JP2016078262A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Soichiro Nagamochi
創一朗 永持
健治 ▲高▼橋
健治 ▲高▼橋
Kenji Takahashi
竹内 創太
Sota Takeuchi
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初井 琢也
Takuya Hatsui
琢也 初井
進哉 岩橋
Shinya Iwahashi
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Abstract

【課題】発熱抵抗体の上の被覆層の厚みが電極層の上の被覆層の厚みよりも薄い液体吐出ヘッドを容易に製造することができる、液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。【解決手段】基板1と、発熱抵抗体8と、発熱抵抗体8に電気的に接続された電極層6と、発熱抵抗体8及び電極層6を被覆する被覆層7と、を有し、発熱抵抗体8の上の被覆層7の厚みが電極層6の上の被覆層7の厚みよりも薄い液体吐出ヘッドの製造方法であって、発熱抵抗体8と、発熱抵抗体8に電気的に接続された電極層6と、を有する基板1を用意する工程と、発熱抵抗体8の温度を電極層6の温度よりも高くして、発熱抵抗体8及び電極層6を被覆する被覆層7をP−CVD法によって形成する工程とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
液体吐出ヘッドとして、流路内の発熱抵抗体を加熱し、加熱によって流路内の液体中に発生する発泡を利用して液体を吐出口から吐出する方式がある。発熱抵抗体には電極層が電気的に接続されており、電極層や発熱抵抗体は、絶縁層や保護層といった被覆層で被覆されている。
液体吐出ヘッドには、駆動を省電力で行うことが求められている。液体吐出ヘッドを省電力で駆動できるようにするには、発熱抵抗体上の被覆層を薄くすることが有効である。被覆層が薄いと、発熱抵抗体の液体接触部分(熱作用部)の温度が効率よく上がり、発泡に必要な投入エネルギーが小さくなる。その結果、液体吐出ヘッドは省電力に駆動ができる。
しかしながら、被覆層を薄く成膜しようとすると、発熱抵抗体に接続する電極層の上の被覆層も薄くなってしまい、電極層上にある被覆層に、静電気放電による静電破壊が発生しやすくなる。
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法では、第一の被覆層を成膜し、フォトリソグラフィ法により発熱抵抗体上の第一の被覆層をエッチングして開口部を形成した後、その上に第二の被覆層を成膜している。この方法によれば、発熱抵抗体の上の被覆層は電極層の上の被覆層よりも薄く形成されるので、発熱抵抗体の液体接触部分の温度を効率よくあげることができる。また、電極層の上の被覆層を厚くすることができるので、静電破壊の発生を抑制できる。
特許第3397532号
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、第一の被覆層と第二の被覆層とを、それぞれ成膜し、フォトリソグラフィ工程を行い、さらにエッチングすることになる。その分、被覆層が1つである場合に比べて、製造への負荷がかかる。
本発明は、かかる課題を解決しようとするものであり、発熱抵抗体の上の被覆層の厚みが電極層の上の被覆層の厚みよりも薄い液体吐出ヘッドを容易に製造することができる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、基板と、発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電気的に接続された電極層と、前記発熱抵抗体及び前記電極層を被覆する被覆層と、を有し、前記発熱抵抗体の上の被覆層の厚みが前記電極層の上の被覆層の厚みよりも薄い液体吐出ヘッドの製造方法であって、発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電気的に接続された電極層と、を有する基板を用意する工程と、前記発熱抵抗体の温度を前記電極層の温度よりも高くして、前記発熱抵抗体及び前記電極層を被覆する被覆層をP−CVD法によって形成する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、発熱抵抗体の上の被覆層の厚みが電極層の上の被覆層の厚みよりも薄い液体吐出ヘッドを容易に製造することができる。
液体吐出ヘッドの斜視図。 液体吐出ヘッドの製造方法を示す断面図。 成膜装置を示す図。
図1に、液体吐出ヘッドの斜視図を示す。液体吐出ヘッドは、基板1と、基板1の上に流路部材12とを有する。基板1はシリコン等で形成されている。基板1には液体供給路11が貫通しており、液体供給路の開口部分の両側には発熱抵抗体8が形成されている。流路部材12は樹脂や無機膜で形成されており、液体の流路を形成する部材である。また、発熱抵抗体8と対向する位置に、吐出口13が形成されている。液体供給路11から流路へと液体が供給され、供給された液体は発熱抵抗体8で加熱され、吐出口13から吐出される。吐出口13から吐出された液体は紙等の記録媒体に着弾し、画像や文字の記録が行われる。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法を説明する。図1に示す液体吐出ヘッドをX−X´で切断した断面において、液体吐出ヘッドを製造する過程を図2に示す。
まず、図2(a)に示すような基板を用意する。トランジスタ等の駆動素子が設けられた基板1の上に、基板1の一部を熱酸化して設けた熱酸化層2と、蓄熱層4とを設ける。熱酸化層2の厚みは500nm以上2000nm以下であることが好ましい。蓄熱層4は例えばシリコン化合物で形成されており、厚みは500nm以上2000nm以下であることが好ましい。また基板1上には、液体供給路11の形成時に用いられるアルミニウム等からなる犠牲層3が形成されている。蓄熱層4の上には、抵抗体層5が形成されている。抵抗体層5は、通電することで発熱する材料で形成されている。このような材料としては、例えばTaSiNやWSiNが挙げられる。抵抗体層5のシート抵抗は100Ω/□以上1000Ω/□以下とすることが好ましい。抵抗体層5の上には、抵抗体層5に接するように、抵抗体層5より抵抗の低い電極層6が形成されている。電極層6は例えばアルミニウムで形成されており、厚みは100nm以上2000nm以下であることが好ましい。電極層6は一対設けられており、一対の電極層6の間の露出している抵抗体層5が発熱抵抗体8である。即ち、抵抗体層の一部が発熱抵抗体8である。一対の電極層6に電圧を印加すると発熱抵抗体8が発熱する。
次に、図2(b)に示すように、発熱抵抗体8及び電極層6を、被覆層7で被覆する。ここでは、被覆層7はSiN等で形成された絶縁層であり、発熱抵抗体8や電極層6を液体と絶縁させるものである。被覆層7の成膜(形成)は、P−CVD法(プラズマ化学気相成長法)にて行う。図3被覆層の成膜装置を示す。使用するプロセスガスはシャワーヘッド14を介して成膜室15に流入する。その際、プロセスガスはマスフローコントローラー16により流量を制御される。また成膜室は排気口とつながっており、ガスはここから排気されている。続いて、RF電源によりシャワーヘッド14とトッププレート17の間にプラズマを放電する。このプラズマ中でかい離した成膜前駆体が、基板18の表面で化学的に反応して堆積していくことで、成膜が行われる。ここでヒーター19により基板温度は変更可能である。基板温度は100℃〜500℃になるようにすることが好ましい。
P−CVD法の場合、成膜される表面の温度が高いと、成膜前駆体が表面に到達した時に再蒸発しやすくなり、付着確率が減少する。そのため、成膜レートが遅くなる。本発明においては、発熱抵抗体8を加熱することで、発熱抵抗体の上の成膜前駆体の付着確率を減少させ、発熱抵抗体の上の成膜レートを選択的に落とし、被覆層7を形成する。例えば、印加するパルス電圧を10〜40V、パルス幅301を0.1〜0.5μ秒、インターバル時間302を0.4〜2.0μ秒として、発熱抵抗体8にパルスを印加する。発熱抵抗体8にパルス電圧を印加した時、発熱抵抗体8の温度は上昇するが、電極層6の温度は、ほとんど上昇しない。そのため、パルス発生装置208と基板の電極を電気的に接続し、発熱抵抗体8にパルスを印加した状態で被覆層の成膜を行うと、発熱抵抗体の上の領域では被覆層7の成膜レートが減少する。このようにして、発熱抵抗体の上の被覆層の厚みを電極層の上の被覆層の厚みよりも薄くする。
被覆層の形成の際には、発熱抵抗体の温度は、250℃以上とすることが好ましく、350℃以上とすることがより好ましく、450℃以上とすることがさらに好ましい。また、500℃以下とすることが好ましい。また、被覆層の形成の際には、電極層の温度は100℃以上とすることが好ましい。さらに、被覆層の形成の際には、発熱抵抗体の温度は、電極層の温度よりも50℃以上高くすることが好ましく、100℃以上高くすることがより好ましい。
被覆層の形成後の発熱抵抗体の上の被覆層の厚みをAとする。また、成膜後の電極層の上の被覆層の厚みをBとする。このとき、Aは100nm以上1000nm以下であることが好ましい。また、Bは100nm以上1500nm以下であることが好ましい。また、B/Aは1.0より大きく1.5以下とすることが好ましい。尚、本発明において、発熱抵抗体の上の被覆層とは、発熱抵抗体の基板と反対側にある被覆層のことをいう。また、その厚みとは、発熱抵抗体の上の被覆層のうち10点における、基板表面に対して垂直方向の厚みの平均のことをいう。同様に、電極層の上の被覆層とは、電極層の基板と反対側にある被覆層のことをいう。また、その厚みとは、電極層の上の被覆層のうち10点における、基板表面に対して垂直方向の厚みの平均のことをいう。
その後、図2(c)に示すように、必要に応じて、発熱抵抗体の上にTa等からなる保護層10を形成する。
次に、図2(d)に示すように、基板1に液体供給路11を形成し、パッド部9を形成し、基板1上に流路部材12や吐出口13を形成する。このようにして、液体吐出ヘッドが製造される。
被覆層を形成する際には、発熱抵抗体の温度が電極層の温度よりも高くなっていればよい。この際には、電極層を加熱してもよいし、加熱しなくてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
まず、図2(a)に示す基板を用意した。基板1はシリコンで形成されている。また、熱酸化層2及び蓄熱層4はともにSiOで1000nmの厚みで形成されている。蓄熱層4の上には、TaSiNからなるシート抵抗:300Ω/□の抵抗体層5と、抵抗体層5より抵抗が低いアルミニウム合金(Al−Cu、厚み1000nm)からなる電極層6が形成されている。抵抗体層5の電極層6で覆われていない部分は発熱抵抗体8である。
次に、図4に示すような成膜装置を用いて、電極にプローブを当て、連続でパルスを印加して発熱抵抗体8を加熱しながら、発熱抵抗体8と一対の電極を覆うように、P−CVD法(プラズマ化学気相成長法)により、ウエハ全面にSiNからなる被覆層7の成膜を行った。成膜条件は以下の通りである。
・成膜ガス:SiH(流量:300sccm)、NH(流量:500sccm)
・チャンバー圧力:500Pa
・RFパワー:1000W
・ステージ温度:150℃
・発熱抵抗体の温度:250℃
この条件において、ステージ温度と電極層の温度はほぼ同じである。このようにして、図2(b)に示すように、被覆層7を形成した。発熱抵抗体上の被覆層の厚みを300nmとした。また、電極層の上の被覆層の厚みを330nmとした。
その後、Taからなる厚み300nmの保護層10をスパッタ法で成膜し、図2(c)に示すように、ドライエッチングによりパターニングした。
以上のようにして、液体吐出ヘッドを10000個製造した。その後、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
発熱抵抗体の温度を350℃とし、被覆層の成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを300nm、電極層の上の被覆層の厚みを360nmとした。これ以外は実施例1と同様にし、液体吐出ヘッドを10000個製造した。その後、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
発熱抵抗体の温度を450℃とし、被覆層の成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを300nm、電極層の上の被覆層の厚みを390nmとした。これ以外は実施例1と同様にし、液体吐出ヘッドを10000個製造した。その後、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
発熱抵抗体の温度及びステージ温度を150℃で同一にした。即ち、発熱抵抗体の温度と電極層の温度をともに150℃とし、この状態で被覆層7の成膜を行った。被覆層の成膜条件は、以下の通りである。
・成膜ガス:SiH(流量:300sccm)、NH(流量:500sccm)
・チャンバー圧力:500Pa
・RFパワー:1000W
・ステージ温度:150℃
・発熱抵抗体の温度:150℃
被覆層の成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを300nm、電極層の上の被覆層の厚みを300nmとした。
その後、Taからなる厚み300nmの保護層10をスパッタ法で成膜し、図2(c)に示すように、ドライエッチングによりパターニングした。
以上の点以外は、実施例1と同様にし、液体吐出ヘッドを10000個製造した。また、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表1に示す。
Figure 2016078262
発熱抵抗体の温度を電極層の温度よりも高くして被覆層を成膜することで、発熱抵抗体の上の被覆層の厚みを、電極層の上の被覆層の厚みよりも相対的に薄くすることができる。また、温度差を大きくしていくと、厚みの差も大きくなっていく。電極層の上の被覆層の破損は、電極層の上の被覆層の厚みが厚くなるにつれて抑制されている。
また、発熱抵抗体の上の被覆層の温度と、電極層の上の被覆層の温度とを同じにして、被覆層のエッチングを行うと、被覆層の厚みに差がでないことが分かる。
(実施例4)
実施例1〜3は、ステージ温度(電極層の温度)を同じとし、発熱抵抗体の温度を異ならせた。これに対し、実施例4、5、6では、発熱抵抗体の温度は同じとし、ステージ温度(電極層の温度)を異ならせた。
実施例4では成膜条件を以下の条件とした。
・成膜ガス:SiH(流量:300sccm)、NH(流量:500sccm)
・チャンバー圧力:500Pa
・RFパワー:1000W
・ステージ温度:150℃
・発熱抵抗体の温度:450℃
この条件において、ステージ温度と電極層の温度はほぼ同じである。このようにして、図2(b)に示すように、被覆層7を形成した。発熱抵抗体上の被覆層の厚みを400nmとした。また、電極層の上の被覆層の厚みを520nmとした。
その後、Taからなる厚み300nmの保護層10をスパッタ法で成膜し、図2(c)に示すように、ドライエッチングによりパターニングした。
以上のようにして、液体吐出ヘッドを10000個製造した。その後、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表2に示す。
(実施例5)
ステージ温度(電極層の温度)を250℃とし、成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを400nm、電極層の上の被覆層の厚みを480nmとした。これ以外は実施例4と同様にし、液体吐出ヘッドを10000個製造した。その後、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表2に示す。
(実施例6)
ステージ温度(電極層の温度)を350℃とし、成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを400nm、電極層の上の被覆層の厚みを440nmとした。これ以外は実施例4と同様にし、液体吐出ヘッドを10000個製造した。その後、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表2に示す。
(比較例2)
発熱抵抗体の温度及びステージ温度を350℃で同一にした。即ち、発熱抵抗体の温度と、電極層の温度をともに350℃とし、この状態で被覆層の成膜を行った。被覆層の成膜条件は、以下の通りである。
・成膜ガス:SiH(流量:300sccm)、NH(流量:500sccm)
・チャンバー圧力:500Pa
・RFパワー:1000W
・ステージ温度:350℃
・発熱抵抗体の温度:350℃
成膜後の被覆層の厚みは、発熱抵抗体の上と電極層の上とで同じで、ともに400nmであった。
その後、Taからなる厚み300nmの保護層10をスパッタ法で成膜し、図2(c)に示すように、ドライエッチングによりパターニングした。
以上の点以外は、実施例1と同様にし、液体吐出ヘッドを10000個製造した。また、電極層の上の被覆層の状態を電子顕微鏡で観察し、静電気放電に由来すると考えられる破損等が発生している割合を確認した。以上の結果を表2に示す。
Figure 2016078262
発熱抵抗体の温度を電極層の温度よりも高くして被覆層を成膜することで、発熱抵抗体の上の被覆層の厚みを、電極層の上の被覆層の厚みよりも相対的に薄くすることができる。また、温度差を大きくしていくと、厚みの差も大きくなっていく。電極層の上の被覆層の破損は、電極層の上の被覆層の厚みが厚くなるにつれて抑制されている。
また、発熱抵抗体の上の被覆層の温度と、電極層の上の被覆層の温度とを同じにして、被覆層のエッチングを行うと、被覆層の厚みに差がでないことが分かる。
(実施例6)
実施例1よりも、ステージ温度(電極層の温度)及び発熱抵抗体の温度を高くした。具体的には、電極層の上の被覆層の温度を200℃、発熱抵抗体の上の被覆層の温度を300℃とした。発熱抵抗体の上の被覆層の厚みは300nm、電極層の上の被覆層の厚みは330nmとした。被覆層の成膜条件は以下の通りである。
・成膜ガス:SiH(流量:300sccm)、NH(流量:500sccm)
・チャンバー圧力:500Pa
・RFパワー:1000W
・ステージ温度:200℃
・発熱抵抗体の温度:300℃
これ以外は実施例1と同様にし、液体吐出ヘッドを製造した。その後、製造した液体吐出ヘッドにインク(商品名;BCI−7eM、キヤノン製)を充填し、電圧24V、幅0.8マイクロ秒の駆動パルスを周波数15kHzで発熱抵抗体に印加し、1.0x10パルスまでインクの吐出を行い、画像の記録を行った。記録された画像を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:1.0×10パルスでも画像品位の低下が確認されなかった。
B:5.0×10以上、1.0×10未満のパルス印加の間で画像品位の低下が確認された。
C:1.0×10以上、5.0×10未満のパルス印加の間で画像品位の低下が確認された。
D:5.0×10以上、1.0×10未満のパルス印加の間で画像品位の低下が確認された。
以上の結果を表3に示す。
(実施例7)
発熱抵抗体の温度を400℃とし、成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを300nm、電極層の上の被覆層の厚みを360nmとした。これ以外は実施例6と同様にして、液体吐出ヘッドを製造した。その後、記録された画像を目視で観察し、実施例6と同じ基準で評価した。以上の結果を表3に示す。
(実施例8)
発熱抵抗体の温度を500℃とし、成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを300nm、電極層の上の被覆層の厚みを390nmとした。これ以外は実施例6と同様にして、液体吐出ヘッドを製造した。その後、記録された画像を目視で観察し、実施例6と同じ基準で評価した。以上の結果を表3に示す。
(実施例9)
発熱抵抗体の温度を550℃とし、成膜により、発熱抵抗体上の被覆層の厚みを300nm、電極層の上の被覆層の厚みを420nmとした。これ以外は実施例6と同様にして、液体吐出ヘッドを製造した。その後、記録された画像を目視で観察し、実施例6と同じ基準で評価した。以上の結果を表3に示す。
Figure 2016078262
表3に示すように、被覆層成膜時の発熱抵抗体の温度が下がるに伴って記録された画像の品位が向上した。この原因は以下のように考えられる。成膜時に、SiNからなる被覆層が高温環境に置かれたことで層中の水素が脱離し、ダングリングボンドが形成され、絶縁性が低下する。被覆層の絶縁性が低下すると、吐出中に保護層のTaが陽極酸化されやすくなる為、保護層が酸化した層がインクに溶出する。この結果、発熱抵抗体に影響が出ることがあり、画像の品位が低下する。従って、発熱抵抗体上の被覆層の絶縁性の観点からは、高温加熱時の水素脱離による絶縁性低下を抑制する為、被覆層成膜時の発熱抵抗体の温度は低くする方が好ましい。

Claims (7)

  1. 基板と、発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電気的に接続された電極層と、前記発熱抵抗体及び前記電極層を被覆する被覆層と、を有し、前記発熱抵抗体の上の被覆層の厚みが前記電極層の上の被覆層の厚みよりも薄い液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電気的に接続された電極層と、を有する基板を用意する工程と、
    前記発熱抵抗体の温度を前記電極層の温度よりも高くして、前記発熱抵抗体及び前記電極層を被覆する被覆層をP−CVD法によって形成する工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記発熱抵抗体を加熱することで、前記発熱抵抗体の温度を前記電極層の温度よりも高くする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記被覆層の形成後の被覆層の厚みをA、前記電極層の上の被覆層の厚みをBとしたときに、B/Aを1.0より大きく1.5以下とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記被覆層を形成する際に、前記発熱抵抗体の温度を250℃以上とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記被覆層を形成する際に、前記発熱抵抗体の温度を350℃以上とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記被覆層を形成する際に、前記発熱抵抗体の温度を450℃以上とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記被覆層を形成する際に、前記発熱抵抗体の温度を前記電極層の温度よりも50℃以上高くする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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