JP2016078486A - 鉄道車両 - Google Patents

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JP2016078486A
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泰洋 松田
Yasuhiro Matsuda
泰洋 松田
憲次郎 合田
Kenjiro Aida
憲次郎 合田
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Abstract

【課題】大型かつ高価な車体傾斜用アクチュエータを用いることなく車体を傾斜させ得る鉄道車両を提案する。【解決手段】曲面軌道を走行する台車と、台車に支持される支持構造体と、支持構造体に支持される機器室及び客室支持部材と、客室支持部材に傾斜可能に支持される客室と、客室を傾斜させる傾斜角度制御部とを備え、客室は、客室支持部材により支持されることにより、支持構造体により支持される機器室とは独立して設置され、傾斜角度制御部は、機器室から独立して設置される客室だけを傾斜させることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両に関し、特に曲線軌道を走行する鉄道車両に適用して好適なものである。
特許文献1には、曲線軌道を走行する際、乗心地を悪化させずに曲線軌道の通過速度を向上させる鉄道車両が開示されている。具体的には、台車枠上に支持される支持架台と、支持架台上部に配置され、車体傾斜中心を揺動する揺動部材と、支持架台と揺動部材との間に配置され、鉄道車両が曲線軌道を走行している際に車体を傾斜させる車体傾斜用アクチュエータとを備え、車体傾斜中心が車体重心よりも下である鉄道車両が開示されている。
この特許文献1によれば、車体傾斜中心を車体床面高さ程度に設定して、車体傾斜中心を車体重心よりも低く設定することにより、台車の曲線軌道内軌側の輪重減少を防止し、走行性能を向上させることができるとしている。
特許第3115503号公報
しかし特許文献1に記載の技術では、車体を傾斜させるための車体傾斜用アクチュエータが大型になる。また信頼性確保の観点から、頑丈な構造にするための費用がかかり、高価になる。従って大型かつ高価な車体傾斜用アクチュエータが必要になるという課題がある。
なお一般に鉄道車両は客室と機器室とが連結されており、機器室には空調装置等の各種機器が搭載されている。よって車体全体の重量は非常に大きくなる。そしてこの重量の大きい車体を傾斜させるためには、車体を可動させるために大きな駆動力が必要となり、上記の通り大型かつ高価な車体傾斜用アクチュエータが必要になる。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、大型かつ高価な車体傾斜用アクチュエータを用いることなく車体を傾斜させ得る鉄道車両を提案する。
かかる課題を解決するために、本発明においては、曲面軌道を走行する台車と、台車に支持される支持構造体と、支持構造体に支持される機器室及び客室支持部材と、客室支持部材に傾斜可能に支持される客室と、客室を傾斜させる傾斜角度制御部とを備え、客室は、客室支持部材により支持されることにより、支持構造体により支持される機器室とは独立して設置され、傾斜角度制御部は、機器室から独立して設置される客室だけを傾斜させることを特徴とする。
本発明によれば、大型かつ高価な車体傾斜用アクチュエータを用いることなく車体を傾斜させることができる。
第1の実施の形態における鉄道車両の側面構成図である。 第1の実施の形態における鉄道車両の断面構成図である。 第2の実施の形態における鉄道車両の側面構成図である。 第2の実施の形態における鉄道車両の断面構成図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
図1は、第1の実施の形態における鉄道車両100の側面構成を示す。鉄道車両100は、曲面軌道を走行する台車1と、台車1に支持される支持構造体2と、支持構造体2に支持される機器室3及び客室支持部材4と、客室支持部材4に支持される客室5とを備えて構成される。また支持構造体2と客室5との間には、傾斜角度制御部6を備える。
台車1に支持される支持構造体2は、図1に示すように側面から見ると凹形状を有する。凹形状を有することにより、客室支持部材4及び傾斜角度制御部6の実装空間を確保することができる。機器室3は、一般的な鉄道車両において客室5に連結されて設置される車両であり、車内には変圧器及び空調装置等を備える。
客室支持部材4は、コロ4a及び振子梁4bから構成されており、コロ4aが支持構造体2に支持され、振子梁4bは、コロ4aに対して変位可能に支持される。また客室5は、振子梁4bに支持される。客室5は、コロ4a及び振子梁4bにより、回転中心を揺動可能に支持される。なおコロ4aは例えばガイドベアリング等である。
傾斜角度制御部6は、客室5の傾斜角度を制御する機能を有し、具体的にはばね等の弾性体、ゴム等の粘弾性体、ダンパ等の減衰要素又はアクチュエータの何れか又はこれらの組み合わせにより構成される。
図2は、第1の実施の形態における鉄道車両100の断面構成を示す。具体的には図1のA−A断面構成図である。支持構造体2上にコロ4aが設置されており、コロ4a上に振子梁4bが設置されており、振子梁4b上に客室5が設置されていることを示す。
また図2の2点鎖線は、所定の傾斜角度だけ傾斜した状態の客室5を示す。本実施の形態においては、鉄道車両100が曲線軌道を走行すると、客室5には遠心力が作用する。そして客室5は、支持構造体2に対して所定の傾斜角度だけ傾斜する。なお客室5が傾斜した際、車両限界から逸脱しないためのストッパ(図示省略)が支持構造体2及び客室5の両方又は何れか一方に設置される。
以上のように本実施の形態における鉄道車両100によれば、客室支持部材4により客室5を変位可能に支持するようにしたので、曲線軌道走行時に客室5を傾斜させて、乗り心地が悪化することを防止することができる。また軽量な客室5だけを傾斜させればよいため、大型かつ高価な車体傾斜用アクチュエータを用いることなく客室5を傾斜させることができる。
また傾斜角度制御部6がアクチュエータを備えて構成される場合、小さい駆動力であっても客室5を傾斜させることができるため、傾斜角度制御部6の小型化、低コスト化及び省エネ化を実現することができる。
また機器室3を支持する支持構造体2とは異なる客室支持部材4により客室5を支持するようにしたので、客室5を機器室3から独立して設置する構造を得ることができる。よって機器室3内に設置される主変圧器及び空調装置等の振動や騒音が客室5に伝わり難くすることができ、客室5の快適性を向上させることができる。
また客室5はコロ4aと振子梁4bの部分で左右方向(曲線軌道に対して垂直方向)の変位が可能であり、曲線軌道走行時だけでなく直線軌道走行時であっても、支持構造体2が左右に振動した場合にはその振動を逃がすように左右に変位可能な構造を有するため、客室5の乗心地を向上させることができる。
(2)第2の実施の形態
第2の実施の形態では、支持構造体の一部が車体上部まで延在して形成される点及び客室支持部材が客室5の上部に設置される点で、第1の実施の形態と異なる。以下第2の実施の形態について、第1の実施の形態と同一の構成は同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成について説明する。
図3は、第2の実施の形態における鉄道車両100Aの側面構成を示す。台車1に支持される支持構造体2aは、一部が車体上部まで延在して形成される。そして延在した端部には振子軸受け4dが設置され、端部間には振子軸4cが懸架される。振子軸4c及び振子軸受け4dから構成される客室支持部材により、客室5が揺動可能に支持される。
図4は、第2の実施の形態における鉄道車両100Aの断面構成を示す。具体的には図3のB−B断面構成図である。支持構造体2aの上部に振子軸受け4dが設置されており、振子軸受け4d上に振子軸4cが設置されていることを示す。
以上のように本実施の形態における鉄道車両100Aによれば、第1の実施の形態と同様、軽量な客室5だけが傾斜する構造であるため、大型かつ高価な車体傾斜用アクチュエータを用いることなく客室5を傾斜させることができる。また第1の実施の形態と同様、傾斜角度制御部6の小型化、低コスト化及び省エネ化を図ることができる。
100 鉄道車両
1 台車
2 支持構造体
3 機器室
4 客室支持部材
5 客室
6 傾斜角度制御手段

Claims (5)

  1. 曲面軌道を走行する台車と、
    前記台車に支持される支持構造体と、
    前記支持構造体に支持される機器室及び客室支持部材と、
    前記客室支持部材に傾斜可能に支持される客室と、
    前記客室を傾斜させる傾斜角度制御部とを備え、
    前記客室は、前記客室支持部材により支持されることにより、前記支持構造体により支持される前記機器室とは独立して設置され、
    前記傾斜角度制御部は、前記機器室から独立して設置される前記客室だけを傾斜させる
    ことを特徴とする鉄道車両。
  2. 前記支持構造体は、凹形状を有し、
    前記支持構造体の凹形状の部分に前記客室が設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
  3. 前記客室支持部材は、前記支持構造体と前記客室との間に設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
  4. 前記客室支持部材は、前記客室の上部に設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
  5. 前記傾斜角度制御部は、
    弾性体、粘弾性体、減衰要素又はアクチュエータのうちの何れか又は全てを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
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