以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上面には操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8の左方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には特別図柄始動電動役物15が配設されており、その下方には大入賞口16が設けられている。特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備え、開閉部材が開放されると遊技球の入賞が容易になる。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。
演出装置8について説明する。図2に示すように、演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28には様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知するために、横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。パチンコ機1は、3つのデモ図柄表示部に表示されるデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組み合わせを確定表示させる演出(以下、「報知演出」という。)を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。また、詳細は後述するが、表示画面28には、実行されている演出モードを終了するか否かを選択可能な状態であることを示す選択可能状態報知画像29(図12参照)が表示される。
表示画面28の右方には可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を可動させることで各種演出を行う。可動役物30の下方には、大当たり判定の結果および保留球数を表示する表示部24が設けられている。表示部24は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。特別図柄表示部は、2つの7セグメントLEDからなり、大当たり判定の結果を示す特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、および始動口スイッチ70に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。始動口スイッチ70は、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、スピーカ48、および操作ボタン9に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は可動役物30等を制御する。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ71、大入賞口開閉ソレノイド72、電動役物開閉ソレノイド73、大入賞口スイッチ75、および表示部24が接続されている。普通図柄作動スイッチ71は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口開閉ソレノイド72は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。電動役物開閉ソレノイド73は、普通当たり遊技中に特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図6および図7参照)において使用され、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の若い記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の若い記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が若い記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄、特別図柄決定カウンタの値が記憶される特別図柄決定乱数欄、および、変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。大当たり乱数は、大当たり判定のために用いられる。特別図柄決定乱数は特別図柄を決定するために用いられる。変動パターン決定乱数は、大当たり判定の結果を報知する報知演出の演出パターン(デモ図柄の変動パターン)を決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
図5から図7を参照して、パチンコ機1の主基板41による処理について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図5参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12および各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、特別図柄の決定、および変動パターンの決定等の処理が行われる(図6および図7参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く特別図柄始動電動役物15を開放させる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ71が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率よりも高い。普通図柄の変動時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図6および図7を参照して、特別図柄処理(S14)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、表示状態フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、表示部24の特別図柄が変動している場合に「1」、停止表示されている場合に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
図6に示すように、特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞したか否かが判断される(S21)。特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ70が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図5参照)において、始動口スイッチ70に対応する入賞球フラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S21:NO)、処理はそのままS31の判断へ移行する。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、保留球は保留することができる上限に達しているため、処理はそのままS31の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。特別図柄作動保留球数が増加したことを示す保留球数増加コマンドが、RAM52に記憶される(S24)。なお、記憶された保留球数増加コマンドは、次に実行されるメイン処理でサブ制御基板58に送信される。次いで、各種乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も若い記憶エリアに記憶される(S25)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、特別図柄決定乱数欄には特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。
次いで、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S31)。大当たり遊技状態フラグが「ON」となっており、大当たり遊技状態中であると判断された場合には(S31:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態中でなければ(S31:NO)、特別図柄が変動中であるか否かが判断される(S32)。表示状態フラグが「1」でなく、特別図柄が変動中でなければ(S32:NO)、特別図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S33)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でなければ(S33:NO)、処理はS35(図7参照)へ移行し、大当たり判定が行われる。
大当たり判定では、まず、特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S35)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」以上でなければ(S35:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、処理はそのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S35:YES)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S36)。大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S37)。
次いで、遊技状態に応じた大当たり判定が行われる(S38)。大当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。大当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じて、いずれかの判定テーブルが参照されて行われる。
大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S39:YES)、大当たりであることを示す特別図柄が決定される(S40)。次いで、時短状態中であれば(S41:YES)、特別図柄変動パターン決定テーブル(図示せず)のうち、時短状態中且つ大当たりの場合のテーブルが参照され、変動パターン決定乱数欄の値によって変動パターンが決定される(S42)。変動パターンとは、大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられるデモ図柄の変動のパターンである。この変動パターンによって、表示部24に表示される特別図柄の変動時間(デモ図柄の変動時間に等しい)と、特別図柄の変動に同期して表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに基づいて報知演出を制御する。特別図柄変動パターン決定テーブルは、変動パターン決定乱数欄の値によって変動パターンを決定するためのテーブルである。特別図柄変動パターン決定テーブルは、大当たり判定時の遊技状態(非時短状態中または時短状態中)、および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている。
時短状態中でなければ(S41:NO)、非時短状態(通常状態)且つ大当たりの場合のテーブルによって変動パターンが決定される(S43)。判定結果がはずれであれば(S39:NO)、はずれであることを示す特別図柄(本実施形態では「−−」)が決定される(S46)。時短状態中であれば(S47:YES)、時短状態中且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定され(S48)、時短状態中でなければ(S47:NO)、通常状態且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定される(S49)。
次いで、決定された変動パターンを指定すると共に、特別図柄およびデモ図柄の変動(報知演出の開始)を指示するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S52)。記憶されたコマンドは、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図5参照)において、サブ制御基板58等の他の基板に出力される。次いで、変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S53)。特別図柄が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S54)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図6に示すS32の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄が変動中であると判断された場合には(S32:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S57)。S53(図7参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S57:YES)、特別図柄の変動停止(報知演出の終了)を指示するための特別図柄停止コマンドがRAM52に記憶される(S58)。所定の停止表示時間が、タイマカウンタである特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S59)。特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S60)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S57の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S57:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S33の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄が停止表示中であると判断された場合には(S33:YES)、S59でセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S61)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S61:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S61:YES)、特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S62)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S63)、処理はメイン処理へ戻る。遊技状態移行処理(S63)では、判定結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶される。また、時短状態および確率変動状態の終了条件が満たされていれば、これらの遊技状態が終了し、遊技状態は非時短状態および非確率変動状態へ移行する。
図8を参照して、本実施形態のパチンコ機1が実行する演出モードについて説明する。演出モードとは、報知演出の種別を決定するためのモードである。報知演出の内容(演出時間、演出で報知する大当たり判定の結果等)を示す変動パターンの1つが決定されると、決定された変動パターンが示す報知演出が、その時点で生起されている演出モードに対応させて実行される。例えば、演出モードが変化すると、報知演出中に登場するキャラクタ、背景、予告演出の種類、リーチ演出の種類等が変化する。
本実施形態の演出モードは、通常演出モードと特別演出モードの2つの種別に大別される。通常演出モードは、特別演出モードに比べて実行される頻度が高い演出モードである。特別演出モードでは、判定結果が大当たりの場合に特定の演出が実行され易く、はずれの場合には特定の演出が実行され難い(もしくは、全く実行されない)。つまり、特別演出モードが実行されている場合、実行されている特別演出モードに応じて定められている特定の演出が実行されると、遊技者は大当たりに対する強い期待(もしくは確信)を持てる。
通常演出モードには、モードA、モードB、およびモードCの3つの演出モードが設けられている。モードAでは、ステップアップ予告が実行される頻度が高い。ステップアップ予告とは、所定の態様の予告演出を段階的に変化させることで大当たりの期待度を遊技者に報知する予告方法である。サブ制御基板58は、大当たり判定の結果が大当たりの場合には、はずれの場合に比べてステップアップ予告の段階的な変化を多くする。モードBでは、キャラクタ予告が実行される頻度が高い。キャラクタ予告とは、大当たりの期待度、リーチ演出の有無等に応じたキャラクタ(背景変化等を含む)を表示させる予告方法である。モードCでは、スベリ演出を伴ってリーチ状態となる頻度が高くなる。スベリ演出とは、デモ図柄の少なくとも1つを一旦停止または減速させた後に、再度加速させることで、リーチ演出に移行させる演出である。
特別演出モードには、モードX、モードY、およびモードZの3つの演出モードが設けられている。モードXでは、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合に、ステップアップ予告が実行される頻度が高くなる。判定結果がはずれの場合には、ステップアップ予告は実行され難い。従って、ステップアップ予告が実行されるだけで、遊技者は大当たりに対する強い期待を持てる。同様に、モードYでは、判定結果が大当たりである場合に、キャラクタ予告が実行される頻度が高くなる。よって、キャラクタ予告が実行されるだけで、遊技者は強い期待を持てる。モードZでは、判定結果が大当たりである場合に、スベリ演出を伴ってリーチ状態となる頻度が高くなる。よって、遊技者は、スベリ演出が実行されることを期待して演出に注目する。
特別演出モードが実行されている場合、遊技者は、特定の演出(ステップアップ予告、キャラクタ予告、またはスベリ演出)が実行されるだけで、大当たりに対する強い期待を持つことができる。一方で、特定の演出が実行される頻度は、通常演出モードが実行されている場合に比べて低下する。また、特別演出モードが実行されている場合には、特定の演出が実行されなければ、強い期待を持つことは難しい。従って、遊技者の性格、気分等に応じて、遊技者が特別演出モードを好む度合いは異なる。本実施形態に係るパチンコ機1は、特別演出モードを含む多数の演出モードを遊技者に楽しませつつ、遊技者が所望する演出モードが実行される割合を増やすことができる。以下、処理の詳細について説明する。
図9から図15を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、複数の演出モードのうち、実行する演出モード(以下、「実行モード」という。)が決定され、決定された実行モードに応じて報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581において実行される。
図9に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S71)。受信していない場合(S71:NO)、処理はそのままS73の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S71:YES)、報知演出開始処理が実行されて(S72)、処理はS73の判断へ移行する。報知演出開始処理では、主に、実行モードが継続して実行されている期間を判断するためのパラメータに関する処理と、実行モードおよび変動パターンに応じて報知演出を制御する処理とが行われる。
図10に示すように、報知演出開始処理では、演出モードが変更されたか否かが判断される(S91)。詳細は後述するが、サブ制御基板処理における演出モード決定処理(図15参照)では、実行モードを変更するための処理が行われる。より具体的には、演出モード決定処理では、実行モードを変更する場合、次の実行モードを決定する処理が行われる。演出モード決定処理において、実行モードを変更する処理が行われていなければ(S91:NO)、実行モードの継続回数を計数するための継続回数カウンタに「1」が加算されて(S92)、処理はS96へ移行する。実行モードの継続回数とは、その時点の実行モードが開始されてから、大当たり判定(S38、図7参照)が行われた回数である。継続回数カウンタの値は、実行モードが継続して実行されている期間を示すパラメータの1つとして用いられる。
実行モードを変更する処理が行われている場合(S91:YES)、演出モード決定処理において決定された次の実行モードがRAM582にセットされる(S93)。その時点の実行モードの継続時間を計測するための継続時間カウンタがリセットされて、継続時間カウンタによる時間の計測が開始される(S94)。継続回数カウンタが初期値である「0」にリセットされ、且つ「1」が加算される(S95)。処理はS96へ移行する。
次いで、特別図柄作動保留球数を計数するための保留球数計数カウンタの値から、「1」が減算される(S96)。その時点の実行モードと、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンとに応じて、報知演出が制御される(S97)。例えば、同一の変動パターンが指定されている場合でも、実行モードがモードAであれば、他の演出モードが実行されている場合よりもステップアップ予告が行われる頻度が高くなるように、報知演出が制御される。実行モードがモードZであれば、同一の変動パターンが指定されている場合でも、他の演出モードが実行されている場合に比べて、大当たり時にスベリ演出が実行されやすい(はずれ時には実行され難い)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図9の説明に戻る。変動パターン指定コマンドに関する処理(S71、S72)が終了すると、主基板41から保留球数増加コマンドを受信したか否かが判断される(S73)。受信していなければ(S73:NO)、処理はそのままS75の判断へ移行する。保留球数増加コマンドを受信すると(S73:YES)、保留球数計数カウンタの値に「1」が加算されて(S74)、処理はS75の判断へ移行する。
次いで、特別演出モードが実行中であるか否かが判断される(S75)。前述したように、特別演出モードとは、大当たりの場合に特定の演出が実行され易く、はずれの場合には特定の演出が実行され難い演出モードである(図8参照)。実行モードが特別演出モードのいずれかでなければ(S75:NO)、処理はそのままS79の判断へ移行する。特別演出モードが実行されている場合(S75:YES)、特別演出モード処理が行われて(S76)、処理はS79の判断へ移行する。特別演出モード処理では、主に、遊技者による操作ボタン9の操作に応じて特別演出モードを終了させるための処理が行われる。
図11に示すように、特別演出モード処理では、選択可能状態であることが遊技者に報知されているか否かが判断される(S101)。選択可能状態とは、実行モードを終了させるか否かを遊技者が選択できる状態である。図12に示すように、本実施形態のパチンコ機1は、「ボタンを押したらモードが変わるよ!」のメッセージを含む選択可能状態報知画像29を表示画面28に表示させることで、選択可能状態であることを遊技者に報知する。しかし、選択可能状態であることを報知する方法は適宜変更できる。例えば、音声を用いて報知してもよい。操作ボタン9(図1および図3参照)の内部に設けられたLED等を発光させることで報知してもよい。表示画面28とは異なる表示手段を別に設けて、選択可能状態であることを示す画像を表示してもよい。
選択可能状態であることが報知されていない場合(S101:NO)、特別図柄が非変動中であるか否か、つまり、報知演出が実行されていない状態であるか否かが判断される(S102)。S102では、例えば、保留球数カウンタの値が「0」であり、報知演出が実行されていない状態で所定時間が経過した場合(例えば、デモ画面が表示された場合)に、特別図柄が非変動中であると判断してもよい。報知演出が終了し、且つ保留球数カウンタの値が「0」である時点で、非変動中であると判断してもよい。特別図柄が変動中であれば(S102:NO)、操作ボタン9が所定時間以上押下され続けたか否か(長押しされたか否か)が判断される(S103)。
特別図柄が変動中であり(S102:NO)、且つ、操作ボタン9の長押しも行われていなければ(S103:NO)、継続時間カウンタおよび継続回数カウンタの少なくともいずれかが、設定されている各々の閾値以上であるか否かが判断される(S104)。詳細は後述するが、各カウンタの閾値は、演出モード決定処理(図14参照)において予め設定されている。2つのカウンタの値が共に各々の閾値未満であれば(S104:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理(図9参照)へ戻る。
2つのカウンタの値の少なくともいずれかが閾値以上であれば(S104:YES)、選択可能報知タイミングが到来したか否かが判断される(S105)。選択可能報知タイミングとは、選択可能状態であることを遊技者に報知するタイミング(選択可能状態報知画像29の表示タイミング)である。選択可能報知タイミングは、予め適切なタイミングに設定すればよい。例えば、報知演出の開始時(デモ図柄の変動開始時)等を、予め選択可能報知タイミングに設定しておけばよい。選択可能報知タイミングが到来していなければ(S105:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。選択可能報知タイミングが到来していれば(S105:YES)、選択可能状態報知画像29(図12参照)が表示画面28に表示されて(S106)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。つまり、実行モードが規定時間または規定回数以上継続すると、選択可能状態であることが適切なタイミングで報知される。
また、特別図柄が非変動中である場合(S102:YES)、および、操作ボタン9が長押しされた場合には(S103:YES)、2つのカウンタの値に関わらず、選択可能状態報知画像29が表示画面28に表示される(S106)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。つまり、特定の条件(特別図柄の非変動、または操作ボタン9の長押し)が成立すると、実行モードが継続している度合いに関わらず、選択可能状態であることが報知される。より詳細には、特別図柄が変動していない場合、大当たり判定の結果の報知が未だ完了していない大当たり乱数の数がゼロとなっている。この場合、遊技の状態が停滞しているため、遊技者は実行モードの変更を望んでいる可能性が高い。また、操作ボタン9が長押しされた場合、遊技者が実行モードの変更を強く望んでいる可能性が高い。よって、パチンコ機1は、選択可能状態であることをすぐに報知することで、遊技者の希望に合う演出を実行できる。
選択可能状態であることが報知されている場合(S101:YES)、操作ボタン9が操作されたか否かが判断される(S111)。操作されていない場合(S111:NO)、画像消去タイミングが到来したか否かが判断される(S112)。画像消去タイミングは、予め適切なタイミングに設定すればよい。一例として、操作ボタン9の長押し、または実行モードの継続によって選択可能状態報知画像29が表示された場合、表示時間が所定時間となった時点を画像消去タイミングに設定すればよい。また、特別図柄の非変動によって選択可能状態報知画像29が表示された場合、次に特別図柄の変動が開始する時点を画像消去タイミングに設定すればよい。画像消去タイミングが到来していなければ(S112:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。
画像消去タイミングが到来していれば(S112:YES)、選択可能状態報知画像29が表示画面28から消去される(S115)。実行モードの終了情報(後述する)がRAM582に記憶されて(S116)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。選択可能状態の報知中に操作ボタン9が操作されると(S111:YES)、実行モードを他の演出モードに変更する旨を記憶するために、変更フラグが「ON」とされる(S114)。次いで、選択可能状態報知画像29が消去され(S115)、実行モードの終了情報(後述する)がRAM582に記憶されて(S116)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図13に示すように、RAM582には、実行モードの終了情報および終了頻度が記憶される。終了情報とは、作業者が特別演出モードの各々を自ら終了させたか否かを示す情報である。本実施形態では、モードX,Y,Zの各々に対し、ユーザが特別演出モードを終了させたことを示す「終了」、または、ユーザが特別演出モードを終了させずに継続させたことを示す「継続」が、終了情報として記憶される。詳細には、操作ボタン9が操作されることなく画像消去タイミングが到来した場合(S112:YES)、S116では「継続」が記憶される。選択可能状態の報知中に操作ボタン9が操作されると(S111:YES)、S116では「終了」が記憶される。終了情報は、特別演出モードの各々について、直近の3回分記憶される。
終了頻度とは、作業者が操作ボタン9を操作して実行モード(特別演出モード)を終了させた頻度である。CPU581は、終了情報に基づいて終了頻度を算出する。詳細は後述するが、算出された終了頻度は、継続時間カウンタの閾値、および継続回数カウンタの閾値を決定するために用いられる。本実施形態では、終了頻度には、連続終了回数および終了割合がある。
連続終了回数とは、それぞれの特別演出モードが操作ボタン9の操作に応じて連続して終了した回数である。図13に示す例では、モードYは、直近2回の選択可能状態の報知中に連続して終了している。よって、連続終了回数「2」が算出されている。モードZは、直前の選択可能状態の報知中には終了していないため、連続終了回数「0」が算出されている。
終了割合とは、選択可能状態が遊技者に報知された回数に対する、操作ボタン9の操作に応じて特別演出モードを終了させた回数の割合である。本実施形態では、終了割合は、全ての特別演出モードに関する終了情報に基づいて算出される。図13に示す例では、モードXの終了割合が「3/3」、モードYの終了割合が「2/3」、モードZの終了割合が「1/3」である。よって、全ての特別演出モードの終了割合は「6/9」となる。
なお、終了情報および終了頻度を記憶、算出する方法が変更できることは言うまでも無い。例えば、終了情報は、それぞれの特別演出モードに分けて記憶することで、それぞれの特別演出モードに対する遊技者の趣向を判別することができる。しかし、それぞれの特別演出モードに分けずに終了情報を記憶しても、本発明は実現できる。記憶する終了情報は、直近3回の終了情報に限られない。連続終了回数および終了割合の一方のみを終了頻度として算出しても、本発明は実現できる。連続終了回数は、それぞれの特別演出モードに分けて算出する必要は無い。終了割合は、それぞれの特別演出モードに分けて算出してもよい。
また、パチンコ機1は、RAM582に記憶されている実行モードの終了情報および終了頻度を消去して初期値に戻すことができる。詳細には、パチンコ機1は、遊技が実行されないまま所定時間が経過した場合に、遊技者が交代したと判断し、終了情報および終了頻度を消去して、ROM583に記憶されている初期値に戻す。よって、交代する前の遊技者の好みに合わせて演出が行われる可能性を低下させることができる。なお、遊技者が交代したと判断するための所定時間は、適宜設定できる。例えば、前述したように、報知演出が実行されないまま時間が経過してデモ画面が表示された場合に、選択可能状態報知画像29を表示させることも可能である。この場合、遊技者が交代したと判断するための所定時間は、デモ画面が表示されるまでの時間よりも長い時間に設定するとよい。また、パチンコ機1は、遊技が行われていない間に操作ボタン9の所定の操作が行われた場合、終了情報および終了頻度を初期化する。よって、遊技者は、遊技を開始する際に操作ボタン9を操作することで、前回の遊技者の遊技に応じて記憶された情報を消去させて、自分の好みに合った遊技を行うことができる。
図9の説明に戻る。特別演出モードに関する処理(S75、S76)が終了すると、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S79)。受信していなければ(S79:NO)、処理はそのままS84の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S79:YES)、変動中のデモ図柄を停止させて報知演出を終了させる処理が行われる(S80)。演出モード決定処理が行われて(S81)、処理はS84の判断へ移行する。演出モード決定処理の詳細については、図14および図15を参照して後述する。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S84)。受信していなければ(S84:NO)、処理はそのままS71の判断へ戻る。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S84:YES)、大当たり遊技演出処理が実行されて(S85)、処理はS71の判断へ戻る。
図14を参照して、演出モード決定処理について説明する。まず、変更フラグが「ON」となっているか否かが判断される(S121)。前述したように、選択可能状態報知画像29の表示中に操作ボタン9が操作されると、変更フラグが「ON」とされる(S114、図11参照)。この場合、変更フラグが「OFF」とされた後(S122)、実行していた演出モード以外の演出モードの1つが、次の実行モードとして決定される(S128)。次の実行モードは、所定の規則に従って決定してもよいし、抽選等によって決定してもよい。本実施の形態では、実行していた演出モード以外の演出モードの1つが、所定の確率で抽選される。より具体的には、特別演出モードが抽選される確率が、通常演出モードが抽選される確率よりも低くなるように、抽選確率が設定されている。なお、特別演出モードの次に決定される演出モードは、必ず通常演出モードの中から決定してもよい。これにより、特別演出モードが実行されることの価値を高めることができる。
次いで、S128で決定された演出モードが特別演出モードであるか否かが判断される(S130)。特別演出モードでなく通常演出モードであれば(S130:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。決定された演出モードが特別演出モードであれば(S130:YES)、終了情報によって算出される終了頻度(図13参照)が取得される(S131)。取得された終了頻度に応じて、継続時間カウンタおよび継続回数カウンタの値の閾値が設定される(S132)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図15に示すように、サブ制御基板58のROM583には閾値決定テーブルが記憶されている。閾値決定テーブルでは、連続終了回数および終了割合の各々の値と、継続時間カウンタおよび継続回数カウンタの各々の閾値とが、予め対応付けられている。具体的には、連続終了回数が所定値以上である場合には、所定値未満である場合に比べて閾値が低くなるように、テーブルが作成されている。つまり、連続終了回数が大きい値になる程、継続時間カウンタの閾値および継続回数カウンタの閾値は共に低くなる。同様に、終了割合が高い程、継続時間カウンタの閾値および継続回数カウンタの閾値は共に低くなる。その結果、遊技者が実行モードを終了させる頻度が高い程、選択可能状態の報知が早い段階で行われる(S104、図11参照)。なお、閾値決定テーブルにおいて対応付けられている具体的な値が適宜変更できることは言うまでもない。
図14におけるS132の処理では、連続終了回数によって定まる閾値、および終了割合によって定まる閾値のうち、低い方の閾値が設定される。しかし、閾値の設定方法は変更できる。例えば、連続終了回数および終了割合の一方のみを用いて閾値を設定してもよい。この場合、CPU581の処理負担が低下し、RAM582の記憶領域も圧迫されにくい。連続終了回数および終了割合をランダムに用いて閾値を設定してもよい。
また、演出モード決定処理において、変更フラグが「OFF」とされている場合には(S121:NO)、実行モードが所定時間以上継続しているか否かが判断される(S124)。S124の判断の基準となる所定時間は、選択可能状態であることを報知するか否かの判断(S104、図11参照)の基準となる継続時間よりも長い時間となるように、演出モードの各々に対応付けて設定されている。実行モードが所定時間以上継続していなければ(S124:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。
実行モードが所定時間以上継続している場合(S124:YES)、実行モードを自動的に終了させるか否かを決定するための終了抽選が、所定の確率で行われる(S125)。終了抽選に当選しなければ(S126:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻り、実行モードが継続する。終了抽選に当選すると(S126:YES)、S128〜S132の処理において次の実行モードが決定され、実行モードが自動的に変更される。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1では、実行モードが一定時間継続することを条件として、実行モードを終了させるか否かを選択できる旨(終了可能状態)が遊技者に報知される。遊技者は、一定時間以上行われた実行モードの内容を踏まえて、実行モードを終了させるか否かを選択することができる。従って、本実施形態のパチンコ機1は、多数の演出モードを遊技者に楽しませつつ、遊技者が所望する演出モードが実行される割合を増やすことができる。具体的には、遊技者の興味を惹くことができる演出モードが他に存在しているにも関わらず、特定の演出モードのみが遊技者によって選択され続けることも無い。演出モードを切り替えられることを遊技者が知らないまま遊技が進行することも無い。
本実施形態では、実行モードが一定時間以上継続する前でも、特定の条件が成立すれば、遊技者は操作ボタン9を操作して実行モードを終了させることができる。従って、遊技者は、実行モードの内容を既に知っており、実行モードを終了させたい場合には、特定の条件が成立することで、実行モードが一定時間以上継続する前でも実行モードを強制的に終了させることができる。
具体的には、パチンコ機1は、大当たり判定の結果の報知が未だ完了していない大当たり乱数の数がゼロとなった場合に、終了可能状態である旨を報知する。よって、遊技者は、所望しない演出モードが実行モードとなった場合、遊技の中断等を行って保留球数をゼロとし、判定結果の報知を一旦終了させることで、実行モードを終了させることができる。よって、休憩等を行うだけで、容易に演出モードを切り替えることができる。また、遊技球が特別図柄始動電動役物15に長時間入賞せず、遊技が停滞した場合にも、終了可能状態である旨が報知される。よって、遊技者は、遊技の流れが悪い場合に演出モードを切り替えて気分を変えることができる。
また、パチンコ機1は、操作ボタン9が長押しされた場合に、終了可能状態である旨を遊技者に報知する。よって、遊技者は、実行モードが一定時間継続することを待たずに、容易に実行モードを強制終了させることができる。
本実施形態では、遊技者が実行モードを終了させる頻度が高い程、終了可能状態である旨が早い段階で報知される。つまり、パチンコ機1は、遊技者が実行モードを終了させる頻度に応じて、より最適なタイミングで報知を行うことができる。具体的には、遊技者が特定の演出モードを連続して終了させた場合、遊技者は、その演出モードが実行されることを所望していない可能性が高い。パチンコ機1は、特定の演出モードの連続終了回数が多い程、早い段階で終了可能状態である旨を報知する。一方で、連続終了回数が少なければ、報知のタイミングは遅くなる。従って、パチンコ機1は、遊技者の好みに応じて、より最適なタイミングで終了可能状態である旨を報知することができる。また、パチンコ機1は、終了割合が高くなる程、早い段階で終了可能状態を報知することもできる。終了割合が高い程、遊技者が演出モードを早い段階で変更することを望んでいる可能性が高い。従って、パチンコ機1は、終了割合に応じた最低なタイミングで終了可能状態である旨を報知することができる。
なお、本実施形態において、表示画面28が本発明の「演出実行手段」に相当する。図14のS128で実行モードを決定するCPU581が本発明の「モード決定手段」として機能する。図10のS97で実行モードに応じて報知演出を制御するCPU581が「演出制御手段」として機能する。図10のS92、S94、S95で、実行モードが継続して実行されている時間を示すパラメータ(カウンタの値)を取得するCPU581が、「パラメータ取得手段」として機能する。図11のS104でパラメータが閾値以上となったか否かを判断するCPU581が「閾値判断手段」として機能する。図11のS105で選択可能報知タイミングが到来したか否かを判断するCPU581が「タイミング判断手段」として機能する。図11のS106で選択可能状態報知画像29を表示画面28に表示させるCPU581が「第一報知手段」および「第二報知手段」として機能する。操作ボタン9が「操作手段」に相当する。図11のS114で変更フラグを「ON」とするCPU581が「終了決定手段」として機能する。
図11のS102、S103で特定の条件が成立したか否かを判断するCPU581が「特定条件判断手段」として機能する。図6のS25で乱数を取得するCPU581が「乱数取得手段」として機能する。取得された乱数を記憶するRAM52の大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)が「記憶手段」に相当する。図7のS38で大当たり判定を行うCPU51が「判定手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、上記実施形態では、実行モードが開始された以降に経過した時間(継続時間)と、実行モードが開始された以降に実行された大当たり判定の回数(継続回数)とが、実行モードの継続期間を判断するためのパラメータとして取得される。しかし、他のパラメータを用いることも可能である。例えば、報知演出においてリーチ演出が実行された回数を、実行モードの継続期間を判断するためのパラメータとして取得してもよい。特定のリーチ演出(例えば、大当たりの期待度が高いスーパーリーチ)が実行された場合に、パラメータが閾値以上となったと判断してもよい。普通当たり判定の回数をパラメータとして用いることも可能である。以上のように、実行モードが継続して実行されている期間に得られる種々の遊技情報をパラメータとして用いることができる。なお、リーチ演出とは、複数のデモ図柄の一部を停止させてリーチ状態とした後に行われる、大当たりの可能性があることを示す演出である。
上記実施形態では、継続時間または継続回数が閾値以上となる条件と、選択可能報知タイミングが到来する条件とが共に満たされることで、選択可能状態報知画像29が表示される(図11のS104〜S106参照)。しかし、選択可能状態である旨を報知するための条件を変更してもよい。例えば、パラメータが閾値以上となることのみを条件としてもよい。選択可能タイミングが到来する条件以外の他の条件(例えば、リーチ演出が実行されていないこと)を加えてもよい。
上記実施形態では、選択可能状態報知画像29の表示中に操作ボタン9が操作されると、実行モードが終了して他の演出モードに変更される。しかし、本発明は、操作ボタン9が操作されることを条件に実行モードを延長する場合にも適用できる。この場合、例えば、選択可能状態報知画像29(図12参照)のメッセージを「ボタンを押したらモードを延長できるよ!」等に変更する。そして、図11に示す特別演出モード処理において、操作ボタン9が操作されないまま(S111:NO)、画像消去タイミングが到来した場合に(S112:YES)、変更フラグを「ON」とすればよい。さらに、この場合、操作ボタン9が操作されることを条件として、実行モードの終了抽選を開始するための所定時間(S124、図14参照)を延長してもよい。選択可能状態報知画像29を次に表示させるためのカウンタの閾値を再設定してもよい。以上のように、操作ボタン9が操作されることを条件に実行モードを延長する場合でも、本発明を適用することで、上記実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態では、実行モードを変更することが決定された場合、次の実行モードが自動的に決定される(S128、図14参照)。しかし、次の実行モードを遊技者に選択させることも可能である。例えば、パチンコ機1は、複数の演出モードを次の実行モードの候補として表示画面28に表示し、表示した複数の演出モードの1つを操作ボタン9等によって遊技者に選択させることで、次の実行モードを決定してもよい。また、操作ボタン9以外の操作手段を採用できることは言うまでもない。例えば、十字キー等の他の形状の操作手段を用いてもよいし、トラックボール等も採用することも可能である。
上記実施形態では、実行していた演出モード以外の演出モードの1つが、次の実行モードとして決定される。しかし、所定の条件が成立した場合には、実行していた演出モードと同一の演出モードを次の実行モードとして決定してもよい。例えば、次に実行する変動パターンが、リーチ演出を実行する変動パターンである場合や、大当たりの変動パターンである場合に、実行していた演出モードと同一の演出モードを次の実行モードとしてもよい。これにより、遊技者は、リーチ演出が実行されること、または大当たりであることを、実行モードによって把握することができ、遊技内容がさらに多様化する。
上記実施形態では、特定の条件(図柄の非変動または操作ボタン9の長押し)が成立した場合、実行モードの継続時間を示すパラメータに関わらず、選択可能状態報知画像29が表示される。(S102、S103、図11参照)。しかし、S102、S103の処理を省略し、実行モードがある程度継続した場合にのみ選択可能状態報知画像29を表示させることも可能である。また、図柄の非変動および操作ボタン9の長押し以外の条件を、特定の条件としてもよい。例えば、特定のリーチ演出が実行された場合に、パラメータに関わらず、選択可能状態である旨を報知してもよい。また、所定時間内に操作ボタン9が所定回数以上操作されること(つまり、2度押しや連打)を、特定の条件としてもよい。実行モードを終了させる際に操作されるボタンとは異なるボタンが操作されることを、特定の条件としてもよい。
上記実施形態では、特別図柄およびデモ図柄が非変動となった時点で、選択可能状態報知画像29が表示画面28に表示される(S102、S106、図11参照)。しかし、図柄が非変動となった後、所定時間が経過した時点で選択可能状態報知画像29を表示してもよい。例えば、図柄が非変動となった後、所定時間が経過した時点で、キャラクタの紹介等を行うデモ画像と同時に選択可能状態報知画像29を表示してもよい。
上記実施形態では、複数の特別演出モードの各々における直近3回の終了情報に基づいて、終了割合が算出される。しかし、特別演出モードに関わらず、直近の所定回数(例えば、9回)の報知に対する終了回数の割合を算出してもよい。また、前述したように、連続終了回数および終了割合の一方のみを用いて本発明を実現することも可能である。
上記実施形態では、特別演出モードが実行モードとなった場合のみ、選択可能状態報知画像29が表示されて、操作ボタン9の操作によって実行モードを変更することができる状態となる。しかし、本発明は、複数の演出モードの一部が実行モードとなった場合だけに限られず、全ての演出モードに対して適用することが可能である。