JP2016079241A - インクジェットプリンタ用インク - Google Patents

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勇一 千坂
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Abstract

【課題】 保存安定性に優れたインクジェットプリンタ用インクを提供する。
【解決手段】 着色剤、皮膜形成性樹脂、導電性付与剤、及び有機溶剤を含有するインクジェットプリンタ用インクであって、前記着色剤として、顔料表面に一般式(1)で表される化合物を反応させた表面処理顔料を使用するインクジェットプリンタ用インク。前記顔料が表面に水酸基またはシラノール基を有する顔料であることが好ましく、シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンであることがなお好ましい。
【化1】
Figure 2016079241

(1)
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタ用インクに関するものである。
インクジェットプリンタによる印刷は、ノズルよりインクを噴射し、被記録媒体に付着せしめる方式であり、該ノズルと被記録媒体が非接触状態にあるため、曲面や凹凸とした不規則な形状を有する表面に対して、良好な印刷を行うことが出来る。
この中でインクジェット印刷は、ノズルよりインクを噴射し被記録材に付着せしめる方式であり、該ノズルと被記録材とが非接触状態にあるため、曲面や凹凸した不規則な形状を有する表面に対して、良好な印刷を行うことができる。このため、産業用途で広範囲にわたる利用分野が期待されている。
このようなインクジェットプリンタとして各種方式のものが実用化されているが、高速印刷を必要とするマーキング分野では、主にコンティニュアス方式(荷電制御方式)のプリンタが使用されている。この方式は、噴射したインク粒子を電気的な文字信号に応じて帯電させ、偏向電極により、帯電量に応じて偏向させて文字等を形成させる方式である。
コンティニュアス方式のインクジェットプリンタは、飲料缶やPETボトル等の各種食品容器への製造番号の印刷など各種の用途で広く用いられている。この方式のインクジェットプリンタには、従来着色剤として黒色染料を用いる染料系インクと、着色剤としてカーボンブラックを用いる顔料系インクが主として使用されている。
この中で最も多く使用されるのは染料系インクであるが、コンティニュアス方式はインクの導電性が必要なことからクロム等の重金属を含有する黒色の金属錯塩染料(主にクロム錯塩染料)を用いており、安全性の面からその代替要求が強く、また、ドットのにじみ、印刷被膜の耐久性等の面からも問題を有していた。
一方、顔料系インクは染料系インクに比べてドットのにじみが少なく印刷品質が良好で、印刷被膜の耐久性の点では優れているものの、保存安定性の点では問題を有していた。この問題を解決するため種々の検討がなされており、例えば特許文献1では、着色剤として比表面積100〜200BET−m/gの範囲にあるカーボンブラックを使用するコンティニュアス方式のインクジェットプリンタ用黒色インク(例えば特許文献1)が提案されている。しかし該インクは保存安定性、印刷品質、印刷被膜の耐久性は優れているものの、保存安定性が未だ不充分であった。
一方近年、濃色の基板に印字する目的として、コンティニュアス方式の白インクの要求も高まっている。しかしながら白インクの顔料として使用する酸化チタンは比重が大きく、沈降しやすく、やはり保存安定性に劣るといった問題があった。
特開2001−279138号公報
本発明の目的は、保存安定性に優れたインクジェットプリンタ用インクを提供することにある。
本発明者らは、顔料表面に特定の化合物を反応させた表面処理顔料が、上記課題を解決することを見出した。
即ち本発明は、着色剤、皮膜形成性樹脂、導電性付与剤、有機溶剤を含有するインクジェットプリンタ用インクにおいて、前記着色剤として、顔料表面に一般式(1)で表される化合物を反応させた表面処理顔料を使用するインクジェットプリンタ用インクを提供する。
Figure 2016079241

(1)
本発明により、保存安定性に優れたインクジェットプリンタ用インクを得ることができる。
(顔料)
本発明で使用する顔料としては、顔料表面に一般式(1)で表される化合物を反応させることから、一般式(1)で表される化合物と反応しうる水酸基またはシラノール基を有する顔料であれば特に限定なく使用することができる。あるいは水酸基またはシラノール基を有さなくても、表面処理によって水酸基が化学的に結合した状態の顔料であってもよい。具体的には、無機顔料あるいは有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンや酸化鉄、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.900、No.960、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、ColorBlack S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
また、ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト6、18、21などが目的に応じて使用できるが、隠ぺい力が高い酸化チタンが好適で具体的には、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820、830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW10」「タイペ−クPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
なかでも本発明の効果を最大減に発揮する意味で酸化チタン等の比重の大きい無機顔料が好ましい。中でも、本発明においては、水酸基を有する無機顔料がビニル基を有するモノマーとの反応性という観点から好ましく、シラノール基を有する無機顔料であることがなお好ましい。
(シリカとアルミナで表面処理された酸化チタン)
本発明の効果を最大限に発揮できる顔料として、シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンが挙げられる。更に、該シリカとアルミナで表面処理後、更にシランカップリング剤によって表面処理した酸化チタンを使用することもできなお好ましい。
シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンにおいて、酸化チタンとしては、公知のルチル型・アナターゼ型の二酸化チタンが使用でき、より好ましくはルチル型二酸化チタンである。
また前記酸化チタンの平均粒径としては、100〜500nmのものを使用することが好ましく、150〜400nmのものを使用することがより好ましい。平均粒径が100nm以下であると水性媒体中の非沈降性や分散安定性はより実現し易くなるものの、白色度や隠蔽性が劣ってしまい本来の白色インキとしての実用性が低下するおそれがあり、一方平均粒径が500nm以上になると白色度や隠蔽性の点では問題ないが、吐出安定性が不十分となる傾向にある。粒径について実用的には200〜300nmが更により好ましい。
なお原料としての酸化チタンの平均粒径は電子顕微鏡写真により20個の粒径測定を行って平均をとったものとする。
シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンにおいて、一般にシリカは、酸化チタン表面の酸・塩基の状態を調整する目的や、得られたインク・塗料皮膜の耐久性を付与するために使用され、アルミナは分散時の酸化チタンの濡れを改良するために使用される。また酸化チタンの表面処理方法としては、水系処理、気相処理等が挙げられる。シリカとアルミナの処理量の比率は、分散安定性の観点から、アルミナ処理量の比率が35質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。また、酸化チタンに対する該無機物の量は必ずしも限定されないが、一般的には酸化チタン100部に対して30部以下である。
また、前記シリカとアルミナで表面処理後、更にシランカップリング剤によって表面処理した酸化チタンを使用する場合は、アルミナによる処理量のアルミナ及びシリカ処理量の総和に対する比率の範囲としては35〜80質量%であることが好ましく、35〜65質量%がより好ましく、35〜50質量%がさらにより好ましい。アルミナは酸化チタン表面でAl−OH(なおAlはアルミニウムを表しOHはヒドロキシ基を表す)の形で存在しており、アルミナ処理量が多量すぎると、このOHに吸着させるためのシランカップリング剤も多量に必要となり、処理の際の増粘などの問題が発生しやすくなる。
このようなシリカとアルミナで表面処理された酸化チタンは、市販品を使用してもよく、例えば、石原産業(株)、テイカ(株)等の酸化チタン製造メーカーより市販されている。例えば、アルミナ処理量に比較してシリカ処理量の多い品種、シリカ処理量に比較してアルミナ処理量の多い品種が市販され、アルミナによる処理量が上記比率の範囲に入る酸化チタンも入手することができる。
前記アルミナ及びシリカそれぞれの質量比は、酸化チタンの表面に酸化チタンと共に存在するアルミナ及びシリカの量から推定することができる。アルミナ及びシリカの存在量比は、蛍光X線またはESCA等により酸化チタン表面に吸着されたアルミナ、またはシリカの量を分析、比較することによって確認することができる。特に蛍光X線による測定が簡便で精度が高い。シリカおよびアルミナは酸化チタンの表面上に存在する他、その一部が遊離した粒子として存在する可能性があり、蛍光X線による測定を行うと、その総量を測定することができる。蛍光X線による定量法については、標準資料を用いた検量線による分析方法が確立されている。
したがって市販の酸化チタンに対して、その表面に存在するアルミナとシリカの質量比を蛍光X線による測定で確認し、種々の質量比の酸化チタンを使用することができる。
前記シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンをシランカップリング剤によって表面処理する場合に使用するシランカップリング剤としては、アルミナ処理もしくはアルミナ及びシリカ処理された酸化チタン表面に存在する水酸基と反応する加水分解基と、有機官能基を有しており、その一般構造は下記一般式(2)
Figure 2016079241
(2)
(式中、(R)、(R)、(R)、及び(R)はそれぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、クロル基、有機基のいずれかであり、少なくとも1つはアルコキシ基、ヒドロキシ基、クロル基のいずれかであり、かつ、少なくとも1つは有機基である。a、b、c及びdは0〜3の整数であり、かつ、a+b+c+d=4である。)の構造を有する有機ケイ素化合物である。
これらシランカップリング剤は加水分解基の加水分解によってシラノールを生じ、シラノール同士が縮合してシロキサン結合となりオリゴマーを形成する。一方、無機化合物の酸化表面あるいは水酸基とも同様のメカニズムで反応し、無機物表面にある水酸基との水素結合を介して無機物表面に移行し、脱水縮合反応を経てポリシロキサン結合を形成する。これら反応は並行して進行し、ポリシロキサン結合を有するオリゴマー、ポリマーによる被覆、すなわちオルガノポリシロキサン被覆を無機物表面に形成する。
具体的な化合物としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等のサルファーシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン等をあげることができる。
前記一般式(2)の(R)、(R)、(R)、及び(R)の少なくとも1つはクロル基、メトキシ基、またはエトキシ基であり、かつ、(R)、(R)、(R)、及び(R)の少なくとも1つはビニル基であることが好ましい。
これらのシランカップリング剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明で使用するシランカップリング剤としては、顔料分散剤として使用するスチレン系共重合体のスチレン基に対して吸着性が良好と考えられるビニルシランが好ましく、中でもビニルトリエトキシシランまたはビニルトリメトキシシランが好ましく、保存安定性、環境面からみた安全性の点でより優れているビニルトリエトキシシランがさらにより好ましい。
アルミナ処理もしくはアルミナ及びシリカで処理された酸化チタンをシランカップリング剤で処理するには、例えば水中で酸化チタンとシランカップリング剤とを混合して加熱・攪拌し、しかる後に完全に水分を揮発させれば良い。シランカップリング剤の使用量は、一般に0.05〜20質量%程度であるが、酸化チタンは比較的に比表面積が小さいので1〜10質量%程度でその効果を発現できる。
前記顔料の平均粒径は特に限定はなく、所望の用途に応じた平均粒径であればよい。例えばインクジェット記録用インクであれば、インク化後において400nm以下であることが好ましい。更にインクジェット記録用インクとして使用する場合は、前記平均粒径が50〜320nmの範囲がなお好ましい。ここで述べる顔料の平均粒径は、インク中に懸濁した状態で存在する顔料粒子の無作為な衝突から起こるブラウン運動を利用して測定し、日機装社製のナノトラックUPAを用いて測定した。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明で使用する一般式(1)で表される化合物とは、具体的には以下の構造で示される、ビニルスルフォン酸である。ビニルスルフォン酸のビニル基と、顔料が有する水酸基とが反応する。
Figure 2016079241
(1)
顔料として表面に水酸基を有する顔料を使用する場合、前記一般式(1)で表される化合物と顔料との反応は、重合禁止剤となる酸素を取り除くために窒素を吹き込んでから熱または紫外線照射を加えることによって行う。このとき、着色剤表面の過酸化物から水酸基の結合が切れ、モノマーの重合とグラフト化が同時に起こる。
加熱または紫外線照射による反応時間は30分から6時間である。より反応時間を長くする事は害はないが不経済である。また、反応させる温度は30℃から80℃である。冷却後に、副生成物として生成したホモポリマーは凍結乾燥や遠心分離といった慣用の方法で除去することが可能である。また未反応モノマーは水への溶解性が高いので熱水またはアルコールを用いて洗浄する。
本発明において表面処理された着色剤を得るのに際し、着色剤の表面処理を均一に行い、着色剤とビニル基を有するモノマーとを強固に結合させ、得られた処理着色剤の、水中での分散性を高めるために、着色剤/ビニル基を有するモノマーの比率は重量比で100/1〜1/10とする事が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の他に、他の重合性モノマーを併用してもよい。併用可能なモノマーとしては具体的に、アクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、アクリロニトリル、メタクリル酸メタクリル酸メチル、ビニル酢酸(ビニル酢酸より誘導されるポリビニルアルコール)等が挙げられる。
一方、顔料として汎用の有機顔料や水酸基を有しない無機顔料を用いる場合は、該顔料表面に水酸基を生成する処理を行う必要がある。水酸基を生成するためには公知の方法でおこなえばよく、例えば紫外線処理またはオゾン処理により着色剤表面に水酸基を形成する方法があげられる。この方法は、例えば特開平9−150049に記載の方法があげられる。前記紫外線処理やオゾン処理等は顔料表面に過酸化物を生成するため、シランカップリング剤が反応しやすくなる。前記紫外線処理やオゾン処理の処理時間としては5分から2時間である。より長い処理時間は逆に生成した過酸化物を分解してしまうため好ましくない。
本発明で使用する着色剤は、塩基性官能基を有する分散剤と併用することで有機溶剤やアクリルモノマー中でも安定分散する。
(皮膜形成用樹脂)
本発明で使用する皮膜形成性樹脂としては、本インクジェットプリンタ用インクに使用する有機溶剤に可溶で、導電性付与剤と相溶性の良好なものであれば全て使用できるが、着色剤の分散安定性や印刷物の被膜性能の点から、ブチラール樹脂を使用することが好ましい。
ブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを反応させて得られる樹脂であり、ブチラール化度、重合度(分子量)の異なる各種のものがある。良好な粒子化安定性、印刷物の被膜性能を得るためには重合度が200〜500の範囲の樹脂を使用することが好ましく、特に250〜350の範囲が好ましい。具体的には、積水化学工業社製のエスレックBL−1、BL−2、BL−3、BL−S、BX−L等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上混合して使用しても良い。
本発明のインクジェットプリンタ用インクには必要に応じて、他の溶剤可溶性樹脂を併用することも可能である。併用する樹脂としては、アクリル酸樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ロジンマレイン酸樹脂、ケトン樹脂、セルロース系樹脂、ロジンエステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上混合して使用しても良い。
(導電性付与剤)
上述した通りコンティニュアス方式のインクジェットプリンタは着色剤粒子を帯電、偏向させて文字等を形成させる方式であるため、インクに導電性を付与する必要がある。公知な導電性付与剤として硝酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム等の無機塩類、アニオンが有機アニオンである第4級アンモニウム塩等の有機塩類があるが、印刷皮膜に優れた耐水性を付与するためには、水不溶性の有機塩類が好ましく、具体的には、ナフトールスルフォン酸の第4級アンモニウ塩を使用する
ことが、良好な保存安定性を得る点で好ましい。導電性付与剤の含有量はインクに適度な電気電導度与える点から、インク全量に対し、1〜5質量%の範囲が好ましく、特に2〜3質量%の範囲が好ましい。
(有機溶剤)
本発明に使用する有機溶剤としては、本発明で使用する皮膜形成性樹脂、導電性付与剤を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、グリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類、低級アルコール類などが挙げられ、2種類以上組み合わせて使用することも可能である。特に、本発明に使用する導電性付与剤の溶解性、インクの電気電導度、およびインクの乾燥特性を高める溶剤としてメチル
エチルケトンとメタノールまたはエタノールとの混合溶剤を使用することが好ましい。
また、顔料の分散安定性を高める目的で分散剤を使用してもよく好ましい。分散剤としては、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB881、PB817、ルーブリゾール社製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、36000、39000、71000、BASF社製のEFKA−7701、楠本化成社製のディスパロンDA―703―50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また分散剤の使用量は、顔料に対して10〜80質量%の範囲が好ましく、特に20〜60質量%の範囲が好ましい。使用量が10質量%未満の場合には分散安定性が不充分となる傾向にあり、80質量%を超える場合にはインクの粘度が高くなる傾向にあり、吐出安定性が低下しやすい。
その他、被印刷基材に対する接着性の付与等を目的に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等を配合することができる。
インクジェットプリンタ用インクを調整する際には、例えば、前記顔料、前記有機溶剤を含有し、必要に応じ高分子分散剤、皮膜形成用0樹脂を加えた混合物をビーズミル等のシェアのかかりにくい攪拌・分散装置を用いて顔料を分散した後、必要に応じ表面張力調整剤等の添加剤を加えて攪拌、溶解することで調製できる。予め、高濃度の顔料分散液(ミルベース)を作製後、適宜希釈、添加剤を添加して調製することもできる。
顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ビーズミルの他、たとえば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
インクジェット被記録材は、特に限定されることはなく、紙、コート紙、インクジェット記録用専用紙の他、曲面や凹凸した不規則な形状を有するような、プラスチック成形体等の表面にも容易に印字することができる。例えば例えば食品包装用として使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンレテフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムにも印字することが可能である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にある部とは、質量部を表す。
(製造例1 着色剤(VT−1)の製造方法)
テイカ株式会社製「TITANIX JR−806」10.0部、旭化成ファインケム株式会社製ビニルスルフォン酸「VSA−H」(スルフォン酸ビニルの脱金属率が95%以上である市販品)1.0部、イソプロピルアルコール89.0部を250mlのポリビンに入れたのちに直径1.2mmのジルコニアビーズ160gを添加してペイントコンディショナ−で2時間分散処理した。得られた分散液を80℃に加熱撹拌しながらウシオ電機株式会社製スポットキュアSP−9を用いて1000mW/cmの条件で4時間処理し、分散液(ST−1)を得た。得られた分散液(ST−1)はヌッチェを用いて固形分を分離、500gの熱湯に処理着色剤を添加して1時間攪拌後ヌッチェを用いて分離、次に500gのエチルアルコールに処理着色剤を添加して1時間攪拌後ヌッチェを用いて分離し、60℃に加温した減圧乾燥機に入れて12時間乾燥して着色剤(VT−1)を得た。
(製造例2 着色剤(VT−2)の製造方法)
厚さ0.3mmのステンレス膜を張った直径30cm、高さ8cmの容器1内に、48時間減圧下に80℃で加熱乾燥を行った三菱化学社製カーボンブラック「#45L」50gを入れ、容器1内を窒素ガスで置換後、毎分10mlの酸素ガス流通下で、振動モーターによる機械的振動と、内径20cmのスピーカーによる音波の振動を与えて顔料の攪拌を行いながら253.7nmの紫外線を照射し表面処理を行い水酸基生成無機顔料(P−2)を得た。
攪拌機、滴下口、窒素導入管、温度計、還流冷却器を備えた容量1Lのガラス製反応器に、水酸基生成無機顔料(P−2)45.0g、メタノール450gを添加して混合した後、超音波を用いて分散処理を行った。次いで、テトラメトキシシラン7.2g、メタノール25gを滴下ロート(1)に入れ、25%アンモニア水3.6g、脱イオン水3.6gを滴下ロート(2)に入れた。反応容器を65℃に昇温して還流させながら、滴下ロート(1)および(2)から内容物を1時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、65℃で5時間保持してから、ラウリル硫酸ナトリウム(商品名「エマール0」、花王(株)製)の20%水溶液2.5gを添加し、さらに信越化学工業株式会社製3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」2.5gを10分間かけて添加した。その後、50℃で3時間加熱を行ってから、室温まで冷却することにより、微粒子表面をシランカップリング剤で処理したシリカ被覆無機顔料の分散体(ST−2)を得た。
得られた分散体(ST−2)に含有される微粒子を遠心分離により分散媒から分離し、得られた微粒子をイソプロピルアルコールで洗浄した後、50℃で24時間真空乾燥することにより、粒子表面をシランカップリング剤で処理したシリカ被覆無機顔料の粉体(DT−2)を得た。
得られたシリカ被覆無機顔料の粉体(DT−2)10.0部、旭化成ファインケム株式会社製ビニルスルフォン酸「VSA−H」(スルフォン酸ビニルの脱金属率が95%以上である市販品)1.0部、イソプロピルアルコール89.0部を250mlのポリビンに入れたのちに直径1.2mmのジルコニアビーズ160gを添加してペイントコンディショナ−で2時間分散処理した。得られた分散液を80℃に加熱撹拌しながらウシオ電機株式会社製スポットキュアSP−9を用いて1000mW/cmの条件で4時間処理した。得られた処理液はヌッチェを用いて固形分を分離、500gの熱湯に処理着色剤を添加して1時間攪拌後ヌッチェを用いて分離、次に500gのエチルアルコールに処理着色剤を添加して1時間攪拌後ヌッチェを用いて分離し、60℃に加温した減圧乾燥機に入れて12時間乾燥して着色剤(VT−2)を得た。
(製造例3 着色剤(VT−3)の製造方法)
厚さ0.3mmのステンレス膜を張った直径30cm、高さ8cmの容器1内に、48時間減圧下に80℃で加熱乾燥を行ったDIC株式会社製「Fastogen Super Magenta RG」を50gを入れ、容器1内を窒素ガスで置換後、毎分10mlの酸素ガス流通下で、振動モーターによる機械的振動と、内径20cmのスピーカーによる音波の振動を与えて顔料の攪拌を行いながら253.7nmの紫外線を照射し表面処理を行い水酸基生成有機顔料(P−3)を得た。
攪拌機、滴下口、窒素導入管、温度計、還流冷却器を備えた容量1Lのガラス製反応器に、水酸基生成有機顔料(P−3)45.0g、メタノール450gを添加して混合した後、超音波を用いて分散処理を行った。次いで、テトラメトキシシラン7.2g、メタノール25gを滴下ロート(1)に入れ、25%アンモニア水3.6g、脱イオン水3.6gを滴下ロート(2)に入れた。反応容器を65℃に昇温して還流させながら、滴下ロート(1)および(2)から内容物を1時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、65℃で5時間保持してから、ラウリル硫酸ナトリウム(商品名「エマール0」、花王(株)製)の20%水溶液2.5gを添加し、さらに信越化学工業株式会社製3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」2.5gを10分間かけて添加した。その後、50℃で3時間加熱を行ってから、室温まで冷却することにより、微粒子表面をシランカップリング剤で処理したシリカ被覆有機顔料の分散体(ST−3)を得た。
得られた分散体(ST−3)に含有される微粒子を遠心分離により分散媒から分離し、得られた微粒子をイソプロピルアルコールで洗浄した後、50℃で24時間真空乾燥することにより、粒子表面をシランカップリング剤で処理したシリカ被覆有機顔料の粉体(DT−3)を得た。
得られたシリカ被覆有機顔料の粉体(DT−3)10.0部、旭化成ファインケム株式会社製ビニルスルフォン酸「VSA−H」(スルフォン酸ビニルの脱金属率が95%以上である市販品)1.0部、イソプロピルアルコール89.0部を250mlのポリビンに入れたのちに直径1.2mmのジルコニアビーズ160gを添加してペイントコンディショナ−で2時間分散処理した。得られた分散液を80℃に加熱撹拌しながらウシオ電機株式会社製スポットキュアSP−9を用いて1000mW/cmの条件で4時間処理した。得られた処理液はヌッチェを用いて固形分を分離、500gの熱湯に処理着色剤を添加して1時間攪拌後ヌッチェを用いて分離、次に500gのエチルアルコールに処理着色剤を添加して1時間攪拌後ヌッチェを用いて分離し、60℃に加温した減圧乾燥機に入れて12時間乾燥して着色剤(VT−3)を得た。
(実施例1 白色ミルベース(1)の製造例)
得られた表面処理着色剤(VT−1)40部、ルーブリゾール製の高分子顔料分散剤「ソルスパーズ 39000」6部、積水化学工業社製のブチラール樹脂「エスレックBL−1」10部、メチルエチルケトン44部をビーズミルで2時間処理してミルベース(1)を作製した。
(実施例2 黒色ミルベース(2)の製造例)
得られた表面処理着色剤(VT−2)14部、ルーブリゾール製の高分子顔料分散剤「ソルスパーズ 39000」6部、積水化学工業社製のブチラール樹脂「エスレックBL−1」10部、メチルエチルケトン70部をビーズミルで2時間処理してミルベース(2)を作製した。
(実施例3 マゼンタ色ミルベース(3)の製造例)
得られた表面処理着色剤(VT−3)10部、ルーブリゾール製の高分子顔料分散剤「ソルスパーズ 39000」6部、積水化学工業社製のブチラール樹脂「エスレックBL−1」10部、メチルエチルケトン74部をビーズミルで2時間処理してミルベース(3)を作製した。
(比較例1 白色ミルベース(H1)の製造例)
テイカ株式会社製「TITANIX JR−806」40部、ルーブリゾール製の高分子顔料分散剤「ソルスパーズ 39000」6部、積水化学工業社製のブチラール樹脂「エスレックBL−1」10部、メチルエチルケトン44部をビーズミルで2時間処理してミルベース(H1)を作製した。
(比較例2 黒色ミルベース(H2)の製造例)
三菱化学社製カーボンブラック「#45L」14部、ルーブリゾール製の高分子顔料分散剤「ソルスパーズ 39000」6部、積水化学工業社製のブチラール樹脂「エスレックBL−1」10部、メチルエチルケトン70部をビーズミルで2時間処理してミルベース(H1)を作製した。
(比較例3 マゼンタ色ミルベース(H3)の製造例)
DIC株式会社製「Fastogen Super Magenta RG」10.0部、ルーブリゾール製の高分子顔料分散剤「ソルスパーズ 39000」6部、積水化学工業社製のブチラール樹脂「エスレックBL−1」10部、メチルエチルケトン74部をビーズミルで2時間処理してミルベース(3)を作製した。
(実施例4 インクジェットプリンタ用白色インク(1)の製造方法)
得られた白色ミルベース(1)20.2部にエスレックBL−1を0.8部、ダイヤナールBR−113(三菱レーヨン社製アクリル樹脂)を3部、ベッカサイトP−720(大日本インキ化学工業社製ロジンマレイン酸樹脂)を4.0部、導電性付与剤としてボントロンP−51(オリエント化学社製ナフトールスルフォン酸の第4級アンモニウム塩)2.0部、メチルエチルケトン60.0部、メタノール20.0部を加え、十分に攪拌、溶解した後、5.0μmのメンブランフィルターでろ過することによってインクジェットプリンタ用白色インク(1)を得た。
(実施例5 インクジェットプリンタ用黒色インク(2)の製造方法)
ミルベースとして黒色ミルベース(2)を使用した以外は実施例4と同様にして、実施例用のインクジェットプリンタ用黒色インク(2)を得た。
(実施例6 インクジェットプリンタ用マゼンタ色インク(3)の製造方法)
ミルベースとしてマゼンタ色ミルベース(3)を使用した以外は実施例4と同様にして、実施例用のインクジェットプリンタ用マゼンタ色インク(3)を得た。
(比較例4 インクジェットプリンタ用白色インク(H1)の製造方法)
ミルベースとして白色ミルベース(H1)を使用した以外は実施例4と同様にして、実施例用のインクジェットプリンタ用白色インク(H1)を得た。
(比較例5 インクジェットプリンタ用黒色インク(H2)の製造方法)
ミルベースとして黒色ミルベース(H2)を使用した以外は実施例4と同様にして、実施例用のインクジェットプリンタ用黒色インク(H2)を得た。
(比較例6 インクジェットプリンタ用マゼンタ色インク(H3)の製造方法)
ミルベースとしてマゼンタ色ミルベース(H3)を使用した以外は実施例4と同様にして、実施例用のインクジェットプリンタ用マゼンタ色インク(H3)を得た。
(物性測定方法)
前記インクジェットプリンタ用インク(1)、(2)、(3)、(H1)、(H2)、(H3)の物性として、粘度を測定した。測定方法を示す。
[粘度]
東機産業社製粘度測定器:TVE−20Lにて、20℃における粘度を測定した。測定回転数は、50rpm/mimとした。なお、本発明の実施例で使用したインクジェット印刷評価装置にて安定に印刷する為に着色組成物の粘度を2〜5mPa・secの間に調整した。
(インクジェットプリンタ用インクとしての評価)
前記インクジェットプリンタ用インク(1)、(2)、(3)、(H1)、(H2)、(H3)をコンティニュアス用インクジェットプリンタ用インクとして、インクジェット印刷したときの印刷被膜の特性は以下のように行った。
[インクジェット記録方法]
日立製作所社製コンティニュアスジェットプリンタ「IJプリンタHX−P型」を使用して、12×16ドットのベタ文字パターンを7文字、50回白色PETフィルムに印刷し試料とした。
[吐出安定性]
試料に印刷された67200ドット中で所定の位置に着弾されなかった粒子数の割合を算出し、このドット抜け率より粒子化安定性の評価を行った。
[耐摩耗性:不織布こすり試験]
耐摩耗性用評価板上の硬化塗膜を、旭化成製不織布にて1000g荷重にて擦り試験を行い、表面の傷つき状態を目視で下記の基準で3段階評価した。
○:傷がつかない △:わずかに傷がつく ×:傷が付く
[接着性:クロスカットテープ剥離試験]
接着性用評価板上の硬化塗膜に、5×5の25マス様にカッターナイフで切り込みを入れた後、ニチバン製セロハンテープを貼り付け、10回程爪で擦りつけた。次いで、剥離速度約1cm/secの速度にて勢い良くテープを剥がし、塗膜の残ったマス目の数を確認した。尚、下記の基準で3段階評価した。
5:25〜21マス 4:20〜16マス 3:15〜11マス 2:10マス〜6マス 1:5マス以下
[保存安定性]
前記インクジェットプリンタ用インク(1)、(2)、(3)、(H1)、(H2)、(H3)15mlをガラス容器に入れ、恒温槽内にて60℃で4週間静置保存した。静置保存前の組成物(インク)の粘度と静置保存後の粘度を比較し、その変化率を、下記式により求めた。粘度の測定方法は、前述の粘度物性測定方法に準じた。
Figure 2016079241
尚、インクジェットヘッドからのインク吐出適正から考慮し、吐出適正に悪影響を与えない粘度変化率10%以内を合格とした。
結果を表1に示す。
Figure 2016079241


この結果、実施例で得た前記インクジェットプリンタ用インク(1)〜(3)は、保存安定性に優れていた。また吐出安定性が高くインクジェットプリンタ用インクとしての優れた適正を示した。
これに対し、比較例のインクジェットプリンタ用インクは60℃・4週間静置で沈降した。またいずれも耐摩耗性に劣る結果となった。

Claims (4)

  1. 着色剤、皮膜形成性樹脂、導電性付与剤、及び有機溶剤を含有するインクジェットプリンタ用インクであって、前記着色剤として、顔料表面に一般式(1)で表される化合物を反応させた表面処理顔料を使用することを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
    Figure 2016079241

    (1)
  2. 前記顔料が表面に水酸基またはシラノール基を有する顔料である請求項1に記載のインクジェットプリンタ用インク。
  3. 前記顔料がシリカとアルミナで表面処理された酸化チタンである請求項2に記載のインクジェットプリンタ用インク。
  4. コンティニュアス方式で使用する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用インク。
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