JP2016080327A - ロータリーキルン、ロータリーキルン設備 - Google Patents

ロータリーキルン、ロータリーキルン設備 Download PDF

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弘志 渡邊
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Hajime Fujiyama
哉 藤山
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Nobuyuki Iwasaki
宣幸 岩▲崎▼
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Abstract

【課題】ロータリーキルンの排出端に続けて設けられるグリズリー等の装置の摩耗を効果的に抑制することができ、その装置の寿命を長くして効率的な操業を行うことを可能にするロータリーキルンを提供する。【解決手段】本発明に係るロータリーキルン10は、回転胴部11と、回転胴部11の内部を加熱するバーナー部12とを備え、その回転胴部11を回転させながら被処理物Xを装入端11Aから排出端11Bに移送させて熱処理するものである。ロータリーキルン10において、回転胴部11の排出端11Bには回転胴部11の内面に周方向に沿ってダム13が立設されており、回転胴部11のダム13が立設された箇所を回転胴部11の長軸方向に垂直な断面で視たとき、11回転胴部の内断面が正多角形となるような形状にそのダム13が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、ロータリーキルン及びロータリーキルン設備に関するものであり、より詳しくは、ロータリーキルンの排出端に続けて設けられているグリズリー等の装置の局部摩耗を防ぐことができるロータリーキルン及びそのロータリーキルンを用いたロータリーキルン設備に関する。
例えば、ウエルツ法で使用するロータリーキルンは、長手方向に傾斜して設置されており、被処理物をロータリーキルンの高さ位置が高い方の装入端(以下、単に「装入端」という)から装入し、ロータリーキルンを回転させることで被処理物を装入端から高さ位置の低い方の排出端(以下、単に「排出端」という)に移送させる。被処理物は、排出端の近傍に設けられたバーナーの燃焼によりロータリーキルン内で焼成される。
ロータリーキルン内における焼成により生成した焼成物(熱処理物)は、その排出端より排出されて、排出端の下方に続けて設けられているパンコンベヤ等の搬送手段により次工程に移送される。
被処理物がロータリーキルン内で焼成される過程においては、パンコンベア等の搬送装置で搬送可能な焼成物よりもサイズが大きく、落下によってその搬送装置を破損させてしまう恐れのある焼成物が発生することがある。
そのため、サイズが大きい焼成物を排除するために、ロータリーキルンの排出端とパンコンベア等の搬送装置との間には、例えば櫛形の篩であるグリズリーが配置されている。ここで、図1は、ロータリーキルン1と、グリズリー2と、パンコンベア等の搬送手段3とを関係を簡易的に示した「ロータリーキルン設備100」の一例を示す模式図である。この図1の模式図に示すように、ロータリーキルン1の排出端から排出された焼成物は、グリズリー2に落下してサイズに応じて篩分けされる。グリズリー2は、例えばクランク軸により電動機を動力として、そのロータリーキルン1の長手方向に前後運動して、グリズリー2に載った焼成物のうちのサイズの大きなものをシュートを介して系外へ排出する。一方で、サイズの小さな焼成物は、その櫛形のグリズリー2の間を通り抜け、下部に設けられたパンコンベア等の搬送手段3に移って搬送されることになる。
ところで、ロータリーキルンの排出端から排出された、サイズの小さい焼成物とサイズの大きい焼成物は、例えば700℃〜1100℃程度の高温の状態で落下してグリズリーに衝突することになるため、その熱と衝撃によってグリズリーは次第に摩耗していく。そして、グリズリーの摩耗がある程度進むと、大きい焼成物を篩分けて排除する能力が無くなり、ロータリーキルンでの処理を休止させてグリズリーを交換する必要が生じる。
さて、ロータリーキルンにおいては、通常、その排出端に、焼成物をロータリーキルン内に滞留させてその処理能力を増加させる目的から、ダムが設けられている。従来、ロータリーキルンの回転数及び焼成物の排出量が一定である定常の操業においては、焼成物は、ロータリーキルンの排出端に設けられたダムの同じ位置から排出されて、そしてグリズリーのほぼ同じ位置に落下していた。そのため、グリズリーの摩耗は、焼成物が落下する略同じ位置で著しく生じるようになり(局部摩耗)、グリズリーの寿命は必然的に非常に短くなってしまっていた。
実開平6−74824号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、例えば、ロータリーキルン排出端に続けて設けられるグリズリー等の装置の摩耗を効果的に抑制することができ、その装置の寿命を長くして効率的な操業を行うことを可能にするロータリーキルン及びそのロータリーキルン設備を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ロータリーキルンの排出端に、そのロータリーキルンを長軸方向に対して垂直な断面で視たときの形状が正多角形となるようにダムを設けることで、その排出端からの熱処理物の排出幅(落下幅)を拡げることができ、グリズリー等の装置の摩耗を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、回転胴部と、該回転胴部の内部を加熱するバーナー部とを備え、該回転胴部を回転させながら被処理物を装入端から排出端に移送させて熱処理するロータリーキルンであって、前記回転胴部の排出端には該回転胴部の内面に周方向に沿ってダムが立設されており、前記回転胴部の前記ダムが立設された箇所を該回転胴部の長軸方向に垂直な断面で視たとき、該回転胴部の内断面が正多角形となるような形状に該ダムが設けられているロータリーキルンである。
(2)本発明の第2の発明は、上述の第1の発明において、前記回転胴部の内断面が、正五角形、正六角形、正七角形、正八角形のいずれかとなるように前記ダムが設けられているロータリーキルンである。
(3)本発明の第3の発明は、回転胴部と、該回転胴部の内部を加熱するバーナー部とを備え、該回転胴部を回転させながら被処理物を装入端から排出端に移送させて熱処理するロータリーキルンと、前記ロータリーキルンの排出端から排出された熱処理物を受け止める中間部材と、前記中間部材を経て移送された前記熱処理物を搬送する搬送装置とを有するロータリーキルン設備であって、前記ロータリーキルンは、前記回転胴部の排出端に、該回転胴部の内面に周方向に沿ってダムが立設されており、前記回転胴部の前記ダムが立設された箇所を該回転胴部の長軸方向に垂直な断面で視たとき、該回転胴部の内断面が正多角形となるように該ダムが設けられているロータリーキルン設備である。
(4)本発明の第4の発明は、上述の第3の発明において、前記回転胴部の内断面が、正五角形、正六角形、正七角形、正八角形のいずれかとなるように前記ダムが設けられているロータリーキルン設備である。
(5)本発明の第5の発明は、上述の第3又は第4の発明において、前記熱処理物は、700℃〜1100℃の高温の焼鉱であるロータリーキルン設備である。
(6)本発明の第6の発明は、上述の第3乃至第5のいずれかの発明において、前記中間部材は、篩分け装置であるロータリーキルン設備である。
本発明によれば、例えば、ロータリーキルンの排出端に続けて設けられるグリズリー等の装置の摩耗を効果的に抑制することができ、装置の寿命を長くして効率的にロータリーキルンの処理操業を行うことができる。
ロータリーキルンと、グリズリーと、搬送手段との関係(位置関係)を簡易的に示したロータリーキルン設備の一例を示す模式図である。 ロータリーキルンの長軸方向に平行な断面における断面模式図である。 回転胴部の内面にダムが立設させた箇所における回転胴部の内断面(長軸方向に垂直な断面)を示す図である。 (A)は排出端に設けられたダムにより熱処理物が堆積する様子を説明するための図であり、(B)は回転胴部の内断面が円形となるようにダムを設けた場合において熱処理物が排出落下する様子を説明するための図である。 回転胴部の内断面が正多角形となるようにダムを設けた場合において、回転胴部の回転に伴って熱処理物が排出落下する様子を説明するための図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.ロータリーキルン≫
本実施の形態に係るロータリーキルンは、キルン本体(回転胴部)を回転させながら、装入端から装入させた被処理物に対して熱処理を施し、得られた熱処理物を移送させて排出端から排出させる処理装置である。このロータリーキルンは、例えば、鉄鋼ダストから酸化亜鉛鉱を製造するプロセスにおいて、鉄鋼ダストのペレットを還元焙焼するための還元焙焼ロータリーキルン(RRK)や、還元焙焼で得られた粗酸化亜鉛を湿式処理して生成したケーキを乾燥加熱して焼成物を得る乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)として用いることができる。
本明細書においては、ロータリーキルンの装置それ自体を、単に「ロータリーキルン」と称し、ロータリーキルンと、そのロータリーキルンから排出された熱処理物を受け止めて篩分けや収容等の所定の処理を施す中間部材(例えばグリズリー等の振動篩装置)と、その中間部材から移されて特定の場所に熱処理物を搬送する搬送装置(例えばパンコンベア等)とを有する一連の設備を、「ロータリーキルン設備」(図1参照)と称する。
なお、本実施の形態に係るロータリーキルンは、上述したような酸化亜鉛鉱の製造プロセスでの使用に限定されるものではなく、例えば、ニッケル酸化鉱等を原料としてフェロニッケルを製造するプロセスにおいて使用する、鉱石を乾燥するためのロータリーキルン(ロータリードライヤー)や、乾燥させた鉱石を焼成して焼成物を得るロータリーキルンとしても好適に使用することができる。
図2は、長軸方向に平行な断面におけるロータリーキルンの断面模式図である。この図2に示すように、ロータリーキルン10は、回転胴部11と、その回転胴部11の内部を加熱するバーナー部12とを備える。
このロータリーキルン10は、長手方向に傾斜して設置されており、回転胴部11の装入端11Aから被処理物Xが装入され、回転胴部11を回転させながら被処理物Xを排出端11Bへ移送させて熱処理を施す。ロータリーキルン10において被処理物Xに対して熱処理を施すことで得られた熱処理物X’は、排出端11Bから排出され、後述するグリズリー等の中間部材に移された後、パンコンベア等の搬送装置により所定の場所へ移送される。
[回転胴部]
回転胴部11は、キルン本体であって、耐火性を備える長軸の円筒形状を呈しており、例えば鉄鋼ダストのペレットや酸化亜鉛ケーキ等の被処理物(原料)Xを加熱処理する処理空間となる。なお、被処理物Xとしては、特に限定されない。
回転胴部11の大きさとしては、特に限定されるものではなく、被処理物Xの処理量等に応じて適宜設定することができる。具体的には、例えば、内径が3.0m〜3.5m程度、全長が30m〜40mm程度の大きさとすることができる。また、回転胴部11は、後述するバーナー部12により所定の高温条件に加熱されることから、例えば炭素鋼等からなる金属シェルの内面にキャスタブル等の不定形耐火物や耐火煉瓦等の耐火物が貼設されているものであることが好ましい。
回転胴部11には、原料装入装置20が装入端11Aに設けられており、ロータリーキルン10による熱処理に先立つ前工程から搬出される被処理物Xが装入される。なお、原料装入装置としては、回転胴部11内に安定的に被処理物Xを装入することができる形状及び構造を有するものであれば特に限定されず、例えばベルトコンベアやスクリューコンベア等の公知の機器を適宜用いることができる。
回転胴部11は、所定の速度で回転し、また上述したように長軸方向に傾斜して設置されており、内部で被処理物Xに対して熱処理を施しながら、その回転によって被処理物Xを装入端11Aから排出端11Bへ移送する。回転胴部11の排出端11Bからは、被処理物Xを熱処理することで得られた熱処理物X’が排出される。具体的には、排出端11Bから順次、熱処理物X’が落下して排出され、後述するようなグリズリー等の中間部材30によって受け止められ、所定の処理が施される。
[バーナー部]
バーナー部12は、回転胴部11の排出端11B側近傍に設けられる重油バーナー等の加熱装置であり、ロータリーキルン10(回転胴部11)内における被処理物Xに対する熱処理の熱源となる。このバーナー部12としては、処理空間となる回転胴部11の内部を、例えば1100℃〜1300℃程度等の所定の温度に加熱できるものであればよい。
[ダム]
本実施の形態に係るロータリーキルン10においては、回転胴部11の排出端11Bに、その回転胴部11の内面に周方向に沿ってダム13が立設されている。このようにダム13を設けることによって、そのダム13が回転胴部11内で熱処理されて移動してきた熱処理物X’の移動の障害となるため、被処理物Xの回転胴部11内での滞留時間を長くすることができ、熱処理反応をより促進させることができる。
そして、このロータリーキルン10においては、回転胴部11におけるダム13が立設された箇所を回転胴部11の長軸方向に垂直な断面で視たときに、その回転胴部11の内断面が正多角形となるような形状にダム13が設けられていることを特徴としている。
≪2.ダムの形状(キルン内断面の形状)について≫
図3は、回転胴部11の内面にダム13が立設させた箇所における回転胴部11の内断面(長軸方向に垂直な断面)を示す図であり、そのダム13の形状を説明するための図である。図3に示すように、本実施の形態に係るロータリーキルン10においては、ダム13が、回転胴部11の内断面が正多角形となるような形状に、回転胴部11の内面に周方向に沿って形成されている。なお、この図3では、回転胴部11の内断面が正六角形の形状となるようにダム13を設けた例を示す。
ここで、一般的に、ロータリーキルンにおいては、回転胴部内で被処理物Xに対して熱処理を施し、回転胴部を回転させることによって熱処理物X’を排出端から排出すると、その熱処理物X’を、例えばその大きさに応じて篩分けるグリズリーなどの篩や、その熱処理物X’を一旦収容する緩衝材付きの収容槽等の中間部材に排出落下させて移動させる。なお、その後、熱処理物X’は、その中間部材から、所定の場所に搬送させるための搬送装置に移されて搬送される。
上述したようにロータリーキルン内で熱処理されて得られる熱処理物X’としては、例えば700℃〜1100℃の高温に加熱された焼鉱(焼成物)等であり、排出端から排出落下してきた焼鉱等の熱処理物X’を受け止めて例えば篩分けや収容等の処理を施す中間部材に対しては、所定の衝撃を生じさせ、また経時的には熱による摩耗等を生じさせる。
このとき、例えば、ロータリーキルンの回転胴部におけるダムが立設された箇所を、回転胴部の長軸方向に垂直な断面(内断面)で視たときに、その内断面が円形となるような形状のダムを設けた場合、ロータリーキルンの排出端から排出される熱処理物X’は、ロータリーキルンに続けて設けられているグリズリー等の中間部材の同じ位置に落下してしまうことになる。
より詳しく図4を用いて説明する。図4は、回転胴部の内断面が円形となるようにダムを設けた場合の例を示すものであり、中間部材としては熱処理物X’を大きさに応じて篩分けするグリズリーを用いた例を示す。なお、図4では、便宜的に、ロータリーキルンの符号を“50”とし、回転胴部を“51”、ダムを“52”としている。また、中間部材としてのグリズリーの符号を“30”としている。
すなわち、ロータリーキルン50の回転胴部51の内部で熱処理されて移送されてきた熱処理物X’は、その排出端51Bに立設されたダム52まで到達すると、その立設されたダム52が障壁となってダム52の手前の箇所に堆積して貯められる(図4(A))。そして、ダム52に貯められた熱処理物X’の量が一定量以上、すなわち熱処理物X’の堆積高さがダム52の高さを上回る量になると、図4(B)に示すように、熱処理物X’がロータリーキルン50の回転に伴ってその回転する方向に掻き上げられ、最も高い位置(図4(B)中の「Z」で示す位置)まで掻き上げられた後、転がり落ちる途中で、あるいは、ずり落ちる途中で、ダム52の高さよりも高い位置まで堆積した熱処理物X’がそのダム52を超えて排出端51Bから排出され、グリズリー30に落下することになる。
熱処理物X’がダム52に堆積していく速度、すなわちロータリーキルン50での被処理物Xの量(処理量)が一定で、ロータリーキルン50の回転数が一定であるような定常操業においては、図4(B)の内断面図に示すように、回転胴部51の内断面が円形となるような形状にダム52を設けた場合、熱処理物X’がダム52に堆積する高さは常に一定となるため、熱処理物X’がダム52を超える位置は略同じ位置となる。具体的には、図4(B)における丸囲み点線部Pの位置から常に熱処理物X’はダム52を超え、排出端51Bから排出されることになる。
すると、ダム52の同じ位置を超えて排出された熱処理物X’は、ロータリーキルン50の排出端51Bの下方に続けて設けられたグリズリー30の同じ位置(図4(B)中の丸囲み点線部P’)に落下してしまう。そのため、グリズリー30においては、常に同じ位置(P’)に熱処理物X’が落下することにより、その位置(P’)だけが著しく急速に摩耗(局部摩耗)していくことになる。その結果、グリズリー30の寿命は極めて短くなり、グリズリー30の交換作業の頻度が多くなる。そして、このようなグリズリー30の交換作業は、ロータリーキルン50の操業の停止を余儀なくするため、結果としてロータリーキルンの操業効率を著しく損なわせる。
これに対して、本実施の形態に係るロータリーキルン10では、図3の断面図(内断面図)に示したように、回転胴部11の内周面に沿って立設されたダム13が、回転胴部11の内断面が正多角形となるような形状に設けられている。このような形状のダム13を設けるようにすることで、ロータリーキルン10内で熱処理されて得られた熱処理物X’がそのダム13を乗り越える位置に幅を持たせることができるようになる。
より具体的に図5を用いて説明する。すなわち、図4(A)に示したのと同様に、ロータリーキルン10の回転胴部11の内部で熱処理されて移送されてきた熱処理物X’は、その排出端11Bに立設されたダム13まで到達すると、その立設されたダム13が障壁となってダム13の手前の箇所に堆積して貯められる。そして、ロータリーキルン10において、回転胴部11の内断面が正多角形(図5では正六角形)となるような形状にダム13を設けると、図5(A)に示すように、ダム13の手前で堆積した熱処理物X’の高さ(堆積物の高さ)が、そのダム13の高さが最も低い位置、つまり正多角形の頂点(角)の位置を上回ったところ(図5(A)の丸囲み部a)から、熱処理物X’はそのダム13を乗り越え始めて落下していく。
次に、ロータリーキルン10の回転胴部11が回転していくと、その回転に伴って、堆積した熱処理物X’の高さがダム13の高さを上回る範囲は徐々に大きくなっていく。つまり、ダム13の高さを上回る範囲が大きくなるに従って、熱処理物X’がダム13を乗り越えて落下する範囲が広がっていく。そして、図5(B)に示すように、熱処理物X’の高さがダム13の高さを上回る範囲が最大値に達したとき(図5(B)の丸囲み部b)、熱処理物X’がダム13を乗り越えて落下する範囲が最大となり、その幅広い範囲から熱処理物X’が落下していくことになる。すなわち、排出端11Bから落下する熱処理物X’の落下幅が拡がることになる。
そしてその後、回転胴部11の回転に従って、再び、熱処理物X’の高さがダム13の高さを上回る範囲は徐々に小さくなっていくが(図5(C)の丸囲み部c)、熱処理物X’の高さがダム13の高さと一致するまでの間、熱処理物X’はダム13を乗り越え続け落下していく。最後に、ダム13の高さが堆積した熱処理物X’の高さを上回ったところで、熱処理物X’はダム13を乗り越えることができなくなる。
このように、ロータリーキルン10内を移送されてダム13で堆積した熱処理物X’は、その堆積高さがダム13の高さを上回っている部分において、そのダム13を乗り越えることができるため、回転胴部11の内断面が正多角形となるような形状にダム13を設けることで、熱処理物X’がダム13を乗り越える位置に幅を持たせることができる。
そして、広い範囲からダム13を乗り越えて落下してきた熱処理物X’は、そのロータリーキルン10に続けて設けられているグリズリー30に対しても所定の幅をもった位置にそれぞれ落下するようになっていく。このように、グリズリー30に対して所定の幅をもった範囲に熱処理物X’を落下させることができることにより、そのグリズリー30の特定の1箇所にだけ集中的に熱処理物X’が落下したときのように著しく急速に摩耗することを防ぐことができ、グリズリーの寿命を効果的に延長させることができる。
ここで、回転胴部11の内断面が正多角形となるような形状にダム13を設ける場合において、その正多角形としては、特に限定されないが、正五角形、正六角形、正七角形、正八角形のいずれかであることが好ましい。
正多角形として正八角形よりも頂点が多い多角形状となると、熱処理物X’が落下してグリズリー等の中間部材30に当たる際に、その熱処理物X’が当たる範囲が狭くなり、中間部材の摩耗等を効果的に抑制することができない可能性がある。
一方で、正多角形として正五角形よりも頂点が少ない多角形状となると、そのダム13を回転胴部11の内周面に施工した際に、ダム13の先端部の高さ(ダム高さ)の最も高い位置と最も低い位置との差が非常に大きくなり、そのダム13の先端部の最も高い位置と最も低い位置での熱負荷に大きな差が生じてしまい、熱膨張の程度に大きな差が生じる可能性がある。そして、そのことにより、ダム13の先端部の最も高い位置の耐火物等が欠けてしまい、ダム13の寿命が短くなることがある。
≪3.先行技術について≫
さて、ロータリーキルンの構造として、ロータリーキルン内張り耐火物の内断面を多角形にして内部に多角柱空間を形成するとともに、その多角柱空間を複数段に分割して、隣り合う多角柱空間の形成位相をずらすことにより、原料の滞留時間を長くして、比較的小型のロータリーキルンであっても、投入される原料を効率的に加熱、焼却できるロータリーキルンが提案されている(特許文献1(実開平6−74824号公報))。しかしながら、この特許文献1に開示されている技術において、多角形状に形成されている部材は、ロータリーの装入端から排出端にかけて連続的に設けられた内張り耐火物であって、上述した本実施の形態に係るロータリーキルン10のように回転胴部11の内断面が正多角形となるような形状にダム13が設けられているものではない。
このような特許文献1に記載のロータリーキルンでは、単に、内張り耐火物の形状が多角形となっているだけであって、例えば仮に当該文献に記載のロータリーキルンの排出端に続けてグリズリー等を設けた場合、その排出端から熱処理物が排出される際にはグリズリーの特定の1箇所にのみ熱処理物が落下されるようになってしまう。
X 被処理物(被熱処理物)
X’ 熱処理物
10 ロータリーキルン
11 回転胴部
11A 装入端
11B 排出端
12 バーナー部
13 ダム
20 原料装入装置
30 グリズリー(中間部材)

Claims (6)

  1. 回転胴部と、該回転胴部の内部を加熱するバーナー部とを備え、該回転胴部を回転させながら被処理物を装入端から排出端に移送させて熱処理するロータリーキルンであって、
    前記回転胴部の排出端には該回転胴部の内面に周方向に沿ってダムが立設されており、
    前記回転胴部の前記ダムが立設された箇所を該回転胴部の長軸方向に垂直な断面で視たとき、該回転胴部の内断面が正多角形となるような形状に該ダムが設けられている
    ことを特徴とするロータリーキルン。
  2. 前記回転胴部の内断面が、正五角形、正六角形、正七角形、正八角形のいずれかとなるように前記ダムが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のロータリーキルン。
  3. 回転胴部と、該回転胴部の内部を加熱するバーナー部とを備え、該回転胴部を回転させながら被処理物を装入端から排出端に移送させて熱処理するロータリーキルンと、
    前記ロータリーキルンの排出端から排出された熱処理物を受け止める中間部材と、
    前記中間部材を経て移送された前記熱処理物を搬送する搬送装置と
    を有するロータリーキルン設備であって、
    前記ロータリーキルンは、
    前記回転胴部の排出端に、該回転胴部の内面に周方向に沿ってダムが立設されており、
    前記回転胴部の前記ダムが立設された箇所を該回転胴部の長軸方向に垂直な断面で視たとき、該回転胴部の内断面が正多角形となるように該ダムが設けられている
    ことを特徴とするロータリーキルン設備。
  4. 前記回転胴部の内断面が、正五角形、正六角形、正七角形、正八角形のいずれかとなるように前記ダムが設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載のロータリーキルン設備。
  5. 前記熱処理物は、700℃〜1100℃の高温の焼鉱である
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のロータリーキルン設備。
  6. 前記中間部材は、篩分け装置である
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のロータリーキルン設備。
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