JP2016080140A - 圧力緩衝装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダの縮径に必ずしも依存せずに圧力緩衝装置に対して位置依存機能を付与できるようにする。【解決手段】ロッド21の最大ストローク時においては、リバウンドシート22が、ロッドガイド14に接近し、これに伴い、リバウンドシート22とロッドガイド14との間に配置された各部材が、ロッド21の軸方向において圧縮される。これにより、皿ばね231が、厚み方向に圧縮される。皿ばね231が圧縮されると、皿ばね231の外周縁231Aが、シリンダ11の内周面に接近する。これにより、皿ばね231の外周縁231Aと、シリンダ11の内周面との間の間隙GAが狭まるようになる。【選択図】図4

Description

本発明は、圧力緩衝装置に関する。
自動車等の車両の懸架装置は、走行中に路面から車体へ伝達される振動を適切に緩和して、乗心地や操縦安定性を向上させるために減衰力発生機構を用いた圧力緩衝装置を備えている。そして、圧力緩衝装置では、例えばロッド部材の一方側および他方側の移動に伴って生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させている。
また、シリンダに対するピストンおよびロッドの位置に応じて発生する減衰力が変化する位置依存機能を備えた圧力緩衝装置が知られている。例えば、公報記載の従来技術として、図9に示すように、シリンダ101と、このシリンダ101に設けた伸び切り規制部材102と、シリンダ101内にピストン103を介して移動自在に挿入したピストンロッド104と、このピストンロッド104に設けられてピストンロッド104の伸び切り時に上記伸び切り規制部材102に当接するストッパ部材105とを備え、上記ストッパ部材105の一部又は全部が油圧による減衰作用を発生させながら挿入される挿入凹部106を上記伸び切り規制部材102に設けた圧力緩衝装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−263132号公報
ここで、ピストンの軸方向の位置に応じて減衰力が変化する、いわゆる圧力緩衝装置の位置依存機能は、例えば、シリンダに縮径部を設け、この縮径部にて、シリンダ内における液体の流路を絞ることで実現できる。ところで、このようにシリンダに縮径部を設けると、シリンダの強度が低下したり、圧力緩衝装置の組み立て時に制約が生じたりする。
本発明の目的は、シリンダの縮径に必ずしも依存せずに圧力緩衝装置に対して位置依存機能を付与できるようにすることにある。
かかる目的のもと、本発明は、液体を収容するシリンダと、シリンダの軸方向に移動可能に設けられ、シリンダ内の空間を区画する区画部材と、区画部材に接続され、シリンダの軸方向における一端に向かって延びるロッドと、シリンダの一端と区画部材との間に配置されるとともに、ロッドの外周面であるロッド外周面とシリンダの内周面であるシリンダ内周面との間に配置され、シリンダの一端に向かって移動する区画部材が予め定められた箇所に達すると、ロッド外周面およびシリンダ内周面の少なくとも一方の周面に接近し、この周面との間に位置する間隙を狭める接近部材と、を備える圧力緩衝装置である。
ここで、「予め定められた箇所」とは、例えばシリンダの軸方向における中央部など、シリンダの軸方向において予め設定されている箇所をいう。
他の観点から捉えると、本発明は、圧力の緩衝に用いられる圧力緩衝装置であって、液体を収容するシリンダと、シリンダの軸方向に移動可能に設けられ、シリンダ内の空間を区画する区画部材と、区画部材に接続され、シリンダの軸方向における一端に向かって延びるロッドと、シリンダの一端と区画部材との間に配置され、シリンダの一端に向かって移動する区画部材が予め定められた箇所に達すると、変形する変形部材と、を備え、ロッドの軸方向へ変形部材を投影した場合の投影面積が、変形部材が変形することで大きくなる圧力緩衝装置である。
ここで、区画部材が達する上記「予め定められた箇所」とは、例えばシリンダの軸方向における中央部など、シリンダの軸方向において予め設定されている箇所をいう。
また、「投影面積」とは、ロッドの軸方向へ変形部材を投影し、且つ、ロッドの軸方向と直交する仮想の平面に対して変形部材を投影した場合の、この仮想の平面における、変形部材の面積をいう。
このような構成とすることにより、シリンダの縮径に必ずしも依存せずに圧力緩衝装置に対して位置依存機能を付与できるようになる。
本発明によれば、シリンダの縮径に必ずしも依存せずに圧力緩衝装置に対して位置依存機能を付与できるようになる。
本実施形態に係る油圧緩衝装置の全体構成図である。 図1に示す矢印II部の拡大図である。 変形機能部の構成を説明する図である。 ロッドの最大ストローク時における皿ばねの状態を示した図である。 (A)、(B)は、皿ばねの他の構成例を示した図である。 (A)、(B)は、変形機能部の他の構成例を示した図である。 変形機能部の他の構成例を示した図である。 (A)〜(C)は、変形機能部の他の構成例を示した図である。 従来技術を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る油圧緩衝装置1の全体構成図である。図2は、図1に示す矢印II部の拡大図である。
〔油圧緩衝装置1の構成・機能〕
図1に示すように、油圧緩衝装置1は、シリンダ部10と、他方側がシリンダ部10の外部に突出して設けられるとともに一方側がシリンダ部10の内部に摺動可能に挿入されるロッド部20と、ロッド部20の一方側の端部に設けられるピストン部30と、シリンダ部10の一方側の端部に配置されるボトムバルブ部40とを備えている。
そして、油圧緩衝装置1は、圧力緩衝装置として機能し、四輪自動車や二輪自動車等において車体と車軸との間に設けられて、シリンダ部10に対するロッド部20の振動の減衰を行う。
シリンダ部10は、図中上方に一端10Aを有し、図中下方に他端10Bを有する。さらに、シリンダ部10には、図1に示すように、シリンダ11、シリンダ11の外側に設けられる外筒体12が設けられている。さらに、シリンダ部10の他端10B側には、底部13が設けられている。
さらに、シリンダ部10の一端10Aには、図2に示すように、ロッドガイド14、ロッドガイド14の径方向における内側に設けられたガイドブッシュ17、ロッド21の外周面に密着しシリンダ部10からのオイル漏れを防ぐオイルシール18が設けられている。
ロッド部20には、図1に示すように、軸方向に延びて形成されるロッド21が設けられている。付言すると、本実施形態では、ピストン部30の設置箇所を始点とした場合に、シリンダ部10の一端10A側に向かって延びるロッド21が設けられている。
さらに、ロッド部20には、ロッド21の長手方向における略中央部にリバウンドシート22が設けられている。さらに、ロッド部20には、リバウンドシート22よりも図中上方に、ロッド21の径方向における外側方向への変形を行う変形機能部23が設けられている。
〔シリンダ部10の構成・機能〕
図1に示すように、シリンダ11は、薄肉円筒状の部材であり、図中下方に位置する端部(他端)11Bが、ボトムバルブ部40によって閉じられ、図中上方に位置する端部(一端)11Aが、ロッドガイド14(図2参照)によって閉じられている。そして、シリンダ11は、内部に液体の一例としてのオイルを収容する。
シリンダ11内には、シリンダ11の軸方向に移動可能なピストン部30が設けられている。そして、区画部材として機能するピストン部30は、シリンダ11内の空間を、オイルを収容する第1油室Y1と第2油室Y2とに区画する。本実施形態では、ピストン部30の一方側に第1油室Y1が形成され、ピストン部30の他方側に第2油室Y2が形成される。
外筒体12は、シリンダ11の径方向の外側に設けられ、シリンダ11との間にリザーバ室Rを形成する。リザーバ室Rは、ロッド21の軸方向における移動に応じて、シリンダ11内のオイルを吸収したりシリンダ11にオイルを供給したりする。
底部13は、外筒体12の一方側の端部に設けられて、外筒体12の一方側の端部を塞ぐ。また、底部13は、ボトムバルブ部40を支持する。さらに、底部13は、ボトムバルブ部40を介し、シリンダ11を支持する。
図2に示すように、ロッドガイド14は、ロッド部20に設けられたロッド21を軸方向に移動可能に支持し、さらに、ロッド21の軸方向への移動を案内する。また、本実施形態では、ロッドガイド14によって、シリンダ部10内のオイルの漏れやシリンダ部10内への異物の混入が抑制される。なお、本実施形態では、オイルシール18によっても、シリンダ部10内のオイルの漏れやシリンダ部10内への異物の混入が抑制される。
ガイドブッシュ17は、ロッド21を通す貫通孔を有する厚肉円筒状の部材である。本実施形態では、ガイドブッシュ17は、ゴム等の樹脂によって形成されるとともに、内周に金属等の円筒部を有する。そして、ガイドブッシュ17は、ロッドガイド14の内周面に取り付けられる。ガイドブッシュ17は、軸方向におけるロッド21の移動が可能な状態でロッド21を支持する。
〔ロッド部20の構成・機能〕
図1に示すように、ロッド部20に設けられたロッド21は、軸方向に長く延びる棒状の部材である。ロッド21の一方側取付部21aには、ボルトが形成され、ピストン部30が取り付けられる。
これに対し、ロッド21の他方側取付部21bには、ボルトが形成され、油圧緩衝装置1を自動車などの車体などに連結するための連結部材(不図示)が取り付けられる。
〔ピストン部30の構成・機能〕
図1に示すように、ピストン部30は、ピストン31と、ピストン31の一方側に設けられる伸側減衰バルブ32と、ピストン31の他方側に設けられる圧側減衰バルブ33と、を有する。
ピストン31は、ロッド21を通すボルト孔を有する略円柱状の部材である。そして、ピストン31は、ボルト孔よりも半径方向の外側にて軸方向に形成された第1油路311と、第1油路311よりも半径方向のさらに外側にて軸方向に形成された第2油路312とを有する。
伸側減衰バルブ32は、ロッド21を通すボルト孔を有する円盤状の金属板材により構成される。伸側減衰バルブ32は、ピストン31の一方側の端部に向けて押さえつけられて保持される。そして、伸側減衰バルブ32は、ピストン31の第1油路311の一方側を開閉可能にするとともに、第2油路312の一方側を常に開放する。
圧側減衰バルブ33は、ロッド21を通すボルト孔を有する円盤状の金属板材により構成される。また、圧側減衰バルブ33は、ボルト孔よりも半径方向の外側であって、ピストン31の第1油路311に対応する位置に油孔331を有する。そして、圧側減衰バルブ33は、ピストン31の第2油路312の他方側を開閉可能にするとともに、油孔331によって第1油路311の他方側を常に開放する。
〔ボトムバルブ部40の構成・機能〕
図1に示すように、ボトムバルブ部40は、複数の油路を有するバルブボディ41と、バルブボディ41の一方側に設けられる圧側バルブ421と、バルブボディ41の他方側に設けられる伸側バルブ422とを備える。そして、ボトムバルブ部40は、油圧緩衝装置1の端部に設けられて、リザーバ室Rと第1油室Y1とを区分する。
〔変形機能部23の構成・機能〕
図3は、変形機能部23の構成を説明する図である。
変形機能部23には、リバウンドスプリング部232が設けられている。このリバウンドスプリング部232は、油圧緩衝装置1の伸張行程におけるロッド21の最大ストローク時に、ロッドガイド14(図2参照)とリバウンドシート22とにより挟まれて縮み、ロッド部20側とシリンダ部10側とが衝突することを抑制する。
リバウンドスプリング部232には、ロッド21回りに配置されたリバウンドスプリング232A、リバウンドスプリング232Aとロッドガイド14(図2参照)との間に位置する第1リバンウンドカラー232B、リバウンドスプリング232Aとリバウンドシート22との間に位置する第2リバンウンドカラー232Cが設けられている。
第1リバンウンドカラー232B、第2リバンウンドカラー232Cの各々は、略円盤状に形成されている。さらに、第1リバンウンドカラー232B、第2リバンウンドカラー232Cの径方向における中央部には、貫通孔が形成され、この貫通孔に、ロッド21が通されている。
さらに、リバウンドスプリング232A、第1リバンウンドカラー232B、第2リバンウンドカラー232Cの各々は、ロッド21に対して移動できるようになっている。より具体的には、リバウンドスプリング232A、第1リバンウンドカラー232B、第2リバンウンドカラー232Cの各々は、ロッド21の軸方向に移動できるようになっている。
さらに、第2リバンウンドカラー232Cとリバウンドシート22との間には、皿ばね231が設けられている。接近部材、変形部材として機能するこの皿ばね231は、断面形状が円錐状となるように形成されている。さらに、皿ばね231は、径方向における中央部に貫通孔231Hを有し、この貫通孔231Hには、ロッド21が通されている。また、皿ばね231は、ロッド21の周囲に配置されている。
皿ばね231は、シリンダ部10の一端10A(図1参照)とピストン部30との間に配置されている。さらに、皿ばね231は、ロッド21の外周面であるロッド外周面211(図3参照)と、シリンダ11の内周面であるシリンダ内周面111(図2参照)との間に配置されている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、皿ばね231の頂部側がリバウンドスプリング部232側に位置するように、皿ばね231が設置されているが、皿ばね231の天地を逆転させ、頂部側をリバウンドシート22側に位置させてもよい。
皿ばね231は、シリンダ11の一端11A(図1参照)に向かって移動するピストン部30が予め定められた箇所に達すると、油圧緩衝装置1
の予め定められた箇所に突き当たって変形する。
ここで、ピストン部30が達する上記「予め定められた箇所」とは、例えばシリンダ11の軸方向における中央部11C(図1参照)など、シリンダ11の軸方向において予め設定されている箇所をいう。
また、皿ばね231が突き当たる上記「予め定められた箇所」とは、皿ばね231よりも、皿ばね231の移動方向下流側に位置し、移動する皿ばね231が達し皿ばね231が接触する箇所をいう。皿ばね231が突き当たる「予め定められた箇所」の具体例としては、例えば、シリンダ11(図1参照)の一端11Aが挙げられる。なお、本実施形態では、皿ばね231は、リバウンドスプリング部232を介してシリンダ11の一端11Aに突き当たる。
また、「突き当たる」とは、移動する皿ばね231が、移動方向下流側に位置する上記「予め定められた箇所」に接触することをいう。
また、本実施形態では、皿ばね231が上記予め定められた箇所に突き当たると、皿ばね231の投影面積が大きくなる。「投影面積」とは、ロッド21の軸方向へ皿ばね231を投影し、且つ、ロッド21の軸方向と直交する仮想の平面(図4参照)に対して皿ばね231を投影した場合の、この仮想の平面における、皿ばね231の面積をいう。
また、皿ばね231が上記予め定められた箇所に突き当たると、皿ばね231の外径が大きくなり、皿ばね231の外周縁231A(図4参照)が、シリンダ11のシリンダ内周面111に接近する。これにより、図4にて示す間隙GAが小さくなる。ここで、「間隙GA」とは、皿ばね231の外周縁231Aとシリンダ内周面111との間に位置する空間を指す。
以上のように、本実施形態に係る油圧緩衝装置1は、液体を収容するシリンダ11と、シリンダ11の軸方向に移動可能に設けられ、シリンダ11内の空間を区画するピストン部30(区画部材)と、ピストン部30に接続され、シリンダ11の軸方向における一端11Aに向かって延びるロッド21と、シリンダ11の一端11Aとピストン部30との間に配置されるとともに、ロッド21の外周面であるロッド外周面211とシリンダ11の内周面であるシリンダ内周面111との間に配置され、シリンダ11の一端11Aに向かって移動するピストン部30が予め定められた箇所に達すると、ロッド外周面211およびシリンダ内周面111の少なくとも一方の周面に接近し、この周面との間に位置する間隙GAを狭める皿ばね231(接近部材)と、を備えている。
ここで、「予め定められた箇所」とは、例えばシリンダ11の軸方向における中央部11Cなど、シリンダ11の軸方向において予め設定されている箇所をいう。
さらに、本実施形態に係る油圧緩衝装置1は、圧力の緩衝に用いられ、液体を収容するシリンダ11と、シリンダ11の軸方向に移動可能に設けられ、シリンダ11内の空間を区画するピストン部30(区画部材)と、ピストン部30に接続され、シリンダ11の軸方向における一端11Aに向かって延びるロッド21と、シリンダ11の一端11Aとピストン部30との間に配置され、シリンダ11の一端11Aに向かって移動するピストン部30が予め定められた箇所に達すると、変形する皿ばね231(変形部材)と、を備え、ロッド21の軸方向へ皿ばね231を投影した場合の投影面積が、皿ばね231が変形することで大きくなる。
ここで、ピストン部30(区画部材)が達する上記「予め定められた箇所」とは、例えばシリンダ11の軸方向における中央部11Cなど、シリンダ11の軸方向において予め設定されている箇所をいう。
また、「投影面積」とは、ロッド21の軸方向へ皿ばね231(変形部材)を投影し、且つ、ロッド21の軸方向と直交する仮想の平面に対して皿ばね231を投影した場合の、この仮想の平面における、皿ばね231の面積をいう。
〔油圧緩衝装置1の動作〕
油圧緩衝装置1の動作について説明する。
まず、油圧緩衝装置1の圧縮行程時の動作を説明する。
図1に示す油圧緩衝装置1において、ロッド21は、シリンダ部10の他端10B側へ移動する。そうすると、ピストン部30によって第1油室Y1内のオイルが押される。そして、第1油室Y1内の圧力が上昇する。
そして、第1油室Y1のオイルは、ピストン部30における第2油路312を流れる。さらに、第2油路312において高まったオイルの圧力によって圧側減衰バルブ33が撓む。そして、第2油路312内のオイルは、圧側減衰バルブ33を押し開きながら第2油室Y2に流れる。この第2油路312および圧側減衰バルブ33をオイルが流れる際に生じる抵抗によって減衰力が発生する。
また、ボトムバルブ部40において、第1油室Y1のオイルの圧力の高まりによって、オイルは、圧側バルブ421を押し開きながら第1油室Y1からリザーバ室Rに流れる。このボトムバルブ部40におけるオイルの流れによっても減衰力が発生する。
次に、油圧緩衝装置1の伸張行程時の動作を説明する。
油圧緩衝装置1の伸張行程時、ロッド21は、シリンダ部10の一端10A側へ移動する。そうすると、ピストン部30によって第2油室Y2内のオイルが押される。そして、第2油室Y2内の圧力が上昇する。
そして、第2油室Y2のオイルは、ピストン部30における油孔331を通って第1油路311に流れる。さらに、第1油路311において高まったオイルの圧力によって伸側減衰バルブ32が撓む。そして、第1油路311内のオイルは、伸側減衰バルブ32を押し開きながら第1油室Y1に流れ出る。そして、この第1油路311および伸側減衰バルブ32をオイルが流れる際に生じる抵抗によって減衰力が発生する。
また、ボトムバルブ部40において、第1油室Y1における負圧の発生によって、オイルは、伸側バルブ422を押し開きながらリザーバ室Rから第1油室Y1に流れる。このボトムバルブ部40におけるオイルの流れにおいても減衰力が発生する。
次に、油圧緩衝装置1の伸張行程におけるロッド21の最大ストローク時における動作を説明する。
図4は、ロッド21の最大ストローク時における皿ばね231の状態を示した図である。図4に示すように、ロッド21の最大ストローク時においては、リバウンドシート22が、ロッドガイド14に接近し、これに伴い、リバウンドシート22とロッドガイド14との間に配置された、リバウンドスプリング部232、皿ばね231が、ロッド21の軸方向において圧縮される。
本実施形態では、皿ばね231よりも図中下方に、ロッド21の外周面から突出するように設けられたリバウンドシート22が設置されている。油圧緩衝装置1の伸張行程時には、図4における上方に向かってロッド21が移動し、さらに、ロッド21とともにリバウンドシート22が図中上方へ移動する。そして、本実施形態では、押圧部材の一例としてのこのリバウンドシート22によって、図中下方から皿ばね231が押圧される。
これにより、本実施形態では、皿ばね231が、ロッド21の軸方向に 圧縮(押圧)される。より具体的には、皿ばね231が、リバウンドスプリング部232を介してシリンダ部10の一端10A(ロッドガイド14)に付き当たり、この一端10Aとリバウンドシート22とにより、皿ばね231が挟まれ、ロッド21の軸方向に皿ばね231が圧縮される。
皿ばね231が圧縮されると、図4に示すように、皿ばね231の外径が、外径D1(皿ばね231が圧縮される前の外径D1)から、この外径D1よりも大きい外径D2となる。これにより、皿ばね231の外周縁(シリンダ11の内周面に対峙する対峙部分)231Aが、当初の位置よりも、径方向における外側に位置する。付言すると、皿ばね231の外周縁231Aが、シリンダ11のシリンダ内周面111に接近する。
また、皿ばね231が圧縮されると、皿ばね231の投影面積が大きくなる。具体的に説明すると、ロッド21の軸方向に向けて皿ばね231を投影した場合の投影面積であって、 ロッド21の軸方向に対し直交する仮想の平面に対して、皿ばね231を投影した場合の投影面積が、皿ばね231の圧縮が行われる前よりも大きくなる。
これにより、本実施形態では、皿ばね231の外周縁231Aと、シリンダ11のシリンダ内周面111との間の間隙GAが狭まる。そして、間隙GAが狭まると、ロッド21に作用する抵抗が急激に増加し、減衰力が急激に高まる。
油圧緩衝装置1の伸張行程時には、皿ばね231とロッドガイド14との間の空間80(以下、「ばねロッド間空間80」と称する)の体積の減少に伴い、間隙GAを通じて、ばねロッド間空間80からオイルが流れ出るが、上記のように、間隙GAが狭まると、オイルが流れ出にくくなり、ロッド21に作用する抵抗が増加する。
そして、この場合、シリンダ部10の一端10A側に向かうロッド21の移動が制限される。即ち、ロッド21のオイルロックが行われるようになる。
本実施形態の油圧緩衝装置1は、減衰力が変化する位置依存機能を有しており、伸張行程時にロッド21が予め定められた箇所へ達すると(ロッド21が最大ストローク状態となると)、この位置依存機能が発揮され、減衰力が急減に増加する。
なお、減衰力の変化の程度(オイルロックの程度)は、リバウンドスプリング232Aの自由長、リバウンドスプリング232Aのばね定数、皿ばね231の外径などを調整することで、変化させられるようになる。
なお、図4に示す状態から、ロッド21が図中下方へ移動すると(油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行すると)、圧縮状態にあった皿ばね231が復元し、これにより、皿ばね231の外周縁231Aが、シリンダ11のシリンダ内周面111から退避する。
図4に示す状態から、ロッド21が図中下方へ移動すると、シリンダ部10の一端10Aへの皿ばね231の突き当たりが解除されて、皿ばね231が復元する。この皿ばね231の復元により、皿ばね231の外周縁231Aが、シリンダ11のシリンダ内周面111から退避する。これにより、間隙GAが拡がる。そして、間隙GAが拡がると、ばねロッド間空間80へオイルが入りやすくなり、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制される。そして、この場合、ロッド21が円滑に移動するようになる。より具体的には、油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行する際には、ロッド21が円滑に移動するようになる。
本実施形態では、オイルロック時には、シリンダ11(図1参照)の長手方向における中央部11C(図1参照)あたりにピストン部30が位置する。そして、オイルロック状態から、油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行すると、この中央部11Cからシリンダ11の他端11Bに向かってピストン部30が移動する。そして、この中央部11C(予め定められた箇所)からシリンダ11の他端11Bに向かってピストン部30(区画部材)が移動すると、シリンダ11のシリンダ内周面111(周面)(図4参照)から皿ばね231(接近部材)が退避し、間隙GAが拡がる。そして、間隙GAが拡がると、上記のとおり、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制され、ロッド21が円滑に移動する。
また、本実施形態の構成では、上記のとおり、シリンダ11の一端11Aに向かって移動するピストン部30(区画部材)が予め定められた箇所(シリンダ11の長手方向における中央部11C)に達すると、皿ばね231(接近部材)が、油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)に設けられたシリンダ11の一端11A(予め定められた箇所)に突き当たって変形し、この変形により、皿ばね231が、シリンダ11のシリンダ内周面111(周面)へ接近し、上記予め定められた箇所(中央部11C)からシリンダ11の他端11Bに向かってピストン部30が移動すると、シリンダ11の一端11Aへの皿ばね231の突き当たりが解除されて皿ばね231が復元し、この復元により、皿ばね231が、シリンダ11のシリンダ内周面111から退避する。
ここで、本実施形態の構成では、シリンダ11を絞らず に、位置依存機能を得ることができ、シリンダ11の絞りに起因する制約を受けることがない。
この利点を説明する前提として、参考例として、シリンダを途中から絞ることにより位置依存機能を得た場合の制約について以下に言及する。
シリンダを途中から絞ることにより位置依存機能を得る場合、例えば、ロッドの最大ストローク時にリバウンドシートが位置している部分で、シリンダの内径を絞る構成となる。
このように、シリンダを絞って位置依存機能を得ようとすると、油圧緩衝装置の組み立て工程に制約が生じるようになる。
具体的に説明すると、ピストン部の設置は、シリンダの何れか一端部から行う必要があるが、シリンダを絞ってしまうと、シリンダの両端部のうち、内径を絞った側からはピストン部を設置できず、組み立て工程に制約が生じる。
また、シリンダを絞って位置依存機能を得ようとすると、シリンダや、シリンダに取り付けられるロッドガイドなどが専用部品となり、オイルロック機構を有していない油圧緩衝装置との間で、シリンダ、ロッドガイドなどの共用が出来なくなる。
これに対し、本実施形態の構成では、シリンダ11の絞りを行わずにすみ、シリンダ11の何れの端部からも、ピストン部30を設置できる。
また、本実施形態の構成では、シリンダ11を専用部品とする必要がなくなり、オイルロック機構を有していない油圧緩衝装置1との間で、シリンダ11、ロッドガイド14などの共用が可能になる。
また、本実施形態の構成では、シリンダ部10、ロッド部20、リバウンドシート22、および、ピストン部30を備えた油圧緩衝装置1に対して皿ばね231を追加することで、オイルロック機構を得られるようになる。また、本実施形態の構成では、シリンダ部10、ロッド部20、リバウンドシート22、および、ピストン部30を備えた油圧緩衝装置1の構造を大きく変化させずに、オイルロック機構を付与できるようになる。
さらに、シリンダ11を絞るとシリンダ11の剛性が低下し、シリンダ11の肉厚を増加させる必要が生じる。かかる場合、シリンダ11の重量が増加する。本実施形態の構成では、シリンダ11の絞りを行わずに済み、シリンダ11の絞りに起因するシリンダ11の重量増加を抑制できる。
図5(A)、(B)は、皿ばね231の他の構成例を示した図である。
この構成例では、皿ばね231を樹脂材料によって形成している。さらに、図5(A)に示すように、皿ばね231の外周縁231Aの部分を、ばねロッド間空間80側に突出させている(曲げている)。ここで、この構成例においても、ロッド21の最大ストローク時において、図5(B)に示すように、皿ばね231が圧縮され、間隙GAが狭まる。これにより、減衰力が高まり、シリンダ部10の一端10A側に向かうロッド21の移動が制限される。
一方、図5(B)の状態から、油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行した場合には、ロッド21の移動とともに、皿ばね231が、シリンダ部10の他端10B(図1参照)側に向かう(図5(B)にて矢印5Aで示す方向に移動する)。
この際、皿ばね231の外周縁231Aの部分が、矢印5Bに示すように、ばねロッド間空間80側に曲がり、これに伴い、間隙GAが拡がる。この場合、ばねロッド間空間80へオイルが入りやすくなり、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制される。そして、この場合、ロッド21が円滑に移動する。具体的には、油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行する際、ロッド21は円滑に移動する。
また、本実施形態では、図5(B)に示す状態から、油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行すると、皿ばね231の外周縁231Aの部分が自由端となって、シリンダ部10の一端10A(図1参照)側に、皿ばね231(の一部)が撓む。
さらに、本実施形態では、皿ばね231の外周縁231Aの部分が、間隙GAを挟みシリンダ11のシリンダ内周面111に対峙するようになっているが、皿ばね231は、この対峙部分が自由端となって、シリンダ部10の一端10A側へ撓む。
また、本実施形態の皿ばね231(接近部材)は、間隙GAを挟みシリンダ11のシリンダ内周面111(周面)に対峙する外周縁231A(対峙部分)を有し、外周縁231Aを自由端として、シリンダ11の一端11Aが位置する側に撓ませることができるように構成されている。
これにより、本実施形態では、ばねロッド間空間80へオイルが入りやすくなり、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制され、ロッド21が円滑に移動する。
ここで、上記「自由端」とは、皿ばね231の縁部に位置し、他の部材による拘束がなされず、変位可能となっている部分を指す。ここで、本実施形態では、皿ばね231の外周縁231Aの部分が自由端として機能し、皿ばね231の径方向における中央部が、リバウンドシート22とリバウンドスプリング部232とにより挟まれ、この中央部が、固定端として機能する。
変形機能部23の他の構成例をさらに説明する。
図6(A)、(B)は、変形機能部23の他の構成例を示した図である。なお、図6(A)は、ロッド21の最大ストローク時の状態を示している。即ち、図6(A)は、皿ばね231(第1皿ばね231B、第2皿ばね231C(後述))が圧縮された状態を示している。また、図6(B)では、自然状態にある第2皿ばね231Cの上面図を示している。
この構成例では、図6(A)に示すように、第1皿ばね231B、第2皿ばね231Cの2枚の皿ばねが重ねられた状態で設けられている。さらに、この構成例では、第1皿ばね231Bの厚みを小さくし、第1皿ばね231Bの変形(撓み)を生じやすくしている。さらに、リバウンドシート22側に位置する第2皿ばね231Cについては、図6(B)に示すように、第2皿ばね231Cの外周縁231Gの部分に、切り欠き231Dを形成している。
切り欠き231Dは、複数設けられている(本実施形態では6個)。また、切り欠き231Dは、第2皿ばね231Cの周方向において一定の間隔をおいて配置されている。具体的には、切り欠き231Dは、第2皿ばね231Cの周方向において60°おきに配置されている。また、第2皿ばね231Cの外周縁231Gのうちの、切り欠き231D内に位置する部分(図中符号6Eで示す部分)には、曲率が付与され、切り欠き231D内に位置するこの部分は、円弧状に形成されている。
なお、第1皿ばね231B、第2皿ばね231Cは、金属材料により形成してもよいし、樹脂材料により形成してもよい。
ここで、本実施形態では、図6(A)に示す状態から、油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行すると、第1皿ばね231Bの外周縁231Aの部分が、ばねロッド間空間80に向かうように、第1皿ばね231Bが変形する(撓む)。付言すると、本実施形態では、第1皿ばね231Bの変形が生じやすくなっているため、油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行すると、第1皿ばね231Bが図中の矢印6Cで示す方向に撓む。
これにより、上記と同様、ばねロッド間空間80へオイルが入りやすくなり、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制され、ロッド21が移動しやすくなる。
油圧緩衝装置1が圧縮行程に移行する際には、第1皿ばね231Bの外周縁231Aの部分が自由端となって、シリンダ部10の一端10A(図1参照)側に第1皿ばね231Bが撓む。本実施形態では、図5にて示した構成例と同様、第1皿ばね231Bのうちの、間隙GAを挟んでシリンダ11のシリンダ内周面111に対峙する対峙部分が、自由端となって、シリンダ部10の一端10A側に第1皿ばね231Bが撓む。これにより、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制され、ロッド21が円滑に移動する。
さらに、本実施形態では、第1皿ばね231B(接近部材)は、間隙GAを挟み、シリンダ11のシリンダ内周面111(周面)に対峙する外周縁231A(対峙部分)を有し、外周縁231Aを自由端として、シリンダ11の一端11Aが位置する側に撓ませることができるように構成されている。これにより、第1皿ばね231Bが撓み、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制され、ロッド21が円滑に移動する。
次に、油圧緩衝装置1が伸長行程に移行し、オイルロックが行われる際の各部の動きを説明する。
油圧緩衝装置1が伸長行程に移行して、オイルロックが行われる際には、図6(A)に示すように、また、上記と同様に、第1皿ばね231Bが圧縮され、間隙GAが狭まる。これにより、減衰力が高まり、シリンダ部10の一端10A側に向かうロッド21の移動が制限される。
ところで、本実施形態の構成では、上記のとおり、第1皿ばね231Bが変形しやすくなっている。このため、オイルロック時には、ばねロッド間空間80側から第1皿ばね231Bに加わるオイルの圧力(図中矢印6Aで示す圧力)によって、第1皿ばね231Bが変形し、間隙GAが拡がってしまうおそれがある。具体的には、シリンダ部10の他端10B(図1参照)側に第1皿ばね231Bが撓んでしまい、間隙GAが拡がってしまうおそれがある。
このため、本実施形態では、第1皿ばね231Bよりも、シリンダ部10の他端10B側に(第1皿ばね231Bよりもリバウンドシート22側に)、他端10B側への第1皿ばね231Bの撓みを規制する規制部材としての第2皿ばね231Cを設けている。
これにより、本実施形態では、第1皿ばね231Bを支持する部材が設けられた形となり、第1皿ばね231Bの変形(撓み)が生じにくくなる。そして、この場合、間隙GAの拡がりが抑制され、オイルロックがより確実に行われるようになる。
本実施形態では、油圧緩衝装置1の圧縮行程時に、第1皿ばね231B(接近部材)が、シリンダ11の一端11A側に撓むようなっている。さらに、本実施形態では、他端11B側(一端11A側とは反対側)には、シリンダ11の他端11B側への第1皿ばね231Bの撓みを規制する第2皿ばね231C(規制部材)が設けられている。これにより、オイルロック時における第1皿ばね231Bの変形(撓み)が生じにくくなり、間隙GAの拡がりが抑制され、オイルロックがより確実に行われる。
なお、第1皿ばね231Bと第2皿ばね231Cとが同形状で形成されていると、油圧緩衝装置1の圧縮行程時に、第1皿ばね231Bに対し、オイルからの圧力(ばねロッド間空間80とは反対側からの圧力(図中矢印6Bで示す方向の圧力))が加わりにくくなる。そして、この場合、第1皿ばね231Bが撓みにくくなり、間隙GAが拡がりにくくなる。
そこで、本実施形態では、第2皿ばね231Cに、オイルを通すための切り欠き231Dを形成している。これにより、第1皿ばね231Bに対しオイルからの圧力が加わり、油圧緩衝装置1の圧縮行程時に、間隙GAが拡がる。
変形機能部23の他の構成例をさらに説明する。
図7、図8(A)〜(C)は、変形機能部23の他の構成例を示した図である。なお、図8(A)〜(C)では、変形機能部23のうち、ロッド21よりも右側に位置する部分を拡大して表示している。
この構成例では、図7に示すように、リバウンドシート22に、チェックバルブ部221が設けられている。リバウンドシート22は、図8(A)に示すように、皿ばね231側に位置する第1面22Aと、この第1面22Aとは反対側に位置する第2面22Bとを備えている。さらに、第1面22A側と第2面22B側とを結ぶように設けられオイルを通す貫通孔22Cが設けられている。さらに、貫通孔22C内には、弁機構22Dが設けられている。
さらに、リバウンドシート22の第1面22Aには、第1開口241が設けられ、リバウンドシート22の第2面22Bには、第2開口242が設けられている。本実施形態の貫通孔22Cは、この第1開口241と第2開口242との間に配置されている。
さらに、本実施形態では、皿ばね231(接近部材)とピストン部30(区画部材)(図1参照)との間には、ロッド21のロッド外周面211から突出するように設けられ、シリンダ11の一端11Aに向かってピストン部30が移動する際にロッド21とともに移動し、皿ばね231をこの一端11Aが位置する側に向けて押圧するリバウンドシート22(押圧部材)が設けられている。
そして、このリバウンドシート22には、皿ばね231側に位置する第1面22Aと、ピストン部30側に位置する第2面22Bとが設けられるとともに、第1面22A側と第2面22B側とを結ぶように設けられオイル(液体)を通す貫通孔22Cが設けられている。さらに、リバウンドシート22の貫通孔22Cには、弁機構22Dが設けられている。
弁機構22Dは、リバウンドシート22の第1面22A側から第2面22B側に向かうオイルの流れを規制し、第2面22B側から第1面22A側に向かうオイルを通すように構成されている。
ここで、弁機構22Dには、図8(A)に示すように、チェックボール221Aが設けられている。さらに、チェックボール221Aよりも第1開口241側には、円錐状のテーパー面を有したチェック弁221Bが設けられている。また、チェック弁221Bを、第1開口241に向けて付勢する付勢スプリング221Cが設けられている。
また、この構成例では、皿ばね231の内周縁に、切り欠き231Eが形成されている。さらに、リバウンドシート22の第1面22Aには、高低差が付与され、第1開口241よりもロッド21側に、凹部245が形成されている。
リバウンドシート22の第1面22Aのうち、第1開口241よりもロッド21側に位置するロッド側部位227は、その高さ(第2面22Bからの高さ(距離))が高さX1となっている。また、第1面22Aのうち、第1開口241よりも、リバウンドシート22の外周面229側に位置する外周面側部位228は、その高さが高さX2となっている。
そして、本実施形態では、高さX1の方が高さX2よりも小さく、高さX1と高さX2との間には差が存在している。本実施形態では、この差によって上記凹部245を生じさせている。
図8を参照し、変形機能部23の動きを説明する。
図8(A)は、通常動作時の変形機能部23の状態を示した図である。
通常動作時では、皿ばね231の圧縮がなされておらず、皿ばね231の外周縁231Aと、シリンダ11のシリンダ内周面111との間に形成された間隙GAを、オイルが通過する。また、リバウンドシート22の外周面229と、シリンダ11のシリンダ内周面111との間に形成された間隙GBをオイルが通過する。
なお、チェックバルブ部221については、チェック弁221Bによって第1開口241が塞がれており、チェックバルブ部221を通じてのオイルの移動は生じない。通常動作時では、弁機構22Dによって、リバウンドシート22の第1面22A側から第2面22B側に向かうオイルの流れが規制された状態となっている。
次に、図8(B)を参照し、ロッド21の最大ストローク時(オイルロック時)の状態を説明する。
ロッド21の最大ストローク時には、上記と同様、皿ばね231が圧縮され、皿ばね231の外周縁231Aと、シリンダ11のシリンダ内周面111との間の間隙GAが小さくなる。これにより、上記と同様、減衰力が高まり、ロッド21の移動が制限される。
ここで、この状態では、図8(B)に示すように、皿ばね231によってチェック弁221Bが図中上方から押圧され、第1開口241が開放されている。その一方で、オイルの圧力によって、第2開口242に対しチェックボール221Aが押し付けられている。
このため、この場合も、チェックバルブ部221を通じてのオイルの移動は生じない。この場合も、上記と同様、弁機構22Dによって、リバウンドシート22の第1面22A側から第2面22B側に向かうオイルの流れが規制された状態となっている。
図8(C)は、油圧緩衝装置1の圧縮行程時の状態を示している。
油圧緩衝装置1の圧縮行程時は、リバウンドシート22よりも図中下方側の圧力の方が、図中上方側の圧力よりも大きい状態となり、チェックボール221Aが第2開口242から離れる。これにより、貫通孔22C内にオイルが流入する。さらに、このとき、皿ばね231によってチェック弁221Bが押圧されており、第1開口241は開放されている。
このため、油圧緩衝装置1の圧縮行程時には、リバウンドシート22の第2面22B側から第1面22Aに向かってオイルが移動し、チェックバルブ部221をオイルが通過する。そして、この場合、上記と同様、ばねロッド間空間80が負圧となることが抑制され、ロッド21が円滑に移動する。
なお、チェックバルブ部221を通過したオイルは、図8(C)における矢印8Aに示すように、凹部245および切り欠き231Eを通じて、ばねロッド間空間80まで移動する。
ここで、この構成例では、第2開口242から離れたチェックボール221Aが第1開口241に向かうと、この第1開口241がチェックボール221Aによって塞がれてしまうおそれがあるが、本実施形態では、チェック弁221Bによってチェックボール221Aの移動が規制され、チェックボール221Aによって第1開口241が塞がれることは防止される。
また、本実施形態では、チェック弁221Bが設けられているため、皿ばね231によって、第1開口241が塞がれることを防止可能となっている。ここで、例えば、皿ばね231が樹脂材料などにより構成され、皿ばね231が柔らかいと、皿ばね231がリバウンドシート22の第1面22A(図8(C)参照)に密着し、第1開口241が塞がれてしまうおそれがある。かかる場合、油圧緩衝装置1の圧縮行程時に、ばねロッド間空間80へオイルが流入しなくなる。
一方で、本実施形態のように、チェック弁221Bが設けられていると、皿ばね231がチェック弁221Bにより押圧されることで、リバウンドシート22の第1面22Aと、皿ばね231との間に隙間が形成され、この隙間を通じて、ばねロッド間空間80へオイルが流入する。
なお、チェック弁221Bは、以上のような機能を有しているが、省略することもできる。また、チェック弁221Bを省略すると、チェックボール221Aが第1開口241まで達し、第1開口241が塞がれてしまう可能性があるが、例えば、設置位置が互いに異なる第1開口241を複数形成したり、第1開口241へのチェックボール221Aの移動を規制する規制部を貫通孔22C内に設けたりすれば、第1開口241が塞がれることを防止できる。
〔その他〕
上記では、皿ばね231を圧縮することで間隙GAを狭める構成を説明したが、これは一例であり、皿ばね231に替えて、例えば、円環状に形成され且つ樹脂材料により形成された部材を設けるようにしてもよい。この場合も、この部材が径方向に膨らむようになり、間隙GAを狭めることができる。
また、上記にて説明した各構成をそれぞれ単独で用いる態様に限らず、各構成例を適宜組み合わせることもできる。
さらに、本発明は、シリンダ11の絞りを排除するものではなく、皿ばね231の設置とともにシリンダ11の絞りを行ってもよい。このように、皿ばね231の設置とシリンダ11の絞りを行う場合、シリンダ11の絞りのみを行う場合に比べ、シリンダ11の絞りの程度を小さくできる。
また、上記では、皿ばね231を圧縮し、皿ばね231をシリンダ11の内周面に接近させて間隙GAを狭める構成を説明したが、その他に、例えば、皿ばね231を圧縮して、皿ばね231の内周縁をロッド21のロッド外周面211に接近させ、皿ばね231と、ロッド21のロッド外周面211との間に位置する間隙GAを狭めるようにしてもよい。
また、皿ばね231の外周縁231Aとシリンダ11のシリンダ内周面111との間に位置する間隙GA、皿ばね231の内周縁とロッド21のロッド外周面211との間に位置する間隙GAの両者を狭めるようにしてもよい。
1…油圧緩衝装置、10A…一端、10B…他端、11…シリンダ、21…ロッド、22…リバウンドシート、22A…第1面、22B…第2面、22C…貫通孔、22D…弁機構、30…ピストン部、231…皿ばね、231A…外周縁、231C…第2皿ばね

Claims (8)

  1. 液体を収容するシリンダと、
    前記シリンダの軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内の空間を区画する区画部材と、
    前記区画部材に接続され、前記シリンダの軸方向における一端に向かって延びるロッドと、
    前記シリンダの前記一端と前記区画部材との間に配置されるとともに、前記ロッドの外周面であるロッド外周面と前記シリンダの内周面であるシリンダ内周面との間に配置され、前記シリンダの前記一端に向かって移動する前記区画部材が予め定められた箇所に達すると、前記ロッド外周面および前記シリンダ内周面の少なくとも一方の周面に接近し、この周面との間に位置する間隙を狭める接近部材と、
    を備える圧力緩衝装置。
  2. 前記予め定められた箇所から前記シリンダの他端に向かって前記区画部材が移動すると、前記周面から前記接近部材が退避し、前記間隙が拡がることを特徴とする請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  3. 前記シリンダの前記一端に向かって移動する前記区画部材が前記予め定められた箇所に達すると、前記接近部材が前記圧力緩衝装置の予め定められた箇所に突き当たって変形し、この変形により、前記接近部材が前記周面へ接近し、
    前記予め定められた箇所から前記シリンダの他端に向かって前記区画部材が移動すると、前記予め定められた箇所への前記接近部材の突き当たりが解除されて前記接近部材が復元し、この復元により、前記接近部材が前記周面から退避することを特徴とする請求項2に記載の圧力緩衝装置。
  4. 前記接近部材は、前記間隙を挟み前記周面に対峙する対峙部分を有し、前記対峙部分を自由端として、前記シリンダの前記一端が位置する側に撓ませることができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  5. 前記接近部材が撓む側である前記一端が位置する側とは反対側には、前記シリンダの他端が位置する側への前記接近部材の撓みを規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の圧力緩衝装置。
  6. 前記接近部材と前記区画部材との間には、前記ロッドの外周面から突出するように設けられ、前記シリンダの前記一端に向かって前記区画部材が移動する際に前記ロッドとともに移動し、前記接近部材を前記一端が位置する側に向けて押圧する押圧部材が更に設けられ、
    前記押圧部材には、前記接近部材側に位置する第1面と、前記区画部材側に位置する第2面とが設けられるとともに、前記第1面側と前記第2面側とを結ぶように設けられ前記液体を通す貫通孔と、前記貫通孔に設けられた弁機構とを有し、
    前記弁機構は、前記押圧部材の前記第1面側から前記第2面側に向かう液体の流れを規制し、前記第2面側から前記第1面側に向かう液体を通すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  7. 前記接近部材は、皿ばねによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  8. 圧力の緩衝に用いられる圧力緩衝装置であって、
    液体を収容するシリンダと、
    前記シリンダの軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内の空間を区画する区画部材と、
    前記区画部材に接続され、前記シリンダの軸方向における一端に向かって延びるロッドと、
    前記シリンダの前記一端と前記区画部材との間に配置され、前記シリンダの前記一端に向かって移動する前記区画部材が予め定められた箇所に達すると、変形する変形部材と、
    を備え、
    前記ロッドの軸方向へ前記変形部材を投影した場合の投影面積が、前記変形部材が変形することで大きくなる圧力緩衝装置。
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