JP2016078477A - フィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法 - Google Patents

フィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016078477A
JP2016078477A JP2014208195A JP2014208195A JP2016078477A JP 2016078477 A JP2016078477 A JP 2016078477A JP 2014208195 A JP2014208195 A JP 2014208195A JP 2014208195 A JP2014208195 A JP 2014208195A JP 2016078477 A JP2016078477 A JP 2016078477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic oil
gravity tank
moisture
gas
fin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014208195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6479397B2 (ja
Inventor
矢野 昭彦
Akihiko Yano
昭彦 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2014208195A priority Critical patent/JP6479397B2/ja
Publication of JP2016078477A publication Critical patent/JP2016078477A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6479397B2 publication Critical patent/JP6479397B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】作動油中の水分濃度を効率良く低減でき、作動油に混入した水分に基づく不具合を防止できるフィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法を提供すること。【解決手段】本発明のフィンスタビライザは、船体11に設けられたフィンと、フィンの駆動軸12aを保持する転がり軸受13aと、転がり軸受13aに供給する作動油16を貯留する重力タンク21と、重力タンク21に設けられ乾燥気体を重力タンク21内に導入する気体導入管と、重力タンク21内に乾燥気体を供給する乾燥気体供給部31と、重力タンク21内の気体を排出する導入する気体排出管とを具備することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、作動油を用い、船体の横揺れを低減するフィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法に関する。
従来、船舶の横揺れを低減するフィンスタビライザが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このフィンスタビライザは、船底近傍の船体外板の両側に設けられたフィンの角度を変化させることにより、船体の横揺れを低減して安定させる。フィンは、駆動軸が船体内に設けられたハウジング内の転がり軸受によって回動可能に支持されている。このフィンスタビライザでは、船体内に設けられた重力タンクから供給した作動油としての鉱油でハウジング内を満たすことにより、フィンの駆動軸と転がり軸受との間を潤滑すると共に、フィンの駆動軸とハウジングとの間をシールしてハウジング内への海水の浸入を防いでいる。
特開2013−203205号公報
ところで、フィンスタビライザは、ハウジングとフィンの駆動軸との間をシールリングによってシールしているが、ハウジングとフィンの駆動軸との間から作動油内に海水が混入する場合がある。フィンスタビライザの作動油に海水が混入すると、転がり軸受の転がり面が水分で腐食し、面荒れによりフィンの回転トルクが上昇することが懸念される。このため、フィンスタビライザの作動油中の水分が混入した場合であっても、混入した水分を作動油中から効率良く除去できる技術が望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、作動油中の水分濃度を効率良く低減でき、作動油に混入した水分に基づく不具合を防止できるフィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法を提供することを目的とする。
本発明のフィンスタビライザは、船体に設けられたフィンと、前記フィンの駆動軸を保持する軸受と、前記軸受に供給する作動油を貯留する重力タンクと、前記重力タンクに設けられた気体導入管と、前記気体導入管を介して前記重力タンク内に乾燥気体を供給する乾燥気体供給部と、前記重力タンクに設けられ、前記重力タンク内の気体を排出する気体排出管と、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、ハウジング内に侵入した水分が作動油中に分散した場合であっても、水分が分散した作動油がハウジング内から重力タンク内に供給されるので、作動油中の水分が重力タンク内に導入された乾燥気体によって除去される。これにより、作動油の水分を効率良く除去でき、作動油に混入した水分に基づく不具合を防止できるフィンスタビライザを実現できる。
本発明のフィンスタビライザにおいては、前記ハウジング内の作動油の水分濃度を測定する水分測定装置と、前記水分測定装置によって測定した水分濃度に応じて前記ハウジング内から前記重力タンクに供給する作動油の流量を制御する制御装置と、を備えたことが好ましい。この構成により、ハウジング内の作動油の水分濃度に応じて重力タンクに供給する作動油の流量を制御できるので、作動油中の水分を効率良く除去することができる。
本発明のフィンスタビライザにおいては、前記乾燥気体供給部が、気体を脱水して乾燥気体を製造する水分除去装置を含むことが好ましい。この構成により、船体内で乾燥気体を製造することができるので、重力タンク内に供給する乾燥気体を効率良く得ることができる。
本発明のフィンスタビライザにおいては、前記重力タンク内の空間容積を第1空間、及び前記作動油を収容する側の第2空間に区分する仕切部材と、前記気体導入部は、前記第2空間に設けられ、前記気体排出管は、前記第1空間に設けられ、前記仕切部材は、前記第1空間と前記第2空間とを連通する開口を有することが好ましい。この構成により、気体導入管から導入された乾燥気体が、作動油の油面に近い第2空間を介して気体排出管に向けて流れるので、乾燥気体を作動油の油面の近傍に流すことが可能となる。これにより、フィンスタビライザは、重力タンク内に導入した乾燥気体に作動油中の水分を効率よく移行させて湿潤気体として排出できるので、作動油中に分散した水分を効率良く除去することが可能となる。
また、前記作動油が生分解性油を主成分とする場合に、本発明のフィンスタビライザを用いることが好ましい。水との親和性が高い生分解性油を作動油として用いる場合に、本発明のフィンスタビライザを用いることで生分解性油中に分散した水分を効率良く除去することが可能となる。なお、ここでの主成分とは、空気又は窒素によって生分解性油中の水分ができる濃度のことをいう。
さらに、前記作動油がエステル油を主成分とする場合に、本発明のフィンスタビライザを用いることが好ましい本発明のフィンスタビライザにおいては、前記生分解性油がエステル油を主成分とすることが好ましい。この構成により、水との親和性が高い生分解性油を作動油として用いる場合に、生分解性油中に分散した水分を効率良く除去することが可能となる。なお、ここでの主成分とは、空気又は窒素によってエステル油中の水分ができる濃度のことをいう。
本発明のフィンスタビライザの作動油の脱水方法は、フィンの駆動軸を保持する軸受が設けられたハウジング内の作動油を重力タンクに供給する工程と、前記重力タンク内に乾燥気体を供給して前記作動油中の水分を前記乾燥気体に吸湿させて湿潤気体として排出して前記作動油の水分濃度を低下させる工程と、前記重力タンク内の水分濃度が低下した前記作動油を前記ハウジング内に供給する工程とを含むことを特徴とする。
この方法によれば、ハウジング内に侵入した水分が作動油中に分散した場合であっても、水分が分散した作動油中がハウジング内から重力タンク内に供給されるので、作動油中の水分が重力タンク内に導入された乾燥気体によって除去される。これにより、作動油の水分を効率良く除去でき、作動油に混入した水分に基づく不具合を防止できるフィンスタビライザの作動油の脱水方法を実現できる。
本発明によれば、作動油中の水分濃度を効率良く低減でき、作動油に混入した水分に基づく不具合を防止できるフィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法を実現できる。
図1は、本発明の実施の形態に係るフィンスタビライザの模式的な斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るフィンスタビライザの概略図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るフィンスタビライザの作動油の脱水方法のフロー図である。 図4Aは、本発明の実施の形態に係る重力タンクの他の例を示す断面模式図である。 図4Bは、本発明の実施の形態に係る重力タンクの他の例を示す断面模式図である。 図5Aは、本発明の実施の形態に係る重力タンクの他の例の仕切板の平面模式図である。 図5Bは、本発明の実施の形態に係る重力タンクの他の例の仕切板の平面模式図である。 図5Cは、本発明の実施の形態に係る重力タンクの他の例の仕切板の平面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。また、以下の実施の形態は適宜組み合わせて実施可能である。また、各実施の形態において共通する構成要素には同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るフィンスタビライザ1の概要について簡単に説明する。図1は、本実施の形態に係るフィンスタビライザ1の模式的な斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るフィンスタビライザ1は、船体11の前方側からの水の流れに合わせてフィン12の角度を変えることにより船体11の横揺れを抑制する装置である。このフィンスタビライザ1は、船体11の船底近くの左右両側に設けられたフィン12を備える。このフィン12は、駆動軸12aがハウジング13の転がり軸受13a(図1において不図示、図2参照)に取り付けられる。これにより、フィン12は、駆動軸12aを中心にチルト回動することにより船体11の前方側からの水の流れに対して任意に角度を調整することが可能となる。
また、フィン12は、回動軸(チルトシリンダ)12bを中心として矢印Xの方向に回動可能にハウジング13に取り付けられる。このハウジング13は、船体内部から船体外部に亘り船体11に設けられたフィン格納部内を上下に貫通して回動可能に設置される。ハウジング13の船体内部に突出した上部には、引込レバー14が接続されている。このレバーには、油圧式のリギングシリンダ15が接続される。このリギングシリンダ15を伸縮することにより、フィン12が船舶の外側に張り出した状態でフィン12を船体11の前後方向に回動させて船体11の航行に応じて姿勢を変更できる。
次に、本実施の形態に係るフィンスタビライザ1の全体構成について詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係るフィンスタビライザ1の概略図である。図2に示すように、船体11には、内部に収容空間A1を有するハウジング13が設けられている。このハウジング13内には、フィン12の駆動軸12aをチルト回転可能に保持する転がり軸受13aが設けられている。また、ハウジング13には、フィン12の駆動軸12aとハウジング13との間をシールするスタビライザシール13bが設けられている。このスタビライザシール13bは、フィン12の駆動軸12aとスタビライザシール13bとの間に設けられた複数のシールリング13cを有する。この複数のシールリング13cは、駆動軸12aの外周面とスタビライザシール13bの内周面との間をシールする。このように複数のシールリング13cを設けることにより、ハウジング13外からハウジング13内への海水などの浸入を防ぐことが可能となる。なお、フィン12は、必ずしも転がり軸受13aに取り付ける必要はなく、各種軸受に取り付けることが可能である。
ハウジング13の収容空間A1内には、フィン12の駆動軸12aとスタビライザシール13bのシールリング13cとの間を潤滑する作動油16が封入される。このようにハウジング13内の収容空間A1内に作動油16を封入することにより、転がり軸受13aを潤滑して転がり面の面荒れによる駆動軸12aの回転トルクの上昇を防ぐことができると共に、ハウジング13外からハウジング13内への海水などの浸入を防ぐことができる。
作動油16としては、特に制限はなく、各種潤滑油を用いることが可能である。作動油16としては、例えば、合成エステル油などのエステル油、及びポリグリコールなどの各種生分解性油、鉱油などを用いることができる。これらの作動油16は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、船体11内には、ハウジング13内に供給する作動油を貯留する重力タンク21が設けられている。この重力タンク21は、例えば、海面から3m〜6mの位置に設けられる。このように重力タンク21を配置することにより、重力タンク21内に貯留された作動油16の圧力によって重力タンク21からハウジング13内に作動油を供給することが可能となる。
重力タンク21の底部21aとハウジング13の底部13dとの間には、重力タンク21内の作動油16をハウジング13の底部からハウジング13内に供給する供給ラインLが設けられている。供給ラインLには、供給ラインLを流れる作動油16の流量を制御する制御バルブV、Vが設けられている。このように、ハウジング13の底部からハウジング13内に作動油16を供給することにより、作動油16がハウジング13内に流入した際の作動油16の発泡を防ぐことができる。また、重力タンク21の底部には、重力タンク21内の作動油16を排出する排出ラインLが設けられている。排出ラインLには、排出ラインLを流れる作動油16の流量を制御するドレインバルブVが設けられている。
ハウジング13の底部13dと重力タンク21の側面21dの中央部との間には、ハウジング13内の作動油16を重力タンク21に供給する供給ラインLが設けられている。この供給ラインLには、ハウジング13内の作動油16を重力タンク21に向けて供給する作動油ポンプ32と、供給ラインLを流れる作動油16の流量を制御する制御バルブV、Vと、供給ラインLを流れる作動油16中の異物を除去するサクションフィルタ33とが設けられている。このように、ハウジング13の底部13dに設けた供給ラインLからハウジング13内の作動油16を抜き出すことにより、ハウジング13の底部に貯留した水分及び水分濃度が増大してハウジング13の底部13dに溜まった作動油16を効率良くハウジング13外に抜き出すことができる。
供給ラインLは、重力タンク21の側面21dにおける作動油16の液面近傍の液面より下部に接続することが好ましい。これにより、ハウジング13内から重力タンク21に供給した水分濃度が高い作動油16を、重力タンク21内の作動油16の液面近傍に直接供給できるので、効率良く水分を除去できる。また、ハウジング13内からの作動油16が重力タンク21内に貯留された作動油16の液中に供給されるので、作動油16の発泡を防ぐことができる。
また、ハウジング13の底部13dには、ハウジング13内の作動油の水分量を測定する水分センサ(水分測定装置)34が設けられている。この水分センサ34は、測定した水分濃度を制御部35に送信する。制御部35は、水分センサ34によって測定された水分濃度に基づいて、作動油ポンプ32を介してハウジング13から重力タンク21に供給する作動油16の流量を制御する。これにより、作動油16内に混入した水分濃度に応じて作動油16の流量を適切に制御することができるので、作動油16中の水分を効率良く除去することができる。
重力タンク21の側面の上端部には、重力タンク21の外部と重力タンク21の内部とを連通し、重力タンク21外から重力タンク21内の空間A2に乾燥気体を導入する気体導入管22が設けられている。また、重力タンク21の天板21bには、重力タンク21の外部と重力タンク21の内部とを連通し、重力タンク21内の気体を重力タンク21外に排出する気体排出管23が設けられている。この気体排出管23には、気体中の水分、粒子及び金属イオンなどを除去するエアブリーザー(水分除去装置)24が設けられている。このエアブリーザー24を設けることにより、外部から重力タンク21内に流入する大気中の水分、粒子及び金属イオンなどの作動油16への混入を防ぐことができる。また、このエアブリーザー24は、重力タンク21内の空間の相対湿度を作動油16の相対湿度に対して低くする機能を有する。これにより、このフィンスタビライザ1では、作動油16の水分濃度を効率良く低下させることが可能となる。
気体導入管22には、気体中の水分を脱水して乾燥気体を製造する水分除去装置(例えば、商品名:TMR−air、プラントサービス社製)を備えた乾燥気体供給部31から乾燥気体が供給される。この乾燥気体供給部31は、重力タンク21内に供給した乾燥気体に作動油16中の水分を吸収させて湿潤気体として排出させる。このように気体導入管22を介して重力タンク21内の空間A2に乾燥気体を供給することにより、乾燥気体に作動油16中の水分が効率よく吸収されて湿潤気体となるので、作動油16中の水分濃度を低減することが可能となる。また、水分除去装置を備えた乾燥気体供給部31から乾燥気体を供給することにより、船体内で乾燥気体を製造することができるので、重力タンク21内に供給する乾燥気体を効率良く得ることができる。
乾燥気体としては、作動油16中の水分を吸収して湿潤気体として排出できるものであれば特に制限はなく、例えば、乾燥空気、窒素、及びアルゴンなどを用いることが可能である。なお、重力タンク21の湿潤空気を排出する場合には、必要に応じて重力タンク21を減圧してもよい。これにより、作動油16中に分散した水分を効率良く乾燥気体に移行させることが可能となる。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係るフィンスタビライザ1における作動油16の脱水方法について詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係るフィンスタビライザ1の作動油の脱水方法のフロー図である。図3に示すように、フィンスタビライザ1の使用開始後、制御部35は、水分センサ34によって測定されるハウジング13内の作動油16の水分濃度を随時監視する(ステップST1)。そして、制御部35は、水分センサ34によって測定された作動油16の水分濃度が所定の閾値未満の場合(ステップST2:No)には、ハウジング13内の作動油16の水分濃度の測定を継続する。
また、制御部35は、水分センサ34によって測定された作動油16の水分濃度が所定の閾値以上となった場合(ステップST2:Yes)には、作動油ポンプ32を介してハウジング13内の作動油16を重力タンク21に供給する(ステップST3)。これにより、重力タンク21に供給された作動油16が、乾燥気体供給部31によって重力タンク21内の空間A2に供給された乾燥気体と接触して脱水されて水分濃度が減少し、水分濃度が減少した作動油16が供給ラインLを介して再びハウジング13内に供給される。このように、ハウジング13内と重力タンク21内との間で作動油16を循環することにより、ハウジング13内に水が混入して作動油16の水分濃度が上昇した場合であっても、重力タンク21内で水分濃度が減少した作動油16がハウジング13内に随時供給されるので、作動油16の水分濃度の上昇を防ぐことが可能となる。
続いて、制御部35は、作動油ポンプ32の運転開始後の水分センサ34によって測定されるハウジング13内の作動油16の水分濃度が所定の閾値以上の場合(ステップST4:Yes)には、作動油ポンプ32の運転を継続して作動油16中の水分を除去する。また、制御部35は、水分センサ34によって測定された作動油16の水分濃度が所定の閾値未満となった場合(ステップST4:No)には、作動油ポンプ32を停止する(ステップST5)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ハウジング13内に水分が侵入して作動油中に水分が分散した場合であっても、ハウジング13内から重力タンク21内に供給された作動油中の水分が重力タンク21内に導入された乾燥気体によって除去される。これにより、作動油中の水分濃度を効率良く低減でき、作動油に混入した水分に基づく不具合を防止できる。
また、フィンスタビライザ1は、作動油として水との親和性が高いエステル油などの生分解性油を用いた場合であっても、作動油中の水分を効率良く除去することができる。具体的には、フィンスタビライザ1は、鉱油を用いた場合よりも作動油16中の水分濃度を低減でき(例えば、50ppm以下)、作動油に混入した水分に基づく不具合を防止できる。
ここで、2013年に米国環境保護庁により米国内で施行されたVGP(Vessel General Permit)においては、内水を含む米国領海3マイル以内に入域する全長24.08m以上の全ての船舶に対して、フィンスタビライザの作動油としてエステル油などの生分解性油を用いることが義務化されている。このため、フィンスタビライザ1が装着された船舶が、米国領海3マイル以内に入域するため、作動油に生分解性油が使用される場合がある。この場合も、上述したように、作動油中の水分濃度を低く保つことができ、不具合の発生を抑制することができる。また、フィンスタビライザ1は、作動油として生分解性油を用いることで、作動油に制限がある海域でも使用することが可能となり、航行できる海域を広くすることができる。
なお、上述した実施の形態においては、作動油16を船体11内に設けた重力タンク21に貯留する例について説明したが、作動油16は、乾燥気体によって作動油16中の水分を除去できるものであれば、重力タンク21以外の各種タンクを用いてもよい。また、上述した実施の形態においては、重力タンク21の構成は、適宜変更可能である。
さらに、上述した実施の形態においては、1つの重力タンク21からハウジング13内に作動油を供給する構成について説明したが、2つの重力タンク21を設けてそれぞれの重力タンク21からハウジング13内に作動油を供給する構成としてもよい。この場合、航行する海域に応じて一方の重力タンク21からハウジング13内に生分解性油を供給可能とし、他方の重力タンク21から生分解性油又は生分解性油以外の鉱物油などの作動油を供給する構成としてもよい。
図4A及び図4Bは、本実施の形態に係る重力タンク21の他の例を示す断面模式図である。図4Aに示すように、本実施の形態に係る重力タンク21は、作動油16の油面に対して略平行に設けられた仕切板(仕切部材)25を有する。この仕切板25は、重力タンク21内の空間A2を第1空間S1及びこの第1空間S1に対して相対的に作動油16の油面に近い第2空間S2に区分する。この仕切板25には、第1空間S1と第2空間S2とを連通する開口25aが設けられている。仕切板25は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどの撥水撥油材料を用いて構成することが好ましい。なお、本実施の形態においては、仕切板25を作動油16の油面に対して略平行に設けられた板状部材として説明するが、仕切板25は、重力タンク21内の空間A2を第1空間S1及び第2空間S2に区分できるものであればよく、必ずしも板状部材に制限されるものではない。
重力タンク21の側面の上端部には、重力タンク21の外部と重力タンク21の内部とを連通し、重力タンク21外から重力タンク21内に乾燥気体を導入する気体導入管26が設けられている。この気体導入管26は、断面視にて略L字形状をなしており、重力タンク21外から第1空間S1及び仕切板25に設けられた開口25bを介して先端が第2空間S2内に配置されている。また、気体導入管26は、先端が作動油16の油面に向けて配置されている。このように気体導入管26を配置することにより、乾燥気体を作動油16の油面に向けて略垂直に供給することができるので、乾燥気体に作動油16中の水分を効率よく移行して湿潤気体とすることが可能となる。また、このように気体導入管26を配置することにより、作動油16に気泡が発生した場合であっても、気体導入管26への作動油16の侵入を防ぐことが可能となる。また、気体導入管26は、本発明の効果を奏する範囲で適宜配置を変更することが可能である。気体導入管26は、例えば、図4Bに示すように、作動油16の油面と略平行となるように、重力タンク21外部から第2空間S2内に向けて配置してもよい。
重力タンク21の天板21bには、重力タンク21の外部と重力タンク21の内部とを連通し、重力タンク21内の気体を重力タンク21外に排出する気体排出管23が設けられている。この気体排出管23には、気体中の水分、粒子及び金属イオンを除去するエアブリーザー(水分除去装置)24が設けられている。このエアブリーザー24を設けることにより、大気中の水分、粒子及び金属イオンなどの作動油16への混入を防ぐことができる。また、このエアブリーザー24は、重力タンク21内の第1空間S1及び第2空間S2の相対湿度を作動油16の相対湿度に対して低くする機能を有するので、作動油16の水分濃度を効率良く低下させることが可能となる。
図5A〜図5Cは、本実施の形態に係る仕切板25の平面模式図である。図5A〜図5Cに示すように、仕切板25としては、本発明の効果を奏する範囲であれば特に形状に制限はない。仕切板25としては、乾燥気体が通過する開口25aが1つ設けられたものであってもよく(図5A参照)、複数の開口25aが設けられたものであってもよい(図5B参照)。また、仕切板25としては、開口25aが単数又は複数のスリットによるものであってもよい(図5C参照)。これらの中でも、乾燥気体によって作動油16中の水分を効率良く除去できる観点から、開口25aとしては、開口25aが複数のスリットによって構成されるものであることが好ましい。その他の構成については、上述した第1の実施の形態に係る重力タンク21と同一のため説明を省略する。
図4及び図4Bに示した重力タンク21においては、仕切板25によって重力タンク21内の空間A2が第1空間S1及び第2空間S2に区分され、気体導入管26を介して作動油16に対して相対的に相対湿度が低い乾燥気体が作動油16の油面に近い第2空間S2に導入される。第2空間S2に導入された乾燥気体は、作動油16の油面から放出される水分を含んで湿潤気体となり、仕切板25の開口25a及びエアブリーザー24を介して重力タンク21の外部に放出される。そして、仕切板25を設けない場合と比較して乾燥気体が作動油16の油面の近傍を介して仕切板25の開口25a及びエアブリーザー24を介して外部に放出されるので、作動油16中の水分を効率良く低減することが可能となる。したがって、重力タンク21内に貯留した作動油16の水分濃度を効率よく下げることが可能なフィンスタビライザ1を実現できる。
1 フィンスタビライザ
11 船体
12 フィン
12a 駆動軸
12b 回動軸(チルトシリンダ)
13 ハウジング
13a 転がり軸受
13b スタビライザシール
13c シールリング
13d 底部
14 引込レバー
15 リギングシリンダ
16 作動油
21 重力タンク
21a 底部
21b 天板
21d 側面
22,26 気体導入管
23 気体排出管
24 エアブリーザー(水分除去装置)
25 仕切板(仕切部材)
31 乾燥気体供給部(乾燥気体製造装置)
32 作動油ポンプ
33 サクションフィルタ
34 水分センサ(水分測定装置)
35 制御部
,V,V,V 制御バルブ
ドレインバルブ
,L 供給ライン
排出ライン

Claims (7)

  1. 船体に設けられたフィンと、
    前記フィンの駆動軸を保持する軸受と、
    前記軸受に供給する作動油を貯留する重力タンクと、
    前記重力タンクに設けられた気体導入管と、
    前記気体導入管を介して前記重力タンク内に乾燥気体を供給する乾燥気体供給部と、
    前記重力タンクに設けられ、前記重力タンク内の気体を排出する気体排出管と、
    を具備することを特徴とするフィンスタビライザ。
  2. 前記ハウジング内の作動油の水分濃度を測定する水分測定装置と、
    前記水分測定装置によって測定した水分濃度に応じて前記ハウジング内から前記重力タンクに供給する作動油の流量を制御する制御装置と、を備えた、請求項1に記載のフィンスタビライザ。
  3. 前記乾燥気体供給部が、気体を脱水して乾燥気体を製造する水分除去装置を有する、請求項1又は請求項2に記載のフィンスタビライザ。
  4. 前記重力タンク内の空間容積を第1空間、及び前記第1空間よりも前記作動油を収容する側の第2空間に区分する仕切部材と、
    前記気体導入部は、前記第2空間に設けられ、
    前記気体排出管は、前記第1空間に設けられ、
    前記仕切部材は、前記第1空間と前記第2空間とを連通する開口を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフィンスタビライザ。
  5. 前記作動油が生分解性油を主成分とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフィンスタビライザ。
  6. 前記生分解性油がエステル油を主成分とする、請求項5に記載のフィンスタビライザ。
  7. フィンの駆動軸を保持する軸受が設けられたハウジング内の作動油を重力タンクに供給する工程と、
    前記重力タンク内に乾燥気体を供給して前記作動油中の水分を前記乾燥気体に吸湿させて湿潤気体として排出して前記作動油の水分濃度を低下させる工程と、
    前記重力タンク内の水分濃度が低下した前記作動油を前記ハウジング内に供給する工程とを含むことを特徴とする、フィンスタビライザの作動油の脱水方法。
JP2014208195A 2014-10-09 2014-10-09 フィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法 Active JP6479397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014208195A JP6479397B2 (ja) 2014-10-09 2014-10-09 フィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014208195A JP6479397B2 (ja) 2014-10-09 2014-10-09 フィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016078477A true JP2016078477A (ja) 2016-05-16
JP6479397B2 JP6479397B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=55955626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014208195A Active JP6479397B2 (ja) 2014-10-09 2014-10-09 フィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6479397B2 (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4827719A (en) * 1983-11-14 1989-05-09 Paoluccio John A Closed hydraulic system with drying means
JPH01162895U (ja) * 1988-05-06 1989-11-13
JPH0769285A (ja) * 1993-09-06 1995-03-14 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 二重反転プロペラ装置における軸受潤滑装置
JPH09323697A (ja) * 1996-06-07 1997-12-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 舶用フィンスタビライザ装置
US20100083887A1 (en) * 2008-10-02 2010-04-08 Cappiello Alessandro Automatic system for anti-roll stabilization of watercraft
JP2012130862A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水分含有油の脱水処理装置及び方法
JP2013053227A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Idemitsu Kosan Co Ltd 生分解性潤滑油組成物
JP2013116991A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Nsk Ltd グリース組成物及び転がり軸受
JP2013194892A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Eagle Industry Co Ltd 潤滑油供給装置
JP2013203205A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船舶用フィンスタビライザの制御システムおよびそれを備えたフィンスタビライザ並びに船舶
JP2014095088A (ja) * 2014-01-23 2014-05-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 生分解性潤滑油組成物
CN104085512A (zh) * 2014-07-07 2014-10-08 武汉海力威机电科技有限公司 一种直接阀闭环减摇鳍装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4827719A (en) * 1983-11-14 1989-05-09 Paoluccio John A Closed hydraulic system with drying means
JPH01162895U (ja) * 1988-05-06 1989-11-13
JPH0769285A (ja) * 1993-09-06 1995-03-14 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 二重反転プロペラ装置における軸受潤滑装置
JPH09323697A (ja) * 1996-06-07 1997-12-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 舶用フィンスタビライザ装置
US20100083887A1 (en) * 2008-10-02 2010-04-08 Cappiello Alessandro Automatic system for anti-roll stabilization of watercraft
JP2012130862A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水分含有油の脱水処理装置及び方法
JP2013053227A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Idemitsu Kosan Co Ltd 生分解性潤滑油組成物
JP2013116991A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Nsk Ltd グリース組成物及び転がり軸受
JP2013194892A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Eagle Industry Co Ltd 潤滑油供給装置
JP2013203205A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船舶用フィンスタビライザの制御システムおよびそれを備えたフィンスタビライザ並びに船舶
JP2014095088A (ja) * 2014-01-23 2014-05-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 生分解性潤滑油組成物
CN104085512A (zh) * 2014-07-07 2014-10-08 武汉海力威机电科技有限公司 一种直接阀闭环减摇鳍装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6479397B2 (ja) 2019-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104024103B (zh) 用于改进船舶的推进装置的润滑系统的方法和设备
US9863296B2 (en) Centrifugal separator having oil coating on sidewalls
NO20101673A1 (no) Innretning og farkost for rensing av overflater
CN106794891B (zh) 密封系统、方法和船舶
JP2015163490A (ja) 減揺装置及び船舶
JP2017019415A (ja) 洗浄水供給システム
FI60680C (fi) System foer transport av vaetskeformiga produkter
JP2011136300A (ja) 油中異物除去装置
JP2016078477A (ja) フィンスタビライザ及びフィンスタビライザの作動油の脱水方法
CN110461772A (zh) 废水处理系统和船舶
JP2006075814A (ja) 油中水分分離装置
JP2011245427A (ja) 水面浮遊油自走式回収装置
JP2019006291A (ja) ヘリコプタ用の潤滑装置
KR20140025875A (ko) 유수 분리기능의 선박
JP2022156543A (ja) 船舶
KR20150028503A (ko) 유류제거장치 및 유류제거방법
JP5893978B2 (ja) 潤滑油供給装置
US20070075005A1 (en) Fluid filtration station
KR102584151B1 (ko) 선박의 암모니아처리시스템
JP2012229530A (ja) 海上油分離装置
KR20120047609A (ko) 선박
KR101523719B1 (ko) 선박용 유체탱크 역류방지장치
KR100250570B1 (ko) 기름제거장치
KR101341663B1 (ko) 제습형 공기정화 필터기
JPH08216979A (ja) バラストタンクの防食方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6479397

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350