JP2016083094A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】演出をより楽しむことが可能な遊技機を提供する。【解決手段】可動体移動装置600は、収容部700に対して移動可能な可動体601及び可動体610と、可動体601,610の移動に用いられる移動機構と、を備えている。可動体601及び可動体610が(a)に示す収容部700に収容された収容状態から、可動体601が上昇動作すると、(b)に示すように収容部700の上蓋よりも上方に突出する突出状態に移行する。そして、(c)に示すように、収容状態の可動体610が上昇動作して収容部700の上蓋よりも上方に突出する突出状態に移行する。これにより、可動体601及び可動体610は共に突出状態になる。その後、可動体610は、正面視で左方向に移動して可動体601に接近し、(d)に示すように、合体する。【選択図】図35−2

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
近年、遊技店内の遊技島に固定される正面視で矩形状の外枠と、その外枠の前面側に開閉可能に取り付けられ且つ遊技盤を保持する内枠とを備えた遊技機において、内枠に配設した装飾表示部によって装飾表示効果を向上させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、以下のような遊技機が記載されている。すなわち、内枠の前面部に設けられたガラス扉の前面側に突出形成されて装飾表示を行う装飾パネル部(装飾表示部)を備え、この装飾パネル部は、当該装飾パネル部のその突出方向を奥行き幅とする突出外面(右透明カバー)を通して視認可能に配置された装飾パネルを備える。
特開2013−220208号公報
ここで、従来の遊技機による演出よりもさらに楽しい演出を実現すれば、遊技機の商品価値が高まる。
本発明は、演出をより楽しむことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明が適用される遊技機は、演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、第1の演出部および第2の演出部(例えば可動体601,610)と、筐体(例えば枠部材150)に収容される前記第1の演出部および前記第2の演出部(例えば可動体601,610)を、前記筐体(例えば枠部材150)の外に出現させる出現手段(例えば移動機構602)と、前記出現手段(例えば移動機構602)により前記第1の演出部および前記第2の演出部(例えば可動体601,610)が出現する場合、前記第1の演出部と前記第2の演出部(例えば可動体601,610)とを含む有意の集合体が形成されるように変位させる変位手段(例えば移動機構602)と、を備えることを特徴とするものである。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、演出をより楽しむことが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。 コマンドの構成を示す図であり、(a)はコマンドのデータ構造を示す図であり、(b)はコマンドのビット列としての構造を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図20の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図20の当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は事前判定処理での大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)は事前判定処理でのリーチ乱数の構成例を示す図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。 枠部材の構成を説明する斜視図である。 透明板保持枠を、外枠および遊技盤保持枠に対して回転させて開けた状態を示す図である。 第1の構成に係る可動体移動装置を説明する概略図である。 第2の構成に係る可動体移動装置を説明する概略図である。 第3の構成に係る可動体移動装置を説明する概略図である。 可動体移動装置の移動機構の一例を説明する図である。 可動体移動装置の移動機構の一例を説明する図である。 可動体移動装置の移動機構の一例を説明する図である。 可動体移動装置の移動機構の一例を説明する図である。 本実施形態の演出制御ユニットのハードウェア構成を示す図である。 ランプ制御部による動作確認処理の動作を示すフローチャートである。 ランプ制御部による初期位置復帰処理の動作を示すフローチャートである。 可動体の左右方向の移動操作例を説明する図である。 可動体の左右方向の別の移動操作例を説明する図である。 演出例を説明する図である。 他の演出例を説明する図である。 可動体移動装置の変形例を説明する図である。 可動体移動装置の他の変形例を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図5−1は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の内部状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S102でYes)、バックアップフラグがOFF(S103でNo)、チェックサムが異常(S104でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S106)、RAM203の作業領域を設定する(S107)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S108)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、313、323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S105参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S108参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S109)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S110)、割り込み禁止(S111)、図柄乱数制御処理(S112)、初期値乱数更新処理(S113)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S114)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S110〜S114)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図5−2は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図5−3は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図7に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S502からS504までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S505の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S502〜S505の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330へ出力する。
本実施の形態では、図5−3に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS502〜S505の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、電源投入時に行われる初期動作等の特別処理であり、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力するためである。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちS605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。S605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S611)。この事前判定処理の内容は、上記のS605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。S611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
S704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、S703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S803〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開始コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS604またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS604またはS610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のS902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1001)。そして、大当たりだった場合(S1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1002)。
一方、大当たりしなかった場合(S1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS604またはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1005)。また、リーチ演出を行わない場合(S1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS604またはS610で取得した変動パターン乱数値およびS1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1008)。S1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1111またはS1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選したか否かは、図7のS704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1308)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5−3に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1001でYesの場合)の変動パターンとして、3種類の変動パターンA〜Cが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1001でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、6種類の変動パターンD〜Iが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、変動パターンDが60秒、変動パターンEが30秒、変動パターンFが15秒、変動パターンGが13秒、変動パターンHが7秒、変動パターンIが3秒にそれぞれ設定されている。すなわち、特別図柄の変動パターンは、特別図柄抽選における判定結果および特別図柄の変動時間を定める。
また、変動パターンD〜Fは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1004でYesの場合)に選択される変動パターンであり、変動パターンG〜Iは、リーチ演出が行われない場合(図10のS1004でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Cが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
さらに、変動パターンG〜Iのうち、変動パターンGは保留数が0個であるとき、変動パターンHは保留数が1個または2個であるとき、変動パターンIは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、特別図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図6のS604、S610参照)と、図18の設定例に示す判定結果、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
なお、図示はしていないが、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Cのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、最も低い割合で変動パターンCが選択されるように設定することができる。
また、図18に示した例では、遊技球が第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とを区別していないが、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞したかに応じて変動パターンの設定を異ならせることもできる。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図19−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図19−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図19−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図19−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−2は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−2(a)に示すメイン処理と、図19−2(b)に示す割り込み処理とからなる。図19−2(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19−2(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(S2001)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S612)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(S2001でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(S2002)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(S2003)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(S2001でNo)、またはS2003の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2004)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2004でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2005)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(S2001およびS2004でNo)、またはS2005の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2006)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S814)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2006でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2007)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2004およびS2006でNo)、またはS2007の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2008)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2008でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(S2009)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006およびS2008でNo)、またはS2009の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2010)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(S1413)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2010でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2011)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006、S2008およびS2010でNo)、またはS2011のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2012)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2005)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(S2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2202)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2203)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(S2204)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(S2205)。
詳述しないが、S2204における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図19−2のS1903において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2007)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(S2303)。何らかの当たりである場合は(S2303でYes)、その当たりの種類に応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(S2303でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の当たり演出選択処理(S2009)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2011)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2012)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19−2(b)のS1912)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19−2(b)のコマンド送信処理(S1913)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図8のS808、S809参照)に先立って、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う(図6のS605、S611参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、大当たりに当選した際の変動回数Nが記憶される領域と、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、を有する。また、記憶部204a〜204hの各々は、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数およびリーチ乱数が記憶される。また、記憶部204a〜204hの各々は、事前判定情報が記憶される領域を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S611参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hのいずれにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図29(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して後述する先読み結果の報知コマンドの有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のS605、S611および後述の図30参照)が行われ、3番目の保留球に対して報知コマンドがセットされた場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において保留球に関して、事前判定の結果を含む情報(保留球情報)を記憶する保留球情報記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、大当たり抽選を行う抽選手段であり、事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための予告演出を行う演出制御手段である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図30は、本実施の形態における事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。図30(a)には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、図30(b)には事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例、図30(c)には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図30(a)を参照すると、事前判定処理での大当たり乱数は、図17(a)に示した大当たり判定処理における大当たり乱数と同様の構成となっている。すなわち、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類が設定されている。乱数の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。事前判定における当選確率は、低確率状態では1/300であり、高確率状態では10/300(=1/30)である。
また、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定についても、図17(a)に示した乱数と同様の構成となっている。すなわち、小当たりの当選確率は、低確率状態か高確率状態かに関わらず、3/300(=1/100)である。
図30(b)を参照すると、事前判定処理での大当たり図柄乱数は、図17(b)に示した大当たり判定処理における大当たり図柄乱数と同様の構成となっている。すなわち、第1始動口121に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たり、潜確図柄の大当たりの5種類が用意されている。また、第2始動口122に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たりの4種類が用意されている。
乱数値の範囲は、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞した場合も0〜249の250個である。また、高確率図柄Aおよび高確率図柄Bについては、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とで異なる当選値が設定されており、当選確率が異なっている。
図30(c)を参照すると、事前判定処理でのリーチ乱数は、図17(c)に示した変動パターン選択処理におけるリーチ乱数と同様の構成となっている。すなわち、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。したがって、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、事前判定により、8.8/100(=22/250)の確率でリーチ演出が行われると判定される。
〔遊技制御部による事前判定処理〕
図31は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S611)の内容を示すフローチャートである。
図31に示すフローチャートでは、遊技制御部200は、内部状態が高確率状態か否かを判断し(S3101)、高確率状態であると判断すると(S3101でYes)、始動口スイッチ処理(図6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態となる大当たり(図30(b)に示す例では、高確率図柄Aの大当たりおよび高確率図柄Bの大当たり)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)によって、高確率図柄Aの大当たりに当選した場合には、RAM203に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率時短遊技状態となる。したがって、電源をONしてから、201回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、1回目の大当たりの抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、10回目の大当たりの抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たりの抽選の権利が、高確率時短遊技状態に移行してから何回目の大当たりの抽選に相当するのかを演算する。具体的には、遊技制御部200が変動回数Nから基準回数Mを減算することによって演算値Zを取得する(S3102)。
そして、遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であるか否かを判断する(S3103)。ここでいう所定回数Xというのは、高確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。
ここで、例えば、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、100回を上限として、大当たり乱数の判定が高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて行われる場合を考える。この場合、所定回数Xは100と設定されることとなり、演算値Zが100以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たり乱数が、高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高確率時短遊技状態が終了して低確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって高確率図柄Aの大当たり(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選したとする。その後、高確率時短率遊技状態になってから98回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cが、RAM203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=99となり、保留Bは演算値Z=100となり、保留Cは演算値Z=101となる。したがって、保留Aおよび保留BはS3103で「YES」と判断され、保留CはS3103で「NO」と判断される。
このように、S3102およびS3103の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であると判断すると(S3103でYes)、次に、大当たり遊技後の内部状態を低確率状態に変更する「大当たり」に係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3104)。なぜなら、このような保留球が先に保留されているとなれば、始動口スイッチ処理(図6参照)において保留された保留球を消化するときに、遊技状態が低確率状態になってしまうからである。
したがって、S3104でNoと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3106)、S3104でYesと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3107)。
一方、現在の遊技状態が低確率状態である場合(S3101でNo)や、現在の遊技状態が高確率状態であっても演算値Zが所定回数Xを超えていると判断した場合(S3103でNo)には、次のような処理を行う。すなわち、遊技制御部200は、RAM203の記憶領域204(図28参照)に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3105)。例えば、始動口スイッチ処理(図6参照)のS605において、記憶領域204の第6記憶部204f(図28参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部204a〜第5記憶部204e(図28参照)に高確率状態となる大当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)において今回生じた保留球よりも先に消化される保留球に、内部状態を高確率状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に存在するとなれば、始動口スイッチ処理において今回生じた保留球を消化するときに、内部状態が高確率状態になってしまうからである。
したがって、S3105でNoと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3107)、Yesと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3106)。
なお、詳しくは図示しないが、S3104およびS3105において、仮に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりと、大当たり遊技後の遊技状態を低確率状態に変更する大当たりとが記憶領域204(図28参照)に記憶されている場合には、遊技制御部200は、これら2つの大当たりのうち、後に消化される保留球に係る事前判定情報に基づいて上記の判断(S3104、S3105)を行う。
このように、S3104およびS3105の処理によって、特別図柄処理の際の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと内部状態が変化する場合や、低確率状態から高確率状態へと内部状態が変化する場合にも、正確な事前判定の結果を導き出すことができる。
この後、遊技制御部200は、選択した判定用テーブルに基づいて各乱数の判定を行い(S3108)、その判定結果を事前判定情報として記憶領域204(図28参照)に記憶する(S3109)。そして、その判定結果が大当たりまたは小当たりであったか否かを判断し(S3110)、大当たりまたは小当たりであった場合には(S3110でYes)、先読み結果の報知コマンド(図では単に報知コマンドと記載)をセットし(S3111)、また、ハズレであった場合(S3110でNo)には、通常コマンドをセットして(S3112)、事前判定処理が終了する。通常コマンドとは、後述の保留表示演出において事前判定(先読み)の結果を報知せず保留数の表示のみを行わせるためのコマンドである。セットされたこれらのコマンドは、保留数増加コマンド(図6のS606、S612参照)に含まれ、出力処理(図5−3のS506参照)において演出制御部300に送信される。
なお、事前判定処理において、図31に図示されていない制御を採用することも考えられる。例えば、ハズレであった場合(S3110でNo)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定し、リーチ演出が行われると判定したときはリーチコマンドをセットする。また、大当たりであると事前判定された場合には(S3110でYes)、大当たりの種類が事前判定される。
〔演出制御部による予告演出〕
パチンコ遊技機100では、特別図柄の変動中にさらに始動口へ遊技球が入賞して保留球が発生した場合に、表示器130(図1、2(a)参照)の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219により保留数に応じた表示が行われる。また、この表示器130による表示に加えて、演出表示の一部として、画像表示部114に保留球に関する情報(有無、保留数等)を表示する演出(保留表示演出)を行うパチンコ遊技機100がある。さらに、上記のように保留球に関して事前判定を行った場合、判定結果を報知または示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出を行うために、演出制御部300により上記の報知コマンドの受け付け処理が行われる。
上述したように、報知コマンドおよび通常コマンドは、保留数増加コマンドに含まれて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。したがって、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911および図20参照)において、保留数増加コマンドを受信した場合に、演出制御部300は、保留数の加算および保留数コマンドをセット(S2001〜S2003参照)するだけでなく、保留数増加コマンドから報知コマンドまたは通常コマンドを抽出し、RAM303に格納する。
〔報知コマンドの受け付け処理〕
図32は、演出制御部300による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。
上記の保留数増加コマンドの受信時の処理の後、演出制御部300は、保留数増加コマンドから抽出された報知コマンドがRAM303に記憶されているか否かを判断する(S3201)。報知コマンドが記憶されていると判断すると(S3201でYes)、演出制御部300は、RAM303における今回の保留球に対応する記憶領域(第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれか)において、保留フラグおよび報知フラグをONにする。保留数増加コマンドから報知コマンドではなく通常コマンドが抽出された場合は、保留フラグのみをONにする(S3202)。なお、報知コマンドが記憶されていない場合(S3201でNo)には、報知コマンド受け付け処理を終了する。
次に、演出制御部300は、RAM303の第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれかにおいて、報知フラグがONとなっているか否かを判断する(S3203)。記憶部305a〜305d、306a〜306dのいずれかにおいて報知フラグがONとなっていると判断した場合(S3203でYes)、次に演出制御部300は、変動時間Tが所定値Kよりも大きいか否かを判断する(S3204)。そして、変動時間Tが所定値Kよりも大きいと判断した場合には(S3204でYes)には、予告演出(報知演出)を行うための報知演出コマンドをセットし(S3205)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
一方、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいても報知フラグがONとなっていないと判断した場合(S3203でNo)および変動時間Tが所定値K以下であると判断した場合(S3204でNo)、演出制御部300は、先読み結果を報知しない通常演出を行うための通常演出コマンドをセットし(S3206)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
なお、これらのコマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、保留球ごとの個別情報(第1始動口121および第2始動口122のいずれ係る保留球か、各始動口における何番目の保留球か等)を有している。また、報知演出コマンドには、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっているのかという情報も含まれている。
より詳しくは、ここにいう変動時間Tとは、大当たり判定処理(図9参照)による特別図柄が変動する時間であり、当該変動に係る変動時間ということもできる。また、所定値Kは、予告演出を行うのに必要な時間(尺)よりも大きな値である。例えば、実行しようとする予告演出の尺が3秒である場合、所定値Kとして4秒の値を採用することが考えられる。これは、変動時間Tが実行しようとする予告演出の尺よりも長くなければ、図柄変動中に予告演出を行うことができないためである。したがって、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっている場合であっても、変動時間Tが所定値K以下である場合には、報知演出コマンドではなく通常演出コマンドがセットされる(S3203、S3204、S3206参照)。
なお、変動時間Tは、必ずしも、1回の特別図柄の変動時間(1個の入賞球(保留球)に係る特別図柄の変動が行われる時間)に限定しない。すなわち、変動時間Tとして、複数回(保留数の上限が4個である場合は2回または3回)の図柄変動が行われる時間を設定することができる。言い換えれば、複数回の変動時間を加算した時間がHの値となる。この場合、演出は、複数回の図柄変動にまたがって行われる予告演出(いわゆる連続予告)として行われる。
予告演出が複数回の図柄変動にまたがる場合は、図31のS3104に示したように全体の変動時間Tの下限値を保証するだけでなく、予告演出(連続予告)の尺に対して全体の変動時間Tの長さが余り過ぎないように、予告演出の対象となる図柄変動における変動時間を制限する必要がある。
〔枠部材150の構成〕
次に、パチンコ遊技機100の枠部材150の構成について説明する。
図33は、枠部材150の構成を説明する斜視図である。
同図に示すように、枠部材150は、縦長の所謂フレーム構造である枠部材本体としての外枠410と、外枠410に開閉自在に装着される前面枠(内枠)420と、を備えている。
外枠410は、4つの金属製の枠部材である右縦枠部材411、左縦枠部材412、上横枠部材413および下横枠部材414と、外枠410の四隅に位置し、隣り合う枠部材を相互に連結する角部材415と、を有する。
外枠410の前面下部には、下横枠部材414と同じ方向(横方向、左右方向)に延びる幕板416が取り付けられている。なお、幕板416の上端の縦方向の位置は、下横枠部材414の上端の縦方向の位置と略同一である。また、幕板416の前面(遊技者側の面)には、例えば社名やロゴ等を付すことで意匠的な装飾を施すことが可能である。
また、外枠410は、前面枠420が開閉する際に前面枠420と摺動する樹脂製の摺動部417を有する。より具体的には、この摺動部417は、下横枠部材414に取り付けられている。また、摺動部417は、下横枠部材414の上面に位置し、かつ、前面枠420の回転軸が位置する側とは反対側(同図での右側)に片寄って位置している。そして、摺動部417は、前面枠420の遊技盤保持枠422が閉じている状態で遊技盤保持枠422の下面と当接して前面枠420を保持する。このため、前面枠420が閉じている状態には、前面枠420と幕板416との間に、隙間が形成されることになる。
前面枠420は、上下方向に回転軸が延びるように一側部(図1での左側部)が外枠410に取り付けられている。付言すると、前面枠420は、透明板159を所定位置に保持する透明板保持枠421と、遊技盤110を所定位置に保持する遊技盤保持枠422と、を備えている。そして、図33に示すように、閉めた状態の透明板保持枠421および遊技盤保持枠422を一体で外枠410に対して回転させて開けることが可能である。また、透明板保持枠421を、単独で、外枠410および遊技盤保持枠422に対して回転させて開けることが可能である。
なお、図33に示すように、前面枠420の遊技盤保持枠422には、外枠410の右縦枠部材411と係合して前面枠420が開かないように施錠するための施錠部材423,424,425が設けられている。この施錠部材423,424,425は、パチンコ遊技機100の正面側に配設されている鍵穴158(図1参照)に不図示の鍵を差し込んで所定の方向に回転することで、連動して施錠動作および開錠動作を行う。
図33に示すように、遊技盤110の後面には、各種の基板等が取り付けられ、また、これら各種の基板等は、内部が視認可能な透明のカバー510によって覆われている。この各種の基板等について付言すると、遊技盤110の後面には、メイン基板およびサブ基板が配設されている。すなわち、遊技盤110の後面には、メイン基板として、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御部が構成された遊技制御基板520が配設されている。この遊技制御基板520は、開封することにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケース540に密封されている。
また、サブ基板として、演出を統括的に制御する演出制御部が構成された演出制御基板530、画像および音による演出を制御する画像/音響制御部が構成された画像制御基板(不図示)、および、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御部が構成されたランプ制御基板(不図示)等が配設されている。また、遊技盤110の後面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源550が配設されている。
付言すると、払出球の払い出し制御を行う払出制御部が構成された払出制御基板(不図示)と、払出制御基板により制御され、外部から補給された補給球を一時的に溜めておき、賞球の払い出しや貸し球の払い出しを行う払い出しユニット560と、が枠部材150の前面枠420に配設されている。
〔遊技盤保持枠422の構成〕
図34は、透明板保持枠421を、外枠410および遊技盤保持枠422に対して回転させて開けた状態を示す図である。
図34に示すように、遊技盤保持枠422は、遊技盤110の遊技板の外周面を囲う囲い部422aと、囲い部422aに囲われた遊技盤110を遊技盤保持枠422に固定する固定部453と、を備えている。
囲い部422aは、遊技盤110を遊技盤保持枠422に取り付ける際に遊技盤110を載置する載置部451を有している。また、囲い部422aにおける左側の部位には、遊技盤110を遊技盤保持枠422に取り付ける過程および取り付けられた後に遊技盤110の遊技板の左側の端部を支持する支持部452が設けられている。
載置部451は、遊技盤保持枠422の幅方向Wに延びて形成されている。載置部451は、載置された遊技盤110の荷重が直接加わる部分であり、遊技盤110が有する遊技板の下端面と接触する。
支持部452は、載置部451よりも上方に位置し、遊技盤保持枠422の左側に位置する。支持部452は、上下方向の高さが互いに異なる位置に2つ設けられている。
固定部453は、横方向には、遊技盤保持枠422における右端部であって、上下方向には、それぞれ遊技盤保持枠422における上部と、載置部451よりやや上方の部位と、に設けられた、2つの止め金具により構成されている。
上述したように、枠部材150は、枠部材本体としての外枠410と、外枠410に開閉自在に装着される前面枠(内枠)420と、を備えている。そして、前面枠(内枠)420は、透明板159を所定位置に保持する透明板保持枠421と、遊技盤110を所定位置に保持する遊技盤保持枠422と、を備えている。
そして、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100においては、遊技盤110を囲む枠部材150が、パチンコ遊技機100の筐体として機能する。すなわち、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の筐体は、外枠410と、透明板保持枠421及び遊技盤保持枠422を有する前面枠(内枠)420と、を有して構成される。
そして、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100においては、後述するように、枠部材150が位置を変更可能な可動体移動装置600を備えている。以下の説明などにおいて、枠部材150の内、位置を変更可能な可動体移動装置600などを含まない部位が、枠部材本体(筐体本体)である。
前面枠420の透明板保持枠421は、後述する可動体移動装置600と、可動体移動装置600を収容する収容部700と、を備えている。
収容部700は、本実施の形態では、前面枠420の最上部に設けられている。収容部700は、上部が開口した収容部本体710と、収容部本体710の開口部を覆う上蓋720と、を備えている。
上蓋720は、平板状の部材であると共に、後述する可動体610を被覆する被覆部721を有している。被覆部721は、ゴムなどの弾性部材を用いて形成されている。そして、被覆部721には、切り込みが形成されて、可動体610の昇降動作及び左右方向への移動動作を可能とするように被覆している。
〔可動体移動装置600の構成〕
ここで、収容部700に収容される可動体移動装置600の構成として種々のものが考えられる。すなわち、可動体移動装置600の構成が異なれば、その動作ないし演出も異なるものになる。そこで、可動体移動装置600の構成例を説明し、さらに動作例等を説明する。
可動体移動装置600の構成例としては、以下説明する例えば第1の構成、第2の構成および第3の構成が考えられる。具体的に説明する。
〔可動体移動装置600に係る第1の構成による動作例〕
まず、可動体移動装置600に係る第1の構成による動作例を説明する。
図35−1は、第1の構成に係る可動体移動装置600を説明する概略図であり、その動作例を(a)および(b)の順で時系列に示し、(b)の後の動作例を(c)および(d)に示す。
同図に示す可動体移動装置600は、収容部700に対して移動可能な一つの可動体610と、可動体610の移動に用いられる図35−1では図示しない移動機構602(例えば図36参照)と、を備えている。
なお、可動体移動装置600が備える可動体610の形状としては、円柱状に限らず、その他の形状であってもよい。例えば、可動体610の形状は、アニメのキャラクタやアイドルの顔を模した形状であってもよい。また、いわゆるパトランプのように、内部に発光するランプを備えていてもよい。
また、可動体移動装置600の可動体610を所定形状の造形物で構成することが考えられる。より詳細には、可動体610を、特定のキャラクタを模した造形物とする場合や、特定のロゴないしメーカ名を表す造形物とする場合等が考えられる。また、可動体610に、所定の画像を表示する液晶表示器等の小型表示器を搭載する場合も考えられる。
付言すると、可動体610を、例えばボルト等の着脱可能な締結具で取り付ける交換可能にする場合が考えられる(交換可能な構造)。かかる場合には、可動体610のみの形状を機種毎に容易に変更することができるようになる。
可動体移動装置600の可動体610は、移動機構602(例えば図36参照)によって収容部700に対して移動可能である。かかる可動体610の移動は、正面視で上下方向ないし縦方向に行われるものであり、また、正面視で左右方向ないし横方向に行われるもののである。
より具体的に説明すると、可動体610は、図35−1の(a)に示す収容部700に収容された状態(収容状態)から上昇動作し、同図の(b)に示すように、収容部700の上蓋720(図33または図34参照)よりも上方に突出する状態(突出状態、出現状態)に移行する。このような上方への突出により、可動体610は外部に露出し、出現する。また、可動体610は、図35−1の(b)に示す突出状態から、下降動作して同図の(a)に示す収容状態に移行する。
このように、可動体610が収容状態と突出状態とに切り換わることで、パチンコ遊技機100の外形が変化する。なお、同図の(b)は、可動体610の可動体本体620(図36参照)の全体が上蓋720(図33または図34参照)よりも上方に位置する最も上昇した状態であり、最突出状態ということができる。
さらに、図35−1の(b)に示すように、正面視で左右方向における中央部に突出状態で位置する場合、可動体610は右方向に移動することで、同図の(c)に示すように、正面視で収容部700の右端(右移動端)に位置する。その一方で、中央部で突出状態の可動体610は、左方向に移動することで、同図の(d)に示すように、正面視で収容部700の左端(左移動端)に位置する。
〔可動体610の動きの種類〕
ここで、可動体610の動きの種類について説明する。
図35−1では、可動体610の左右方向の移動として、突出状態で行う場合を示すものであるが、他の動きも考えられる。例えば、同図の(a)に示す収容状態で可動体610の左右方向の移動が行われるものである。すなわち、可動体610は、収容部700内にて、右移動端まで右方向に移動することが可能であり、また、収容部700内にて、左移動端まで左方向に移動することが可能である。かかる収容状態での横移動を実現可能にすることで、可動体610による動きの演出が多様になる。
可動体610が左右方向に移動する際、右移動端または左移動端の位置で停止する制御例のほか、左右方向における任意の位置で停止する制御例も考えられる。また、停止時または移動中に、可動体610が左右および/または上下に小刻みに動く制御例や、左右方向に関する所定区間を往復移動する制御例等も考えられる。
このような左右方向への移動制御を、上下方向の移動制御に適用することが考えられる。すなわち、可動体610が上下方向に移動する際、上移動端または下移動端の位置で停止する制御例のほか、上下方向における任意の位置で停止する制御例や、停止位置で上下方向に関する所定区間を往復移動する制御例等が考えられる。なお、上下方向における任意の位置で停止する制御を行うことで、可動体610が突出状態のときの突出量を調整することが可能になる。
付言すると、可動体610が、収容状態および/または突出状態にて正面視前後方向(図35−1における紙面垂直方向)に移動可能であるように構成する例が考えられる。また、前後方向の移動を、上述した上下方向および/または左右方向の移動と共に行うように構成する例も考えられる。
また、可動体610が、上述した平行移動ないしスライド移動の動きではなく、不図示の回転軸を中心とする回転の動きを行うように構成する例も考えられる。この場合の回転軸は、正面視で左右方向に延びる場合や前後方向の延びる場合、上下方向に延びる場合が考えられる。なお、回転軸が単数の場合のみならず、複数の場合も考えられる。
かかる回転軸周りの回転により可動体610が集まって一つの有意の集合体をなす構成例も考えられる。
〔可動体610の動きが行われる条件等〕
上述した可動体610の動きが行われる条件ないしタイミングとしては、種々のものが考えられる。
例えば、主電源のオン/オフ制御(図5−1、図5−2参照)に伴い、可動体610が図35−1の(a)に示す収容状態と同図の(b)に示す突出状態とが切り替わる場合である(可動体610の上下方向の移動)。例えば、電源投入時に突出状態になり、電源遮断時に収容状態になる場合である。これに限られず、逆の場合すなわち、電源投入時に収容状態になり、電源遮断時に突出状態になる場合も考えられる。
また、例えば、遊技状態に応じて収容状態と突出状態とが切り替わる場合も考えられる(可動体610の上下移動演出)。例えば大当たり判定の結果を装飾図柄の変動後の停止により報知する図柄変動(図22参照)の演出時に、収容状態から突出状態に移行したり突出状態から収容状態に移行したりするものである。
さらには、突出状態になった可動体610が、遊技中における所定条件を満たすことで左右方向に移動する場合も考えられる(可動体610の左右方向の移動)。例えば、変動演出におけるリーチ演出後の発展演出への移行の際または発展演出の際に、図35−1の(c)に示すように突出状態の可動体610が右方向に移動したり同図の(d)に示すように左方向に移動したりする場合である(可動体610の左右移動演出)。このような演出として、所定区間を往復移動する場合や、停止位置にて可動体610が小刻みに動く場合、上方への突出量が大きくなるように動く場合等を採用することも考えられる。
付言すると、可動体610の動き条件としては、上述した場合以外のものも考えられる。例えば、大当たり遊技中(図14のS1401参照)とそれ以外とで可動体610の動きないし位置が異なる場合、時短中(図15のS1504、S1507)とそれ以外の場合とで可動体610の動きないし位置が異なる場合等が考えられる。また、大当たり終了後の図柄変動の回数(図20のS2005参照)に応じて可動体610の動きないし位置が異なる場合も考えられる。
また、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出において、演出抽選の結果に応じて可動体610の動きないし位置が異なる場合が考えられる。また、事前判定の結果(図31参照)に応じて可動体610の動きないし位置が異なる場合も考えられる。
また、大当たり終了後の図柄変動の回数が所定数に達すると高確率状態から低確率状態に移行する所謂ST機において、高確率状態の残り変動回数に応じて可動体610の動きないし位置が異なる場合が考えられる。例えば、大当たり終了直後と所定数に近くなったときとで動きないし位置が異なる場合等である。
また、払い出し球の数に応じて可動体610の動きないし位置が異なる場合が考えられる。
また、遊技状態ないし演出とは関係なく、突出状態になった可動体610が遊技者やホール関係者等の操作指示に応じて左右方向に移動可能な場合も考えられる(可動体610の左右方向の移動)。
〔可動体610の動きに対する指示例、設定例〕
ここで、可動体610を図35−1の(a)に示す収容状態から同図の(b)に示す突出状態へ切り換わる動作や突出状態から収容状態へ切り換わる動作および/または可動体610を上昇や下降、左移動、右移動を行う動作を、遊技者やホール関係者等の操作指示に応じて行う例が考えられる。
遊技者に操作指示を許容する場合、例えば演出ボタン161または演出キー162(図2の(b)または図3参照)の入力操作に基づく制御(例えば図27参照)になり(兼用ボタンないし共用ボタン仕様)、また、可動体610の操作用に配設された不図示のボタンの入力制御に基づく制御になる(専用ボタン仕様)。可動体610専用ボタンなどを設ける位置は、例えば前面枠420の収容部700(例えば図33参照)の下面など、透明板保持枠421における可動体610が配置された部位近傍であることを例示することができる。
このような兼用ボタンや専用ボタンの仕様の場合、収容状態の可動体610を突出状態に移行するために操作するボタンや、突出状態の可動体610を収容状態に移行するために操作するボタンとすること(ハードによる場合)が考えられる。
なお、パチンコ遊技機100が前後に操作可能な操作レバーを備えている場合には、演出制御部300は、この操作レバーからの操作入力に応じて可動体610を昇降させてもよい。
ホール関係者に操作指示を許容する場合、電源投入時に演出ボタン161または演出キー162(図2の(b)または図3参照)等の入力操作に基づく設定を採用することが考えられる。例えば電源投入時に所定操作を行って特殊モードないしデモ画面に移行し、画像表示部114(図1参照)に表示される可動体610の設定画面に従って設定を行うこと(ソフトによる場合)が考えられる。
また、ホール関係者に操作指示を許容する場合、例えばパチンコ遊技機100の背面に配設された不図示のスイッチの入力操作に基づく制御を採用すること(ハードによる場合)が考えられる。
なお、上述した演出ボタン161または演出キー162(図2の(b)または図3参照)の操作の代わりに、非接触で遊技者ないしホール関係者等の動作を検出する不図示のモーションセンサの検出結果を用いること(ハードによる場合)が考えられる。
また、上述した演出ボタン161または演出キー162の操作の代わりに、遊技者ないしホール関係者等が表示器上の任意位置に接触したことを検出する不図示のタッチパネルの検出結果を用いること(ハードによる場合)も考えられる。
付言すると、上述した左右方向ないし上下方向における任意の位置で可動体610が停止する制御や、可動体610が左右および/または上下に小刻みに動く制御を、遊技者やホール関係者等の操作指示により応じて行う制御例も考えられる。かかる制御例では、上述したハードによる場合やソフトによる場合で行われる。
なお、上述した左右方向ないし上下方向における任意の位置での停止制御の場合についてさらに説明すると、操作指示により選択される停止位置を無段階とすることが考えられる。すなわち、可動体610の移動時に操作指示された位置で停止する制御例である。また、可動体610の停止時に、例えば画像表示部114に表示される直線状のバーにより可動体610の可動範囲と現在の位置とを表示し、演出キー162の操作により現在の位置からどの位置に変更するのかを設定すること(ソフトによる場合)もある。
また、上述した停止位置を無段階とする制御例のほか、予め定められた複数の位置のいずれかを停止位置として選択する制御例も考えられる。
〔可動体610の動きに対する指示例等の意義〕
ここで、枠部材150(例えば図1参照)から突出可能な可動体610を、遊技者の意向に応じて図35−1の(a)に示す収容状態にしたり同図の(b)に示す突出状態にしたりすることが可能であれば、遊技者が演出を楽しむことが可能になる。
そこで、演出をより楽しむことを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、筐体(例えば枠部材150)に収容される収容状態になり、前記筐体(例えば枠部材150)から出現する出現状態になる演出体(例えば可動体601,610)と、前記演出体(例えば可動体601,610)を前記収容状態から前記出現状態および前記出現状態から前記収容状態に移行する移行手段(例えば移動機構602)と、前記移行手段(例えば移動機構602)による前記収容状態から前記出現状態への移行および/または前記出現状態から前記収容状態への移行の指示を受け付ける受け付け手段(例えばCPU301,321)と、を備えることを特徴とするものである。
このように、可動体610の動きに対する指示や設定を可能にする構成により種々の効果を奏する。例えば、可動体610が図35−1の(a)に示す収容状態から同図の(b)に示す突出状態に移行することにより、ホールの島設備との関係で都合が悪いことも想定されるが、そのような事態に対応することが可能になる。
より具体的に説明する。例えば、ホールによっては、図35−1に示すように、パチンコ遊技機100の上方位置にデータランプ1000が設置されている場合がある。そして、突出状態の可動体610がデータランプ1000の一部または全部を隠してしまうこともあり得る。
図35−1に示すデータランプ1000は、ホールの島設備として設定されるものであり、パチンコ遊技機100の盤用外部情報端子基板350(図3参照)を介して取得した所定の情報を用いて、大当たり回数等の遊技履歴を表示するものである。また、データランプ1000には、遊技者がホール店員を呼ぶための呼び出しボタン(不図示)がデータランプに設置されている場合がある。したがって、遊技者は、データランプ1000の表示を見たい場合や呼び出しボタン(不図示)を押したい場合に、突出状態の可動体610によってデータランプ1000が隠されていると、遊技者の遊技に対する心理に悪影響を及ぼすおそれがあり、好ましくない。また、かかるおそれのために、ホール側がパチンコ遊技機100の導入をためらってしまうこともあり得る。
したがって、突出状態の可動体610を収容状態に移行させるための操作指示を可能にしたり、可動体610を突出状態に移行させない設定を可能にしたりすることで、可動体610を備えることに伴う不都合の事態に対応することが可能になる。
なお、かかる不都合の事態の対処は、正面視左右方向への位置調整(図35−1の(c)および(d)参照)でも可能になる。かかる左右方向への移動は、上述したように、スイッチ等の操作により行う場合のほか、突出状態の可動体610を遊技者が触って行う場合も考えられる。
また、かかる不都合の事態の対処は、上下方向における任意の位置で停止する制御を指示ないし設定に応じて行うことで、可動体610が突出状態のときの突出量を調整することが可能になる。これにより、パチンコ遊技機100の上部にある装置等との干渉を防止することが可能になり、上述した不都合の事態への対処が可能になる。
また、可動体610の動きに対する指示を可能にする構成を採用することで、例えば長期にわたる遊技によって集中力の維持が困難になる場合、低下した遊技者の集中力の維持回復に役立つことが可能になる。すなわち、長期にわたる遊技によって集中力の維持が困難になる場合、図35−1の(a)に示す収容状態の可動体610を、遊技者の操作に応じて同図の(b)に示す突出状態に移行させることが可能であれば、遊技者が楽しめ、遊技に対する集中力の維持回復に役立つことが考えられる。
したがって、突出状態の可動体610を収容状態に移行させたり収容状態の可動体610を突出状態に移行させたりする可動体610の動きを、遊技者の意向に委ねることで、遊技者の遊技に対する集中力の維持回復を図ることが可能になる。
〔可動体610の駆動源について〕
ここで、可動体610を駆動するための駆動源について説明する。
本実施の形態では、可動体移動装置600は、可動体610の移動に用いられる移動機構602(例えば図36参照)に駆動力を供給する例えばモータ等の駆動源(例えば、図36に図示の昇降モータ641、移動モータ681を参照)をさらに備えている。すなわち、可動体610の上下方向の移動および左右方向の移動を、駆動源からの駆動力により実現する。かかる駆動源は、ランプ制御部320のCPU321(図3参照)により駆動制御される。
また、可動体610の上下方向の移動および左右方向の移動は、駆動源からの駆動力により実行可能であると共に、駆動源の駆動力によらず手動で実行可能であるように構成することが考えられる(電動および手動)。例えば、可動体610は、駆動源により上方向の移動、下方向の移動、左方向の移動および右方向の移動のうちいずれか一つまたは複数が可能である一方で、手動によっても上方向の移動、下方向の移動、左方向の移動および右方向の移動のうちいずれか一つまたは複数が可能であるように構成する。
より具体的には、手動による可動体610の移動が下方向のみ可能である場合や、左方向および右方向のみが可能である場合、上方向以外の3方向が可能である場合が考えられる。言い換えると、可動体610が手動では上方向には移動できないようにする構成である。また、駆動源により可動体610の上下方向の移動が可能であり、可動体610の左右方向に対しては手動のみで移動が可能である構成である。
なお、可動体移動装置600が備える駆動源を、双方向の駆動が可能なモータではなく、一方向の駆動のみが可能な例えばバネ部材である場合も考えられる。かかる場合、可動体610は、バネ部材により上方向の移動のみが可能であることが考えられ、したがって、上方向以外の下方向、左方向および右方向の各移動は手動で行う構成になる。
付言すると、上方向、下方向、左方向および右方向のうち、可動体610の移動が駆動源により実行可能であると共に手動によっても実行可能である所定方向において、駆動源による可動体610の移動が行われているときには、手動による移動が実行できないように構成することが考えられる。すなわち、所定方向への手動による可動体610の移動が許容されるのは、駆動源による移動が実行されていないときである(電動時の手動制限)。
また、所定方向への駆動源による可動体610の移動が行われているときにも手動による移動が実行できるように構成することが考えられる。言い換えると、駆動源により可動体610が所定方向に移動しようとするのを、例えば遊技者の手で阻止することが可能であるように構成するものである。すなわち、可動体移動装置600が備える移動機構602(例えば図36参照)にスリップ機能を持たせる例である。
ここで、可動体移動装置600が駆動源を備えない変形例も考えられる。すなわち、かかる変形例では、可動体610の移動は、移動機構602(例えば図36参照)を介して手動のみで実行可能である(手動のみ)。
さらに説明すると、可動体移動装置600が駆動源を備える場合と備えない場合のいずれにおいても、可動体610が移動機構602(例えば図36参照)に対して着脱自在であるように構成することが考えられる。すなわち、可動体610が取り外し可能な構造を採用することである(取り外し構造)。
また、可動体610の全部を取り外し可能にする構造のほか、可動体610の一部を取り外し可能にする構造も考えられる(部分的な取り外し可能な構造)。また、言い換えると、可動体移動装置600が備える可動体610の他に、別の可動体ないし演出体をさらに備える場合には、そのような別の可動体ないし演出体を取り外し可能にする構造を採用することができる。
取り外した可動体610等を、パチンコ遊技機100以外の場所に収納する構成が考えられる。また、取り外した可動体610等を、例えば収容部700内の空いている空間に収納する構成が考えられる。
また、可動体移動装置600が駆動源を備えない場合、移動機構602(例えば図36参照)をも備えないように構成することも考えられる。かかる構成では、上述した可動体610が取り外し可能な構造を採用することで、パチンコ遊技機100の上部に設置することが可能である。
〔可動体610の作動ないし非作動についての設定例〕
ここで、可動体移動装置600が駆動源を備える構造において、可動体610が図35−1の(a)に示す収容状態から同図の(b)に示す突出状態に移行する条件を満たす場合であっても、突出状態に移行せず収容状態が維持される制御が考えられる。
ホールによっては、可動体610を突出させることが困難な場合が想定される。可動体610が収容状態から突出状態に移行するとき、例えばホールの島設備に接触して可動体610が本来の位置まで突出できないこともあり得る。また、ホールの島設備としてのデータランプ1000(図35−1参照)の一部または全部を、突出状態の可動体610が隠してしまうこともあり得る。遊技者がホール店員を呼ぶためのボタンがデータランプ1000に設置されている場合、データランプ1000が可動体610に隠されてしまう事態は好ましくないとホール側が判断すると、パチンコ遊技機100の導入をためらってしまうこともあり得る。
そこで、本実施の形態では、設置を希望するパチンコ遊技機100をホールに導入できないという事態に対応すべく、可動体610が突出状態にならないような設定を可能にする。すなわち、パチンコ遊技機100ごとに、可動体610の作動ないし非作動についての個別的な設定を行うことが可能なように構成する。
◆より具体的には、本実施の形態に係る遊技機は、演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、筐体(例えば枠部材150)に収容される収容状態になり、前記筐体(例えば枠部材150)から出現する出現状態になる演出体(例えば可動体601,610)と、前記演出体(例えば可動体601,610)を前記収容状態から前記出現状態および前記出現状態から前記収容状態に移行する移行手段(例えば移動機構602)と、前記移行手段(例えば移動機構602)による前記収容状態から前記出現状態への移行および/または前記出現状態から前記収容状態への移行を許容するか否かの設定を受け付ける受け付け手段(例えばCPU301,321)と、を備えることを特徴とするものである。
このような可動体610の作動ないし非作動についての設定は、ホール関係者が行うものであり、遊技者が行うものではない。そのため、設定の操作が行われる操作部は、例えばパチンコ遊技機100の背面に配設された不図示のスイッチとすることができる。
その一例を説明すると、音量設定スイッチが1から8までの8段階ある場合、1から4までは収容状態であることの設定に用いられ、5から8までは突出状態であることの設定に用いられる。そして、収容状態および突出状態の各々の音量が4段階で設定される。すなわち、1の場合は収容状態で最小音量、4の場合は収容状態で最大音量に設定されるものであり、また、5の場合は突出状態で最小音量、8の場合は突出状態で最大音量に設定されるものである。
また、上述した兼用ボタンによる操作部の構成に代わり、専用ボタンで操作部を構成することが考えられる。
かかる操作部により非作動の設定を事前に行っておくことで、可動体610の動きが行われる条件を満たしたりそのタイミングが到来したりしても、可動体610の作動が禁止される。すなわち、可動体610が収容状態から突出状態に移行しないようになる。
また、かかる操作部により作動の設定を事前に行っておくことで、例えば遊技者が可動体610の収容状態への移行を例えば専用スイッチにより指示操作しても収容状態に移行せず、可動体610を用いる演出が終了するまで可動体610の作動が許容される。
なお、可動体610に液晶等の画像表示器が搭載されている場合、データランプ10000(図35−1参照)に表示される内容の一部または全部を表示する例が考えられる。すなわち、突出状態の可動体610によりデータランプ1000(図35−1参照)が隠されてしまい、大当たり回数等の確認が困難になる事態を回避するため、可動体610の画像表示器に、大当たり回数等を表示するものである。データランプ1000(図35−1参照)に表示される内容は、パチンコ遊技機100から出力される情報に基づくものであることから、パチンコ遊技機100自体が大当たり回数等を表示することは技術的に容易に実現可能である。
ここで、例えば、透明板保持枠421が外枠410および遊技盤保持枠422に対して回転させられて開いた状態である場合(扉開放の場合)には、それ以外の場合(扉閉鎖の場合)と比べて、可動体610の動きが異なるようにする変形例が考えられる。例えば、扉開放の場合には、扉閉鎖の場合よりも可動体610の移動速度が速い等が考えられる。
かかる変形例は、可動体610の動作確認を行う場合に有用である。すなわち、出荷前の工場での検査工程においてボタン操作をする場合、ホール設置後の場合よりも速く動作させることで、作業工数を削減することが可能になる。
より詳細に説明すると、扉開放時に例えば演出ボタン161(図2の(b)参照)を押し下げ操作すると、通常では現れない設定モード(検査モード)が画像表示部114に表示される。すなわち、パチンコ遊技機100の背面に設置されているスイッチを操作することで検査モードへの移行する場合には、検査の作業員がパチンコ遊技機100の背面に手を伸ばしてスイッチを操作する必要がある。これに対し、扉開放時の演出ボタン161の押し下げ操作を契機に検査モードに移行するように構成することで次のような効果を奏し得る。すなわち、検査工場において、検査対象のパチンコ遊技機100がベルトコンベアで流されているときに扉を開き、ボタン操作を前側から行うことで、検査モードに移行させることが可能になり、検査作業の効率化を図ることが可能になる。
また、検査モードでは、可動体610の動きを遊技に伴う演出時に比べて速くすることで、検査工程において正常動作が行われることを確認するまでの時間を短縮することが可能になり、検査作業の効率化を図ることが可能になる。
これらの扉開放に関連して説明すると、パチンコ遊技機100は、可動体610が突出状態である場合など、可動体610が枠部材150の収容部700の上蓋720よりも上方に少しでも突出した状態である場合に、パチンコ遊技機100にエラーが生じた場合には可動体610を収容状態とするとよい。パチンコ遊技機100に生じるエラーとしては、例えば、透明板保持枠421が外枠410および遊技盤保持枠422に対して回転させられて開いた状態であるいわゆる扉開放エラー、可動役物115に異常が生じたエラーであることを例示することができる。
特に、扉開放エラーである場合には、可動体610が枠部材150の収容部700の上蓋720よりも上方に少しでも突出していると、可動体610が突出したまま透明板保持枠421が開き、突出した可動体610が人や物と接触するおそれがある。可動体610を収容状態とすることで突出した可動体610が人や物と接触することで、人を怪我させたり、物を壊したり、可動体610自体が損傷することを抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機100は、エラーが解消した場合には、エラーが発生する前の位置に戻すとよい。
〔可動体移動装置600に係る第2の構成による動作例〕
次に、可動体移動装置600に係る第2の構成による動作例を説明する。
図35−2は、第2の構成に係る可動体移動装置600を説明する概略図であり、その動作例を(a)、(b)、(c)および(d)の順で時系列に示す。
なお、第2の構成は、第1の構成と共通する構成・機能を有することから、共通する構成には、同じ符号を用い、また、共通する構成・機能の説明および図示を省略することがある。第1の構成について上述した各種の制御例や変形例を、第2の構成に適用することが考えられる。また、第2の構成における構成ないし制御の一部を第1の構成に適用することが可能であり、また、第1の構成における構成ないし制御の一部を第2の構成に適用することも可能である。
図35−2に示す第2の構成に係る可動体移動装置600は、収容部700に対して移動可能な可動体601および可動体610と、可動体601,610の移動に用いられる同図では不図示の移動機構602(例えば図36参照)と、を備えている。すなわち、第2の構成に係る可動体移動装置600は、可動体610のみならず、もう一つの可動体601を備えている。このように、第2の構成では、収容部700に対して移動可能な複数の移動体を備えている。
なお、可動体610は、第1の構成に係る可動体移動装置600が備えるもの(図35−1参照)と同じものであり、第2の構成に係る可動体移動装置600では、可動体601が追加されている。すなわち、第2の構成は、第1の構成が備える可動体610を備える点で、第1の構成と共通する一方で、第1の構成が備えない可動体601を備える点で、第1の構成と相違する。
図35−2に示す可動体610は、上述した第1の構成の場合(図35−1参照)と同じような移動が可能である。すなわち、可動体610の移動は、図35−2の(b)および(c)に示すように、正面視で上下方向になされ、かつ、同図の(c)および(d)に示すように、正面視で左右方向になされるものである。
その一方で、可動体601は、正面視で上下方向に移動するものであり、正面視で左右方向に移動するものではない。すなわち、可動体601は、正面視で左右方向に関する位置が固定されている。そして、可動体601は、図35−2の(b)に示すように、その位置で上昇して突出状態になり、同図の(a)に示すように、その位置で下降して収容状態になる。
なお、可動体601を、可動体610と同じく、正面視で上下方向および左右方向に移動可能に構成してもよい。
可動体601は、図35−2の(a)〜(d)に示すように、正面視で中央左側に位置し、また、可動体610は、正面視で中央右側に位置する。そして、右側の可動体610は、同図の(d)に示すように、左方向に移動することで左側の可動体601に近づく。なお、可動体610が右方向に移動する場合には、可動体610は、可動体601から遠ざかる。
より具体的に、可動体601,610の一連の動きを説明する。
図35−2の(a)に示すように、可動体601および可動体610が収容部700に収容された収容状態から可動体601が上昇動作すると、同図の(b)に示すように、可動体601は、収容部700の上蓋720(図33または図34参照)よりも上方に突出する突出状態に移行する。なお、図35−2の(b)に示す場面では、左右方向移動可能な可動体610は収納状態のままである。
そして、同図の(c)に示すように、収容状態の可動体610が上昇動作して収容部700の上蓋720(図33または図34参照)よりも上方に突出する突出状態に移行する。これにより、可動体601および可動体610は、共に突出状態になる。
その後、可動体610は、正面視で左方向に移動して可動体601に接近し、同図の(d)に示すように、合体する。
〔可動体601と可動体610との合体〕
さらに説明すると、可動体610が可動体601に接近することで、図35−2の(d)に示すように、突出状態の可動体601と突出状態の可動体610とが互いに合体する。
ここにいう合体とは、可動体601と可動体610とが集合して一つの集合体を構成することをいい、互いに接触ないし接続、連結する場合のみならず、近接しているものの非接触の場合も含まれる。
より詳細には、合体した状態での集合体は、何らかの意味がある有意性を持つ。すなわち、可動体601と可動体610とが合体した状態は、有意の集合体を構成する。例えば、互いに近接する可動体601と可動体610とにより一つの形状をなすものであったり、互いに隣接する可動体601と可動体610との組み合わせによりこれらの形状から何らかの観念を遊技者に想起させるものであったりすることである。
なお、可動体601,610は、それ単体では意味をなさず、互いに接近することで初めて意味を持たせられるように構成したり、単体でも互いに接近しても意味を持つように構成したりすることが考えられる。後者の場合には、単体の状態で持つ意味と接近の状態で持つ意味とが同じである場合と、単体の状態で持つ意味と接近の状態で持つ意味とが異なる場合と、が考えられる。
上述した可動体601,610を、動き動作が可能な装飾体とする構成も考えられる。すなわち、可動体601,610の表面に、装飾を目的とする形状、模様や色彩等が表されている構成である。
例えば、可動体601,610の各々に文字ないし画像が表されており、可動体601,610が互いに接近することで文字が所定の文字列になったり画像が所定の画像やロゴになったりして、意味を持たせることができる場合である。
また、可動体601,610の各々に所定の色彩が付加されており、互いに接近することで色彩の組み合わせに意味を持たせることができる場合である。
付言すると、上述した形状、文字ないし画像、色彩について、任意の組み合わせとすることも考えられる。
なお、第2の構成では、図35−2の(d)に示すように、可動体601,610が突出状態で合体する場合(登場して合体する場合)を説明するが、可動体601,610が同図の(a)に示す収容状態で合体することが除外されるものではない。
また、第2の構成では、同図に示すように、2つの可動体601,610を備える場合を説明するが、さらに別の可動体を備えることが除外されるものではない。
なお、第2の構成による動作例としては、上述のとおり、まず可動体601が上昇し、可動体610が上昇して可動体601に接近し、合体する場合を説明したが、これに限られない。
例えば、左右移動可能な可動体610がまず上昇し、次に可動体601が上昇した後に、可動体610が可動体601に接近して合体する場合である。また、可動体610の上昇および左方向への移動の後に、可動体601が上昇し、合体する場合も考えられる。さらに、可動体601および可動体610が同期して上昇し、次に可動体610が可動体601に接近して合体する場合である。
また、可動体610の上昇の際に右方向への移動を伴う動きを行う例も考えられる。
付言すると、図35−2に示す可動体610および/または可動体601は、可動体本体620の円柱状部621の内部に空間が形成されていると共に、その空間内に物体が収容された構成であってもよい。そして、内部に収容された物体が外部に出現するようにするとよい。かかる構成例については、後述の第3の構成で説明する。
なお、かかる構成例の言及は、第1の構成に係る可動体610(図35−1参照)についての適用を除外する意図ではない。
ここで、遊技者が可動体610,610を視認困難な状態(収容状態)から可動体610,610から視認可能な状態になる出現段階と、視認可能な状態の可動体610,610を互いに合体する状態(合体状態)にする変位段階と、に分けることができる。
付言すると、可動体610,610が図示の回転軸を中心とする回転の動きを行う場合には、収容状態から合体状態になるためには回転軸周りの回転により行われるものであるが、そのような回転を、上述した出現段階と上述した変位段階とに分けられる。
なお、上述の変位段階で、可動体601,610の間に比較的大きな異物がある場合、その異物が挟まって可動体601,610が合体の位置まで移動できないことも想定される。そのような場合には、可動体601,610の合体動作についてのリトライ処理を行うことが考えられる。
〔可動体601と可動体610との合体の意義〕
ここで、枠部材150(例えば図1参照)から突出してパチンコ遊技機100の外観が変わることが可能であれば、遊技者が演出を楽しむことが可能になる。
そこで、演出をより楽しむことを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、第1の演出部および第2の演出部(例えば可動体601,610)と、筐体(例えば枠部材150)に収容される前記第1の演出部および前記第2の演出部(例えば可動体601,610)を、前記筐体(例えば枠部材150)の外に出現させる出現手段(例えば移動機構602)と、前記出現手段(例えば移動機構602)により前記第1の演出部および前記第2の演出部(例えば可動体601,610)が出現する場合、前記第1の演出部と前記第2の演出部(例えば可動体601,610)とを含む有意の集合体が形成されるように変位させる変位手段(例えば移動機構602)と、を備えることを特徴とするものである。
〔可動体移動装置600に係る第3の構成による動作例〕
次に、可動体移動装置600に係る第3の構成による動作例を説明する。
図35−3は、第3の構成に係る可動体移動装置600を説明する概略図であり、その動作例を(a)、(b)、(c)および(d)の順で時系列に示す。
なお、第3の構成は、第1の構成または第2の構成と共通する構成・機能を有することから、共通する構成には、同じ符号を用い、また、共通する構成・機能の説明および図示を省略することがある。第1の構成または第2の構成について上述した各種の制御例や変形例を、第3の構成に適用することが考えられる。また、第3の構成における構成ないし制御の一部を第1の構成または第2の構成に適用することが可能であり、また、第1の構成または第2の構成における構成ないし制御の一部を第3の構成に適用することも可能である。
図35−3に示す第3の構成に係る可動体移動装置600は、第2の構成の場合(図35−2参照)と同じく、収容部700に対して移動可能な可動体601および可動体610と、可動体601,610の移動に用いられる図35−3では図示しない移動機構602(例えば図36参照)と、を備えている。
可動体601,610の移動は、図35−3の(b)および(c)に示すように、正面視で上下方向および左右方向になされるものである。なお、可動体601は、第2の構成に係る可動体移動装置600も第3の構成に係る可動体移動装置600も備える点で同じであるものの、第3の構成の場合には上下方向にも移動可能である点で、左右方向には移動可能でない第2の構成と相違する。
さらに説明すると、図35−3に示すように、可動体601は、可動体601の内部に収容され突出可能な装飾物601aを備え、また、可動体610は、可動体610の内部に収容され突出可能な装飾物610aを備える。すなわち、第3の構成では、可動体601,610の各々は、単独で昇降可能であると共に、各々が内蔵する装飾物601a,610aを突出可能である。
付言すると、装飾物601a,610aが突出する順番として、両方が同時に現れる態様や、時間差をもって両方が現れる態様、いずれか一方だけが現れ他方が現れない態様等が考えられる。
なお、図35−3に示す装飾物601a,610aは、それ自体が動かない置物的なものであるが、突出した後に動く可動物とすることも考えられる(動く装飾物601a,610a)。すなわち、装飾物601a,610aを、従来から透明板159の内面側に設置される可動役物115のような動きを持つ可動物とすることである。
例えば、装飾物601a,610aを、突出した後に外形が大きくなるように展開する可動物とすることである。また、装飾物601a,610aの各々を、突出した状態で上下方向に延びる回転軸周りを回転する可動物とすることである。これにより、装飾物601a,610aの各々は、可動体601,610から突出している状態で様々な動き演出が可能になる。なお、かかる演出の説明は、装飾物601a,610aが可動体601,610内に収容されているときに回転等の動きを行うことを除外するものではない。
付言すると、装飾物601a,610aの装飾面(図35−3の(d)参照)が正面を向く状態から例えば正面視右側または正面視左側を向く状態で停止することで、装飾面の向きを変更する例も考えられる(装飾面の向き変更)。また、装飾物601a,610aが複数の装飾面を持つ場合、正面を向く装飾面をいずれの装飾面とするように切り替える例も考えられる(装飾面の切り替え)。
図35−3に示す装飾物601a,610aは、ひな人形を模したものであり、互いに横に並ぶことで意味のある集合体になる。したがって、突出状態の可動体601,610が互いに近接して合体することで、装飾物601a,610aが隣り合うようになり、演出の効果を奏する。
より具体的に、装飾物601a,610aを持つ可動体601,610の一連の動きを説明する。
図35−3の(a)に示すように、左移動端の可動体601および右移動端の可動体610が収容状態から上昇動作すると、同図の(b)に示すように、可動体601は、突出状態に移行する。なお、同図の(b)に示す場面では、装飾物601a,610aは内部に収容されている。
そして、右移動端の可動体610が正面視で左方向(可動体601に近接する方向)に移動をすることで、同図の(c)に示すように、左右方向の中央部で可動体601,610が合体する。その後、同図の(d)に示すように、可動体601から装飾物601aが突出すると共に、可動体610から装飾物610aが突出することで、装飾物601a,610aが横に並ぶ。
なお、可動体601,610が左右方向の中央部に向かって移動する際、装飾物601a,610aが既に突出していても良い。また、左移動端の可動体601および右移動端の可動体610が収容状態から上昇動作する際、装飾物601a,610aが既に突出していても良い。
ここで、第3の構成を上述した第1の構成(図35−1参照)に応用することも考えられる。すなわち、第3の構成における装飾物601a,610aのいずれか一方を、上述した第1の構成での可動体610(図35−1参照)が備えるという変形例である。言い換えると、第1の構成において、可動体610の形状が変化するように構成するものである。
そのような変形例の場合には、装飾物601a,610aが一つであることから、それ単体でその意味を遊技者に把握可能なものとすることが考えられる。例えば、たぬきの姿を模した模写体や、造花であることを例示することができる。また、いわゆるパトランプのように内部に発光するランプとすることも考えられる。あるいは、模写体と造花との両方とする例も考えられる。
なお、第2の構成に係る可動体移動装置600(図35−2参照)の可動体601または可動体610が、装飾物601a,610aのいずれか一方を備える変形例も考えられる。
さらに説明すると、内部に収容された可動体601,610や装飾物601a,610aを外部に出現させるタイミングないしランプ(不図示)を発光させるタイミングは、図24に示した当たり演出選択処理により決定された大当たり中の演出が開始されるのと同じタイミングであることを例示することができる。つまり、ランプ制御CPU24は、大当たり遊技状態になるのと同時に、内部に収容された可動体601,610や装飾物601a,610aを外部に出現させるとよい。そして、ランプ制御CPU24は、大当たり遊技状態が終了するのと同時に、外部に出現させていた可動体601等を収容するとよい。また、ランプ制御CPU24は、大当たり遊技状態になるのと同時に、例えばランプを発光させるとよい。
また、内部に収容された可動体601,610や装飾物601a,610aを外部に出現させるタイミングないしランプ(不図示)を発光させるタイミングは、図22に示した演出選択処理により選択された演出中の所定のタイミングであることを例示することができる。所定のタイミングは、例えば、リーチ有り演出中において3つの装飾図柄の内の2つの装飾図柄が揃い、3つ目の装飾図柄が他の装飾図柄と同じとなるか否か未確定のときに、画像表示部114に演出ボタン161のボタンマークを表示し、その後演出ボタン161が押されるのと同じタイミングであることを例示することができる。あるいは、所定のタイミングは、リーチ有り演出中において3つの装飾図柄の内の2つの装飾図柄が揃い、3つ目の装飾図柄が他の装飾図柄と同じとなるか否か未確定のときに、現在行われている演出よりも大当たり遊技に移行する期待度が高い演出に移行するタイミング(例えば、SPリーチ演出からSPSPリーチ演出に移行するタイミング)であることを例示することができる。
また、内部に収容された可動体601,610や装飾物601a,610aを外部に出現させるタイミングないしランプ(不図示)を発光させるタイミングは、大当たり遊技の種類が大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりであることを画像表示部114に表示するのと同じタイミングであることを例示することができる。
〔可動体移動装置600の移動機構602について〕
ここで、上述した可動体移動装置600が備える移動機構602は、周知慣用の技術を用いて構成することが可能であり、その一例を図36〜図39を用いて説明する。
図36および図37は、可動体移動装置600の移動機構602の一例を説明する図である。すなわち、図36は、移動機構602の外観を可動体610と共に示す説明図であり、(a)は、可動体移動装置600を手前側から見た斜視図であり、(b)は、可動体移動装置600を奥側から見た斜視図である。図37は、可動体610と共に示す移動機構602の分解斜視図である。
図36に示すように、可動体移動装置600の移動機構602は、後述する第2平歯車683と共にラック・アンド・ピニオンを構成する移動ラック711と、後述する基台650の第1板部材660の下端部が嵌め込まれると共に基台650の左右方向(図34に示した幅方向W)の移動を案内する移動溝712と、を収容部本体710(図33または図34参照)における底部に有する。
可動体移動装置600の移動機構602は、上述した可動体610を昇降させる昇降部640と、可動体610を左右方向に移動させる横移動部680とを備えている。また、移動機構602は、昇降部640及び横移動部680の駆動回路(不図示)や可動体610の昇降位置を検出する2つの第1,第2昇降センサ691,692が実装された可動体基板62(図36参照)を備えている。
可動体610は、前面枠420内に収容された状態である収容状態と、前面枠420から最も突出した状態である最突出状態との間で遷移可能な物体である。可動体610は、昇降部640により、収容状態と最突出状態との間を昇降動作する。また、可動体610は、横移動部680により、左右方向に移動する。可動体610は、上述したランプ制御部320により制御されることにより、外部から電力が供給されていない場合には収容状態に、外部から電力が供給されている場合には最突出状態に位置制御される。
ここで、移動機構602は、可動体610の可動体本体620を支持する支持部材630と、可動体本体620および支持部材630の昇降を案内する昇降案内部材635と、を有している。
なお、可動体本体620は、円柱状の円柱状部621と、円柱状部621の下方に設けられた締め付け用のボルト622とを有する。円柱状部621の表面には、例えば社名やロゴ等を付すことで意匠的な装飾を施すことが可能である。
移動機構602の支持部材630は、可動体610のボルト622が締め付けられる雌ねじ631aが形成された円柱状の円柱状部631と、円柱状部631の下方に設けられた棒状部632と、を有している。棒状部632には、昇降部640の後述する第2平歯車643に噛み合う昇降ラック632aが形成されている。
昇降案内部材635は、直方体状の部材であり、支持部材630に取り付けられている。
可動体本体620、支持部材630および昇降案内部材635は、一体で昇降するように組み付けられている。
〔移動機構602の昇降部640〕
移動機構602の昇降部640は、昇降モータ641と、昇降モータ641の回転軸641aに連結された第1平歯車642と、この第1平歯車642と噛み合うように配置され、第1平歯車642の回転に連動して回転する第2平歯車643と、を有している。また、昇降部640は、これら昇降モータ641、第1平歯車642、第2平歯車643などを支持する基台650を有している。
第2平歯車643は、可動体610の棒状部632に形成された昇降ラック632aと共にラック・アンド・ピニオンを構成し、昇降モータ641の回転力を可動体610の昇降の動きに変換する。
基台650は、平板状の第1板部材660と、平板状の第2板部材670と、を有している。
第1板部材660は、遊技機100の設置面に対して略垂直に起立させて設置されている。第2板部材670は、第1板部材660の上方において、第1板部材660に対して直交方向に延びるように配置されている。すなわち、第1板部材660および第2板部材670は、側方から見た場合に略T字形状をなしている。
第1板部材660における正面視中央に、上下方向に延びる溝661が形成されている。溝661には、可動体610の昇降案内部材635が嵌め込まれており、溝661は、昇降案内部材635を支持する。
また、第1板部材660には、昇降モータ641の回転軸641aを通す貫通孔662が形成されている。この貫通孔662に昇降モータ641の回転軸641aが通された状態で昇降モータ641のハウジング641bが例えばビス止めされることにより、昇降モータ641は、第1板部材660に保持される。
また、第1板部材660は、第2平歯車643の回転軸となるピン663を保持する。
また、第1板部材660における下部は、前面枠420の収容部700の底部に設けられた移動溝712に嵌め込まれている。
また、第2板部材670における正面視中央に、上方から見た場合に凸形状の貫通孔671が形成されている。貫通孔671における幅が広い方の矩形孔671aには、可動体610の支持部材630の棒状部632が通され、貫通孔671における幅が狭い方の矩形孔671bには、棒状部632に取り付けられた昇降案内部材635が通されている。
上述した第1,第2昇降センサ691,692は、周知のフォトインターラプタセンサであり、センサ本体に形成された2つの突出部と、突出部のそれぞれに設けられた発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とを有する。そして、発光素子から発光された光を受光素子が受けるか否かで、発光素子と受光素子とが対向する部位における物体の通過や存在を読み取る。より具体的には、第1,第2昇降センサ691,692の2つの突出部が対向する部位に、可動体610の昇降案内部材635が介在するように上下方向に並べて配置されている。そして、2つの突出部が対向する部位に、昇降案内部材635が介在するときに発光素子から発光された光を受光素子が受けず(遮光する)、昇降案内部材635が介在しないときに発光素子から発光された光を受光素子が受ける(受光する)ことで昇降案内部材635の位置、ひいては可動体610の位置を検出する。第1,第2昇降センサ691,692が配置されている位置については後述する。
〔移動機構602の横移動部680〕
次に、移動機構602の横移動部680について説明する。
移動機構602の横移動部680は、移動モータ681と、移動モータ681の回転軸681aに連結された第1平歯車682と、この第1平歯車682と噛み合うように配置され、第1平歯車682の回転に連動して回転する第2平歯車683と、を有している。
第2平歯車683は、前面枠420の収容部700の底部に設けられた移動ラック711と共にラック・アンド・ピニオンを構成する。
移動モータ681が回転駆動すると、第2平歯車683および移動ラック711を介して移動モータ681の回転駆動力が基台650の左右方向の直線動に変換される。これにより、基台650に支持された可動体610が左右方向に移動する。
また、移動機構602は、可動体610の左右方向の位置を検出する5つの第1〜第4横センサ731〜734を有している。第1〜第4横センサ731〜734は、周知のフォトインターラプタセンサであり、センサ本体に形成された2つの突出部と、突出部のそれぞれに設けられた発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とを有する。そして、発光素子から発光された光を受光素子が受けるか否かで、発光素子と受光素子とが対向する部位における物体の通過や存在を読み取る。より具体的には、第1〜第4横センサ731〜734の2つの突出部が対向する部位に、後述する基台650の第2板部材670が介在するように左右方向に並べて配置されている。そして、2つの突出部が対向する部位に、第2板部材670が介在するときに発光素子から発光された光を受光素子が受けず(遮光する)、第2板部材670が介在しないときに発光素子から発光された光を受光素子が受ける(受光する)ことで基台650の位置、ひいては可動体610の位置を検出する。第1〜第4横センサ731〜734が配置されている位置については後述する。
〔上下方向および左右方向における作用〕
以上のように構成された可動体移動装置600の上下方向および左右方向における作用は以下のように作動する。
図38および図39は、可動体移動装置600の移動機構602の一例を説明する図である。すなわち、図38は、可動体610が上下方向に移動する場合を示す図であり、(a)は可動体610が下方向の移動端(最も下降した状態)に移動した場合を示し、(b)は可動体610が上方向の移動端(最も上昇した状態)に移動した場合を示す。また、図39は、可動体610が正面視で左右方向に移動する場合を示す図であり、(a)は可動体610が最突出状態で右方向の移動端に移動した場合を示し、(b)は可動体610が最突出状態で左方向の移動端に移動した場合を示す。
可動体610が上下方向に移動する場合は、次のとおりである。すなわち、図38に示した正面視において、昇降モータ641が反時計回転方向に回転すると、第1平歯車642が反時計回転方向に回転して第2平歯車643が時計回転方向に回転する。これにより、図38の(b)に示すように、可動体610が、基台650及び収容部700に対して上昇する。他方、昇降モータ641が時計回転方向に回転すると、第1平歯車642が時計回転方向に回転して第2平歯車643が反時計回転方向に回転する。これにより、図38の(a)に示すように、可動体610が、基台650及び収容部700に対して下降する。なお、可動体610が基台650及び収容部700に対して昇降する際、可動体610は、溝661に案内されて昇降する。また、可動体610は、昇降モータ641による回転駆動力を受けることなく人間が加えた力で昇降する。つまり、可動体610は、電力を必要とせずに昇降する。
また、可動体610が正面視で左右方向に移動する場合は、次のとおりである。すなわち、図39に示した正面視において、移動モータ681が反時計回転方向に回転すると、第1平歯車682が反時計回転方向に回転して第2平歯車683が時計回転方向に回転する。これにより、図39の(a)に示すように、可動体610が、基台650と共に収容部700に対して右方向に移動する。
他方、移動モータ681が時計回転方向に回転すると、第1平歯車682が時計回転方向に回転して第2平歯車683が反時計回転方向に回転する。これにより、図39の(b)に示すように、可動体610が、基台650と共に収容部700に対して左方向に移動する。なお、可動体610が基台650と共に収容部700に対して左右方向に移動する際、基台650は、移動溝712に案内されて左右方向に移動する。
また、以上のように構成された可動体移動装置600においては、可動体610を支持する基台650は、移動溝712により左右方向の移動が案内されるので、可動体610は、移動モータ681による回転駆動力を受けることなく人間が加えた力で左右方向へ移動する。つまり、可動体610は、電力を必要とせずに左右方向に移動する。
〔第1,第2昇降センサ691,692の配置位置〕
第1,第2昇降センサ691,692の配置位置について図36を用いて説明する。
図36に示すように、第1昇降センサ691は、可動体610が最も下降した状態で、2つの突出部が対向する部位に可動体610の昇降案内部材635が介在し、可動体610がその状態よりも上昇している状態では昇降案内部材635が介在しない位置に配置されている。
第2昇降センサ692は、可動体610が最も上昇した状態で、2つの突出部が対向する部位に可動体610の昇降案内部材635が介在せず、可動体610がその状態よりも下降している状態では昇降案内部材635が介在する位置に配置されている。
〔第1〜第4横センサ731〜734の配置位置〕
第1〜第4横センサ731〜734の配置位置について図38および図39を用いて説明する。
第1横センサ731は、可動体610が最も左に移動した状態で、2つの突出部が対向する部位に基台650の第2板部材670が介在し、可動体610がその状態よりも右に移動した状態では第2板部材670が介在しない位置に配置されている(図39(b)参照)。
第4横センサ734は、可動体610が最も右に移動した状態で、2つの突出部が対向する部位に基台650の第2板部材670が介在し、可動体610がその状態よりも左に移動した状態では第2板部材670が介在しない位置に配置されている(図39(a)参照)。
第3横センサ733は、以下の位置に配置されている。つまり、可動体610が右へ移動して、2つの突出部が対向する部位に基台650の第2板部材670が介在し始めることにより、第3横センサ733が受光状態から遮光状態に切り替わったときに、可動体610が左右方向の中央となる位置である。
第2横センサ732は、以下の位置に配置されている。つまり、可動体610が左へ移動して、2つの突出部が対向する部位に基台650の第2板部材670が介在し始めることにより、第2横センサ732が受光状態から遮光状態に切り替わったときに、可動体610が左右方向の中央となる位置である。
可動体610が左右方向の中央に位置する場合には、第2横センサ732及び第3横センサ733は、遮光状態である(図38参照)。
ここで、移動機構602は、第2の構成の場合(図35−2参照)には、可動体601を昇降するための構造を備えることになる。また、移動機構602は、第3の構成の場合(図35−3参照)には、可動体601の装飾物601aおよび可動体610の装飾物610aを昇降するための構造を備えることになる。
かかる昇降用の構造としては、例えば、上述した可動体610を昇降させる昇降部640を利用することが考えられる。
〔演出制御ユニット10のハードウェア構成〕
図40は、本実施形態の演出制御ユニット10のハードウェア構成を示す図である。
同図に示す演出制御ユニット10は、図3に示した演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320に対応している。図示の例では、演出制御ユニット10は、演出制御基板10aとランプ制御基板10bとを接続して構成される。演出制御基板10aは、図3に示した演出制御部300および画像/音響制御部310の機能を実現する。ランプ制御基板10bは、図3に示したランプ制御部320の機能を実現する。
図40において、演出制御基板10aは、演出制御部300に対応する制御手段として、システムコントローラ(同図ではシスコンCPUと表記、以下、シスコンと呼ぶ)11と、シスコン11用の制御ROM12とを備える。シスコン11は、図3に示したCPU301に対応する。制御ROM12は、図3に示したROM302の一部である。
また、演出制御基板10aは、画像/音響制御部310に対応する制御手段として、演出制御CPU13と、演出制御CPU13用の制御ROM14と、VDP(Video Display Processor)15と、CGROM16と、音IC17と、音データRAM18および音データROM19とを備える。演出制御CPU13は、図3に示したCPU311に対応する。制御ROM14は、図3に示したROM312の一部である。
さらに、演出制御基板10aは、外部インターフェイスとして、ランプ制御基板I/F20(コネクタ20a)、主制御基板I/F21、LCDI/F22、音声駆動基板I/F23を備える。
演出制御基板10aは、シスコン11と接続され、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)32を備える。
ランプ制御基板10bは、ランプ制御部320に対応する制御手段として、ランプ制御CPU24と、ランプ制御CPU24用の制御ROM25とを備える。ランプ制御CPU24は、図3に示したCPU321に対応する。制御ROM25は、図3に示したROM322の一部である。また、ランプ制御基板10bは、外部インターフェイスとして、ランプ制御基板I/F20(コネクタ20b)と、電飾I/F26と、電源I/F27と、可動体I/F61とを備える。
演出制御ユニット10において、演出制御基板10aは、図3に示した遊技制御部200の機能を実現する主制御基板(不図示)、LCD28、音声駆動基板29と接続されている。また、ランプ制御基板10bは、電飾基板30と、役物基板40と、可動体基板62とに接続されている。ここで、LCD28は、図1および図3に示した画像表示部114を構成する。音声駆動基板29は、図1および図3に示したスピーカ156を構成する。また、音声駆動基板29は、枠ランプ制御信号と枠演出信号を中継する。枠ランプ制御信号は、遊技盤110の外部(枠部材150)に設けられた枠ランプ157の発光を制御するための信号である。枠演出信号は、演出制御基板10aと図1および図3に示した演出ボタン161、演出キー162等との間でやり取りされる信号である。電飾基板30は、ランプ制御基板10bの制御下で、盤ランプ116の発光を制御する。役物基板40は、ランプ制御基板10bの制御下で、可動役物115の動作を制御する。可動体基板62は、ランプ制御基板10bの制御下で、可動体移動装置600の動作を制御する。
ランプ制御基板I/F20は、演出制御基板10aとランプ制御基板10bとを接続するインターフェイスであり、演出制御基板10a側のコネクタ20aとランプ制御基板10b側のコネクタ20bとで構成されている。主制御基板I/F21は、演出制御基板10aと上記の主制御基板とを接続するインターフェイス(コネクタ)である。LCDI/F22は、演出制御基板10aとLCD28とを接続するインターフェイス(コネクタ)である。音声駆動基板I/F23は、演出制御基板10aと音声駆動基板29とを接続するインターフェイス(コネクタ)である。電飾I/F26は、ランプ制御基板10bと電飾基板30および役物基板40とを接続するインターフェイス(コネクタ)である。可動体I/F61は、ランプ制御基板10bと可動体基板62とを接続するインターフェイス(コネクタ)である。そして、例えば、可動体I/F61と可動体基板62とは、可動体移動装置600の昇降モータ641,移動モータ681それぞれとの電気的な接続に用いられる電線が含まれたケーブルにて接続されている。
図40において、演出制御基板10aの制御ROM12には、シスコン11が実行するプログラムが格納されている。制御ROM14には、演出制御CPU13が実行するプログラムが格納されている。CGROM16には、LCD28に表示される画像のデータが格納されている。音データROM19には、音声駆動基板29を介して出力される音声のデータが格納されている。なお、実際の遊技中における音声出力の際には、データの読み出し速度を向上させるために、例えば実行される演出ごとに必要な音データが音データRAM18に読み込まれ、音IC17は音データRAM18から所望の音データを読み出す。ランプ制御基板10bの制御ROM25には、ランプ制御CPU24が実行するプログラムが格納されている。
シスコン11は、制御ROM12に格納されたプログラムを実行することにより、演出制御部300の機能を実現する。演出制御CPU13は、制御ROM14に格納されたプログラムを実行することにより、画像/音響制御部310の機能を実現する。ランプ制御CPU24は、制御ROM25に格納されたプログラムを実行することにより、ランプ制御部320の機能を実現する。
ランプ制御基板10bは、電源I/F27を介して、パチンコ遊技機100の外部の電源に接続されている。そして、ランプ制御基板10bは、外部電源から電力の供給を受けると共に、ランプ制御基板I/F20を介して演出制御基板10aに電力を供給する。また、ランプ制御基板10bは、補助電源(コンデンサ)63を備えている。補助電源(コンデンサ)63は、一方の端子が電源電位に接続され、他方の端子がランプ制御CPU24と共通の基準(接地)電位に接続されており、外部電源から電力の供給を受けなくなった場合に、ランプ制御CPU24に電力を供給する。ランプ制御CPU24は、補助電源(コンデンサ)63から電力の供給を受けて、可動体移動装置600の動作を制御する。
〔可動体610,601の上下方向の移動制御〕
ここで、可動体610,601の上下方向の移動制御(昇降制御)について、例えば図35−1を用いて説明する。なお、可動体610,601の左右方向の移動制御について後述する。
ランプ制御部320は、外部電源から電力が供給されている場合には可動体610を突出状態(例えば図35−1の(b)参照)とし、外部電源から電力が供給されなくなった場合には可動体610を収容状態(例えば図35−1の(a)参照)とする。
ランプ制御部320(ランプ制御CPU24)は、例えば、外部電源から電力が供給されていない状態から外部電源から電力が供給され始めた後に後述する動作確認処理を行った後に、昇降モータ641を反時計回転方向に回転させることにより、可動体610を基台650及び収容部700に対して上昇させる。そして、第2昇降センサ692が遮光状態から受光状態に切り替わったときに昇降モータ641を停止させる。このようにして、ランプ制御CPU24は、可動体610を突出状態(例えば図35−1の(b)参照)とする。
可動体610が収容部700の上面よりも上方に突出する際には、可動体610が上蓋720の被覆部721を撓ませながら上昇していく。そして、可動体610が突出状態である場合には、被覆部721が可動体610の側面に接触しているので、可動体610が突出することに起因して上蓋720に孔が空くことが抑制される。
他方、ランプ制御部320(ランプ制御CPU24)は、外部電源から電力が供給されなくなった場合には、補助電源(コンデンサ)63から電力の供給を受けて、昇降モータ641を時計回転方向に回転させることにより、可動体610を基台650及び収容部700に対して下降させる。そして、第1昇降センサ691が受光状態から遮光状態に切り替わったときに昇降モータ641を停止させる。このようにして、ランプ制御CPU24は、可動体610を収容状態(例えば図35−1の(a)参照)とする。
なお、補助電源(コンデンサ)63が蓄えることができる電気エネルギーは、ランプ制御部320が可動体610を突出状態から収容状態へ下降させるのに必要なエネルギー以上であればよい。ランプ制御部320は、補助電源(コンデンサ)63から電力の供給を受けて、可動体610を突出状態から収容状態へ変更させた後には、自身への電力供給を停止するようにしてもよい。
また、ランプ制御部320(ランプ制御CPU24)は、外部電源から電力が供給されなくなった場合には、補助電源(コンデンサ)63から電力の供給を受けて、後述する初期位置復帰処理を行い、可動体610を後述する初期位置にしてもよい。
〔可動体移動装置600の初期化処理〕
ここで、ランプ制御部320(ランプ制御CPU24)は、初期化処理として、可動体移動装置600の動作確認処理を行うと共に、RAM323の記憶内容をクリアする。上述したS108(図5−1参照)の処理により、演出制御部300がサブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを遊技制御部200から取得したら、演出制御部300は、この動作確認処理を実行するためのコマンドをランプ制御部320へ出力する。そして、ランプ制御部320は、演出制御部300からこの動作確認処理を実行するためのコマンドを取得したら、この動作確認処理を実行する。
可動体移動装置600の動作確認処理は、可動体610が収容状態(例えば図35−1の(a)参照)と突出状態(例えば同図の(b)参照)との間で正常に遷移(昇降)することおよび、正面視で右移動端位置(例えば同図の(c)参照)と左移動端位置(例えば同図の(d)参照)との間を正常に左右方向に移動することを確認する処理である。
例えば、上述した第1の構成の場合(図35−1参照)、ランプ制御部320は、動作確認処理として、先ず、可動体610が、左右方向の中央位置で収容状態であるときの可動体610の位置である初期位置(同図の(a)に示した位置でもある)にあるかどうかを確認する。そして、ランプ制御部320は、可動体610が初期位置にある場合には、可動体610を上昇させて最突出状態にし(同図の(b)参照)、次に、右方向に移動して右移動端に位置し(同図の(c)参照)、さらに、左方向に移動して左移動端に位置し(同図の(d)参照)、最後に初期位置に戻るという一巡処理を行う。また、ランプ制御部320は、可動体610が初期位置にない場合には初期位置に復帰させる後述する初期位置復帰処理を行った後にかかる一巡処理を行う。
〔動作確認処理〕
図41は、ランプ制御部320による動作確認処理の動作を示すフローチャートである。
動作確認処理において、ランプ制御部320は、最初に可動体610が左右方向の中央位置で収容状態であるか否かを判断する(S4101)。これは、第2横センサ732及び第3横センサ733が遮光状態であると共に第1昇降センサ691が遮光状態であるか否かで判断する処理である。以下、可動体610が正面視で左右方向の略中央位置で収容状態であるときの可動体610の位置(例えば図35−1の(a)参照)を初期位置と称す。
そして、可動体610が初期位置にある場合(S4101でYes)、ランプ制御部320は、一巡処理を行う。すなわち、ランプ制御部320は、可動体610を正面視で左右方向の中央位置で突出状態とし(例えば図35−1の(b)参照)、その後、可動体610を突出状態で右方向移動端に位置する状態とし(例えば同図の(c)参照)、その後、突出状態で左方向移動端に位置する状態とし(例えば同図の(d)参照)、その後、正面視で左右方向の略中央位置で突出状態とし(例えば同図の(b)参照)、その後、初期位置に戻す(例えば同図の(a)参照)。つまり、ランプ制御部320は、可動体610が初期位置にあるときから、先ず、可動体610を左右方向の中央位置で突出状態とするべく、第2昇降センサ692が遮光状態から受光状態に切り替わるまで昇降モータ641を反時計回転方向に回転させる(S4102、S4103)。その後、ランプ制御部320は、可動体610を突出状態で最も右方向に移動した状態とするべく、第4横センサ734が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を反時計回転方向に回転させる(S4104、S4105)。その後、ランプ制御部320は、可動体610を突出状態で最も左方向に移動した状態とするべく、第1横センサ731が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を時計回転方向に回転させる(S4106、S4107)。その後、ランプ制御部320は、可動体610を左右方向の中央位置で突出状態とするべく、第3横センサ733が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を反時計回転方向に回転させる(S4108、S4109)。その後、ランプ制御部320は、可動体610を初期位置とするべく、第1昇降センサ691が受光状態から遮光状態に切り替わるまで昇降モータ641を時計回転方向に回転させる(S4110、S4111)。
他方、可動体610が初期位置にない場合(S4101でNo)、ランプ制御部320は、後述する初期位置復帰処理を行い(S4112)、その後、S4102以降の処理を行う。
〔初期位置復帰処理〕
図42は、ランプ制御部320による初期位置復帰処理の動作を示すフローチャートである。
初期位置復帰処理において、ランプ制御部320は、最初に第3横センサ733が遮光状態であるか否かを判断する(S4201)。第3横センサ733が遮光状態である場合(S4201でYes)、可動体610は左右方向の中央位置よりも右側にあるので、可動体610を左右方向の中央位置とするべく、第2横センサ732が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を時計回転方向に回転させる(S4202、S4203)。その後、第1昇降センサ691が遮光状態であるか否かを判断する(S4204)。そして、第1昇降センサ691が遮光状態である場合(S4204でYes)、可動体610は初期位置にあるので、初期位置復帰処理を終了する。他方、第1昇降センサ691が遮光状態ではない場合(S4204でNo)、ランプ制御部320は、可動体610を初期位置とするべく、第1昇降センサ691が受光状態から遮光状態に切り替わるまで昇降モータ641を時計回転方向に回転させる(S4205、S4206)。
一方、第3横センサ733が遮光状態ではない場合(S4201でNo)、第2横センサ732が遮光状態であるか否かを判断する(S4207)。第2横センサ732が遮光状態である場合(S4207でYes)、可動体610は左右方向の中央位置よりも左側にあるので、ランプ制御部320は、可動体610を左右方向の中央位置とするべく、第3横センサ733が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を反時計回転方向に回転させる(S4208、S4209)。その後、S4204以降の処理を行う。
他方、第2横センサ732が遮光状態ではない場合(S4207でNo)、第4横センサ734が遮光状態であるか否かを判断する(S4210)。第4横センサ734が遮光状態である場合(S4210でYes)、可動体610は最も右方向に移動した状態であるので、ランプ制御部320は、可動体610を左右方向の中央位置とするべく、第2横センサ732が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を時計回転方向に回転させる(S4211、S4212)。その後、S4204以降の処理を行う。
一方、第4横センサ734が遮光状態ではない場合(S4210でNo)、第1横センサ731が遮光状態であるか否かを判断する(S4213)。第1横センサ731が遮光状態である場合(S4213でYes)、可動体610は最も左方向に移動した状態であるので、ランプ制御部320は、可動体610を左右方向の中央位置とするべく、第3横センサ733が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を反時計回転方向に回転させる(S4214、S4215)。その後、S4204以降の処理を行う。
他方、第1横センサ731が遮光状態ではない場合(S4213でNo)、可動体610の左右方向の位置が不明であるので、ランプ制御部320は、可動体610を最も左方向に移動した状態とするべく、第1横センサ731が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を時計回転方向に回転させる(S4216、S4217)。その後、ランプ制御部320は、可動体610を左右方向の中央位置とするべく、第3横センサ733が受光状態から遮光状態に切り替わるまで移動モータ681を反時計回転方向に回転させる(S4218、S4219)。その後、S4204以降の処理を行う。
以上のように構成されたパチンコ遊技機100においては、外部電源から電力が供給されている場合には可動体610が前面枠420の収容部700の上蓋720よりも上方に突出した突出状態であるので、装飾表示効果を向上させることができる。この可動体610が突出状態であることにより、遊技者は、遠くから見ても他のパチンコ遊技機との区別を容易に行うことができる。
一方、外部電源から電力が供給されなくなった場合には、可動体610が前面枠420の収容部700内に収容された収容状態となり、前面枠420の外面から外側に出っ張っていない。このように、外部電源から電力が供給されていない場合にはパチンコ遊技機100はコンパクトになる。それゆえ、例えば、このパチンコ遊技機100を梱包したり搬送したりする場合でも、可動体610は邪魔にならない。
また、遊技者は、演出キー162を押すことで突出状態の可動体610を左右方向に移動させることができるので、可動体610を所望の位置に停止させることができる。例えば、遊技者は、可動体610を、データランプ1000が見易い位置に停止させることができる。また、遊技者は、可動体610を、ホールの従業員を呼ぶためのボタンを押し易い位置に停止させることができる。
〔可動体610,601の左右方向の移動操作例〕
ここで、可動体610,601の左右方向の移動操作例について説明する。可動体610および可動体601の左右方向の移動操作例は共通することから、以下、可動体610の左右方向の移動操作例を説明し、可動体601の左右方向の移動操作例の説明を省略する。
図43は、可動体610の左右方向の移動操作例を説明する図であり、(a)は、可動体610の上下左右方向への移動を受け付けるときに画像表示部114に表示する所定の画像を示す図である。また、図43の(b)は、可動体610が最突出状態で最も右方向に移動した状態を示す図であり、(c)は、可動体610が最突出状態で最も左方向に移動した状態を示す図である。また、同図の(d)は、可動体610の上下方向への移動を受け付けるときに画像表示部114に表示する所定の画像を示す図であり、同図の(a)に対応するものである。
図43の(a)に示した所定の画像においては、演出制御部300は、可動体610の模式図を表示すると共に、その右横に「装飾体を移動させることができます」との文言を表示する。また、演出制御部300は、可動体610の模式図の下方に、演出キー162の模式図を表示すると共に、手前側キーの下側に「下降」との文言を、奥側キーの上側に「上昇」との文言を、右側キーの右側に「右へ移動」との文言を、左側キーの左側に「左へ移動」との文言を表示する。
演出制御部300は、この所定の画像を、客待ち用の画面表示の一部として表示することを例示することができる。また、演出制御部300は、大当たり遊技状態のときに画像表示部114に表示する画像の一部として、この所定の画像を表示することを例示することができる。
そして、演出制御部300は、画像表示部114に所定の画像が表示されているときに、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162における右側に配置されたキー(以下、「右側キー」と称す。)が押された場合には、可動体610を右方向に移動させるべくランプ制御部320に指示命令(コマンド)を送る。
他方、演出制御部300は、画像表示部114に所定の画像が表示されているときに、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162における左側に配置されたキー(以下、「左側キー」と称す。)が押された場合には、可動体610を左方向に移動させるべくランプ制御部320に指示命令(コマンド)を送る。
また、演出制御部300は、演出キー162における上側に配置されたキー(以下、「上側キー」と称す。)が押された場合には、可動体610を上方向に移動させるべくランプ制御部320に指示命令(コマンド)を送り、また、下側に配置されたキー(以下、「下側キー」と称す。)が押された場合には、可動体610を下方向に移動させるべくランプ制御部320に指示命令(コマンド)を送る。
なお、演出制御部300は、可動体610の昇降及び左右方向への移動を同時に受け付けるようにしてもよい。
ランプ制御部320は、演出制御部300から可動体610を右方向に移動させるべき旨の指示命令(コマンド)を受信した場合には、移動モータ681を反時計回転方向に回転させることにより、可動体610を右方向に移動させる(例えば図35−1の(c)参照)。
ただし、ランプ制御部320は、演出制御部300から可動体610を右方向に移動させるべき旨の指示命令(コマンド)を受信した場合であっても、第4横センサ734が受光状態から遮光状態に切り替わったときに移動モータ681を停止させる。このとき、可動体610は、正面視右方向の移動端に位置する。なお、本実施の形態に係る可動体移動装置600においては、可動体610が、右方向の移動端の位置からさらに右方向に移動しないように物理的に構成されている。
ランプ制御部320は、演出制御部300から可動体610を左方向に移動させるべき旨の指示命令(コマンド)を受信した場合には、移動モータ681を時計回転方向に回転させることにより、可動体610を左方向に移動させる(例えば図35−1の(d)参照)。
ただし、ランプ制御部320は、演出制御部300から可動体610を左方向に移動させるべき旨の指示命令(コマンド)を受信した場合であっても、第1横センサ731が受光状態から遮光状態に切り替わったときに移動モータ681を停止させる。このとき、可動体610は、正面視左方向の移動端に位置する。なお、本実施の形態に係る可動体移動装置600においては、可動体610が、右方向の移動端の位置からさらに左方向に移動しないように物理的に構成されている。
なお、ランプ制御部320は、演出制御部300から可動体610を右方向または左方向に移動させるべき旨の指示命令(コマンド)を受信した場合には、(1)演出制御部300から可動体610を停止させるべき旨の指示命令(コマンド)を受信するまで移動モータ681を回転させる。または、ランプ制御部320は、演出制御部300から可動体610を右方向または左方向に移動させるべき旨の指示命令(コマンド)を受信した場合には、(2)所定の回転数だけ移動モータ681を回転させてもよい。上記(1)の場合には、可動体610は、演出キー162が押されている間、連続的に右方向または左方向へ移動する。上記(2)の場合には、可動体610は、演出キー162が押される度に、所定距離だけ右方向または左方向へ移動する。
また、可動体610を左右方向に移動させる所定の操作入力として、演出キー162の押下を例示したが、上述したように特にかかる態様に限定されない。例えば、パチンコ遊技機100が左右に操作可能な操作レバーを備えている場合には、演出制御部300は、この操作レバーからの操作入力に応じて可動体610を左右方向に移動させてもよい。また、パチンコ遊技機100が遊技者の動作を検知するためのモーションセンサを備えている場合は、モーションセンサの検知に応じて可動体610を左右方向に移動させてもよい。
また、可動体610を左右方向に移動させるためのキーや押ボタン(タッチセンサでもよい)や操作レバーやモーションセンサなどを、既存の演出キー162や操作レバーやモーションセンサなどとは別に、可動体610移動専用として設けてもよい。可動体610移動専用のキーなどを設ける位置は、例えば前面枠420の収容部700の下面など、透明板保持枠421における可動体610が配置された部位近傍であることを例示することができる。
ここで、上述した図43の(a)に示す画像表示部114の表示の代わりに、同図の(d)に示す表示にした場合、演出制御部300は、可動体610の模式図を表示すると共に、その右横に「装飾体を移動させることができます」との文言を画像表示部114に表示する。また、演出制御部300は、可動体610の模式図の下方に、演出キー162の模式図を表示すると共に、手前側キーの下側に「下降」との文言を、奥側キーの上側に「上昇」との文言を表示する。
演出制御部300は、この所定の画像を、客待ち用の画面表示の一部として表示することを例示することができる。また、演出制御部300は、大当たり遊技状態のときに画像表示部114に表示する画像の一部として、この所定の画像を表示することを例示することができる。
図44は、可動体610の左右方向の別の移動操作例を説明する図であり、(a)は、手で、可動体610を、中央よりも右方向に移動させている様子を示す図であり、(b)は、手で、可動体610を、中央よりも左方向に移動させている様子を示す図である。なお、同図には、パチンコ遊技機100の上方に設置されたデータランプ1000を示している。
以上のように構成された可動体移動装置600においては、可動体610を支持する基台650は移動溝712により左右方向の移動が案内されるので、可動体610は、移動モータ681による回転駆動力を受けることなく(電力を必要とせずに)人間が加えた力で左右方向へ移動する。
それゆえ、例えば、遊技者は、可動体610を、データランプ1000が見易い位置に手で移動させることができる。また、遊技者は、ために、手で可動体610を移動させることができる。また、遊技を始めるべく遊技台を選んでいる者も、データランプ1000に表示された遊技履歴などを見るために、手で、可動体610を、データランプ1000が見易い位置に移動させることができる。
〔切替スイッチ〕
ここで、パチンコ遊技機100は、可動体610の左右方向への移動または可動体610の昇降を、所定の操作入力があった場合にモータ(移動モータ681または昇降モータ641)を回転させることで行うか、あるいは移動モータ681の回転駆動力を受けることなく(電力を必要とせずに)人間が加えた力で行うかを切り替える切替スイッチ(不図示)を備えてもよい。つまり、パチンコ遊技機100は、可動体610の左右方向への移動または可動体610の昇降を、電動で行うか、あるいは手動で行うか、を切り替える切替スイッチを備えてもよい。切替スイッチを設ける位置は、例えば前面枠420の収容部700の下面など、透明板保持枠421における可動体610が配置された部位近傍であることを例示することができる。
そして、ランプ制御部320は、切替スイッチが「手動」の方に切り替えられている場合には、図43に示した、可動体610の左右方向への移動または可動体610の昇降を受け付ける所定の画像の画像表示部114への表示を行わないようにすると共に、所定の操作入力があったとしても移動モータ681を駆動しないようにする。
可動体移動装置600は、切替スイッチが「電動」の方に切り替えられている場合に、可動体610が手動では動かないようにするためのロック機構(不図示)を備えるとよい。ロック機構は、電力の供給を受けて駆動するモータやソレノイドで作動し、可動体610を支持する基台650の移動または可動体610の昇降を妨げるレバーやピンであることを例示することができる。そして、ランプ制御部320は、切替スイッチが「電動」の方に切り替えられている場合には、ロック機構にて手動では可動体610が動かないようにロックすると共に、所定の操作入力があった場合には、ロック機構によるロックを解除した後に移動モータ681を駆動させるとよい。
なお、パチンコ遊技機100は、電動・手動を切り替える切替スイッチではなく、電動・手動を選択するための押ボタン(タッチセンサでもよい)であってもよい。例えば、デフォルトを電動とし、押ボタン(タッチセンサ)が押された場合には手動に切り替えればよい。
〔固定スイッチ〕
また、パチンコ遊技機100は、可動体610の位置を固定するための固定スイッチ(例えば、固定・非固定を切り替える切替スイッチ、押下されることにより固定する押ボタンなど)(不図示)を備えてもよい。そして、ランプ制御部320は、固定スイッチが押されている場合には、図43に示した、可動体610の左右方向への移動または可動体610の昇降を受け付ける所定の画像の画像表示部114への表示を行わないようにすると共に、所定の操作入力があったとしてもモータ(移動モータ681または昇降モータ641)を駆動しないようにするとよい。また、ランプ制御部320は、固定スイッチが押されている場合には、上述したロック機構を作動させて、可動体610が手動では動かないようにするとよい。固定スイッチを設ける位置は、例えば前面枠420の収容部700の下面など、透明板保持枠421における可動体610が配置された部位近傍であることを例示することができる。
なお、パチンコ遊技機100は、ランプ制御部320が行う上述した初期化処理中は、可動体610を左右方向へ移動させるため、または可動体610を昇降させるための、演出キー162や押ボタンや操作レバーやモーションセンサなどの操作を受け付けないようにするとよい。また、パチンコ遊技機100は、ランプ制御部320が行う初期化処理中に上述した電動・手動を切り替える切替スイッチや可動体610を固定するための固定スイッチが操作されたとしても、初期化処理中には、電動・手動を切り替えないようにしたり可動体610を固定したりしないようにするとよい。
〔可動体610の状態と関連付ける演出例〕
次に、可動体移動装置600の可動体610の状態に関連付ける演出例について説明する。なお、かかる演出例では、上述した第1の構成に係る可動体移動装置600において可動体610に装飾物601aが収容されている場合を説明するが、他の構成例で行う場合も考えられる。
図45は、演出例を説明する図であり、(a)の後に(b)〜(d)に移行する場合と、(a)の後に(e)、(f)に移行する場合と、を示す。
図45の(a)に示すように、図柄変動中にSPリーチ演出が開始される場合、画像表示部114に複数のキャラクタ画像が変動表示されている。ここにいう複数のキャラクタ画像としては、対応付けられた信頼度が互いに異なるものである。例えば、高い信頼度が対応付けられるキャラクタAと、低い信頼度が対応付けられるキャラクタBと、である。キャラクタAは、装飾物601aをモチーフにした画像である。
SPリーチ演出では、画像表示部114にキャラクタAとキャラクタBとが変動表示され、キャラクタAとキャラクタBのいずれが最終的に表示されるかで、図柄変動に対する信頼度の報知ないし示唆を行っている。
このようなSPリーチ演出で、図45の(b)に示すように、画像表示部114に高い信頼度のキャラクタAの画像が最終的に表示されると、その後、同図の(c)に示すように、可動役物115が所定の動作を行い、特別図柄抽選結果が遊技者に有利なものであるかもしれないことを示唆する。
なお、可動役物115が同図の(c)に示す所定の動作を開始する条件として、遊技者に何らかの操作を行わせることが考えられる。例えば、同図の(b)に示す画像表示部114に「ボタンを押し下げろ!」という画像を表示することで、演出ボタン161(例えば図2の(b)参照)を押すとさらにリーチ演出が発展することの報知を行うものである。そして、指示どおりのボタン操作があると、可動役物115が同図の(c)に示す所定の動作を行う演出例である。
その場合に、演出ボタン161を押す代わりに、他の操作を行っても、演出ボタン161が操作されたとみなして反応し、可動役物115が同図の(c)に示す所定の動作を行う例も考えられる。
可動役物115が図45の(c)に示す所定の動作を開始した後、同図の(d)に示すように、収容部700に収容されている可動体610が収容状態から突出状態に移行し、加えて、可動体610に収容されている装飾物601aが突出する。
かかる場合、画像表示部114にて、より熱い画像演出を実行することができる。可動体610が突出しても画像表示部114が可動体610により覆われるものではなく、したがって、画像表示部114の全体で画像演出を行うことが可能である。また、SPリーチ演出で装飾物601aが突出しているときと突出していないときとで、画像表示部114に表示される映像が異なるように演出制御することが考えられる。例えば、装飾物601aの突出時には、赤色を基調とする映像であり、また、装飾物601aの非突出時には、青色を基調とする映像である。
かかる可動体610の突出状態への移行時に、通常では出力されない音響を出力する例が考えられる。
なお、装飾物601aが突出した段階で、すべての装飾図柄画像を停止させ、大当たりを確定する演出制御が考えられ、また、ハズレを確定する演出制御が考えられる。すなわち、装飾物601aが突出する場合であっても、大当たりが確定されるものではなく、ハズレの場合がある。
また、装飾物601aが突出すれば、装飾物601aが突出しない場合に比べて、大当たりになる可能性が高く、それゆえ熱い演出であると言える。しかしながら、装飾物601aが突出していなくても、ハズレが確定するものではなく、大当たりの場合がある。
なお、大当たりの種類に応じて、装飾物601aが突出する割合が異なるように設定することが考えられる。すなわち、例えば長当たりの場合には(図17参照)、装飾物601aが突出する割合が高く、また、短当たりの場合には、装飾物601aが突出する割合を低くする等である。
また、装飾物601aが突出した段階で、SPリーチ演出からさらに発展してSPSPリーチ演出に切り換わる演出制御が考えられる。すなわち、同じ装飾図柄画像が先に停止表示されて最後の1つの装飾図柄画像が変動表示している状態となると、当該最後の1つの装飾図柄画像も他と同じ画像で停止表示されることを遊技者が期待する。このような装飾図柄画像の変動表示状態を長い時間続けて演出を発展させることによって当該時間中に大当たりとなるか否かを煽るような様々な演出を行うことが可能になる。
また、装飾物601aが突出した段階で、例えば「NEXT」の文字を画像表示部114に表示し、疑似連を開始する演出制御も考えられる。なお、ここにいう疑似連とは、装飾図柄画像を変動表示させて完全に停止する前に、遊技者に変動が擬似的に停止したように見せかけて(以下、仮停止と記載する)変動表示を繰り返す演出である演出をいう。例えば、装飾図柄画像が仮停止した際の抽選結果が大当たりを示していない場合、遊技者は抽選結果にはずれたと感じて失望することになるが、実際は完全に停止しておらず再変動が開始されて演出を発展させることによって当該変動中に大当たりを獲得する期待度が高くなる。このような再変動を一変動の中で繰り返された場合にリーチ演出に移行して大当たりに当選する信頼度を高く設定しておくことによって、一変動中に再変動が繰り返されることで大当たりとなるか否かを遊技者がさらに煽られることになる。
その一方で、SPリーチ演出で、図45の(e)に示すように、画像表示部114に低い信頼度のキャラクタBの画像が最終的に表示されると、可動役物115による所定の動作が行われず、また、同図の(f)に示すように、可動体610が突出状態になった後に装飾物601aが突出するという動作も行われない。
したがって、同図の(f)に示す段階で、すべての装飾図柄画像を停止させ、ハズレを確定する演出制御が考えられる。
ここで、上述したSPリーチ演出において種々の変形例が考えられる。
例えば、図45の(b)に示すように、画像表示部114にキャラクタAの画像が表示された場合であっても、同図の(f)に示すように、可動体610の突出および装飾物601aの突出が行われない演出例が考えられる。かかる演出例では、可動役物115による所定の動作(同図の(c)参照)が行われない例のほか、可動役物115による所定の動作が行われる例も考えられる。
また、図45の(e)に示すように、画像表示部114にキャラクタBの画像が表示された場合であっても、同図の(d)に示すように、可動体610の突出および装飾物601aの突出が行われる演出例が考えられる。かかる演出例では、可動役物115による所定の動作(同図の(c)参照)が行われる例のほか、可動役物115による所定の動作が行われない例も考えられる。
また、互いに信頼度が異なるキャラクタAおよびキャラクタBを画像表示部114に表示し、その後の演出内容(特別図柄抽選結果)を示唆する演出例(図45参照)の他に、所定キャラクタが画像表示部114に表示されただけでは、その後の演出内容を予想するのが困難な演出例も考えられる。
すなわち、画像表示部114に所定キャラクタが表示された後に、図45の(d)に示すように、可動体610の突出および装飾物601aの突出が行われる演出を実行したり、同図の(f)に示すように、可動体610の突出および装飾物601aの突出が行われない演出を実行したりする制御例である。このような制御例の場合に、可動役物115による所定の動作(同図の(c)参照)が行われる例や行われない例が考えられる。
図45に示す図柄変動演出例は、可動体610が突出する場合と突出しない場合とで、画像表示部114では同義の演出であるものの互いに異なる形態ないし表現方法で行われるものである。
なお、可動体610が突出する場合の図柄変動演出と、可動体610が突出しない場合の図柄変動演出と、が互いに同じ時間である場合が考えられ、また、互いに異なる時間である場合が考えられる。
付言すると、上述した変動演出以外の場面、例えば大当たり遊技中に、可動体610が突出状態になり、また、装飾物601aも突出するという演出も考えられる。その場合には、大当たり遊技終了後に装飾物601aが可動体610に収容され、可動体610が収容部700に収容される。
図46は、他の演出例を説明する図であり、(a)、(b)の次に(c)に移行する場合と、(b)の後に(d)〜(f)に移行する演出例と、を示す。
図46の(a)に示すように、図柄変動中にノーマルリーチ演出が開始され、さらに、同図の(b)に示すように、収容部700に収容の可動体610および装飾物601aがパチンコ遊技機100の上方に突出してリーチ演出が発展し、SPリーチ演出が開始する。
このような可動体610および装飾物601aが突出している状態では、遊技者に対して注意を喚起するための画像表示を行っている。すなわち、同図の(b)に示すように、可動体610および装飾物601aが突出していることを示す「突出中」という画像を画像表示部114に表示している。
ここで、例えば、可動体610および装飾物601aが上昇する際に、「装飾体が上昇します」や「装飾体が出現します」などの画像表示を画像表示部114に行うことが考えられる。また、可動体610および装飾物601aが下降する際に、注意を喚起するために、例えば、可動体610を下降させる際に、「装飾体が下降します」や「指などが挟まれないようにして下さい」など、可動体610が下降する旨の画像表示を画像表示部114に行うことが考えられる。
これらの注意喚起に関連して説明すると、可動体610が左右方向へ移動する際に、例えば「装飾体が右へ移動します」や「装飾体が左へ移動します」などの注意喚起画像を画像表示部114に表示することが考えられる。
また、上述した画像表示部114における注意喚起画像の表示を行うと共に、スピーカ156を介して注意喚起のための警告音を出してもよい。
また、可動体610が突出したり左右方向へ移動したりするため、枠部材150の収容部700の上蓋720の上に物を載せないようにするための注意を喚起するために、画像表示部114に画像表示を行うとよい。例えば、パチンコ遊技機100は、客待ち用の画面表示の一部に、「遊技機(筐体(枠部材))の上に物を載せないで下さい」との表示等である。
図46に戻って演出例についての説明を続ける。同図の(b)に示すように、可動体610および装飾物601aが突出した状態では、上述した「突出中」という画像と共に、「収容させたいならボタンを押せ!」という報知画像が画像表示部114に表示されている。すなわち、突出した可動体610および装飾物601aを収容するか否かを、遊技者の操作に委ねている。遊技者は、突出のままで良いと思うとボタン操作せず、収容させたいと思えばボタン操作を行うことになる。言い換えると、遊技者の操作を求める場合が収容の場合であり、操作しないときには可動体移動装置600の現状の状態が維持される。
かかる選択操作を、可動体610および装飾物601aが突出している間いつでも受け付ける制御例が考えられ、また、可動体610および装飾物601aが突出してからの所定期間に限って受け付ける制御例も考えられる。
なお、「収容させたいならボタンを押せ!」という報知画像の画像表示部114への表示は、可動体610および装飾物601aが突出中ずっと行う制御例のほか、表示開始後の所定時間が経過したら行わない制御例も考えられる。そして、上述した選択操作の受け付け時期と上述した報知画像の表示時期とを、同じになるように揃える場合のほか、両者に時間的なズレを持たせる場合も考えられる。後者の場合、SPリーチ演出時において、選択操作の受け付け時期であるものの報知画像の表示時期ではない状態と、報知画像の表示時期であるものの選択操作の受け付け時期ではない状態と、のいずれか一方または両方が設定されることになる。
SPリーチ演出時に遊技者によるボタン操作がなされないと、図46の(c)に示すように、可動体610および装飾物601aが突出している状態で演出が進行される。より具体的には、本実施の形態では、画像表示部114にキャラクタCが表示される。
かかるキャラクタCは、装飾物610a(図35−3の(d)参照)をモチーフにした画像である。そして、SPリーチ演出として、その後、画像表示部114に例えばキャラクタCと上述したキャラクタA(図45参照)とが表示されて、画像演出を華やかなものにすることが考えられる。
なお、突出している可動体610および装飾物601aがSPリーチ演出中に、収容される例も考えられる。
その一方で、図46の(d)に示すように、SPリーチ演出時に遊技者により演出ボタン161が押し下げ操作されると、同図の(e)に示すように、可動体610および装飾物601aが収容部700に収容される。これに伴い、画像表示部114に表示されていた「突出中」の画像が表示されなくなる。
遊技者の選択操作により、可動体610および装飾物601aが収容された状態で、画像表示部114には、SPリーチ演出が進行される。より詳細には、収容状態で行われるSPリーチ演出は、上述した突出状態で行われる場合(図46の(c)参照)とは異なるものである。すなわち、画像表示部114には、キャラクタB以外の画像が表示される。より具体的に説明すると、本実施の形態では、キャラクタAの画像が表示される。
図46に示す図柄変動演出例は、可動体610および装飾物601aが突出している状態で演出が進行されるものの、所定条件(例えばボタン操作)を満たすと、可動体610および装飾物601aが収容される。そして、その後の演出では、可動体610および装飾物601aが突出している場合の演出内容と突出していない場合の演出内容とで互いに異なる。このように、可動体610および装飾物601aが突出しているか否かに応じて演出内容が切り替わる。言い換えると、可動体610および装飾物601aが収容されると、画像表示部114での演出内容が差し替わる。
〔可動体610の状態と関連付ける演出例の意義〕
ここで、枠部材150(例えば図1参照)から突出可能な可動体610の状態に応じて演出を変えることにより、遊技者が演出を楽しむことが可能になる。
そこで、演出をより楽しむことを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、筐体(例えば枠部材150)に収容される収容状態になり、前記筐体(例えば枠部材150)から出現する出現状態になる演出体(例えば可動体601,610)と、前記演出体(例えば可動体601,610)が前記収容状態の場合に第1の演出を実行し、前記演出体(例えば可動体601,610)が前記出現状態の場合に前記第1の演出とは異なる第2の演出を実行する実行手段(例えばCPU301)と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、可動体610の内部に複数の装飾物を備え、いずれかまたは全部の装飾物を突出させることが可能になる変形例も考えられる。そのような変形例では、大当たりの種類に応じて突出させる装飾物またはその組み合わせを変更する演出が可能になる。例えば、大当たり遊技の種類が大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりである場合と、大当たり遊技の種類が大当たり遊技の時間が短い大当たりである場合と、で出現する装飾物を変える演出である。
なお、装飾物を突出させた後には、可動体610を昇降する際の所定の操作入力と同様の操作入力、あるいは手動で収容するように構成するとよい。
〔本実施の形態に係る可動体移動装置600の可動体610の状態について〕
ここで、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100は、枠部材150(筐体)は、第1状態と、当該第1状態に比べて突出した第2状態との間で遷移可能な可動体610を備えている。
ここで、第1状態は、可動体610が枠部材本体(筐体本体)に最も近い位置にある状態や外観で可動体610が目立たない状態であることを例示することができる。また、第1状態は、遊技者や遊技を始めるべく遊技台を選んでいる者から可動体610が見え難い状態であることを例示することができる。第1状態の具体例は、可動体610が枠部材150の収容部700内に収容された収容状態であることを例示することができる。
第2状態は、第1状態に比べて突出した状態である。第2状態は、可動体610が第1状態である場合よりも外観で可動体610が目立つ状態であることを例示することができる。また、第2状態は、可動体610が第1状態である場合よりも、遊技者や遊技を始めるべく遊技台を選んでいる者から可動体610が見え易い状態であることを例示することができる。第2状態の具体例は、可動体610が枠部材150の収容部700の上蓋720よりも上方に最も突出した状態であることを例示することができる。
あるいは、第2状態が、可動体610が枠部材本体(筐体本体)から最も離れた位置にある状態で、第1状態が、第2状態に比べて枠部材本体(筐体本体)に近づいた状態であることを例示することができる。また、第2状態が、外観で可動体610が目立つ状態で、第1状態が、外観で可動体610が第2状態よりも目立たない状態であることを例示することができる。また、第2状態が、遊技者や遊技を始めるべく遊技台を選んでいる者から可動体610が見え易い状態で、第1状態が、遊技者や遊技を始めるべく遊技台を選んでいる者から第2状態よりも可動体610が見え難い状態であることを例示することができる。
なお、ランプ制御部320は、可動体610が上蓋720よりも上方に突出した状態を維持すべき場合には、可動体610が自重で下降しないように、昇降モータ641を駆動させる。つまり、ランプ制御部320は、可動体610が自重で下降しないように、可動体610の重力に抵抗する分の駆動トルクを生じさせる電流を昇降モータ641に供給する。
また、本実施の形態に係る可動体移動装置600においては、可動体610が、例えば図35−1の(b)に示した最も突出した状態からさらに上昇しないように物理的に構成されている。
〔可動体移動装置600等の変形例〕
上述した実施の形態においては、可動体610が可動体移動装置600の昇降部640により昇降させられることにより前面枠420の上面から上方に出っ張る構成であるが、特にかかる構成に限定されない。可動体610が前面枠420の上面から上方に出っ張るのであれば、例えば、左右方向に延びる回転軸周りに回転させることにより、収容状態から突出状態へ変化させてもよい。例えば、可動体610の形状を柱方向が左右方向となる三角柱状にするとともに、収容状態では柱方向に延びる三つの面の内の一つの面が前面枠420の上面と略同一面となるようにすると共に、モータなどにて左右方向を回転軸方向として回転させることにより、突出状態に変化させるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、可動体610が前面枠420の上面から上方に出っ張る構成であるが、特にかかる構成に限定されない。例えば、前面枠420の上面から斜め上方に突出するようにしてもよいし、前面枠420の手前側の面から手前側へ突出するようにしてもよい。
図47は、可動体移動装置600の変形例を説明する図であり、(a)は、可動体800が収容されている状態を示し、(b)は、可動体800が突出した状態を示す。
例えば、枠部材150の前面枠(内枠)420における右側の部位に、収容部700を設けてもよい。そして、この収容部700に、直方体状の可動体800を収容すると共に、図47(b)に示すように、収容部700における手前側の面よりも手前側に可動体800を突出させてもよい。
可動体800は、単に装飾された物体であるのみならず、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したり、遊技履歴を表示したりするとよい。
図48は、可動体移動装置600の他の変形例を説明する図であり、(a)は、可動体810が収容されている状態を示し、(b)は、可動体810が突出した状態を示す。
上述した実施の形態に係る可動体移動装置600においては、可動体610は、可動体610が前面枠420の収容部700内に収容された収容状態を第1状態の一例とし、可動体610が収容部700の上蓋720よりも上方に最も突出した最突出状態を第2状態の一例とした場合、第1状態と第2状態との間で遷移可能である。しかしながら、突出状態となる前の状態である第1状態は、可動体610が前面枠420の収容部700内に収容された状態に限定されない。
変形例に係る可動体810は、前面枠420の本体内から飛び出た、図48(a)に示す状態が枠部材本体(筐体本体)に最も近い位置にある状態(第1状態の一例)である。そして、変形例に係る可動体810は、図48(a)に示した第1状態から、図48(a)に示した第1状態に比べて突出した状態である、図48(b)に示す第2状態へ遷移可能である。つまり、変形例に係る可動体810が枠部材150の前面枠420の透明板保持枠421の上部から垂直下方に垂れ下がり、透明板159よりも手前側に存在する状態が枠部材本体(筐体本体)に最も近い位置にある状態である。そして、変形例に係る可動体810が枠部材150の前面枠420の透明板保持枠421の前面から手前側に突出した状態が枠部材本体(筐体本体)に最も離れた位置にある状態(第2状態の一例)である。
なお、変形例に係る可動体810は、単に装飾された物体であるのみならず、ランプやスピーカを備えていてもよい。
図47を用いて説明した可動体800においては、可動体610を昇降する際の上述した所定の操作入力と同様の操作入力、あるいは手動で、図47(a)に示した状態と図47(b)に示した状態との間で遷移可能にするとよい。
また、図48を用いて説明した可動体810においては、可動体610を昇降する際の上述した所定の操作入力と同様の操作入力、あるいは手動で、図48(a)に示した状態と図48(b)に示した状態との間で遷移可能にするとよい。
また、図47、図48用いて説明した可動体800、810に対しても上述した切替スイッチや固定スイッチを適用するとよい。また、可動体800、810を移動させる際には上述した注意喚起を行うとよい。また、可動体800が図47(b)に示した状態である場合、あるいは可動体810が図48(b)に示した状態である場合に、扉開放エラーなどのエラーが生じた場合には、可動体800,810を、図47(a),図48(a)の状態にするとよい。
なお、上述した実施の形態では、上述した特徴点を有する構成を、パチンコ遊技機100に適用した例を用いて説明したが、スロットマシンなどの、パチンコ遊技機以外の遊技機に適用しても構わない。スロットマシンが上述した特徴点を有する構成を備える場合には、リールを囲む、いわゆるスロットマシンの筐体が可動体移動装置600を収容すると共に、筐体の外面よりも外側に可動体610を突出させるようにするとよい。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200の主制御処理において、主制御処理の各処理で生成されたコマンドを最後にまとめて演出制御部300へ出力する動作について説明した(図5−3参照)。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するために、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実行することについて説明した(図5−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設けることについて説明した(図19−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
〔本実施の形態の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理において、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンドをまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、一連の前記主制御処理を1サイクル実行する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部240)と、前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、前記出力手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、上記の目的を達成する他の遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがって当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)を呼び出して実行する部分と、前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、前記特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、前記設定処理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力し、前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理において生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記憶領域に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、本実施の形態では、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「データ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用いた。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2データ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させることができることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
◆また、本実施の形態では、実行対象の変動パターンを特定するコマンドを送信する場合のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部である「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビットと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータが記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータが記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えることなく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能となるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送されるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。遊技制御部200(図3参照)は遊技制御手段の一例である。演出制御部300(図3参照)は演出制御手段の一例である。出力制御部240(図4参照)は出力手段の一例である。RAM203(図3参照)は記憶手段の一例である。コマンド格納領域は記憶領域の一例である。
100…パチンコ遊技機(遊技機の一例)
150…枠部材(筐体の一例)
601,610…可動体(第1の演出部の一例、第2の演出部の一例)
602…移動機構(出現手段の一例、変位手段の一例)
本発明が適用される遊技機は、演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、第1の演出部および第2の演出部(例えば可動体601,610)と、筐体(例えば枠部材150)に収容される前記第1の演出部および前記第2の演出部(例えば可動体601,610)を、前記筐体(例えば枠部材150)の外に出現させる出現手段(例えば移動機構602)と、前記出現手段(例えば移動機構602)により前記第1の演出部および前記第2の演出部(例えば可動体601,610)が出現する場合、前記第1の演出部と前記第2の演出部(例えば可動体601,610)とを含む有意の集合体が形成されるように変位させる変位手段(例えば移動機構602)と、を備え、前記第1の演出部および前記第2の演出部(例えば可動体601,610)を含む前記有意の集合体が形成される場合、所定の操作が行われることを契機に当該第1の演出部および当該第2の演出部(例えば可動体601,610)が前記筐体(例えば枠部材150)に収容されることを特徴とするものである。

Claims (1)

  1. 演出を行う遊技機であって、
    第1の演出部および第2の演出部と、
    筐体に収容される前記第1の演出部および前記第2の演出部を、前記筐体の外に出現させる出現手段と、
    前記出現手段により前記第1の演出部および前記第2の演出部が出現する場合、前記第1の演出部と前記第2の演出部とを含む有意の集合体が形成されるように変位させる変位手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
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