JP2016084909A - コンロッド、内燃機関、自動車両およびコンロッドの製造方法 - Google Patents

コンロッド、内燃機関、自動車両およびコンロッドの製造方法 Download PDF

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    • F16C9/04Connecting-rod bearings; Attachments thereof
    • F16C9/045Connecting-rod bearings; Attachments thereof the bearing cap of the connecting rod being split by fracturing

Abstract

【課題】再組み性に優れたチタン合金製の破断分割型コンロッドおよびその製造方法を提供する。【解決手段】コンロッド(1)は、チタン合金から形成され、ロッド本体部(10)と、ロッド本体部の一端に設けられた小端部(20)と、ロッド本体部の他端に設けられた大端部(30)とを備え、大端部が、ロッド本体部の他端に連続するロッド部(33)と、ロッド部にボルト(40)によって結合されるキャップ部(34)とに破断分割された分割型のコンロッドである。ロッド部および/またはキャップ部は、破断面(F)の縁から突出した少なくとも1つの立ち面部(SP)を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、コンロッドに関し、特に、チタン合金製の破断分割型コンロッドおよびその製造方法に関する。また、本発明は、そのようなコンロッドを備えた内燃機関や自動車両にも関する。
自動車両の内燃機関には、クランクシャフトとピストンとを連結するために、コンロッド(あるいはコネクティングロッド)と呼ばれる部材が用いられている。コンロッドは、棒状のロッド本体部と、ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、ロッド本体部の他端に設けられた大端部とを備える。小端部は、ピストンピンを通すための貫通孔を有し、ピストンに接続される。一方、大端部は、クランクピンを通すための貫通孔を有し、クランクシャフトに接続される。
コンロッドは、「一体型」と「分割型」とに大別される。分割型コンロッドでは、大端部は、ロッド本体部に連続するロッド部と、ロッド部にボルトによって結合されるキャップ部とに分割されている。これに対し、一体型のコンロッドでは、大端部は分割されていない。
従来、コンロッドの材料としては鋼が広く用いられてきたが、近年、コンロッドの軽量化のためにチタン合金を用いることが提案されている。チタン合金を用いてコンロッドを製造する方法としては、特許文献1に開示されているような閉塞鍛造や密閉鍛造、あるいは、非特許文献1に開示されているような熱間鍛造が挙げられる。
これらの方法を用いて分割型コンロッドを製造する場合、大端部を一体で、つまり、ロッド部とキャップ部とを一体で鍛造することにより、材料の歩留まりを高くすることができる。しかしながら、このようにして鍛造を行うと、当然ながら、その後にロッド部とキャップ部とを機械加工によって切り離す必要がある。また、切り離し後にも、ロッド部およびキャップ部の互いに当接する面を加工したり、ロッド部とキャップ部とを精度良く組み付けるための位置決め加工を行ったりする必要がある。チタン合金は、一般に、機械加工性が鋼よりも悪いため、これらの一連の加工工程が、チタン合金製のコンロッドの生産性の悪化や製造コストの増加の一因となっている。
この問題を解決する手法として、破断工法が提案されている。破断工法は、大端部を一体に形成した後に、脆性破断によってロッド部とキャップ部とに分割する手法である。ロッド部およびキャップ部の破断面には、脆性破断によって微細な凹凸が相補的に形成される。これらの破断面に対しては、別途に加工を行う必要がない。また、破断面に相補的に形成された微細な凹凸によって、ロッド部とキャップ部とを組み付けたときに精度良く位置決めを行うことができるので、位置決め構造を形成するための加工を行う必要もない。破断工法によって大端部が分割されたコンロッドを、本願明細書では「破断分割型コンロッド」と呼ぶ。
特開昭60−247432号公報 特開2007−3000号公報 松原敏彦、「快削チタン合金コネクティングロッドの開発」、チタニウム・ジルコニウム、平成3年10月、第39巻、第4号、p. 175-184
チタン合金製の破断分割型コンロッドは、特許文献2に提案されてはいるものの、一般的ではない。つまり、破断工法は、焼結鋼、炭素鋼、非調質鋼および浸炭鋼などの鋼材を用いたコンロッドについては多く実施されているが、チタン合金製のコンロッドについては、実施された例があまりない。チタン合金は靭性が高いので、脆性破断が必要である破断工法をチタン合金製のコンロッドに対して行うことは難しいからである。そのため、チタン合金製の破断分割型コンロッドを好適に製造するための手法が十分に確立されているとは言えない現状であり、チタン合金製の破断分割型コンロッドの種々の特性の向上が求められている。特に、クランクシャフトへの組み付け時の大端部内径の真円度の再現性(「再組み性」と呼ぶ。)のいっそうの向上が求められている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、再組み性に優れたチタン合金製の破断分割型コンロッドおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態によるコンロッドは、チタン合金から形成され、ロッド本体部と、前記ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、前記ロッド本体部の他端に設けられた大端部と、を備え、前記大端部が、前記ロッド本体部の前記他端に連続するロッド部と、前記ロッド部にボルトによって結合されるキャップ部とに破断分割された分割型のコンロッドであって、前記ロッド部および/または前記キャップ部は、破断面の縁から突出した少なくとも1つの立ち面部を有する。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの立ち面部は、前記大端部のスラスト面近傍に位置する立ち面部を含む。
ある実施形態において、前記大端部は、前記ボルトがねじ込まれるボルト孔を有し、前記少なくとも1つの立ち面部は、前記ボルト孔近傍に位置する立ち面部を含む。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの立ち面部は、複数の立ち面部であり、前記ロッド部および前記キャップ部のそれぞれが前記複数の立ち面部を有する。
ある実施形態において、前記大端部のスラスト面は、前記破断面近傍に凹部を有する。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの立ち面部の高さは、0.4mm以上である。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの立ち面部は、略三角形状の断面形状を有する。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの立ち面部は、内側側面および外側側面を有し、前記内側側面が前記破断面に対してなす角は、20°以上70°以下である。
ある実施形態において、前記チタン合金は、Ti−5Al−1Fe合金である。
ある実施形態において、本発明によるコンロッドは、表面の少なくとも一部に形成された窒化クロム層をさらに備える。
本発明の実施形態による内燃機関は、上述した構成を有するコンロッドを備える。
本発明の実施形態による自動車両は、上述した構成を有する内燃機関を備える。
本発明の実施形態によるコンロッドの製造方法は、チタン合金から形成され、ロッド本体部、小端部および大端部を備えたコンロッドを用意する工程(a)と、前記コンロッドの前記大端部をロッド部およびキャップ部に破断分割する工程(b)と、を包含するコンロッドの製造方法であって、前記工程(b)は、前記ロッド部および/または前記キャップ部が、破断面の縁から突出する少なくとも1つの立ち面部を有するように実行される。
ある実施形態において、本発明によるコンロッドの製造方法は、前記工程(b)の後、前記コンロッドの表面の少なくとも一部に窒化クロム層を形成する工程(c)をさらに包含する。
ある実施形態において、前記工程(a)は、チタン合金を鍛造により成形する工程(d)を含み、前記工程(c)は、前記コンロッドの表面の一部が鍛造肌のままの状態で実行される。
ある実施形態において、前記工程(c)は、前記キャップ部がボルトによって前記ロッド部に結合された状態で実行される。
ある実施形態において、前記工程(a)は、チタン合金を鍛造により成形する工程(d)と、前記工程(d)後に、チタン合金の表面に生成したαケースをショットピーニングにより除去する工程(e)と、を含む。
本発明の実施形態によるコンロッドでは、ロッド部および/またはキャップ部が、破断面の縁から突出した少なくとも1つの立ち面部を有するので、コンロッドの組み付け性が向上し、クランクシャフトへの組み付け時の大端部内径の真円度の再現性(再組み性)が向上する。
ロッド部および/またはキャップ部が有する少なくとも1つの立ち面部は、大端部のスラスト面近傍に位置する立ち面部を含むことが好ましい。
また、ロッド部および/またはキャップ部が有する少なくとも1つの立ち面部は、ボルト孔近傍に位置する立ち面部を含むことも好ましい。
少なくとも1つの立ち面部は、複数の立ち面部であってよい。再組み性のいっそうの向上を図る観点からは、ロッド部およびキャップ部のそれぞれが複数の立ち面部を有することが好ましい。
大端部のスラスト面が破断面近傍に凹部を有していると、立ち面部がスラスト面から出っ張ることを防止することができる。
再組み性のいっそうの向上を図る観点からは、立ち面部の高さは、0.4mm以上であることが好ましい。
立ち面部は、典型的には、略三角形状の断面形状を有する。
また、立ち面部は、典型的には、内側側面および外側側面を有する。内側側面が破断面に対してなす角は、20°以上70°以下であることが好ましい。内側側面が破断面に対してなす角が20°未満であると、再組み性を十分に向上できない(つまり大端部の真円度を十分に向上できない)ことがある。内側側面が破断面に対してなす角が70°を超えると、エンジンへの組み付け時にキャップ部34とロッド部33の組み付け方向が限定され、かえって組み付け性が悪くなることがある。
コンロッドの材料であるチタン合金は、例えば、Ti−5Al−1Fe合金を好適に用いることができる。Ti−5Al−1Fe合金は、加工性と強度とのバランスに優れる。
本発明の実施形態によるコンロッドは、表面の少なくとも一部に形成された窒化クロム層をさらに備えていてもよい。窒化クロム層の形成により、大端部の表面の、破断面近傍に存在する空隙(破断分割の際に破片が欠落することにより形成される)が窒化クロム層により埋められるので、組み付け時のずれをいっそう抑制することができる。
本発明の実施形態によるコンロッドは、再組み性に優れるので、自動車両用や機械用の各種の内燃機関(エンジン)に好適に用いられる。
本発明の実施形態によるコンロッドの製造方法では、コンロッドの大端部をロッド部およびキャップ部に破断分割する工程(b)は、ロッド部および/またはキャップ部が破断面の縁から突出する少なくとも1つの立ち面部を有するように実行される。そのため、コンロッドの組み付け性が向上し、クランクシャフトへの組み付け時の大端部内径の真円度の再現性(再組み性)が向上する。
本発明の実施形態によるコンロッドの製造方法は、工程(b)の後、コンロッドの表面の少なくとも一部に窒化クロム層を形成する工程(c)をさらに包含してもよい。工程(c)を行うことにより、大端部の表面の、破断面近傍に存在する空隙(破断分割の際に破片が欠落することにより形成される)が窒化クロム層により埋められるので、組み付け時のずれをいっそう抑制することができる。
工程(a)は、チタン合金を鍛造により成形する工程(d)を含んでいてもよい。チタン合金を鍛造により成形することにより、機械的性質に優れたコンロッドが得られる。工程(a)が工程(d)を含んでいる場合、工程(c)は、コンロッドの表面の一部が鍛造肌のままの状態で実行されてもよい。
工程(c)において、コンロッドの表面のうち、窒化クロム層の形成が不要な箇所には窒化クロム層が形成されなくてもよい。例えば、工程(c)が、キャップ部がボルトによってロッド部に結合された状態で実行されると、ボルトによって座面およびねじ面をマスキングすることができる。
工程(a)は、工程(d)後に、チタン合金の表面に生成したαケースをショットピーニングにより除去する工程(e)を含んでいてもよい。αケースは、加工性や延性、疲労特性などに悪影響を及ぼす酸素濃化層であるので、工程(e)によって除去することが好ましい。また、ショットピーニングにより、コンロッドに残留応力を付与してコンロッドの強度を向上させることができる。
本発明の実施形態によると、再組み性に優れたチタン合金製の破断分割型コンロッドおよびその製造方法が提供される。
(a)および(b)は、本発明の実施形態によるコンロッド1を示す図である。(a)は、コンロッド1全体を示す平面図であり、(b)は、コンロッド1の大端部30近傍を示す一部切欠き平面図である。 (a)および(b)は、それぞれロッド部33およびキャップ部34を破断面F側から見た平面図である。 (a)および(b)は、ロッド部33およびキャップ部34の、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍における断面構造を模式的に示す図であり、それぞれ図2(a)および(b)中の3A−3A’線および3B−3B’線に沿った断面図である。 (a)は、コンロッド1全体を示す平面図である。(b)は、大端部30(ロッド部33およびキャップ部34)のスラスト面30t近傍の断面構造を示す図であり、(a)中の4B−4B’線に沿った断面図である。 特許文献2に開示されている破断分割の手法を示す図である。 立ち面部SPを好適に形成し得る破断分割の手法の例を示す図である。 立ち面部SPを好適に形成し得る破断分割の手法の他の例を示す図である。 (a)〜(e)は、立ち面部SPが形成されたキャップ部34の写真である。(a)は、キャップ部34を破断面F側から撮影した写真である。(b)および(c)は、それぞれ(a)中のスラスト面30t近傍の領域8Bおよびボルト孔32近傍の領域8Cを拡大して示す写真である。(d)および(e)は、それぞれ(b)および(c)中の8D−8D’線および8E−8E’線に沿った断面を示す光学顕微鏡写真である。 立ち面部SPが形成されたロッド部33およびキャップ部34のスラスト面30t近傍を破断面F側から撮影した写真である。 立ち面部SPが形成されるメカニズムを模式的に示す図である。 (a)は、破断分割の際のスラスト面30tにおける応力を歪ゲージで測定した結果(経過時間と応力との関係)を示すグラフであり、(b)は、応力の測定を行った2つの領域R1およびR2を示す写真である。 立ち面部SPおよび他の部分(母材)について、ナノインデンテーション硬さ(HV)を測定した結果を示すグラフである。 本発明の実施形態によるコンロッド1を備えたエンジン100を模式的に示す断面図である。 図13に示すエンジン100を備えた自動二輪車を模式的に示す側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1に、本発明の実施形態によるコンロッド1を示す。図1(a)は、コンロッド1全体を示す平面図であり、図1(b)は、コンロッド1の大端部30近傍を示す一部切欠き平面図である。
コンロッド1は、チタン合金から形成されている。チタン合金としては、例えば、Ti−5Al−1Fe合金を好適に用いることができる。Ti−5Al−1Fe合金は、約5質量%のAlおよび約1質量%のFeを含むチタン合金である。また、Ti−5Al−1Fe合金は、加工性と強度とのバランスに優れる。勿論、コンロッド1の材料はTi−5Al−1Fe合金に限定されるものではなく、公知の種々の組成のチタン合金(例えばTi−6Al−4V合金)を用いることができる。
コンロッド1は、図1(a)および(b)に示すように、棒状のロッド本体部10と、ロッド本体部10の一端に設けられた小端部20と、ロッド本体部10の他端に設けられた大端部30とを備える。
小端部20には、ピストンピンを通すための貫通孔(「ピストンピン孔」と呼ばれる。)25が形成されている。ピストンピン孔25は、小端部20の内周面20iによって画定される。一方、大端部30には、クランクピンを通すための貫通孔(「クランクピン孔」と呼ばれる。)35が形成されている。クランクピン孔35は、大端部30の内周面30iによって画定される。
以下の説明においては、ロッド本体部10の延びる方向を「長手方向」と呼び(図1中の方向X)、ピストンピン孔25およびクランクピン孔35の中心軸の方向を「軸方向」と呼ぶ(図1中の方向Y)。また、長手方向および軸方向に直交する方向を「幅方向」と呼ぶ(図1中の方向Z)。
大端部30は、ロッド本体部10の他端に連続するロッド部33と、ロッド部33にボルト40によって結合されるキャップ部34とに破断分割されている。つまり、コンロッド1は、破断分割型コンロッドである。図2(a)および(b)は、それぞれロッド部33およびキャップ部34を破断面F側から見た平面図である。図1(b)、図2(a)および(b)に示すように、大端部30には、ボルト孔32が形成されており、図1(a)および(b)に示すように、ボルト40は、ボルト孔32にねじ込まれる。ロッド部33およびキャップ部34の破断面Fは、微細な凹凸を有する。
ここで、図3を参照しながら、ロッド部33およびキャップ部34の、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍の構造を説明する。図3(a)および(b)は、ロッド部33およびキャップ部34の、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍における断面構造を模式的に示す図であり、それぞれ図2(a)および(b)中の3A−3A’線および3B−3B’線に沿った断面図である。なお、図3(a)および(b)では、わかりやすさのために、ロッド部33およびキャップ部34がわずかに離れた状態を示している。
図3(a)および(b)に示すように、ロッド部33およびキャップ部34は、破断面Fの縁から突出した少なくとも1つの立ち面部(凸部)SPを有する。
図3(a)に示す例では、ロッド部33は、大端部30のスラスト面30t近傍に位置する立ち面部SPを有し、キャップ部34は、ロッド部33の立ち面部SPに係合する係合部(凹部)EPを有する。
また、図3(b)に示す例では、キャップ部34は、ボルト孔32近傍に位置する立ち面部SPを有し、ロッド部33は、キャップ部34の立ち面部SPに係合する係合部EPを有する。
立ち面部SPは、大端部30の破断分割の際に形成される。立ち面部SPの高さhは、破断面Fの微細な凹凸の高低差より大きい。立ち面部SPは、典型的には、略三角形状(図3(a)および(b)では略直角三角形状の場合を例示している。)の断面形状を有する。
立ち面部SPは、内側側面s1および外側側面s2を有する。スラスト面30t近傍に位置する立ち面部SP(図3(a)参照)では、内側側面s1は、スラスト面30t側と反対側の側面であり、外側側面s2は、スラスト面30t側の側面(スラスト面30tと連続する側面)である。ボルト孔32近傍に位置する立ち面部SPでは、内側側面s1は、ボルト孔32の内周面32i側とは反対側の側面であり、外側側面s2は、ボルト孔32の内周面32i側の側面(ボルト孔32の内周面32iと連続する側面)である。
立ち面部SPの内側側面s1が破断面Fに対してなす角は、後述するように、20°以上70°以下であることが好ましい(図3(a)および(b)では略45°の場合を例示している)。また、立ち面部SPの外側側面s2が破断面Fに対してなす角は、典型的には60°以上120°以下である(図3(a)および(b)では略90°の場合を例示している。)。
なお、図3(a)には、スラスト面30t近傍においてロッド部33側に立ち面部SPが設けられている構成を例示しているが、本発明による実施形態は、この構成に限定されない。スラスト面30t近傍において、キャップ部34側に立ち面部SPが設けられていてもよい。さらに、スラスト面30t近傍において、ロッド部33側に立ち面部SPが設けられている領域と、キャップ部34側に立ち面部SPが設けられている領域とが混在してもよい。なお、スラスト面30t近傍において、ロッド部33側およびキャップ部34側のいずれにも立ち面部SPが設けられていない領域が存在してもよい。
また、図3(b)には、ボルト孔32近傍においてキャップ部34側に立ち面部SPが設けられている構成を例示しているが、本発明による実施形態は、この構成に限定されない。ボルト孔32近傍において、ロッド部33側に立ち面部SPが設けられていてもよい。さらに、ボルト孔32近傍において、ロッド部33側に立ち面部SPが設けられている領域と、キャップ部34側に立ち面部SPが設けられている領域とが混在してもよい。なお、ボルト孔32近傍において、ロッド部33側およびキャップ部34側のいずれにも立ち面部SPが設けられていない領域が存在してもよい。
また、必ずしもロッド部33およびキャップ部34のそれぞれが立ち面部SPを有する必要はない。ロッド部33のみが立ち面部SPを有していてもよいし、キャップ部34のみが立ち面部SPを有していてもよく、ロッド部33およびキャップ部34の両方が立ち面部を有していてもよい。
上述したように、本発明の実施形態によるコンロッド1では、ロッド部33および/またはキャップ部34は、破断面の縁から突出した少なくとも1つの立ち面部SPを有する。ロッド部33および/またはキャップ部34が、破断面Fの微細な凹凸に加えて立ち面部SPを有することにより、コンロッド1の組み付け性が向上し、クランクシャフトへの組み付け時の大端部30内径の真円度の再現性(再組み性)が向上する。
立ち面部SPの高さhに特に制限はない。再組み性のいっそうの向上を図る観点からはは、立ち面部SPの高さは、0.4mm以上であることが好ましく、0.6mm以上であることがより好ましい。
また、立ち面部SPの内側側面s1が破断面Fに対してなす角は、20°以上70°以下であることが好ましい。内側側面s1が破断面Fに対してなす角が20°未満であると、再組み性を十分に向上できない(つまり大端部30の真円度を十分に向上できない)ことがある。内側側面s1が破断面Fに対してなす角が70°を超えると、エンジンへの組み付け時にキャップ部34とロッド部33の組み付け方向が限定され、かえって組み付け性が悪くなることがある。
また、既に説明したように、ロッド部33およびキャップ部34の少なくとも一方が少なくとも1つの立ち面部SPを有することにより、再組み性の向上効果が得られるが、再組み性のいっそうの向上を図る観点からは、ロッド部33およびキャップ部34のそれぞれが複数の立ち面部SPを有することが好ましい。
図4に、本発明の実施形態によるコンロッド1の他の構成を示す。図4(a)は、コンロッド1全体を示す平面図である。図4(b)は、大端部30(ロッド部33およびキャップ部34)のスラスト面30t近傍の断面構造を示す図であり、図4(a)中の4B−4B’線に沿った断面図である。
図4(a)および(b)に示す構成では、大端部30のスラスト面30tは、破断面F近傍に凹部30tcを有する。スラスト面30tcが凹部30tcを有していない場合、大端部30の破断分割の際に形成された立ち面部SPが、スラスト面30から出っ張ることがある。これに対し、スラスト面30tが破断面F近傍に凹部30tcを有していると、立ち面部SPがスラスト面30tcから出っ張ることが防止される。凹部30tcの深さdは、例えば0.9mm以上1.5mm以下である。また、凹部30tcの側面30tcsがスラスト面30tとなす角は、例えば0°超60°以下である。
続いて、本発明の実施形態によるコンロッド1の製造方法を説明する。
コンロッド1は、チタン合金から形成され、ロッド本体部10、小端部20および大端部30を備えたコンロッド1を用意する工程(用意工程)(a)と、コンロッド1の大端部30をロッド部33およびキャップ部34に破断分割する工程(破断分割工程)(b)とを包含する製造方法により製造され得る。ここで、破断分割工程(b)は、ロッド部33および/またはキャップ部34が、破断面Fの縁から突出する少なくとも1つの立ち面部SPを有するように実行される。破断分割工程(b)において立ち面部SPを好適に形成する手法については、後に詳述する。
コンロッド形成工程(a)において用いられるチタン合金としては、既に説明したTi−5Al−1Fe合金を好適に用いることができる。また、他の種々の組成のチタン合金を用いてもよい。
破断分割工程(b)の後に、コンロッド1の表面の少なくとも一部に窒化クロム層を形成する工程(CrN層形成工程)(c)が行われてもよい。CrN層形成工程(c)を行うことにより、大端部30の表面の、破断面F近傍に存在する空隙(破断分割の際に破片が欠落することにより形成される)が窒化クロム層により埋められるので、組み付け時のずれをいっそう抑制することができる。
用意工程(a)は、チタン合金を鍛造により成形する工程(鍛造工程)(d)を含んでいてもよい。チタン合金を鍛造により成形することにより、機械的性質に優れたコンロッド1が得られる。用意工程(a)が鍛造工程(d)を含んでいる場合、CrN層形成工程(c)は、コンロッド1の表面の一部が鍛造肌のままの状態で実行されてもよい。
なお、CrN層形成工程(c)において、コンロッド1の表面のうち、窒化クロム層の形成が不要な箇所には窒化クロム層が形成されなくてもよい。例えば、CrN層形成工程(c)が、キャップ部34がボルト40によってロッド部33に結合された状態で実行されると、ボルト40によって座面およびねじ面をマスキングすることができる。
また、用意工程(a)は、鍛造工程(d)後に、チタン合金の表面に生成したαケースをショットピーニングにより除去する工程(ショットピーニング工程)(e)を含んでいてもよい。αケースは、加工性や延性、疲労特性などに悪影響を及ぼす酸素濃化層であるので、ショットピーニング工程(e)によって除去することが好ましい。また、ショットピーニングにより、コンロッド1に残留応力を付与してコンロッド1の強度を向上させることができる。
続いて、破断分割工程(b)において立ち面部SPを好適に形成する手法を説明する。本願発明者は、大端部30を破断分割する際の諸々の条件と、形成される破断面Fの形状との関係について詳細な検討を行った。その結果、破断分割の際にスラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍における曲げ応力成分を極力減らすことにより、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍に立ち面部SPを好適に形成し得ることがわかった。以下、本願発明者が検討により得た知見を説明する。
図5に、特許文献2に開示されている破断分割の手法を示す。図5に示す手法では、水平方向に移動可能なスライダ200および201の凸部をコンロッド1の大端部30のクランクピン孔35に装入した状態で、スライダ200および201の凸部間にくさび治具202を錘203により打ち込む。これにより、コンロッド1の大端部30が、破断起点溝(大端部30の内周面30iに形成されている)を起点としてロッド部33とキャップ部34とに分割される。しかしながら、この手法では、くさび治具202がスライダ200および201の凸部に均一に押し当てられる(くさび治具202とスライダ200および201の凸部との接触面積が大きい)ので、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍で大きな曲げ応力成分が発生する。そのため、立ち面部SPを好適に形成することができない。
これに対し、図6に示すように、くさび治具202の側面に凹部202aを形成する(つまりくさび治具202とスライダ200および201の凸部との接触面積を減らす)と、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍における曲げ応力成分を減らすことができるので、立ち面部SPを好適に形成することができる。
また、図7に示すように、くさび治具202をスライダ200および201の凸部に上側でのみ接触させると、大端部30の2つのスラスト面30tのうちの一方(図7において上側に位置するスラスト面30t)の近傍における曲げ応力成分を減らすことができるので、そのスラスト面30t近傍に立ち面部SPを好適に形成することができる。一方のスラスト面30t近傍に立ち面部SPを形成すれば、再組み性を向上させる効果が十分に得られる。
このように、例えば図6および図7に示した手法を用いて破断分割を行うことにより、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍における曲げ応力成分を減らすことができ、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍に立ち面部SPを好適に形成することができる。
図8に、実際に立ち面部SPを形成したキャップ部34の写真を示す。図8(a)は、キャップ部34を破断面F側から撮影した写真である。図8(b)および(c)は、それぞれ図8(a)中のスラスト面30t近傍の領域8Bおよびボルト孔32近傍の領域8Cを拡大して示す写真である。また、図8(d)および(e)は、それぞれ図8(b)および(c)中の8D−8D’線および8E−8E’線に沿った断面を示す光学顕微鏡写真である。
図8(a)〜(e)(特に図8(d)および(e))から、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍(ボルト孔32の内周面32i近傍)に、破断面Fの微細な凹凸の高低差よりも大きな高さを有する立ち面部SPが形成されていることがわかる。
また、図9に、実際に立ち面部SPを形成したロッド部33およびキャップ部34のスラスト面30t近傍を破断面F側から撮影した写真を示す。図9から、スラスト面30t近傍に立ち面部SPが形成されていることがわかる。また、ロッド部33およびキャップ部34の一方の立ち面部SPに対応する他方の領域に、係合部EPが形成されていることもわかる。
図10に、立ち面部SPが形成されるメカニズムを模式的に示す。図10に示すように、大端部30をロッド部33とキャップ部34とに破断分割する際、最表面では、曲げによる圧縮応力と、破断前に材料に表れる引張応力とが打ち消し合う。そのため、最表面近傍は、45°方向のせん断応力で破断し、そのことによって立ち面部SPが形成されると考えられる。
図11(a)に、破断分割の際のスラスト面30tにおける応力を歪ゲージで測定した結果(経過時間と応力との関係)を示す。応力の測定は、図11(b)中に示す2つの領域R1およびR2において行った。
図11(a)からわかるように、スラスト面30tにおける応力は、2つの領域R1およびR2のいずれについても、破断前に降伏点(812MPa)を超えない。従って、せん断応力で破断していると考えられる。
図12に、立ち面部SPおよび他の部分(母材)について、ナノインデンテーション硬さ(HV)を測定した結果を示す。図12からわかるように、立ち面部SPは、母材とほぼ同じ硬さである。また、既に言及した図8(d)および(e)から、立ち面部SPは、他の部分とほぼ同じ金属組織であり、塑性流動が起こっていないことがわかる。このように、立ち面部SPでは塑性変形している形跡は見られない。
立ち面部SPは、上述したようなメカニズムで形成されるので、破断分割の際にスラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍における曲げ応力成分を極力減らす(引張応力と相殺される程度の曲げ応力しか発生させない)ことにより、スラスト面30t近傍およびボルト孔32近傍に立ち面部SPを好適に形成し得ると考えられる。
上述したように、本発明の実施形態によるコンロッド1では、組み付け性が向上し、クランクシャフトへの組み付け時の大端部30内径の真円度の再現性(再組み性)が向上する。そのため、本発明の実施形態によるコンロッド1は、自動車両用や機械用の各種の内燃機関(エンジン)に広く用いられる。図13に、本実施形態の製造方法により製造されたコンロッド1を備えたエンジン100の一例を示す。
エンジン100は、クランクケース110、シリンダブロック120およびシリンダヘッド130を有している。
クランクケース110内にはクランクシャフト111が収容されている。クランクシャフト111は、クランクピン112およびクランクアーム113を有している。
クランクケース110の上に、シリンダブロック120が設けられている。ピストン122は、シリンダボア内を往復し得るように設けられている。
シリンダブロック120の上に、シリンダヘッド130が設けられている。シリンダヘッド130は、シリンダブロック120およびピストン122とともに燃焼室131を形成する。シリンダヘッド130は、吸気ポート132および排気ポート133を有している。吸気ポート132内には燃焼室131内に混合気を供給するための吸気弁134が設けられており、排気ポート内には燃焼室131内の排気を行うための排気弁135が設けられている。
ピストン122とクランクシャフト111とは、コンロッド1によって連結されている。具体的には、コンロッド1の小端部20の貫通孔(ピストンピン孔)にピストン122のピストンピン123が挿入されているとともに、大端部30の貫通孔(クランクピン孔)にクランクシャフト111のクランクピン112が挿入されており、そのことによってピストン122とクランクシャフト111とが連結されている。大端部30の貫通孔の内周面とクランクピン112との間には、軸受けメタル114が設けられている。
図14に、図13に示したエンジン100を備えた自動二輪車を示す。図14に示す自動二輪車では、本体フレーム301の前端にヘッドパイプ302が設けられている。ヘッドパイプ302には、フロントフォーク303が車両の左右方向に揺動し得るように取り付けられている。フロントフォーク303の下端には、前輪304が回転可能なように支持されている。
本体フレーム301の後端上部から後方に延びるようにシートレール306が取り付けられている。本体フレーム301上に燃料タンク307が設けられており、シートレール306上にメインシート308aおよびタンデムシート308bが設けられている。
また、本体フレーム301の後端に、後方へ延びるリアアーム309が取り付けられている。リアアーム309の後端に後輪310が回転可能なように支持されている。
本体フレーム301の中央部には、図13に示したエンジン100が保持されている。エンジン100には、本実施形態におけるコンロッド1が用いられている。エンジン100の前方には、ラジエータ311が設けられている。エンジン100の排気ポートには排気管312が接続されており、排気管312の後端にマフラー313が取り付けられている。
エンジン100には変速機315が連結されている。変速機315の出力軸316に駆動スプロケット317が取り付けられている。駆動スプロケット317は、チェーン318を介して後輪310の後輪スプロケット319に連結されている。変速機315およびチェーン318は、エンジン100により発生した動力を駆動輪に伝える伝達機構として機能する。
本発明の実施形態によるコンロッド1は、クランクシャフト111への組み付け時の大端部30内径の真円度の再現性(再組み性)が高いので、エンジン100の運転中の大端部30の真円度が向上し、耐焼付き性が向上する。そのため、大端部30に要求される剛性が低くなるので、大端部30を肉薄にして軽量化を図ることが可能になる。コンロッド1が軽量化されると、クランクシャフト111やバランサー、クランクケース110なども軽量化することができるので、エンジン100全体および自動二輪車全体を軽量化することができる。また、コンロッド1が軽量化されると、エンジン100の高燃費化や高出力化も実現できる。
本発明の実施形態によると、再組み性に優れたチタン合金製の破断分割型コンロッドおよびその製造方法が提供される。本発明の実施形態によるコンロッドは、各種の内燃機関(例えば自動車両用のエンジン)に広く用いられる。
1 コンロッド
10 ロッド本体部
20 小端部
20i 小端部の内周面
25 ピストンピン孔
30 大端部
30i 大端部の内周面
30t 大端部のスラスト面
30tc スラスト面の凹部
32 ボルト孔
32i ボルト孔の内周面
33 ロッド部
34 キャップ部
35 クランクピン孔
40 ボルト
100 エンジン
EP 係合部
F 破断面
SP 立ち面部
s1 立ち面部の内側側面
s2 立ち面部の外側側面

Claims (17)

  1. チタン合金から形成され、
    ロッド本体部と、
    前記ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、
    前記ロッド本体部の他端に設けられた大端部と、を備え、
    前記大端部が、前記ロッド本体部の前記他端に連続するロッド部と、前記ロッド部にボルトによって結合されるキャップ部とに破断分割された分割型のコンロッドであって、
    前記ロッド部および/または前記キャップ部は、破断面の縁から突出した少なくとも1つの立ち面部を有するコンロッド。
  2. 前記少なくとも1つの立ち面部は、前記大端部のスラスト面近傍に位置する立ち面部を含む請求項1に記載のコンロッド。
  3. 前記大端部は、前記ボルトがねじ込まれるボルト孔を有し、
    前記少なくとも1つの立ち面部は、前記ボルト孔近傍に位置する立ち面部を含む請求項1または2に記載のコンロッド。
  4. 前記少なくとも1つの立ち面部は、複数の立ち面部であり、
    前記ロッド部および前記キャップ部のそれぞれが前記複数の立ち面部を有する請求項1から3のいずれかに記載のコンロッド。
  5. 前記大端部のスラスト面は、前記破断面近傍に凹部を有する請求項1から4のいずれかに記載のコンロッド。
  6. 前記少なくとも1つの立ち面部の高さは、0.4mm以上である請求項1から5のいずれかに記載のコンロッド。
  7. 前記少なくとも1つの立ち面部は、略三角形状の断面形状を有する請求項1から6のいずれかに記載のコンロッド。
  8. 前記少なくとも1つの立ち面部は、内側側面および外側側面を有し、
    前記内側側面が前記破断面に対してなす角は、20°以上70°以下である請求項1から7のいずれかに記載のコンロッド。
  9. 前記チタン合金は、Ti−5Al−1Fe合金である請求項1から8のいずれかに記載のコンロッド。
  10. 表面の少なくとも一部に形成された窒化クロム層をさらに備える請求項1から9のいずれかに記載のコンロッド。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のコンロッドを備えた内燃機関。
  12. 請求項11に記載の内燃機関を備えた自動車両。
  13. チタン合金から形成され、ロッド本体部、小端部および大端部を備えたコンロッドを用意する工程(a)と、
    前記コンロッドの前記大端部をロッド部およびキャップ部に破断分割する工程(b)と、
    を包含するコンロッドの製造方法であって、
    前記工程(b)は、前記ロッド部および/または前記キャップ部が、破断面の縁から突出する少なくとも1つの立ち面部を有するように実行されるコンロッドの製造方法。
  14. 前記工程(b)の後、前記コンロッドの表面の少なくとも一部に窒化クロム層を形成する工程(c)をさらに包含する請求項13に記載のコンロッドの製造方法。
  15. 前記工程(a)は、チタン合金を鍛造により成形する工程(d)を含み、
    前記工程(c)は、前記コンロッドの表面の一部が鍛造肌のままの状態で実行される請求項14に記載のコンロッドの製造方法。
  16. 前記工程(c)は、前記キャップ部がボルトによって前記ロッド部に結合された状態で実行される請求項14または15に記載のコンロッドの製造方法。
  17. 前記工程(a)は、チタン合金を鍛造により成形する工程(d)と、前記工程(d)後に、チタン合金の表面に生成したαケースをショットピーニングにより除去する工程(e)と、を含む請求項13から16のいずれかに記載のコンロッドの製造方法。
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