JP2016079067A - セラミック構造体並びにその製造方法及び装置 - Google Patents

セラミック構造体並びにその製造方法及び装置 Download PDF

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祐基 藤田
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Abstract

【課題】多孔質セラミック部材の直角度にずれがある場合にも、複数の多孔質セラミック部材を結束する接着層の厚さが均一であるようにする。【解決手段】多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材20が接着層を介して複数個結束されたセラミック構造体であって、多孔質セラミック部材20間に、多孔質セラミック部材20の第1の側面20aに形成され、第1の側面20aに対向する第1の平面25aを規定する複数の第1のスペーサ18と、多孔質セラミック部材20の第2の側面20bに形成され、第2の側面20bに対向し、前記第1の平面に直交する第2の平面25bを規定する複数の第2のスペーサ19とを含み、多孔質セラミック部材20は前記第1の平面25a及び第2の平面25bからそれぞれ所定の高さを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関から排出される排気ガス中のパティキュレート等を除去するフィルタとして用いられるセラミック構造体並びにその製造方法及び装置に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。この排気ガスに多孔質セラミックを通過させ、排気ガス中のパティキュレートを捕集して、排気ガスを浄化することができるセラミックフィルタが種々提案されている。
これらのセラミックフィルタを構成する多孔質セラミック部材は、通常、一方向に多数の貫通孔が並設され、貫通孔同士を隔てる隔壁がフィルタとして機能するようになっている。すなわち、多孔質セラミック部材に形成された貫通孔は、排気ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材により目封じされ、一の貫通孔に流入した排気ガスは、必ず貫通孔を隔てる隔壁を通過した後、他の貫通孔から流出するようになっており、排気ガスがこの隔壁を通過する際、パティキュレートが隔壁部分で捕捉され、排気ガスが浄化される。
従来、このようなセラミックフィルタとして機能するセラミック構造体を製造する際には、まず、セラミック粉末とバインダーと分散媒液等とを混合してセラミック成形体作製用の混合組成物を調製した後、この混合組成物の押出成形等を行うことにより、セラミック成形体を作製する。
次に、得られたセラミック成形体を乾燥させた後、セラミック成形体中のバインダー等を熱分解させる脱脂工程及びセラミックの焼成を行う焼成工程を経て、多孔質セラミック部材を製造する。
そして、接着層を介してこれらの多孔質セラミック部材を複数結束させてセラミックブロックを形成し、このセラミックブロックを所定の形状に切削し、その外周部分にシール体を設けることでセラミック構造体を製造していた。
接着層を介して前記多孔質セラミック部材を複数結束させる工程においては、多孔質セラミック部材間にスペーサを挟持することにより、結束する複数のセラミック部材の間隔を一定に保つ技術が提供されている(下記特許文献1を参照)。また、多孔質セラミック部材にスペーサが搭載された後のスペーサ上面の平面度が高くなるように、高さ基準治具を用いて位置決めし、非固化状態のスペーサ形成剤を固化させて所定高さのスペーサを形成する技術が提供されている(下記特許文献2を参照)。
特開2002−102627号公報 国際公報第09/019927号
しかしながら、図1に示すように、多孔質セラミック部材間にスペーサを挟持する技術では、多孔質セラミック部材20のスペーサ搭載面20aにおける平面度が低い場合、各スペーサ13の上面によって規定される平面101の平面度も低くなっていた。
図1には、平面度の低い場合として、図1(a)に多孔質セラミック部材20の長手方向に反りがある場合の側面図、図1(b)に多孔質セラミック部材20のスペーサ搭載面20aが凸型に隆起した場合の正面図、図1(c)に多孔質セラミック部材20のスペーサ搭載面20aが凹型に陥没した場合の正面図を示している。図1(d)は、図1(c)のスペーサ搭載面20aが凹型に陥没した場合のスペーサ13付近の拡大図である。
図1(d)に示すように、スペーサ搭載面20aの平面度が低いと、スペーサ搭載面20aに平行なスペーサ13の上面によって規定される平面101の平面度も低くなっていた。このため、平面度の低いスペーサ搭載面20aに平行に隣接する多孔質セラミック部材20が搭載され、完成したセラミック構造体の接着層の厚さにばらつきが生じることがあった。
一方、所定の高さ基準治具を用いて非固化状態のスペーサ形成剤を固化させて多孔質セラミック部材20にスペーサを形成する技術においては、図2に示すように、多孔質セラミック部材20のスペーサ搭載面20aに一定の高さLの上面を有するスペーサ15を形成することができた。
図2(a)に多孔質セラミック部材20の長手方向に反りがある場合の側面図、図2(b)に多孔質セラミック部材20のスペーサ搭載面20aが凸型に隆起した場合の正面図、図2(c)に多孔質セラミック部材20のスペーサ搭載面20aが凹型に陥没した場合の正面図を示している。図2(d)は、図2(c)のスペーサ搭載面20aが凹型に陥没した場合のスペーサ15付近の拡大図である。
図2(a)〜(c)に示すいずれの場合にも、スペーサ15の上面によって規定される平面103の平面度は高く、多孔質セラミック部材20を含むスペーサ15の上面の高さLは一定に保たれている。この場合、図2(d)に示すように、平面度の低いスペーサ搭載面20aに関わらず、スペーサ15の上面によって規定される平面の平面度は高く保たれている。
しかしながら、多孔質セラミック部材20の直角度にずれがある場合、すなわち、多孔質セラミック部材20のスペーサ搭載面20aとこのスペーサ搭載面20aに隣接する側面とが直交しない場合には、完成したセラミック構造体の接着層の厚さにばらつきが生じることがあった。
このように、セラミック構造体の接着層に厚さばらつきが存在すると、その厚さが薄い部分では、該部分を挟持している多孔質セラミック部材20間の熱伝導がよくなり、一方、その厚さが厚い部分では、該部分を挟持している多孔質セラミック部材20間の熱伝導が悪くなる。そのため、製造したセラミック構造体に加熱、冷却が繰り返されると、セラミック構造体内の温度の不均一に起因してセラミック構造体内に熱応力が発生し、クラックが生じてしまうことがあった。また、接着層が薄い部分は、その接着力が弱く、多孔質セラミック部材20間の接着力に差が生じ、セラミック構造体が破損しやすかった。
この発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、多孔質セラミック部材の直角度にずれがある場合にも、複数の多孔質セラミック部材を結束する接着層の厚さが均一となるセラミック構造体並びにその製造方法及び装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明のセラミック構造体は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されたセラミック構造体であって、前記多孔質セラミック部材間に、前記多孔質セラミック部材の第1の側面に形成され、前記第1の側面に対向する第1の平面を規定する複数の第1のスペーサと、前記多孔質セラミック部材の第2の側面に形成され、前記第2の側面に対向し、前記第1の平面に直交する第2の平面を規定する複数の第2のスペーサとを含むものである。
このようにすることで、多孔質セラミック部材の直角度が低い場合においても、第1の平面と第2の平面が直行しているため、垂直に多孔質セラミック部材を組み上げることができ、接着層の厚さが均一なセラミック構造体となる。そのため、接着層による熱伝達や接着強度のバラつきが小さくなり、破損を防ぐことが可能となる。
本発明のセラミック構造体においては、上記スペーサの高さが0.2〜1.5mmであることが望ましい。スペーサの高さを0.2〜1.5mmとすることで、多孔質セラミック部材の反りなどの変形や直角度のずれを、接着層で吸収しやすくなる。なお、スペーサの高さとは、多孔質セラミック部材の第1および第2の側面におけるスペーサが形成された部分から、第1および第2の平面までの距離に相当する。
本発明のセラミック構造体においては、上記第1及び第2のスペーサは、上記第1及び第2の側面にそれぞれ4カ所以上形成されていることが望ましい。多孔質セラミック部材を積み重ねたときに、対向するセラミック部材が上記平面内に入ることを防ぐことができる。
本発明のセラミック構造体においては、前記多孔質セラミック部材が前記第1及び第2の平面の法線方向に積み重ねられていることが望ましい。第1及び第2の平面の法線方向に積み上げることで、積み上げたあとの多孔質セラミック部材の集合体の形状を狙いの形状にすることができる。
本発明のセラミック構造体の製造方法は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されたセラミック構造体の製造方法であって、前記多孔質セラミック部材の第1の側面に、前記第1の側面に対向する第1の平面を規定する複数の第1のスペーサを形成するとともに、前記多孔質セラミック部材の第2の側面に、前記第2の側面に対向し、前記第1の平面に直交する第2の平面を規定する複数の第2のスペーサを形成する工程を含むものである。
このような製造方法とすることで、多孔質セラミック部材に反りなどの変形や直角度のずれがあっても、第1の側面および第2の側面に対抗するようにスペーサを介して直行する仮想的な第1および第2の平面を作ることができる。そのため、均一な接着層の厚みのセラミック構造体を得ることが可能となる。
本発明のセラミック構造体の製造方法は、前記複数の第1及び第2のスペーサを形成する工程は、前記第1及び第2の側面に複数の第1及び第2のペーストを供給する工程と、前記第1及び第2の側面に対向する第1及び第2の基準面にて前記第1及び第2の平面を設定するとともに前記複数の第1及び第2のペーストを固化させて前記複数の第1及び第2のスペーサを形成する工程とを含んでいることが望ましい。厚みが可変なペーストの状態で供給することで、スペーサの高さを合わせることが容易となる。
本発明のセラミック構造体の製造方法は、前記複数の第1及び第2のペーストを固化させる工程は、前記複数の第1及び第2のペーストを熱硬化させることが望ましい。短時間でペーストを固化することが可能となる。
前記複数の第1及び第2のペーストを供給する工程は、前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材に上方から供給することが望ましい。ペーストがだれて、スペーサの厚みが狙いより薄くなることを防ぐことができる。
本発明のセラミック構造体の製造方法は、前記複数の第1及び第2のペーストを固化させる工程は、前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材に対し、第1及び第2の基準面を上方から近づけることが望ましい。ペーストがだれて、スペーサの厚みが狙いより薄くなることを防ぐことができる。
本発明のセラミック構造体の製造方法は、前記複数の第1及び第2のペーストを固化させる工程は、前記第1及び第2の側面が下向きになるように前記多孔質セラミック部材を回転する工程と、前記第1及び第2の側面を下向きにした前記多孔質セラミック部材に対し第1及び第2の基準面を下方から近づけることが望ましい。
本発明のセラミック構造体の製造方法は、前記第1及び第2のスペーサを形成した前記多孔質セラミック部材を前記第1及び第2の平面の法線方向に積み重ねて結束することが望ましい。接着層の厚みが均一で垂直方向に積み重ねることができる。
本発明のセラミック構造体の製造装置は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されたセラミック構造体の製造装置であって、前記多孔質セラミック部材の第1及び第2の側面に供給された複数の第1及び第2のペーストが固化されて形成された複数の第1及び第2のスペーサが互いに直交する第1及び第2の面を規定するように、前記複数の第1及び第2のペーストに当接させる互いに直交する第1及び第2の基準面を提供する基準面提供手段を含むものである。
直行する第1及び第2の基準面提供手段をもつ製造装置を用いることで、多孔質セラミック部材に反りなどの変形や直角度のずれがあっても、第1の側面および第2の側面に対抗するようにスペーサを介して直行する仮想的な第1および第2の平面を作ることができる。そのため、均一な接着層の厚みのセラミック構造体を得ることが可能となる。
本発明の製造装置は、前記基準面提供手段には、前記複数の第1及び第2のペーストを熱硬化させるヒータが設けられることが望ましい。ヒータにより短時間でペーストを固化することが可能となる。
本発明の製造装置は、前記多孔質セラミック部材の前記第1及び第2の側面に複数の第1及び第2のペーストを供給するペースト供給手段を含むことが望ましい。ペースト供給手段によりペーストの供給が容易になる。
本発明の製造装置は、前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材を支持する支持手段をさらに含み、前記基準面提供手段は、前記ペースト供給手段により前記複数の第1及び第2のペーストが搭載された前記第1及び第2の側面に上方から前記第1及び第2の基準面を近づけることが望ましい。多孔質セラミック部材を固定したままスペーサを固化することができるため、ずれを防止できる。
本発明の製造装置は、前記支持手段と前記基準面提供手段との最小間隔を設定する間隔設定手段をさらに含んでいることが望ましい。間隔設定手段により狙いのスペーサ高さとすることが可能となる。
本発明の製造装置は、前記多孔質セラミック部材を把持する把持手段をさらに含み、前記把持手段は、前記第1及び第2の側面を下向きにした前記多孔質セラミック部材を、前記第1及び第2の基準面を上向きにして下方に設置した前記基準面提供手段に近づけていることが望ましい。支持手段が不要となり、簡易な装置とすることができる。
本発明の製造装置は、前記把持手段は、前記ペースト供給手段により前記第1及び第2のペーストが供給された前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材を把持し、前記第1及び第2の側面が下向きになるように回転した後、前記基準面提供手段に近づけていることが望ましい。支持手段が不要となり、簡易な装置とすることができる。
本発明によると、多孔質セラミック部材の直角度にずれがある場合にも複数の多孔質セラミック部材を結束する接着層の厚さが均一であるため、多孔質セラミック部材間の熱伝達が均一で、破損等が発生しにくいようにすることができる。また、簡単な製造方法、製造装置で、きれいに組み上げることができる。
特許文献1に記載された技術を説明する図である。 特許文献2に記載された技術を説明する図である。 セラミック構造体の実施態様を模式的に示した斜視図である。 (a)はセラミック構造体を構成するスペーサが設けられた多孔質セラミック部材を模式的に示した斜視図であり、(b)はそのA−A線断面図である。 セラミック構造体を構成する多孔質セラミック部材の第1及び第2の側面に形成された複数の第1及び第2のスペーサによってそれぞれ規定される第1及び第2の平面を示す斜視図である。 セラミック部材にペーストを供給するペースト供給装置を示す図である。 (a)セラミック部材の側面への複数の第1及び第2のスペーサを形成するスペーサ形成装置を説明する図である。(b)間隔設定手段を説明する図である。 多孔質セラミック部材によるセラミック構造体の組み立てを説明する図である。 他のスペーサ形成装置の構成を示す図である。
以下、この発明に係るセラミック構造体並びにその製造方法及び装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図3(a)、(b)は、セラミック構造体の実施形態を模式的に示した斜視図であり、図4(a)は、セラミック構造体を構成する多孔質セラミック部材を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。また、図5は、セラミック構造体を構成する多孔質セラミック部材の第1及び第2の側面に対向する第1及び第2の平面の様子を示す斜視図である。
図4に示したように、セラミック構造体を構成する多孔質セラミック部材20には、多数の貫通孔21が形成されており、これら貫通孔21を有する多孔質セラミック部材20の一端部は、市松模様に充填材22が充填されている。また、図示しない他の端部においては、一端部に充填材が充填されていない貫通孔21に充填材が充填されている。
図3(a)は、図4に示した多孔質セラミック部材20を複数個結束させたセラミック構造体10を示しており、図3(b)は図3(a)に示した多孔質セラミック部材20複数個結束されたセラミック構造体10の外周を円柱状に加工したセラミック構造体10’を示している。また、図3(a)、(b)においては、多孔質セラミック部材20に形成された貫通孔21を省略している。
セラミック構造体10では、多孔質セラミック部材20が接着層11を介して複数個結束されており、この接着層11中には、図5に示したように、第1の側面20aに、この第1の側面20aに対向する第1の平面25aを規定する複数の第1のスペーサ18が設けられ、第1の側面20aに隣接する第2の側面20bに、この第2の側面20bに対向し、第1の平面25aに直交する第2の平面25bを規定する複数の第2のスペーサ19が設けられている。これら複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19は、第1の平面25a及び第2の平面25bを基準として多孔質セラミック部材20がそれぞれ所定の高さになるように形成されている。
そして、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19は、第1の平面25a及び第2の平面25bの法線方向にそれぞれ隣接する多孔質セラミック部材20に挟持されている。また、この接着層11、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19を介して複数個結束された多孔質セラミック部材20の外周部は図3(b)のように全体が円柱状に加工され、シール材12がコーティングされてセラミック構造体10’が形成されている。上記セラミック構造体10の形状は特に限定されず、図3(a)のような角柱形状でも図3(b)のような円柱形状でも、その他楕円柱形状などでも構わない。
このセラミック構造体10を構成する多数の貫通孔21は、図4(b)に示したように、いずれか一端部のみに充填材22が充填されているため、開口している一の貫通孔21の一端部より流入した排気ガスは、隣接する貫通孔21との間を隔てる多孔質の隔壁23を必ず通過し、他の貫通孔21を通って流出する。そして、排気ガスが隔壁23を通過する際に、排気ガス中のパティキュレートが隔壁23に捕捉されることになる。
複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19は、多孔質セラミック部材20の側面の平面度が低かったり、多孔質セラミック部材20の角柱状の隣接する側面の直角度にズレがあったりする場合にも、多孔質セラミック部材20の間隔を保持するために設けられているものであり、後述するペースト供給装置60からペーストとして供給し、スペーサ形成装置において固化して形成できるものであればよく、その材質としては特に限定されず、例えば、無機物質、樹脂等を挙げることができるが、セラミック構造体10を使用した際の加熱により分解、除去されないものが好ましい。分解、除去される際に発生するガスにより、接着層11が腐食されることを防止するためである。ただし、加熱により、分解、除去されたとしても、腐食性のガスが発生しないものであれば使用することができる。
複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19の形状としては、多孔質セラミック部材20を保持することができる形状であれば特に限定されず、図5に示したような円柱状であってもよく、角柱状であってもよい。
また、そのサイズとしては、例えば、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19が円柱状である場合、厚さは0.2〜1.5mmであることが好ましい。厚さが0.2mm未満であると、接着層11が薄くなりすぎ、多孔質セラミック部材20の側面の平面度が低かったり、多孔質セラミック部材20の角柱状の隣接する側面の直角度にズレがあったりする場合に、所定の間隔を確保することができず、また、欠け等が発生する場合がある。一方、1.5mmを超えると、接着層11が厚くなりすぎ、多孔質セラミック部材20間の熱伝達が悪化してしまう。具体的には、後述するスペーサ形成装置によって、第1の側面20a及び第2の側面20bを基準として多孔質セラミック部材20が所定の高さになるように、このようなサイズの範囲内において形成される。
複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19の直径は3.0〜10.0mmであることが好ましい。直径が3.0mm未満であると、取り扱い性に劣り、また、多孔質セラミック部材20の間隔を保持しきれない場合がある。一方、10.0mmを超えると、接着層11の接着強度が低下してしまい、また、このように大きな直径の複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19が、分解、除去された場合、抜け跡が大きく、接着層11に隙間が生じたり、接着強度等が低下したりすることにつながる。
セラミック構造体10を構成する多孔質セラミック部材20の材質は特に限定されず、種々のセラミックが挙げられるが、これらのなかでは、耐熱性が高く、機械的特性に優れ、かつ、熱伝導率も大きい炭化珪素が好ましい。
また、これらの多孔質セラミック部材20は、平均気孔径が1〜40μmの開放気孔を有するものが好ましく、このような構造の多孔質セラミック部材20は、例えば、0.3〜50μm程度の平均粒径を有する炭化珪素粉末100重量部と0.1〜1.0μm程度の平均粒径を有する炭化珪素粉末5〜65重量部とを組み合わせたものを原料として、焼成し、焼結させたものが好ましい。また、シール材12を構成する材料も特に限定されるものではないが、無機粒子、無機繊維、無機バインダー等の耐熱性の材料を含むものが好ましい。シール材12は、後述する接着層11と同じ材料により構成されていてもよい。
接着層11を構成する材料は特に限定されず、例えば、無機バインダー、有機バインダー、無機繊維及び無機粒子からなるものを挙げることができる。
上記無機バインダーとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、シリカゾルが好ましい。
上記有機バインダーとしては、例えば、親水性有機高分子が望ましく、特に多糖類が望ましい。具体的には、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらのなかでは、カルボキシメチルセルロースが好ましい。多孔質セラミック部材20の組み上げ時の流動性を確保し、常温領域での優れた接着性を示すからである。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナセラミックファイバー、ムライトファイバー、アルミナファイバー及びシリカファイバー等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナファイバーが好ましい。このような無機繊維は、無機バインダーや有機バインダー等と絡み合うことで、接着層11の接着強度を向上させることができる。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物及び/又は窒化物の無機粒子が望ましく、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素等が挙げられる。これらのなかでは、炭化珪素が好ましい。これらの炭化物や窒化物は、熱伝導率が非常に高く、接着層11の熱伝導率の向上に大きく寄与する。
また、接着層11中には、無機バインダー、有機バインダー、無機繊維及び無機粒子のほかに、少量の水分や溶剤等を含んでいてもよいが、このような水分や溶剤等は、通常、接着層ペーストを塗布した後の加熱等により殆ど飛散する。
上述の通り、セラミック構造体10は、該セラミック構造体10を構成する多孔質セラミック部材20間に第1の平面25aを規定する複数の第1のスペーサ18及び第1の平面25aに直交する第2の平面25bを規定する複数の第2のスペーサ19が挟持され、第1の平面25a及び第2の平面25bを基準とした多孔質セラミック部材20が所定の高さに設定されているため、直角が維持され、上記多孔質セラミック部材20間に形成した接着層11の厚さが均一なものとなる。従って、セラミック構造体10に接着層11の厚さばらつきに起因する熱伝達の不均一は発生せず、セラミック構造体10に加熱、冷却が繰り返されても、熱応力が発生してクラックが生じることがない。また、接着層11の接着力が均一なものとなるので、セラミック構造体10の接着強度も優れたものとなる。
さらに、セラミック構造体10を構成する多孔質セラミック部材20が反りを有するなど複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19を搭載する第1の側面20a及び第2の側面20bの平面度が低かったり、第1の側面20a及び第2の側面20bの形成する直角度にズレがあったりする場合であっても、一定の範囲内であれば、上記複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19が、多孔質セラミック部材20の間隔を一定に保持しているため、セラミック構造体10に欠けや熱伝達のばらつき等が生じることがない。また、全体として、複数の多孔質セラミック部材20をきれいに組み上げることができる。
次に、セラミック構造体の製造方法及び装置について説明する。セラミック構造体の製造方法は、上記セラミック構造体10の製造方法であって、多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bに複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19をそれぞれ形成した後、これらの第1の側面20a及び第2の側面20bに接着層11を形成し、他の多孔質セラミック部材20を積層する工程を繰り返して、セラミックブロックを組み上げる工程を含むものである。
初めに、セラミック成形体を作製する。この工程においては、セラミック粉末とバインダーと分散媒液とを混合して成形体作製用の混合組成物を調製した後、この混合組成物の押出成形を行うことにより、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体を作製し、この後、この成形体を乾燥させることにより分散媒液を蒸発させ、セラミック粉末と樹脂とを含むセラミック成形体を作製する。なお、このセラミック成形体には、少量の分散媒液が含まれていてもよい。
このセラミック成形体の外観の形状は、図4に示した多孔質セラミック部材20とほぼ同形状である。ただし、図4中の複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19は形成されていなない。なお、本工程では、充填材22に相当する部分は空洞となっている。
上記セラミック粉末としては、上述したセラミック構造体で説明した通り、種々のセラミックが挙げられるが、これらのなかでは、耐熱性が高く、機械的特性に優れ、かつ、熱伝導率も大きい炭化珪素が好ましい。
上記バインダーとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。上記バインダーの配合量は、通常、上記炭化珪素粉末100重量部に対して、1〜10重量部程度が好ましい。
上記分散媒液としては特に限定されず、例えば、ベンゼン等の有機溶媒;メタノール等のアルコール、水等を挙げることができる。上記分散媒液は、上記樹脂の粘度が一定範囲内となるように、適量配合される。
次に、封口工程として、作製されたセラミック成形体の上記貫通孔を充填ペーストにより封口パターン状に封口する工程を行う。この際には、セラミック成形体の貫通孔に、封口パターン状に開孔が形成されたマスクを当接し、充填ペーストを上記マスクの開孔から上記貫通孔に侵入させることにより、充填ペーストで一部の貫通孔を封口する。
上記充填ペーストとしては、セラミック成形体の製造の際に使用した混合組成物と同様のものか、又は、上記混合組成物にさらに分散媒を添加したものが好ましい。
次に、脱脂工程として、上記工程により作製されたセラミック成形体中の有機分を熱分解する工程を行う。この脱脂工程では、通常、上記セラミック成形体を脱脂用治具上に載置した後、脱脂炉に搬入し、酸素含有雰囲気下、400〜650℃に加熱する。これにより、バインダー等の有機分が揮散するとともに、分解、消失し、ほぼセラミック粉末のみが残留する。
次に、焼成工程として、脱脂したセラミック成形体を、焼成用治具上に載置して焼成する工程を行う。この焼成工程では、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、2000〜2200℃で脱脂したセラミック成形体を加熱し、セラミック粉末を焼結させることにより、図4(a)に示したような、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状の多孔質セラミック部材を製造する。
なお、脱脂工程から焼成工程に至る一連の工程では、焼成用治具上に上記セラミック成形体を載せ、そのまま、脱脂工程及び焼成工程を行うことが好ましい。脱脂工程及び焼成工程を効率的に行うことができ、また、載せ代え等において、セラミック成形体が傷つくのを防止することができるからである。
このようにして、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設され、上記隔壁がフィルタとして機能するように構成された多孔質セラミック部材20を製造した後、この多孔質セラミック部材20の結束工程を行う。
この多孔質セラミック部材20の結束工程においては、図6に示したように、ペースト供給装置60の二つのノズル61から同時にペースト17を供給して塗布することにより、ペースト17が多孔質セラミック部材20の上側を向いた第1の側面20a及び第2の側面20bの四隅の近くに搭載されるようにする。ここで、ペースト供給装置60のペースト17を供給するノズル61は二つに限らず、一つ以上であればよく、例えば4個又は8個であってもよい。
ペースト供給装置60の供給するペースト17は、上記セラミック構造体10において説明したようにペースト供給装置60からペースト17として供給でき、後述するスペーサ形成装置において固化して形成することができるものであればよく、具体例として無機粒子、無機繊維、無機バインダ、有機バインダの混合物を挙げることができる。また、このようなペースト17の搭載は、後述するスペーサ形成装置の支持装置30に多孔質セラミック部材20を載置した状態で行ってもよい。
次に、第1の側面20a及び第2の側面20bにペースト17を搭載した多孔質セラミック部材20をスペーサ形成装置で加工し、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19を形成する。このスペーサ形成装置は、セラミック構造体10を製造する製造装置を構成している。
図7(a)に示すように、スペーサ形成装置は、第1の側面20a及び第2の側面20bが上向きなるように多孔質セラミック部材20を支持する支持装置30を含んでいる。支持装置30は、第1の側面20aに対向する第3の側面20cを第1の支持面33で支持する第1の支持部31と、第2の側面20bに対向する第4の側面20dを支持する第2の支持面34を有する第2の支持部32とを含んでいる。
第1の支持面33及び第2の支持面34には、支持する多孔質セラミック部材20の表面を保護するように、それぞれ第1の保護層31a及び第2の保護層32aが形成されている。第1の保護層31a及び第2の保護層32aは、例えば樹脂により形成することができる。
また、スペーサ形成装置は、多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bに搭載されたペースト17をそれぞれ第1の平面25a及び第2の平面25bを規定する複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19に形成するペースト加工装置40を含んでいる。
ペースト加工装置40は、基礎部41、基礎部41から延びる複数の柱部42、柱部42によって支持される基準面提供部43を含んでいる。基準面提供部43は、多孔質セラミック部材20の第1の側面20aに対向する第1の基準面43a、多孔質セラミック部材20の第2の側面20bに対向する第2の基準面43bを有し、第1の基準面43a及び第2の基準面43bは互いに直交するようになされている。第1の基準面43a及び第2の基準面43bには、多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bに搭載されたペースト17に対応する位置にヒータ45が設けられている。
さらに、スペーサ形成装置は、支持装置30の上面とペースト加工装置40の下面との間に設置され、これらの間に所定の間隔を確保する間隔設定手段となり、ペースト加工装置40に基準位置を提供する基準位置提供部材50を含んでいる。図7(a)の一部拡大図である図7(b)を参照すると、基準位置提供部材50は、支持装置30の第2の支持部32の上面32bにその下面50aが接し、ペースト加工装置40の基準面提供部43の下面44aにその上面50bが接し、これら上面50b及び下面50aの間に所定距離を確保している。支持装置30の第1の支持部31の上面及びこれに対向するペースト加工装置40の下面についても同様である。
このような構成のスペーサ形成装置において、図7(a)に示すように、上向きの第1の側面20a及び第2の側面20bにペースト17が搭載された多孔質セラミック部材20が、第3の側面20cが第1の支持部31の第1の支持面33に対向し、第4の側面20dが第2の支持部32の第2の支持面34に対向する支持装置30の上に載置される。
支持装置30の上に多孔質セラミック部材20が載置された後、支持装置30及び多孔質セラミック部材20の上方から、第1の基準面43aに多孔質セラミック部材20の第1の側面20aが対向し、第2の基準面43bに多孔質セラミック部材20の第2の側面20bが対向するように、ペースト加工装置40が降下する。
そして、ペースト加工装置40の基準面提供部43の第1の基準面43aは、多孔質セラミック部材20の第1の側面20aに搭載されたペースト17に当接し、ペースト17の上面が、第1の側面20aに対向する第1の平面25aを規定するようにペースト17を形成する。同時に、ペースト加工装置40の基準面提供部43の第2の基準面43bは、多孔質セラミック部材20の第2の側面20bに搭載されたペースト17に当接し、ペースト17の上面が、第2の側面20bに対向し、第1の平面25aに直交する第2の平面25bを規定するようにペースト17を形成する。
ここで、支持装置30の上面及びペースト加工装置40の下面は、基準位置提供部材50によって適切な間隔が確保されている。これによって、ペースト加工装置40の第1の基準面43aと多孔質セラミック部材20を挟んで対向する第1の支持部31の第1の支持面33との間、同様にペースト加工装置40の第2の基準面43bと多孔質セラミック部材20を挟んで対向する第2の支持部32の第2の支持面34との間には、それぞれ所定の間隔が確保されている。
したがって、多孔質セラミック部材20は、第1の基準面43aに相当する第1の平面25a及び第2の基準面43bに相当する第2の平面25bから、それぞれ所定の高さが確保される。多孔質セラミック部材20の第1の平面25a及び第2の平面25bからの高さは、基準位置提供部材50の高さを変更し、支持装置30の上面とペースト加工装置40の下面との間隔を適切に調整することにより所望の値に設定することができる。
このように多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bに搭載され、第1の基準面43a及び第2の基準面43bにより第1の平面25a及び第2の平面25bが形成されたペースト17は、第1の基準面43a及び第2の基準面43bに設置されたヒータ45によって加熱され、固化して複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19とされる。
多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bにそれぞれ複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19が形成された後、ペースト加工装置40は上昇し、多孔質セラミック部材20及び支持装置30の上方は開放される。
続いて、多孔質セラミック部材20の上方の第1の側面20a及び第2の側面20bには、上記のセラミック構造体10において説明した接着剤のペーストを、例えば、刷毛、スキージ、ロール等を用いて印刷して、所定の厚さの接着層11を形成する。
このように第1の側面20aに複数の第1のスペーサ18及び接着層11を形成し、第2の側面20bに複数の第2のスペーサ19及び接着層11を形成した多孔質セラミック部材20を支持装置30から取出し、積層して結束する。
図8に示す断面が正方格子状に配置された面の組200において、多孔質セラミック部材20の複数の第1のスペーサ18の規定する第1の平面25aは図中の面203に相当し、多孔質セラミック部材20の複数の第2のスペーサ19の規定する第2の平面25bは図中の面204に相当し、これらの面203及び面204は互いに直交している。
また、第1の平面25aを基準とした多孔質セラミック部材20の高さは図中の面201に相当し、第2の平面25bを基準とした多孔質セラミック部材20の高さは図中の面202に相当する所定の値である。多孔質セラミック部材20の高さを規定する面201及び202は、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19の規定する第1の平面25a及び第2の平面25bに相当する面203及び204に平行である。
したがって、第1の側面20aに形成された複数の第1のスペーサ18によって規定される第1の平面25aの法線方向及び第2の側面20bに形成された複数の第2のスペーサ19によって規定される第2の平面25bの法線方向にそれぞれ多孔質セラミック部材20を積み重ねることで、図8の断面が正方形の枠内に多孔質セラミック部材20を収めることができるようになる。
このように、上記多孔質セラミック部材20を積層することにより、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19は、接着層11の中に埋没し、左右・上下の多孔質セラミック部材20により挟持されることとなる。そして、このような多孔質セラミック部材20の側面に接着層11を形成してから、他の多孔質セラミック部材20を積層する工程を繰り返して行い、所定の大きさの角柱状のセラミックブロックを作製する。
その後、このセラミックブロックを50〜100℃、1時間の条件で加熱して上記接着層11を乾燥、硬化させる。その後、必要に応じ、例えば、ダイヤモンドカッター等を用いて、その外周部を切削する。そして、その外周部に上述したシール材のペーストを塗布し、所定の厚さのシール材12を形成する。そして、このシール材12を乾燥させることにより、セラミック構造体10の製造を終了する。
以上説明した各工程を実施することで、接着層11の厚さにばらつきがなく、多孔質セラミック部材間の熱伝達が均一で、破損しにくいセラミック構造体10を製造することができる。また、多孔質セラミック部材20の側面の平面度が低かったり、多孔質セラミック部材20の角柱状の隣接する側面の直角度にズレがあったりする場合にも、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19が多孔質セラミック部材20間の間隔を一定に保持することができるので、欠けや破損等が発生しにくく、内部の熱伝導率が均一なセラミック構造体10を製造することができる。また、全体として、複数の多孔質セラミック部材20をきれいに組み上げることができる。
次に、図9を参照して、多孔質セラミック部材20の結束工程の他の実施の形態について説明する。この他の実施の形態においては、図示しない把持部によって、多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bを挟んで対向する正面及び背面(又は一端及び多端)を把持している。図9は多孔質セラミック部材20を正面から見た図であり、図中の多孔質セラミック部材20の正面には把持部によって把持されている把持領域105が示されている。
図9(a)に示すように、多孔質セラミック部材20は、第1の側面20a及び第2の側面20bが上側になるように把持部によって把持されている。この多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bに向けて図示しないペースト供給装置60のノズル61を近づけ、第1の側面20a及び第2の側面20bの四隅近くにそれぞれ所定量のペースト17を供給して塗布することにより搭載する。
把持部は、上向きの第1の側面20a及び第2の側面20bにペースト17が搭載されると、図9(b)に示すように、第1の側面20a及び第2の側面20bが下方を向き、ペースト加工装置40に対向するように多孔質セラミック部材20を反転させる。
このペースト加工装置40は、上下が逆になったことを除いて図7(a)に示したペースト加工装置40と同様の構成を有しているため、対応する部材には同様の符号を付している。ペースト加工装置40は、基礎部41、基礎部41から延びる複数の柱部42、柱部42によって支持される基準面提供部43を含んでいる。基準面提供部43は、多孔質セラミック部材20の第1の側面20aに対向する第1の基準面43a、多孔質セラミック部材20の第2の側面20bに対向する第2の基準面43bを有し、第1の基準面43a及び第2の基準面43bは互いに直交するようになされている。第1の基準面43a及び第2の基準面43bには、ヒータ47が設けられている。
図9(c)に示すように、把持部は、把持する多孔質セラミック部材20をペースト加工装置に向けて降下させる。そして、多孔質セラミック部材20の第1の側面20aが基準面提供部43の第1の基準面43aに対向し、第1の側面20aに搭載されたペースト17は第1の基準面43aに当接し、第2の側面20bが基準面提供部43の第2の基準面43bに対向し、第2の側面20bに搭載されたペースト17が第2の基準面43bに当接するようにする。さらに、第1の基準面43a及び第2の基準面43bを基準として多孔質セラミック部材20がそれぞれ所定の高さになるような位置に固定する。
この後、第1の基準面43a及び第2の基準面43bに設けられたヒータ47にて多孔質セラミック部材20の第1の側面20a及び第2の側面20bにそれぞれ搭載されたペースト17を固化させて複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19を形成する。
第1の基準面43a及び第2の基準面43bは直交しているため、これらに当接して形成された複数の第1のスペーサ18の上面によって規定される第1の平面25a及び複数の第2のスペーサ19の上面によって規定される第2の平面25bは互いに直交するようになされている。また、これら第1の平面25a及び第2の平面25bを基準とすると、多孔質セラミック部材20はそれぞれ所定の高さである。
把持部は、複数の第1のスペーサ18及び複数の第2のスペーサ19を形成した多孔質セラミック部材20をペースト加工装置40から上昇させて取り外す。以下、多孔質セラミック部材20を積み重ねてセラミック構造体を形成する工程は前述したとおりである。
このような多孔質セラミック部材20の結束工程の他の実施の形態によると、スペーサ加工装置の支持装置30及び基準位置提供部材50が不要となり装置構成が簡単になる。また、基準位置提供部材50による設定が不要となるので、多孔質セラミック部材20の高さの変更に機動的に対応することができる。
10 セラミック構造体
17 ペースト
18 複数の第1のスペーサ
19 複数の第2のスペーサ
20 多孔質セラミック部材
20a 第1の側面
20b 第2の側面
21 貫通孔
22 充填材
23 隔壁
25a 第1の平面
25b 第2の平面
30 支持装置
40 ペースト加工装置
50 基準位置提供部材
60 ペースト供給装置

Claims (18)

  1. 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されたセラミック構造体であって、前記多孔質セラミック部材間に、
    前記多孔質セラミック部材の第1の側面に形成され、前記第1の側面に対向する第1の平面を規定する複数の第1のスペーサと、
    前記多孔質セラミック部材の第2の側面に形成され、前記第2の側面に対向し、前記第1の平面に直交する第2の平面を規定する複数の第2のスペーサと
    を含むセラミック構造体。
  2. 前記スペーサの高さが0.2〜1.5mmである請求項1に記載のセラミック構造体。
  3. 前記第1及び第2のスペーサは、前記第1及び第2の側面にそれぞれ4カ所以上形成された請求項1又は2に記載のセラミック構造体。
  4. 前記多孔質セラミック部材が前記第1及び第2の平面の法線方向に積み重ねられてなる請求項1から3のいずれか一項に記載のセラミック構造体。
  5. 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されたセラミック構造体の製造方法であって、
    前記多孔質セラミック部材の第1の側面に、前記第1の側面に対向する第1の平面を規定する複数の第1のスペーサを形成するとともに、前記多孔質セラミック部材の第2の側面に、前記第2の側面に対向し、前記第1の平面に直交する第2の平面を規定する複数の第2のスペーサを形成する工程を含むセラミック構造体の製造方法。
  6. 前記複数の第1及び第2のスペーサを形成する工程は、
    前記第1及び第2の側面に複数の第1及び第2のペーストを供給する工程と、
    前記第1及び第2の側面に対向する第1及び第2の基準面にて前記第1及び第2の平面を設定するとともに前記複数の第1及び第2のペーストを固化させて前記複数の第1及び第2のスペーサを形成する工程と
    を含む請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記複数の第1及び第2のペーストを固化させる工程は、前記複数の第1及び第2のペーストを熱硬化させる請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記複数の第1及び第2のペーストを供給する工程は、前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材に上方から供給する請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記複数の第1及び第2のペーストを固化させる工程は、前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材に対し、第1及び第2の基準面を上方から近づける請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記複数の第1及び第2のペーストを固化させる工程は、
    前記第1及び第2の側面が下向きになるように前記多孔質セラミック部材を回転する工程と、
    前記第1及び第2の側面を下向きにした前記多孔質セラミック部材に対し第1及び第2の基準面を下方から近づける請求項8に記載の製造方法。
  11. 前記第1及び第2のスペーサを形成した前記多孔質セラミック部材を前記第1及び第2の平面の法線方向に積み重ねて結束する工程を含む請求項5から10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されたセラミック構造体の製造装置であって、
    前記多孔質セラミック部材の第1及び第2の側面に供給された複数の第1及び第2のペーストが固化されて形成された複数の第1及び第2のスペーサが互いに直交する第1及び第2の面を規定するように、前記複数の第1及び第2のペーストに当接させる互いに直交する第1及び第2の基準面を提供する基準面提供手段を含む
    セラミック構造体の製造装置。
  13. 前記基準面提供手段には、前記複数の第1及び第2のペーストを熱硬化させるヒータが設けられた請求項12記載の製造装置。
  14. 前記多孔質セラミック部材の前記第1及び第2の側面に複数の第1及び第2のペーストを供給するペースト供給手段を含むことを特徴とする請求項12又は13に記載の製造装置。
  15. 前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材を支持する支持手段をさらに含み、
    前記基準面提供手段は、前記ペースト供給手段により前記複数の第1及び第2のペーストが搭載された前記第1及び第2の側面に上方から前記第1及び第2の基準面を近づける請求項14に記載の製造装置。
  16. 前記支持手段と前記基準面提供手段との最小間隔を設定する間隔設定手段をさらに含む請求項15に記載の製造装置。
  17. 前記多孔質セラミック部材を把持する把持手段をさらに含み、
    前記把持手段は、前記第1及び第2の側面を下向きにした前記多孔質セラミック部材を、前記第1及び第2の基準面を上向きにして下方に設置した前記基準面提供手段に近づける請求項14に記載の製造装置。
  18. 前記把持手段は、前記ペースト供給手段により前記第1及び第2のペーストが供給された前記第1及び第2の側面を上向きにした前記多孔質セラミック部材を把持し、前記第1及び第2の側面が下向きになるように回転した後、前記基準面提供手段に近づける請求項17に記載の製造装置。
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