JP2016081964A - 現像装置、現像方法及び記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光された基板を現像するにあたり、基板の面内に形成されるレジストパターンの均一性を高くすることができる技術を提供する。
【解決手段】露光されたレジスト膜がその表面に形成された基板を水平に保持する基板保持部11と、前記基板の表面に現像液を供給する現像液供給部21と、前記現像液が供給された基板の表面の局所的な領域に、当該現像液の温度及び濃度のうち少なくとも一方を調整するための調整ガスを吐出するガス吐出部41と、前記調整ガスを吐出した状態のガス吐出部41を、前記基板に対して相対的に移動させる移動機構52と、を備える。基板に供給される前記調整ガスによって、前記基板の面内で現像液と前記レジスト膜との反応を揃えることができ、それによってレジストパターンの均一性を高くすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、露光後の基板に対して現像液を供給して現像する現像装置、現像方法及び前記現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体に関する。
半導体装置の製造におけるフォトリソグラフィ工程では、レジスト膜が形成され、所定のパターンに沿って露光された基板である半導体ウエハ(以下ウエハと記載する)の表面に現像液が供給されてレジストパターンを形成する現像処理が行われる。特許文献1、2には、この現像処理として、現像液が液盛りされたウエハを静止状態とする、静止現像を行う現像装置について記載されている。
特許文献1では、ウエハに液盛りされた現像液の温度調整(温調)を行うために、ウエハ上に配置されたガスノズルから温調されたガスを供給することによって、レジスト膜のパターン精度を向上させることが記載されている。特許文献2では、現像液が液盛りされたウエハ上を当該ウエハの一端から他端に向かってガスを吐出した状態のガスノズルを移動させ、ウエハ全体にガスを供給することが記載されている。それによって、現像液における気泡をガスノズルの移動方向であるウエハの他端へ寄せて除去し、現像不良を抑えることができるとされている。
ところで、現像処理により得られるレジストパターンの線幅であるCD(Critical Dimension)の大きさについて、ウエハの面内で互いに異なる分布が形成される場合がある。このような分布が形成される一つの理由としては、ウエハの周囲の環境によって、ウエハの面内において液盛りされた現像液の温度に斑が形成されていることが考えられる。
特許文献1において、ガスノズルはガス吐出中に固定され、ウエハの所定の領域に局所的にガスを吐出しているように示されている。そのようにガスの吐出を行うと、当該所定の領域の現像液が他の領域に比べて極端に速く乾燥してしまい、ウエハの面内でCDの均一性を十分に向上させることができないおそれがある。従って、特許文献1の現像装置は、上記の問題を解決できるものではない。また、特許文献2では、上記の現像液の温度の問題については着眼されていない。現像液の温度を調整せず、気泡を除去する場合、現像液をガスに曝す時間は短くてよく、上記のようにウエハの一端から他端へ、一方向にのみガスノズルを移動させることで足りる。従って、この特許文献2にはガス吐出中のガスノズルを往復させること、さらにはその往復を複数回行うことについて示唆されていない。
特開平2−46465号公報 特開平3−270218号公報
本発明は、このような事情においてなされたものであり、その目的は、露光された基板を現像するにあたり、基板の面内に形成されるレジストパターンの均一性を高くすることができる技術を提供することにある。
本発明の現像装置は、露光されたレジスト膜がその表面に形成された基板を水平に保持する基板保持部と、
前記基板の表面に現像液を供給する現像液供給部と、
前記現像液が供給された基板の表面の局所的な領域に、当該現像液の温度及び濃度のうち少なくとも一方を調整するための調整ガスを吐出するガス吐出部と、
前記基板の面内で現像液と前記レジスト膜との反応を揃えるために、前記調整ガスを吐出した状態のガス吐出部を、前記基板に対して相対的に移動させる移動機構と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の現像方法は、露光されたレジスト膜がその表面に形成された基板を基板保持部により水平に保持する工程と、
現像液供給部により前記基板の表面に現像液を供給する工程と、
ガス吐出部により、前記現像液が供給された基板の表面の局所的な領域に、当該現像液の温度及び濃度のうち少なくとも一方を調整するための調整ガスを吐出する工程と、
前記基板の面内で現像液と前記レジスト膜との反応を揃えるために、移動機構により前記調整ガスを吐出した状態のガス吐出部を前記基板に対して相対的に移動させる工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の記憶媒体は、露光後の基板を現像する現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上記の現像方法を実施することを特徴とする。
本発明によれば、現像液が供給された基板の表面の局所的な領域に、当該現像液の温度及び濃度のうち少なくとも一方を調整するための調整ガスを吐出するガス吐出部と、前記調整ガスを吐出した状態のガス吐出部を、前記基板に対して相対的に移動させる移動機構と、が設けられる。従って、前記基板の面内で現像液と前記レジスト膜との反応を揃えることができる。それによって、基板の面内において現像処理を均一性高く行い、形成されるレジストパターン均一性を高くすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の縦断側面図である。 前記現像装置の平面図である。 前記現像装置に設けられるガスノズルの縦断側面図である。 前記ガスノズルの下面図である。 レジストにおいてCDの平均値と現像液の温度との関係を示すグラフ図である。 前記現像装置によるウエハの各位置のCDの分布の変化を模式的に示すグラフ図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置によるウエハの各位置のCDの分布の変化を模式的に示すグラフ図である。 前記現像装置による他の処理を示す工程図である。 レジストにおいてCDの平均値と現像液の温度との関係を示すグラフ図である。 第2の実施形態に係る現像装置の平面図である。 前記現像装置に設けられるガスノズルの縦断側面図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 前記現像装置による処理を示す工程図である。 第2の実施形態の変形例の装置の処理を示す説明図である。 評価試験の結果を示す模式図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る現像装置1について、図1の概略縦断側面図、図2の概略横断平面図を夫々参照しながら説明する。この現像装置1では、その表面にレジスト膜が形成されたウエハWに現像液を供給して現像処理を行った後、当該ウエハWに洗浄液を供給して洗浄処理を行い、現像液を除去する。前記レジスト膜は、例えばi−lineレジストと呼ばれるレジストにより構成され、所定の波長の光により、所定のパターンに沿って露光されている。
図中11は、ウエハWの裏面中央部を真空吸着し、水平に保持するスピンチャックである。基板保持部であるスピンチャック11は、駆動部12により鉛直軸周りに回転及び昇降可能に構成されている。ウエハWがスピンチャック11に吸着保持された状態において、ウエハWの側周を囲むようにしてカップ体10が設けられており、カップ体10は、外カップ13と、その内側に設けられる内カップ14とにより構成されている。外カップ13は角筒状に形成されており、内カップ14は円筒の上部側が上方内側に傾斜し、上部側開口部が下部側開口部より狭くなるように形成されている。外カップ13が昇降機構15により上昇すると、内カップ14は、外カップ13の昇降範囲の一部において、当該外カップ13に連動して昇降するように構成されている。カップ体10は、現像処理時には図1中実線で示す下降位置に、洗浄処理時には点線で示す上昇位置に夫々位置する。
前記スピンチャック11の下方側には、スピンチャック11の回転軸を囲む円板16が設けられており、更には円板16の外側全周に亘って凹部を形成し、底面に排液口17が形成されている液受け部18が設けられている。また円板16の周縁部には上端がウエハWの裏面に接近する断面山形のリング体19が設けられている。
図2中、21は長尺に形成された現像液供給部である現像液供給ノズルであり、その下部にはノズルの長さ方向に沿って吐出口22が設けられている。吐出口22はウエハWの径と略同じ長さを有するスリット状に形成されており、下方に現像液を供給する。図1中23は現像液の供給源であり、流量制御部24を介して現像液供給ノズル21に接続されている。流量制御部24はバルブやマスフローコントローラを含み、現像液供給源23から現像液供給ノズル21への現像液の流量を調整する。
また、現像液供給ノズル21は、図2に示すように支持アーム25を介して移動機構26に接続されている。移動機構26は、支持アーム25を介して現像液供給ノズル21を昇降させ、且つ吐出口22の形成方向と直交するように水平方向に移動させる。この移動機構26によって、現像液供給ノズル21は、カップ体10の外側の待機位置とウエハW上との間で移動することができ、さらにウエハWの径方向に沿って移動することができる。図中27は、移動機構26を前記水平方向に移動させるためのガイドである。
図中31は洗浄液供給ノズルであり、例えば純水である洗浄液を下方に供給する。図1中32は洗浄液の供給源であり、流量制御部33を介して洗浄液供給ノズル31に接続されている。流量制御部33はバルブやマスフローコントローラを含み、洗浄液供給源32から洗浄液供給ノズル31への洗浄液の供給量を調整する。
また、洗浄液供給ノズル31は、図2に示すように支持アーム34を介して移動機構35に接続されている。移動機構35は、支持アーム34を介して洗浄液供給ノズル31を昇降させ、且つ水平方向に移動させる。この移動機構35によって洗浄液供給ノズル31は、外カップ13の外側の待機位置とウエハWの中心領域上との間で移動することができる。図中36は、移動機構35を前記水平方向に移動させるためのガイドである。
この現像装置1には、ガス吐出部であるガスノズル41が設けられている。このガスノズル41は、ウエハWに供給された現像液に温度調整(温調)された不活性ガスとして例えばN(窒素)ガスを供給する。図3、図4は、夫々ガスノズル41の縦断側面図、下面図である。ガスノズル41は例えば平面視円形、且つ側面視下方へ向けて末広がりに形成されている。
ガスノズル41の内部には扁平なガスの拡散空間42が形成されており、ガスノズル41の下面には拡散空間42に連通する多数の孔43が分散して配置されている。ガスノズル41の下面はウエハWの表面に対向し、ウエハWにおいてこの下面に重なる領域に、局所的にN2ガスが供給される。また、ガスノズル41の下面は、ウエハWの表面よりも小さく構成されており、後述するようにウエハWの中心領域にN2ガスが供給されることを避けることができる。
ガスノズル41にはガス供給管44の下流端が接続されており、前記拡散空間42へN2ガスを供給する。ガス供給管44の上流端は、図1に示すように温調機構である冷却機構45、バルブやマスフローコントローラを含む流量制御部46をこの順に介してN2ガス供給源47に接続されている。N2ガス供給源47は、例えばN2ガスを貯留するタンクと、当該タンクに貯留されたN2ガスをガス供給管44に圧送するポンプとを備えている。冷却機構45は、N2ガスの流路と、当該流路を冷却できる熱交換器と、を備えている。当該冷却機構45によって、ガスノズル41に供給されるN2ガスを、ウエハWの周囲の雰囲気の温度、即ち現像装置1が設置されるクリーンルームの設定温度である例えば23℃よりも低い温度に冷却することができる。
ガスノズル41は、図2に示すように支持アーム51を介して移動機構52に接続されている。移動機構52は、支持アーム51を介してガスノズル41を昇降させ、且つ水平方向に移動させる。当該移動機構52によって、ガスノズル41はカップ体10の外側の待機位置とウエハW上との間で移動することができ、さらにウエハWの直径上を当該ウエハWの径方向に沿って移動することができる。図中53は、移動機構52を前記水平方向に移動させるためのガイドである。
図1、図2に示すように、現像装置1は例えばコンピュータからなる制御部100を備えている。制御部100はプログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部などを備えている。前記プログラムには制御部100から現像装置1の各部に制御信号を送り、各流量制御部による現像液、洗浄液、N2ガスのウエハWへの給断及び流量の調整、駆動部12によるスピンチャック11の回転及びスピンチャック11の昇降、各移動機構26、35、52による各ノズルの移動、昇降機構15によるカップ体10の昇降などの各動作を制御し、後述するウエハWの処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。このプログラムは、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)メモリーカードなどの記憶媒体に格納されて制御部100にインストールされる。
ところで、図5は実験により取得された、i−Lineレジストにより形成されたレジスト膜について、現像終了後にウエハWの面内の複数箇所で測定されたCDの平均値と、使用された現像液の温度との関係を示すグラフである。このグラフに示すように、20℃〜26℃の範囲において現像液の温度が高くなるにつれてCDが大きくなる。つまり、当該温度範囲においては温度が低いほど、レジストと現像液との反応が進行する。即ちレジストが溶解してパターンの線幅が小さくなる。従って、前記ガスノズル41からN2ガスがウエハWへ供給されないものとし、且つ背景技術の項目で説明したようにウエハWに供給された現像液の温度がウエハWの面内の各部で異なると、当該面内でCDの大きさにばらつきが生じることになる。
具体的に、例えばウエハWの周縁部から中央部に向かうに従って現像液の温度が高くなるような温度分布が形成されるものとすると、現像終了後のウエハWにはウエハWの周縁部から中央部に向かうに従って、CDが大きくなる分布が形成されてしまう。図6の鎖線のグラフは、そのように形成されたCDの分布の一例を示している。ここではウエハWの直径は例えば300mmであるものとし、グラフの横軸は当該直径に沿った位置を示す。当該横軸における0mmはウエハWの中心を示し、−150mm、+150mmは夫々ウエハWの一端、他端を示す。グラフの縦軸は、CDの大きさを示している。
上記のようなウエハWの中央部と周縁部との間においてCDとの差が形成されることを抑えるために、現像装置1による処理では、ガスノズル41からウエハWの中央部にN2ガスを供給し、当該中央部の現像液の温度を低下させてウエハWの面内で温度の均一化を図り、ウエハWの中央部のCDを低下させる。図6中の実線のグラフは、そのようにN2ガスを供給して得られるCDの分布の一例を示している。
なお、ウエハWに供給された現像液の温度分布は、ウエハWの周囲の環境によって異なり、後にグラフで説明するように、ウエハWの周縁部のCDがウエハWの中央部のCDよりも大きくなる場合もある。現像装置1のユーザーは、ウエハWの処理前にウエハWの周縁部及び中央部のうち、どちらのCDが大きくなるか実験により確認しておき、その結果に従って、実際のウエハWの処理前に、ウエハWの周縁部及び中央部のうち、どちらにガスノズル41によりN2ガスを供給するかを設定しておく。、
以下、N2ガスをウエハWに供給しない場合には、図6の鎖線で示したCD分布が形成され、ガスノズル41はウエハWの中央部にN2ガスを供給するように設定されているものとして、現像装置1における現像処理及び洗浄処理について説明する。現像装置1に図示しない搬送機構によってスピンチャック11上に、上記のi−Lineレジストからなるレジスト膜が形成されたウエハWが搬送され、スピンチャック11が上昇して当該ウエハWの裏面中央部が吸着される。
スピンチャック11が下降し、現像液供給ノズル21がカップ体10の外側の待機位置から、静止した状態のウエハWに向けて移動し、当該ウエハWの一端に近接すると現像液の供給が開始される。現像液供給ノズル21がウエハWの他端へ移動しながら、現像液の供給が続けられ、ウエハWの表面全体に現像液Dが液盛りされる(図7)。ウエハWの周囲の雰囲気により、ウエハWの中央部の現像液に対して周縁部の現像液の温度が低くなるように温度分布が形成される。
然る後、現像液供給ノズル21が待機位置へ戻ると共に、ガスノズル41がカップ体10の外側の待機位置からウエハWの中央部上に向けて移動する。
ウエハWが所定の回転数で回転し、例えばガスノズル41の移動方向の後端がウエハWの中央部の所定の位置(P1とする)に位置すると、N2ガス供給源47からガス供給管44に供給されたN2ガスが、冷却機構45により冷却され、図8に示すようにガスノズル41から下方のウエハWに供給される。ガスノズル41はN2ガスを吐出しながら、ウエハWの一端側に向けて、当該ウエハWの径方向に沿って移動する。
そして、例えばガスノズル41がウエハWの中心領域上へ位置する前にウエハWの回転が一旦停止し、ガスノズル41はウエハWの中心領域上を通過して、さらにウエハWの一端側に向かう。なお、ここではウエハWの中心領域はウエハWの回転中心を中心とする円形領域であり、ウエハWの中央部よりも、その端部がウエハWの中心寄りに位置した狭い領域であるものとして説明する。ガスノズル41の移動方向の先端が、ウエハWの中央部の所定の位置(P2とする)に位置すると、ガスノズル41の移動方向が変化して図9に示すように、当該ガスノズル41がウエハWの他端側に向かって移動すると共にウエハWの回転が再開される。
そして、この他端側に向けての移動中、ガスノズル41がウエハWの中心領域上へ位置する前にウエハWの回転が停止し、ガスノズル41は当該中心領域上を通過して、さらにウエハWの他端側に向かう。ガスノズル41の移動方向の先端が前記位置P1に位置する、即ちガスノズル41がウエハW上を一往復すると、ガスノズル41の移動方向が変わり、ガスノズル41は再びウエハWの一端側へ移動すると共にウエハWの回転が再開される。なお、上記の位置P1、P2にガスノズル41の端部が位置しているとき、ウエハWにおいてガスノズル41の中心に対向する位置は、例えばウエハWの中心から80mm離れている。
ガスノズル41の再度の一端側(位置P2側)への移動中においても、ガスノズル41がウエハWの中心領域上へ位置する前にウエハWの回転が一旦停止する。そして、ガスノズル41の移動方向の先端が位置P2に位置すると、ガスノズル41が再びウエハWの他端側(位置P1側)に向かって移動すると共にウエハWの回転が再開される。そして、ガスノズル41の再度の他端側への移動中においても、ウエハWの中心領域上へ位置する前にウエハWの回転が一旦停止し、ガスノズル41の移動方向の先端が位置P1に位置すると、ガスノズル41が再びウエハWの一端側に向かって移動すると共にウエハWの回転が再開される。このようにガスノズル41は、N2ガスを吐出しながらウエハWの中央部上を、一端側と他端側との間で繰り返し往復移動する(図10)。この往復移動とウエハWの回転とによって、ウエハWの中央部において現像液の温度が低下し、図5のグラフで説明したように、現像液とレジストとの反応が促進される。
上記のようにガスノズル41はウエハWの中心領域を跨ぐようにウエハWの一端側と他端側との間で往復移動し、当該中心領域を跨いでいる間は、ウエハWの回転が停止する。その理由を説明すると、回転の遠心力によってウエハWの中心領域の現像液の膜厚はその外側に比べて小さくなる。そのように液膜の膜厚が小さくなった中心領域にN2ガスが供給されると、現像液の乾燥が過度に進行し、ウエハWの面内におけるCDの均一性が低下するおそれがあるためである。従って、そのようにウエハWの回転を止める代わりに、中心領域へのN2ガスの供給を停止するようにしてもよい。
また、ウエハWの中心領域の外側においても、そのように現像液の膜厚が過度に小さくなって乾燥が進行しすぎることを防ぐために、上記のガスノズル41の往復移動時のウエハWの回転数は比較的小さく、例えば30rpm以下に設定される。この例では20rpmに設定されている。
上記のようにガスノズル41を往復移動させる理由を説明する。仮にガスノズル41の移動速度が比較的小さいとすると、現像が終了した時点で、ウエハWにおいて先にN2ガスが供給された領域ではレジストとの反応度合が大きく、後にN2ガスが供給される領域ではレジストとの反応度合が小さくなってしまう。このような反応度合の差を抑えるためには、ガスノズル41を比較的大きい速度で移動させることが必要になる。しかし、ガスノズル41の移動速度がそのように大きいと、ガスノズル41がウエハWの一端側から他端側へ一回のみ移動するとした場合には、ウエハWの中央部の各所にて、現像液がN2ガスに曝される時間が短く、十分に温度調整をすることができなくなってしまう。そこで、上記のようにN2ガスを吐出したガスノズル41をウエハW上で往復させることで、現像液を十分な時間、N2ガスに曝してその温度を調整している。十分に現像液の温度を調整するために、ガスノズル41は少なくとも3回以上、N2ガスを吐出しながらウエハW上を往復するように設定される。この例では10回往復するように設定されている。
上記のようにガスノズル41が位置P1、位置P2間を10往復し、ウエハWの中央部が冷却され、ウエハWの周縁部と中央部とで温度差が緩和されると、ガスノズル41からのN2ガスの吐出が停止し、ガスノズル41が待機領域に戻ると共にウエハWの回転が停止し、現像液とレジストとの反応が進行し、レジストパターンが解像される。
ウエハWの回転停止から所定の時間経過後、洗浄液ノズル31がウエハWの中心領域上に位置してウエハWの中心領域に洗浄液Rが供給され、現像処理が終了すると共に洗浄処理が開始される。ウエハWが回転し、その遠心力によって洗浄液RがウエハWの周縁部へ広がり、ウエハWの表面全体から現像液Dが除去される(図11)。然る後、洗浄液Rの供給が停止し、ウエハWの回転によって洗浄液RがウエハWから振り切られ、ウエハWが乾燥された後、ウエハWの回転が停止して洗浄処理が終了する。そして、図示しない搬送機構により現像装置1から搬出される。
この現像装置1によれば、ウエハWの中央部と周縁部との温度差が緩和されるように、ウエハWの中央部に冷却されたN2ガスを供給し、当該中央部を限定的に冷却する。それによって、ウエハWの中央部にてレジストと現像液との反応が促進され、ウエハWの中央部と周縁部との間において、前記反応の度合が揃う。従って、ウエハWの面内において均一性高くレジストパターンが形成することができ、レジストパターンのCDの均一性を高くすることができる。
N2ガスの供給を行わない場合にウエハWの中央部のCDが、周縁部のCDに比べて大きくなるケースを説明したが、ウエハWの周囲の環境によっては図12に鎖線のグラフで示すように、ウエハWの周縁部のCDが中央部のCDに比べて大きくなる場合がある。このような場合はN2ガスをウエハWの周縁部の現像液に吐出し、当該周縁部の現像液を冷却させる。それによって、例えば図12の実線のグラフで示すようなCDの分布が形成されるようにする。つまり、周縁部のCDを低下させ、中央部と周縁部とでのCDの差が抑えられるようにする。
そのようにウエハWの周縁部の現像液にN2ガスを吐出する場合の処理について具体的に説明する。上記のように現像液ノズル41によって、ウエハWに現像液Dを供給する。然る後、図13に示すようにウエハWが回転すると共にウエハWの周縁部上において、N2ガスを吐出したガスノズル41が、ウエハWの径方向に沿ってウエハWの周端側と中心側との間を3回以上繰り返し往復し、ウエハWの周縁部が冷却される。N2ガスを吐出する位置が異なることを除いては、ウエハWの中央部を冷却する場合の処理と同様の処理が行われる。N2ガス吐出中のウエハWの回転については、ガスノズル41がウエハWの中心領域を通らないので連続的に行ってよいが、ウエハWの中央部にN2ガスを吐出する場合のように間欠的に行ってもよい。
ところで、現像液の温度及びCDの関係は、レジストの種類によって異なる。図14のグラフは、KrFレジストと呼ばれるレジストにより構成されたレジスト膜について、実験により取得された、ウエハWの面内における複数箇所のCDの平均値と、現像液の温度との関係とを示している。このグラフに示すように22℃〜41℃の範囲において、現像液の温度が高くなるにつれてレジストと現像液との反応が促進され、CDが小さくなる。また、図示は省略しているがArFレジストと呼ばれるレジストもKrFレジストと同様に、現像液の温度が高くなるにつれて、CDが小さくなる。上記のi-Lineレジスト、ArFレジスト及びKrFレジストは、互いに異なる波長によって露光されるレジストであり、主成分が互いに異なっている。
上記のKrFレジストまたはArFレジストによる膜が形成されたウエハWに対して現像を行う場合、例えば上記の現像装置1について、温調機構として冷却機構45の代わりに加熱機構をガス供給管44に備えるように構成する。この加熱機構は、例えばN2ガスの流路と当該流路を加熱するヒーターとを備えるように構成される。そして、N2ガス供給源47から供給されるN2ガスが、当該加熱機構にてクリーンルームの設定温度よりも高い温度に調整されてガスノズル41に供給されるようにする。
そのようにArFレジストまたはKrFレジストの膜が形成されたウエハWについて、図5の鎖線のグラフで示すようにウエハWの周縁部に比べて中央部のCDが大きくなる場合、即ちN2ガスが供給されないと、ウエハWの周縁部に比べて中央部の現像液の温度が低くなる場合、図7〜図11で説明したように処理を行う。即ち、ウエハWの中央部上にてガスノズル41を往復移動させながら、当該中央部に加熱されたN2ガスを供給する。それによって、この中央部において現像液とレジストとの反応を促進し、図5の実線のグラフで示すように、当該中央部のCDを小さくして、ウエハWの中央部と周縁部との間でCDの差を抑える。
また、ArFレジストまたはKrFレジストの膜が形成されたウエハWについて、図12の鎖線のグラフで示すようにウエハWの中央部に比べて周縁部のCDが大きくなる場合、即ちN2ガスが供給されないと、ウエハWの中央部に比べて周縁部の現像液の温度が低くなる場合、図13で説明したように処理を行う。即ち、ウエハWの周縁部上にてガスノズル41を往復移動させながら、当該周縁部に加熱されたN2ガスを供給する。それによって、この周縁部において現像液とレジストとの反応を促進し、図12の実線のグラフで示すように、当該周縁部のCDを小さくして、ウエハWの中央部と周縁部との間でCDの差を抑える。
上記の現像装置1においては上記の冷却機構45、加熱機構を共に備えた構成とし、搬送されるウエハWのレジストの種類に応じて、供給されるN2ガスが加熱されるか冷却されるか決定される構成としてもよい。例えば既述のように、i−Lineレジストであれば冷却されたN2ガスが供給され、ArFレジストまたはKrFレジストであれば、加熱されたN2ガスが供給される。具体的な装置の構成としては、例えばガスノズル41の上流側でガス供給管44を分岐させて分岐路を形成し、この分岐路に冷却機構45、加熱機構を夫々設け、ガス供給源47から供給されるN2ガスが、冷却機構45または加熱機構のいずれかに供給されるように配管系を構成する。つまり、ガスノズル41からは冷却されたN2ガスまたは加熱されたN2ガスが吐出可能な構成とされる。そして、制御部100のメモリには、レジストの種類毎にN2ガスが供給されない場合において、図5の鎖線のグラフで示したように、ウエハWの中央部のCDが周縁部のCDに比べて大きくなるか、図12の鎖線のグラフで示したようにウエハWの周縁部のCDが中央領域のCDに比べて大きくなるかについてのデータ(CD分布データとする)が記憶される。
そして、現像処理が行われる前に、現像装置1に搬送されたウエハWに塗布されたレジストの種類についてのデータが、上位コンピュータから制御部100に送信される。制御部100は、この送信されるレジストの種類のデータに基づいて、加熱されたN2ガスをウエハWに供給するか、冷却されたN2ガスをウエハWに供給するかを決定する。そして上記のCD分布データに基づいて、N2ガスが供給されないとした場合に、周縁部及び中央部のうちCDが大きい方の領域に当該N2ガスを吐出して、CDを低下させる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る現像装置6について説明する。図15は現像装置6の平面図であり、現像装置6の現像装置1との差異点としては、ガスノズル41の代わりにN2ガスを供給するガスノズル61が設けられていることが挙げられる。ガスノズル61は長尺に形成され、移動機構52による水平移動方向に対して直交する方向に向かって水平に伸びるように構成されている。ガスノズル61の下部には、当該ガスノズル61の長さ方向の一端から他端に向かって、N2ガスを吐出する吐出口62A、62B、62Cがこの順に設けられている。吐出口62A、62B、62Cは、前記ガスノズル61の移動方向と直交する方向に伸びたスリット状に形成され、例えば互いに直線上に配置されている。つまり、各吐出口62A、62B、62Cは、一つのスリットがその長さ方向に3分割されたように形成されている。
図16は、ガスノズル61の縦断側面図である。ガスノズル61をウエハWの直径上に移動させたとき、吐出口62BはウエハWの中央部上に、吐出口63A、63CはウエハWの周縁部上に夫々位置し、各吐出口63A〜63Bからは下方にN2ガスが吐出される。ガスノズル61には吐出口62A、62B、62Cに夫々接続されると共に、互いに区画されたガス流路63A、63B、63Cが設けられている。吐出口62A、62B、62Cの各々について、長さ方向の各部にて均一性高くガスが吐出されるように、ガス流路63A、63B、63Cについては適宜構成される。
ガス流路63A、63B、63Cの上流側には、ガス供給管64A、64B、64Cの一端が接続され、ガス供給管64A、64B、64Cの他端は、例えば温調機構である加熱機構65、流量制御部46を各々介して互いに合流し、N2ガス供給源47に接続されている。各流量制御部46によって、吐出口62A、62B、62CからのN2ガスの吐出流量を、互いに独立して制御することができる。なお、このN2ガスの吐出流量の制御には、N2ガスの供給の開始と停止とを互いに切り替えることも含まれる。また、前記加熱機構65は、例えば第1の実施形態で説明した加熱機構と同様の構成であり、加熱機構65を構成するヒーターの出力は個別に制御される。従って、各吐出口62A〜62Cから吐出される各N2ガスの温度を、互いに同じ温度または異なる温度に調整することができる。
続いて現像装置6による、KrFレジストによる膜が形成されたウエハWの現像処理について、上記の現像装置1による現像処理との差異点を中心に説明する。ここではウエハWにN2ガスを吐出しない場合、図12に鎖線で示すように、ウエハWの中央部のCDに比べて周縁部のCDが大きくなるものとする。先ず、現像装置1と同様にウエハWに現像液が供給される。そして静止した状態のウエハWの外側から、当該ウエハWの一端上にガスノズル61が移動し、吐出口62Bから加熱されたN2ガスがウエハWの一端に吐出される。このとき、例えば吐出口62A、62Cについては、N2ガスの吐出が停止されている(図17)。
ガスノズル61がウエハWの一端から他端へ向けて例えば一定の速度で移動し、吐出口62BがウエハWの中央部上に位置する前に、吐出口62BからのN2ガスの吐出が停止すると共に、吐出口62A、62Cから加熱されたN2ガスが吐出される(図18)。さらに他端へのガスノズル61の移動が続けられ、吐出口62BがウエハWの中央部上を通過して周縁部上に位置すると、吐出口62A、62CからのN2ガスの吐出が停止すると共に吐出口62Bから加熱されたN2ガスが吐出される。さらにガスノズル61が移動を続け、ウエハWの他端上に位置する(図19)。
然る後、ガスノズル61はウエハWの他端から一端へ向けて例えば一定の速度で移動する。この一端への移動中においても他端への移動中と同様に、吐出口62BがウエハWの中央部上に位置する前に、吐出口62BからのN2ガスの吐出が停止すると共に、吐出口62A、62CからN2ガスが吐出される(図20)。そして、ウエハWの中央部上を通過して周縁部上に位置すると、吐出口62A、62CからのN2ガスの吐出が停止すると共に吐出口62BからN2ガスが吐出され、ウエハWの他端上に位置する(図21)。つまり、ガスノズル61がウエハW上を一往復する。以降、第1の実施形態と同様、このN2ガスを吐出しながらのガスノズル61の往復移動が繰り返し行われる。
このように、ガスノズル61が往復移動する間、吐出口62A〜62Cについて、N2ガスの吐出と吐出停止とを互いに切り替えることで、ウエハWの周縁部に沿ってN2ガスが供給され、ウエハWの中央部にはN2ガスが供給されないようにする。それによって、ウエハWの周縁部が加熱され、第1の実施形態と同様にウエハWの周縁部と中央部とで、現像液の温度の均一性が高くなる。ガスノズル61の往復移動が所定の回数行われた後は、第1の実施形態と同様に所定の時間、ウエハWが静止状態とされ、然る後、洗浄液が供給される。
この第2の実施形態においても、上記のようにN2ガスの供給によって、ウエハWの中央部と周縁部との温度差が抑えられ、ウエハWの面内でレジストと現像液との反応度合が揃う。従って、ウエハWの中央部と周縁部とで形成されるレジストパターンのCDの差が抑えられる。
ところで、N2ガスが供給された領域の現像液については、乾燥が進行することによって、その濃度について高くなる。つまり、N2ガスは温調されていなくても、当該N2ガスが供給される領域においては、レジストと現像液との反応が促進される。従って、例えばこの第2の実施形態の現像装置6において、加熱機構65による加熱を行わずにN2ガスを、既述のようにウエハWの周縁部に供給し、当該周縁部の現像液の濃度を高くすることによって、レジストと現像液との反応を促進し、ウエハWの面内で均一性高いレジストパターンを形成することができる。従って、N2ガスは現像液の温度を調整するためにウエハWに供給することには限られず、N2ガスは現像液の温度及び濃度のうち少なくとも一方を調整するためにウエハWに供給される。
また、上記の各吐出口62A〜62Cから加熱したN2ガスを供給する現像装置6の処理において、吐出口62BからのN2ガスの吐出時に、吐出口62A、62CからのN2ガスの吐出を停止する代わりに、流量制御部65により、これら吐出口62A、62CからのN2ガスの吐出流量を吐出口62BからのN2ガスの吐出流量よりも小さく、且つ0よりも大きくする。そして、同様に、吐出口62A、62CからのN2ガスの吐出時において、吐出口62BからのN2ガスの吐出を停止する代わりに、流量制御部65により、吐出口62BからのN2ガスの吐出流量を吐出口62A、62CからのN2ガスの吐出流量よりも小さく、且つ0よりも大きくする。このように各吐出口62A、62B、62Cからの吐出流量を制御することで、ウエハWの周縁部を中央部よりも高い温度に加熱すると共に当該周縁部の現像液の濃度を高くしてもよい。つまり、この処理例ではウエハW全体にN2ガスが供給されることになる。なお、このようにウエハW全体にN2ガスが供給される場合も、ウエハWに局所的に、現像液の濃度または温度を調整するN2ガスが供給されているため、本発明の権利範囲に含まれる。つまり、本発明は基板全体にガスが供給される例を排除するものではない。
そのようにウエハW全体にN2ガスを供給すると、ウエハW全体で上記の乾燥による現像液の濃度の上昇が起こり、レジストと現像液との反応が促進されることになる。従って、N2ガスを供給しない場合に比べて、所望のCDのパターンを得るために要する現像処理の時間がウエハWの全体で短縮されることになるので、現像装置6のスループットの向上を図れるという効果を奏する。
また、上記のように各吐出口62A〜62CからのN2ガスの吐出流量を制御する代わりに、例えば各吐出口62A〜62Cからは同じ流量でN2ガスが吐出されるようにし、各加熱機構65により吐出口62A〜62Cに各々供給されるN2ガスを互いに異なる温度に加熱する。それによって、ウエハWの中央部よりも周縁部に高い温度のN2ガスが供給されるようにし、ウエハWの面内でパターンの均一性を高くすることができる。
上記の現像装置6について、これまでウエハWの周縁部を中央部に比べて、より加熱することでウエハWの面内で現像液の温度を揃える例について説明したが、ガスノズル61の往復移動中における各吐出口62A〜62CからのN2ガスの吐出流量の切り替え及び/またはN2ガスの温度制御を行うことで、ウエハWの中央部が周縁部に比べて、より加熱されるようにして、ウエハWの面内で現像液の温度を揃えるようにしてもよい。つまり、図6の鎖線のグラフで示したように中央部のCDが周縁部のCDよりも大きくなるようなCD分布が形成される場合にも、現像装置6を適用することができる。
また、上記の処理例では、ガスノズル61の往復移動中、ウエハWの回転は行われていないが、ウエハWが回転した状態で、ガスノズル61を往復させてN2ガスを供給してもよい。このガスノズル61が往復移動中のウエハWの回転数(ガス吐出時回転数とする)としては、ウエハW表面にレジストとの反応に必要な量の現像液が保持される回転数、例えば30rpm以下の回転数である。この回転の遠心力によってウエハWの現像液の液膜が薄くなるため、N2ガスによってウエハWの面内に温度分布が形成されやすくなる。従って、ウエハWの周縁部と中央部とにおけるレジストパターンの均一性を、より確実に高くすることができる。
さらに、より温度分布を確実に形成するために現像液がウエハWに液盛りされた後、上記のガス吐出時回転数にする前に、当該ガス吐出時回転数よりも高い回転数(現像液振り切り回転数)としてウエハWの余剰の現像液を振り切って除去し、現像液の液膜を薄くするようにしてもよい。余剰の現像液を振り切った後は、上記のようにガスノズル61を往復移動させると共にガス吐出時回転数でウエハWを回転させて、N2ガスをウエハWに供給する。
ガスノズル61は、現像液供給ノズル21と一体に構成してもよい。つまり、現像液供給ノズル21に吐出口62A〜62C及びガス流路63A〜63Cを形成し、当該現像液供給ノズル21を、現像液の他にN2ガスも吐出できる構成としてもよい。上記の例では、ガスノズル61において3つの領域から夫々、独立してN2ガスが供給されるように構成されている。つまり、ガスノズル61が3つの領域に分割され、分割された各領域から独立してN2ガスが吐出されるが、より多くの領域に分割し、各領域から独立してN2ガスが吐出されるようにしてもよい。
第1の実施形態で説明した技術と、第2の実施形態で説明した技術とは互いに組み合わせることができる。例えば第2の実施形態において、各加熱機構65の代わりに第1の実施形態で説明した冷却機構45を設けてもよい。それによって第1の実施形態で説明したi-Lineレジストが塗布されたウエハWに対して、N2ガスが供給されないとしたときに周縁部及び中央部のうちCDが大きくなる方が、より冷却されるようにN2ガスを供給することができる。その結果として、当該ウエハWの面内でレジストパターンの均一化を図ることができる。そのように第2の実施形態に冷却機構45を設ける場合、ウエハWの周縁部と中央部とに互いに異なる温度のN2ガスを供給するために、各冷却機構45は互いに異なる温度にN2ガスを冷却できるように構成してもよい。
また、図22は第2の実施形態の変形例を示しており、図17〜図21で示した例と同様に、KrFレジストの膜が形成され、N2ガスを吐出しない場合にウエハWの中央部のCDに比べて周縁部のCDが大きくなるウエハWを処理するものとする。この変形例のガスノズル61には、吐出口62A、62Bが設けられ、吐出口62Cが設けられていない。ウエハWの半径上にガスノズル61が静止した状態でウエハWが回転し、吐出口62A、吐出口62Bから夫々N2ガスが吐出される。吐出口62Aから吐出されるN2ガスは、吐出口62Bから吐出されるN2ガスよりも高い温度に加熱される。ウエハWの回転と各吐出口62A、62BからのN2ガス供給によって、ウエハW面内全体で現像液Dが均一性高い温度にされる。この例で示すように、N2ガス吐出中にガスノズルは移動させることに限られない。
(評価試験)
第1の実施形態で説明したように、現像液が供給されたウエハWの中央部上にてガスノズル41を往復移動させて、冷却されたN2ガスを吐出し、ウエハWの面内における現像液の温度分布を測定した。また、このN2ガスの吐出を行わない場合のウエハWの面内における現像液の温度分布も測定した。図23の左側はN2ガスの吐出を行わないウエハWについての測定結果の画像を、図23の右側はN2ガスの吐出を行ったウエハWについての測定結果の画像を、夫々示している。実際のウエハWの画像は、その面内の各部を温度に応じて異なる色を付して示されており、ウエハWの画像の下方におけるバーが、色と温度との対応を示している。バーに付された数値19.5、23は温度(単位:℃)である。この図23に示されるようにN2ガスを供給したウエハWについては、N2ガスを供給しないウエハWに比べて、中央部と周縁部との間における温度の均一性が高い。従って、現像処理によって形成されるレジストパターンのCDについてもウエハWの中央部と周縁部とで、その差が抑えられると考えられる。
W ウエハ
1 現像装置
11 スピンチャック
12 駆動部
21 現像液供給ノズル
41、61 ガスノズル
45 冷却機構
65 加熱機構
100 制御部

Claims (14)

  1. 露光されたレジスト膜がその表面に形成された基板を水平に保持する基板保持部と、
    前記基板の表面に現像液を供給する現像液供給部と、
    前記現像液が供給された基板の表面の局所的な領域に、当該現像液の温度及び濃度のうち少なくとも一方を調整するための調整ガスを吐出するガス吐出部と、
    前記基板の面内で現像液と前記レジスト膜との反応を揃えるために、前記調整ガスを吐出した状態のガス吐出部を、前記基板に対して相対的に移動させる移動機構と、
    を備えたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記移動機構は、前記ガス吐出部を、前記基板の一端側と他端側との間で往復移動させることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記基板保持部を回転させることにより基板を回転させる回転機構が設けられ、
    前記ガス吐出部は、前記回転する基板に前記調整ガスを供給することを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
  4. 前記回転する基板の中央部及び周縁部のうちのいずれか一方に限定的に前記調整ガスが吐出されるように、前記移動機構は前記ガス吐出部を往復移動させることを特徴とする請求項3記載の現像装置。
  5. 前記調整ガスは、回転する基板の中央部に限定的に吐出され、
    前記往復移動中にガス吐出部が基板の回転中心上を跨ぐ間、当該基板の回転及び調整ガスの吐出のうちの少なくとも一方が停止されることを特徴とする請求項4記載の現像装置。
  6. 前記ガス吐出部は、前記調整ガスの吐出流量及び温度のうち少なくとも一方を個別に調整して基板に吐出するための複数のガス吐出口を備えることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  7. 前記ガス吐出部の移動中に、当該ガス吐出部の位置に応じて各ガス吐出口からの調整ガスの吐出流量及び温度のうち少なくとも一方が調整されることを特徴とする請求項6記載の現像装置。
  8. 露光されたレジスト膜がその表面に形成された基板を基板保持部により水平に保持する工程と、
    現像液供給部により前記基板の表面に現像液を供給する工程と、
    ガス吐出部により、前記現像液が供給された基板の表面の局所的な領域に、当該現像液の温度及び濃度のうち少なくとも一方を調整するための調整ガスを吐出する工程と、
    前記基板の面内で現像液と前記レジスト膜との反応を揃えるために、移動機構により前記調整ガスを吐出した状態のガス吐出部を前記基板に対して相対的に移動させる工程と、
    を備えたことを特徴とする現像方法。
  9. 前記ガス吐出部を前記基板に対して相対的に移動させる工程は、
    前記ガス吐出部を、前記基板の一端側と他端側との間で往復移動させる工程を含むことを特徴とする請求項8記載の現像方法。
  10. 前記調整ガスを吐出する工程は、前記回転する基板に前記調整ガスを吐出する工程を含むことを特徴とする請求項9記載の現像方法。
  11. 前記ガス吐出部を前記基板に対して相対的に移動させる工程は、
    前記回転する基板の中央部及び周縁部のうちのいずれか一方に限定的に前記調整ガスが吐出されるように、前記移動機構は前記ガス吐出部を往復移動させる工程を含むことを特徴とする請求項10記載の現像方法。
  12. 前記ガス吐出部を前記基板に対して相対的に移動させる工程は、
    前記調整ガスを、回転する基板の中央部に限定的に吐出する工程と、
    前記往復移動中にガス吐出部が基板の回転中心上を跨ぐ間、当該基板の回転及び調整ガスの吐出のうちの少なくとも一方を停止する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項11記載の現像方法。
  13. 前記ガス吐出部は、前記調整ガスの吐出流量及び温度のうち少なくとも一方を個別に調整して基板に吐出するための複数のガス吐出口を備え、
    前記ガス吐出部の移動中に、当該ガス吐出部の位置に応じて各ガス吐出口からの調整ガスの吐出流量及び温度のうち少なくとも一方を調整する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の現像方法。
  14. 露光後の基板を現像する現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
    前記コンピュータプログラムは、請求項8ないし13のいずれか一つに記載の現像方法を実施することを特徴とする記憶媒体。
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