JP2016080236A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッダタンク側のリブの凸状部にチューブ挿入孔を設けて扁平熱交換チューブを挿入接続し、ヘッダタンクと扁平熱交換チューブの蝋付け部にかかる応力を低減するとともに、その蝋付け品質を向上した熱交換器を提供することを目的とする。
【解決手段】ヘッダタンクの対向面に、外側または内側に凸状のリブ16を所定間隔で平行に複数設け、該リブ16の凸状部18に設けたチューブ挿入孔19に扁平熱交換チューブ4を挿入接続し、そのチューブ4の扁平面とリブ面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°とするとともに、該リブ16の凸状部18のリブ幅をL1、その基端部幅をL2、チューブ挿入孔19を設けたタンク材の板厚t1又は扁平熱交換チューブ4の厚さt2の小さい方の厚さをTmin、ヘッダタンクの全長をW、扁平熱交換チューブ4の本数をNとしたとき、L1≧0.8×Tmin、L2≦0.6×W/Nを満たす構成とした。
【選択図】図3
【解決手段】ヘッダタンクの対向面に、外側または内側に凸状のリブ16を所定間隔で平行に複数設け、該リブ16の凸状部18に設けたチューブ挿入孔19に扁平熱交換チューブ4を挿入接続し、そのチューブ4の扁平面とリブ面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°とするとともに、該リブ16の凸状部18のリブ幅をL1、その基端部幅をL2、チューブ挿入孔19を設けたタンク材の板厚t1又は扁平熱交換チューブ4の厚さt2の小さい方の厚さをTmin、ヘッダタンクの全長をW、扁平熱交換チューブ4の本数をNとしたとき、L1≧0.8×Tmin、L2≦0.6×W/Nを満たす構成とした。
【選択図】図3
Description
本発明は、一対のヘッダタンク間に複数本の扁平熱交換チューブが並設されている熱交換器に関するものである。
車両用空調装置のエバポレータやコンデンサ、あるいは水冷エンジンの冷却水の熱を放熱するラジエータ等に用いられる熱交換器として、所定間隔で配設された一対のヘッダタンク間に、複数本の扁平熱交換チューブを並設し、その扁平熱交換チューブ間に波形の伝熱フィンを配設した構成の熱交換器が使用されている。
この熱交換器は、蝋材をクラッドしたクラッド材を成形したヘッダプレートとタンクプレートとを接合してヘッダタンクを構成し、そのヘッダプレート側に設けられているチューブ挿入孔に複数本の扁平熱交換チューブの両端部を挿入するとともに、複数本の扁平熱交換チューブ間に蝋材をクラッドした薄板材を成形した波形の伝熱フィンを配設し、それらを炉中で蝋付けすることにより、ヘッダプレートとタンクプレート間、各ヘッダタンクと扁平熱交換チューブ間および扁平熱交換チューブと伝熱フィン間を蝋付け接合した構成としている。
かかる熱交換器において、ヘッダタンクの耐圧強度を確保するため、ヘッダタンクを構成するヘッダプレートおよびタンクプレートにリブを加工する。ヘッダプレート側に設けられるチューブ挿入孔周りにバーリング加工をする。ヘッダプレート側のチューブ挿入孔間に外側または内側に凸状のリブを加工する。ヘッダプレート側に内側に凸状のリブを加工し、その先端部にチューブ挿入孔を設ける。等によりヘッダタンクの耐圧強度を高めるようにしたものが特許文献1−4等に開示されている。
上記のように、チューブ挿入孔周りにバーリング加工を施したものでは、ヘッダタンクと扁平熱交換チューブとの接触面積を増加し、静的接合強度を向上することができるとともに、ヘッダタンクの剛性を高めることができる反面、バーリングによる接触面積の増加によって必要な蝋材量が増加し、蝋材が不足した場合、蝋付け箇所において引けが発生し易くなり、蝋付け品質が低下する虞があった。この問題を解消するため、蝋材のクラッド率を上げることが考えられるが、接合部材間の隙間が大きくなることから、クラッド率を上げるだけでは、かかる問題は解消し得ず、対応が難しくなる等の課題があった。
また、チューブ挿入孔間にリブを加工した場合でも、扁平熱交換チューブの扁平面とリブ面とが交差角が鋭角とされていると、良好な蝋付けフィレットを形成するには、多量の蝋材が必要となり、上記と同様の問題が発生する虞がある。更に、リブの凸状部にチューブ挿入孔を設け、扁平熱交換チューブを挿入接続して蝋付けするものでは、リブ側の面と扁平熱交換チューブの扁平面とがなす接合角度によっては、良好な蝋付け品質を確保することが困難となったり、圧力負荷時に扁平熱交換チューブとヘッダタンクとの蝋付け部に過大な応力が負荷されたりすることがある等の課題を有していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ヘッダタンク側に設けたリブの凸状部にチューブ挿入孔を設け、その挿入孔に扁平熱交換チューブを挿入接続した熱交換器にあって、ヘッダタンクと扁平熱交換チューブの蝋付け部にかかる応力を低減するとともに、その蝋付け品質を向上した熱交換器を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の熱交換器は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる熱交換器は、所定間隔で平行に配設される一対のヘッダタンクと、前記一対のヘッダタンクに両端部が挿入接続されて平行に配設される複数本の扁平熱交換チューブと、前記複数本の扁平熱交換チューブ間に配設される伝熱フィンと、を備え、前記一対のヘッダタンクの互いに対向する面に、それぞれ所定の間隔で平行に外側または内側に凸状のリブを複数設け、前記リブの凸状部に設けたスリット状のチューブ挿入孔に前記扁平熱交換チューブを挿入接続し、そのリブ面と前記扁平熱交換チューブの扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°とするとともに、前記リブの凸状部のリブ幅をL1、その基端部幅をL2、前記チューブ挿入孔を設けたヘッダタンク材の板厚t1又は前記扁平熱交換チューブの厚さt2のいずれか小さい方の厚さをTmin、前記ヘッダタンクの全長をW、前記扁平熱交換チューブの本数をNとしたとき、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)、L2≦0.6×W/Nを満たす構成とされていることを特徴とする。
すなわち、本発明にかかる熱交換器は、所定間隔で平行に配設される一対のヘッダタンクと、前記一対のヘッダタンクに両端部が挿入接続されて平行に配設される複数本の扁平熱交換チューブと、前記複数本の扁平熱交換チューブ間に配設される伝熱フィンと、を備え、前記一対のヘッダタンクの互いに対向する面に、それぞれ所定の間隔で平行に外側または内側に凸状のリブを複数設け、前記リブの凸状部に設けたスリット状のチューブ挿入孔に前記扁平熱交換チューブを挿入接続し、そのリブ面と前記扁平熱交換チューブの扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°とするとともに、前記リブの凸状部のリブ幅をL1、その基端部幅をL2、前記チューブ挿入孔を設けたヘッダタンク材の板厚t1又は前記扁平熱交換チューブの厚さt2のいずれか小さい方の厚さをTmin、前記ヘッダタンクの全長をW、前記扁平熱交換チューブの本数をNとしたとき、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)、L2≦0.6×W/Nを満たす構成とされていることを特徴とする。
本発明によれば、ヘッダタンクの耐圧強度を確保すべく、一対のヘッダタンクの対向する面に、それぞれ外側または内側に凸状のリブを所定間隔で平行に複数設けたヘッダタンクにあって、リブの凸状部に設けたスリット状のチューブ挿入孔に扁平熱交換チューブを挿入接続し、そのリブ面と扁平熱交換チューブの扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°とするとともに、該リブの凸状部のリブ幅をL1、その基端部幅をL2、チューブ挿入孔を設けたヘッダタンク材の板厚t1又は扁平熱交換チューブの厚さt2のいずれか小さい方の厚さをTmin、ヘッダタンクの全長をW、扁平熱交換チューブの本数をNとしたとき、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)、L2≦0.6×W/Nを満たす構成としているため、チューブ挿入孔周りのバーリングをなくしたバーリングレス構造としても、リブを所定間隔で平行に複数設けたことにより、ヘッダタンクの耐圧強度を十分確保することができ、しかも、そのリブの凸状部に設けたチューブ挿入孔に挿入接続した扁平熱交換チューブの扁平面とリブ面がなす接合角度θを、90°≦θ≦120°としたことにより、両者の接合面積を小さくし、必要な蝋材量を低減して蝋付け品質を安定化することができる。また、各リブの凸状部のリブ幅L1およびその基端部幅L2が、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)、L2≦0.6×W/Nを満たす構成とされていることから、圧力負荷時に扁平熱交換チューブとヘッダタンクとの蝋付け部にかかる応力およびヘッダタンクにかかる応力を十分に低減することができる。従って、扁平熱交換チューブとヘッダタンクとの蝋付け部の応力を低減してヘッダタンクおよび扁平熱交換チューブの耐圧強度を確保しつつ、蝋付け品質を良好にして熱交換器の品質を向上することができるとともに、蝋材量を低減してコストダウンを図ることができる。
さらに、本発明の熱交換器は、上記の熱交換器において、前記リブが外側に凸状に設けられている場合、前記リブのリブ面と前記扁平熱交換チューブの扁平面とがなす前記接合角度θが、90°≦θ≦120°とされていることを特徴とする。
本発明によれば、リブを外側に凸状に設けた場合、そのリブのリブ面と扁平熱交換チューブの扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°としているため、蝋付けを安定化することができると同時に、ヘッダタンクと扁平熱交換チューブの蝋付け部にかかる応力が過大化するのを回避しながら、リブの外側面をガイド面として外側に凸状のリブの凸状部に設けられているチューブ挿入孔に扁平熱交換チューブを挿入することができる。つまり、リブを外側に凸状とした場合、その凸状部に設けたチューブ挿入孔に対する扁平熱交換チューブの挿入性が低下するが、接合角度θを、90°≦θ≦120°とすることにより、扁平熱交換チューブの挿入性を向上することができる。従って、製造時の扁平熱交換チューブの挿入性を確保しつつ、扁平熱交換チューブとヘッダタンクの蝋付け部の応力を低減することができる。
さらに、本発明の熱交換器は、上記の熱交換器において、前記リブが内側に凸状に設けられている場合、前記リブのリブ面と前記扁平熱交換チューブの扁平面とがなす前記接合角度θが、90°≦θ≦105°とされていることを特徴とする。
本発明によれば、リブを内側に凸状に設けた場合、そのリブのリブ面と扁平熱交換チューブの扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦105°としているため、蝋付けを安定化することができると同時に、ヘッダタンクと扁平熱交換チューブの蝋付け部にかかる応力を十分低い値にキープしながら、リブの凸状部に対するチューブ挿入孔の打ち抜き加工精度を緩和することができる。これによって、ヘッダタンクの製造を容易化することができるとともに、扁平熱交換チューブとヘッダタンクの蝋付け部の応力を低減することができる。
本発明によると、チューブ挿入孔周りのバーリングをなくしたバーリングレス構造としても、リブを所定間隔で平行に複数設けたことにより、ヘッダタンクの耐圧強度を十分確保することができ、しかも、そのリブの凸状部に設けたチューブ挿入孔に挿入接続した扁平熱交換チューブの扁平面とリブ面がなす接合角度θを、90°≦θ≦120°としたことにより、両者の接合面積を小さくし、必要な蝋材量を低減して蝋付けを安定化することができる。また、各リブの凸状部のリブ幅L1およびその基端部幅L2が、L1≧0.8×Tmin(板厚,チューブ厚さ)、L2≦0.6×W/Nを満たす構成とされていることから、圧力負荷時に扁平熱交換チューブとヘッダタンクとの蝋付け部にかかる応力およびヘッダタンクにかかる応力を十分に低減することができるため、扁平熱交換チューブとヘッダタンクとの蝋付け部の応力を低減してヘッダタンクおよび扁平熱交換チューブの耐圧強度を確保しつつ、蝋付け品質を良好にして熱交換器の品質を向上することができるとともに、蝋材量を低減してコストダウンを図ることができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る熱交換器の外観斜視図が示され、図2には、そのヘッダタンク部の縦断面図、図3には、図2のA−A断面相当図、図4には、その変形例に係る図2のA−A断面相当図が示されている。
熱交換器1は、所定間隔で平行に配設される上下一対のヘッダタンク2,3と、その一対のヘッダタンク2,3に両端部が挿入接続されて平行に配設される複数本の扁平熱交換チューブ4と、複数本の扁平熱交換チューブ4間に配設される波形の伝熱フィン5と、を備えている。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る熱交換器の外観斜視図が示され、図2には、そのヘッダタンク部の縦断面図、図3には、図2のA−A断面相当図、図4には、その変形例に係る図2のA−A断面相当図が示されている。
熱交換器1は、所定間隔で平行に配設される上下一対のヘッダタンク2,3と、その一対のヘッダタンク2,3に両端部が挿入接続されて平行に配設される複数本の扁平熱交換チューブ4と、複数本の扁平熱交換チューブ4間に配設される波形の伝熱フィン5と、を備えている。
上下一対のヘッダタンク2,3の一方のヘッダタンク2には、冷媒出口ヘッダ6を介して冷媒出口配管7が接続され、他方のヘッダタンク3には、冷媒入口ヘッダ8を介して冷媒入口配管9が接続された構成とされている。本実施形態での熱交換器1は、複数本の扁平熱交換チューブ4内に流通される冷媒と、その外側を流通される空気流aとを熱交換させることにより、冷媒の蒸発潜熱を利用して空気流aを冷却する蒸発器に適用した例が示されている。
ヘッダタンク2,3は、図2に示されるように、外面に蝋材をクラッドしたアルミ合金製のクラッド材をプレス成形等により成形したヘッダプレート10とタンクプレート11とを嵌合し、その内部を仕切板12により長さ方向に沿って前後2室13,14に仕切るとともに、両端部を蓋部材15により閉鎖したものとされている。このヘッダプレート10およびタンクプレート11には、ヘッダタンク2,3の耐圧強度を確保するため、長さ方向と直交する方向に所定の間隔で平行に外側に凸状のリブ(突出部)16,17(一部のみが図示さけている)が複数設けられている。
また、ヘッダプレート10に設けられるリブ16は、複数本設けられる扁平熱交換チューブ4の配列に対応して設けられ、その凸状部18には、図3に示されるように、扁平熱交換チューブ4を挿入接続するためのスリット状チューブ挿入孔19が打ち抜き加工されている。本実施形態において、チューブ挿入孔19は、前後2室13,14に対応して前後2列に配列され、図2に示されるように、扁平熱交換チューブ4が前後2列に配列されている。
扁平熱交換チューブ4は、内部に長さ方向に沿う複数の冷媒流路が形成されている所定の幅、厚さを有する熱交換チューブであり、押し出し成形や引き抜き成形、あるいは薄板材を断面が長円形状の筒体に成形し、その中に波形のインナーフィンを挿入することによって製造されるアルミ合金製の扁平なチューブによって構成されている。この扁平熱交換チューブ4は、両端部がヘッダタンク2,3のヘッダプレート10に設けられているチューブ挿入孔19に挿入(図2,3参照)され、空気流a方向に前後2列に配列されて蝋付け接続されるようになっている。
伝熱フィン5は、複数本の扁平熱交換チューブ4間に配設されるものであり、アルミ合金製の薄板を波形にコルゲート成形したものである。この伝熱フィン5は、外表面に蝋材がクラッドされたクラッド材により構成されており、扁平熱交換チューブ4の扁平面に対して波形の頂部が蝋付け接合されるようになっている。なお、熱交換器1のコア部左右両側には、エンドプレート20が伝熱フィン5の外側に配設され、扁平熱交換チューブ4と同様、その両端部がヘッダタンク2,3間に一体に蝋付け接続されるようになっている。
上記熱交換器1は、その構成部材が全てアルミ合金材製とされ、所要の部材が蝋材をクラッドしたクラッド材とされており、図1の状態に仮組み立てした後、炉中で蝋付けされる構成とされている。かかる熱交換器1において、冷媒入口配管9から冷媒入口ヘッダ8を経てヘッダタンク3に流入した気液二相冷媒は、予め設定されたブロック毎に区分されている扁平熱交換チューブ4内を順次流通し、その間に空気流aと熱交換して蒸発ガス化され、ヘッダタンク2から冷媒出口ヘッダ6を経て冷媒出口配管7より流出されるようになっている。
なお、熱交換器1内部での冷媒流通は、ヘッダタンク2,3の前後2室13,14内の長さ方向に沿う適宜の位置に仕切板を設け、冷媒流通ブロックを適宜のブロックに区分することにより、様々なパターンに設定することができる。このようなパターンは、種々公知であり、本発明の要旨とするところではないので、ここでの説明は省略する。
さらに、上記の如く構成された熱交換器1では、ヘッダタンク2,3の耐圧強度を十分に確保すること、ヘッダタンク2,3と扁平熱交換チューブ4間の蝋付けを、少ない蝋材で安定した品質を確保して行えるようにすること、その蝋付け部に負荷される応力を低減して扁平熱交換チューブ4の剛性を確保しつつ、蝋材が破断する等のリスクを軽減できるようにすること等が求められる。
そこで、本実施形態においては、ヘッダタンク2,3を構成するヘッダプレート10およびタンクプレート11に、長さ方向と直交する方向に所定の間隔で平行に外側に凸状としたリブ(突出部)16,17を複数設けることによって、剛性および耐圧強度を確保している。そして、ヘッダプレート10に設けたリブ16の凸状部18にバーリングレスのスリット状チューブ挿入孔19を打ち抜き加工により穿設し、そのチューブ挿入孔19に扁平熱交換チューブ4の両端部を挿入して蝋付け接続する構成としている。
さらに、この蝋付けに際して、リブ16と扁平熱交換チューブ4との接合面積を極力小さくし、必要な蝋材量を少なくして安定した蝋付け品質を確保可能とするため、そのリブ面と扁平熱交換チューブ4の扁平面とがなす接合角度θを、少なくとも90°以上、望ましくは90°に設定して蝋付けできるようにしている。このように、リブ16を外側の凸状とし、接合角度θを90°に設定することにより、リブ16部の圧力負荷による応力を小さくすることができるが、この場合、チューブ挿入孔19に対する扁平熱交換チューブ4の挿入性が低下する可能性があるので、図4に示されるように、蝋付け部かかる応力が過大化しない範囲で接合角度θを、90°≦θ≦120°の範囲に設定し、扁平熱交換チューブ4の挿入性を確保できるようにしている。
また、リブ16の構成については、リブ16に負荷される応力を極力低減し、その応力が蝋付け部に影響を及ぼさないようにするため、以下のように設定している。
図3に示されるように、リブ16の凸状部18のリブ幅(変曲点間の幅)をL1、その基端部幅(凸状部の基端部側の変曲点間の幅)をL2、チューブ挿入孔19を設けたヘッダタンク材(タンクプレート11)の板厚t1又は扁平熱交換チューブ4の厚さt2のいずれか小さい方の厚さをTmin、ヘッダタンク2,3の全長をW、扁平熱交換チューブ4の本数をNとしたとき、
L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)
L2≦0.6×W/N
を満たす構成としている。
図3に示されるように、リブ16の凸状部18のリブ幅(変曲点間の幅)をL1、その基端部幅(凸状部の基端部側の変曲点間の幅)をL2、チューブ挿入孔19を設けたヘッダタンク材(タンクプレート11)の板厚t1又は扁平熱交換チューブ4の厚さt2のいずれか小さい方の厚さをTmin、ヘッダタンク2,3の全長をW、扁平熱交換チューブ4の本数をNとしたとき、
L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)
L2≦0.6×W/N
を満たす構成としている。
リブ16の凸状部18のリブ幅L1を、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)とするのは、リブ16部に対する応力集中を緩和し、ヘッダタンク2,3と扁平熱交換チューブ4の蝋付け箇所にかかる圧力負荷による応力値が大きくなるのを避けるためであり、また、リブ16の凸状部18の基端部幅L2を、L2≦0.6×W/Nとするのは、リブ幅が大きくなり過ぎることによって、ヘッダタンク2,3の径が実質的に大きくなることによる耐圧強度の低下を防ぐためである。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記熱交換器1において、冷媒入口配管9より冷媒入口ヘッダ8を経てヘッダタンク3の後室14内に流入された気液二相冷媒は、適宜のブロックに区分されている複数のブロック毎の扁平熱交換チューブ4内を順次流通し、その間に空気流aと熱交換し、蒸発ガス化されることにより空気流aを冷却する。一方、蒸発ガス化された冷媒は、ヘッダタンク2の前室13から冷媒出口ヘッダ6を経て冷媒出口配管7により次工程の圧縮行程へと吸い込まれ、冷凍サイクル内を循環する。
上記熱交換器1において、冷媒入口配管9より冷媒入口ヘッダ8を経てヘッダタンク3の後室14内に流入された気液二相冷媒は、適宜のブロックに区分されている複数のブロック毎の扁平熱交換チューブ4内を順次流通し、その間に空気流aと熱交換し、蒸発ガス化されることにより空気流aを冷却する。一方、蒸発ガス化された冷媒は、ヘッダタンク2の前室13から冷媒出口ヘッダ6を経て冷媒出口配管7により次工程の圧縮行程へと吸い込まれ、冷凍サイクル内を循環する。
この熱交換作用の際、ヘッダタンク2,3には、冷媒による内圧が作用するため、それに対する耐圧強度を確保する必要があるとともに、扁平熱交換チューブ4との蝋付け品質を確保することにより、蝋付け箇所にかかる圧力負荷による応力に対して、扁平熱交換チューブ4の剛性確保や蝋材の破断による冷媒漏れ等を防止する必要がある。
本実施形態においては、ヘッダタンク2,3の耐圧強度を確保すべく、一対のヘッダタンク2,3の対向する面に、それぞれ外側に凸状のリブ16,17を所定間隔で平行に複数設け、リブ16の凸状部18に設けたスリット状のチューブ挿入孔19に扁平熱交換チューブ4を挿入接続し、そのリブ面と扁平熱交換チューブ4の扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°とするとともに、リブ16の凸状部18のリブ幅をL1、その基端部幅をL2、チューブ挿入孔19を設けたヘッダタンク材の板厚t1又は扁平熱交換チューブ4の厚さt2のいずれか小さい方の厚さをTmin、ヘッダタンク2,3の全長をW、扁平熱交換チューブ4の本数をNとしたとき、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)、L2≦0.6×W/Nを満たす構成としている。
このため、チューブ挿入孔19の周りに設けるバーリングをなくしたバーリングレス構造としても、リブ16を所定間隔で平行に複数設けたことにより、ヘッダタンク2,3の耐圧強度を十分確保することができ、しかも、そのリブ16の凸状部18に設けたチューブ挿入孔19に挿入接続した扁平熱交換チューブ4の扁平面とリブ16のリブ面がなす接合角度θを、90°≦θ≦120°としたことにより、両者の接合面積を小さくし、必要な蝋材量を低減して蝋付け品質を安定化することができる。
また、各リブ16の凸状部18のリブ幅L1およびその基端部幅L2が、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)、L2≦0.6×W/Nを満たす構成とされていることから、圧力負荷時に扁平熱交換チューブ4とヘッダタンク2,3との蝋付け部にかかる応力およびヘッダタンク2,3にかかる応力を十分に低減することができる。
つまり、リブ16の凸状部18のリブ幅L1を、L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)とすることにより、リブ16部に対する応力集中を緩和し、ヘッダタンク2,3と扁平熱交換チューブ4の蝋付け箇所にかかる圧力負荷による応力値が大きくなるのを回避することができ、更に、リブ16の凸状部18の基端部幅L2を、L2≦0.6×W/Nとすることにより、リブ幅が大きくなり過ぎて、ヘッダタンク2,3の径が実質的に大きくなることによる耐圧強度の低下を防ぐことができる。
これによって、扁平熱交換チューブ4とヘッダタンク2,3との蝋付け部の応力を低減してヘッダタンク2,3および扁平熱交換チューブ4の耐圧強度を確保しつつ、蝋付け品質を良好にして熱交換器1の品質を向上することができるとともに、蝋材量を低減してコストダウンを図ることができる。
また、扁平熱交換チューブ4の扁平面とリブ16のリブ面がなす接合角度θを、90°とすることが望ましいが、リブ16を外側に凸状とすると、チューブ挿入孔19に対する扁平熱交換チューブ4の挿入性の低下が懸念される。しかし、図4に示されるように、接合角度θを、90°≦θ≦120°としたことにより、蝋付けを安定化することができると同時に、ヘッダタンクと扁平熱交換チューブの蝋付け部にかかる応力が過大化するのを回避しながら、リブの外側面をガイド面として外側に凸状のリブの凸状部に設けられているチューブ挿入孔に扁平熱交換チューブを挿入することができる。従って、製造時の扁平熱交換チューブ4の挿入性を確保しつつ、扁平熱交換チューブ4とヘッダタンク2,3の蝋付け部の応力を低減することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、ヘッダタンク2,3に設けられるリブ(突出部)16Aがタンクの内側に凸状に突出されている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図5に示されるように、ヘッダタンク2,3を構成するヘッダプレート10に設けられるリブ16Aが、タンクの内側に凸状に設けられ、その凸状部18Aにチューブ挿入孔19Aが設けられた構成とされている。
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、ヘッダタンク2,3に設けられるリブ(突出部)16Aがタンクの内側に凸状に突出されている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図5に示されるように、ヘッダタンク2,3を構成するヘッダプレート10に設けられるリブ16Aが、タンクの内側に凸状に設けられ、その凸状部18Aにチューブ挿入孔19Aが設けられた構成とされている。
そして、リブ16Aのリブ面と扁平熱交換チューブ4の扁平面とがなす接合角度θを、90°以上、望ましくは90°に設定することによって、蝋付け部の接合面積を極力小さくし、必要な蝋材量を少なくして蝋付けを安定化できるようにしている。但し、本実施形態では、蝋付けを安定化すると同時に、ヘッダタンク2,3と扁平熱交換チューブ4の蝋付け部かかる応力を十分低い値にキープしながら、リブ16Aの凸状部18Aに対するチューブ挿入孔19Aの打ち抜き加工精度を緩和するため、上記接合角度θを、90°≦θ≦105°に設定している。
このように、リブ16Aを内側に凸状に設ける場合、そのリブ16Aのリブ面と扁平熱交換チューブ4の扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦105°に設定することによって、蝋付け部の接合面積を十分に小さくして蝋付けを安定化できると同時に、ヘッダタンク2,3と扁平熱交換チューブ4の蝋付け部にかかる応力を十分低い値にキープしながら、リブ16Aの凸状部18Aに対するチューブ挿入孔19Aの打ち抜き加工精度を緩和することができる。従って、ヘッダタンク2,3の製造を容易化することができるとともに、扁平熱交換チューブ4とヘッダタンク2,3の蝋付け部の応力を低減することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、熱交換器1を蒸発器に適用した例について説明したが、凝縮器やラジエータ(放熱器)等にも適用できることはもちろんである。
更に、上記実施形態では、ヘッダタンク2,3のタンクプレート11にもリブ17を設けた例について説明したが、タンクプレート11にリブ17を設けるか否かは、耐圧強度を考慮して適宜決定すればよい。また、ヘッダタンク2,3のヘッダプレート10とタンクプレート11間、ヘッダタンク2,3と扁平熱交換チューブ4間、扁平熱交換チューブ4と伝熱フィン5間の蝋付けに際し、どの部材を蝋材のクラッド材とするかは、適宜選択すればよく、上記実施形態のものに限定されるものではない。
1 熱交換器
2,3 ヘッダタンク
4 扁平熱交換チューブ
5 伝熱フィン
16,16A リブ(突出部)
18,18A 凸状部
19,19A チューブ挿入孔
θ 接合角度
L1 リブ凸状部のリブ幅
L2 リブの基端部幅
t1 ヘッダタンク材の板厚
t2 扁平熱交換チューブの厚さ
W ヘッダタンクの全長
2,3 ヘッダタンク
4 扁平熱交換チューブ
5 伝熱フィン
16,16A リブ(突出部)
18,18A 凸状部
19,19A チューブ挿入孔
θ 接合角度
L1 リブ凸状部のリブ幅
L2 リブの基端部幅
t1 ヘッダタンク材の板厚
t2 扁平熱交換チューブの厚さ
W ヘッダタンクの全長
Claims (3)
- 所定間隔で平行に配設される一対のヘッダタンクと、
前記一対のヘッダタンクに両端部が挿入接続されて平行に配設される複数本の扁平熱交換チューブと、
前記複数本の扁平熱交換チューブ間に配設される伝熱フィンと、を備え、
前記一対のヘッダタンクの互いに対向する面に、それぞれ所定の間隔で平行に外側または内側に凸状のリブを複数設け、
前記リブの凸状部に設けたスリット状のチューブ挿入孔に前記扁平熱交換チューブを挿入接続し、そのリブ面と前記扁平熱交換チューブの扁平面とがなす接合角度θを、90°≦θ≦120°とするとともに、
前記リブの凸状部のリブ幅をL1、その基端部幅をL2、前記チューブ挿入孔を設けたヘッダタンク材の板厚t1又は前記扁平熱交換チューブの厚さt2のいずれか小さい方の厚さをTmin、前記ヘッダタンクの全長をW、前記扁平熱交換チューブの本数をNとしたとき、
L1≧0.8×Tmin(板厚t1又はチューブ厚さt2)
L2≦0.6×W/N
を満たす構成とされていることを特徴とする熱交換器。 - 前記リブが外側に凸状に設けられている場合、前記リブのリブ面と前記扁平熱交換チューブの扁平面とがなす前記接合角度θが、
90°≦θ≦120°
とされていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。 - 前記リブが内側に凸状に設けられている場合、前記リブのリブ面と前記扁平熱交換チューブの扁平面とがなす前記接合角度θが、
90°≦θ≦105°
とされていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014210828A JP2016080236A (ja) | 2014-10-15 | 2014-10-15 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014210828A JP2016080236A (ja) | 2014-10-15 | 2014-10-15 | 熱交換器 |
Publications (1)
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---|---|
JP2016080236A true JP2016080236A (ja) | 2016-05-16 |
Family
ID=55958223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014210828A Pending JP2016080236A (ja) | 2014-10-15 | 2014-10-15 | 熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110446903A (zh) * | 2017-03-21 | 2019-11-12 | 株式会社电装 | 热交换器 |
JPWO2020189483A1 (ja) * | 2019-03-15 | 2021-10-14 | 三菱電機株式会社 | 熱交換器及び熱交換器の製造方法 |
-
2014
- 2014-10-15 JP JP2014210828A patent/JP2016080236A/ja active Pending
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JPWO2020189483A1 (ja) * | 2019-03-15 | 2021-10-14 | 三菱電機株式会社 | 熱交換器及び熱交換器の製造方法 |
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