JP2016084385A - 樹脂組成物、樹脂成形体、及び前記樹脂成形体を有する表面実装型発光装置。 - Google Patents
樹脂組成物、樹脂成形体、及び前記樹脂成形体を有する表面実装型発光装置。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】反射率、耐熱変色性、耐境界剥離、シリコーン樹脂系封止剤の密着性に優れた樹脂成形体を製造できる樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有するポリシロキサン、(C)式[1]で示されるイソシアヌル酸誘導体、を含有する樹脂組成物。〔R1はエポキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基;R2及びR3は各々独立にアルケニル基を有する有機基等〕【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物に関する。
電子部品の一つであるLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)は、発光素子(光半導体素子)を有する光半導体装置であって、省電力で寿命が長い発光装置として注目されている。そのため、LEDの用途は、一般照明のみならず、液晶ディスプレイ・テレビのバックライト、車載用ヘッドランプ、ブレーキランプ等の多岐にわたる。
LEDは、一般的には、前記発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを一体成形してなる第1の樹脂成形体と、発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する。前記第1の樹脂成形体は、発光素子を取り囲むように備えられており、発光素子が発する光を反射させて上方(前方)に向かわせる(誘導する)、いわゆるリフレクターとしての役割を果たすものである。前記第1の樹脂成形体には十分な光の反射性が求められており、前記第2の樹脂成形体は高透明性、高温安定性等が求められている。なお、前記第2の樹脂成形体に関して、上述の効果を満たす(封止剤の)樹脂成分として主にシリコーン樹脂が使用される。
特許文献1には、発光素子、前記第1の樹脂成形体、及び前記第2の樹脂成形体、を有する表面実装型発光装置が記載されている。特許文献1では、前記第1の樹脂成形体を構成する樹脂成分としてエポキシ樹脂を使用し、前記第2の樹脂成形体を構成する樹脂成分としてシリコーン樹脂を使用している。前記エポキシ樹脂は、光の反射率に優れているため、第1の樹脂成形体(リフレクター)として好ましい樹脂成分であることが知られている。
しかしながら、本発明者らの検討により、樹脂成分がエポキシ樹脂である前記第1の樹脂成形体は、優れた耐熱変色性、耐境界剥離性(前記樹脂成形体とリードフレームとの境界面での耐剥離性)、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性が奏されず、前記各効果において改善の余地があることを突き止めた。
従って、本発明は、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性にも優れた樹脂成形体、前記樹脂成形体を製造するための樹脂組成物、並びに前記樹脂成形体を有する表面実装型発光装置の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の樹脂成分、及び特定の樹脂以外の成分を含有する樹脂組成物によれば、前記課題が解決出来ることを見出し、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の樹脂組成物、樹脂成形体、表面実装型発光装置用ケース及び前記樹脂成形体を有する表面実装型発光装置に関する。
1. 表面実装型発光装置用樹脂成形体を形成するための樹脂組成物であって、
以下の(A)〜(E):
(A)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)イソシアヌル酸誘導体であって、下記式[1]:
1. 表面実装型発光装置用樹脂成形体を形成するための樹脂組成物であって、
以下の(A)〜(E):
(A)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)イソシアヌル酸誘導体であって、下記式[1]:
〔式中、R1は、エポキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ、
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
で示される基、
である。〕
で示される、イソシアヌル酸誘導体、
(D)反応触媒、
(E)酸化亜鉛、
を含有する樹脂組成物であり、
前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が、前記(A)成分及び前記(B)成分である、
ことを特徴とする、樹脂組成物。
2. さらに、(F)無機充填剤を含有する、上記項1に記載の樹脂組成物。
3. さらに、(G)シランカップリング剤を含有する、上記項1又は2に記載の樹脂組成物。
4. 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部である、
上記項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5. 上記項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる、表面実装型発光装置用樹脂成形体であって、
前記樹脂成形体を構成する樹脂成分が、少なくとも前記(A)成分と前記(B)成分が反応することにより得られる樹脂である、樹脂成形体。
6. 上記項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームとを有する、表面実装型発光装置用ケース。
7. 上記項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームと、発光素子とを有する、表面実装型発光装置。
8. 前記発光素子が、第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体によって封止されている、上記項7に記載の表面実装型発光装置。
9. 前記第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体が、以下の(A’)〜(C’):
(A’)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B’)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(C’)反応触媒、
を含有する樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる樹脂成形体である、
上記項8に記載の表面実装型発光装置。
である。〕
で示される、イソシアヌル酸誘導体、
(D)反応触媒、
(E)酸化亜鉛、
を含有する樹脂組成物であり、
前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が、前記(A)成分及び前記(B)成分である、
ことを特徴とする、樹脂組成物。
2. さらに、(F)無機充填剤を含有する、上記項1に記載の樹脂組成物。
3. さらに、(G)シランカップリング剤を含有する、上記項1又は2に記載の樹脂組成物。
4. 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部である、
上記項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5. 上記項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる、表面実装型発光装置用樹脂成形体であって、
前記樹脂成形体を構成する樹脂成分が、少なくとも前記(A)成分と前記(B)成分が反応することにより得られる樹脂である、樹脂成形体。
6. 上記項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームとを有する、表面実装型発光装置用ケース。
7. 上記項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームと、発光素子とを有する、表面実装型発光装置。
8. 前記発光素子が、第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体によって封止されている、上記項7に記載の表面実装型発光装置。
9. 前記第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体が、以下の(A’)〜(C’):
(A’)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B’)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(C’)反応触媒、
を含有する樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる樹脂成形体である、
上記項8に記載の表面実装型発光装置。
≪1.樹脂組成物≫
本発明の樹脂組成物は、表面実装型発光装置用樹脂成形体を形成するための樹脂組成物であって、
以下の(A)〜(E):
(A)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)イソシアヌル酸誘導体であって、下記式[1]:
本発明の樹脂組成物は、表面実装型発光装置用樹脂成形体を形成するための樹脂組成物であって、
以下の(A)〜(E):
(A)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)イソシアヌル酸誘導体であって、下記式[1]:
〔式中、R1は、エポキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ、
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
で示される基、
である。〕
で示される、イソシアヌル酸誘導体、
(D)反応触媒、
(E)酸化亜鉛、
を含有する樹脂組成物であり、
前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が、前記(A)成分及び前記(B)成分である、
ことを特徴とする。当該樹脂組成物は、前記(A)〜(E)成分を組み合わせて使用し、且つ、前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が前記(A)及び(B)成分であるため、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性(前記樹脂成形体とリードフレームとの境界面での耐剥離性)、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性(より正確に言えば、前記シリコーン樹脂系封止剤により得られる樹脂成形体に対する密着性であって、例えば後述する第2の樹脂成形体に対する密着性)に優れる第1の樹脂成形体を製造することができる。
である。〕
で示される、イソシアヌル酸誘導体、
(D)反応触媒、
(E)酸化亜鉛、
を含有する樹脂組成物であり、
前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が、前記(A)成分及び前記(B)成分である、
ことを特徴とする。当該樹脂組成物は、前記(A)〜(E)成分を組み合わせて使用し、且つ、前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が前記(A)及び(B)成分であるため、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性(前記樹脂成形体とリードフレームとの境界面での耐剥離性)、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性(より正確に言えば、前記シリコーン樹脂系封止剤により得られる樹脂成形体に対する密着性であって、例えば後述する第2の樹脂成形体に対する密着性)に優れる第1の樹脂成形体を製造することができる。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分を含有する。上記(A)〜(E)成分及
びその他の成分の各成分については、以下に詳細に説明する。
びその他の成分の各成分については、以下に詳細に説明する。
(A) オルガノポリシロキサン
本発明の樹脂組成物は、(A)成分として、オルガノポリシロキサンを含有する。当該オルガノポリシロキサンは、1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサンである。本明細書において、(A)オルガノポリシロキサンを、単に、オルガノポリシロキサン又は(A)成分ともいう。
本発明の樹脂組成物は、(A)成分として、オルガノポリシロキサンを含有する。当該オルガノポリシロキサンは、1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサンである。本明細書において、(A)オルガノポリシロキサンを、単に、オルガノポリシロキサン又は(A)成分ともいう。
(A)成分は、本発明の樹脂組成物の主剤(ベースポリマー)であって、液状又は固体状のオルガノポリシロキサン樹脂(レジン)である。(A)成分の分子構造は、直鎖状、分岐状又は三次元網状構造のいずれであってもよい。なお、(A)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分中のアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。具体的なアルケニル基としては、ビニル基、アリル基(2−プロペニル基)、イソプロペニル基、1−プロペニル基、ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、ペテニル基、へキセニル基、オクテニル基、シクロへキセニル基等が挙げられる。中でも、アルケニル基は、ビニル基であることが好ましい。
(A)成分中の前記アルケニル基以外のケイ素原子結合有機基としては、(1)置換されているか若しくは非置換である一価炭化水素基、(2)アルコキシ基、(3)ヒドロキシル基(水酸基)などが挙げられる。
(1)の非置換の一価炭化水素基としては、通常、炭素数1〜12、好ましくは1〜8程度のものが挙げられる。具体的には、
・メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;
・フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;
・ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基;
などが挙げられる。
・メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;
・フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;
・ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基;
などが挙げられる。
(1)の置換されている一価炭化水素基としては、上述の非置換の一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した一価炭化水素基が挙げられる。例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基;シアノエチル基等のシアノ置換アルキル基;などが挙げられる。
(2)アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4程度)のアルコキシ基が挙げられる。
基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4程度)のアルコキシ基が挙げられる。
(A)成分中のアルケニル基の含有量は、ケイ素原子と結合した全有機基中、0.002〜1.0モル%が好ましい。なお、前述及び後述の「ケイ素原子と結合した全有機基」は、前記アルケニル基を包含する。
(A)成分中には、高屈折率を得るために、ケイ素原子結合有機基としてフェニル基を含むことが好ましい。(A)成分中にケイ素原子結合有機基としてフェニル基を含む場合、ケイ素原子と結合した全有機基中、20〜80モル%のフェニル基を有することが好ましい。
(A)オルガノポリシロキサンにおけるシロキサン単位の具体的な種類としては、モノビニルシロキサン、モノメチルシロキサン、モノエチルシロキサン、モノフェニルシロキサン、ジビニルシロキサン、フェニルビニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン、トリビニルシロキサン、ジビニルメチルシロキサン、ジビニルフェニルシロキサン、ビニルジメチルシロキサン、ビニルフェニルメチルシロキサン、トリメチルシロキサン、ジメチルフェニルシロキサン、メチルジフェニルシロキサン、トリフェニルシロキサンなど、及びこれらのシロキサンの有機基の水素原子がハロゲン等で置換されたシロキサンなどが例示される。
(A)オルガノポリシロキサンとしては、液状又は固体状であるものをベースポリマーとして使用する。当該(A)成分の粘度は、23℃で0.01Pa・s以上が好ましく、0.03〜10000Pa・sがより好ましく、0.05〜1000Pa・sが更に好ましい。
(B) オルガノハイドロジェンポリシロキサン
本発明の樹脂組成物は、(B)成分として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有する。当該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。本明細書において、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンを、単に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、又は(B)成分ともいう。本発明の樹脂組成物を構成する樹脂成分は、前記(A)成分と当該(B)成分である。なお、(B)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、(B)成分として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有する。当該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。本明細書において、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンを、単に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、又は(B)成分ともいう。本発明の樹脂組成物を構成する樹脂成分は、前記(A)成分と当該(B)成分である。なお、(B)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の樹脂組成物を成形及び加熱する際、(B)成分は、(A)成分と付加反応(ヒドロシリル化反応)する。具体的には、当該(B)成分のSi-H基(結合)と、(A)成分のアルケニル基が反応し、シロキサン鎖を架橋させる。これにより、本発明の樹脂組成物は硬化する。即ち、本発明の樹脂組成物において、当該(B)成分は、架橋剤として作用する成分である。
(B)成分中の上記水素原子以外のケイ素原子結合有機基としては、置換されているか若しくは非置換である一価炭化水素基が挙げられる。当該置換されているか若しくは非置換である一価炭化水素基としては、上記(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子結合有機基の説明で例示された一価炭化水素基と同様のものを挙げることができる。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、フェニルメチルハイドロジェンポリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。好ましくはフェニルメチルハイドロジェンポリシロキサンである。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は3〜1000が好ましく、特に3〜300程度のものがより好ましい。
(B)成分の粘度は、23℃で10Pa・s以下が好ましく、0.0001〜5.0Pa・sがより好ましい。
(A)成分がフェニル基を有する場合、(B)成分もフェニル基を有することが、透明性の確保、保存中の分離防止等の観点から好ましい。(B)成分中にケイ素原子結合有機基としてフェニル基を含む場合、ケイ素原子と結合した全有機基中、20〜80モル%のフェニル基を有することが好ましい。
(B)成分の含有量(配合量)は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して0.5〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。
(C) 式[1]で示されるイソシアヌル酸誘導体
本発明の樹脂組成物は、(C)成分として、下記式[1]:
本発明の樹脂組成物は、(C)成分として、下記式[1]:
〔式中、R1は、エポキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ、
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
で示される基、
である。〕
で示される、イソシアヌル酸誘導体を含有する。本明細書において、当該イソシアヌル酸誘導体を、単に、イソシアヌル酸誘導体、又は(C)成分ともいう。本発明の樹脂組成物中に上記(C)成分が含まれているため、上記樹脂組成物で得られた第1の樹脂成形体は、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性に優れる。特に、上記(C)成分がシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性に寄与する理由は解明にまで至っていないが、(C)成分中のイソシアヌル環及びエポキシ基が当該密着性に影響するものと考えられている(仮に上記理由が異なっていたとしても、上記(A)〜(E)成分を含有し、且つ、樹脂組成物を構成する樹脂成分が(A)及び(B)成分である樹脂組成物は、本発明に包含される)。なお、(C)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
である。〕
で示される、イソシアヌル酸誘導体を含有する。本明細書において、当該イソシアヌル酸誘導体を、単に、イソシアヌル酸誘導体、又は(C)成分ともいう。本発明の樹脂組成物中に上記(C)成分が含まれているため、上記樹脂組成物で得られた第1の樹脂成形体は、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性に優れる。特に、上記(C)成分がシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性に寄与する理由は解明にまで至っていないが、(C)成分中のイソシアヌル環及びエポキシ基が当該密着性に影響するものと考えられている(仮に上記理由が異なっていたとしても、上記(A)〜(E)成分を含有し、且つ、樹脂組成物を構成する樹脂成分が(A)及び(B)成分である樹脂組成物は、本発明に包含される)。なお、(C)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
式中、R1はエポキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基である。当該R1の具体例としては、
等が挙げられる。
式中のR2及びR3は、それぞれ同一又は異なって、前記(i)〜(iv)で示される基である。
前記(i)アルケニル基を有する有機基とは、二重結合を有する脂肪族炭化水素から水素1原子が失われて生ずる1価の基を分子構造中に含む有機基である。具体的なアルケニル基を有する有機基としては、(I)アルケニル基、(II)アラルキル基中の芳香族炭化水素の環に結合する水素原子の1つをアルケニル基で置換した有機基、(III)エステル結合(-COO-)にアルケニル基が結合した有機基、などが挙げられる。なお、上記アラルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アルケニル基を有する有機基中のアルケニル基および上記(I)におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。具体的なアルケニル基としては、上述の(A)成分中のアルケニル基で例示されたアルケニル基と同様のものが挙げられる。
上記(II)アラルキル基中の芳香族炭化水素の環に結合する水素原子の1つをアルケニル基で置換した有機基としては、例えば、以下の有機基(a)〜(f):
等が挙げられる。
(III)エステル結合(-COO-)にアルケニル基が結合した有機基としては、以下の有機基(g)〜(l):
等が挙げられる。前記(i)アルケニル基を有する有機基の中でも、脂肪族炭素−炭素二重結合が末端にあるアルケニル基を有する有機基が好ましく、より好ましくは、
である。
前記(ii)の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
前記(iii)のヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基とは、炭素数1〜4のアルキル基の水素原子の一部又は全部をヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換して得られる基をいう。当該炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、上記(ii)で例示されたアルキル基と同様である。
(iii)のヒドロキシル基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基としては、−CH2−OH、−CH2−CH2−OH等が挙げられる。
(iii)のカルボキシル基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基としては、−CH2−COOH、−CH2−CH2−COOH等が挙げられる。
(iii)のエポキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基としては、
等が挙げられる。
(iii)の前記アシルオキシ基(RCOO−)としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。中でも、アセトキシ基(CH3COO-)又はプロピオニルオキシ基(C2H5COO-)が好ましい。
(iii)の前記アシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基の中でも、
で示される基が好ましい。
(C)成分の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であることにより、本発明の樹脂組成物から得られた樹脂成形体中に効率的に上記(C)成分が含有されるため、シリコーン樹脂系封止剤に対する密着性に特に優れる。
(D) 反応触媒
本発明の樹脂組成物は、(D)反応触媒を含有する。当該(D)反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のSi-H基とのヒドロシリル化反応を促進するための触媒(付加反応触媒)である。
本発明の樹脂組成物は、(D)反応触媒を含有する。当該(D)反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のSi-H基とのヒドロシリル化反応を促進するための触媒(付加反応触媒)である。
(D)反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒;ロジウム系触媒;などの白金族金属触媒が挙げられる。これらの中でも、工業的に入手が容易であり、少量の添加で目的を達することができる白金系触媒が好ましく、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が特に好ましい。なお、(D)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
反応触媒の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して白金族金属換算質量で0.1〜2000ppm(即ち、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して白金族金属換算質量で0.00001〜0.2質量部)となるように反応触媒を使用することが好ましく、上記合計質量に対して白金族金属換算質量で1〜1000ppm(即ち、上記合計100質量部に対して白金族金属換算質量で0.0001〜0.1質量部)となるように反応触媒を使用することがより好ましく、上記合計質量に対して白金族金属換算質量で2〜700ppm(即ち、上記合計100質量部に対して白金族金属換算質量で0.0002〜0.07質量部)となるように反応触媒を使用することがさらに好ましい。
(E) 酸化亜鉛
本発明の樹脂組成物は、(E)酸化亜鉛を含有する。当該(E)酸化亜鉛は、本発明の樹脂組成物により得られる樹脂成形体の耐熱変色性、耐境界剥離性、シリコーン樹脂系封止剤に対する密着性等に悪影響を及ぼさずに、反射率を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、(E)酸化亜鉛を含有する。当該(E)酸化亜鉛は、本発明の樹脂組成物により得られる樹脂成形体の耐熱変色性、耐境界剥離性、シリコーン樹脂系封止剤に対する密着性等に悪影響を及ぼさずに、反射率を向上させることができる。
酸化亜鉛の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して100〜400質量部が好ましい。
酸化亜鉛の平均粒径は、特に限定されないが、上記反射率を好適に向上させるという観点から、10〜50μmが好ましい。
酸化亜鉛は、市販品を使用することができる。
(F) 無機充填剤
本発明の樹脂組成物は、(F)無機充填剤を含有してもよい。当該(F)無機充填剤は、(1)本発明の樹脂組成物の粘度を上げる、(2)本発明の樹脂組成物を成形及び加熱して得られる樹脂成形体の硬度を高める、等の効果を有する。そのため、本発明の樹脂組成物に上記(F)無機充填剤を含有することは、好ましい態様である。
本発明の樹脂組成物は、(F)無機充填剤を含有してもよい。当該(F)無機充填剤は、(1)本発明の樹脂組成物の粘度を上げる、(2)本発明の樹脂組成物を成形及び加熱して得られる樹脂成形体の硬度を高める、等の効果を有する。そのため、本発明の樹脂組成物に上記(F)無機充填剤を含有することは、好ましい態様である。
無機充填剤としては、具体的には、上述の(E)酸化亜鉛以外の無機充填剤である。具体的な無機充填剤としては、アルミナ、シリカ、タルク、ホワイトカーボン、珪藻土、焼成珪藻土、石英珪石、クリストパライト、カオリナイト、カオリンクレー、焼成クレー、白雲母、綿雲母、ウォラストライト、蛇紋石、パイロフィライト、炭酸カルシウム、パライト(硫酸バリウム)、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、等が挙げられる。中でも、本発明の樹脂組成物の粘度を上げつつ得られる樹脂成形体の硬度を高め、さらに前記樹脂成形体の放熱性(熱伝導性)を向上させるという観点から、アルミナが好ましい。なお、(F)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
無機充填剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して300〜2000質量部が好ましい。なお、無機充填剤がアルミナである場合、そのアルミナの含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して500〜1500質量部が特に好ましい。
無機充填剤の平均粒径は、特に限定されないが、樹脂成形体の成形性、表面の凹凸性等の観点から、1〜100μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
無機充填剤は、市販品を使用することができる。
(G) シランカップリング剤
本発明の樹脂組成物は、(G)シランカップリング剤を含有してもよい。当該(G)シランカップリング剤は、前記(C)成分による効果を助長し、本発明の樹脂組成物により得られる樹脂成形体のシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性をさらに向上させる。そのため、本発明の樹脂組成物に上記(G)シランカップリング剤を含有することは、好ましい態様である。なお、(G)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、(G)シランカップリング剤を含有してもよい。当該(G)シランカップリング剤は、前記(C)成分による効果を助長し、本発明の樹脂組成物により得られる樹脂成形体のシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性をさらに向上させる。そのため、本発明の樹脂組成物に上記(G)シランカップリング剤を含有することは、好ましい態様である。なお、(G)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤としては、市販されている各種シランカップリング剤を使用することができる。具体的なシランカップリング剤としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメトキシジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシピロピルトリメトキシリシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミトプロピルトリエトキシシランN−フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル−N−プロピルアミン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、等が挙げられる。中でも、ビニル基を含有したシランカップリング剤が好ましく、ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメトキシジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン及びメタクリロキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、前記合計100質量部に対して0.1〜2質量部がより好ましい。
シランカップリング剤は、市販品を使用することができる。
(H) その他の成分
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(E)成分以外の成分を含有してもよい。上記(A)〜(E)成分以外の成分としては、例えば、付加反応制御剤、硬度(又は粘度)調節剤、接着付与剤、波長調整剤、染料、顔料、難燃剤、耐熱剤、耐酸化劣化剤、遅延剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(E)成分以外の成分を含有してもよい。上記(A)〜(E)成分以外の成分としては、例えば、付加反応制御剤、硬度(又は粘度)調節剤、接着付与剤、波長調整剤、染料、顔料、難燃剤、耐熱剤、耐酸化劣化剤、遅延剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の粘度を調整する粘度調整剤(又は、シリコーン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物(樹脂成形体)の硬度を調整する硬度調整剤)としては、1)分子鎖末端のケイ素原子、分子鎖途中のケイ素原子あるいは分子鎖末端及び分子鎖途中のケイ素原子に結合したアルケニル基(例えばビニル基)を含有し、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたフェニル基含有あるいは非含有の直鎖状のジオルガノポリシロキサン、2)直鎖状の非反応性オルガノポリシロキサン、ケイ素原子数が2〜10個程度の直鎖状又は環状の低分子オルガノポリシロキサン等が挙げられる。当該粘度調整剤を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
また、透明性に影響を与えない範囲で、必要に応じて波長調整剤、染料、顔料、難燃剤、耐熱剤、耐酸化劣化剤等を含有してもよい。
樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、例えば上述の各成分を均一に分散混合することにより得ることができる。上記各成分を均一に分散混合するための手段や条件等は特に限定されない。ここで、上記各成分を均一に分散混合して本発明の樹脂組成物を得る方法の一例を、以下に示す。所定の含有量の各成分を、攪拌機(例えばミキサー)を用いて均一に撹拌及び混合した後、混練機(例えばミキシングロール、押出機、ニーダー、ロールおよびエクストルーダー、擂潰機、遊星式混合機等)を用いて混練し、さらに得られた混練物を冷却、粉砕等を行う方法が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、例えば上述の各成分を均一に分散混合することにより得ることができる。上記各成分を均一に分散混合するための手段や条件等は特に限定されない。ここで、上記各成分を均一に分散混合して本発明の樹脂組成物を得る方法の一例を、以下に示す。所定の含有量の各成分を、攪拌機(例えばミキサー)を用いて均一に撹拌及び混合した後、混練機(例えばミキシングロール、押出機、ニーダー、ロールおよびエクストルーダー、擂潰機、遊星式混合機等)を用いて混練し、さらに得られた混練物を冷却、粉砕等を行う方法が挙げられる。
本発明の樹脂組成物全体の23℃における粘度は、特に限定されない。即ち、本発明の樹脂組成物の粘性に関する状態は、(1)液状、(2)ペースト状、(3)粘土状、(4)固体状又は固形状(一例としてタブレット状)、等のいずれであってもよい。ここで、タブレット状とは、室温において一定の形状を保持し、実質的に経時的な変化が無く、また互いに接触させたときに互着や一体化をすることがない固体を指す。また、本発明の樹脂組成物は、加熱等により部分硬化させた樹脂組成物を本発明の樹脂組成物として使用してもよい(なお、上記部分硬化をBステージ化ともいい、上記部分硬化させた樹脂組成物をBステージ化された樹脂組成物ともいう)。また、本発明の樹脂組成物のチクソトロピック性についても、特に限定されない。
本発明の樹脂組成物の状態が粘土状、固形状又は固体状(タブレット状も包含する)である場合、形状としては、球状、円柱状(円筒状)、円盤状、角柱状、直方体状、立方体状、粒状等のいずれであってもよい。本発明の樹脂組成物の状態が粘土状であり、且つ、形状が球状である場合は、団子状の樹脂組成物ともいえる。
本発明の樹脂組成物の粘度は、一般的には、サンプルである樹脂組成物をガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を23℃のウォーターバスに1時間ほど放置し、その後、B型回転粘度計にて2rpmと20rpmの時の粘度により確認することで得られる。また、本発明の樹脂組成物のチクソトロピック性は、上記2rpm時の粘度と20rpm時の粘度の比を算出して、数値化することにより得られる。本発明の樹脂組成物が、粘土状樹脂組成物、Bステージ化された樹脂組成物等である場合は、上記B型回転粘度計で粘度を測定することができない。よって、上記の場合における本発明の樹脂組成物の粘度は、JIS K 2220に準じて、1/4円錐コーンアダプターを用いて測定することにより得られる。
≪2.表面実装型発光装置用樹脂成形体≫
本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体は、上述の本発明の樹脂組成物を成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させて得られる。本明細書において、本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体を、単に本発明の樹脂成形体、又は第1の樹脂成形体ともいい、当該樹脂成形体はリフレクター又はケースボディとも称される。
本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体は、上述の本発明の樹脂組成物を成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させて得られる。本明細書において、本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体を、単に本発明の樹脂成形体、又は第1の樹脂成形体ともいい、当該樹脂成形体はリフレクター又はケースボディとも称される。
本発明の樹脂組成物の成形方法としては、特に限定されない。例えば、トランスファー成形(トランスファーモールド)、インジェクション成形(射出成形)、コンプレッション成形等の金型成形(成型)方式が挙げられる。本発明においては、トランスファー成形が好ましい。
ここで、本発明の樹脂組成物をトランスファー成形により成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させ、本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体を得る方法を具体的に記載する。第1工程として、リードフレームを金型に配置し、トランスファー成形装置を用いて本発明の樹脂組成物を金型に流し込む。第2工程として、前記金型に流し込まれた本発明の樹脂組成物を加熱及び加圧することにより、前記樹脂組成物を硬化させる。これにより、本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体、及び本発明のケース(前記樹脂成形体付きリードフレームともいう)が得られる。ここで、トランスファー成形における加熱温度、硬化時間、加圧の際の圧力、樹脂組成物の投入圧力、投入スピード、注入時間等はいずれも特に限定されない。例えば、加熱温度(成形加熱温度又は型温度)については、100〜160℃が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の状態は、上述の通り、(1)液状、(2)ペースト状、(3)粘土状、(4)固体状又は固形状(一例としてタブレット状)、等のいずれであってもよいが、本発明の樹脂組成物をトランスファー成形により成形及び加熱する場合においては、粘土状、固形状又は固体状(タブレット状も包含する)が好ましい。
本発明の樹脂組成物として粘土状の樹脂組成物を使用してトランスファー成形を行う場合、1)薬包紙の上に粘土状の樹脂組成物を載せた後、前記薬包紙で巾着袋を作るように前記樹脂組成物を包み込むことによって得られる球状(団子状)の樹脂組成物、2)粘土状の樹脂組成物ブロックを用意し、当該樹脂組成物ブロックに対して円筒系テフロン(登録商標)筒を押し当てることで当該筒中に充填された円柱状の樹脂組成物、などを使用することが好ましい。特に、大量生産を見込めるという点で上記2)の円柱状の樹脂組成物が好ましい。なお、トランスファー成形の際に上記1)又は2)の樹脂組成物を使用する場合、上記1)又は2)の樹脂組成物の直径(球状の直径又は円柱の直径)は、トランスファー成形装置の投入口の口径よりも小さくすることが好ましい。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂成分は、少なくとも(A)成分と(B)成分が反応することにより得られる樹脂である。当該(A)成分と(B)成分との反応は、上記加熱によって発生する。
本発明の樹脂成形体は、上記特定の成分を含む本発明の樹脂組成物を成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させて得られる。そのため、本発明の樹脂成形体は、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性に優れる。
本発明の樹脂成形体は、上記本発明特有の効果とともに、発光素子の偏った発光強度部分布を後述するケース内面で集散させ扱い易い発光強度分布に整える働き、発光素子により発生した熱を外部へ放熱する働き、等をも有する。
本発明の樹脂成形体の硬度は、特に限定されず、使用用途に応じて設定することができるが、JIS Z 2246に準拠して測定された硬度でD10〜D69程度が好ましい。
本発明の樹脂成形体の熱伝導率は、特に限定されず、使用用途に応じて設定することができるが、Xenon flash methodに準拠して測定された熱伝導率で0.2〜3W/mK程度が好ましい。
≪3.表面実装型(SMD)発光装置≫
本発明の表面実装型発光装置は、少なくとも、第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームと、発光素子とを有する。前記第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体(以下、第1の樹脂成形体ともいう)は、前記本発明の樹脂組成物を成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させて得られる。なお、本発明の表面実装型発光装置は、実質的には、(1)第1の樹脂成形体付きリードフレーム(ケース)、(2)発光素子、(3)ワイヤー、(4)第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体(以下、第2の樹脂成形体ともいう)を有する。上記(1)〜(4)を有する本発明の表面実装型発光装置はLEDパッケージとも称される。
本発明の表面実装型発光装置は、少なくとも、第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームと、発光素子とを有する。前記第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体(以下、第1の樹脂成形体ともいう)は、前記本発明の樹脂組成物を成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させて得られる。なお、本発明の表面実装型発光装置は、実質的には、(1)第1の樹脂成形体付きリードフレーム(ケース)、(2)発光素子、(3)ワイヤー、(4)第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体(以下、第2の樹脂成形体ともいう)を有する。上記(1)〜(4)を有する本発明の表面実装型発光装置はLEDパッケージとも称される。
第1の樹脂成形体付きリードフレーム
第1の樹脂成形体付きリードフレーム(ケース)は、発光素子及び第2の樹脂成形体を収める器であって、パッケージ構造の要となる躯体である。当該第1の樹脂成形体付きリードフレームは、前記リードフレーム(電極部)に樹脂成形体の枠を成形(成型)することにより得られる。前記リードフレームに樹脂成形体の枠を成形する方法としては、上記≪2.表面実装型発光装置用樹脂成形体≫の項目で示したように、例えば、トランスファー成形(トランスファーモールド)、インジェクション成形(射出成形)、コンプレッション成形等の金型成形方式が挙げられるが、トランスファー成形が好ましい。
第1の樹脂成形体付きリードフレーム(ケース)は、発光素子及び第2の樹脂成形体を収める器であって、パッケージ構造の要となる躯体である。当該第1の樹脂成形体付きリードフレームは、前記リードフレーム(電極部)に樹脂成形体の枠を成形(成型)することにより得られる。前記リードフレームに樹脂成形体の枠を成形する方法としては、上記≪2.表面実装型発光装置用樹脂成形体≫の項目で示したように、例えば、トランスファー成形(トランスファーモールド)、インジェクション成形(射出成形)、コンプレッション成形等の金型成形方式が挙げられるが、トランスファー成形が好ましい。
第1の樹脂成形体は、本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体に相当し、上記≪2.表面実装型発光装置用樹脂成形体≫と同様である。そのため、説明を省略する。
リードフレームは、ケース電極部とケースヒートシンク部(LEDチップ搭載部)とからなる。リードフレームの材質は、特に限定されない。例えば、銅、アルミ等が挙げられる。また、上記銅、アルミ等をコア材とし、当該コア材に銀メッキ、又は金メッキ等をさせた材質のものも使用することができる。
第1の樹脂成形体付きリードフレームの作製方法としては、上記≪2.表面実装型発光装置用樹脂成形体≫の項目で示したように、例えばトランスファー成形が挙げられる。
発光素子
発光素子(LEDチップ)は特に限定されず、LEDとして一般的に使用されている発光素子を使用することができる。例えば、GaN、InGaN、SiC、AlGaInP、GaP、GaAlAs、InGaAs、GaAs等の化合物半導体素材が挙げられる。なお、発光素子により発せられる波長は、可視光を始め、近視外光、近赤外光の光で、300nm〜1200nmの領域を対象とする。
発光素子(LEDチップ)は特に限定されず、LEDとして一般的に使用されている発光素子を使用することができる。例えば、GaN、InGaN、SiC、AlGaInP、GaP、GaAlAs、InGaAs、GaAs等の化合物半導体素材が挙げられる。なお、発光素子により発せられる波長は、可視光を始め、近視外光、近赤外光の光で、300nm〜1200nmの領域を対象とする。
発光素子は、例えば、ケースのヒートシンク上に接合部材(樹脂ペースト等)を塗布した後にマウントし、次いで硬化炉で前記接合部材を加熱硬化させて固定化することができる。
ワイヤー
ワイヤーは、発光素子とケースとを電気的に接続する。ワイヤーの材質としては、特に限定されないが、金メッキ、アルミメッキ等が挙げられる。
ワイヤーは、発光素子とケースとを電気的に接続する。ワイヤーの材質としては、特に限定されないが、金メッキ、アルミメッキ等が挙げられる。
ワイヤーの接合法は特に限定されない。ワイヤーの接合(ワイヤーボンディング)の一例としては、以下の通りである。まず、放電加工にてワイヤーの先端にボールを形成し、次に発光素子に押し付けて超音波接合し、次にワイヤーをループさせながらキャピラリ先端から送り出してケースに接合する。
第2の樹脂成形体
第2の樹脂成形体は、発光素子を封止するための樹脂成形体であって、シリコーン樹脂系封止剤により形成される。本発明の上記第1の樹脂成形体は、上記特定の成分を含む本発明の樹脂組成物を成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させて得られるため、当該第1の樹脂成形体は上記第2の樹脂成形体との密着性に優れる。
第2の樹脂成形体は、発光素子を封止するための樹脂成形体であって、シリコーン樹脂系封止剤により形成される。本発明の上記第1の樹脂成形体は、上記特定の成分を含む本発明の樹脂組成物を成形及び加熱することにより上記樹脂組成物を硬化させて得られるため、当該第1の樹脂成形体は上記第2の樹脂成形体との密着性に優れる。
第2の樹脂成形体は、
(A’)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B’)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(C’)反応触媒、
を含有する樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる樹脂成形体
であることが好ましい。なお、上記(A’)成分、(B’)成分、及び(C’)成分は、それぞれ、≪1.樹脂組成物≫の項目における(A)成分、(B)成分、及び(D)成分と同様である。そのため、上記(A’)成分、(B’)成分、及び(C’)成分の説明については省略する。
(A’)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B’)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(C’)反応触媒、
を含有する樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる樹脂成形体
であることが好ましい。なお、上記(A’)成分、(B’)成分、及び(C’)成分は、それぞれ、≪1.樹脂組成物≫の項目における(A)成分、(B)成分、及び(D)成分と同様である。そのため、上記(A’)成分、(B’)成分、及び(C’)成分の説明については省略する。
第2の樹脂成形体の成形方法は、特に限定されず、一般的に適用される封止方法を採用することができる。例えば、第2の樹脂成形体を形成するための樹脂組成物(シリコーン樹脂系封止剤)をディスペンサー(注入機)で注入する方法、圧縮成形、トランスファー成形、インジェクション成形、印刷方法、ディッピング法、ポッティング法等が挙げられる。発光素子が外気に触れないように、前記第2の樹脂成形体を形成するための樹脂組成物を前記成形方法(又は塗布方法)によって成形(又は塗布)を行った後は、前記第2の樹脂成形体を形成するための樹脂組成物を硬化させる。当該硬化は、一般的には加熱によって行われる。加熱条件は、特に制限はないが、温度条件は120〜180℃で、時間は30〜180分が好ましい。
第2の樹脂成形体には、必要に応じて、蛍光体を含有していてもよい。蛍光体は、特に限定されず、一般的に使用されている蛍光体(有機蛍光体、無機蛍光体等)が挙げられる。
本発明の表面実装型発光装置は、反射率に優れ、且つ、耐熱変色性、耐境界剥離性、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性にも優れた第1の樹脂成形体を有する。そのため、本発明の表面実装型発光装置は、種々の用途に好適に使用することができる。
本発明の樹脂成形体は、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性にも優れる。また、本発明の樹脂組成物は、反射率に優れるとともに、耐熱変色性、耐境界剥離性、及びシリコーン樹脂系封止剤に対する密着性に優れた樹脂成形体を好適に形成することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例の態様に限定されない。
実施例1
まず、(A)〜(G)成分を用意した。
(A)成分 :オルガノポリシロキサン
(B)成分 :オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)成分 :イソシアヌル酸誘導体
(D)成分 :反応触媒(白金化合物)
(E)成分 :酸化亜鉛
(F)成分 :無機充填剤(アルミナ)
(G)成分 :シランカップリング剤
(H)成分 :遅延剤
≪(A)成分(オルガノポリシロキサン)の詳細≫
1分子中に、ケイ素原子に結合したビニル基を2個以上有し、ビニル基量(炭素−炭素二重結合量)が0.15mmol/gであり、23℃での粘度が500mPa・sである、オルガノポリシロキサン(樹脂)。
≪(B)成分(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)の詳細≫
1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有し、Si−H(ヒドロシリル)基量が6.87mmol/gであり、23℃での粘度が40mPa・sである、オルガノハイドロジェンポリシロキサン。
≪(C)成分(イソシアヌル酸誘導体)の詳細≫
ビニル基量(炭素−炭素二重結合量)が3.555mmol/gである、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸。商品名MA-DGIC(四国化成株式会社製)。
≪(D)成分(反応触媒)の詳細≫
試薬 白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(白金化合物)。
≪(E)成分(酸化亜鉛)の詳細≫
商品名 LPZINC−30S(堺化学工業株式会社製、平均粒径30μm)。
≪(F)成分(無機充填剤)の詳細≫
商品名DWA−07(電気化学工業株式会社製)のアルミナ。平均粒径8μm。
≪(G)成分(シランカップリング剤)の詳細≫
商品名KBM-1003(信越化学工業株式会社製)のビニルトリメトキシシラン(構造式:(CH3O)3SiCH=CH2)。
≪(H)成分(遅延剤)の詳細≫
商品名サーフィノール104H(エアープロダクツ会社製)のアセチレン・ジオール系化合物。
まず、(A)〜(G)成分を用意した。
(A)成分 :オルガノポリシロキサン
(B)成分 :オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)成分 :イソシアヌル酸誘導体
(D)成分 :反応触媒(白金化合物)
(E)成分 :酸化亜鉛
(F)成分 :無機充填剤(アルミナ)
(G)成分 :シランカップリング剤
(H)成分 :遅延剤
≪(A)成分(オルガノポリシロキサン)の詳細≫
1分子中に、ケイ素原子に結合したビニル基を2個以上有し、ビニル基量(炭素−炭素二重結合量)が0.15mmol/gであり、23℃での粘度が500mPa・sである、オルガノポリシロキサン(樹脂)。
≪(B)成分(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)の詳細≫
1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有し、Si−H(ヒドロシリル)基量が6.87mmol/gであり、23℃での粘度が40mPa・sである、オルガノハイドロジェンポリシロキサン。
≪(C)成分(イソシアヌル酸誘導体)の詳細≫
ビニル基量(炭素−炭素二重結合量)が3.555mmol/gである、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸。商品名MA-DGIC(四国化成株式会社製)。
≪(D)成分(反応触媒)の詳細≫
試薬 白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(白金化合物)。
≪(E)成分(酸化亜鉛)の詳細≫
商品名 LPZINC−30S(堺化学工業株式会社製、平均粒径30μm)。
≪(F)成分(無機充填剤)の詳細≫
商品名DWA−07(電気化学工業株式会社製)のアルミナ。平均粒径8μm。
≪(G)成分(シランカップリング剤)の詳細≫
商品名KBM-1003(信越化学工業株式会社製)のビニルトリメトキシシラン(構造式:(CH3O)3SiCH=CH2)。
≪(H)成分(遅延剤)の詳細≫
商品名サーフィノール104H(エアープロダクツ会社製)のアセチレン・ジオール系化合物。
次に、ポリカップを用意し、(A)成分100質量部と(D)成分1質量部とをよくかき混ぜることで、混練物αを得た((D):0.01)。
次に、更に新たなポリカップを用意し、改めて(A)成分100質量部と前記混練物α0.2質量部とをよくかき混ぜることで、マスター混練物Dを得た((D):0.00002)。
次に、更に新たなポリカップを用意し、(A)成分100質量部と(H)成分2質量部とをよくかき混ぜることで、マスター混練物Hを得た((H):0.02)。
次に、更に新たなポリカップを用意し、改めて(A)成分100質量部と前記混練物α0.2質量部とをよくかき混ぜることで、マスター混練物Dを得た((D):0.00002)。
次に、更に新たなポリカップを用意し、(A)成分100質量部と(H)成分2質量部とをよくかき混ぜることで、マスター混練物Hを得た((H):0.02)。
次いで、(A)成分 94.0質量部、(G)成分0.5質量部、マスター混練物D 0.5質量部、マスター混練物H 1.0質量部をポリカップに入れて、ディスパー攪拌器を用いてかき混ぜることにより混合物βを得た。
次に、(C)成分2質量部を混合物βに入れてディスパー攪拌器を用いてかき混ぜ、さらに(B)成分4.66質量部を混合して再度掻き混ぜた。これにより、混合物γを得た。
次に、(E)成分220質量部及び(F)成分880質量部を混合物γに入れてディスパー攪拌器を用いてかき混ぜた。これにより、混合物δを得た。
次に、(C)成分2質量部を混合物βに入れてディスパー攪拌器を用いてかき混ぜ、さらに(B)成分4.66質量部を混合して再度掻き混ぜた。これにより、混合物γを得た。
次に、(E)成分220質量部及び(F)成分880質量部を混合物γに入れてディスパー攪拌器を用いてかき混ぜた。これにより、混合物δを得た。
次に、混合攪拌機(株式会社品川工業所製、商品名 5DMV-r型)を用いて前記混合物δを30分間混練した。これにより、23℃で粘度400 Pa・sの粘性を有する実施例1の樹脂組成物を得た。実施例1の樹脂組成物の各成分の配合量は、以下の通りである。
≪実施例1の樹脂組成物の各成分の配合量≫
(A)成分(オルガノポリシロキサン) :95.5質量部、
(B)成分(オルガノハイドロジェンポリシロキサン) :4.66質量部、
(C)成分(イソシアヌル酸誘導体) :2質量部、
(D)成分(反応触媒(白金)) :0.001質量部(10ppm)
(E)成分(酸化亜鉛) :220質量部、
(F)成分(無機充填剤(アルミナ)) :880質量部、
(G)成分(シランカップリング剤) :0.5質量部、
(H)成分(遅延剤) :0.02質量部。
≪実施例1の樹脂組成物の各成分の配合量≫
(A)成分(オルガノポリシロキサン) :95.5質量部、
(B)成分(オルガノハイドロジェンポリシロキサン) :4.66質量部、
(C)成分(イソシアヌル酸誘導体) :2質量部、
(D)成分(反応触媒(白金)) :0.001質量部(10ppm)
(E)成分(酸化亜鉛) :220質量部、
(F)成分(無機充填剤(アルミナ)) :880質量部、
(G)成分(シランカップリング剤) :0.5質量部、
(H)成分(遅延剤) :0.02質量部。
実施例2
(E)成分(酸化亜鉛)の含有量を220質量部に代えて270質量部とし、(F)成分(アルミナ)の含有量を880質量部に代えて1080質量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例2の樹脂組成物を得た。
なお、実施例2の樹脂組成物は、実施例1の樹脂組成物と比べて粘度が高く、一定量の塊に成形することで団子状の樹脂組成物に形成することが可能であった。当該団子状の樹脂組成物は、薬包紙の上に、前記実施例1と同様の方法で得られた実施例2の樹脂組成物を20g計量した後、前記薬包紙で巾着袋を作るように前記樹脂組成物を包み込むことによって得られた。
(E)成分(酸化亜鉛)の含有量を220質量部に代えて270質量部とし、(F)成分(アルミナ)の含有量を880質量部に代えて1080質量部とする以外は、実施例1と同様にして、実施例2の樹脂組成物を得た。
なお、実施例2の樹脂組成物は、実施例1の樹脂組成物と比べて粘度が高く、一定量の塊に成形することで団子状の樹脂組成物に形成することが可能であった。当該団子状の樹脂組成物は、薬包紙の上に、前記実施例1と同様の方法で得られた実施例2の樹脂組成物を20g計量した後、前記薬包紙で巾着袋を作るように前記樹脂組成物を包み込むことによって得られた。
比較例1
(C)成分(イソシアヌル酸誘導体)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の樹脂組成物を得た。
(C)成分(イソシアヌル酸誘導体)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の樹脂組成物を得た。
比較例2
脂環式エポキシ樹脂100質量部、メチル−ヘキサヒドロフタル酸の酸無水物(硬化剤)90質量部、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(TPP-BB、硬化促進剤、北興化学工業(株)製)1質量部、(E)成分(酸化亜鉛)220質量部、(F)成分(無機充填剤(アルミナ))880質量部、及び(G)成分(シランカップリング剤)0.5質量部を用意した。次に、上記用意した6成分を混合することにより、比較例2の樹脂組成物を得た。
脂環式エポキシ樹脂100質量部、メチル−ヘキサヒドロフタル酸の酸無水物(硬化剤)90質量部、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(TPP-BB、硬化促進剤、北興化学工業(株)製)1質量部、(E)成分(酸化亜鉛)220質量部、(F)成分(無機充填剤(アルミナ))880質量部、及び(G)成分(シランカップリング剤)0.5質量部を用意した。次に、上記用意した6成分を混合することにより、比較例2の樹脂組成物を得た。
評価試験1:熱変色試験 反射率
まず、テフロン(登録商標)コート剤(ダイフリーGA-7500)をガラス板に塗ったものを2枚用意した(以下、ガラス板A及びガラス板Bとする)。次に、ガラス板Aを、前記テフロン(登録商標)コート剤が塗布された面が上となるように載置した。次に、前記テフロン(登録商標)コート剤が塗布された面に対して、実施例又は比較例で得られた各樹脂組成物を10gほど塗布した。その後、厚さ1mmのガラスエポキシ材質のスペーサーを2本用意し、当該2本のスペーサーを前記ガラス板Aの両端に設置した。
まず、テフロン(登録商標)コート剤(ダイフリーGA-7500)をガラス板に塗ったものを2枚用意した(以下、ガラス板A及びガラス板Bとする)。次に、ガラス板Aを、前記テフロン(登録商標)コート剤が塗布された面が上となるように載置した。次に、前記テフロン(登録商標)コート剤が塗布された面に対して、実施例又は比較例で得られた各樹脂組成物を10gほど塗布した。その後、厚さ1mmのガラスエポキシ材質のスペーサーを2本用意し、当該2本のスペーサーを前記ガラス板Aの両端に設置した。
次いで、もう一方のテフロン(登録商標)コート剤が塗布されたガラス板Bを用意した。その後、当該ガラス板Bのテフロン(登録商標)コート剤が塗布された面と、前記ガラス板Aの前記各樹脂組成物が塗布された面とが接触するように、挟み込みして前記各樹脂組成物を押し潰すようにしてガラス板Bを載せた。これにより、前記各樹脂組成物をお煎餅状態の1mmスペーサーとした。
その後、前記各樹脂組成物を前述のようにガラス板A及びBで挟み込んだ状態で、150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて、1時間保持した。これにより、前記各樹脂組成物を硬化させた。
前記各樹脂組成物を硬化させた後、前記ガラス板を取り除くことで、実施例1及び2並びに比較例1及び2の樹脂組成物で得られた各樹脂成形体(実施例1及び2並びに比較例1及び2の樹脂成形体)を得た。なお、熱変色試験用のサンプル試験片が15mm×100mm×1mm(厚み1mm)の短冊試験片となるように、カッターで前記各樹脂成形体の不要部分を切断した。
次に、前記15mm×100mm×1mm(厚み1mm)の各短冊試験片の反射率を測定した。また、参考として、LEDパッケージで現在もよく使用されている熱可塑性樹脂のPPA(ポリフタルアミド)およびPLC(液晶ポリマー)を材質とする試験片の反射率も測定した。PPAは、ジェネスタTA112(クラレ製)、及びA-4422 LS WH118(ソルベイスペシャリーポリマーズ製)の1mm板材を用意し、PLCは、NW-0922、及びNW-0722(日本製)の1mm板材を用意し、それぞれ、上記と同様に、15mm×100mm×1mm(厚み1mm)の試験片にカットし、サンプル用短冊試験片とした。なお、前記各短冊試験片の反射率測定は、以下の(1)〜(7):
(1)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて0時間保持した後の各短冊試験片(即ち、加熱していない各短冊試験片)、
(2)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて24時間保持した後の各短冊試験片、
(3)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて48時間保持した後の各短冊試験片、
(4)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて120時間保持した後の各短冊試験片、
(5)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて168時間保持した後の各短冊試験片、
(6)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて300時間保持した後の各短冊試験片、
(7)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて500時間保持した後の各短冊試験片、
に対して、反射率を測定した。反射率の測定は、分光光度計(V-650:日本分光(株)製)を用いて、青色波長領域の450nmにおける反射率を測定した。
熱変色試験評価の判定基準を、次のようにした。初期反射率(加熱していない各短冊試験片の反射率)をR0、150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて500時間保持した後の各短冊試験片の反射率をR500とした。次いで、以下の反射率の減少率に関する式:
減少率(%)=(R0−R500)÷R0×100
によって減少率を算出し、
◎:減少率が3%以下、
○:減少率が3%より大きく5%以下、
△:減少率が5%より大きく10%以下、
▲:減少率が10%より大きく20%以下、
×:減少率が20%より大きい、
とした。結果を以下の表1に示す。表中の各数値の単位は(%)である。
(1)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて0時間保持した後の各短冊試験片(即ち、加熱していない各短冊試験片)、
(2)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて24時間保持した後の各短冊試験片、
(3)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて48時間保持した後の各短冊試験片、
(4)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて120時間保持した後の各短冊試験片、
(5)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて168時間保持した後の各短冊試験片、
(6)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて300時間保持した後の各短冊試験片、
(7)150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて500時間保持した後の各短冊試験片、
に対して、反射率を測定した。反射率の測定は、分光光度計(V-650:日本分光(株)製)を用いて、青色波長領域の450nmにおける反射率を測定した。
熱変色試験評価の判定基準を、次のようにした。初期反射率(加熱していない各短冊試験片の反射率)をR0、150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて500時間保持した後の各短冊試験片の反射率をR500とした。次いで、以下の反射率の減少率に関する式:
減少率(%)=(R0−R500)÷R0×100
によって減少率を算出し、
◎:減少率が3%以下、
○:減少率が3%より大きく5%以下、
△:減少率が5%より大きく10%以下、
▲:減少率が10%より大きく20%以下、
×:減少率が20%より大きい、
とした。結果を以下の表1に示す。表中の各数値の単位は(%)である。
このように、実施例1及び2の樹脂組成物を成形及び加熱して得られた樹脂成形体(実施例1及び2の樹脂成形体)は、加熱による反射率減少率が低く、耐熱変色性に優れていることが明らかである。
評価試験2:耐クラック性、耐境界剥離性、及び耐リードフレームの反り試験
本評価試験は、実際に実施例又は比較例の各樹脂組成物を用いて各ケース(リフレクター付きリードフレームともいう)を作製した。そして、その得られた各ケースに対して温度サイクル試験(ヒートサイクル試験)を実施し、当該温度サイクル試験後の各ケースの状態を確認することにした。ここで、ケース(リフレクター付きリードフレーム)中のリフレクターが本発明における第1の樹脂成形体に相当する。
本評価試験は、実際に実施例又は比較例の各樹脂組成物を用いて各ケース(リフレクター付きリードフレームともいう)を作製した。そして、その得られた各ケースに対して温度サイクル試験(ヒートサイクル試験)を実施し、当該温度サイクル試験後の各ケースの状態を確認することにした。ここで、ケース(リフレクター付きリードフレーム)中のリフレクターが本発明における第1の樹脂成形体に相当する。
まず、ケースを作製するために、リードフレーム用の基板(ワークサイズ:55mm×50mm、厚み:0.2mm)を用意した。当該基板は、Φ2.0mmの直径をもつLEDパッケージをダイシングカットした時に正極及び負極の端子が正しく形成されているように、エッチング処理して加工されているものを使用した(なお、上記Φ2.0mmの直径をもつLEDパッケージを可能な限りの取り数となるようにドットマトリックスタイプのリードフレーム成形を行う場合、縦13列、横13行の合計169個のLEDパッケージを形成することが可能である)。
次いで、金型を用意した。当該金型は、厚みが1mm程度であり、且つ、Φ2.0mmの直径の溝が形成されたケースを作製するための金型であり、ケースのサイズが50mm×41mm×1mm(厚み1mm)となるように、凹み加工が施された金型である。
次に、アピックヤマダ(株)製のトランスファー成形装置(G-LINE Manual System)を用いて、リードフレーム基板と樹脂成形体とが一体となった各ケースを作製した。成形条件は、実施例1及び比較例1の樹脂組成物を使用した場合については、型温度:150℃、キュア時間(硬化時間):180秒、クランプ圧:350k、樹脂組成物の投入圧力:10MPa、投入スピード:1.4mm/sec、注入時間:10秒とした。このような条件の下、樹脂組成物の充填及び樹脂組成物の硬化を実施した。
実施例2の樹脂組成物を使用した場合については、実施例2の樹脂組成物の粘度が実施例1の樹脂組成物の粘度よりも高いことから、型温度:150℃、キュア時間:180秒、クランプ圧:350kN、樹脂組成物の投入圧力:15MPa、投入スピード:2.0mm/sec、注入時間:15秒とした。
比較例2の樹脂組成物を使用した場合については、比較例2の樹脂組成物の粘度が実施例1の樹脂組成物の粘度よりも低いことから、型温度:150℃、キュア時間:180秒、クランプ圧:350kN、樹脂組成物の投入圧力:7MPa、投入スピード:1.4mm/sec、注入時間:10秒とした。以上の条件にて、実施例又は比較例の各樹脂組成物を用いて、リードフレーム基板と樹脂成形体とが一体となった各ケースを作製した。
実施例2の樹脂組成物を使用した場合については、実施例2の樹脂組成物の粘度が実施例1の樹脂組成物の粘度よりも高いことから、型温度:150℃、キュア時間:180秒、クランプ圧:350kN、樹脂組成物の投入圧力:15MPa、投入スピード:2.0mm/sec、注入時間:15秒とした。
比較例2の樹脂組成物を使用した場合については、比較例2の樹脂組成物の粘度が実施例1の樹脂組成物の粘度よりも低いことから、型温度:150℃、キュア時間:180秒、クランプ圧:350kN、樹脂組成物の投入圧力:7MPa、投入スピード:1.4mm/sec、注入時間:10秒とした。以上の条件にて、実施例又は比較例の各樹脂組成物を用いて、リードフレーム基板と樹脂成形体とが一体となった各ケースを作製した。
この実施例又は比較例の各樹脂組成物から得られた各ケースに対して温度サイクル試験を実施した。温度サイクル条件は、下限値(−40℃)→上限値(100℃)→下限値(−40℃)の工程を1周(1サイクル)とし、30分間で繰り返し温度サイクルを100周(100サイクル)行った。その後、上記温度サイクル試験を行った後の各ケースの状態を確認した。耐クラック性、耐境界剥離性、及び耐リードフレームの反り性の評価の判断基準は以下の通りとした。
≪耐クラック性に関する評価の判断基準≫
・クラック無し:ケース中の樹脂成形体には、クラック又は亀裂が全く無い。
・クラック有り:ケース中の樹脂成形体の一箇所以上に、クラック又は亀裂が有る。
≪耐境界剥離性に関する評価の判断基準≫
・境界剥離無し:樹脂成形体とリードフレームとの境界面で剥離現象が無い。
・境界剥離有り:樹脂成形体とリードフレームとの境界面で剥離現象が有る。
≪耐リードフレームの反り性に関する評価の判定基準≫
・リードフレームの反り無し:樹脂成形体の内部応力に起因するリードフレームの反り上がりが発生していない。
・リードフレームの反り有り:樹脂成形体の内部応力に起因するリードフレームの反り上がりが発生している。結果は次の表2である。
≪耐クラック性に関する評価の判断基準≫
・クラック無し:ケース中の樹脂成形体には、クラック又は亀裂が全く無い。
・クラック有り:ケース中の樹脂成形体の一箇所以上に、クラック又は亀裂が有る。
≪耐境界剥離性に関する評価の判断基準≫
・境界剥離無し:樹脂成形体とリードフレームとの境界面で剥離現象が無い。
・境界剥離有り:樹脂成形体とリードフレームとの境界面で剥離現象が有る。
≪耐リードフレームの反り性に関する評価の判定基準≫
・リードフレームの反り無し:樹脂成形体の内部応力に起因するリードフレームの反り上がりが発生していない。
・リードフレームの反り有り:樹脂成形体の内部応力に起因するリードフレームの反り上がりが発生している。結果は次の表2である。
評価試験3:シリコーン樹脂系封止剤に対する密着性試験
まず、基材として縦100mm、横25mm、厚さ1.5mmのアルミ板を用意した。次に、当該アルミ板の縦横面の内、縦10mm、横25mmの角エリア(今後この角エリアを接合エリアと呼ぶ)に、封止剤として使用可能なシリコーン系樹脂組成物(SS-6309、サンユレック(株)製、ジメチル系シリコーン樹脂を含む)を塗布した。なお、当該シリコーン系樹脂組成物については、厚さが0.5mmとなるように塗布した。次いで、当該シリコーン系樹脂組成物が塗布されたアルミ板を150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて1時間保持することにより、前記塗布されたシリコーン系樹脂組成物を硬化させた。なお、上記接合エリアに硬化したシリコーン系樹脂組成物が積層されたアルミ板を2枚用意した(以下、当該アルミ板を、それぞれ、アルミ板A、アルミ板Bともいう)。
まず、基材として縦100mm、横25mm、厚さ1.5mmのアルミ板を用意した。次に、当該アルミ板の縦横面の内、縦10mm、横25mmの角エリア(今後この角エリアを接合エリアと呼ぶ)に、封止剤として使用可能なシリコーン系樹脂組成物(SS-6309、サンユレック(株)製、ジメチル系シリコーン樹脂を含む)を塗布した。なお、当該シリコーン系樹脂組成物については、厚さが0.5mmとなるように塗布した。次いで、当該シリコーン系樹脂組成物が塗布されたアルミ板を150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて1時間保持することにより、前記塗布されたシリコーン系樹脂組成物を硬化させた。なお、上記接合エリアに硬化したシリコーン系樹脂組成物が積層されたアルミ板を2枚用意した(以下、当該アルミ板を、それぞれ、アルミ板A、アルミ板Bともいう)。
次に、前記アルミ板Aの接合エリア(硬化したシリコーン系樹脂組成物)のおもて面に、実施例又は比較例の各樹脂組成物を塗布した後、当該各樹脂組成物の塗布面と前記アルミBの接合エリアのおもて面とが接合するように、アルミ板Aとアルミ板Bを接合した。これにより、上記接合エリアに硬化したシリコーン系樹脂組成物が積層されたアルミ板A及びアルミ板Bとの間に前記各樹脂組成物が挟み込まれたアルミ板セットを得た。なお、当該アルミ板セットに関して、それぞれの樹脂組成物に対して3セット用意した(N数=3)。最後に、各アルミ板セットを150℃に加熱したオーブン乾燥器に入れて1時間保持することにより、各アルミ板試験片を得た(N数=3)。
各アルミ板試験片に対して、オートグラフ装置(AG-5kNX島津製作所製)を用いて引張りせん断試験を実施した。具体的には、5kN用ロードセルに各アルミ板試験片を上下に挟み込んで、常温時で引張りテストを実施した。なお、引張りスピードは25mm/secとした。結果は次のとおりである。
上記表3の通り、(C)成分(イソシアヌル酸誘導体)を使用していない比較例1は、せん断接着強度が低いということがわかった。また、樹脂成分としてエポキシ樹脂を使用している比較例2もまた、せん断接着強度が低いという結果となった。
1.リードフレーム
2.表面実装型発光装置用ケース(第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体付きリードフレーム)
3.第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体
4.表面実装型発光装置
5.第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体
6.発光素子
7.ワイヤー
8.接合部材
2.表面実装型発光装置用ケース(第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体付きリードフレーム)
3.第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体
4.表面実装型発光装置
5.第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体
6.発光素子
7.ワイヤー
8.接合部材
Claims (9)
- 表面実装型発光装置用樹脂成形体を形成するための樹脂組成物であって、
以下の(A)〜(E):
(A)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)イソシアヌル酸誘導体であって、下記式[1]:
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
である。〕
で示される、イソシアヌル酸誘導体、
(D)反応触媒、
(E)酸化亜鉛、
を含有する樹脂組成物であり、
前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が、前記(A)成分及び前記(B)成分である、
ことを特徴とする、樹脂組成物。 - さらに、(F)無機充填剤を含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
- さらに、(G)シランカップリング剤を含有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部である、
請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる、表面実装型発光装置用樹脂成形体であって、
前記樹脂成形体を構成する樹脂成分が、少なくとも前記(A)成分と前記(B)成分が反応することにより得られる樹脂である、樹脂成形体。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームとを有する、表面実装型発光装置用ケース。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる第1の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、リードフレームと、発光素子とを有する、表面実装型発光装置。
- 前記発光素子が、第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体によって封止されている、請求項7に記載の表面実装型発光装置。
- 前記第2の表面実装型発光装置用樹脂成形体が、以下の(A’)〜(C’):
(A’)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B’)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(C’)反応触媒、
を含有する樹脂組成物を成形及び加熱することにより得られる樹脂成形体である、
請求項8に記載の表面実装型発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014216420A JP2016084385A (ja) | 2014-10-23 | 2014-10-23 | 樹脂組成物、樹脂成形体、及び前記樹脂成形体を有する表面実装型発光装置。 |
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JP2016084385A true JP2016084385A (ja) | 2016-05-19 |
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ID=55972473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014216420A Pending JP2016084385A (ja) | 2014-10-23 | 2014-10-23 | 樹脂組成物、樹脂成形体、及び前記樹脂成形体を有する表面実装型発光装置。 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016084385A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2020055910A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-09 | 日亜化学工業株式会社 | 樹脂組成物、及び発光装置 |
WO2020080028A1 (ja) * | 2018-10-16 | 2020-04-23 | 信越化学工業株式会社 | Ledヘッドランプ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びledヘッドランプ |
-
2014
- 2014-10-23 JP JP2014216420A patent/JP2016084385A/ja active Pending
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