1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50と、遊技機枠50の内部に取付けられた遊技盤2(図8参照)とを備えている。遊技機枠50は、外枠(基枠に相当)51と開閉枠KWとを備えている。開閉枠KWは、内枠(保持枠部に相当)52と前枠(装飾枠部に相当、ガラス扉枠ともいう)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。図2に示すように、ヒンジ部54により、開閉枠KWは、外枠51に対して回動自在になっている。具体的には、前枠53は外枠51および内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51および前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。なお、開閉枠KWが開いているとは、内枠52および前枠53の少なくとも一方が開いていることをいう。また、開閉枠KWが閉じているとは、内枠52も前枠53も閉じていることをいう。
前枠53の中央には開口部分53aが形成されていて、この開口部分53aに透明のガラス板が取付けられる。これにより遊技者は、ガラス板を通して、後述する遊技領域3を視認できるようになっている。
また、遊技機枠50は、上部に押圧機構PKを備えている。押圧機構PKは、開閉枠KWが閉じている場合に、後述の左側可動体253を第2位置に配置させることが可能なものである。押圧機構PKは、図3(A)および図3(B)に示すように、外枠51に設けられた姿勢保持部材(基枠押圧機構に相当)57、内枠52に設けられた押圧部材(変位機構に相当)58および可動部材59からなる。なお、図3(A)は、内枠52が閉じているときの押圧機構PKの状態を示した図であり、図3(B)は、内枠52が開いているときの押圧機構PKの状態を示した図である。
姿勢保持部材57は、L字形状の部材であり、外枠51の上部内側に固定されている(図2参照)。この姿勢保持部材57は、図3に示すように、本体部57Aと、この本体部57Aの図3中の右端から、内枠52側(図中、奥側)に延出する壁部57Bとを備えている。本体部57Aは、外枠51に当接して固定される部位である。壁部57Bは、内枠52の閉塞時に可動部材59の左方から可動部材59に当接させるためのものである(図3(A)参照)。
押圧部材58は、内枠52の上端に配置されている(図2参照)。この押圧部材58は、図3(A)中、上下方向に伸びる板状の本体部58Aと、その本体部58Aの、図3(A)中、下側の先端に位置する先端部58Bとを備えている。本体部58Aの中央には、図中、上下方向に延びる長穴58Cが設けられている。本体部58Aは、長穴58Cを挿通しつつ内枠52の上部に固定された2個のリベットRVによって、図3(A)中、上下方向にスライド移動可能になっている。また、本体部58Aの図3(A)中、右上側には、貫通孔58Dが設けられている。この貫通孔58Dは、可動部材59の第1アーム部59Aの先端を挿通させるためのものである。
可動部材59は、上記押圧部材58と同じく、内枠52の上端に配置されている。この可動部材59は、図3(A)中、左右方向に延びる板状の第1アーム部59Aと、この第1アーム部59Aの左側の端部から、図3(A)中、前後方向に延びる板状の第2アーム部59Bとを備えている。第1アーム部59Aは、図3(A)および図3(B)に示すように、押圧部材58の上方に重なって配置される。そして、第1アーム部59Aの右側の先端が、押圧部材58の貫通孔58Dを挿通している。なお、可動部材59は、図3(A)に示すように、第1アーム部59Aと第2アーム部59Bとの間の位置に回動軸AXがある。この回動軸AXを中心にして、可動部材59が回動可能となっている。
図3を用いて、内枠52が閉じているときの押圧機構PKの状態、および、内枠52が開いているときの押圧機構PKの状態を以下に説明する。図3(A)に示すように、内枠52が閉じているときには、姿勢保持部材57の壁部57Bが可動部材59の第2アーム部59Bを図中、左側から当接する。このため、可動部材59の第2アーム部59Bが、回動軸AXを中心として反時計周りにそれ以上回動できず、第1アーム部59Aも回動できない。つまり、姿勢保持部材57によって、回動できない姿勢で可動部材59が固定されることになる。従って、第1アーム部59Aの先端が挿通する押圧部材58の本体部58Aもまた、後方(図3(A)中、上方)に移動することなく、その位置に固定される。よって、内枠52が閉じているときには、押圧部材58の先端部58Bは、内枠52の縁から前方に距離F1突出した状態に固定されることになる。かくして、開閉枠KWの閉塞時には、そのような押圧部材58の押圧によって、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276は押圧されて、左側可動体253は第2位置に配置可能となっている。なお、姿勢保持部材57は、開閉枠KWの閉塞時に、押圧部材58が左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276を押圧する状態にその押圧部材58をさせ得るものである。また、左第1アーム266、左第2アーム271、左第3アーム276および左側可動体253については、後ほど詳述する。
一方、図3(B)に示すように、内枠52が開いている場合には、可動部材59の第2アーム部59Bが姿勢保持部材57の壁部57Bから離れている。具体的には、内枠52の閉塞時よりも、姿勢保持部材57の壁部57Bと回動軸AXとの間に隙間が生じることになる。このため、可動部材59の第2アーム部59Bが、回動軸AXを中心として反時計周りに回動可能となり、それに伴って第1アーム部59Aも回動可能となる。この回動によって、第1アーム部59Aの先端が挿通する押圧部材58の本体部58Aもまた、後方に移動可能になる。従って、内枠52が開くと、押圧部材58の先端部58Bは、内枠52の縁から前方に距離F2だけ突出した状態になる。この距離F2は、内枠52の閉塞時の距離F1よりも短いため(F2<F1)、内枠52が開くと押圧部材58の突出量が相対的に小さくなり、押圧部材58が左側可動体ユニット202Lに届かなくなる。かくして、内枠52が開いている場合には、押圧部材58によって、後述の左側可動体253を第2位置に配置させることができない。
図2に戻り、前枠53は、後方側にベース枠56を備えている。また前枠53は、図4に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部410と右側装飾部420と操作機構部430とを備えている。ベース枠56は、前面側で上側装飾部200と左側装飾部410と右側装飾部420と操作機構部430とを着脱可能に取付ける枠体である。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠50(前枠53)の上部を装飾するものである(図4参照)。上側装飾部200は、図4に示すように、左右方向の中央に中央可動体ユニット201を備え、その中央可動体ユニット201の左方に左側可動体ユニット202L、右方に右側可動体ユニット202Rを備えている。中央可動体ユニット201は、枠可動体15を移動可能に組付けるユニットであり、前後方向に長いものである。本形態では左側可動体ユニット202Lおよび右側可動体ユニット202Rの構成に特徴があり、これら左側可動体ユニット202Lおよび右側可動体ユニット202Rの詳細な構成については後述する。
この上側装飾部200(中央可動体ユニット201)は、図5に示すように、ベース枠56に取付けられている他のどの部分(左側装飾部410,右側装飾部420,操作機構部430)よりも、前方に突出している。具体的には、図5に示すように、上側装飾部200の前方側の先端P1と上記幕板51aの前表面P2との間の距離L1が、操作機構部430の前方側の先端P3と幕板51aの上記前表面P2との間の距離L2の2倍以上になっている。これにより、上側装飾部200による前方への突出が非常に強調されていて、従来の遊技機枠に比べて大きなインパクトを与えることが可能である。
左側装飾部410は、遊技機枠50(前枠53)の左部を装飾するものである(図4参照)。右側装飾部420は、遊技機枠50の右部を装飾するものであり、剣役物ユニット321を備えている。剣役物ユニット321には、剣の形を模した剣役物322が押込操作可能に設けられている。これにより遊技の進行に伴って実行される演出時に、遊技者に対して剣役物322への押込操作が促されるようになっている。
操作機構部430は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部430は、図1に示すように、右側の下部に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備え、上側の後部に遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61を備え、ハンドル60よりも左方に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また、操作機構部430のうち上皿61よりも前方には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63や十字キー68が設けられている(図1参照)。
本形態のパチンコ遊技機1では、図4に正面図が示され、図5に右側面図が示され、図6に平面図が示されている。ここで、図4および図5に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうち遊技機1の上方には、データカウンタ160が配されている。データカウンタ160は、垂直壁面SHに固定されている固定部材161と、この固定部材161に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示装置162とを備えている。
データ表示装置162は、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示装置162は、遊技者がホールの従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ160では、垂直壁面SHに対するデータ表示装置162の前傾角度θ1を15度から25度まで可変できるようになっている。なお、図5では、データ表示装置162の前傾角度θ1が最大の25度になっている状態が示されている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、図7に示すように、遊技機枠50のうち上側装飾部200の後方の下側に、左右一対の左側スピーカ67Lおよび右側スピーカ67Rが設けられている。また上側装飾部200、左側装飾部410、右側装飾部420および操作機構部430には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(図37参照)が多数設けられている。
次に、図8を参照して遊技盤2について説明する。図8に示すように、遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技面2aが形成されている。この遊技面2aの前方に、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、様々な発光色で発光可能な盤ランプ5(図37参照)が多数設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技盤2の遊技面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。また遊技面2aよりも内側であって且つ遊技面2aよりも後方には、液晶表示装置である第1画像表示装置(第1表示手段)6が配されている。第1画像表示装置6は、鉛直方向に起立した状態で固定されている。
第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う装飾図柄表示領域がある。装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。第1画像表示装置6は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図10参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、第1画像表示装置6にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
第1画像表示装置6は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面6aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
また第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図10参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43b(図10参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1には、図8に示すように、第1画像表示装置6よりも上方に第2画像表示装置(第2表示手段)7が設けられている。第2画像表示装置7の表示画面7aでは、第1画像表示装置6の表示画面6aで実行される装飾図柄変動演出、大当たり演出、客待ち用のデモ演出などに合わせて、背景画像やキャラクタ画像など様々な演出画像が表示されるようになっている。
この第2画像表示装置7は、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態で固定されている。そして、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、遊技盤2の遊技面2aよりも前方に飛び出ている。これにより遊技者には、より近い位置で表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。更に、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、図8に示すように、遊技領域3の上端部よりも上方に飛び出ている。これにより遊技者には、遊技領域3の外側でも表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。こうして本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとにより、斬新な表示画面が形成されていて、遊技者には広範囲且つ近い距離で演出画像を見せることが可能である。その結果、表示画面6a,7aで表示される演出画像のインパクトを高めることが可能である。
図8に示すように、遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置6の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。
遊技領域3における第1画像表示装置6の下方には、第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20は、遊技球の入球し易さが常に変わらない入賞口である。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。なお本形態の第2始動口21は、上下方向且つ前後方向に延びる平面で形成される開口部分である。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。
電チュー22は、前後方向に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図36参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が前方に進出しているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。つまり、可動部材23が前方に進出しているときには、流下する遊技球が可動部材23の上側に当接すると、左方へ誘導される。これにより、遊技球が第2始動口21に入球可能となる。
一方、第2始動口21は、後方に退避しているとき(つまり閉状態であるとき)には遊技球が入球不可能となる。つまり、可動部材23が後方に退避しているときには、流下する遊技球が可動部材23に当接しない。これにより、遊技球は第2始動口21に入球することなく、後述するアウト口16へ向かう。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときには開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態であるときに完全に入球不可能となるものでなくても良い。
また第1始動口20の右斜め上方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図36参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、ゲート28の右斜め上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図36参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図9(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、左方に進出した進出状態(第1の状態)又は右方に退避した退避状態(第2の状態)をとる。
図9(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図9(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図9(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図9(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図8に戻り、遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、第1流路R1を流下した遊技球が第2始動口21へ入賞することは、ほとんどないように構成されている。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、ゲート28への通過、又は第1大入賞口30への入賞を狙う。
また図8に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図10に示すように、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報)は、特図保留記憶部85(図36参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図36参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図36参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており(図10参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図10参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図36参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図10参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.右側可動体ユニットの構成
次に図11~図26に基づいて、右側可動体ユニット202Rおよび左側可動体ユニット202Lの構成を説明する。右側可動体ユニット202Rは、前枠53のベース枠56に図示しないビスにより着脱可能になっている。こうして、本形態の右側可動体ユニット202Rは、他の部材と連係(係合)せずに着脱可能であるため、故障や点検の際に容易に交換することが可能である。
右側可動体ユニット202Rは、図12に示すように、右側ベース部210と右側可動体(可動体,演出装置に相当)203と外側カバー204とを備え、これらが一体としてユニット化されたものである。本形態の右側可動体ユニット202Rでは、後述するように右側可動体203が、手動で前後方向に変位可能に構成されている点に特徴がある(図16参照)。
まず外側カバー204について、図11および図12に基づいて説明する。図11は外側カバー204を右斜め上方から見たときの斜視図である。また、図12は外側カバー204を右方から見た側面図である。樹脂部材からなる板状の外側カバー204は、図11および図12に示すように、上部から下部にかけて前後方向の幅が徐々に狭くなっている。そのため、例えば図16に示す、右側可動体203が第2位置にあるときのような、右側可動体203の後方と右側ベース部との間に隙間が生じている場合には、右方の外部から指や異物などが入ってしまうのを防ぐことが可能となっている。
右側可動体203は、図11に示すように、筒状の形態をなしている。本パチンコ遊技機1では、特別図柄の変動中や、大当たり遊技中に表示演出が実行可能となっている(図47参照)。なお、右側可動体203の詳細構造については、後ほど説明する。
右側ベース部210は、図14に示すように、右ベース本体211と、右第1アーム221と、右第2アーム226と、右ベースカバー231と、ラッチ構造体(ラッチ機構に相当)240とを備えている。右ベース本体211と、右第1アーム221と、右第2アーム226とは金属からなり、右ベースカバー231は樹脂からなる。
右ベース本体211は、図14に示すように、略L字形状をなしている。具体的には、右ベース本体211は、図14中、左上側から右下側に延びる第1ベース本体部212と、その第1ベース本体部212の下端から、図14中、左下側に延びる第2ベース本体部213とからなる。第1ベース本体部212の背面(図14中、右上側を向く面)には、前枠53が当接する。また、第1ベース本体部212の上部には、アーム接続部212Xが設けられている。このアーム接続部212Xには、右第1アーム221が回動可能に接続される。
第2ベース本体部213の先端には、可動体接続部213Xが設けられている。この可動体接続部213Xには、右側可動体203が回動可能に接続される。具体的には、右側可動体203の下方に設けられた挿通孔と、可動体接続部213Xに設けられた挿通孔とを、軸部(不図示)が連結している。このため、右側可動体203は、第2ベース本体部213の可動体接続部213Xを中心にして回動可能になっている。
右第1アーム221は、中央部の断面がコの字形状になった棒状部材である(図14参照)。右第1アーム221には、図14に示すように、図中、上側にある第1端部221Sと、下側にある第2端部221Tとがある。右第1アーム221は、右ベース本体211および右第2アーム226と回動可能に連結している。なお、右第2アーム226については、後ほど説明する。
また、この右第1アーム221には、図中、左側を向く側面221Jに、図中、左上側から右下側に延びる長穴221Cが設けられている。長穴221Cは、ラッチ構造体240の回動アーム243の先端に設けられた突出部243Tを挿通させるためのものである。このため、右第1アーム221が可動すると、それにあわせて突出部243Tを長穴221Cに沿って移動させることが可能となっている。そして、突出部243Tを移動させることによって回動アーム243を回動させることが可能となっている。回動アーム243の突出部243Tについては、後ほど説明する。
右第2アーム226は、略L字形状をなしている(図14参照)。具体的には、右第2アーム226は、図中、左上側から右下側に延びる係合部227と、その係合部227の上端から、図中、左下側に延びる補助係合部228とからなる(図14参照)。係合部227には、右側可動体203の背面部301B(図13参照)が当接する。なお、補助係合部228は、右側可動体203の内部に配置される。つまり、右第2アーム226は、係合部227および補助係合部228を通じて右側可動体203を固定している。
この右第2アーム226には、係合部227の、図中、右下部に、接続部227Nが設けられている。接続部227Nには、図中、左上側から右下側に延びる長穴227Cがある。この長穴227Cには、右第1アーム221の上記第2端部221Tの挿通孔を挿通する軸部(不図示)が挿通する。よって、右第1アーム221と右第2アーム226とは、回動可能であるとともに、長穴227Cに沿って移動可能になっている。このため、右第2アーム226が可動すると、それにあわせて軸部を接続部227Nの長穴227Cに沿って移動させるとともに、右第1アーム221を移動(可動)させることが可能となっている。
右ベースカバー231は、右ベース本体211の上記第1ベース本体部212の前方に配置されている。右側可動体203が、直立する状態の位置である第1位置の場合には、右第2アーム226の係合部227が右ベースカバー231のすぐ前方に位置することになる。
本形態では、図14に示すように、この右ベースカバー231の内部、かつ、右ベース本体211の前方、かつ、右第1アーム221の左方にラッチ構造体240を配置している。ラッチ構造体240から露出している回動アーム243の突出部243Tが、上述したように右第1アーム221の長穴212Cに左方から挿入されている。
次に、ラッチ構造体240について、図15を用いて説明する。ラッチ構造体240は、図15に示すように、ケース基板部241とケース包囲部242と回動アーム243と板部材244と軸部材245とコイルスプリング246とを備えている。
ケース基板部241は、ケース包囲部242とともにラッチ構造体240のケースをなしている。ケース基板部241の内側には、図中、左上から右下に延びる円柱棒状の第1固定部241Aおよび第2固定部241Bが設けられている。具体的には、これら第1固定部241Aおよび第2固定部241Bは、ラッチ構造体240における軸部材245の軸心方向に平行に延びている。第1固定部241Aは、ラッチ構造体240にて板部材244の第1挿通孔244Aに挿通されるものである。第2固定部241Bは、ラッチ構造体240にて板部材244の第2挿通孔244Bに挿通されるものである。
またケース基板部241には、第1固定部241Aと第2固定部241Bとの間の位置に基板側軸受241Cが設けられている。この基板側軸受241Cは、有底円筒状に窪んだ形状であり、軸部材245の先端が進入可能になっている。
ケース包囲部242には、ケース基板部241の上記第1固定部241Aの先端を挿通させるための第1挿通孔242Aと、上記第2固定部241Bの先端を挿通させるための第2挿通孔242Bとを備えている。また、第1挿通孔242Aと第2挿通孔242Bとの間の位置の、ケース包囲部242の内側には、包囲側軸受242Cが設けられている。この包囲側軸受242Cは、有底円筒状に窪んだ形状であり、軸部材245の先端が進入可能になっている。
板部材244には、図15中、左上側に第1挿通孔244Aが、右下側に第2挿通孔244Bがそれぞれ設けられている。第1挿通孔244Aは、ケース基板部241の上記第1固定部241Aを挿通させるためのものであり、第2挿通孔244Bは、上記第2固定部241Bを挿通させるためのものである。
板部材244は、図15に示すように、ラッチ構造体240において、軸部材245の軸心方向に直交する状態で配置される。このような板部材244の複数の挿通孔(第1挿通孔244A,第2挿通孔244B)にそれぞれ固定部(第1固定部241A,第2固定部241B)を挿通させることで、軸部材245を中心とした回動アーム243の回動に伴って、その軸部材245の直交方向に板部材244が移動するのを防止可能となっている。
また、板部材244には、第1挿通孔244Aと第2挿通孔244Bとの間の位置に、図中、左上側から右下側に円盤状に隆起した隆起部244Rが設けられている。この隆起部244Rの中央には、軸部材245を貫通可能な板側貫通孔244Cが、また、隆起部244Rの周縁表面には、複数の板側表面突起244Kが形成されている(図15参照)。
板側表面突起244Kは、図15に示すように、回動アーム243側に突出したものである。具体的には、2つの斜面部244Sと頂部244Tとからなる山形形状をなしている。
なお、上記板部材244では、第1挿通孔244Aの内径を、円柱棒状の第1固定部241Aの外径よりも大きく、第2挿通孔244Bの内径を、円柱棒状の第2固定部241Bの外径よりも大きくしている。また、板側貫通孔244Cの内径を、軸部材245の外径よりも大きくしている。このため、板部材244は、ラッチ構造体240内にて、軸部材245の軸心方向に沿って移動可能になっている。
回動アーム243は、図15中、上下方向に延びるアーム部243Xと、アーム部243Xの下端に位置し、アーム部243Xから図15中、右下側に突出する突出部243Tと、アーム部243Xの上端に位置する当接端部243Zとを備えている。突出部243Tは、上述した右第1アーム221の長穴221Cに挿通可能な円柱形状をなしている。
当接端部243Zは、上記板部材244の隆起部244Rに当接する部位である。この当接端部243Zは、板部材244の隆起部244Rと同径の円形形状をなしている。当接端部243Zの中央には、上記軸部材245を貫通可能なアーム側貫通孔243Cが形成されている。また、板部材244に面する表面の周縁には、複数のアーム側表面突起243Kが形成されている(図15参照)。
アーム側表面突起243Kは、図15に示すように、板部材244側に突出したものである。具体的には、上述した板側表面突起244Kと同様、2つの斜面部243Mと頂部243Nとからなる山形形状をなしている。
本形態では、板側表面突起244Kとアーム側表面突起243Kとが互いに噛み合う構成になっている。すなわち、隣り合う板側表面突起244Kの間にアーム側表面突起243Kが、また、隣り合うアーム側表面突起243Kの間に板側表面突起244Kが配置されるようになっている。このように板側表面突起244Kとアーム側表面突起243Kとが噛み合っている場合には、噛み合っていない場合よりも、軸部材245を中心に回動アーム243が回動し難くなっている。
コイルスプリング246は、板部材244を付勢するためのものである。このコイルスプリング246は、ラッチ構造体240においては、軸部材245を挿通した状態でケース基板部241と板部材244との間に配置される。このとき、軸部材245の軸心方向に圧縮された状態(具体的には、図15中に示す自然長よりも圧縮された状態)で配置されることになる。よって、ラッチ構造体240において、コイルスプリング246は、板部材244について、図中、左上側から右下側に付勢可能となる。従って、ラッチ構造体240において、アーム側表面突起243Kと板側表面突起244Kとが噛み合っているときには、コイルスプリング246の付勢によって、板部材244が回動アーム243側に寄せられて、アーム側表面突起243Kと板側表面突起244Kとの噛み合いが解除され難くなっている。
なお、本形態では、アーム側表面突起243Kとアーム側表面突起244Kとが噛み合っているときのコイルスプリング246は、軸部材245の軸心方向に沿ってさらに圧縮可能になっている。具体的には、ラッチ構造体240において、アーム側表面突起243Kと板側表面突起244Kとが噛み合っているときの板部材244とケース基板部241との離間距離を、コイルスプリング246がさらに圧縮可能な距離にしている。
アーム側表面突起243Kと板側表面突起244Kとが噛み合っているときに、回動アーム243が軸部材245を中心に回動し始めると、アーム側表面突起243Kの斜面部243Mが板側表面突起244Kの斜面部244Mを押圧することになる。なお、アーム側表面突起243Kの斜面部243Mおよび板側表面突起244Kの斜面部244Mはいずれも、回動アームの移動方向(回動方向)に対して傾いた面をなしている。また、上述したように、板側表面突起244Kを備える板部材244は軸心方向に移動可能である。さらに、表面突起243K,244K同士が噛み合っているときのコイルスプリング246は、軸部材245の軸心方向に沿ってさらに圧縮可能となっている。従って、アーム側表面突起243Kの斜面部243Mによる板側表面突起244Kの斜面部244Mへの押圧力が、コイルスプリング246の付勢力に抗して、板部材244をケース基板部241側に移動させながら、回動アーム243が回動することになる。
さらに、回動アーム243の回動が続いて、アーム側表面突起243Kの頂部243Nが板側表面突起244Kの頂部244Nを超えると、アーム側表面突起243Kの斜面部243Mによる板側表面突起244Kの斜面部243Mへの押圧力は無くなり、コイルスプリング246の付勢力によって、アーム側表面突起243Kと板側表面突起244Kとが噛み合うよう回動アーム243を回動させる。かくして、ラッチ構造体240は、アーム側表面突起243Kの突起1つ分の移動が可能となっている。
本形態で、右側可動体203は、図16に示すように、第1位置、第2位置又は第3位置に配置される。第1位置とは、右側可動体203が、直立した状態になる位置である。すなわち、前面部301Fが前方を向く状態になる位置である。第2位置とは、右側可動体203が、後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態となる位置である。すなわち、第1位置から角度θ2(具体的には24度)、後方から前方にかけて下向きに傾倒した位置である。第3位置とは、第1位置と第2位置との間の中間位置にあたる。すなわち、第1位置から角度θ3(具体的には12度)、後方から前方にかけて傾倒した位置である。また、第2位置から角度θ4(具体的には12度)、前方から後方にかけて上向きに立ち上がった位置である。
なお本形態では、ラッチ構造体240のアーム側表面突起243K(板側表面突起244K)の突起1つ分の移動で、右側可動体203について第1位置と第3位置との間を変位可能となっている。また、右側可動体203について第2位置と第3位置との間を変位可能となっている。また、ラッチ構造体240のアーム側表面突起243K(板側表面突起244K)の突起2つ分の移動で、右側可動体203について第1位置と第2位置との間を変位可能となっている。
遊技場(ホール)では通常、図17に示すように、複数の本パチンコ遊技機1が横に並んでいる。そして、図18に示すように、2台のパチンコ遊技機1のうち、右隣のものの開閉枠KWが開いた場合には、左隣のものの右側可動体203が第2位置(二点鎖線)にあると、右隣の例えば中央可動体ユニット201が右側可動体203に衝突してしまう場合がある。
これに対し、右側可動体203は、第2位置から第1位置又は第3位置に変位させることで、右隣のパチンコ遊技機1の開閉枠KWが開いたときに、右側可動体203への衝突を回避可能となっている。
また、右側可動体203が変位可能な複数の位置として、第1位置と第2位置との間の中間位置にあたる第3位置がある(図16参照)。よって、右側可動体203を第1位置に配置すると右側可動体203の後方にあるホール設備に干渉してしまう場合には、第1位置を除いた、第2位置と第3位置との間で右側可動体203を変位させることが可能となっている。従って、右隣のパチンコ遊技機1の開閉枠KWが開くときに、第2位置から第3位置に右側可動体203を変位させることで、その右側可動体203への衝突を回避可能となっている。
また、遊技機枠50は、第1位置および第2位置を含む複数の位置に右側可動体203を固定し得るラッチ構造体240を備えているので、右側可動体203を変位させる際に、第1位置、第2位置又は第3位置といった所定の位置に右側可動体203を配置させ易い。
ところで、左側に配された回動軸を中心として開閉枠KWが開く場合に、左側可動体253および右側可動体203のうち、回動軸に遠い遊技機枠50の右側に配置されている右側可動体203の方が、左側可動体253よりも、右隣のパチンコ遊技機1の開いた開閉枠KWが衝突しやすい。
これに対し、本パチンコ遊技機1では、回動軸に遠い右側に配置された右側可動体203について、第2位置から第3位置、又は第1位置に変位可能になっている。このため、右隣のパチンコ遊技機1の開閉枠KWが開くときに第2位置から第1位置に右側可動体203を変位させることで、右側可動体203への衝突を回避可能となっている。
3.左側可動体ユニットの構成
次に左側可動体ユニット202Lの構成を説明する。左側可動体ユニット202Lは、前枠53のベース枠56に図示しないビスにより着脱可能になっている。こうして、本形態の左側可動体ユニット202Lは、他の部材と連係(係合)せずに着脱可能であるため、故障や点検の際に容易に交換することが可能である。
左側可動体ユニット202Lは、図19に示すように、左側ベース部(変位機構に相当)260と左側可動体(可動体,演出装置に相当)253と外側カバー254とを備え、これらが一体としてユニット化されたものである。本形態の左側可動体ユニット202Lでは、後述するように左側可動体253が、開閉枠KWの開閉によって前後方向に変位可能に構成されている点に特徴がある(図26参照)。
まず外側カバー254について、図20に基づいて説明する。図20は外側カバー254を左方から見た側面図である。樹脂部材からなる板状の外側カバー254は、図20に示すように、上部から下部にかけて前後方向の幅が徐々に狭くなっている。そのため、例えば図24に示す、左側可動体253が第2位置にあるときのような、左側可動体253の後方と左側ベース部との間に隙間が生じている場合には、左方の外部から指や異物などが入ってしまうのを防ぐことが可能となっている。
左側可動体253は、図19に示すように、筒状の形態をなしている。本パチンコ遊技機1では、特別図柄の変動中や、大当たり遊技中に表示演出が実行可能となっている(図47参照)。なお、左側可動体253の構造については、後ほど詳述する。
左側ベース部260は、図21および図22に示すように、左ベース本体261と、左第1アーム266と、左第2アーム271と、左第3アーム276と、第1補強アーム281と、第2補強アーム286と、左ベースカバー291と、台座295と、コイルスプリング299とを備えている。左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276は位置変更部材、コイルスプリング299は、誘導部材,付勢部材にそれぞれ相当する。左ベース本体261と、左第2アーム271と、左第3アーム276と、第1補強アーム281と、第2補強アーム286と、台座295とは金属からなり、左ベースカバー291は樹脂からなる。
左ベース本体261は、略L字形状をなしている(図22参照)。具体的には、左ベース本体261は、上下方向に延びる第1ベース本体部262と、その第1ベース本体部262の下端から前方に延びる第2ベース本体部263とからなる(図22参照)。第1ベース本体部262は、前枠53のベース枠56と当接する。また、第1ベース本体部262の上部には、アーム接続部262Xが設けられている。このアーム接続部262Xには、左第1アーム266および第1補強アーム281が回動可能に接続される。具体的には、アーム接続部262Xに設けられた挿通孔と、左第1アーム266の先端部266Sに設けられた挿通孔と、第1補強アーム281の第1先端部281Xに設けられた挿通孔とを、軸部(不図示)で連結している。このため、第1ベース本体部262のアーム接続部262Xは、左第1アーム266および第1補強アーム281の回動中心になっている。つまり、そのアーム接続部262Xを中心にして、左第1アーム266および第1補強アーム281が回動可能になっている。
また、第2ベース本体部263の先端には、台座接続部263Xが設けられている。この台座接続部263Xには、台座295および左第3アーム276が回動可能に接続される。具体的には、台座接続部263Xに設けられた挿通孔と、台座295の支持部295Eに設けられた挿通孔と、左第3アーム276の第1接続部276Fに設けられた挿通孔とを、軸部(不図示)を用いて連結している。このため、第2ベース本体部263の台座接続部263Xは、台座295および左第3アーム276の回動中心になっている。つまり、その台座接続部263Xを中心にして、台座295および左第3アーム276が回動可能になっている。
また、第2ベース本体部263には、図22に示すように、図中、左上側の後端から、図中、左下側に延出した係止部263Wが設けられている。この係止部263Wは、図23および図24に示すように、コイルスプリング299の一端部を取り付けるための部位である。
左第1アーム266は、図22中、上下方向に延びる部材である。この左第1アーム266は、図22中、下側に先端部266Sを備えている。この先端部266Sは、上述したように、第1ベース本体部262および第1補強アーム281に対して回動可能になっている。
また、左第1アーム266は、図22中、上側に被押圧部266Tを備えている。被押圧部266Tは、内枠52に設けられた上記の押圧部材58によって押圧され得る。本形態では、左第1アーム266の被押圧部266Tが押圧部材58に押圧されると、それに伴い左第1アーム266が可動する構成になっている。具体的には、押圧部材58の被押圧部266Tへの押圧によって、左第1アーム266が前方に可動する構成になっている。
さらに、左第1アーム266には、先端部266Sと被押圧部266Tとの中間の位置に押圧部266Rが形成されている。押圧部266Rは、左第2アーム271の被押圧部271Rを押圧可能な部位である。本形態では、押圧部材58の押圧によって、左第1アーム266が前方に可動した場合には、その左第1アーム266の押圧部266Rが左第2アーム271の被押圧部271Rを前方に押圧する。なお、左側ベース部260において、押圧部材58の押圧に伴う、被押圧部266Tや押圧部266Rを含んだ左第1アーム266の動きについては、後ほど詳述する。
左第2アーム271は、図22中、上下方向に延びる部材である。この左第2アーム271は、図22中、上側に第1先端部271P、および、図中、下側に第2先端部271Qを備えている。また、これら第1先端部271Pおよび第2先端部271Qとの間に、左第1アーム266に押圧され得る被押圧部271Rがある。
第1先端部271Pは、左ベースカバー291に回動可能に接続されている。具体的には、第1先端部271Pに設けられた挿通孔と、左ベースカバー291に設けられた挿通孔とを、軸部(不図示)を用いて連結している。なおこのとき、図23に示すように、左ベースカバー291の内側に第1先端部271Pが配置されている。かくして、第1先端部271Pを中心にして、左ベースカバー291に対して左第2アーム271が回動可能になっている。
また、左第2アーム271の第2先端部271Qには、図中、左上側から右下側に延びる長穴271Cが設けられている。この長穴271Cは、左第3アーム276の第2接続部276Jの挿通孔とともに軸部(不図示)を用いて連結される。よって、左第2アーム271と左第3アーム276とは、回動可能であるとともに、長穴271Cに沿って移動可能になっている。このため、左第2アーム271が可動すると、それにあわせて軸部を長穴271Cに沿って移動させるとともに、左第3アーム276を移動(可動)させることが可能となっている。なお、左側ベース部260において、押圧部材58の押圧に伴う左第2アーム271の動きについては、後ほど詳述する。
左第3アーム276は、図22中、左上側から右下側に延びる部材である。左第3アーム276には、図中、右下側の先端に位置する先端部276Gと、その先端部276Gよりも、図中、左上側に位置する第1接続部276Fと、図中、左上側の後端から上方に突出する第2接続部276Jと、後端から、図中、左側に延出した係止部276Uとがある。
先端部276Gは、台座295の前方の部位を下方から支持可能な部位である。この先端部276Gがどの位置にあるかによって、台座295がとれる姿勢(第1姿勢,第2姿勢)が決まる。また、係止部276Uは、図23および図24に示すように、コイルスプリング299の一端部を取り付けるための部位である。なお、左側ベース部260において、先端部276Gの位置による台座295の姿勢については、後ほど詳述する。
また、第1接続部276Fは、上述したように、第1ベース本体部262および台座295に対して回動可能に配置されている。また、第2接続部276Jは、上述したように、軸部(不図示)を用いて、左第2アーム271の長穴271Cに連結されている。よって、第2接続部276Jは、左第2アーム271の長穴271C内を移動したり回動したりすることが可能である。なお、左側ベース部260において、押圧部材58の押圧に伴う左第3アーム276の動きについては、後ほど詳述する。
第1補強アーム281は、図22中、左上側から右下側に延びる部材である。この第1補強アーム281は、図22に示すように、第1先端部281X、および、第2先端部281Yを備えている。第1先端部281Xは、上述したように、第1ベース本体部262および左第1アーム266に対して回動可能になっている。
また、第2先端部281Yには、第2補強アーム286が回動可能に接続される。具体的には、第2先端部281Yに設けられた挿通孔と、第2補強アーム286の第1先端部286Mに設けられた挿通孔とを、軸部(不図示)を用いて連結している。このため、第1補強アーム281の第2先端部281Yを中心にして、第2補強アーム286が回動可能になっている。
第2補強アーム286は、図22中、左上側から右下側に延びる部材である。この第2補強アーム286は、図22に示すように、第2先端部286M、および、第2先端部286Nを備えている。第1先端部286Mは、上述したように、第1補強アーム281に対して回動可能になっている。また、第2先端部286Nは、左側可動体253の背面253Yに設けられた接続部(不図示)に回動可能に接続されている。
なお、本形態では、第1補強アーム281の第2先端部281Yと、第2補強アーム286の第1先端部286Mとを連結する軸部に、図22に示すねじれスプリングSPを挿通させた構成になっている。具体的には、第1補強アーム281の第2先端部281Yの内側にねじれスプリングSPを配置した状態で、軸部が、第2先端部281Yの挿通孔、第1先端部286Mの挿通孔、および、ねじれスプリングSPをいずれも挿通している。このとき、ねじれスプリングSPの一端部が第1補強アーム281の内側に係止され、他端部が第2補強アーム286の内側に係止される。このようなねじれスプリングSPによって、第1補強アーム281と第2補強アーム286とは、第2先端部281Yおよび第1先端部286Mで屈曲している状態よりも屈曲していない状態になり易い。すなわち、第1補強アーム281と第2補強アーム286とは、第2先端部281Yおよび第1先端部286Mで屈曲している場合には、ねじれスプリングSPの付勢力が第1補強アーム281および第2補強アーム286に働いて、第2先端部281Yおよび第1先端部286Mで屈曲していない状態になる。
よって、例えば図23や図24に示す、第1補強アーム281および第2補強アーム286が第2先端部281Yおよび第1先端部286Mで屈曲している状態では、ねじれスプリングSPが、第1補強アーム281と第2補強アーム286とが屈曲しない状態になるよう、第1補強アーム281および第2補強アーム286を付勢する。このため、図23や図24に示すように、第1補強アーム281および第2補強アーム286が屈曲した状態では、第2補強アーム286が左側可動体253を後方から前方に向けて押圧することになる。つまり、本形態では、図23に示す状態でも図24に示す状態でも、左側可動体253には、前方に倒れて第2位置になるような力がかかっている。
図22に戻り、左ベースカバー291は、左ベース本体261の上記第1ベース本体部262の上部を包囲しつつ配置されている。左側可動体253が、直立する状態の位置である第1位置の場合には、その左側可動体253の背面253Yが左ベースカバー291のすぐ前方に位置することになる。
本形態では、図21や図23や図24に示すように、この左ベースカバー291の内部に左第1アーム266の被押圧部266Tおよび左第2アーム271の第1先端部271Pを配置している。
台座295は、板状形状の台座本体部295Bと、この台座本体部295Bから、図22中、下方に延出する支持部295Eとを備えている。台座本体部295Bの、図中、上側には、左側可動体253が固定配置される。また、支持部295Eは、上述したように、第1ベース本体部261および左第3アーム276に対して回動可能になっている。よって、台座295は、左側可動体253の変位(移動)とともに、姿勢を変えることが可能となっている。なお、左側可動体253の変位(移動)による台座295の姿勢については、後ほど詳述する。
図23および図24を用いて、押圧部材58によって被押圧部266Tが押圧されないとき、および、押圧されるときの左側ベース部260の状態を説明する。図23に示すように、内枠52が開いていて、押圧部材58によって被押圧部266Tが押圧されないときには、左第1アーム266のうち、被押圧部266Tが最も後方に配置される。このため、左第1アーム266が左第2アーム271を前方に押圧しないので、左第2アーム271がコイルスプリング299によって下方にひっぱられた状態になる。この状態では、左第3アーム276の第2接続部276Jが上方に持ち上げられないため、左第3アーム276の先端部276Gが台座295を第1姿勢に保持する。第1姿勢とは、左側可動体253を直立した状態になる第1位置にする姿勢をさす。また、図23に示す左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276の状態を「第1状態」ともいう。
一方、図24に示すように、内枠52が閉じて、押圧部材58によって被押圧部266Tが押圧されると、それに伴い、左第1アーム266が前方に移動して、左第2アーム271を前方に押圧する。そして、コイルスプリング299の張力に抗して、左第2アーム271が前方に移動するとともに、左第3アーム276の第2接続部276Jが上方に持ち上げられる(図24参照)。これにより、左第3アーム276の先端部276Gが台座295を第2姿勢に変化させる。第2姿勢とは、左側可動体253を後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態になる第2位置にする姿勢をさす。なお、図24に示す左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276の状態を「第2状態」ともいう。また、第2位置とは、左側可動体253が、第1位置から角度θ5(具体的には24度)、後方から前方にかけて下向きに傾倒した位置である。
なお本形態では、台座295は、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が図24に示す第2状態のときに、第2位置から第1位置に左側可動体253が変位した場合には、その変位とともに、第2姿勢から第1姿勢に変更され得る。具体的には、図25に示すように、左側可動体253が後方に移動しても、台座295は、台座接続部263Xを中心に回動して、左第3アーム276の先端部276Gから離間する。このとき、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276について第2状態を保持できる(図25参照)。また、押圧部材58も被押圧部266Tを押圧した状態を保持できる。
従って、例えば遊技者によって、第2位置にある左側可動体253が第1位置に故意に変位させられたとしても、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276について第2状態のままとし、押圧部材58について左第1アーム266の被押圧部266Tを押圧した状態のままとすることが可能となっている。つまり、第2位置にある左側可動体253にそのような変位が生じた場合でも、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276や押圧部材58に無理な力が掛かって不具合が発生するのを防止可能となっている。
次に、開閉枠KWの開閉に伴う左側可動体253の変位について、図26を用いて説明する。図26(D)に示すように、開閉枠KWのうちの前枠53が開いている場合には、左側可動体253は第1位置にある(図26(A)参照)。これは、前枠53が開いていることで、左第1アーム266の被押圧部266Tが押圧部材58に押圧されず、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が第1状態(図23)になっているためである。
図26(E)に示すように、開いていた前枠53が閉じると(但し、内枠52も閉じているときには)、左側可動体253は、第1位置から第2位置に変位する(図26(B)参照)。これは、前枠53が閉じることで、左第1アーム266の被押圧部266Tが押圧部材58によって押圧されることになり、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が第2状態(図24)になるためである。
左側可動体253が第2位置にあるときに前枠53が開くと(図26(F)参照)、左側可動体253は、第2位置から第1位置に変位する(図26(C)参照)。これは、前枠53が開くことで、左第1アーム266の被押圧部266Tが押圧部材58に押圧されなくなり、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が第1状態(図23)になるためである。
なお、図26を用いて、開閉枠KWのうちの前枠53の開閉に伴う左側可動体253の変位について説明したが、開閉枠KWのうちの内枠52の開閉に伴う左側可動体253の変位は、以下の通りである。
すなわち、前枠53の開閉によらず、内枠52が開いている場合には、左側可動体253は第1位置にある(図26(A)参照)。これは、内枠52が開いていることで、左第1アーム266の被押圧部266Tが押圧部材58に押圧されず、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が第1状態(図23)になっているためである。
開いていた内枠52が閉じると(但し、前枠53も閉じているときには)、左側可動体253は、第1位置から第2位置に変位する(図26(B)参照)。これは、内枠52が閉じることで、左第1アーム266の被押圧部266Tが押圧部材58によって押圧されることになり、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が第2状態(図24)になるためである。
左側可動体253が第2位置にあるときに内枠52が開くと、左側可動体253は、第1位置に変位する(図26(C)参照)。これは、内枠52が開くことで、左第1アーム266の被押圧部266Tが押圧部材58に押圧されなくなり、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が第1状態(図23)になるためである。
4.可動体(右側可動体203,左側可動体253)の構成
次に、図27~図35を用いて、可動体(右側可動体203,左側可動体253)について説明する。本形態では、右側可動体203および左側可動体253は、ほぼ同じ構造になっているため、以下では、右側可動体203を中心に説明する。
右側可動体203は、回転体310と、回転体310の内側に配置された光源部340と、回転体310の下方に配置された台座部305と、台座部305とともに回転体310を包囲する外周部300とを備えている。
外周部300は、プラスチック製であり、筒状をなしている側面部301と、この側面部301の上方に位置し、側面部301を閉塞する天井部302とを備えている(図11、図12および図13参照)。天井部302は、回転体310を軸支可能な構造になっている。すなわち、天井部302の内側には、回転体310の上側回転体320の円形突出部326X(図29参照)を軸支可能な軸受部(不図示)が形成されている。このため、回転体310の上側回転体320が、回転軸を中心にして回転可能になっている。上側回転体320および円形突出部326Xについては、後ほど説明する。
また、側面部301には、前側に配置された前面部301Fと、後側に配置された背面部301Bとがある(図11参照)。前面部301Fは、無色透明な部材からなる。よって、この前面部301Fを通して、外周部300内の回転体310の各表示部を遊技者に視認させることが可能となっている。また、回転体310が回転移動するのを遊技者に視認させることが可能となっている。回転体310の表示部については、後ほど説明する。
また、背面部301Bには、上述した本体210の右第2アーム226が係合する(図12および図13参照)。
回転体310は、2つの回転体(上側回転体320および下側回転体330)からなる。具体的には、図27および図28に示すように、上側回転体(構造体、第1構造体に相当)320は、外見上、回転体310の上側半分をなしているものであり、下側回転体(構造体、第2構造体に相当)330は、外見上、回転体310の下側半分をなしているものである。
上側回転体320は、図29に示すように筒状をなしている。本体部325と、この本体部325の上部に配置された4つの上側表示部(上側第1表示部321、上側第2表示部322、上側第3表示部323および上側第4表示部324)と、これら上側表示部321,322,323,324の上方に配置された板状の固定部326とを備えている。
4つの上側表示部321,322,323,324はいずれも、透光可能な部位を備えている。よって、上側表示部321,322,323,324は、その透光可能な部位を通じて、背後側からの光が透過可能になっている。
具体的に、上側第1表示部(第1表示部に相当)321は、図27に示すように、透光可能な概矩形状のレンズ部(第1レンズ部に相当)321Xと、このレンズ部321Xの外周に位置し、透光不能な不透光部321Yとを備えている。このレンズ部321Xは、上側第1表示部321において概矩形状の窓を模した表示形態をなしている。
上側第2表示部(第2表示部に相当)322は、図28に示すように、透光可能な第1部分レンズ部322D、第2部分レンズ部322E、第3部分レンズ部322Fおよび第4部分レンズ部322Gと、これら部分レンズ部322D,322E,322F,322Gの外周をなす、透光不能な不透光部322Yとを備えている。第1部分レンズ部322D、第2部分レンズ部322E、第3部分レンズ部322Fおよび第4部分レンズ部322Gは、「第2レンズ部」、「レンズ部」にそれぞれ相当する。
これら第1部分レンズ部322D、第2部分レンズ部322E、第3部分レンズ部322Fおよび第4部分レンズ部322Gは、上側第2表示部322において「7セグメント」の4つ分のセグメントを模した表示形態をなしている。つまり、上側第1表示部321におけるレンズ部321Xの表示態様とは異なっている。なお、表示形態が異なるとは、形状、色彩および大きさの少なくともいずれかが異なることをいう。
上側第3表示部323は、図28に示すように、透光可能なレンズ部323Xと、このレンズ部323Xの外周に位置し、透光不能な不透光部323Yとを備えている。このレンズ部323Xは、上側第3表示部323において文字「激」を模した表示形態をなしている。
上側第4表示部324は、図27に示すように、透光可能なレンズ部324Xと、このレンズ部324Xの外周に位置し、透光不能な不透光部324Yとを備えている。このレンズ部324Xは、上側第4表示部324において文字「V」の上半分を模した表示形態をなしている。
また、本体部325は、無色透明のプラスチックからなる筒状のものである。この本体部325は、後述の切替機構370によって、回転軸を中心に回転可能となっている。この本体部325は、図29に示すように、その回転軸を含む内側に光源部340を配置している。このため、光源部340のLED365から光が発光されると、その光は本体部325の内側から外側に向けて照射される。
なお、本体部325の外側の上部には、4つの上側表示部321,322,323,324がそれぞれ固定されている。図27および図28に示すように、上側回転体320は、4つの上側表示部321,322,323,324を四方に配置した構造になっている。つまり、4つの上側表示部321,322,323,324が、上側回転体320の上部の周壁UWをなしている。
よって、上側回転体320の上側表示部321,322,323,324のいずれかの上側表示部が、光源部340のLED365の前方に配置された場合には、その上側表示部の背後からの光がその上側表示部の透光部に透過し得る。
また、本体部325の突出部325Xが、後述の上側回転盤377の本体部377Aに嵌合可能となっている。よって、上側回転盤377の回転動作に伴って、上側回転体320が回転可能となっている。
また、固定部326は、上側表示部321,322,323,324を本体部325に固定するための部材である。この固定部326には、下方から上方に、円管状に突出する円形突出部326Xが設けられている。この円形突出部326Xは、上述の外周部300の天井部302に軸支される。
次に、下側回転体330について説明する。この下側回転体330は、図29に示すように、有底筒状をなしている。矩形板状の底部335と、この底部335の4つの端に配置された4つの下側表示部(下側第1表示部331、下側第2表示部332、下側第3表示部333および下側第4表示部334)とを備えている。
4つの下側表示部331,332,333,334はいずれも、透光可能な部位を備えている。よって、上述した上側表示部321,322,323,324と同じく、下側表示部331,332,333,334は、その透光可能な部位を通じて、背後側からの光が透過可能になっている。
具体的に、下側第1表示部(第1表示部に相当)331は、図27に示すように、透光可能な概矩形状のレンズ部(第1レンズ部に相当)331Xと、このレンズ部331Xの外周に位置し、透光不能な不透光部331Yとを備えている。このレンズ部331Xは、下側第1表示部331において概矩形状の窓を模した表示形態をなしている。下側第1表示部331については、後ほど詳述する。
下側第2表示部(第2表示部、表示部に相当)332は、図28に示すように、透光可能な第1部分レンズ部332D、第2部分レンズ部332Eおよび第3部分レンズ部332Fと、これら部分レンズ332D,332E,332Fの外周をなす、透光不能な不透光部材332Yとを備えている。第1部分レンズ部332D、第2部分レンズ部332Eおよび第3部分レンズ部332Fは、「第2レンズ部」,「レンズ部」に相当する。
これら第1部分レンズ部332D、第2部分レンズ部332Eおよび第3部分レンズ部332Fは、下側第2表示部332において「7セグメント」の3つ分のセグメントを模した表示形態をなしている。つまり、上述した下側第1表示部331におけるレンズ部331Xの表示態様とは異なっている。下側第2表示部332については、後ほど詳述する。
下側第3表示部333は、図27に示すように、透光可能なレンズ部333Xと、このレンズ部333Xの外周に位置し、透光不能な不透光部333Yとを備えている。このレンズ部333Xは、下側第3表示部333において文字列「アツ」を模した表示形態をなしている。
下側第4表示部334は、図28に示すように、透光可能なレンズ部334Xと、このレンズ部334Xの外周に位置し、透光不能な不透光部334Yとを備えている。このレンズ部334Xは、下側第4表示部334において文字「V」の下半分を模した表示形態をなしている。
また、底部335は、下側表示部331,332,333,334とともに下側回転体330を構成する部材である。この底部335には、図29に示すように、上方から下方に、切り欠き円管状に突出する突出部335Xが設けられている。この突出部335Xは、後述の下側回転盤374に嵌合可能となっている。よって、下側回転盤374の回転動作に伴って、下側回転体330が回転可能となっている。
下側回転体330は、図27および図28に示すように、4つの下側表示部331,332,333,334を四方に配置した構造になっている。つまり、4つの下側表示部331,332,333,334が、下側回転体330の周壁DWをなしている。
本形態では、この下側回転体330を、上述の上側回転体320の本体部325の下部の外側に配置している。よって、下側回転体330の下側表示部331,332,333,334のいずれかの下側表示部が、光源部340のLED365の前方に配置された場合には、その下側表示部の背後から光がその下側表示部の透光部に透過し得る。
本パチンコ遊技機1では、上側回転体320の上側表示部321,322,323,324と下側回転体330の下側表示部331,332,333,334とで1つのモチーフを形成している。モチーフとは、思想や思いを表現(シンボル化)したものをさす。
具体的には、上側第1表示部321と下側第1表示部331とで、図47(A)に示すような「メータ」を形成する。また、上側第2表示部322と下側第2表示部332とで、図47(B)に示すような「7セグメント(7セグ)」を形成する。また、上側第3表示部323と下側第3表示部333とで、図47(C)に示すような文字列「激アツ」を形成する。また、上側第4表示部324と下側第4表示部334とで、図47(D)に示すような文字「V」を形成する。
なお、上側回転体320の上側表示部321,322,323,324と、それに対応する下側回転体330の下側表示部331,332,333,334とを組み合わせた表示部は、上側回転体320の上側表示部321,322,323,324のみや、下側回転体330の下側表示部331,332,333,334のみよりも広面積となっている。よって、そのような表示部を用いて各種演出を行った場合には、上側回転体320の上側表示部321,322,323,324だけを用いた場合や、下側回転体330の下側表示部331,332,333,334を用いた場合よりも、遊技者にインパクトを与えることが可能となっている。
図29に戻り、台座部305には、上述の2つの回転体(上側回転体320,下側回転体330)を回転させて、各回転体の外周部をなしている各種表示部を切り替える切替機構370がある。切替機構370は、駆動モータ371、第1ギヤ372、第2ギヤ373、第3ギヤ375、第4ギヤ376、下側回転盤374および上側回転盤377からなる。駆動モータ371は、サブ制御基板90の制御に基づいて回転駆動する。この駆動モータ371は、その出力軸に第1ギヤ372を取付けていて、駆動によってその第1ギヤ372を回転させるものである。
なお、第1ギヤ372は、2段歯車である。図29に示すように、第1ギヤ372には、図29中、上側の上段ギヤ部372Aと、この上段ギヤ372Aよりも下側の下段ギヤ部(不図示)とがある。上段ギヤ部372Aおよび下段ギヤ部はいずれも同軸を中心にして回転する。
第2ギヤ373は、上記第1ギヤ372の上段ギヤ部372Aに噛み合う(図29参照)。また、下側回転盤374は、円盤形状をなしており、本体部374Aと本体部374Aの外周に設けられたギヤ部374Bとを備えている。このギヤ部374Bは、第2ギヤ373に噛み合う。また、本体部374Aには、上述した底部335の突出部335Xが嵌合する。よって、駆動モータ371により第1ギヤ372と第2ギヤ373とが回動することで、下側回転盤374が回動するとともに、下側回転体330が回動するようになっている。
なお、本形態で、下側回転盤374には、本体部374Aの中心位置に、上下方向に沿って延びる貫通孔374Cが設けられている。この貫通孔374Cには、上側回転盤377の本体部377Aが挿通可能になっている。よって、下側回転盤374にかかわらず、上側回転盤377への上側回転体320の嵌合が可能となっている。
第3ギヤ375は、上記第1ギヤ372の下段ギヤ部に噛み合う。また、第4ギヤ376は、第3ギヤ375に噛み合う。また、上側回転盤377は、円盤形状をなしており、本体部377Aと、この本体部377Aの下部の外周に設けられたギヤ部377Bとを備えている。このギヤ部377Bは、第4ギヤ376に噛み合う。また、本体部377Aには、上述した上側回転体320の本体部325の突出部325Xが嵌合する。よって、駆動モータ371により第1ギヤ372と第3ギヤ375と第4ギヤ376とが回動することで、上側回転盤377が回動するとともに、上側回転体320が回動するようになっている。
なお、本形態では、上側回転盤377には、本体部377Aの中心位置に、上下方向に沿って延びる貫通孔377Cが設けられている。この貫通孔377Cには、光源部340の下端部368が挿通可能になっている。よって、この貫通孔377Cを通じて、光源部340の下端部368を台座部305に到達させることが可能となっている。つまり、光源部340の下端部368を台座部305に固定可能となっている。
また、本形態では、上側回転体320と下側回転体330とは互いに逆の方向に回転する。駆動モータ371から上側回転盤377までのギヤの数と、駆動モータ371から下側回転盤374までのギヤの数とを、1つだけ異ならせている。これにより、上側回転盤377の回転方向と下側回転盤374の回転方向とを逆にすることが可能となっている。よって、上側回転体320の回転動作と下側回転体330の回転動作とを互いに異ならせることが可能であり、遊技者の注目度を向上可能となっている。
光源部340は、図30に示すように、基板上に配置した複数(本形態では46個)のLED(光源に相当)365と、複数のLED365を仕切る光源側仕切部材366とを備えている。光源側仕切部材366は、図30中、奥側から手前側に延出する板状のものである。
光源側仕切部材366には、上下方向中央に位置し、左右方向に延びる第1横仕切部341と、第1横仕切部341よりも下側に位置し、左右方向に延びる第2横仕切部342と、第2横仕切部342よりも下側に位置し、左右方向に延びる第3横仕切部343と、第3横仕切部343よりも下側に位置する第4横仕切部344とがある(図30参照)。また、第1横仕切部341よりも上側に位置する第5横仕切部345と、第5横仕切部345よりも上側に位置し、左右方向に延びる第6横仕切部346と、第6横仕切部346よりも上側に位置する第7横仕切部347とがある(図30参照)。
また、第1横仕切部341と第2横仕切部342の間にそれぞれ位置し、上下方向に延びる第1縦仕切部351および第2縦仕切部352と、第2横仕切部342と第3横仕切部343の間にそれぞれ位置し、上下方向に延びる第3縦仕切部353および第4縦仕切部354と、第3横仕切部343と第4横仕切部344の間にそれぞれ位置し、上下方向に延びる第5縦仕切部355および第6縦仕切部356とがある(図30参照)。また、第5横仕切部345と第6横仕切部346の間にそれぞれ位置し、上下方向に延びる第7縦仕切部351および第8縦仕切部358と、第6横仕切部346と第7横仕切部347の間にそれぞれ位置し、上下方向に延びる第9縦仕切部359および第10縦仕切部360とがある(図30参照)。
光源部340は、上述したように、上側回転体320の内側に配置されている(図29参照)。そして、光源部340の複数のLED365はいずれも前方を向いて固定されている。具体的には、光源部340の下端部368が底部305に、上端部369が外周部300の天井部302にそれぞれ固定されている。しかも、上述したように、光源側仕切部材366は、図30中、奥側から手前側に延出する板状部材であるため、LED365から発光された光が後方から前方に進行しや易くなっている。
また、本形態では、図31に示すように、上側第1表示部321の背後側に上側仕切部材(第1表示部側仕切部材に相当)321S、下側第1表示部331の背後側に下側仕切部材(第1表示部側仕切部材に相当)331Sを設けている。
上側仕切部材321Sは、左右方向に延びる仕切部321Lと、仕切部321Lの左右両端に位置し、上側仕切部材321Sを上側第1表示部321の背後に固定するための固定部321Tとを備えている(図31参照)。仕切部321Lは、図31中、左下側から右上側に延出する板状である。仕切部321Lは、レンズ部321Xの背後側に配置される。また、固定部321Tは、不透光部321Yの背後側に当接する。
また、下側仕切部材331Sは、いずれも左右方向に延びる第1仕切部331L、第2仕切部331Mおよび第3仕切部331Nと、これら仕切部331L,331M,331Nの左右両端に位置する固定部331Tとを備えている(図31参照)。第1仕切部331L、第2仕切部331Mおよび第3仕切部331Nは、上側仕切部材321Sの仕切部321Lと同じく、図31中、左下側から右上側に延出する板状である。第1仕切部331L、第2仕切部331Mおよび第3仕切部331Nは、レンズ部331Xの背後側に配置される。また、固定部331Tは、不透光部331Yの背後側に当接する。
図32を用いて、光源部340の複数のLED365の前方に上側第1表示部321および下側第1表示部331が配置された場合について説明する。図32(A)は、光源部340の複数のLED365の前方に上側第1表示部321および下側第1表示部331が配置されたときの、光源部340と上側仕切部材321Sおよび下側仕切部材331Sとの位置関係を示す説明図である。図32(B)は、光源部340の複数のLED365の前方に上側第1表示部321および下側第1表示部331が配置されたときの、上側第1表示部321のレンズ部321Xと上側仕切部材321S、および、下側第1表示部331のレンズ部331Xと下側仕切部材331Sとの位置関係を示す説明図である。なお、図32(A)および図32(B)では、図中、奥側がパチンコ遊技機1の「後方」であり、図中、手前側が「前方」である。
上述したように、上側仕切部材321Sの仕切部321Lは、図31中、左下側から右上側に延出する板状であるので、光源部340の複数のLED365の前方に上側第1表示部321が配置されたときには、仕切部321Lは、光源側仕切部材366と同じく、奥側から手前側に延出していることになる(図32(A)参照)。下側仕切部材331Sの各仕切部331L,331M,331Nもまた、光源部340の前方に下側第1表示部331が配置されたときには、光源側仕切部材366と同じく、奥側から手前側に延出していることになる(図32(A)参照)。
また、本形態では、図32(A)に示すように、光源部340の前方に上側第1表示部321が配置されたときには、上側仕切部材321Sの仕切部321Lが、光源部340の第6横仕切部346の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に上側第1表示部321が配置されたときには、仕切部321Lと第6横仕切部346とが前後方向に並ぶことになる。
また、光源部340の前方に下側第1表示部331が配置されたときには、第1仕切部331Lが第2横仕切部342の前方に、第2仕切部331Mが第3横仕切部343の前方に、第3仕切部331Nが第4横仕切部344の一部の前方にそれぞれ配置される。つまり、光源部340の前方に下側第1表示部331が配置されたときには、第1仕切部331Lと第2横仕切部342、第2仕切部331Mと第3横仕切部343、および、第3仕切部331Nと第4横仕切部344の一部とが前後方向に並ぶことになる。
よって、上側仕切部材321Sの仕切部321Lと光源側仕切部材366の第6横仕切部346とは、第6横仕切部346よりも上側に位置するLED365から上側第1表示部321のレンズ部321Xまでの光の進路を区画している。さらに、第6横仕切部346と第1横仕切部341との間に位置するLED365から上側第1表示部321のレンズ部321Xまでの光の進路を区画している。
また、下側仕切部材331Sの第1仕切部331Lと光源側仕切部材366の第2横仕切部342とは、第1横仕切部341と第2横仕切部342との間に位置するLED365から下側第1表示部331のレンズ部331Xまでの光の進路を区画している。また、下側仕切部材331Sの第2仕切部331Mと光源側仕切部材366の第3横仕切部343とは、第2横仕切部342と第3横仕切部343との間に位置するLED365から下側第1表示部331のレンズ部331Xまでの光の進路を区画している。また、下側仕切部材331Sの第3仕切部331Nと光源側仕切部材366の第4横仕切部344とは、第3横仕切部343と第4横仕切部344との間に位置するLED365から下側第1表示部331のレンズ部331Xまでの光の進路、さらに、第4横仕切部344よりも下側に位置するLED365から下側第1表示部331のレンズ部331Xまでの光の進路を区画している。
なお、第6横仕切部346よりも上側に配置されたLED365からの光は、上側第1表示部321のレンズ部321Xの上側の部位に到達する。すなわち、図32(B)に示す上位レンズ部321Dに達する。また、第6横仕切部346と第1横仕切部341との間に配置されたLED365からの光は、レンズ部321Xの下側の部位に到達する。すなわち、図32(B)に示す下位レンズ部321Eに達する。
また、第1横仕切部341と第2横仕切部342との間に配置されたLED365からの光は、下側第1表示部331のレンズ部331Xの最上部に到達する。すなわち、図32(B)に示す最上位レンズ部331Dに達する。また、第2横仕切部342と第3横仕切部343との間に配置されたLED365からの光は、最上位レンズ部331Dよりも下側の上位レンズ部331Eに達する(図32(B)参照)。また、第3横仕切部343と第4横仕切部344との間に配置されたLED365からの光は、上位レンズ部331Eよりも下側の下位レンズ部331Fに達する(図32(B)参照)。また、第4横仕切部344よりも下側に配置されたLED365からの光は、下位レンズ部331Fよりも下側の最下位レンズ部331Gに達する(図32(B)参照)。
かくして、光源部340の光源側仕切部材366と上側仕切部材321Sとは、第1横仕切部341よりも上側にあるLED365から、上側第1表示部321のレンズ部321Xまでの光の進路を区画する仕切部材(第1仕切部材に相当)SB1を構成している。仕切部材SB1は、上側仕切部材321Sの仕切部321L、および、光源側仕切部材366の第6横仕切部346からなる(図32(A)参照)。
また、光源部340の光源側仕切部材366と下側仕切部材331Sとは、第1横仕切部341よりも下側にあるLED365から、下側第1表示部331のレンズ部331Xまでの光の進路を区画する仕切部材SB2,SB3,SB4を構成している。仕切部材(第1仕切部材に相当)SB2は、下側仕切部材331Sの第1仕切部331L、および、光源側仕切部材366の第2横仕切部342からなる(図32(A)参照)。また、仕切部材(第1仕切部材に相当)SB3は、下側仕切部材331Sの第2仕切部331M、および、光源側仕切部材366の第3横仕切部343からなる(図32(A)参照)。また、仕切部材(第1仕切部材に相当)SB4は、下側仕切部材331Sの第3仕切部331N、および、光源側仕切部材366の第4横仕切部344からなる(図32(A)参照)。
本パチンコ遊技機1では、仕切部材SB1によって、第6横仕切部346よりも上側に配置されたLED365からの光を、上位レンズ部321Dに好適に到達させることが可能となっている。すなわち、下位レンズ部321D等、他のレンズ部に入射(分散)させることなく、上位レンズ部321Dに入射させることが可能となっている。さらに、第6横仕切部346と第1横仕切部341との間に配置されたLED365からの光を、下位レンズ部321Eに好適に到達させることが可能となっている。すなわち、上位レンズ部321D等、他のレンズ部に入射(分散)させることなく、上下位レンズ部321Eに入射させることが可能となっている。
また、仕切部材SB2によって、第1横仕切部341と第2横仕切部342との間に配置されたLED365からの光を、最上位レンズ部331Dに好適に到達させることが可能となっている。さらに、第2横仕切部342と第3横仕切部343との間に配置されたLED365からの光を、上位レンズ部331Eに好適に到達させることが可能となっている。
また、仕切部材SB3によって、第2横仕切部342と第3横仕切部343との間に配置されたLED365からの光を、上位レンズ部331Eに好適に到達させることが可能となっている。さらに、第3横仕切部343と第4横仕切部344との間に配置されたLED365からの光を、下位レンズ部331Fに好適に到達させることが可能となっている。
また、仕切部材SB4によって、第3横仕切部343と第4横仕切部344との間に配置されたLED365からの光を、下位レンズ部331Fに好適に到達させることが可能となっている。さらに、第4横仕切部344よりも下側に配置されたLED365からの光を、最下位レンズ部331Gに好適に到達させることが可能となっている。
なお、本形態で、光源部340の前方に上側第1表示部321および下側第1表示部331が配置された場合には、光源部340のLED365全部を発光させる。つまり、この場合、LED365全部からなる光源群が第1光源群に相当する。
次に、上側第2表示部322および下側第2表示部332の構造について、図33を用いて説明する。上側第2表示部322は、図33に示すように、透光可能な透光部材322Xと、透光不能な不透光部材322Yとを備えている。
透光部材322Xは、無色透明なプラスチック製の部材であり、上述した第1部分レンズ部322D、第2部分レンズ部322E、第3部分レンズ部322Fおよび第4部分レンズ部322Gと、これら部分レンズ部322D,322E,322F,322Gの間に介在する、板状の介在部322Hとからなる。つまり、透光部材322Xは、図33に示すように、部分レンズ部322D,322E,322F,322Gと介在部322Hとを備える1部材からなる。介在部322Hの中央には、図中、上下方向に延びる長穴状の嵌合部322Jが設けられている。
不透光部材322Yは、黒色のプラスチック製の板状部材である。この不透光部材322Yには、4つの挿通孔がある。すなわち、図33中、上下方向に延びる第1挿通孔322Y1および第3挿通孔322Y3と、図中、左右方向に延びる第2挿通孔322Y2および第4挿通孔322Y4とがある。第1挿通孔322Y1には第1部分レンズ部322Dが、第2挿通孔322Y2には第2部分レンズ部322Eが、第3挿通孔322Y3には第3部分レンズ部322Fが、そして、第4挿通孔322Y4には第4部分レンズ部322Gが、それぞれ配置される。
本形態では、不透光部材322Yは、背後側に突出する凸部322Wを備えている(図33参照)。この凸部322Wは、透光部材322Xの嵌合部322Jに嵌合する。よって、不透光部材322Yに対する透光部材322Xの位置ズレを防止可能となっている。また、透光不能な凸部322Wと、透光部材322Xの介在部322Hに設けられた嵌合部322Jとが嵌合するので、部分レンズ部322D,322E,322F,322Gから介在部322Hの嵌合部322J付近まで、透光部材322X内を光が移動してきた場合には、その光について凸部322Wで遮蔽することが可能となっている。
下側第2表示部332もまた、上側第2表示部322と同じく、透光可能な透光部材332Xと、透光不能な不透光部材332Yとを備えている(図33参照)。
透光部材332Xは、無色透明なプラスチック製の部材であり、上述した第1部分レンズ部332D、第2部分レンズ部332Eおよび第3部分レンズ部332Fと、これら部分レンズ部332D,332E,332Fの間に介在する、板状の介在部332Hとからなる。つまり、下側第2表示部332の透光部材322Xも、部分レンズ部332D,332E,332Fと介在部332Hとを備える1部材からなる。介在部332Hの中央には、図中、上下方向に延びる嵌合部332Jが設けられている。
不透光部材332Yは、黒色のプラスチック製の板状部材である。この不透光部材332Yには、3つの挿通孔がある。すなわち、図33中、上下方向に延びる第1挿通孔332Y1および第3挿通孔332Y3と、図中、左右方向に延びる第2挿通孔332Y2とがある。第1挿通孔332Y1には第1部分レンズ部332Dが、第2挿通孔332Y2には第2部分レンズ部332Eが、第3挿通孔332Y3には第3部分レンズ部332Fがそれぞれ配置される。
本形態では、不透光部材332Yは、背後側に突出する凸部332Wを備えている(図33参照)。この凸部332Wは、透光部材332Xの嵌合部332Jに嵌合する。よって、不透光部材332Yに対する透光部材332Xの位置ズレを防止可能となっている。また、部分レンズ部332D,332E,332Fから介在部332Hの嵌合部332J付近まで、透光部材332X内を光が移動してきた場合には、その光について凸部332Wで遮蔽することが可能となっている。
なお、本形態では、図34(A)に示すように、下側第2表示部332において、第1部分レンズ部332Dと第2部分レンズ部332Eとの距離(第1距離Z1)は、第1部分レンズ部332Dと第3部分レンズ部332Fとの距離(第2距離Z2)よりも近くなっている。そこで、図34(A)に示す第1距離Z1で、第1部分レンズ部332Dと第2部分レンズ部332Eとを結ぶような介在部を設けずに、第1部分レンズ部332Dから第2部分レンズ部332Eまでの介在部332Hを通しての距離(第3距離Z3)が第1距離Z1よりも長くなるよう、第1部分レンズ部332Dと第2部分レンズ部332Eとの間の介在部332Hを設けている。第3距離Z3が第1距離Z1よりも長くなっている分、第1部分レンズ部332Dと第2部分レンズ部332Eとの間の距離を稼ぐことが可能であり、第1部分レンズ部332Dと第2部分レンズ部332Eとの間で光の移動(透光)が生じ難いパチンコ遊技機1とすることが可能となっている。
また、凸部332Wを、第1部分レンズ部332Dと第3部分レンズ部332Fとの間に配置している(図34(A)参照)。よって、第1部分レンズ部332D又は第3部分レンズ部332Fからその凸部332Wまでの透光部材332X内を光が移動してきた場合には、その光を凸部332Wで遮蔽可能である。よって、第1部分レンズ部332Dと第3部分レンズ部332Fとの間で光の移動(透光)が生じるのを抑えることが可能となっている。
しかも、図34(B)に示すように、凸部332Wは、嵌合部332Jの厚み方向(図中、上下方向)の全域に嵌合しているので、各部分レンズ部332D,332Fから介在部332Hの嵌合部332J付近まで透光部材332X内を光が移動してきた場合には、その光が凸部332Wの反対側に届くのを抑制可能となっている。
図33に戻り、本形態では、上側第2表示部322の不透光部材322Y、および、透光部材322Xの背後側に上側仕切部材(第2表示部側仕切部材に相当)322S、下側第2表示部332の不透光部材332Y、および、透光部材332Xの背後側に下側仕切部材(第2表示部側仕切部材に相当)332Sを設けている。
上側仕切部材322Sには、3つの仕切孔がある。すなわち、図33中、上下方向に延びる第1仕切孔322S1および第2仕切孔322S3と、図中、左右方向に延びる第3仕切孔322S4とがある。また、下端には、切欠部322S2がある。
第1仕切孔322S1は、透光部材322Xの第1部分ガラス部322Dの背後に配置される。この第1仕切孔322S1は、第1部分ガラス部322Dの後方からの光が進入できる空間を設けるためのものである。また、第2仕切孔322S3は、透光部材322Xの第3部分ガラス部322Fの背後に配置される。この第2仕切孔322S3は、第3部分ガラス部322Fの後方からの光が進入できる空間を設けるためのものである。また、第3仕切孔322S4は、透光部材322Xの第4部分ガラス部322Gの背後に配置される。この第3仕切孔322S4は、第4部分ガラス部322Gの後方からの光が進入できる空間を設けるためのものである。また、切欠部322S2は、透光部材322Xの第2部分ガラス部322Eの背後に配置される。この切欠部322S2は、第2部分ガラス部322Eの後方からの光が進入できる空間を設けるためのものである。
また、下側仕切部材332Sには、3つの仕切孔がある。すなわち、図33中、上下方向に延びる第1仕切孔332S1および第3仕切孔332S3と、図中、左右方向に延びる第2仕切孔332S2とがある。
第1仕切孔332S1は、透光部材332Xの第1部分ガラス部332Dの背後に配置される。この第1仕切孔332S1は、第1部分ガラス部332Dの後方からの光が進入できる空間を設けるためのものである。また、第2仕切孔332S2は、透光部材332Xの第2部分ガラス部332Eの背後に配置される。この第2仕切孔332S2は、第2部分ガラス部332Eの後方からの光が進入できる空間を設けるためのものである。また、第3仕切孔332S3は、透光部材332Xの第3部分ガラス部332Fの背後に配置される。この第3仕切孔332S3は、第3部分ガラス部332Fの後方からの光が進入できる空間を設けるためのものである。
図35を用いて、光源部340の複数のLED365の前方に上側第2表示部322および下側第2表示部332が配置された場合について説明する。図35(A)は、光源部340の複数のLED365の前方に上側第2表示部322および下側第2表示部332が配置されたときの、光源部340と上側仕切部材322Sおよび下側仕切部材332Sとの位置関係を示す説明図である。図35(B)は、光源部340の複数のLED365の前方に上側第2表示部322および下側第2表示部332が配置されたときの、上側第2表示部322の部分レンズ部322D,322E,322F,322Gと上側仕切部材322S、および、下側第2表示部332の部分レンズ部332D,332E,332Fと下側仕切部材332Sとの位置関係を示す説明図である。なお、図35(A)および図35(B)では、図中、奥側がパチンコ遊技機1の「後方」であり、図中、手前側が「前方」である。
光源部340の複数のLED365の前方に上側第2表示部322が配置されたときには、上側仕切部材322Sの各仕切孔322S1,322S3,322S4は、奥側から手前側に貫通している(図35(A)参照)。下側仕切部材332Sの各仕切孔332S1,332S2,332S3もまた、光源部340の前方に下側第2表示部332が配置されたときには、奥側から手前側に貫通している(図35(A)参照)。
また、本形態では、図35(A)に示すように、光源部340の前方に上側第2表示部322が配置されたときには、上側仕切部材322Sの第1仕切孔322S1の周囲の部位が、光源部340の第5横仕切部345、第7横仕切部347、第7縦仕切部357および第9縦仕切部359の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に上側第2表示部322が配置されたときには、上側仕切部材322Sと第5横仕切部345、第7横仕切部347、第7縦仕切部357および第9縦仕切部359とが前後方向に並ぶことになる。
また、光源部340の前方に上側第2表示部322が配置されたときには、上側仕切部材322Sのうちの切欠部322S2をなしている部位が、光源部340の第5横仕切部345の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に上側第2表示部322が配置されたときには、上側仕切部材322Sと第5横仕切部345とが前後方向に並ぶことになる。
また、上側仕切部材322Sの第2仕切孔322S3の周囲の部位が、光源部340の第5横仕切部345、第7横仕切部347、第8縦仕切部358および第10縦仕切部360の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に上側第2表示部322が配置されたときには、上側仕切部材322Sと第5横仕切部345、第7横仕切部347、第8縦仕切部358および第10縦仕切部360とが前後方向に並ぶことになる。
また、上側仕切部材322Sの第3仕切孔322S4の周囲の部位が、光源部340の第7横仕切部347の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に上側第2表示部322が配置されたときには、上側仕切部材322Sと第7横仕切部347とが前後方向に並ぶことになる。
また、光源部340の前方に下側第2表示部332が配置されたときには、下側仕切部材332Sの第1仕切孔332S1の周囲の部位が、光源部340の第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に下側第2表示部332が配置されたときには、下側仕切部材332Sと第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355とが前後方向に並ぶことになる。
また、下側仕切部材332Sの第2仕切孔332S2の周囲の部位が、光源部340の第4横仕切部344の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に下側第2表示部332が配置されたときには、下側仕切部材332Sと第4横仕切部344とが前後方向に並ぶことになる。
また、下側仕切部材332Sの第3仕切孔332S3の周囲の部位が、光源部340の第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356の前方に配置される。つまり、光源部340の前方に下側第2表示部332が配置されたときには、下側仕切部材332Sと第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356とが前後方向に並ぶことになる。
よって、上側仕切部材322Sの第1仕切孔322S1と光源側仕切部材366の第5横仕切部345、第7横仕切部347、第7縦仕切部357および第9縦仕切部359とは、これら第5横仕切部345、第7横仕切部347、第7縦仕切部357および第9縦仕切部359で仕切られたLED365から上側第2表示部322の第1部分レンズ部322Dまでの光の進路を区画している。
また、上側仕切部材322Sの切欠部322S2と光源側仕切部材366の第5横仕切部345とは、第5横仕切部345と第1横仕切部341との間に配置されたLED365から上側第2表示部322の第2部分レンズ部322Eまでの光の進路を区画している。
また、上側仕切部材322Sの第2仕切孔322S3と光源側仕切部材366の第5横仕切部345、第7横仕切部347、第8縦仕切部358および第10縦仕切部360とは、これら第5横仕切部345、第7横仕切部347、第8縦仕切部358および第10縦仕切部360で仕切られたLED365から上側第2表示部322の第3部分レンズ部322Fまでの光の進路を区画している。
また、上側仕切部材322Sの第3仕切孔322S4と光源側仕切部材366の第7横仕切部347とは、第7横仕切部347よりも上側に配置されたLED365から上側第2表示部322の第4部分レンズ部322Gまでの光の進路を区画している。
また、下側仕切部材332Sの第1仕切孔332S1と光源側仕切部材366の第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355とは、これら第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355で仕切られたLED365から下側第2表示部332の第1部分レンズ部332Dまでの光の進路を区画している。
また、下側仕切部材332Sの第2仕切孔332S2と光源側仕切部材366の第4横仕切部344とは、第4横仕切部344よりも下側に配置されたLED365から下側第2表示部332の第2部分レンズ部332Eまでの光の進路を区画している。
また、下側仕切部材332Sの第3仕切孔332S3と光源側仕切部材366の第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356とは、これら第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356で仕切られたLED365から下側第2表示部332の第3部分レンズ部332Fまでの光の進路を区画している。
かくして、光源部340の光源側仕切部材366と上側仕切部材322Sとは、光源部340のLED365から、上側第2表示部322の各部分レンズ部322D,322E,322F,322Gまでの光の進路を区画する仕切部材SC1,SC2,SC3,SC4を構成している。
仕切部材(第2仕切部材に相当)SC1は、上側仕切部材322Sの第1仕切孔322S1の壁部、および、光源側仕切部材366の第5横仕切部345、第7横仕切部347、第7縦仕切部357および第9縦仕切部359からなる(図35(A)参照)。また、仕切部材(第2仕切部材に相当)SC2は、上側仕切部材322Sの切欠部322S2、および、光源側仕切部材366の第5横仕切部345からなる(図35(A)参照)。また、仕切部材(第2仕切部材に相当)SC3は、上側仕切部材322Sの第2仕切孔322S3の壁部、および、光源側仕切部材366の第5横仕切部345、第7横仕切部347、第8縦仕切部358および第10縦仕切部360からなる(図35(A)参照)。また、仕切部材(第2仕切部材に相当)SC4は、上側仕切部材322Sの第3仕切孔322S4の壁部、および、光源側仕切部材366の第7横仕切部347からなる(図35(A)参照)。
また、光源部340の光源側仕切部材366と下側仕切部材332Sとは、光源部340のLED365から、下側第2表示部332の各部分レンズ部332D,332E,332Fまでの光の進路を区画する仕切部材SC5,SC6,SC7を構成している。
仕切部材(第2仕切部材に相当)SC5は、下側仕切部材332Sの第1仕切孔332S1の壁部、および、光源側仕切部材366の第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355からなる(図35(A)参照)。また、仕切部材(第2仕切部材に相当)SC6は、下側仕切部材332Sの第2仕切孔332S2の壁部、および、光源側仕切部材366の第4横仕切部344からなる(図35(A)参照)。また、仕切部材(第2仕切部材に相当)SC7は、下側仕切部材332Sの第3仕切孔332S3の壁部、および、光源側仕切部材366の第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356からなる(図35(A)参照)。
本パチンコ遊技機1では、仕切部材SC1によって、第5横仕切部345、第7横仕切部347、第7縦仕切部357および第9縦仕切部359で仕切られたLED365からの光を、他の部分レンズ部に達することなく、第1部分レンズ部322Dに好適に到達させることが可能となっている。すなわち、他の部分レンズ部に入射(分散)させることなく、第1部分レンズ部322Dに入射させることが可能となっている。また、仕切部材SC2によって、第5横仕切部345と第1横仕切部341との間に配置されたLED365からの光を、第2部分レンズ部322Eに好適に到達させることが可能となっている。また、仕切部材SC3によって、第5横仕切部345、第7横仕切部347、第8縦仕切部358および第10縦仕切部360で仕切られたLED365からの光を、第3部分レンズ部322Fに好適に到達させることが可能となっている。また、仕切部材SC4によって、第7横仕切部347よりも上側に配置されたLED365からの光を、第4部分レンズ部322Gに好適に到達させることが可能となっている。
また、仕切部材SC5によって、第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355で仕切られたLED365からの光を、第1部分レンズ部332Dに好適に到達させることが可能となっている。また、仕切部材SC6によって、第4横仕切部344よりも下側に配置されたLED365からの光を、他の部分レンズ部に達することなく、第2部分レンズ部332Eに好適に到達させることが可能となっている。また、仕切部材SC7によって、第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356で仕切られたLED365からの光を、第3部分レンズ部332Fに好適に到達させることが可能となっている。
本形態では、光源部340の前方に上側第2表示部322および下側第2表示部332が配置された場合には、光源部340のLED365のうち、上述したLED365を発光させる。換言すると、第1縦仕切部351と第2縦仕切部352との間のLED365、第3縦仕切部353と第4縦仕切部354との間のLED365、第5縦仕切部355と第6縦仕切部356との間のLED365、第7縦仕切部357と第8縦仕切部358との間のLED365、および、第9縦仕切部359と第10縦仕切部360との間のLED365は、発光させない。よって、上側第2表示部322および下側第2表示部332を用いる場合には、上側第1表示部321および下側第1表示部331を用いる場合とは異なり、消費電力を抑えることが可能となっている。
なお本形態では、第5横仕切部345、第7横仕切部347、第7縦仕切部357および第9縦仕切部359で仕切られたLED365と、第5横仕切部345と第1横仕切部341との間に配置されたLED365と、第5横仕切部345、第7横仕切部347、第8縦仕切部358および第10縦仕切部360で仕切られたLED365と、第7横仕切部347よりも上側に配置されたLED365と、第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355で仕切られたLED365と、第4横仕切部344よりも下側に配置されたLED365と、第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356で仕切られたLED365とからなる光源群が第2光源群に相当する。
また、第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355で仕切られたLED365が、第1部分レンズ部332Dに透過させる光を発光可能な第1光源に相当する。また、第4横仕切部344よりも下側に配置されたLED365が、第2部分レンズ部332Eに透過させる光を発光可能な第2光源に相当する。また、第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356で仕切られたLED365が、第3部分レンズ部332Fに透過させる光を発光可能な第3光源に相当する。
また本形態で、光源側仕切部材366は、前方に上側第1表示部321および下側第1表示部331を配置した場合には、仕切部材SB1,SB2,SB3,SB4を構成し(図32参照)、前方に上側第2表示部322および下側第2表示部332を配置した場合には、仕切部材SC1,SC2,SC3,SC4,SC5,SC6,SC7を構成する(図35参照)。すなわち、光源側仕切部材366は、各横仕切部341,342,343,344,345,346,347および各縦仕切部351,352,353,354,355,356,357,358,359,360で、上側仕切部材321Sと上側仕切部材322Sとの両方に対応する仕切パターンと、下側仕切部材331Sと下側仕切部材332Sとの両方に対応する仕切パターンとを有している。つまり、光源側仕切部材366は、第1表示部(上側第1表示部321,下側第1表示部331)および第2表示部(上側第2表示部322,下側第2表示部332)の両方に対応した仕切パターンを有している。
5.遊技機の電気的構成
次に、図36および図37に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図36および図37に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御手段に相当)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御手段,発光制御手段に相当)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107とともにサブ制御部DKを構成する。なお、サブ制御部DKは、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置6,7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、中央可動体ユニット201の枠可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150には、電源回路(電源手段)151およびバックアップ電源回路152が設けられている。電源回路151は、主制御基板80、サブ制御基板90および払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。バックアップ電源回路152は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図36に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、および、変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図36に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられており、ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図37に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、図37に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107および枠中継基板99が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置6および第2画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置6および第2画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67(左側スピーカ67L,右側スピーカ67R)から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠中継基板99に接続された枠可動体15(図37参照)を動作させる。演出制御用マイコン91は、枠可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また、枠中継基板99には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63aおよび十字キー検出スイッチ68aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、十字キー検出スイッチ68aは、十字キー68(図1参照)が操作されたことを検出するものである。十字キー68をなす各種ボタン(「上ボタン」,「下ボタン」,「右ボタン」,「左ボタン」)が操作されると、その操作に応じた検知信号が、十字キー検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して出力される。
なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御を実行させてもよい。また、ランプ制御基板107に枠可動体600を接続して、ランプ制御基板107に枠可動体15の動作制御をさせてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
6.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図38に示す通りである。図38に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである(図38参照)。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである(図39参照)。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14Rおよび16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図9(B)参照)から第1の状態(図9(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図38に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図40(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0~9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0~127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図40(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
7.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図41(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図42参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図41(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図41(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図43参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図43参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図8参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図8参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
8.パチンコ遊技機1の動作
次に、図44に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図45~図46に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図44に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図36参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の所定の記憶領域にセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図40(A)参照)を取得する。また、第2始動口センサ21aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図40(A)参照)を取得する。また、ゲートセンサ28aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図40(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図39参照)に従って第1大入賞口30,第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン91に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図39参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は図45~図46に示す処理を行う。演出制御用マイコン91の動作について、以下に説明する。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図45に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
[受信コマンド解析処理]図46に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン91はまず、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1101)。受信していなければ、ステップS1104に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1102)を行う。
変動演出パターン選択処理(S1102)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、盤ランプ5を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠ランプ66を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠可動体15を動作させる演出の実行の有無やそのタイミング、さらに、右側可動体ユニット202Rの右側可動体203のLED365、および、左側可動体ユニット202Lの左側可動体253のLED365を発光させる演出(第1表示演出)の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
本形態では、右側可動体203のLED365、および、左側可動体253のLED365を発光させる演出として、図48(A)に示すような第1表示演出がある。第1表示演出は、変動表示中の特別図柄の抽選結果(判定結果)について、メータを用いて示す表示演出である。具体的には、6つの領域の色を白色から他の色に変更表示して、当選の期待度を遊技者に示す演出である。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1102で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1103)。そしてステップS1104に進む。
なお、決定された演出に上記第1表示演出がある場合には、サブ側タイマ割り込み処理(図45)のステップS1004の可動体処理にて、各可動体203,253の上側回転体320および下側回転体330の表示部を、上側第1表示部321および下側第1表示部331に切り替える。さらに、ステップS1005のランプ処理にて、第1表示演出を実行する。すなわち、各可動体203,253のLED365を発光させる。このように、RAM94の所定の記憶領域に、上記第1表示演出に関する変動演出開始コマンドがセットされた場合が、第1表示演出の実行条件の成立に該当する。つまり、このような場合が、「第1の実行条件が成立した場合」に相当する。
ステップS1104では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1107に進むが、受信していれば、大当たり演出パターン選択処理(S1105)を行う。
大当たり演出パターン選択処理(S1105)では、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技中に実行する大当たり演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する。なお、ここで選択した大当たり演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この大当たり演出パターンの選択により、大当たり遊技中における盤ランプ発光演出の実行の有無やそのタイミング、可動体駆動演出の実行の有無やそのタイミング、さらに、右側可動体ユニット202Rの右側可動体203のLED365、および、左側可動体ユニット202Lの左側可動体253のLED365を発光させる演出(第2表示演出)の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
本形態では、右側可動体203のLED365、および、左側可動体253のLED365を発光させる演出として、図48(B)に示すような第2表示演出がある。第2表示演出は、装飾図柄表示演出である。すなわち、大当たり遊技の間、大当たり時にゾロ目で停止した装飾図柄の数字を表示する演出である。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1105で選択した大当たり演出パターンで大当たり演出を開始させるための大当たり演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1106)。その後、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行って(S1107)、受信コマンド解析処理を終える。
本形態では、決定された演出に上記第2表示演出がある場合には、サブ側タイマ割り込み処理(図45)のステップS1004の可動体処理にて、各可動体203,253の上側回転体320および下側回転体330の表示部を、上側第2表示部322および下側第2表示部332に切り替える。さらに、ステップS1005のランプ処理にて、第2表示演出を実行する。すなわち、各可動体203,253の所望のLED365を発光させる。このように、RAM94の所定の記憶領域に、第2表示演出に関する変動演出開始コマンドがセットされた場合が、第2表示演出の実行条件の成立に該当する。つまり、このような場合が、「第2の実行条件が成立した場合」や「表示演出の実行条件が成立した場合」に相当する。
図45に戻り、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置6,7を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、ステップS1103でセットされた変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
続いて演出制御用マイコン91は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ67から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ67からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板106に出力したりする。次に演出制御用マイコン91は、可動体処理(S1004)およびランプ処理(S1005)を行う。
可動体処理(S1004)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンドや大当たり演出開始コマンドに基づいて、各可動体203,253の上側回転体320および下側回転体330をそれぞれ回転移動させて、遊技者に示す表示部(上側表示部,下側表示部)を切り替える処理を行う。
例えば、RAM94にセットされた変動演出開始コマンドに上記第1表示演出に関するものがある場合には、各可動体203,253の上側回転体320および下側回転体330をそれぞれ回転移動させて、遊技者に示す表示部を、上側第1表示部321および下側第1表示部331に切り替える(図48(A)参照)。また例えば、大当たり演出開始コマンドがRAM94にセットされた場合には、各可動体203,253の上側回転体320および下側回転体330をそれぞれ回転移動させて、遊技者に示す表示部を、上側第2表示部322および下側第2表示部332に切り替える(図48(B)参照)。なお回転移動の際、下側回転体330を、上側回転体320の回転方向とは逆方向に回転させる。
ランプ処理(S1005)では、例えば、RAM94にセットされた変動演出開始コマンドに上記第1表示演出に関するものがある場合には、各可動体203,253のLED365を用いて上述した第1表示演出を実行する(図48(A)参照)。また例えば、大当たり演出開始コマンドがRAM94にセットされた場合には、各可動体203,253のLED365を用いて上述した第2表示演出を実行する(図48(B)参照)。
9.本形態の効果等
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1では、遊技機枠50は、図23に示す第1位置と、図24に示す第2位置との間で変位可能な左側可動体253を備えているので、複数の態様に変化可能な遊技機枠50を備えたパチンコ遊技機1とすることが可能となっている。
左側可動体253が第2位置にある状態で内枠52が開いた場合には、第1位置にある場合よりも、左側可動体253の上部の先端部が前方にある分、小さい回転角度で当該パチンコ遊技機1の外部に到達し易い。左側可動体253がパチンコ遊技機1の外部に到達してしまうと、隣のパチンコ遊技機など遊技場(ホール)の設備との間で接触や衝突が発生し易くなる。
これに対し、本パチンコ遊技機1の左側可動体253は、開閉枠KWが開く場合には、前方に傾いた状態となる第2位置から、直立した状態となる第1位置に変位し得る(図26参照)。よって、左側可動体253が第2位置にある状態、すなわち前方に傾いた状態で開閉枠KWが開いてしまうのを防ぐことが可能となっている。従って、左側可動体253が前方にある状態で開閉枠KWが開いた場合に生じ得る不具合(例えば、左側可動体253への衝突等)の発生を抑えることが可能となっている。
また、変位機構をなす左側ベース部260には、開閉枠KWが開く場合に左側可動体253を第1位置に配置させ得るコイルスプリング299が設けられている(図23参照)。しかも、そのコイルスプリング299は、開閉枠KWが開く場合には左第3アーム276を付勢して第1状態にさせ得るものである。このため、開閉枠KWが開く場合には、コイルスプリング299の付勢によって、左側可動体253を第1位置に配置させることが可能となっている。かくして、左側可動体253が第2位置にある状態で開閉枠KWが開いてしまうのを確実に防ぐことが可能となっている。
また、左側に配された回動軸を中心として開閉枠KWが開く場合に、左側可動体253および右側可動体203のうち、回動軸に近い遊技機枠50の左側に配置されている左側可動体253の方が、右側可動体203よりも小さい回転角度でパチンコ遊技機1の外部に到達し易い。
これに対し、本パチンコ遊技機1では、回動軸に近い左側に配置された左側可動体253について、開閉枠KWが開く場合に第2位置から第1位置に変位させるため、開閉枠KWが開いたときの左側可動体253への衝突の発生を確実に抑えることが可能になっている。
また、遊技機枠50の上部に配置された左側可動体253は、第2位置にある場合には後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態である。そのため、第2位置に変位させることで、遊技者に見やすい位置に左側可動体253を配置可能となっている。よって、開閉枠KWを閉じた遊技可能な状態のパチンコ遊技機1では、左側可動体253に設けた左側可動体ランプ69Lを用いた演出(第1表示演出,第2表示演出)を、遊技者に見やすい位置で実行可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1では、左側可動体253は、開閉枠KWが閉じる場合には図23に示す第1位置から、その第1位置よりも遊技者に視認させ易い、図24に示す第2位置に変位可能である。よって、開閉枠KWが閉じ終えたときには、そのような第2位置に左側可動体253を自動的に配置させることが可能となっている。従って、開閉枠KWを閉じる際に、遊技者にとって見やすい位置(第2位置)に左側可動体253を変位し忘れてしまうのを防止可能となっている。
特に、本形態のパチンコ遊技機1では、左側可動体253の第2位置とは第1位置よりも遊技者に視認させ易い位置である。よって、開閉枠KWを閉じる際に、遊技者にとって見やすい位置(第2位置)に左側可動体253を変位し忘れてしまうのを防止可能となっている。
また、押圧部材58は、開閉枠KWが閉じる場合には、左第1アーム266を押圧して第2状態にさせ得る(図24参照)。よって、開閉枠KWが閉じ終えたときには、左側可動体253を第2位置に確実に配置させることが可能となっている。
また、左側ベース部260は、左第3アーム276を付勢して第1状態にさせ得るコイルスプリング299を備えている。そして、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276は、開閉枠KWが開いているときには、そのコイルスプリング299の付勢によって第1状態になり得る一方、開閉枠KWが閉じているときには、押圧部材58の押圧によって第2状態になり得る。よって、開閉枠KWが開いているときには左側可動体253を第1位置に確実に配置させ、閉じているときには第2位置に確実に配置させることが可能となっている。
また、台座295は、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276が第2状態のときに、第2位置から第1位置に左側可動体253が変位した場合には、その変位とともに、第2姿勢から第1姿勢に変更され得る(図25参照)。このため、例えば遊技者によって、第2位置にある左側可動体253が第1位置に故意に変位させられたとしても、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276について第2状態のままとし、押圧部材58について左第1アーム266の被押圧部266Tを押圧した状態のままとすることが可能となっている。つまり、第2位置にある左側可動体253にそのような変位が生じた場合でも、左第1アーム266、左第2アーム271および左第3アーム276や押圧部材58に無理な力がかかって不具合が発生するのを防止可能となっている。
また、押圧部材58は、前枠53が閉じる場合も内枠52が閉じる場合も、姿勢保持部材57によって左第1アーム266の被押圧部266Tを押圧し得る。よって、左第1アーム266の被押圧部266Tを押圧する押圧部材58を内枠52に設けた本パチンコ遊技機1について、前枠53が閉じる場合も内枠52が閉じる場合も、第2位置に左側可動体253を配置させることが可能となっている。
また、左側可動体253に設けた左側可動体ランプ69Lを用いて演出(第1表示演出,第2表示演出)を実行し得る。よって、開閉枠KWが閉じているときの第2位置を演出位置とすることが可能であり、開閉枠KWが閉じ終えたときには、その演出位置に左側可動体253を自動的に配置させることが可能となっている。
また、遊技機枠50の上部に配置された左側可動体253は、第2位置にある場合には後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態である。そのため、第2位置に変位させることで、遊技者に見やすい位置に可動体を配置することが可能である。よって、開閉枠KWが閉じた遊技可能な状態の遊技機では、左側可動体253に設けた左側可動体ランプ69Lを用いた上記演出を、遊技者に見やすい位置で実行可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技機枠50は、開閉枠KWが閉じているときには複数の位置に変位可能な右側可動体203を備えているので、開閉枠KWの閉塞時に複数の態様に変化可能な遊技機枠50を備えたパチンコ遊技機1とすることが可能となっている。
なお、例えば、第1位置よりも前方の第2位置に右側可動体203がある状態で、隣のパチンコ遊技機1の開閉枠KWが開いて当該パチンコ遊技機1の前方に移動してきた場合には、その開閉枠KWが右側可動体203に衝突し易いため、好ましくない。
これに対し、右側可動体203は、第1位置又は第2位置に変位され得るものなので、隣のパチンコ遊技機1の開閉枠KWが開くときに、第2位置から第1位置に右側可動体203を変位させることで、その右側可動体203への衝突を回避可能となっている。
また、右側可動体203が変位可能な複数の位置には、第1位置と第2位置との間の中間位置にあたる第3位置がある(図16参照)。よって、右側可動体203を第1位置に配置すると右側可動体203の後方にあるホール設備に干渉してしまう場合には、第1位置を除いた、第2位置と第3位置との間で右側可動体203を変位させることが可能となっている。従って、隣のパチンコ遊技機1の開閉枠KWが開くときに、第2位置から第3位置に右側可動体203を変位させることで、その右側可動体203への衝突を回避可能となっている。
また、遊技機枠50は、右側可動体203は手動にて変位され得るものであるため、遊技者や遊技場の関係者が必要に応じてすぐにその右側可動体203を変位させることが可能となっている。しかも、遊技機枠50は、第1位置および第2位置を含む複数の位置に右側可動体203を固定し得るラッチ構造体240を備えているので、右側可動体203を手動で変位させる際に、第1位置や第2位置といった所定の位置にその右側可動体203を配置させ易い。
ところで、左側に配された回動軸を中心として開閉枠KWが開く場合に、左側可動体253および右側可動体203のうち、回動軸に遠い遊技機枠50の右側に配置されている右側可動体203の方が、左側可動体253よりも、隣のパチンコ遊技機1の開いた開閉枠KWが衝突しやすい。
これに対し、本パチンコ遊技機1では、回動軸に遠い右側に配置された右側可動体203について、第2位置から第1位置に変位可能になっている。このため、隣のパチンコ遊技機1の開閉枠KWが開くときに第2位置から第1位置に右側可動体203を変位させることで、右側可動体203への衝突を回避可能となっている。
また、本パチンコ遊技機1では、上側第1表示部321でレンズ部321Xがなす表示形態と、上側第2表示部322でレンズ部322D,322E,322F,322Gがなす表示形態とが互いに異なっている。また、下側第1表示部331でレンズ部331Xがなす表示形態と、下側第2表示部332でレンズ部332D,332E,332Fがなす表示形態とが互いに異なっている。よって、複数種類の表示部を切り替えて遊技者に示すことが可能であり、遊技興趣の向上が可能となっている。
また、複数のLED365を仕切る光源側仕切部材366は、上側仕切部材321Sとともに、第1光源群に属するLED365からレンズ部321Xまでの光の進路を区画する仕切部材SB1を構成する一方、上側仕切部材322Sとともに、第2光源群に属するLED365からレンズ部322D,322E,322F,322Gまでの光の進路を区画する仕切部材SC1,SC2,SC3,SC4を構成する。すなわち、光源側仕切部材366は、上側仕切部材321Sと上側仕切部材322Sとの両方に対応する仕切パターンを有している。
よって、共通部材(光源側仕切部材)を用いて、第1光源群からの光をレンズ部321Xに確実に透過させたり、第2光源群からの光をレンズ部322D,322E,322F,322Gに確実に透過させたりすることが可能である。従って、LED365を仕切る光源側仕切部材として、各仕切部材321S,322Sに対応する複数の仕切部材を設けなくて済むため、コンパクト化と低コスト化を図ることが可能となっている。
また、仕切部材SB1によって、第1光源群に属するLED365からレンズ部321Xまでの光の進路が区画され、また、仕切部材SC1によって、第2光源群に属するLED365からレンズ部322Dまでの光の進路が区画されるので、複数のLED365の前方に配置される表示部に合わせて、複数のLED365を効率良く発光可能となっている。
また、上側第1表示部321と下側第1表示部331、また、上側第2表示部322と下側第2表示部332とで1つのモチーフを形成するので、1つのモチーフが完成したときに遊技者に驚きを与えることが可能となっている。
また、上側回転体320は、上側表示部321,322,323,324の切り替え時に、下側回転体330とは逆の方向に回転させられる。よって、上側回転体320および下側回転体330での表示部の切り替え動作をそれぞれ異ならせることが可能であり、遊技者の注目度を向上可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1では、上側第2表示部322の透光部材322Xは、複数の部分レンズ部322D,322E,322F,322Gと介在部322Hとを備える1部材である。よって、部分レンズ部322D,322E,322F,322Gが複数あるにもかかわらず透光部材322Xの部品点数を少なく抑えることが可能となっている。
また、不透光部材322Yの凸部322Wと介在部322Hの嵌合部322Jとが嵌合しているので、不透光部材322Yに対する透光部材322Xの位置ズレを防止可能となっている。
また、透光不能な凸部322Wと、透光部材322Xの介在部322Hに設けられた嵌合部322Jとが嵌合するので、部分レンズ部322D,322E,322F,322Gから介在部322Hの嵌合部322J付近まで、透光部材322X内を光が移動してきた場合には、その光について凸部322Wで遮蔽することが可能となっている。
また、凸部322Wは、嵌合部322Jの厚み方向の全域に嵌合しているので、部分レンズ部322D,322E,322F,322Gから介在部322Hの嵌合部322J付近まで透光部材322X内を光が移動してきた場合には、その光が凸部322Wの反対側に届くのを抑制可能となっている。
また、図34に示したように、透光部材332Xは、第1部分レンズ部332Dから第2部分レンズ部332Eまでの介在部332Hを通しての第3距離Z3が第1距離Z1よりも長くなっている。その分(第1部分レンズ部332Dから第2部分レンズ部332Eまでの介在部332Hを通しての第3距離Z3が第1距離Z1よりも長くなっている分)、第1部分レンズ部332Dと第2部分レンズ部332Eとの間の距離を稼ぐことが可能であり、第1部分レンズ部332Dと第2部分レンズ部332Eとの間で光の移動(透光)が生じ難いパチンコ遊技機1とすることが可能となっている。
さらに、凸部332Wは、第1部分レンズ部332Dと第3部分レンズ部332Fとの間に配置されているので、第1部分レンズ部332D又は第3部分レンズ部332Fからその凸部332Wまで、透光部材332X内を光が移動してきた場合には、その光を凸部332Wで遮蔽可能である。よって、第1部分レンズ部332Dと第3部分レンズ部332Fとの間で光の移動(透光)が生じるのを抑えることが可能となっている。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、直立した状態(上下方向に平行な状態)にある左側可動体253の位置を第1位置とし、角度θ5が24度の状態にある左側可動体253の位置を第2位置とした。しかしながら、例えば、0度よりも大きく、且つ180度以下の角度のうち、24度以外の角度θ5になる状態にある左側可動体253を第2位置としてもよい。
また、右側可動体203についても同様である。直立した状態(上下方向に平行な状態)にある右側可動体203の位置を第1位置とし、角度θ2が24度の状態にある右側可動体203の位置を第2位置とした。しかしながら、例えば、0度よりも大きく、且つ180度以下の角度のうち、24度以外の角度θ2になる状態にある右側可動体203を第2位置としてもよい。
また、右側可動体203について、角度θ3が12度の状態にある右側可動体203の位置を第3位置とした。しかしながら、例えば、0度よりも大きく、90度よりも小さい角度のうち、12度以外の角度θ3になる状態にある右側可動体203を第3位置としてもよい。また、角度θ2の半分にあたる角度をθ3としたが、第3位置を第1位置と第2位置との間の位置となる角度であれば、角度θ3を12度以外のものとしてもよい。
上記形態では、直立した状態(上下方向に平行な状態)にある左側可動体253,右側可動体203の位置を第1位置とした。しかしながら、第1位置を、後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態にある左側可動体253,右側可動体203の位置としてもよい。その場合に、例えば、第2位置を、直立した状態(上下方向に平行な状態)にある位置としてもよい。つまり、上記形態の第1位置と第2位置とを入れ替えた構成でもよい。すなわち、可動体の少なくとも一部について、第2位置にあるときの可動体よりも前方に配置させる位置を第1位置としてもよい。また、第1位置および第2位置の少なくとも一方を、前方から後方にかけて上向きに傾斜した状態にある左側可動体253,右側可動体203の位置としてもよい。
また上記形態では、第1位置にある左側可動体253の状態と、第1位置にある右側可動体203の状態とを同じにした。つまり、どちらの状態についても直立した状態とした。しかしながら、第1位置にある左側可動体253の状態と、第1位置にある右側可動体203の状態とが互いに異なっていてもよい。また、第2位置にある左側可動体253の状態と、第2位置にある右側可動体203の状態とを同じにした。つまり、どちらの状態についても角度θ2および角度θ5を24度とした。しかしながら、第2位置にある左側可動体253の状態と、第2位置にある右側可動体203の状態とを互いに異ならせてもよい。
また上記形態では、左側可動体253,右側可動体203を回動させて、第1位置と第2位置との間を変位させる構成とした。しかしながら、左側可動体253,右側可動体203をスライド(平行移動)させて、第1位置と第2位置との間を変位させる構成でもよい。具体的に例えば、左側可動体253の第2位置を、第1位置から前方に移動させた位置としてもよい。この構成の場合、通常時(開閉枠の閉塞時)の可動体の位置を、遊技者により近い位置にすることができ、遊技中の遊技者に可動体の存在感を与えることが可能であるとともに、開閉枠の開放時には、第1位置に可動体を自動的に収容可能である。
また例えば、左側可動体253について、第1位置から左方に移動させた位置としてもよい。具体的に例えば、図49に示すように、パチンコ遊技機には、押圧部材58の押圧によって、前後方向に可動できる可動部材500と、左側可動体253を第1位置から左方に変位可能な直動機構510と、レール部520とがある。
可動部材500は、上記実施形態の押圧部材58に後方から押圧される被押圧部501、および、前後方向に延びるラック502からなる。なお、可動部材500は、押圧部材58からの押圧がない場合には、ラック502を後方に移動させる構造になっている。つまり、この可動部材500では、被押圧部501が押圧部材58に押圧されると、それに伴ってラック502が前方に移動し、被押圧部501が押圧部材58に押圧されなくなると、ラック502が後方に移動する。
直動機構510は、ギヤ511と、ネジ軸512と、組付部材514とを備えている。ギヤ511は、ネジ軸512の右端に一体回転可能に取付けられている。また、上記ラック502と噛合している。そのため、ラック502が前後方向に移動するとギヤ511およびネジ軸512が回転するようになっている。ネジ軸512の周面には、螺旋状で且つ溝状の雄ネジ513が形成されている。また、組付部材514は、左側可動体253に組付けるためのものである。すなわち、左側可動体253は、組付部材514を介してネジ軸512に組付けられる。組付部材514は、ネジ軸512を挿通可能な挿通部514Xを有し、この挿通部514Xの内周面に螺旋状で且つ突状の雌ネジ(不図示)が形成されている。このため、ネジ軸512が組付部材514の挿通部514Xに挿通されると、挿通部514Xの雌ネジとネジ軸512の雄ネジ513とが螺着して、いわゆる送りネジ機構が構成される。この送りネジ機構により、ネジ軸512が正方向に回転すると、組付部材514がネジ軸512に沿って左方に移動(直動)し、ネジ軸512が正方向と逆である逆方向に回転すると、組付部材514がネジ軸512に沿って右方に移動するようになっている。
レール部520は、左側可動体253の底部の直下に配置されており、左右方向に沿って延びている。なお、左側可動体253の底部には、レール部520上を転動可能な車輪(不図示)が設けられている。このため、左側可動体253は、車輪によって、レール部520上を左右方向に移動することが可能となっている。
開閉枠KWが開いている場合には、上記実施形態と同じく、左側可動体253は第1位置にある。そして、開いていた開閉枠KWが閉じると、可動部材500の被押圧部501が押圧部材58によって押圧されることになり、ラック502が前方に移動することになる。すると、そのラック502に噛合するギヤ511が回動して、ネジ軸512も正方向に回転する。これにより、組付部材514がネジ軸512に沿って左方に移動(直動)するとともに、組付部材514に組み付けられた、レール部520上の左側可動体253もまた左方に移動する。かくして、第1位置に左側可動体253があるときに開閉枠KWが閉じると、その左側可動体253は、第1位置から、その左方にあたる第2位置に変位することになる。
そのような第2位置に左側可動体253があるときに開閉枠KWが開くと、可動部材500の被押圧部501が押圧部材58によって押圧されなくなるため、ラック502が後方に移動することになる。これにより、ギヤ511およびネジ軸512が逆方向に回転する。従って、組付部材514がネジ軸512に沿って右方に移動(直動)するとともに左側可動体253もまた右方に移動する。かくして、第2位置に左側可動体253があるときに開閉枠KWが開くと、その左側可動体253は、第2位置から第1位置に変位することになる。
この構成の場合、通常時(開閉枠の閉塞時)の遊技機枠をより広く遊技者に見せることが可能であるとともに、開閉枠の開放時には、第1位置に可動体を自動的に収容可能である。
また例えば、左側可動体253の第2位置を、左側可動体253の少なくとも一部が第1位置から左方、且つ、基枠の左外方に移動させた位置としてもよい。また例えば、左側可動体253の少なくとも一部が第1位置から右方に移動させた位置としてもよい。また例えば、左側可動体253の少なくとも一部が第1位置から右方、且つ、基枠の右外方に移動させた位置に移動させた位置としてもよい。また例えば、左側可動体253の少なくとも一部が第1位置から前方且つ左方に移動させた位置としてもよい。また例えば、左側可動体253の少なくとも一部が第1位置から前方且つ右方に移動させた位置としてもよい。また例えば、左側可動体253の少なくとも一部が第1位置から上方又は下方に移動させた位置としてもよい。
また例えば、右側可動体203の第2位置を、右側可動体203の少なくとも一部が第1位置から右方に移動させた位置としてもよい。また例えば、右側可動体203の少なくとも一部が第1位置から右方、且つ、基枠の右外方に移動させた位置としてもよい。また例えば、右側可動体203の少なくとも一部が第1位置から左方に移動させた位置としてもよい。また例えば、右側可動体203の少なくとも一部が第1位置から左方、且つ、基枠の左外方に移動させた位置に移動させた位置としてもよい。また例えば、右側可動体203の少なくとも一部が第1位置から前方且つ左方に移動させた位置としてもよい。また例えば、右側可動体203の少なくとも一部が第1位置から前方且つ右方に移動させた位置としてもよい。また例えば、右側可動体203の少なくとも一部が第1位置から上方又は下方に移動させた位置としてもよい。
また上記形態では、光が透過する表示部を演出手段として左側可動体253に設けた。しかしながら、ランプ以外の演出手段を設けてもよい。具体的に例えば、スピーカを設けてもよい。この構成の場合、通常時にスピーカを遊技者に向けて配置可能であり、遊技者による聞き逃しを防いで音声演出を実行することが可能である。
また例えば、遊技盤の中央に位置する画像表示装置6,7に加えて、サブ液晶を設けてもよい。この構成の場合、通常時(開閉枠の閉塞時)にサブ液晶を用いた演出を、遊技者に見やすい位置で実行可能である。しかも、左側可動体253が直立した状態の場合、遊技機の正面に着席している遊技者にとってはサブ液晶上の表示は見づらいけれども、開閉枠の開放作業を行うホール関係者には近い位置にある。つまり、上記画像表示装置6,7よりも、直立状態の左側可動体253の前側面に設けられたサブ液晶の画面の方が、起立しているホール関係者には見やすい位置にある。そこで、例えば、サブ液晶にホール関係者に向けた表示(具体的には、エラーメッセージや、エラーを取り除くための作業手順など)を開閉枠の開放時に第1位置にある左側可動合い253のサブ液晶に表示させる構成としてもよい。
また上記形態では、左側可動体253に設けた演出手段(回転体の表示部)を用いて演出を実行し得る形態としたが、左側可動体253自体を用いて演出を実行し得る形態でもよい。すなわち、左側可動体253を用いた駆動演出を実行し得る形態でもよい。なお、駆動演出の態様としては、例えば、第1位置と第2位値との間で変位駆動する態様でもよい。また例えば、第2位置と、第1位置とは異なる1又は複数の位置との間を変位駆動する態様でもよい。また、例えば回動軸を中心に回転駆動する態様でもよい。
また上記形態では、内枠52が開く場合に変位機構によって変位可能な可動体を1つ設けた形態としたが、そのような変位可能な可動体を複数設けてもよい。例えば、左側可動体253に加え、右側可動体203についても、開閉枠が開く場合に変位機構によって変位可能な可動体としてもよい。また例えば、そのような変位可能な可動体として、左側可動体353および右側可動体203とは異なる可動体を1又は複数設けてもよい。
また上記形態では、内枠52が開く場合に変位機構によって変位可能な可動体を、遊技機枠50の回動軸に近い側の部位、すなわち左側の部位に設けた。しかしながら、左側に限らず、例えば、右側や左右中央に設けてもよい。
また上記形態では、左第1アーム、左第2アームおよび左第3アームを位置変更部材とした。つまり、3つの部材からなるものを位置変更部材とした。しかしながら、3つの部材からなるもの以外の構成のものを位置変更部材としてもよい。すなわち、例えば、1つの部材からなるものや、2つの部材からなるものや、4つ以上の部材からなるものを位置変更部材としてもよい。また、位置変更部材を設けない構成でもよい。すなわち、例えば、押圧部材が可動体を直接押圧して第1位置から第2位置に変位させる構成でもよい。また例えば、押圧部材が台座を押圧して姿勢を変更することで、可動体を第1位置から第2位置に変位させる構成でもよい。
また上記形態では、コイルスプリング299によって左第3アーム276を付勢する構成とした。しかしながら、左第3アーム以外の、左第1アームや左第2アームを付勢する構成でもよい。
また上記形態では、コイルスプリング299を、開閉枠KWが開く場合に左側可動体253を第1位置に配置させ得る誘導部材とした。つまり、コイルスプリング299の付勢力を利用して、開閉枠KWが開く場合に左側可動体253を第1位置に配置させ得る構成とした。しかしながら、付勢力以外の力を用いて、開閉枠KWが開く場合に左側可動体253を第1位置に配置させ得る構成としてもよい。
具体的に例えば、図50に示すように、左側可動体253の後方にあたる外枠51の部位に永久磁石601を配置し、その永久磁石601の磁力を利用する構成が挙げられる。なお、左側可動体253の後部に金属体602を設けておく。また、永久磁石601による磁力がない場合には、第2位置に配置される構成になっている。
図50(A)に示すように、開閉枠KWが閉じているときには、左側可動体253に設けた金属体602を永久磁石601の所定の強さの磁場内に配置させることで、左側可動体253を直立させることが可能となっている。よって、開閉枠KWが閉じているときには、左側可動体253を第1位置にすることが可能である。
一方、図50(B)に示すように、開閉枠KWが開くと、外枠51の永久磁石601と左側可動体253の金属体602とが離間されて、金属体602が上記所定の強さの磁場から外れることになる。かくして、開閉枠KWが開くと、左側可動体253を第2位置にする配置させることになる。
また上記形態では、左側可動体253について、遊技機枠50の上部に配置した。しかしながら遊技機枠の上部に限らず、例えば、上下方向の中央や下部に配置してもよい。右側可動体203についても同じく、遊技機枠の上部に限らず、例えば、上下方向の中央や下部に配置してもよい。
また上記形態では、内枠52に押圧部材58を設けたが、内枠に代えて外枠51に押圧部材を設けてもよい。
また上記形態では、変位機構に押圧部材58を用いたものとしたが、例えば、開閉枠の開閉を検知可能な枠開閉検知センサと駆動モータとを用いて可動体を変位させる変位機構としてもよい。具体的には、枠開閉検知センサの信号に基づき、開閉枠が開いたときには、可動体を第1位置から第2位置に変位させ、開閉枠が閉じたときには、第2位置から第1位置に変位させるよう前枠に設けた駆動モータを駆動させる。
また上記形態では、左側ベース部260に台座295を設けた構成としたが、台座がない構成でもよい。つまり例えば、第2ベース本体部263の台座接続部263Xに、左側可動体253の底部を回動可能に接続させる構成でもよい。
また上記形態では、内枠52の開放によらず変位可能な右側可動体203を3つの位置に変位可能なものとした。しかしながら、4つ以上の位置に変位可能なものとしてもよい。また、そのような内枠52の開放によらず変位可能な可動体を1つ設けた形態としたが、そのような可動体を複数設けてもよい。例えば、右側可動体203に加え、左側可動体253についても、開閉枠の開放によらず変位可能な可動体としてもよい。また例えば、そのような可動体として、左側可動体353および右側可動体203とは異なる可動体を1又は複数設けてもよい。
また上記形態では、例えば隣のパチンコ遊技機1の内枠52が開く場合に、手動で右側可動体203を変位させる。しかしながら、例えば、隣の遊技機の開閉枠の開閉を検知可能な枠開閉検知センサと駆動モータとを用いて可動体を変位させる変位機構を備えた構成でもよい。具体的には、枠開閉検知センサの信号に基づき、隣の遊技機の開閉枠が開いたときには、可動体を第2位置から第1位置(又は第3位置)に変位させ、開閉枠が閉じたときには、第1位置に変位させるよう前枠に設けた駆動モータを駆動させる。
上記形態では、可動体(右側可動体203,左側可動体253)の回転体320,330をなす表示部を4種類とした。しかしながら、4種類以外の複数の表示部を備える可動体でもよい。
また、上記形態では、第1光源群をLED365全部とし、第2光源群を図35に示すLED365とした。しかしながら、第2光源群は、第1光源群とは異なっていればよく、図35に示すLED365以外のLED(光源)を用いたものとしてもよい。
また、上記形態では、上側第1表示部321のレンズ部321Xの形態を、図31に示すようなものとした。しかしながら、この形態に限定されるものではない。また、上側第2表示部322の部分レンズ部322D,322E,322F,322Gの形態を図33に示すようなものとしたが、そのような形態に限定されるものではない。
また、上記形態では、上側第1表示部321のレンズ部321X、および、下側第1表示部331のレンズ部331Xの形態について、6段階のメータ表示とした。しかしながら、6段階以外のメータ表示、例えば、1段階~5段階のいずれかの段階としたメータ表示や、7段階以上の段階としたメータ表示としてもよい。また、上下方向に並んだメータ表示としたが、横方向(左右方向)に並んだメータ表示としてもよい。
また、上記形態では、上側回転体320の上側第2表示部322に「7セグメント」のうちの「4セグメント」を配置し、下側回転体330の下側第2表示部332に「3セグメント」を配置した。しかしながら、上側回転体320の上側第2表示部322に「3セグメント」を配置して、下側回転体330の下側第2表示部332に「4セグメント」を配置してもよい。
また、上記形態では、上側第1表示部321側に配置した上側仕切部材321Sと、光源側仕切部材366とからなる仕切部材SB1とした。しかしながら、上側仕切部材321S、光源側仕切部材366に、新たな仕切部材を加えて仕切部材SB1としてもよい。つまり、2部材からなる仕切部材SB1を、上側仕切部材321Sおよび光源側仕切部材366を含む3部材以上からなる部材でもよい。また、上側仕切部材321Sだけからなる第1仕切部材でもよい。また、光源側仕切部材366だけからなる第1仕切部材でもよい。
また、上記形態では、右側可動体203について、構造体の数を2つ(上側回転体320および下側回転体330)とした。しかしながら、1つの回転体(構造体)からなるものとしてもよい。また、3つ以上の構造体(回転体)からなるものとしてもよい。左側可動体253についても同様に、1つの構造体(回転体)としても、また、3つ以上の構造体(回転体)としてもよい。
また、上記形態では、右側可動体203の上側回転体320および下側回転体330をいずれも回転移動によってLED365の前方に表示部を配置させる構成とした。しかしながら、構造体を回転体以外の構成としてもよい。具体的には、図51(A)に示すように、光源部340の前方左側に回転軸を設け、光源部340を開閉可能に配置した上側第1表示部321と、光源部340の前方右側に回転軸を設け、光源部340を開閉可能に配置した第2表示部とを備える構造体としてもよい。
この構造体では、切替機構を用いて光源部340の光源365の前方の表示部を上側第1表示部321に切り替える場合には、まず光源部340の前方にある上側第2表示部322を、上方から見て反時計回りに回動(90度回動)させて、上側第21表示部322を光源部340の右前方に配置させる。その後、光源部340の左前方にある上側第1表示部321を、上方から見て反時計回りに回動(90度回動)させて、光源部340の前方に配置させる(図51(B)参照)。
また、切替機構を用いて光源部340の光源365の前方の表示部を上側第2表示部322を切り替える場合には、まず光源部340の前方にある上側第1表示部321を、上方から見て時計回りに回動(90度回動)させて、上側第1表示部321を光源部340の左前方に配置させる。その後、光源部340の右前方にある上側第2表示部322を、上方から見て時計回りに回動(90度回動)させて、光源部340の前方に配置させる(図51(C)参照)。
また、上記形態では、可動体(右側可動体203,左側可動体253)について、上側回転体320の回転方向を下側回転体330の回転方向とは逆にした。しかしながら、上側回転体320の回転方向と下側回転体330の回転方向とを同じ方向にしてもよい。
また、上記形態では、可動体(右側可動体203,左側可動体253)の第2表示部332の透光部材332Xを無色透明な部材としたが、有色透明な部材としてもよい。つまり、色の有無によらず、透光可能な部材であればよい。
また、上記形態では、凸部332Wを、嵌合部332Jの厚み方向の全域に嵌合しているものとした。しかしながら、嵌合部332Jの厚み方向の一部の範囲にて嵌合する凸部でもよい。
また、上記形態では、不透光部材332Yを透光不能なものとした。しかしながら、不透光部材を、透光部材よりも透光困難なものとしてもよい。
また、上記形態では、図33中、上下方向に延びる1条の凸部322Wとした。しかしながら、複数の凸部、具体的に例えば、2条の凸部701W,702Wを備える不透光部材とし、図52(A)に示す嵌合部701J,702Jを備える透光部材としてもよい。特に、嵌合部701J,702J(凸部701W,702W)を、図52(A)に示すように、介在部332Hのうち第1部分レンズ部332D側および第3部分レンズ部332F側にそれぞれ配置する形態がより好ましい。介在部332Hの中央よりも第1部分レンズ部332D側に配置することで、第1部分レンズ部332Dから光が漏れた場合には、その第1部分レンズ部332Dにより近い位置で漏れた光を遮断することが可能なためである。また、介在部332Hの中央よりも第2部分レンズ部332F側に配置することで、第2レンズ部332Fから光が漏れた場合には、その第2部分レンズ部332Fにより近い位置でその漏れた光を遮断することが可能なためである。
また、平面視で直線形状以外の形状の凸部、具体的に例えばX字形状の凸部703を備える不透光部材とし、図52(B)に示す嵌合部703Jを備える透光部材としてもよい。また、例えば、平面視でY字形状、U字形状、O字形状、V字形状としてもよい。
また上記形態では、遊技機をパチンコ遊技機1としたが、スロットマシン(回胴式遊技機,パチスロ遊技機)としてもよい。このような構成の場合、前面が開口する筐体における上下左右の壁部が基枠に、その筐体の左側端に回動自在に取り付けられた前面扉が開閉枠にそれぞれ該当する。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
基枠(外枠51)と、前記基枠に対して開閉可能に取り付けられた開閉枠(KW)と、を含む遊技機枠(50)を備え、
前記遊技機枠は、
第1位置(図23参照)と第2位置(図24参照)との間で変位可能な可動体(左側可動体253)を備えていることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠は、第1位置と第2位置との間で変位可能な可動体を備えているので、複数の態様に変化可能な遊技機枠を備えた遊技機とすることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記第2位置とは、前記可動体の少なくとも一部を、前記第1位置にあるときよりも前方、左方および右方の少なくともいずれかに配置させる位置であり、
前記可動体は、
前記開閉枠が開く場合には、前記第2位置から前記第1位置に変位可能なものであることを特徴とする遊技機である。
可動体は、可動体の少なくとも一部を第1位置よりも前方に配置させる第2位置にある状態で開閉枠が開いた場合には、第1位置にある場合よりも小さい回転角度で遊技機の外部に到達し易い。また、可動体の少なくとも一部を第1位置よりも左方又は右方に配置させる第2位置にある状態で開閉枠が開いた場合には、第1位置にある場合よりも小さい回転角度で遊技機の外部に到達してしまう場合がある。可動体が遊技機の外部に到達してしまうと、隣の遊技機など遊技場の設備との間で接触や衝突が発生し易くなる。
これに対し、上記構成の遊技機によれば、可動体は、開閉枠が開く場合には第2位置から第1位置に変位可能であるため、可動体が第2位置にある状態で開閉枠が開くのを防止可能である。従って、可動体が第2位置にある状態で開閉枠が開いた場合に生じ得る不具合(例えば、可動体への衝突等)の発生を抑えることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動体を変位させる変位機構(押圧部材58,左側ベース部260)を備え、
前記変位機構は、
前記開閉枠が開く場合に前記可動体を前記第1位置に配置させ得る誘導部材(コイルスプリング299)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、変位機構は、開閉枠が開く場合に可動体を第1位置に配置させ得る誘導部材を備えているので、可動体が第2位置にある状態で開閉枠が開くのを確実に防ぐことが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前記変位機構は、
前記開閉枠に設けられ、前記可動体の位置を変更可能に可動し得る位置変更部材(左第1アーム266,左第2アーム271,左第3アーム276)を備え、
前記位置変更部材は、
可動に伴って、前記可動体を前記第1位置にさせる第1状態(図23参照)、又は、前記可動体を前記第2位置にさせ得る第2状態(図24参照)になり得るものであり、
前記誘導部材は、
前記開閉枠が開く場合には、前記位置変更部材を付勢して前記第1状態にさせ得る付勢部材であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、変位機構の誘導部材は、開閉枠が開く場合には位置変更部材を付勢して第1状態にさせ得る付勢部材である。このため、開閉枠が開く場合には、付勢部材の付勢によって可動体を第1位置に配置させることが可能であり、可動体が第2位置にある状態で開閉枠が開くのを確実に防ぐことが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2、手段A3および手段A4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記開閉枠は、
左側又は右側に配された回動軸を中心に回動し得るものであり、
前記可動体は、
前記開閉枠における左側および右側のうち、前記回動軸に近い側に配置されていることを特徴とする遊技機である。
左側又は右側に配された回動軸を中心として開閉枠が開く場合に、左右方向のうち、回動軸に近い側の遊技機枠の部位に可動体が配置されている方が、回動軸に遠い側に配置される場合よりも小さい回転角度で可動体が当該遊技機の外部に到達し易い。
これに対し、上記構成の遊技機によれば、開閉枠における左側および右側のうち、回動軸に近い側に配置された可動体について、開閉枠が開く場合には、第2位置から第1位置に変位させ得ることになる。従って、開閉枠が開いたときの可動体への衝突の発生を確実に抑えることが可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A2、手段A3、手段A4および手段A5のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技に伴う演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)を備え、
前記可動体は、
前記遊技機枠の上部に配置されたものであり、
前記可動体が前記第2位置にある場合には、後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態であり、
前記演出制御手段は、
前記可動体を用いて、又は、前記可動体に設けた演出手段(上側第1表示部321)を用いて前記演出を実行し得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠の上部に配置された可動体は、第2位置にある場合には後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態である。そのため、第2位置に変位させることで、遊技者に見やすい位置に可動体を配置可能である。よって、開閉枠を閉じた遊技可能な状態の遊技機では、可動体又は可動体に設けた演出手段を用いた演出を、遊技者に見やすい位置で実行可能である。
手段A7に係る発明は、
基枠(外枠51)と、前記基枠に対して開閉可能に取り付けられた開閉枠(KW)と、を含む遊技機枠(50)と、
遊技に伴う演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記遊技機枠は、
第1位置(図23参照)と第2位置(図24参照)との間で変位可能な可動体(左側可動体253)を備え、
前記第2位置とは、前記可動体の少なくとも一部を、前記第1位置にあるときよりも前方、左方および右方の少なくともいずれかに配置させる位置であり、
前記可動体は、
前記演出制御手段による前記演出の実行によらず、前記第1位置と前記第2位置との間で変位可能なものであり、
前記開閉枠が開く場合には、前記第2位置から前記第1位置に変位可能なものであることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、可動体は、開閉枠が開く場合には第2位置から第1位置に変位可能である。そのため、可動体が第2位置にある状態で開閉枠が開くのを防止可能である。従って、可動体が第2位置にある状態で開閉枠が開いた場合に生じ得る衝突(干渉)の発生を抑えることが可能である。
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
基枠(外枠51)と、前記基枠に対して開閉可能に取り付けられた開閉枠(KW)と、を含む遊技機枠(50)を備え、
前記遊技機枠は、
第1位置(図23参照)と第2位置(図24参照)との間で変位可能な可動体(左側可動体253)を備え、
前記可動体は、
前記開閉枠が閉じているときには、前記第1位置および前記第2位置の少なくとも一方の位置に配置されるものであることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠は、第1位置と第2位置との間で変位可能な可動体を備えているので、複数の態様に変化可能な遊技機枠を備えた遊技機とすることが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記可動体は、
前記開閉枠が閉じる場合には、前記第1位置から前記第2位置に変位可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可動体は、開閉枠が閉じる場合には第1位置から第2位置に変位可能なので、開閉枠が閉じ終えたときには、第2位置に可動体を自動的に配置させることが可能である。よって、開閉枠を閉じる際に、可動体を変位し忘れてしまうのを防止可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動体を変位させる変位機構(押圧部材58,左側ベース部260)を備え、
前記変位機構は、
前記開閉枠に設けられ、前記可動体の位置を変更可能に可動し得る位置変更部材(左第1アーム266,左第2アーム271,左第3アーム276)と、
前記開閉枠に設けられ、前記位置変更部材を押圧可能な押圧部材(58)と、を備え、
前記位置変更部材は、
可動に伴って、前記可動体を前記第1位置にさせる第1状態(図23参照)、又は、前記可動体を前記第2位置にさせる第2状態(図24参照)になり得るものであり、
前記押圧部材は、
前記開閉枠が閉じる場合には、前記位置変更部材を押圧して、前記第2状態にさせ得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、変位機構の押圧部材は、開閉枠が閉じる場合には、位置変更部材を押圧して第2状態にさせ得る。よって、開閉枠が閉じ終えたときには、可動体を第2位置に確実に配置させることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機であって、
前記変位機構は、
前記位置変更部材を付勢して前記第1状態にさせることが可能な付勢部材(コイルスプリング299)を備え、
前記位置変更部材は、
前記開閉枠が開いているときには、前記付勢部材の付勢によって前記第1状態になり得る一方、
前記開閉枠が閉じているときには、前記押圧部材の押圧によって前記第2状態になり得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、変位機構は、位置変更部材を付勢して第1状態にさせ得る付勢部材を備えており、位置変更部材は、開閉枠が開いているときには、付勢部材の付勢によって第1状態になり得る一方、開閉枠が閉じているときには、押圧部材の押圧によって第2状態になり得る。よって、開閉枠が開いているときには可動体を第1位置に確実に配置させ、閉じているときにはその可動体を第2位置に確実に配置させることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B3又は手段B4に記載の遊技機であって、
前記変位機構は、
前記可動体を搭載し、その可動体を前記第1位置に配置する第1姿勢(図23参照)、又は、前記第2位置に配置する第2姿勢(図24参照)になり得る台座(295)を備え、
前記位置変更部材は、
前記第1状態のときには前記台座を前記第1姿勢にさせ、前記第2状態のときには前記台座を前記第2姿勢にさせ得るものであり、
前記台座は、
前記位置変更部材が前記第2状態のときに前記第2位置から前記第1位置に前記可動体が変位した場合には、その変位とともに、前記第2姿勢から前記第1姿勢に変更され得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、台座は、位置変更部材が第2状態のときに第2位置から第1位置に可動体が変位した場合には、その変位とともに、第2姿勢から第1姿勢に変更され得る。このため、例えば遊技者によって、第2位置にある可動体が第1位置に故意に変位させられたとしても、位置変更部材について第2状態のままとし、押圧部材について位置変更部材を押圧した状態のままとすることが可能である。つまり、第2位置にある可動体にそのような変位が生じた場合でも、位置変更部材や押圧部材に無理な力が掛かって不具合が発生するのを防止可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B3、手段B4および手段B5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記開閉枠は、
遊技盤(2)を保持する保持枠部(内枠52)と、
前記保持枠部の前方に位置する装飾枠部(前枠53)と、を備え、
前記装飾枠部には、前記可動体と前記台座と前記位置変更部材とが設けられ、
前記保持枠部には、前記押圧部材が設けられ、
前記基枠には、前記押圧部材に前記位置変更部材を押圧させる基枠押圧機構(姿勢保持部材57)が設けられ、
前記押圧部材は、
前記装飾枠部が閉じる場合も前記保持枠部が閉じる場合も、前記基枠押圧機構によって、前記位置変更部材を押圧し得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、押圧部材は、装飾枠部が閉じる場合も保持枠部が閉じる場合も、基枠押圧機構によって位置変更部材を押圧し得る。よって、位置変更部材を押圧する押圧部材を保持枠部に設けた遊技機において、装飾枠部が閉じる場合も保持枠部が閉じる場合も、第2位置に可動体を配置させることが可能である。
手段B7に係る発明は、
手段B3、手段B4、手段B5および手段B6のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技に伴う演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)を備え、
前記演出制御手段は、
前記可動体を用いて、又は、前記可動体に設けた演出手段(上側第1表示部321)を用いて前記演出を実行し得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可動体を用いて、又は、可動体に設けた演出手段を用いて演出を実行し得る。よって、開閉枠が閉じているときの第2位置を演出位置とすることが可能である。すなわち、開閉枠が閉じ終えたときには、演出位置に可動体を自動的に配置させることが可能である。
手段B8に係る発明は、
手段B7に記載の遊技機であって、
前記可動体は、
前記遊技機枠の上部に配置されたものであり、
前記可動体が前記第2位置にある場合には、後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠の上部に配置された可動体は、第2位置にある場合には後方から前方にかけて下向きに傾斜した状態である。そのため、第2位置に変位させることで、遊技者に見やすい位置に可動体を配置することが可能である。よって、開閉枠を閉じた遊技可能な状態の遊技機では、可動体又は可動体に設けた演出手段を用いた演出を、遊技者に見やすい位置で実行可能である。
手段B9に係る発明は、
基枠(外枠51)と、前記基枠に対して開閉可能に取り付けられた開閉枠(KW)と、を含む遊技機枠(50)と、
遊技制御手段(主制御基板80)と、
遊技に伴う演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記遊技機枠は、
第1位置(図23参照)と第2位置(図24参照)との間で変位可能な可動体(左側可動体253)を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段から出力される情報(コマンド)を受信可能、かつ、その情報に基づいた前記演出を実行可能なものであり、
前記可動体は、
前記演出制御手段による前記演出の実行によらず、前記第1位置と前記第2位置との間で変位可能なものであり、
前記開閉枠が閉じる場合には、前記第1位置から前記第2位置に変位可能なものであることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、可動体は、開閉枠が閉じる場合には第1位置から第2位置に変位可能なので、開閉枠が閉じ終えたときには、第2位置に可動体を自動的に配置させることが可能である。よって、開閉枠を閉じる際に、可動体を変位し忘れてしまうのを防止可能である。
〈手段C〉
手段C1に係る発明は、
基枠(外枠51)と、前記基枠に対して開閉可能に取り付けられた開閉枠(KW)と、を含む遊技機枠(50)を備え、
前記遊技機枠は、
複数の位置に変位可能な可動体(右側可動体203)を備えていることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠は、複数の位置に変位可能な可動体を備えているので、開閉枠の閉塞時に複数の態様に変化可能な遊技機枠を備えた遊技機とすることが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機であって、
前記複数の位置は、
第1位置(図16参照)と、
前記可動体の少なくとも一部を、前記第1位置にあるときの前記可動体よりも前方、左方および右方の少なくともいずれかに配置させる第2位置(図16参照)と、を含むことを特徴とする遊技機である。
例えば、第1位置よりも前方の第2位置に可動体がある状態で、隣の遊技機の開閉枠が開いて当該遊技機の前方に移動してきた場合には、その開閉枠が可動体に衝突し易いため、好ましくない。また、可動体の少なくとも一部を第1位置よりも左方又は右方に配置させる第2位置にある状態で、隣の遊技機の開閉枠が開いた場合にも、その開閉枠が可動体に衝突してしまう場合がある。
これに対し、上記構成の遊技機によれば、可動体の複数の位置には、第1位置と第2位置とを含む。よって、隣の遊技機の開閉枠が開くときに、第2位置から第1位置に可動体を変位させることで、可動体への衝突を回避させることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機であって、
前記複数の位置には、前記第1位置と前記第2位置との中間にあたる中間位置(図16に示す第3位置)が少なくとも1つあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、複数の位置には、中間位置が少なくとも1つあるので、可動体を第1位置に配置すると可動体の後方にあるホール設備に干渉してしまう場合に、第2位置と中間位置との間で可動体を変位させることが可能である。よって、隣の遊技機の開閉枠が開くときに、第2位置から中間位置に可動体を変位させることで、可動体への衝突を回避可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C2又は手段C3に記載の遊技機であって、
前記可動体は、
手動にて変位され得るものであり、
前記遊技機枠は、
前記第1位置および前記第2位置を含む複数の位置に前記可動体を固定し得るラッチ機構(ラッチ構造体240)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可動体は手動にて変位され得るものであるため、遊技者や遊技場の関係者が必要に応じてすぐに可動体を変位させることが可能である。しかも、遊技機枠は、第1位置および第2位置を含む複数の位置に可動体を固定し得るラッチ機構を備えているので、可動体を手動で変位させる際に、第1位置や第2位置といった所定の位置に可動体を配置させ易い。
手段C5に係る発明は、
手段C2、手段C3および手段C4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記開閉枠は、
左側又は右側に配された回動軸を中心に回動し得るものであり、
前記可動体は、
前記開閉枠における左側および右側のうち、前記回動軸に遠い側に配置されていることを特徴とする遊技機である。
回動軸を中心として開閉枠が開く場合に、回動軸に遠い側の遊技機枠の部位に配置された可動体の方が、回動軸に近い側に配置された可動体よりも、開いた隣の開閉枠が衝突しやすい。また例えば、可動体の少なくとも一部を、第1位置にあるときよりも前方に配置させる位置が第2位置の場合には、可動体が第2位置にある方が、第1位置にあるときよりも、開いた隣の遊技機の開閉枠が衝突しやすい。また例えば、可動体の少なくとも一部を、第1位置にあるときよりも左方又は右方に配置させる位置が第2位置の場合には、可動体が第2位置にある方が、第1位置にあるときよりも、開いた隣の遊技機の開閉枠が衝突してしまう場合がある。
これに対し、上記構成の遊技機によれば、開閉枠における左側および右側のうち回動軸に遠い側に配置された可動体について、第2位置から第1位置に変位可能になっているので、隣の遊技機の開閉枠が開くときに第2位置から第1位置に可動体を変位させることで、可動体への衝突を回避可能である。
手段C6に係る発明は、
基枠(外枠51)と、前記基枠に対して開閉可能に取り付けられた開閉枠(KW)と、を含む遊技機枠(50)と、
遊技に伴う演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記遊技機枠は、
複数の位置に変位可能な可動体を備え、
前記複数の位置には、
第1位置(図16参照)と、
前記可動体の少なくとも一部を、前記第1位置にあるときの前記可動体よりも前方、左方および右方の少なくともいずれかに配置させる第2位置(図16参照)と、
前記第1位置と前記第2位置との中間にあたる、少なくとも1つの中間位置(図16に示す第3位置)と、があり、
前記可動体は、
前記開閉枠が閉じているときには、前記演出制御手段による前記演出の実行によらず、変位可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、複数の位置には、中間位置が少なくとも1つあるので、可動体を第1位置に配置すると可動体の後方にあるホール設備に干渉してしまう場合に、第2位置と中間位置との間で可動体を変位させることが可能である。よって、隣の遊技機の開閉枠が開くときに、第2位置から中間位置に可動体を変位させることで、可動体への衝突を回避可能である。
〈手段D〉
手段D1に係る発明は、
複数の光源(LED365)と、第1表示部(上側第1表示部321)および第2表示部(上側第2表示部322)を含む複数の表示部を備える構造体(上側回転体320)と、前記複数の表示部のうち、前記複数の光源の前方に配置する表示部を切り替え可能な切替機構(340)と、を有する演出装置(右側可動体203)と、
前記複数の光源の発光を制御可能な発光制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記第1表示部は、透光可能な第1レンズ部(レンズ部321X)を備え、
前記第2表示部は、透光可能な第2レンズ部(第1部分レンズ部322D,第2部分レンズ部322E,第3部分レンズ部322F,第4部分レンズ部322G)を備え、
前記第1表示部で前記第1レンズ部がなす表示形態(図47(A)に示す表示態様)と、前記第2表示部で前記第2レンズ部がなす表示形態(図47(B)に示す表示態様)とが互いに異なっていることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、第1表示部で第1レンズ部がなす表示形態と、第2表示部で第2レンズ部がなす表示形態とが互いに異なっている。よって、複数種類の表示部を切り替えて遊技者に示すことが可能であり、遊技興趣の向上が可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機であって、
前記演出装置は、
前記複数の光源を仕切る光源側仕切部材(光源側仕切部材366)と、
第1表示部側仕切部材(上側仕切部材321S)と、
第2表示部側仕切部材(上側仕切部材322S)と、を備え、
前記光源側仕切部材は、
前記第1表示部側仕切部材とともに、前記複数の光源のうち第1光源群に属する光源から前記第1レンズ部までの光の進路を区画する第1仕切部材(仕切部材SB1)を構成する一方、
前記第2表示部側仕切部材とともに、前記複数の光源のうち第2光源群に属する光源から前記第2レンズ部までの光の進路を区画する第2仕切部材(仕切部材SC1,SC2,SC3,SC4)を構成するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、複数の光源を仕切る光源側仕切部材は、第1表示部側仕切部材とともに、第1光源群に属する光源から第1レンズ部までの光の進路を区画する第1仕切部材を構成する一方、第2表示部側仕切部材とともに、第2光源群に属する光源から第2レンズ部までの光の進路を区画する第2仕切部材を構成する。よって、共通部材(光源側仕切部材)を用いて、第1光源群からの光を第1レンズ部に確実に透過させたり、第2光源群からの光を第2レンズ部に確実に透過させたりすることが可能であり、部品点数を抑えた演出装置とすることが可能である。
また、第1仕切部材によって、第1光源群に属する光源から第1レンズ部までの光の進路が区画され、また、第2仕切部材によって、第2光源群に属する光源から第2レンズ部までの光の進路が区画されるので、複数の光源の前方に配置される表示部に合わせて、複数の光源を効率良く発光可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D1又は手段D2に記載の遊技機であって、
前記構造体として、第1構造体(上側回転体320)および第2構造体(下側回転体330)を備え、
前記第1構造体の前記第1表示部と前記第2構造体の前記第1表示部とで、1つのモチーフ(図47(A)に示すモチーフ)を形成することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1構造体の第1表示部と第2構造体の第1表示部とで1つのモチーフを形成するので、それら2つの表示部によって1つのモチーフが完成したときに、遊技者に驚きを与えることが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D3に記載の遊技機であって、
前記第1構造体は、
前記複数の表示部が周壁(UW)をなす回転体であり、前記複数の光源の前方に配置する表示部の切り替え時に回転させられるものであり、
前記第2構造体は、
前記複数の表示部が周壁(DW)をなす回転体であり、前記複数の光源の前方に配置する表示部の切り替え時に、前記第1構造体とは逆の方向に回転させられるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2構造体は、表示部の切り替え時に、第1構造体とは逆の方向に回転させられる。よって、第1構造体および第2構造体での表示部の切り替え動作をそれぞれ異ならせることが可能であり、遊技者の注目度を向上可能である。
手段D5に係る発明は、
複数の光源(LED365)と、第1表示部(上側第1表示部321)および第2表示部(上側第2表示部322)を含む複数の表示部を備える構造体(上側回転体320)と、前記複数の表示部のうち、前記複数の光源の前方に配置する表示部を切り替え可能な切替機構(340)と、を有する演出装置(右側可動体203)と、
遊技に伴う演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記第1表示部は、透光可能な第1レンズ部(レンズ部321X)を備え、
前記第2表示部は、透光可能な第2レンズ部(第1部分レンズ部322D,第2部分レンズ部322E,第3部分レンズ部322F,第4部分レンズ部322G)を備え、
前記第1表示部で前記第1レンズ部がなす表示形態(図47(A)に示す表示態様)と、前記第2表示部で前記第2レンズ部がなす表示形態(図47(B)に示す表示態様)とが互いに異なっており、
前記演出装置は、
前記複数の光源を仕切る光源側仕切部材(光源側仕切部材366)と、
第1表示部側仕切部材(上側仕切部材321S)と、
第2表示部側仕切部材(上側仕切部材322S)と、を備え、
前記光源側仕切部材は、
前記第1表示部側仕切部材とともに、前記複数の光源のうち第1光源群に属する光源から前記第1レンズ部までの光の進路を区画する第1仕切部材(仕切部材SB1)を構成する一方、
前記第2表示部側仕切部材とともに、前記複数の光源のうち第2光源群に属する光源から前記第2レンズ部までの光の進路を区画する第2仕切部材(仕切部材SC1,SC2,SC3,SC4)を構成するものであり、
前記演出制御手段は、
前記演出装置を用いた演出を実行し得るものであり、
第1の実行条件が成立した場合には、前記複数の光源の前方に前記第1表示部を配置して、前記第1光源群に属する光源を発光し得るものであり、
第2の実行条件が成立した場合には、前記複数の光源の前方に前記第2表示部を配置して、前記第2光源群に属する光源を発光し得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、複数の光源を仕切る光源側仕切部材は、第1表示部側仕切部材とともに、第1光源群に属する光源から第1レンズ部までの光の進路を区画する第1仕切部材を構成する一方、第2表示部側仕切部材とともに、第2光源群に属する光源から第2レンズ部までの光の進路を区画する第2仕切部材を構成する。よって、共通部材(光源側仕切部材)を用いて、第1光源群からの光を第1レンズ部に確実に透過させたり、第2光源群からの光を第2レンズ部に確実に透過させたりすることが可能であり、部品点数を抑えた演出装置とすることが可能である。
さらに、第1の実行条件が成立した場合には、複数の光源の前方に第1表示部を配置して、第1光源群に属する光源を発光し、第2の実行条件が成立した場合には、複数の光源の前方に第2表示部を配置して、第2光源群に属する光源を発光し得る。よって、光源の前方に第1表示部を配置しても第2表示部を配置しても、レンズ部から好適な光輝を放つ表示部を演出に用いることが可能である。
〈手段E〉
手段E1に係る発明は、
光源(LED365)と、
透光可能な透光部材(332X)、および、透光不能又は透光困難な不透光部材(332Y)を含む表示部(下側第2表示部332)と、
前記光源の発光を制御可能な発光制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記透光部材は、
複数のレンズ部(第1部分レンズ部332D,第2部分レンズ部332E,第3部分レンズ部332F)と、これら複数のレンズ部の間を介在する介在部(332H)とを備え、
前記複数のレンズ部は、
前記発光制御手段によって前記光源の発光がなされた場合には、その光源からの光を透過させ得るものである遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記透光部材は1部材からなることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、透光部材は、複数のレンズ部と介在部とを備える1部材であるので、レンズ部が複数あるにもかかわらず透光部材の部品点数を少なく抑えることが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機であって、
前記不透光部材は、背後側に突設した凸部(332W)を備え、
前記介在部は、前記凸部に嵌合可能な嵌合部(332J)を備え、
前記凸部と前記嵌合部とが嵌合していることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、不透光部材の凸部と介在部の嵌合部とが嵌合しているので、不透光部材に対する透光部材(レンズ部)の位置ズレを防止可能である。また、透光不能な凸部と、透光部材の介在部に設けられた嵌合部とが嵌合するので、レンズ部から介在部の嵌合部付近まで、透光部材内を光が移動してきた場合には、その光について凸部で遮蔽することが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E2に記載の遊技機であって、
前記凸部は、
前記嵌合部の厚み方向の全域に嵌合していることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、凸部は、嵌合部の厚み方向の全域に嵌合しているので、レンズ部から介在部の嵌合部付近まで透光部材内を光が移動してきた場合には、その光が凸部の反対側に届くのを抑制可能である。
手段E4に係る発明は、
手段E2又は手段B3に記載の遊技機であって、
前記複数のレンズ部には、第1部分レンズ部(332D)と第2部分レンズ部(332E)と第3部分レンズ部(332F)とがあり、
前記光源には、前記第1部分レンズ部に透過させる光を発光可能な第1光源(第1横仕切部341、第4横仕切部344、第1縦仕切部351、第3縦仕切部353および第5縦仕切部355で仕切られたLED365)と、前記第2部分レンズ部に透過させる光を発光可能な第2光源(第4横仕切部344よりも下側に配置されたLED365)と、前記第3部分レンズ部に透過させる光を発光可能な第3光源(第1横仕切部341、第4横仕切部344、第2縦仕切部352、第4縦仕切部354および第6縦仕切部356で仕切られたLED365)と、があり、
前記発光制御手段は、
前記第1光源、前記第2光源、および、前記第3光源を同時に発光可能なものであり、
前記透光部材は、
前記第1部分レンズ部と前記第2部分レンズ部との第1距離(Z1)が、前記第1部分レンズ部と前記第3部分レンズ部との第2距離(Z2)よりも近くなっており、
前記第1部分レンズ部から前記第2部分レンズ部までの前記介在部を通しての距離(第3距離Z3)が、前記第1距離よりも長くなっており、
前記凸部は、
前記第1部分レンズ部と前記第3部分レンズ部との間に配置されているものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、透光部材は、第1部分レンズ部から第2部分レンズ部までの介在部を通しての距離が第1距離よりも長くなっている。その分(第1部分レンズ部から第2部分レンズ部までの介在部を通しての距離が第1距離よりも長くなっている分)、第1部分レンズ部と第2部分レンズ部との間の距離を稼ぐことが可能であり、第1部分レンズ部と第2部分レンズ部との間で光の移動(透光)が生じ難い遊技機とすることが可能である。
さらに、凸部は、第1部分レンズ部と第3部分レンズ部との間に配置されているので、第1部分レンズ部又は第3部分レンズ部からその凸部までの透光部材内を光が移動してきた場合には、その光を凸部で遮蔽可能である。よって、第1部分レンズ部と第3部分レンズ部との間で光の移動(透光)が生じるのを抑えることが可能である。
手段E5に係る発明は、
光源(LED365)と、
透光可能な透光部材(332X)、および、透光不能又は透光困難な不透光部材(332Y)を含む表示部(下側第2表示部332)と、
遊技に伴う演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記透光部材は、
複数のレンズ部(第1部分レンズ部332D,第2部分レンズ部332E,第3部分レンズ部332F)と、これら複数のレンズ部の間を介在する介在部(332H)とを備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記透光部材は1部材からなり、
前記不透光部材は、背後側に突設した凸部(332W)を備え、
前記介在部は、前記凸部に嵌合可能な嵌合部(332J)を備え、
前記凸部と前記嵌合部とが嵌合しており、
前記演出制御手段は、
前記表示部を用いた表示演出(図48(B)に示す表示演出)を実行し得るものであり、
前記表示演出の実行条件が成立した場合には、前記複数の光源の少なくとも一部の光源を発光し得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、不透光部材の凸部と介在部の嵌合部とが嵌合しているので、不透光部材に対する透光部材(レンズ部)の位置ズレを防止可能である。また、透光不能な凸部と、透光部材の介在部に設けられた嵌合部とが嵌合するので、レンズ部から介在部の嵌合部付近まで、透光部材内を光が移動してきた場合には、その光について凸部で遮蔽することが可能である。