JP2016080177A - 保温用積層体 - Google Patents

保温用積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016080177A
JP2016080177A JP2015207342A JP2015207342A JP2016080177A JP 2016080177 A JP2016080177 A JP 2016080177A JP 2015207342 A JP2015207342 A JP 2015207342A JP 2015207342 A JP2015207342 A JP 2015207342A JP 2016080177 A JP2016080177 A JP 2016080177A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
metal layer
adhesive layer
heat
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015207342A
Other languages
English (en)
Inventor
有仁 対馬
Arihito Tsushima
有仁 対馬
松村 茂
Shigeru Matsumura
茂 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mag Isover KK
Original Assignee
Mag Isover KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mag Isover KK filed Critical Mag Isover KK
Publication of JP2016080177A publication Critical patent/JP2016080177A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】仮留めの必要がなく、一回の固定で強力に固定することができ、それにより保温対象に簡単に取り付けができる、かつ防湿性が高い保温用積層体を与える。
【解決手段】無機断熱材層(2)、被覆層(31)、及び第1の金属層(32)を、内側から外側に向かって有する保温用積層体(13〜15)であって、
第2の金属層(32a)が、前記第1の金属層(32)の端部に一部として存在するか、又は層間接着層(34)のみを介して前記第1の金属層(32)の端部と接着して存在しており、
固定用接着層(33)が、前記第1の金属層(32)の前記端部とは反対側の前記第2の金属層(32a)の端部にまで、直接形成されている、
保温用積層体(13〜15)。
【選択図】図5

Description

本発明は、配管等の保温に用いる保温用積層体に関する。より詳しくは、本発明は、防湿性が高く、かつ保温対象に容易に固定できる保温用積層体に関する。
従来から、配管等の保温に用いるための保温用積層体が知られている。保温用積層体は、例えば、軸方向に沿って切れ目が入れられた筒状の断熱材層と外被材層とで構成される筒状の保温用積層体である。このような筒状の保温用積層体を使用する場合、筒状の断熱材層の切れ目から配管等の保温対象に取り付け、外被材層をワイヤ、テープ等で保温対象に巻き付けることによって、保温対象に固定する。
断熱材層の材料としては、通常はグラスウール、ロックウール等が用いられる。外被材層は、例えばアルミニウム箔とクラフト紙とを貼り合せたものが用いられる。このような構成とすることで、保温用積層体を、保温対象に施工する際の作業性、強度、及び保温性を高めている。
特許文献1は、上記のような外被材層の代わりに、フェノール樹脂等の樹脂を塗布して形成した樹脂塗布層を有する、保温用積層体を開示している。図1に示すように、この保温用積層体(10)では、無機断熱材層(2)の切れ目(2a)は、切れ目(2a)を横断する片面接着テープ(3A)によって固定される。固定前の段階では、この片面接着テープ(3A)は、その半分だけを樹脂塗布層(3’)に接着させている。そして、他方の半分側には剥離紙層(33a)が存在している。保温用積層体(10)を、保温対象に固定する段階で、片面接着テープ(3A)の接着面(33)に付着している剥離紙(33a)を除去して、切れ目(2a)のもう一方の側にも片面接着テープ(3A)を横断させて接着する。
特許文献2では、無機断熱材層と外被材層とをホットメルト接着剤で接着させた保温用積層体を開示している。この保温用積層体(11)では、図2に示すように、筒状断熱材層(2)の外周長さよりも、外被材層(3)の外周長さを大きくする。そして、外被材層(3)を筒状断熱材層(2)に巻き付けた際に外被材(3)の長さが余る耳部分に、両面接着テープ(3B)を使用して筒状断熱材層(2)の切れ目(2a)の両側に渡って固定する。外被材層(3)としては、アルミニウム蒸着クラフト紙が用いられている。
実開昭61−44096号公報 実開昭61−181194号公報
特許文献1に記載の筒状断熱材層の切れ目の固定方法では、片面接着テープがフェノール樹脂の塗布層と接着している。しかし、フェノール樹脂の塗布層は、無機断熱材の上に直接形成されるため、表面の凹凸が大きい。そのため、樹脂塗布層と接着テープとの接着が弱く、長期の固定に耐えることができないため、単なる仮留めとして用いられる。したがって、この上からさらに針金、他の接着テープ等で強固に固定する必要があり、筒状断熱材層の切れ目を固定するのに2回の手間がかかってしまう。
特許文献2に記載の筒状断熱材層の切れ目の固定方法でも、アルミニウム蒸着クラフト紙のクラフト紙の層とアルミニウム層とを両面テープによって接着させており、この固定は、長期の固定に耐えることができず、通常は単なる仮留めとして用いられる。したがって、この上からさらに針金、他の接着テープ等で強固に固定する必要があるため、筒状断熱材層の切れ目を固定するのに2回の手間がかかってしまう。
すなわち、従来の保温用積層体では、一回の固定で強力に固定するという思想がなく、保温対象に仮留めをした後に、針金等を用いた本留めによって固定していた。このような場合、施工業者が仮留めのみで固定できたと誤認して、本留めをしない又は本留めをし忘れることが多く、後日保温用積層体が脱落する場合があった。
さらに、断熱材が無機断熱材である場合には、水分が内部に入ることによって断熱性能が低下して、問題になることがある。これに関して、無機断熱材を用いた特許文献2に記載の筒状断熱材層には、片面接着テープ又は両面接着テープを通じて無機断熱材層に水分が入り込んでしまい、それにより断熱性能が大きく低下しやすいという課題があった。
そこで、本発明は、仮留めの必要がなく、一回の固定で強力に固定することができ、それにより保温対象に簡単に取り付けができ、かつ防湿性が高い保温用積層体を与えることを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、比較的簡単な構成で、予想外にも保温対象に強力に固定することができ、かつ防湿性が高い保温用積層体を見出した。すなわち、本発明の態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
無機断熱材層、被覆層、及び第1の金属層を、内側から外側に向かって有する保温用積層体であって、
第2の金属層が、前記第1の金属層の端部に一部として存在するか、又は層間接着層のみを介して前記第1の金属層の端部と接着して存在しており、
固定用接着層が、前記第1の金属層の前記端部とは反対側の前記第2の金属層の端部にまで、直接形成されている、
保温用積層体。
《態様2》
前記層間接着層と前記固定用接着層とが連続して繋がって連続的な接着層となっている、態様1に記載の保温用積層体。
《態様3》
前記連続的な接着層及び前記第2の金属層が、アルミテープで構成されている、態様2に記載の保温用積層体。
《態様4》
無機断熱材層、被覆層、及び第1の金属層を、内側から外側に向かって有する保温用積層体であって、
第2の金属層が、前記第1の金属層の端部に一部として存在するか、又は層間接着層及び無機材料からなる補強層のみを介して前記第1の金属層の端部と接着して存在しており、
固定用接着層が、前記第1の金属層の前記端部とは反対側の前記第2の金属層の端部にまで、無機材料からなる補強層のみを介して形成されている、
保温用積層体。
《態様5》
前記層間接着層と前記固定用接着層とが連続して繋がって連続的な接着層となっている、態様4に記載の保温用積層体。
《態様6》
前記連続的な接着層、補強層及び前記第2の金属層が、アルミガラスクロステープで構成されている、態様5に記載の保温用積層体。
《態様7》
前記無機断熱材層が筒状であり、かつ筒状の前記無機断熱材層の軸方向に対して略平行な切れ目を有する、態様1〜6のいずれか一項に記載の保温用積層体。
《態様8》
前記被覆層が、有機材料層、無機材料層、又は有機無機複合材料層である、態様1〜7のいずれか一項に記載の保温用積層体。
《態様9》
前記固定用接着層の内側に、一時的保護層を有する、態様1〜8のいずれか一項に記載の保温用積層体。
《態様10》
保温対象、及び前記保温対象を取り囲んで固定されている態様1〜8のいずれか一項に記載の保温用積層体を具備する、保温構造体。
《態様11》
以下の工程をこの順で含む、保温構造体の製造方法。
保温対象に、態様9に記載の保温用積層体を巻き付ける工程;
前記保温用積層体から前記一時的保護層を除去して、前記固定用接着層を露出する工程;及び
前記露出した固定用接着層を前記第1の金属層に接着させて、前記保温対象に前記保温用積層体を固定する工程。
本発明の保温用積層体は、保温対象に巻き付けて固定する際に、仮留めの必要がなく、一回の作業で強力に固定することができ、それにより保温対象に簡単に取り付けができる。例えば、本発明の保温用積層体は、取付けが困難な位置にある配管等でも、非常に容易に固定することができるため、保温構造体を得るための作業性を高めることができる。
さらに本発明の保温用積層体では、固定箇所の層構成が、金属層/層間接着層/金属層となるために、内部を密封して保温対象に固定することができる。したがって、本発明の保温用積層体は、保温対象に固定した後に、内部の無機断熱材への水分の侵入を防止することができる。
図1は、特許文献1に記載の保温用積層体を示している。 図2は、特許文献2に記載の保温用積層体を示している。 図3(a)は、有機被覆層/層間接着層/金属層という層構成において、有機被覆層と層間接着層とが界面剥離をする概念図を示しており;図3(b)は、金属層/層間接着層/金属層という層構成において、層間接着層が凝集剥離をする概念図を示している。 図4は、本発明の保温用積層体の第2の金属層の位置に関する様々な態様を例示している。 図5は、保温対象に固定した本発明の保温用積層体を含む保温構造体の様々な態様を例示している。 図6は、従来技術の保温用積層体の固定箇所を記載している。
本発明の積層体は、無機断熱材層、被覆層、及び第1の金属層を、内側から外側に向かって有する。本明細書においては、内側とは、保温対象側を意味し、外側とは内側と反対側(例えば、外気側)を意味する。本発明の積層体は、長さ方向及び幅方向を有し、例えば本発明の積層体を保温対象に筒状に固定した場合には、幅方向の長さは、筒状体の周囲長に対応し、長さ方向の長さは、筒状体の軸方向の長さに対応する。
本発明の積層体は、さらに第2の金属層を有しており、これは、第1の金属層の端部に一部として存在しているか、又は第1の金属層の端部と接着して存在している。特に、第2の金属層が第1の金属層の端部に一部として存在している態様では、第2の金属層は、第1の金属層が無機断熱材層及び被覆層よりも幅方向に長い領域であってもよい。
第2の金属層は、第1の金属層の側とは反対側の端部にまで、保温対象への固定時に用いられる固定用接着層を有している。
特に、第2の金属層は、この積層体の幅方向の少なくとも一方に、第1の金属層が無機断熱材層及び被覆層よりも幅方向に長い領域であって、この積層体の長さ方向の実質的全体に渡って存在する、延在領域を有しており、固定用接着層は、その延在領域の、第1の金属層の側とは反対側の端部にまで形成され、好ましくは延在領域の内側の全てに形成される。この延在領域は、第2の金属層が第1の金属層の端部に一部として存在している態様では、第2の金属層の全ての領域となる。
本発明の積層体の第1の実施形態においては、第2の金属層は、層間接着層のみを介して第1の金属層と接着しており、かつ固定用接着層は前記第2の金属層の内側に直接積層されている。
本発明の積層体の第2の実施形態においては、第2の金属層は、無機材料からなる補強層及び層間接着層のみを介して第1の金属層と接着しており、かつ固定用接着層との間に無機材料からなる補強層のみを有する。
なお、本明細書において、「実質的に」とは、本発明の有利な効果が得られる範囲又は失われない範囲で、という意味で用いられており、例えば「実質的全体」とは、本発明の有利な効果が得られる範囲又は失われない範囲であれば、完全に全体である必要がないことを意味している。
また、「のみを介して」及び「直接積層」とは、本発明の有利な効果が得られる範囲又は失われない範囲であれば、他の層が有していてもよい。
本発明の保温用積層体は、このような構成を有することで、保温対象に巻き付けて固定する際に、仮留めの必要がなく、一回の作業で強力に固定することができ、それにより保温対象に簡単に取り付けができる。
例えば特許文献2に記載のような無機断熱材用の従来の積層体においては、固定用接着層が仮留め用の両面テープ等として用いられており、この場合、両面テープは、固定部分端部にまで、その長さ方向の実質的な全体に渡って貼られることがなかった。仮留めによっても、ある程度の期間は固定部分を固定し続けることができるが、このような態様においては、固定部分の端部にまでテープが貼り付けられていないため、端部の先端部分が自由に動いてしまい、それにより接着部分が少しずつ剥がれるという問題があった。それに対して、本発明の保温用積層体においては、固定用接着層を、第2の金属層の端部にまで形成したことで、第2の金属層の端部が先端部分までしっかりと固定される。
さらに、本発明の保温用積層体においては、特定の層構成を有することで、その固定箇所において、金属層(又は無機材料からなる補強層)と金属層とが層間接着層をサンドイッチする層構成になり、これらの層が強力に接着する。
すなわち、理論に拘束されないが、図3(a)に示すように、有機被覆層(31)/固定用接着層(33)/金属層(32)という層構成(特許文献2の固定箇所の層構成)で固定しようとすると、固定用接着層(33)は、容易に金属層(32)又は被覆層(31)と界面剥離して、この層構成は破壊されてしまう。その一方で、図3(b)に示すように、外側の金属層(32a)/固定用接着層(33)/内側の金属層(32)という構成(本発明の固定箇所の層構成)であれば、固定用接着層(33)は金属層(32,32a)と良好に接着し、また金属層(32,32a)自体も凝集破壊をしにくいので、この層構成を破壊するためには、固定用接着層(33)を凝集剥離させる必要がある。この場合、固定用接着層(33)を凝集破壊するためには、非常に強い力が必要となるため、本発明の積層体では固定後に強固な接着が可能になったものと考えられる。このようなメカニズムは、上記第2の実施形態である、金属層/無機材料からなる補強層/接着層/金属層という構成においても、同様の効果が得られることが分かった。
本発明の積層体では、上記のように、第2の金属層がその先端部分までしっかりと固定されること、及び固定部において特定の層構成を有することで、一度の簡単な取付け作業で予想外にも強く固定することができた。
さらに本発明の保温用積層体では、固定箇所の層構成が、金属層/接着層/金属層又は金属層/無機材料からなる補強層/接着層/金属層となっているために、内部を密封して保温対象に固定することができる。これによって、本発明の保温用積層体は、保温対象に固定した後に、内部の無機断熱材への水分の侵入を防止することができる。
図4は、本発明の保温用積層体の第2の金属層の位置に関する様々な態様を例示している。これらは、保温用積層体の長さ方向に垂直な断面図であり、本発明の保温用積層体は、長さ方向に渡って実質的に同一の断面を有する。
図4(a)は、本発明の第1の実施形態の積層体(13)を例示しており、ここでは第2の金属層(32a)が、第1の金属層(32)の端部に一部として存在している。第2の金属層(32a)の端部の内側には、固定用接着層(33)が付着しており、これは固定前の時点では、一時的保護層(33a)を有している。固定用接着層(33)は、第2の金属層の端部にまで形成されている。ここで、第2の金属層(32a)は、第1の金属層が無機断熱材層及び被覆層よりも幅方向に長い部分である。
図4(b)も、本発明の第1の実施形態の積層体(14)を例示しており、ここでは、第2の金属層(32a)は、層間接着層(34)のみを介して第1の金属層(32)に接着している。ここでは、層間接着層(34)と固定用接着層(33)とが、共に第2の金属層(32a)の内側に存在している。またここでは、層間接着層(34)と固定用接着層(33)とは連続して繋がって連続的な接着層(33,34)を構成しているが、これらは分離していてもよい。連続的な接着層(33,34)は、第2の金属層の端部にまで形成されている。この態様では、第2の金属層(32a)の、第1の金属層が無機断熱材層及び被覆層よりも幅方向に長い領域である延在領域の全ての部分に、一時的保護層(33a)が与えられている。
図4(c)も、本発明の第1の実施形態の積層体(15)を例示しており、ここでも、第2の金属層(32a)は、第1の金属層(32)に層間接着層(34)のみを介して接着している。ただし、ここでは、図4(b)に示す態様とは異なり、層間接着層(34)は、第2の金属層(32a)の外側に位置しており、かつ固定用接着層(33)は第2の金属層(32a)の内側に位置している。また、固定用接着層(33)は、第2の金属層の端部にまで形成されており、一時的保護層(33a)を有している。この態様においては、第2の金属層(32a)の全ての部分が、延在領域に該当する。
図4(d)は、本発明の第2の実施形態の積層体(16)を例示しており、ここでは、図4(b)に示す態様において、第2の金属層(32a)の内側に無機材料からなる補強層(35)を有している態様である。補強層(35)と第1の金属層(32)とは、層間接着層(34)を介して接着しており、層間接着層(34)と固定用接着層(33)とが、共に第2の金属層(32a)の内側に存在している。またここでは、層間接着層(34)と固定用接着層(33)とは連続して繋がって連続的な接着層(33,34)を構成しているが、これらは分離していてもよい。固定用接着層(33)は、第2の金属層の端部にまで形成されており、一時的保護層(33a)を有している。
図5(a)〜(c)は、保温対象に固定した本発明の保温用積層体を含む保温構造体の様々な態様を例示している。これらの態様では、筒状の無機断熱材層(13,14,15)を保温対象(1)の形状に合わせて筒状にし、保温対象(1)の軸方向(図面の紙面鉛直方向)に対して略平行な切れ目(2a)を与えている。この筒状の積層体(13,14,15)を、保温対象(1)に取り付ける際には、無機断熱材層の切れ目(2a)を開いて、円柱状の保温対象(1)に取り付ける。さらに、積層体(13,14,15)を保温対象(1)に取り付けた後、固定用接着層(33)を、第1の金属層(31)に接着させて、積層体(13,14,15)を保温対象(1)に固定する。
図5(a)では、図4(a)に示した本発明の積層体(13)を保温対象(1)に固定した保温構造体を示している。第1の金属層(32)の外周は、無機断熱材層(2)及び被覆層(31)の外周よりも長いため、積層体(13)を保温対象(1)に巻き付けた後に、第1の金属層(32)の一部である第2の金属層(32a)が、第1の金属層(32)の外側に位置することになる。そして、第2の金属層(32a)の内側に位置する固定用接着層(33)を、その内側の第1の金属層(32)と接着させて、積層体(13)を保温対象(1)に固定する。
図5(b)では、図4(b)に示した積層体と同じである積層体(14)を、保温対象(1)に固定した保温構造体を示している。当然に、図4(d)に示した積層体(16)も、図4(b)に示した積層体(14)と同様にして固定することができる。
図5(c)では、図4(c)に示した本発明の積層体(15)を保温対象(1)に固定した保温構造体を示している。
これらの態様では、保温対象(1)に固定する前の段階で、固定用接着層(33)は、その内側の第1の金属層(32)と接着していない。固定する際には、随意に固定用接着層(33)の内側に付着している一時的保護層を除去して、固定用接着層(33)をその内側の第1の金属層(32)と接着させて、積層体(13,14,15)を保温対象(1)に固定する。
このような構成の本発明の積層体であれば、固定箇所において、図3(b)のような層構成となり、固定用接着層(33)を剥がそうとすると、この層を実質的に凝集剥離する必要があるため、剥がすことが困難になる。同様に、図4(d)に示した積層体(16)においても、補強層が無機材料であるため剥がすには凝集剥離させる必要があり、剥がすことが困難になる。
それに対して、従来技術の積層体の固定箇所は、図6に示すような態様となる。これにより、従来技術の積層体は、固定箇所において、有機被覆層(31)/層間接着層(34)/金属層(32)という図3(a)のような層構成となり、固定用接着層(33)を剥がそうとすると、この層が界面剥離をして容易に剥がれる。
(無機断熱材層)
無機断熱材層の材料としては、グラスウール、ロックウール等の無機繊維を用いることができ、好ましくはグラスウール、より好ましくはグラスウールの成形体が用いられる。グラスウールの平均繊維径は、3〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは4〜7μmである。繊維径が3μm以上であれば繊維化に要するエネルギー原単位が好適であり、かつ繊維径が10μm以下では繊維化したときの熱伝導率が好適な範囲となる。グラスウール成形体の密度は、40〜300kg/mであることが好ましく、さらに好ましくは45〜100kg/mである。
無機断熱材層の形状は、保温対象の形状に合わせて筒状、角柱状等であってよく、例えば配管のエルボを覆うためにカーブした筒状であってもよい。このような成形した無機断熱材層は、上述のように、保温対象に容易に取付けられるように、切れ目を有してもよい。この切れ目は、図1に記載の態様のように、無機断熱材層の2箇所以上で与えてもよい。さらに、無機断熱材層に柔軟性の高いシート状の材料を用いることで積層体をシート状にして、保温対象に巻き付けられるようになっていてもよい。
無機断熱材層の厚さは、例えば1cm以上、3cm以上、又は5cm以上であってよく、また30cm以下、20cm以下、又は10cm以下とすることができる。無機断熱材層の幅方向の長さは、保温対象の外周長さと同程度となることが好ましく、保温対象の外周長さに対する無機断熱材層の幅方向の長さの比(無機断熱材層の幅方向の長さ/保温対象の外周長さ)は、0.80以上、0.90以上、又は0.95以上とすることができ、1.20以下、1.10以下、又は1.05以下とすることができる。
本発明で用いられる無機断熱材層の幅は、例えば5cm以上、10cm以上、20cm以上、30cm以上、又は40cm以上であってもよく、200cm以下、150cm以下、100cm以下、60cm以下であってもよい。また、無機断熱材層の長さも、例えば5cm以上、10cm以上、20cm以上、30cm以上、又は40cm以上であってもよく、200cm以下、150cm以下、100cm以下、60cm以下であってもよい。
(被覆層)
被覆層の材料としては、無機断熱材層を保護し、施工作業性、強度等を高めることができる材料であれば特に限定されない。したがって、被覆層は、クラフト紙等の紙、ポリマーフィルム又はポリマーシート、織布又は不織布等の有機材料層;ガラスクロス、ガラス不織布等の無機材料層;繊維強化プラスチック等の有機無機複合材料層であってもよい。
被覆層と無機断熱材層との接着にも特に材料は限定されず、例えば水性溶媒系接着剤、有機溶媒系接着剤、ホットメルト系接着剤等を用いることができる。
被覆層の厚さとしては、例えば10μm以上、30μm以上、50μm以上、100μm以上、又は200μm以上とすることができ、3mm以下、1mm以下、又は500μm以下とすることができる。被覆層の幅方向の長さは、無機断熱材層の幅方向の長さと同程度であってもよく、無機断熱材層の幅方向の長さよりも長くてもよいが、第1の金属層及び第2の金属層の合計の幅方向の長さよりも短い。無機断熱材層の幅方向の長さに対する被覆層の幅方向の長さの比(被覆層の幅方向の長さ/無機断熱材層の幅方向の長さ)は、0.80以上、0.90以上、又は0.95以上とすることができ、1.20以下、1.10以下、又は1.05以下とすることができる。
(金属層)
第1の及び/又は第2の金属層としては、この積層体を保護し、施工作業性、強度、耐熱性、防湿性等を高めることができる金属材料であれば特に限定されず、例えば金属箔、金属蒸着膜等を用いることができる。金属材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、又はこれらの合金、例えばステンレス等を用いることができる。第1の金属層と被覆層とが、アルミ箔クラフト紙から構成されていてもよい。
また、第1の金属層と第2の金属層(又は補強層)は、固定用接着層が接着した後で、層間接着層が界面剥離しないような材料、例えば同じ金属材料で構成されていることが好ましい。ただし、第1の及び/又は第2の金属層は、それぞれが別の種類の金属層であってもよく、またそれぞれが複数の金属層から構成されていてもよい。この場合には、複数の金属層は層間接着剤を用いて貼り合わされていてよい。
第1の及び/又は第2の金属層の厚さとしては、例えば5μm以上、8μm以上、10μm以上、又は15μm以上とすることができ、100μm以下、50μm以下、又は30μm以下とすることができる。第1の金属層と第2の金属層との幅方向の長さの合計は、被覆層の幅方向の長さよりも長く、被覆層の幅方向の長さに対する第1の金属層と第2の金属層との幅方向の長さの合計の比(第1の金属層と第2の金属層との幅方向の長さの合計/被覆層の幅方向の長さ)は、1.01以上、1.05以上、1.10以上、1.20以上、又は1.30以上であってもよく、2.00以下、1.80以下、1.60以下、1.40以下であってもよい。
(層間接着層及び固定用接着層)
層間接着層及び/又は固定用接着層の材料は、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤等を用いることができるが、接着の機能を与えることができる材料であれば特に限定されない。その厚さとしては、例えば20μm以上、25μm以上、30μm以上、40μm以上、又は50μm以上とすることができ、500μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、90μm以下、又は80μm以下とすることができる。
層間接着層は、第1の金属層と第2の金属層との重なる領域の実質的全てにおいて存在していることが好ましい。例えば、層間接着層の幅は、1cm以上、2cm以上、3cm以上、又は5cm以上であってもよく、15cm以下、10cm以下、又は8cm以下であってもよい。
固定用接着層は、第2の金属層の第1の金属層の側とは反対側に、実質的に全ての長さ方向に渡って形成される。固定用接着層が形成される第2の金属層の幅方向の端部は、大きければ大きいほど接着力を高めることができるため好ましい。例えば、固定用接着層の幅は、1cm以上、2cm以上、3cm以上、又は5cm以上であってもよく、15cm以下、10cm以下、又は8cm以下であってもよい。好ましくは、固定用接着層は、第2の金属層の延在領域の内側の、実質的に全ての領域に形成される。
層間接着層及び固定用接着層は、連続して繋がって、連続的な接着層となっていることが好ましい。この場合、第2の金属層と連続的な接着層が、金属層を含むテープであってもよい。
例えば、図4(b)又は図4(c)の態様のように、第1の金属層と第2の金属層とが別個の層である場合、第2の金属層、層間接着層、及び固定用接着層は、アルミテープ、銅箔テープ等の金属テープから構成されていてもよい。また、図4(d)の態様の場合には、第2の金属層、層間接着層、及び固定用接着層は、アルミガラスクロステープから構成されていてもよい。
(一時的保護層)
随意に用いられる一時的保護層は、本発明の積層体を保温対象に固定するまでの間に、固定用接着層が、他の部分と接着することを防止することができ、本発明の積層体の取扱い性を向上させることができる。一時的保護層としては、剥離紙を挙げることができるが、この機能を果たすことができる材料であれば、その材料は特に限定されない。
1 保温対象
2 無機断熱材層
2a 切れ目
3 外被材層
3’ 樹脂塗布層
31 有機被覆層
32 金属層(第1の金属層)
32a 第2の金属層
33 固定用接着層
33a 一時的保護層(剥離紙層)
34 層間接着層
35 補強層
3A 片面接着テープ
3B 両面接着テープ
11〜16 保温用積層体
21〜24 保温構造体

Claims (11)

  1. 無機断熱材層、被覆層、及び第1の金属層を、内側から外側に向かって有する保温用積層体であって、
    第2の金属層が、前記第1の金属層の端部に一部として存在するか、又は層間接着層のみを介して前記第1の金属層の端部と接着して存在しており、
    固定用接着層が、前記第1の金属層の前記端部とは反対側の前記第2の金属層の端部にまで、直接形成されている、
    保温用積層体。
  2. 前記層間接着層と前記固定用接着層とが連続して繋がって連続的な接着層となっている、請求項1に記載の保温用積層体。
  3. 前記連続的な接着層及び前記第2の金属層が、アルミテープで構成されている、請求項2に記載の保温用積層体。
  4. 無機断熱材層、被覆層、及び第1の金属層を、内側から外側に向かって有する保温用積層体であって、
    第2の金属層が、前記第1の金属層の端部に一部として存在するか、又は層間接着層及び無機材料からなる補強層のみを介して前記第1の金属層の端部と接着して存在しており、
    固定用接着層が、前記第1の金属層の前記端部とは反対側の前記第2の金属層の端部にまで、無機材料からなる補強層のみを介して形成されている、
    保温用積層体。
  5. 前記層間接着層と前記固定用接着層とが連続して繋がって連続的な接着層となっている、請求項4に記載の保温用積層体。
  6. 前記連続的な接着層、補強層及び前記第2の金属層が、アルミガラスクロステープで構成されている、請求項5に記載の保温用積層体。
  7. 前記無機断熱材層が筒状であり、かつ筒状の前記無機断熱材層の軸方向に対して略平行な切れ目を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の保温用積層体。
  8. 前記被覆層が、有機材料層、無機材料層、又は有機無機複合材料層である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の保温用積層体。
  9. 前記固定用接着層の内側に、一時的保護層を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の保温用積層体。
  10. 保温対象、及び前記保温対象を取り囲んで固定されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の保温用積層体を具備する、保温構造体。
  11. 以下の工程をこの順で含む、保温構造体の製造方法。
    保温対象に、請求項9に記載の保温用積層体を巻き付ける工程;
    前記保温用積層体から前記一時的保護層を除去して、前記固定用接着層を露出する工程;及び
    前記露出した固定用接着層を前記第1の金属層に接着させて、前記保温対象に前記保温用積層体を固定する工程。
JP2015207342A 2014-10-21 2015-10-21 保温用積層体 Pending JP2016080177A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014214723 2014-10-21
JP2014214723 2014-10-21

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016080177A true JP2016080177A (ja) 2016-05-16

Family

ID=55958147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015207342A Pending JP2016080177A (ja) 2014-10-21 2015-10-21 保温用積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016080177A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6144096U (ja) * 1984-08-28 1986-03-24 日本ジヤケツト株式会社 成形断熱筒
JP3039568U (ja) * 1997-01-14 1997-07-22 エーティー技研株式会社 保温カバー
JPH09269098A (ja) * 1996-04-01 1997-10-14 General Shoko:Kk 被覆管
JP2001132890A (ja) * 1999-11-02 2001-05-18 Meisetsu:Kk 配管の表面化粧カバー
JP2011524824A (ja) * 2008-06-12 2011-09-08 フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド 不織布の自己巻付き型熱スリーブ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6144096U (ja) * 1984-08-28 1986-03-24 日本ジヤケツト株式会社 成形断熱筒
JPH09269098A (ja) * 1996-04-01 1997-10-14 General Shoko:Kk 被覆管
JP3039568U (ja) * 1997-01-14 1997-07-22 エーティー技研株式会社 保温カバー
JP2001132890A (ja) * 1999-11-02 2001-05-18 Meisetsu:Kk 配管の表面化粧カバー
JP2011524824A (ja) * 2008-06-12 2011-09-08 フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド 不織布の自己巻付き型熱スリーブ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011133778A3 (en) Multi-layer thermal insulation composite
JP2013511655A5 (ja)
MY150182A (en) Thermal insulation of flexible pipes
WO2008154930A3 (en) Multi-layered adhesive appliance
RU2009130577A (ru) Предварительно накладываемая защитная обшивка для изоляции труб и блоков
WO2007024787A3 (en) Fire resistant covering system
JP2011519317A5 (ja)
WO2011146813A3 (en) High-temperature flexible composite hose
JP2016080177A (ja) 保温用積層体
US10731892B2 (en) Flexible ventilation duct and a related production method
CN102785425B (zh) 一种金属丝格栅间隔的增强隔热复合膜及其用途
CN205498241U (zh) 增强型多层保温复合材料
JP2010053208A (ja) ワイヤーハーネス遮熱用粘着テープ
CN208829582U (zh) 一种防水绝缘胶带
US10660160B2 (en) Nano alumina fabric protection ply for de-icers
US20080292880A1 (en) Insulating facing tape and process to make same
JP2011004511A (ja) ケーブルの解体方法
EP3070392B1 (en) Apparatus for providing an interstitial space on a pipeline
CN211311368U (zh) 一种易分段铝箔胶带
CN105401666A (zh) 一种高强度层压泡沫保温板
JP2010190270A (ja) 繊維補強複合管および繊維補強複合管の端末処理方法
JP2016191468A (ja) 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き機器
CN207000572U (zh) 转向管柱和汽车
WO2013107103A1 (zh) 用于真空绝热板的高阻隔复合膜及其制造方法
JP2001132890A (ja) 配管の表面化粧カバー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191009

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200107