973876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014219550A Active JP6195120B2 (ja) 2014-10-28 2014-10-28 触媒インクの製造方法及び加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6195120B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016115455A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 トヨタ自動車株式会社 触媒インクの製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003132732A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Tsutomu Minami プロトン伝導性材料、プロトン伝導性膜およびその製造方法
JP2008308683A (ja) * 2007-05-17 2008-12-25 Sumitomo Chemical Co Ltd 架橋芳香族ポリマー、高分子電解質、触媒インク、高分子電解質膜、膜−電極接合体及び燃料電池
JP2010238415A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Noritake Co Ltd 触媒ペースト調製方法
US20110305970A1 (en) * 2010-06-11 2011-12-15 Yogeshwar Sahai CHEMICALLY LINKED HYDROGEL MATERIALS AND USES THEREOF IN ELECTRODES and/or ELECTROLYTES IN ELECTROCHEMICAL ENERGY DEVICES
JP2011258357A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Noritake Co Ltd 固体高分子形燃料電池用の触媒層および触媒ペースト
WO2013031060A1 (ja) * 2011-08-31 2013-03-07 トヨタ自動車株式会社 触媒インクの製造方法、および、燃料電池の製造方法、燃料電池

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003132732A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Tsutomu Minami プロトン伝導性材料、プロトン伝導性膜およびその製造方法
JP2008308683A (ja) * 2007-05-17 2008-12-25 Sumitomo Chemical Co Ltd 架橋芳香族ポリマー、高分子電解質、触媒インク、高分子電解質膜、膜−電極接合体及び燃料電池
JP2010238415A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Noritake Co Ltd 触媒ペースト調製方法
JP2011258357A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Noritake Co Ltd 固体高分子形燃料電池用の触媒層および触媒ペースト
US20110305970A1 (en) * 2010-06-11 2011-12-15 Yogeshwar Sahai CHEMICALLY LINKED HYDROGEL MATERIALS AND USES THEREOF IN ELECTRODES and/or ELECTROLYTES IN ELECTROCHEMICAL ENERGY DEVICES
WO2013031060A1 (ja) * 2011-08-31 2013-03-07 トヨタ自動車株式会社 触媒インクの製造方法、および、燃料電池の製造方法、燃料電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016115455A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 トヨタ自動車株式会社 触媒インクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6195120B2 (ja) 2017-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9865885B2 (en) Manufacturing method of catalyst ink, manufacturing method of fuel cell, and fuel cell
CN103818906B (zh) 碳阻超细纳米碳化钨材料及其制备方法和应用
JP6354135B2 (ja) 蓄電材料の製造装置および製造方法
CN109983602A (zh) 用于二次电池的阳极浆料
TWI564244B (zh) Equipment for making graphene and its making method
US9819030B2 (en) Production method of catalyst ink for fuel cell, manufacturing method of catalyst layer for fuel cell and manufacturing method of membrane electrode assembly for fuel cell
JP6195120B2 (ja) 触媒インクの製造方法及び加工装置
CN107240720A (zh) 一种改性碳纳米管掺杂固体聚合物电解质的制备方法
CN108067106A (zh) 锂离子电池浆料备胶液预混合分散工艺
CN113488669A (zh) 一种质子交换膜燃料电池无杂质匀浆工艺
JP6295940B2 (ja) 触媒インクの製造方法
Mert et al. Preparation and characterization of shape-stable bio-based composite phase change materials for thermal energy storage: coconut oil/activated carbon from cherry stones doped composites
CN106450446B (zh) 一种用于聚合电池的石墨烯微片复合材料及其制备方法
JP6803001B2 (ja) 燃料電池の触媒インク作成方法
CN103980522B (zh) 一种多孔聚酰亚胺薄膜的制备方法
KR101218191B1 (ko) 고체산화물연료전지용 전극의 슬러리 제조장치
JP2009059694A (ja) 燃料電池用触媒インクとその製造方法およびそれを用いた燃料電池電極
JP2018116870A (ja) 触媒インクの製造方法
CN207271121U (zh) 一种乳胶漆用分散釜
JP5880562B2 (ja) 触媒インクの製造方法、および、燃料電池の製造方法、燃料電池
KR101905247B1 (ko) 겔상 전해질 분산액의 제조 방법
CN203944313U (zh) 一种高强度散热搅拌器
JP2010015940A (ja) 電解質層の製造方法
CN105655599B (zh) 一种锂空气电池多孔碳素电极材料的制备方法
JPH0737592A (ja) 燃料電池用電極の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170802

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6195120

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151