JP2016083199A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 開閉体1aの開閉を検出する監視装置10を備えた遊技機1であって、監視装置10は、遊技機1の電源が遮断される前に、所定の値を示す検出値を取得する第一検出値取得手段と、開閉体1aの開閉にもとづいて、検出値を、所定の値から不定の値に変化させる検出値可変手段20と、遮断されていた電源が投入された後に、検出値を取得する第二検出値取得手段と、第一検出値取得手段で取得された検出値と、第二検出値取得手段で取得された検出値とを比較する判定手段と、所定の条件が成立するまで、開閉体1aが開閉されたことを示す報知を実行する報知手段30とを備えた。
【選択図】 図3
Description
これらのうち、スロットマシンは、複数のリールを回転させることによって所定枚数あるいは多数枚のメダルを獲得できる回胴式遊技機として構成されている。
また、スロットマシンは、リールなどの所定の装置が収納された筐体と、この筐体の前面側に開閉可能に取り付けられた前扉とを備えている。
前扉は、このスロットマシンにおいて設定を変更する場合やメダル詰まり等の異常が発生した場合など、必要なときに遊技場の店員が開閉するようになっている。
ところが、遊技場の営業時間外である夜間などにおいて、そのスロットマシンに不正を目的とした装置や基板などを取り付ける不正行為が発生することがある。このような不正行為を放置しておくと、営業時間中に不正にメダルが払い出されるなどして遊技場が多大な損害を蒙ることになる。
このため、そのような不正行為の発生を検出するために、前扉が開閉したことを検知する検知装置を備えることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
開閉可能な開閉体を備えた遊技機には、スロットマシン、パチンコ機、雀球、アレンジボールなど様々な機類があるが、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
具体的には、図1、図2に示すように、メダル投入口2から実際に投入されるメダルの数(例えば、3枚)、又は内部的に記憶されたクレジットメダルからベットボタン2aの操作によって信号形式で投入されるメダルの数(例えば、3枚)に応じてゲーム開始可能な状態となり、この状態でスタートレバー3が操作(始動操作)されると、複数のリール4(4a〜4c)が回転を開始するとともに、それぞれのリール4a〜4cに対応する停止ボタン5(5a〜5c)が押圧操作されると、スタートレバー3の操作タイミングで行われる抽選処理の抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するように各リール4a〜4cが停止制御され、停止した図柄の組合せに基づいて入賞の有無が判定され、判定結果に応じてメダル払出装置6からメダルが払い出されるという、通常のスロットマシン遊技を実現可能な構成を備えている。
そして、本実施形態のスロットマシン1においては、その前扉1aが開閉したことを検出する監視装置10が備えられている。特に、監視装置10は、スロットマシン1の電源が投入されているときだけでなく、その電源が遮断されている間に行われた前扉1aの開閉についても検出可能となっている。
以下、本実施形態の監視装置10の構成について、図2〜図12を参照しつつ説明する。
監視装置10は、前扉1aが開閉したことを検出するための開閉検出装置である。
この監視装置10は、図2、図3に示すように、前扉1aの開閉にもとづいて動作する検出値可変手段11と、所定の記憶容量を有する記憶部12と、時間を計測する計時部13と、検出値可変手段11の動作にもとづいて変化する検出値を取得する監視制御部14と、前扉1aの開閉にもとづく異常の発生を知らせる報知を制御する副制御部30とを備えている。
第一磁石111は、本発明の開閉体側部材として機能し、開閉体である前扉1aの背面側における所定の位置(図2においては、前扉1aの背面側の上部)に取り付けられている。
レール部材211は、角柱形状の所定の箇所(図4においては、角柱形状の端部)が筐体側装置20のケース25の内側面における所定の箇所に接合されて固定されている。
また、ラック部材212の長手方向の両端のそれぞれには、長手方向に対して直交する方向に延びる支持部214が形成されており、これら二つの支持部214の先端部分のそれぞれがレール部材211の側面部に凹設された細長い溝(図示せず)に嵌合している。
溝は、レール部材211の側面部において当該レール部材211の長手方向に沿って形成されており、この溝に嵌合されたラック部材212が、その溝の長手方向に沿って移動可能となっている。
付勢部材22は、例えばコイルバネなどを用いることができ、一方の端部がケース25に固定され、他方の端部が、ラック部材212の端部うち第二磁石213が設けられている側とは反対側の端部に接続されている。これにより、付勢部材22は、ケース25(ケース25のうち当該付勢部材22が固定された部分)に向かってラック部材212を引っ張る方向に付勢する。
円板231は、円形上面の中心と円形下面の中心とを貫く中心軸234を中心として回転可能に設けられている。この円板231には、回転を開始した当該円板231の回動角度が360°(1周)以内となるようにするための制動部材(図示せず)が付設されている。
このピニオン軸232の周面に施された歯235には、ラック部材212の側面(ラック部材212の表面のうちピニオン軸232に対向する面)に形成された歯215が噛み合うようになっている。
ラック部材212の歯215は、このラック部材212の側面の一部にのみ形成されている。このため、ラック部材212がレール部材211の溝に沿って移動すると、このラック部材212の歯215とピニオン軸232の歯235が噛み合うときと、噛み合わないときがある。これらラック部材212の歯215とピニオン軸232の歯235が噛み合っているときは、ピニオン軸232が取り付けられた円板231の回転が制限されてそれ以上回転しない状態となる。一方、ラック部材212の歯215とピニオン軸232の歯235が噛み合っていないときは、円板231は、回転可能なフリーな状態となる。
この被接触部233は、円板231の円形下面において、中心軸234を中心とする複数の同心円(図4等においては、四つの同心円)に沿って、円弧状に配設されている。
この被接触部233の具体的な構成を、図6を参照して説明する。
円板231の円形下面を複数の扇形で区切ったとき、これら複数の扇形からなる区画ごとに、被接触部233が配設される同心円の組み合わせが異なっている。例えば、円板231の円形下面を16個の扇形で区切って、これらを区画a1〜a16としたとき、区画a1においては、被接触部233が配設されていないが、区画a2においては、複数の同心円のうち最も径の長い円にのみ被接触部233が配設されており、他の円には、被接触部233が配設されていない。また、区画a7においては、複数の同心円のうち二番目に径の長い円と三番目に径の長い円に被接触部233が配設されており、他の円には、被接触部233が配設されていない。
このように、円板231の円形下面においては、扇形の区画ごとに、被接触部233が配設される同心円の組み合わせが異なっている。
この接点部材24は、棒状の先端部から側面部に亘って、導電性材料で形成された接点導体が施されており、円板231の下面に対向配置されたベース部26(図5参照)の上面上に複数配置されている。また、接点部材24は、ベース部26の上面上に配置されるとともに、円板231の下面にて被接触部233が配設されている同心円に対応する位置に配置されている。
ここで、この接点部材24が被接触部233に接触しているときは(図7(iii)に示す「接触」)、接点部材24の接点導体が被接触部233に電気的に接続した状態となる。
一方、接点部材24が被接触部233に接触していないときは(図7(iii)に示す「非接触」)、接点部材24の接点導体が被接触部233に電気的に接続していない状態となる。
筐体側装置20は、筐体1bにおける所定の位置(図2においては、筐体1bの内側上面における前面開口側)に設けられている。また、筐体側装置20は、筐体1bに対して前扉1aが閉じられた状態にあるときに、前扉1aに取り付けられた第一磁石111と当該筐体側装置20の第二磁石213が対向するような位置及び向きで設けられている。
計時部13は、時間を計測する。
監視制御部14は、筐体側装置20に接続されたCPU141などを有する制御手段である。
なお、これら記憶部12、計時部13、監視制御部14は、本実施形態においては、筐体側装置20のケース25の外部に設けることを想定しているが、これら記憶部12等と筐体側装置20とを一つのケースに収納してユニット化することもできる。この場合、異常の発生を報知するためのスピーカ等も当該ケースに内蔵することができる。
次に、前扉1aの開閉に伴う検出値可変手段11の動作について説明する。
(1)筐体1bに対して前扉1aが開いた状態となっている場合
この場合、第一磁石111と第二磁石213が十分に離間した状態となっている。このため、第一磁石111の周囲に生じている磁界は、第二磁石213を引き付けるほどの磁気的な作用を第二磁石213に及ぼさない。
また、第二磁石213が接合されたラック部材212は、レール部材211の溝に沿って移動可能となっており、付勢部材22により、所定の力で引っ張られた状態となっている。このため、ラック部材212と第二磁石213は、付勢部材22が引っ張る方向へ移動する。
この引っ張る方向は、仮に筐体1bに対して前扉1aが閉じた状態であるときにこの前扉1aに向かう方向とは反対の方向となっている。
さらに、ラック部材212には、側面の一部に歯215が形成されているが、付勢部材22により引っ張られた状態においては、ラック部材212の歯215とピニオン軸232の歯235が噛み合わない状態となっている。
この場合、図7(i)に示すように、第一磁石111と第二磁石213が互いに接近した状態となる。
ここで、第一磁石111と第二磁石213は、対向する極が異なる極性となるように配置されている。例えば、第一磁石111のN極と第二磁石213のS極が対向するような向きでそれぞれ前扉1aと筐体1bに配置されている。
このため、筐体1bに対して前扉1aが閉じられた状態においては、それら第一磁石111と第二磁石213との間に磁気的に引力が生じて引き合う。これにより、第一磁石111と第二磁石213が互いに接近する。
この場合、それまで接近していた第一磁石111と第二磁石213が急激に離間する(図7(ii)参照)。これにより、第一磁石111と第二磁石213との間に生じていた磁気的な作用(引力)が、第一磁石111と第二磁石213のそれぞれにおいて低減する。そして、第二磁石213に作用していた引力は、付勢部材22がラック部材212を引く力よりも小さくなる。
そうすると、第二磁石213及びこれが接合されたラック部材212は、付勢部材22による付勢により、レール部材211の溝に沿って、第一磁石111から離間する方向へ移動する。
また、ラック部材212の歯215とピニオン軸232の歯235は、それまで噛み合っていたが、ラック部材212の移動に伴ってその噛み合った状態が解除される。ただし、噛み合った状態が解除されるまでの間は、それらラック部材212の歯215とピニオン軸232の歯235が噛み合った状態でラック部材212が移動するので、この移動に伴ってピニオン軸232が回転し、円板231が回転する。
また、円板231は、慣性により回転した後に停止する位置が、回転前に停止していた位置と異なる位置となる。このように回転前と回転後で停止位置が異なる理由は、次の通りである。慣性による円板231の回転の初速度は、この円板231及びピニオン軸232を回転させるラック部材212の移動速度(付勢部材22により引っ張られて移動するラック部材212の移動速度)に比例するものであり、この移動速度は、ラック部材212及びこれに接合された第二磁石213を引き付ける第一磁石111が取り付けられている前扉1aが開けられるときの速度(例えば、勢いよく開けられたときの前扉1aの移動速度、あるいは、ゆっくり開けられたときの前扉1aの移動速度)によって異なるためである。
この場合、図7(iii)に示すように、第一磁石111と第二磁石213との間に磁気的に引力が作用して、これらが引き合い、第二磁石213とラック部材212は、第一磁石111に接近する方向へ移動する。
また、ラック部材212が第一磁石111に接近する方向へ移動すると、このラック部材212の歯215がピニオン軸232の歯235に噛み合うようになる。
これにより、ピニオン軸232と円板231は、回転が規制される。
次に、監視制御部14の機能について説明する。
監視制御部14の機能に関する次の事項について順に説明する。
(1)検出値の特定
(2)電源断時における前扉1aの開閉の有無の判定
(3)監視期間における前扉1aの開閉の有無の判定
監視制御部14は、本発明の検出値特定部として機能し、複数の被接触部233と複数の接点部材24との接触又は非接触の組み合わせにもとづいて検出値を特定する。
この検出値を特定する方法を説明するために、監視制御部14と筐体側装置20に配設された電気回路の構成を図8に示す。
配線27のそれぞれには、抵抗28を介して、電源電圧が供給されている。
また、円板231の被接触部233は、接地されている。
CPU141は、入力した電圧の電圧値が所定値以上となっているので、この接点部材24に対応する検出値の桁を「0」とする。
一方、接点部材24の接点導体が円板231の被接触部233に接触しており(図7(iii)の「接触」を参照)、電気的に接続されているとき、この接点部材24の接点導体に接続された配線27に印加された電源電圧にもとづく電流は、被接触部233を通して接地へ流れる。
CPU141は、入力した電圧の電圧値が所定値以下となっているので、この接点部材24に対応する検出値の桁を「1」とする。
そして、CPU141は、四つの接点部材24のそれぞれについて値を特定すると、これら四つの値の組み合わせを検出値として特定する。
これにより、検出値は、2進数で示される四桁の数値となる。この検出値が示す数値を図9に示す。
図9に示すように、検出値は、複数の接点部材24a〜24dと複数の被接触部233a〜233dとの接触状態(接触しているか否かの状態)の組み合わせを2進数表示したものである。また、検出値は、四桁の2進数の数値であるので、「0」と「1」とを組み合わせた16個のパターンのうちのいずれかの数値として示される。
しかも、このように回転前の停止位置と回転後の停止位置が異なることから、円板231は、回転するたびに停止位置が異なる。そうすると、複数の接点部材24a〜24dと複数の被接触部233a〜233dとの接触状態の組み合わせも、円板231が回転するたびに異なるようになる。
これにより、その接触状態の組み合わせによって特定される検出値は、円板231が回転するたびに異なる不定の値となる。
監視制御部14は、スロットマシン1に電源が供給されている電源供給時には、所定の時間間隔で、検出値を取得する。また、監視制御部14は、スロットマシン1に電源が供給されていない電源断の状態の後、その電源が投入されると、投入直後に検出値を取得する。そして、電源断前の検出値と電源投入後の検出値とを比較することにより、電源断中における前扉1aの開閉の有無を判定する。
監視制御部14は、本発明の第一検出値取得手段として動作し、電源供給時において、所定の時間間隔で検出値取得手段11の筐体側装置20から検出値を取得し、記憶部12に記憶させる。そして、監視制御部14は、電源供給時においては、検出値を取得するたびに、記憶部12に記憶されている検出値を更新する。これにより、電源が遮断され、この電源が投入された直後には、電源断直前の検出値が記憶部12に記憶されていることになる。
続いて、監視制御部14は、本発明の判定手段として動作し、電源投入後に取得した検出値と記憶部12に記憶されている検出値とを比較する。
そして、電源投入後に取得した検出値と記憶部12に記憶されている検出値が同じ値であるときは、監視制御部14は、電源断時において前扉1aの開閉がなかったと判定する。
一方、電源投入後に取得した検出値と記憶部12に記憶されている検出値が異なる値であるときは、監視制御部14は、電源断時において前扉1aの開閉があったと判定する。
監視制御部14が電源供給時において取得した検出値のうち、電源断の直前に取得されて記憶部12に記憶された検出値が、「0000」であったとする。この場合、検出値取得手段11の筐体側装置20が示している検出値は、その記憶部12に記憶されている検出値と同じ「0000」である。
電源断中において、不正行為が発生しておらず、前扉1aの開閉がなかったとき、筐体側装置20は、検出値として「0000」を示す状態で維持される。また、記憶部12には、「0000」を示す検出値が記憶されている。
このため、電源投入後に、監視制御部14が当該電源投入後に取得した検出値と記憶部12に記憶されている検出値とを比較すると、これらは同じ値を示すので、電源断中において前扉1aの開閉がなかったと判定できる。
このため、電源投入後に、監視制御部14が当該電源投入後に取得した検出値と記憶部12に記憶されていた検出値とを比較すると、これらは異なる値を示すので、電源断中において前扉1aの開閉があったと判定できる。
(2)では、監視制御部14が電源断前に取得した検出値と電源投入後に取得した検出値とを比較することで、電源断中における前扉1aの開閉の有無を判定する方法について説明した。
この(3)では、予め設定した監視期間中における前扉1aの開閉の有無を判定する方法について説明する。
このように、監視期間の監視開始時刻と監視終了時刻が記憶部12に記憶されることで、これら監視開始時刻と監視終了時刻が設定される。また、監視開始時刻から監視終了時刻までの期間が監視期間として設定される。
なお、監視開始時刻は、スロットマシン1の電源が遮断される時刻として設定することができる。また、監視終了時刻は、電源が遮断されていたスロットマシン1の電源を投入する時刻として設定することができる。
また、監視制御部14は、監視終了時刻に検出値を取得する。さらに、監視制御部14は、検出値を取得した時刻を電源ON時刻として特定する。そして、これら検出値と電源ON時刻を関連付けて記憶部12に記憶させる。
さらに、監視制御部14は、監視開始時刻における検出値と監視終了時刻における検出値とを比較することにより、監視期間中における前扉1aの開閉の有無を判定する。
監視制御部14は、計時部13から現在の時刻を取得し、この現在の時刻が監視開始時刻に達したか否かを判断する。そして、現在の時刻が監視開始時刻に達したときは、監視制御部14は、筐体側装置20から検出値を取得して、記憶部12に記憶させる。また、監視制御部14は、検出値を取得した時刻を電源OFF時刻として特定する。そして、この電源OFF時刻を検出値と関連付けて記憶部12に記憶させる。
次いで、監視制御部14は、電源が投入された後、現在の時刻が監視終了時刻に達しているときは、筐体側装置20から検出値を取得して、記憶部12に記憶させる。また、監視制御部14は、検出値を取得した時刻を電源ON時刻として特定する。そして、この電源ON時刻を検出値と関連付けて記憶部12に記憶させる。
そして、監視開始時刻における検出値と監視終了時刻における検出値が同じ値であるときは、監視制御部14は、監視期間中において前扉1aの開閉がなかったと判定する。
一方、監視開始時刻における検出値と監視終了時刻における検出値が異なる値であるときは、監視制御部14は、監視期間中において前扉1aの開閉があったと判定する。
副制御部30は、その異常発生信号を入力すると、異常が発生したことを知らせる報知を所定の装置に実行させる。
次に、副制御部30における報知機能について説明する。
副制御部30は、本発明の報知手段として機能し、監視制御部14から送られてきた異常発生信号を入力すると、異常が発生したことを示す報知を所定の装置、例えば、液晶表示器8やスピーカ9などに実行させる。
この報知には、例えば、異常の発生を示す文字や図形等を液晶表示器8に表示させることや、スピーカ9に警報音を出力させることなどがある。
(1)報知の継続時間が所定時間に達したこと
(2)遊技機が設置された遊技場の店員が所定の操作を実行したこと
(3)所定の時刻又は所定の時間帯に報知を実行したこと
(4)遊技機が設置された遊技場の店員が所定の時刻に所定の操作を実行したこと
副制御部30は、これら条件のうち設定された条件が成立したときに、実行していた報知を終了する。
これらの条件について順に説明する。
例えば、報知の実行を継続する時間の上限を報知継続上限時間として所定の記憶部に記憶させておく。
副制御部30は、報知を開始すると、この開始時点から当該報知の継続時間の計時を開始する。
そして、この継続時間と報知継続上限時間とを比較し、継続時間が報知継続上限時間に到達した時点で、報知を終了する。
例えば、店員が実行する所定の操作のうちの一つを報知終了操作として記憶部に記憶させておく。例えば、RAMクリアボタンの操作を報知終了操作とすることができる。
副制御部30は、報知を開始した後、報知終了操作が実行されたか否かを判断する。
報知終了操作が実行されていない間は、報知を継続する。
そして、報知終了操作が実行されたことを検知すると、この報知を終了する。
例えば、報知を実行する時刻を報知実行時刻として記憶部に記憶させておく。あるいは、報知を実行する時間帯を報知実行時間帯として記憶部に記憶させておく。報知実行時刻は、例えば、「09:00」などのような時刻とすることができる。また、報知実行時間帯は、例えば、「09:00〜09:10」などのような時間帯とすることができる。
副制御部30は、異常発生信号を入力した後、現在の時刻を計時部13から取得し、この現在の時刻が報知実行時刻又は報知実行時間帯に達したか否かを判断する。
現在の時刻が報知実行時刻又は報知実行時間帯に達していないときは、報知を実行しない。
一方、現在の時刻が報知実行時刻又は報知実行時間帯に達したときは、報知を実行する。
そして、所定時間経過後、その報知を終了する。
例えば、店員が実行する所定の操作のうちの一つを報知終了操作として記憶部に記憶させておく。また、その報知終了操作を実行する時間帯を操作実行時間帯として記憶部に記憶させておく。
副制御部30は、報知を開始した後、報知終了操作が実行されたか否かを判断する。
報知終了操作が実行されていない間は、報知を継続する。
一方、報知終了操作が実行されたことを検知すると、この報知終了操作が操作実行時間帯の時間内で行われたものか否かを判断する。
その報知終了操作が操作実行時間帯の時間内で行われたものでないときは、報知を継続する。
一方、その報知終了操作が操作実行時間帯の時間内で行われたものであるときは、この報知を終了する。
例えば、スロットマシン1の電源断中に、前扉1aの開閉を伴う不正行為が発生した場合、筐体側装置20の示す検出値が不定の値に変化する。そして、スロットマシン1の電源を投入したとき、監視制御部14は、その検出値の変化にもとづいて異常の発生を検出し、副制御部30は、異常の発生を知らせる報知を実行する。
この異常発生の報知は、遊技場の店員に対して異常の発生を知らせるためのものであり、この実行された報知を知ることで、店員は、発生した異常に対応できる。
不正行為者は、営業時間外である夜間などにおいて、前扉1aの開閉を伴う不正行為を実行し、故意にスロットマシン1の電源を投入し、副制御部30に異常の発生を知らせる報知を意図的に実行させる。そして、その電源を遮断することで、その報知を終了させる。これにより、副制御部30は、その後に報知を実行しなくなる。
翌営業日の営業時間前において、店員がスロットマシン1の電源を投入したとき、その不正行為の発生に伴って本来報知されるべきところ、副制御部30は、既に報知を行っているので、店員に対する報知を実行しなくなる。
そうすると、店員は、夜間に不正行為が発生したことを知ることができなくなり、適切な対応をとることができなくなる。
例えば、所定の条件として(1)を設定した場合において、報知継続上限時間を比較的長い時間で設定したとき、不正行為者がスロットマシン1の電源を投入して遮断した後も、報知の継続時間が報知継続上限時間に達しないので、翌営業日の営業時間前において、店員がスロットマシン1の電源を投入したときに、その報知を実行させることができる。これにより、店員は、夜間に不正行為が発生したことを知ることができる。
また、所定の条件として(2)を設定した場合、店員が報知終了操作を実行するまでは、その報知が継続して実行される。つまり、不正行為者が電源を投入して遮断することにより一旦報知が終了するものの、営業開始前に店員が電源を投入するによりその報知が再開され、店員が報知終了操作を実行するまでは、その報知が継続して実行されるので、この店員は、夜間に不正行為が発生したことを知ることができる。
そして、所定の条件として(4)を設定した場合において、操作実行時間帯を営業時間内あるいは営業時間開始前の時間に設定したとき、仮に不正行為者が夜間に報知終了操作を実行したとしても、この操作は、操作実行時間帯以外の時刻に行われたものであるので、翌営業日の営業時間前において、店員がスロットマシン1の電源を投入したときに、その報知を実行させることができる。これにより、店員は、夜間に不正行為が発生したことを知ることができる。
次に、前扉1aの開閉を検出する方法である開閉監視方法について、図10〜図12を参照して説明する。
前提として、スロットマシン1の電源装置7のスイッチは、常にONの状態となっているものとする。
また、スロットマシン1の電源装置7は、他のスロットマシン1とともに集中管理されているものとする。
このとき、記憶部12に記憶されている検出値は、それまで所定時間間隔で更新されてきたものであるので、スロットマシン1の電源がOFFになった後の電源断中に記憶部12に記憶されている検出値は、スロットマシン1の電源がONになっていた間において最後に記憶された検出値であり、そのスロットマシン1の電源がOFFになった時点での検出値となる。
なお、ここでは、電源OFF時刻における検出値を、「0000」とする。
なお、ここでは、変化後の検出値を、「0010」とする。
そして、監視制御部14は、これら電源ON時刻における検出値と電源OFF時刻における検出値とを比較し(S17)、この比較の結果にもとづいて電源断中における前扉1aの開閉の有無を判定する(S18)。
既述した具体例では、電源OFF時刻における検出値が「0000」であり、電源ON時刻における検出値が「0010」となっている。
このように、これら検出値が相違したとき、監視制御部14は、電源断中において前扉1aの開閉があり、異常が発生したと判定する。
既述した具体例では、電源OFF時刻における検出値が「0000」であり、電源ON時刻における検出値も「0000」となる。
このように、これら検出値が同じであるとき、監視制御部14は、電源断中において前扉1aの開閉がなかったと判定する。
副制御部30のCPUは、異常発生信号を入力すると、異常が発生したことを知らせる報知を所定の装置に実行させる(S19)。この報知には、例えば、液晶表示器8における異常の発生を知らせる文字等の表示、スピーカ9からの警報音の出力などがある。
監視装置10の記憶部12には、監視期間の監視開始時刻と監視終了時刻が、予め記憶されている。この記憶により、これら監視開始時刻と監視終了時刻が設定される(図11のS20)。
さらに、監視制御部14は、筐体側装置20から取得した検出値にもとづいて前扉1aの閉状態を検出すると、この検出した時刻を計時部13から取得し、この時刻を閉時刻として記憶部12に記憶させる。また、監視制御部14は、前扉1aの閉状態を検出したときの検出値を、閉時刻に関連付けて記憶部12に記憶させる。
なお、これら記憶部12に記憶させた開時刻、閉時刻、検出値の例を、図12(i)、(ii)に示す。
なお、これら記憶部12に記憶させた電源OFF時刻と検出値の例を、図12(iii)に示す。ここでは、電源OFF時刻を「24:00」とし、この電源OFF時刻における検出値を、「0000」とする。
なお、これら記憶部12に記憶させた電源ON時刻と検出値の例を、図12(iv)に示す。ここでは、電源ON時刻を「03:00」とし、この電源ON時刻における検出値を、「0000」とする。
さらに、監視制御部14は、筐体側装置20の示す検出値を取得する。ここで、この検出値が不定の値に変化しているので、監視制御部14は、前扉1aが開放されたと判定する。
そして、監視制御部14は、この前扉1aの開放を検出した時刻を計時部13から取得し、この時刻を開時刻とし、この開時刻と検出値とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
なお、これら記憶部12に記憶させた開時刻と検出値の例を、図12(v)に示す。ここでは、開時刻を「03:05」とし、この開時刻における検出値を、「0110」とする。
さらに、監視制御部14は、筐体側装置20の示す検出値を取得する。ここで、この検出値が不定の値に変化しているので、監視制御部14は、前扉1aが閉状態になったと判定する。
そして、監視制御部14は、この前扉1aの閉状態を検出した時刻を計時部13から取得し、この時刻を閉時刻とし、この閉時刻と検出値とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
なお、これら記憶部12に記憶させた閉時刻と検出値の例を、図12(vi)に示す。ここでは、閉時刻を「03:10」とし、この閉時刻における検出値を、「0010」とする。
また、監視制御部14は、筐体側装置20の示す検出値を、電源ON時刻における検出値として取得する。
さらに、監視制御部14は、記憶部12に記憶されている検出値を電源OFF時刻における検出値として取得する。
そして、監視制御部14は、これら電源ON時刻における検出値と電源OFF時刻における検出値とを比較し(S30)、この比較の結果にもとづいて監視期間内における前扉1aの開閉の有無を判定する(S31)。
副制御部30のCPUは、異常発生信号を入力すると、異常が発生したことを知らせる報知を所定の装置に実行させる(S32)。
さらに、本実施形態の遊技機は、特許文献1として挙げた特開2009−136443号公報に開示の監視装置のように単純な開放回数を検知するものではなく、検出値を不定の値に変化させ、この変化した検出値にもとづいて夜間等における異常の発生を検出することとしたため、変化前の検出値の把握が困難となり、不正行為者による検出状態の改ざんを困難なものとすることができる。
例えば、上述した実施形態においては、本発明を適用可能な遊技機の例としてスロットマシンを挙げたが、遊技機は、スロットマシンに限るものではなく、所定の支持対象に対して開閉可能に取り付けられた開閉体の開閉を備えた遊技機、例えば、パチンコ機、雀球、アレンジボールなどであってもよい。また、スロットマシンの場合は、封入式のスロットマシンであってもよい。
さらに、上述した実施形態においては、監視期間の監視開始時刻をスロットマシンの電源を遮断する時刻とし、監視終了時刻をスロットマシンの電源を投入する時刻としたが、監視開始時刻と監視終了時刻は、これらの時刻に限るものではなく、任意の時刻を設定することができる。
さらに、監視装置は、図3に示す構成に代えて、図13に示すように、磁気式カウンタを備えた構成とすることができる。この磁気式カウンタは、磁石が近づいたときにカウント値を「1」上げる仕組みになっている。このような監視装置を備えるとともに、遊技場の店員が、閉店後と、翌営業日の開店前に、磁気式カウンタのカウント値を視認することにより、このカウント値が変化していれば、電源断中に前扉が開閉されたものと判断できる。
ところが、このようにバックアップ電源が切れてしまうほど長期間倉庫に仕舞われていた遊技機において、異常発生を知らせる報知を実行しても、あまり意味がない。
そこで、バックアップ電源が切れた場合は、異常発生の報知を行わないようにすることができる。
1a 前扉(開閉体)
1b 筐体(支持対象)
10 監視装置
11 検出値可変手段
111 第一磁石(開閉体側部材)
12 記憶部(設定手段)
14 監視制御部(第一検出値取得手段、第二検出値取得手段、判定手段)
20 筐体側装置
21 支持対象側部材
23 回転体
233 被接触部
24 接点部材
30 副制御部(報知手段)
Claims (6)
- 所定の支持対象に対して開閉可能に取り付けられた開閉体の開閉を検出する監視装置を備えた遊技機であって、
前記監視装置は、
前記遊技機の電源が遮断される前に、所定の値を示す検出値を取得する第一検出値取得手段と、
前記開閉体の開閉にもとづいて、前記検出値を、前記所定の値から不定の値に変化させる検出値可変手段と、
遮断されていた前記電源が投入された後に、前記検出値を取得する第二検出値取得手段と、
前記第一検出値取得手段で取得された前記検出値と、前記第二検出値取得手段で取得された前記検出値とを比較し、これら検出値が異なると、前記電源の遮断中に前記開閉体が開閉したと判定する判定手段と、
前記電源の遮断中に前記開閉体が開閉したと判定されると、所定の条件が成立するまで、前記開閉体が開閉されたことを示す報知を実行する報知手段とを備えた
ことを特徴とする遊技機。 - 前記第一検出値取得手段が前記検出値を取得する時刻を監視開始時刻として設定するとともに、前記第二検出値取得手段が前記検出値を取得する時刻を監視終了時刻として設定する設定手段を備え、
前記判定手段は、遮断されていた前記電源が投入された後に、前記第一検出値取得手段で取得された前記検出値と、前記第二検出値取得手段で取得された前記検出値とを比較することにより、前記監視開始時刻から前記監視終了時刻までの期間である監視期間中に前記開閉体が開閉したことを検出する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 前記報知手段が前記報知を終了させる条件である前記所定の条件は、当該報知手段による報知の継続時間が所定時間に達したことを含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。 - 前記報知手段が前記報知を終了させる条件である前記所定の条件は、前記遊技機が設置された遊技場の店員が所定の操作を実行したことを含む
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。 - 前記報知手段が前記報知を終了させる条件である前記所定の条件は、
前記遊技機が設置された遊技場の店員が所定の時刻に所定の操作を実行したこと、又は、前記報知手段が所定の時刻若しくは所定の時間帯に報知を実行したこと、のうちの少なくともいずれか一方を含む
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。 - 前記検出値可変手段は、
前記開閉体に取り付けられる開閉体側部材と、
前記支持対象に取り付けられる支持対象側部材と、
円板状の回転体と、
この回転体の表面に設けられた複数の被接触部のいずれかに接触又は非接触する複数の接点部材と、を備え、
前記支持対象側部材は、
前記開閉体が前記支持対象に対して閉じた状態では、接近する前記開閉体側部材との間に生じた磁気的作用により、前記開閉体側部材に近づく方向へ移動し、
前記開閉体が前記支持対象に対して開いた状態では、前記開閉体側部材から離れる方向に移動し、
前記回転体は、
前記支持対象側部材が前記開閉体側部材に近づく方向又は前記開閉体側部材から離れる方向に移動することに伴って回転するとともに、回転後は、回転前に停止していた位置と異なる位置に停止し、
前記複数の接点部材は、回転前と回転後の前記回転体の停止位置の相違にもとづいて、回転前に接触していた前記被接触部とは異なる被接触部に接触し、
前記第一検出値取得手段及び前記第二検出値取得手段は、前記複数の被接触部と前記複数の接点部材との接触又は非接触の組み合わせにもとづいて前記検出値を特定する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遊技機。
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