JP2016084597A - 自動車用のドアハンドルの製造方法およびドアハンドル - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストが小さく、耐久性と美観に優れ、美観が長期間維持され、そして使用者の安全も確保されている自動車のドアハンドルを製造する製造方法を提供する。【解決手段】自動車のドアに設けられている、インナードアハンドル、アウタードアハンドル等のドアハンドル(1)を次のように製造する。射出成形工程(6)によってポリカーボネートまたはABS樹脂から樹脂成形品を成形する。スパッタリング工程(7)を実施して、樹脂成形品のハンドル部(2)に金属膜を形成する。最後に、コーティング層形成工程(8)により金属膜の上にコーティング層を形成し、ドアハンドル(1)を得る。このコーティング層形成工程(8)においては、トルエンを溶剤としアクリル樹脂を含む溶剤系UV塗料を使用し、この塗料を塗布後、紫外線を照射してアクリル樹脂からなるコーティング層を得る。【選択図】図2
Description
本発明は、自動車のドアの内外に設けられているインナードアハンドル、アウタードアハンドル等のドアハンドルの製造方法およびドアハンドルに関するものである。
自動車のドアには、車内側にインナードアハンドルが、そして車外側にアウタードアハンドルが設けられ、これらのドアハンドルを操作するとドアが開閉するようになっている。ドアハンドルは金属のみから形成される場合もあるが、一般的には樹脂材料から樹脂成形品つまり基材が成形され、この樹脂成形品の表面に金属メッキが施されている。樹脂成形品は射出成形により得られ、金属メッキはクロム処理を含む複数の工程からなるいわゆる湿式メッキ法によって形成される。このような湿式メッキ法によって形成されるクロム層つまり金属層の厚さは数十ミクロンになる。つまり金属層は十分に厚いので比較的耐久性を備えていると言える。つまり比較的長期間、美観を維持することができる。
特許文献1には、蒸着法によって樹脂成形品の表面に金属膜を形成した自動車用のドアハンドルが提案されている。蒸着法は色々な方法が採用できる旨説明されているが、例えばスパッタリングが提案されている。スパッタリングによって樹脂成形品の表面に金属膜を形成するようにするとクロム処理でメッキされた金属層と同等の美観を備えるし、クロム処理において必須となる毒性の強い液体等を使用する必要が無いので、環境に負担を与えることなく製造することができる。なお特許文献1においては、蒸着によって形成された金属膜の上に透明なワニスを塗布することも好ましいとされ、このようにすると周囲環境に対する耐性を高める旨説明されている。
従来の、樹脂成形品に湿式メッキによる金属メッキを施して製造されるドアハンドルであっても美観と所定の耐久性を備えており優れてはいる。そして特許文献1に記載のようにスパッタリングによって樹脂成形品の表面に金属膜が形成されたドアハンドルであっても、美観を備えていて優れているといえる。しかしながらこれらのドアハンドルには解決すべき課題も見受けられる。まず従来のドアハンドルについては、金属層が剥がれたときが問題になる。クロム処理によって形成される金属層は厚いので比較的耐久性を備えていると言えるが、長期間の使用を経ると樹脂成形品から金属層の一部が剥がれることがある。このように剥がれた金属層の一部は、ささくれとなりドアハンドルの操作者の手を傷つけてしまう。金属層の厚さが比較的厚いのでささくれが所定の強度を有するからである。つまり従来のドアハンドルについては金属層が剥がれたときに使用者の安全を確保できないという問題がある。また従来のドアハンドルについては湿式メッキの工程において有害物質を使用する点についても問題がある。廃液処理等のコストが嵩むからであり、製造コストが大きい。
特許文献1に記載のドアハンドルについては、製造コストは小さいが、やはり問題が見受けられる。まずワニスを塗布しない場合には、耐久性の問題がある。スパッタリング等の方法によって樹脂成形品の表面に蒸着される金属膜の厚さは、数ナノメートル〜数ミクロンであり薄い。このような薄い金属膜はドアハンドルの繰り返しの使用によって摩耗してしまい、比較的早期に樹脂成形品が露出して美観を損ねてしまう。ワニスを塗布する場合には金属膜の上にコーティング層が形成されるので、耐久性はある程度高くなる。しかしながらワニスによって形成されるコーティング層にも問題が見受けられる。ところで特許文献1においてワニスが推奨されている理由について推測すると、ワニスは使用されている溶剤がテレピン油、ホワイトスピリット、ストッダード溶剤等からなり、溶剤によって樹脂成形品に悪影響を与えないからであると推測される。このようにワニスは樹脂成形品に影響を与えないが、ワニスに含まれている樹脂はアルキド樹脂、ポリウレタン等からなる。そうすると金属膜の上に形成されるコーティング層はアルキド樹脂、あるいはポリウレタンからなる。アルキド樹脂は比較的硬度が高くある程度耐候性も備えてはいるが紫外線を含む太陽光に長期間晒されると黄変してしまう。つまり変色して美観を損ねてしまう。またアルキド樹脂の耐久性は、長期間使用されるドアハンドルを対象として考えると必ずしも十分ではない。一方ポリウレタンは、硬度に問題があるし時間経過と共に分解されてしまい変質してしまうという問題がある。以上により、ワニスによってコーティング層を形成して金属膜を保護するようにしても、保護は十分でなく変色、変質等の問題があり、ドアハンドルとして採用できない。
変色や変質の虞がなく硬度および耐久性に優れた他の樹脂材料を含んだ塗料を塗布してコーティング層を形成することも考えられる。ところで塗料は一般的にトルエンを主成分とするいわゆるシンナーを溶剤として含んでいる。塗料に含まれる樹脂として硬度と耐候性、耐久性に優れた樹脂を採用すると、これを熔解する溶剤としてシンナーが適切であるからである。一方、ドアハンドルの樹脂成形品として使用される樹脂はポリカーボネート、ABS樹脂等が最適な材料であると言える。しかしながら、これらの樹脂はトルエンによって腐食されてしまうという問題がある。つまり、ドアハンドルの樹脂成形品として最適な上記の樹脂材料に対してトルエンを溶剤とする塗料を使用することは技術常識に反すると言える。
溶剤を使用しない塗料を使用してコーティング層を形成したり、いわゆるプラズマ重合により保護膜を形成することも考えられる。前者の塗料として紫外線で硬化するUV塗料が考えられる。しかしながら溶剤を含まない無溶剤系UV塗料は粘性が高く均一な塗布が困難であるし、この塗料に含まれる樹脂は耐久性に優れた種類の樹脂を採用できない。つまりドアハンドルのコーティング層を形成する塗料としては採用できない。後者のプラズマ重合により保護膜を形成する場合については、形成される保護膜の強度と耐久性は十分でない。つまりプラズマ重合による保護膜も採用できない。
本発明は、上記のような問題を解決した自動車のドアハンドルの製造方法およびドアハンドルを提供することを目的としており、具体的には、製造コストが小さく、耐久性と美観に優れ、長期間に渡って美観を維持でき、使用者の安全も確保されている自動車のドアハンドルを製造する製造方法およびドアハンドルを提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、自動車のドアに設けられている、インナードアハンドル、アウタードアハンドル等のドアハンドルを次の工程によって製造する。まず、ポリカーボネートから、またはABS樹脂から、あるいはこれら一方または両方を含む樹脂材料から射出成形により樹脂成形品を成形する。次に成形された樹脂成形品に対し、スパッタリングを施して金属膜を形成する。そして金属膜の上に溶剤系UV塗料を塗布し、その後紫外線を照射してこれを硬化させ、コーティング層を形成する。溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含む塗料とし、アクリル樹脂からなるコーティング層を形成するように構成する。
すなわち請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、自動車のドアに設けられ、操作すると該ドアを開閉できるようになっているドアハンドルの製造方法であって、ポリカーボネートとABS樹脂のいずれかまたは両方を含む樹脂材料から射出成形により樹脂成形品を成形する射出成形工程と、前記樹脂成形品にスパッタリングを施して表面に金属膜を形成するスパッタリング工程と、前記金属膜の上に溶剤系UV塗料を塗布しその後紫外線を照射してコーティング層を形成するコーティング層形成工程と、から製造することを特徴とする自動車用のドアハンドルの製造方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の製造方法において、前記溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含んでいることを特徴とする自動車用のドアハンドルの製造方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、自動車のドアに設けられ、操作すると該ドアを開閉できるようになっているドアハンドルであって、該ドアハンドルは、ポリカーボネートとABS樹脂のいずれかまたは両方を含む樹脂材料から射出成形により成形された樹脂成形品からなり、該樹脂成形品に対してスパッタリングにより金属膜が形成され、該金属膜の上に溶剤系UV塗料が塗布されてその後紫外線が照射されることによってコーティング層が形成されていることを特徴とする自動車用のドアハンドルとして構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のドアハンドルにおいて、溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含むことを特徴とする自動車用のドアハンドルとして構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の製造方法において、前記溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含んでいることを特徴とする自動車用のドアハンドルの製造方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、自動車のドアに設けられ、操作すると該ドアを開閉できるようになっているドアハンドルであって、該ドアハンドルは、ポリカーボネートとABS樹脂のいずれかまたは両方を含む樹脂材料から射出成形により成形された樹脂成形品からなり、該樹脂成形品に対してスパッタリングにより金属膜が形成され、該金属膜の上に溶剤系UV塗料が塗布されてその後紫外線が照射されることによってコーティング層が形成されていることを特徴とする自動車用のドアハンドルとして構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のドアハンドルにおいて、溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含むことを特徴とする自動車用のドアハンドルとして構成される。
以上のように本発明は、自動車のドアに設けられ、操作すると該ドアを開閉できるようになっているドアハンドルの製造方法であって、ポリカーボネートとABS樹脂のいずれかまたは両方を含む樹脂材料から射出成形により樹脂成形品を成形する射出成形工程と、樹脂成形品にスパッタリングを施して表面に金属膜を形成するスパッタリング工程と、金属膜の上に溶剤系UV塗料を塗布しその後紫外線を照射してコーティング層を形成するコーティング層形成工程と、から製造するように構成されている。このように構成されているので、湿式メッキ法を実施する場合に比して製造が容易であり、製造コストが小さくなる。そしてスパッタリングによって形成される金属膜は薄いので、万一劣化によって金属膜が剥がれても、金属膜によって使用者の手を傷つけることもない。このような薄い金属膜は耐久性に問題があるが、コーティング層によって保護されているので耐久性についての問題も解決している。ところでコーティング層は溶剤系UV塗料によって形成されているが、溶剤系の塗料であるので粘性が低く均一に塗布できる。これによって美観に優れたコーティング層が形成できる。そして溶剤系の塗料であるので硬度が高く耐久性に優れた樹脂を含む塗料を使用することができる。これによって硬度が高く耐久性の高いコーティング層が得られるので、長期間に渡って金属膜を保護することができ、ドアハンドルの美観を長期間維持できる。なお溶剤系の塗料の使用は樹脂成形品に影響を与える虞があるが、以下で説明するように金属膜を形成した樹脂成形品に使用する場合には問題がないことが確認されている。他の発明によると、溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含んでいる。そうするとコーティング層は強度と耐久性に優れたアクリル樹脂から形成されることになる。これによってドアハンドルは長期間の美観の維持が保証される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の実施の形態に係るドアハンドル1は、図1に示されているような、自動車のドアの内側に取付けられているインナードアハンドルであり、これを操作するとドアのロック機構が解除されてドアを開閉できるようになっている。ドアの外側に取付けられているアウタードアハンドルについても、形状はインナードアハンドルと相違しているが、製造方法および形成される金属膜、コーティング層については同じであるので、以下インナードアハンドルである本実施の形態に係るドアハンドル1について説明する。本実施の形態に係るドアハンドル1は、ポリカーボネートまたはABS樹脂から、あるいはこれらの一方または両方を含む樹脂を材料として成形された樹脂成形品として構成されている。ドアハンドル1は、操作者が操作するハンドル部2と、自動車のドアのロック機構を操作する操作部3とから構成されている。図1において操作部3は点線によって示されている。ドアハンドル1は、自動車のドアに取付けられた状態においてハンドル部2は露出して視認されるのに対し、操作部3はドア側の所定の部材に組み込まれて視認されない状態になる。このように露出するハンドル部2は、つまり図1において実線で示されている部分は、表面に金属膜が成膜されており、その上にハードコート層が形成されている。
このようなドアハンドル1を製造する本実施の形態に係るドアハンドルの製造装置5は、図2に示されているように、金型によって樹脂成形品を成形する射出成形機6と、樹脂成形品にスパッタリングにより金属膜を形成する成膜装置7と、溶剤系UV塗料を塗布して金属膜にコーティング層を形成する塗装装置8とから構成されている。射出成形機6は、図2には模式的に示されているだけであるが、金型を型締めする型締装置と溶融樹脂を射出する射出装置とから概略構成されている。成膜装置7も従来周知であり、開閉扉14を備えた真空室10と、樹脂成形品を載置するテーブル11と、ターゲット12等のスパッタリングを実施するためのスパッタリング手段とから構成されている。塗装装置8は、樹脂成形品が搬入される搬入扉16と樹脂成形品を搬出する搬出扉17とを備えた筐体内に、3部屋が設けられている。すなわち、樹脂成形品に溶剤系UV塗料を塗布する塗布室19と、塗布された溶剤系UV塗料を乾燥させる乾燥室20と、紫外線を照射して溶剤系UV塗料を硬化させる紫外線照射室21とが設けられている。従って、塗布室19にはスプレーからなる塗布手段23が、乾燥室20にはドライヤーと換気装置とからなる乾燥手段24が、そして紫外線照射室21には紫外線ランプからなる紫外線照射手段25が、それぞれ設けられている。これらの3室は互いに開閉可能な仕切りによって仕切られて、樹脂成形品が各部屋間で移動できるようになっている。また塗装装置8には、図に示されていないが搬送手段が設けられ、該搬送手段によって樹脂成形品が各部屋間を搬送されるようになっている。
このような製造装置5によって、本実施の形態に係るドアハンドル1を製造するには次のようにする。最初に射出成形機6において射出成形工程を実施する。すなわち型締装置を駆動して金型を型締めし、射出装置において樹脂材料を溶融し、溶融樹脂を金型に射出する。樹脂の固化を待って型締装置を駆動して金型を開くとドアハンドル1の基材である樹脂成形品が得られる。射出成形工程において、樹脂材料はポリカーボネートまたはABS樹脂を使用する。あるいはこれらの一方を含む樹脂材料、もしくはこれら両方を含む樹脂材料を使用する。射出成形工程により成形された樹脂成形品は、成膜装置7に搬送されてスパッタリング工程が実施される。つまり、樹脂成形品は開閉扉14を介して真空室10内に入れられ、テーブル11に載置される。真空室10においてスパッタリング手段により金属膜が成膜される。具体的には、図示されない真空装置によって所定の真空度に吸引され、同様に図示されないアルゴンガス供給装置によってアルゴンガスが所定量供給され、所定の電極によりターゲット12とテーブル11間に電圧が印加され、グロー放電を発生させる。そうするとイオン化したアルゴンガスがターゲット12をスパッタリングしてターゲット12から金属原子が放出され、これが樹脂成形品の表面に蒸着する。つまり金属膜が形成される。前記したように金属膜を形成するのはドアハンドル1のハンドル部2だけでよく、必要に応じて所定のマスキング部材を用意し、ドアハンドル1の操作部3をマスキングして成膜装置7においてスパッタリングを実施してもよい。しかしながら操作部3についてマスキングは必須では無く、金属膜が形成されても差し支えない。スパッタリング工程が完了したら、金属膜が形成された樹脂成形品を塗装装置8に搬送してコーティング層形成工程を実施する。具体的には次のようにする。搬入扉16を開いて樹脂成形品を塗布室19に入れる。塗布室19において溶剤系UV塗料を樹脂成形品に塗布する。本実施の形態において使用する溶剤系UV塗料は、トルエンを主成分とする溶剤を使用しており、アクリル樹脂を含んでいる。トルエンはポリカーボネートやABS樹脂を腐食するが、樹脂成形品には金属膜が形成されているので溶剤系UV塗料は直接樹脂成形品に付着しない。従って樹脂成形品には影響がない。なお、金属膜が形成されていない部分に溶剤系UV塗料が付着すると、樹脂成形品の表面は腐食により光沢を失ってしまうが、格別に問題はない。ハンドル部2以外の箇所に付着する溶剤系UV塗料はわずかであるので腐食は表面の光沢を失わせる程度で樹脂成形品の強度に影響を与えないからである。また金属膜が形成されていない部分は外部から視認されないので美観上の問題も生じないからである。溶剤系UV塗料が塗布された樹脂成形品は乾燥室20に搬送されて乾燥され、紫外線照射室21において紫外線が照射され、溶剤系UV塗料は硬化する。これによって金属膜がアクリル樹脂からなるコーティング層でコーティングされる。搬出扉17から、表面に金属膜とコーティング層とが形成されたドアハンドル1が得られる。
トルエンを溶剤として使用している溶剤系UV塗料は、本来であればポリカーボネートやABS樹脂からなる樹脂成形品に使用すると腐食が発生して問題があるが、金属膜の上から塗布する場合には腐食の問題が生じない。このことを確認するために、ドアハンドル1を試作した。試作は本実施の形態に係る製造装置5によって製造した。
・使用材料について
樹脂材料:ポリカーボネート50%とABS樹脂50%とからなる樹脂材料。
溶剤系UV塗料:トルエンを主成分としメチルイソブチルケトンを含む溶剤、酢酸ブチル、アクリル樹脂、添加剤、開始材からなる。
・試作品の評価
試作したドアハンドル1、つまりインナードアハンドルの写真を図3に示す。写真に示されているように、ドアハンドル1のハンドル部2には美麗な金属膜が形成され、その上にアクリル樹脂からなるコーティング層が均一に形成されていることが確認できた。金属膜が形成されている部分において、つまり視認されるハンドル部2において、トルエンによる樹脂成形品への影響は見られなかった。つまり、スパッタリング工程によって形成された薄い金属膜によって十分に樹脂成形品が保護され、トルエンによる腐食が防止されることが確認できた。なお、アウタードアハンドルについても試作し、アウターハンドルについても樹脂成形品の表面に美麗な金属膜が形成され、その上にコーティング層が形成されることが確認できた。試作したアウタードアハンドルの写真を図4に示す。
・使用材料について
樹脂材料:ポリカーボネート50%とABS樹脂50%とからなる樹脂材料。
溶剤系UV塗料:トルエンを主成分としメチルイソブチルケトンを含む溶剤、酢酸ブチル、アクリル樹脂、添加剤、開始材からなる。
・試作品の評価
試作したドアハンドル1、つまりインナードアハンドルの写真を図3に示す。写真に示されているように、ドアハンドル1のハンドル部2には美麗な金属膜が形成され、その上にアクリル樹脂からなるコーティング層が均一に形成されていることが確認できた。金属膜が形成されている部分において、つまり視認されるハンドル部2において、トルエンによる樹脂成形品への影響は見られなかった。つまり、スパッタリング工程によって形成された薄い金属膜によって十分に樹脂成形品が保護され、トルエンによる腐食が防止されることが確認できた。なお、アウタードアハンドルについても試作し、アウターハンドルについても樹脂成形品の表面に美麗な金属膜が形成され、その上にコーティング層が形成されることが確認できた。試作したアウタードアハンドルの写真を図4に示す。
1 ドアハンドル 2 ハンドル部
3 操作部 5 製造装置
6 射出成形機 7 成膜装置
8 塗装装置 10 真空室
11 テーブル 12 ターゲット
19 塗布室 20 乾燥室
21 紫外線照射室
3 操作部 5 製造装置
6 射出成形機 7 成膜装置
8 塗装装置 10 真空室
11 テーブル 12 ターゲット
19 塗布室 20 乾燥室
21 紫外線照射室
Claims (4)
- 自動車のドアに設けられ、操作すると該ドアを開閉できるようになっているドアハンドルの製造方法であって、
ポリカーボネートとABS樹脂のいずれかまたは両方を含む樹脂材料から射出成形により樹脂成形品を成形する射出成形工程と、
前記樹脂成形品にスパッタリングを施して表面に金属膜を形成するスパッタリング工程と、
前記金属膜の上に溶剤系UV塗料を塗布しその後紫外線を照射してコーティング層を形成するコーティング層形成工程と、から製造することを特徴とする自動車用のドアハンドルの製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法において、前記溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含んでいることを特徴とする自動車用のドアハンドルの製造方法。
- 自動車のドアに設けられ、操作すると該ドアを開閉できるようになっているドアハンドルであって、
該ドアハンドルは、ポリカーボネートとABS樹脂のいずれかまたは両方を含む樹脂材料から射出成形により成形された樹脂成形品からなり、
該樹脂成形品に対してスパッタリングにより金属膜が形成され、該金属膜の上に溶剤系UV塗料が塗布されてその後紫外線が照射されることによってコーティング層が形成されていることを特徴とする自動車用のドアハンドル。 - 請求項3に記載のドアハンドルにおいて、溶剤系UV塗料はアクリル樹脂を含むことを特徴とする自動車用のドアハンドル。
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JP2014216894A JP2016084597A (ja) | 2014-10-24 | 2014-10-24 | 自動車用のドアハンドルの製造方法およびドアハンドル |
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2014
- 2014-10-24 JP JP2014216894A patent/JP2016084597A/ja active Pending
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