JP2016077059A - ワイヤハーネス用の外装材およびワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャタピラ型の外装材において、湾曲部が斜め配置される場合に捩れが発生しないようにする。
【解決手段】展開形状で帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向の中間部に間隔をあけて備えると共に、前記長さ方向に一定間隔をあけて前記4本の折曲ラインA〜Dを結ぶスリットを備え、前記スリットは幅方向一端の前記折曲ラインAと隣接する中間の前記折曲ラインBの間および他端の前記折曲ラインDと隣接する中間の前記折曲ラインCの間は該折曲ラインと直交方向の直交スリットとし、中間の折曲ラインBとCの間は傾斜させて傾斜スリットとしている。
【選択図】図1
【解決手段】展開形状で帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向の中間部に間隔をあけて備えると共に、前記長さ方向に一定間隔をあけて前記4本の折曲ラインA〜Dを結ぶスリットを備え、前記スリットは幅方向一端の前記折曲ラインAと隣接する中間の前記折曲ラインBの間および他端の前記折曲ラインDと隣接する中間の前記折曲ラインCの間は該折曲ラインと直交方向の直交スリットとし、中間の折曲ラインBとCの間は傾斜させて傾斜スリットとしている。
【選択図】図1
Description
本発明はワイヤハーネス用の外装材およびワイヤハーネスの配索構造に関し、特に、屈曲方向が一方向に規制されるキャタピラ型の外装材を改良するものである。
従来、自動車等の車両に配索するワイヤハーネスの電線群は、コルゲートチューブ、プロテクタ等の外装材で外装され、あるいは粘着テープが巻き付けられて集束保護されている。ワイヤハーネスがスライドシート、スライドドア等に接続され、シートやドアの移動に応じてワイヤハーネスも移動する場合、該ワイヤハーネスの全長を屈曲および伸縮が可能なコルゲートチューブで外装している場合が多い。前記コルゲートチューブを外装材として用いると、コルゲートチューブは全周のいずれの方向にも屈曲できるため、屈曲方向の規制ができず、周辺機器と接触する恐れがある。さらに、断面四角形状の配索スペースに丸型のコルゲートチューブで外装したワイヤハーネスを通すと、配索スペースに挿通できるワイヤハーネスの電線本数が減少し、配索スペースを有効利用できない問題がある。
前記問題に対して、本出願人は特開2013−49402号公報で図5(A)(B)(C)に示すスライドシート150に接続するワイヤハーネス200の外装材として、組立式四角筒状のキャタピラ型の外装材100を提供している。該キャタピラ型の外装材100は図5(B)に示すように、樹脂製の帯状の平板101に長さ方向Xに延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向Yの中間部に間隔をあけて設け、かつ、幅方向の両側縁の一方側に係止突片102を設けると共に他方側に係止穴103を設け、折曲ラインA〜Dに沿って折り曲げて四角筒形状とすると共に係止穴103に係止突片102を挿入係止して四角筒に保持している。さらに、折曲ラインA〜Dを結ぶ幅方向に切込ラインKからなるスリットを長さ方向に間隔をあけて折曲ラインA〜Dと直交させて設け、四角筒の3辺111、112、113を分離させている。
前記のように組み立てた外装材100は、前記分離された中央の辺112と対向する切込ラインKが無い辺114は伸びることができない。よって、図5(C)に示すように、ワイヤハーネス200に外装した外装材100は、辺112が外周側となって実線矢印で示すC1の方向にのみ屈曲でき、辺112が内周側となる点線矢印で示す他方向きC2の方向に屈曲できない。このように、外装材100は一方向にのみ屈曲できるため、屈曲方向を規制して周辺機器との接触を防止する必要があるワイヤハーネスの外装材として好適に用いられる。かつ、構成が非常に簡単であるため安価に製造できる利点もある。
前記特許文献1のキャタピラ型の外装材100は、図6(A)に示すように、スライドシート150に接続するスライドシート用のワイヤハーネス200の外装材として好適に用いることができる。その際、ワイヤハーネス200の上方の一端をスライドシート150の下面に固定し、下方の他端をフロアパネル160側に固定して横向きU字状に配索し、後端側が上下方向の湾曲部Bとされる。
前記のように配索したワイヤハーネスのスライドシート側の固定点P1とフロア側の固定点P2とが図6(B)に示すように、同一垂直断面に存在すると、後端の湾曲部Bでは外装材100の長さ方向に一定間隔をあけて設けられている切込ラインKは水平方向に真っすぐに延在する。該形態でワイヤハーネスが配索されると、スライドシート150の前後移動に応じて、外装材100の後端の湾曲部Bの位置が前後方向に移動しながらスムーズに屈曲動作をさせることができる。
これに対して、図7(A)に示すように、シート側の固定点P1と同一垂直断面のフロア側に干渉材180が位置すると、一点鎖線で示すように配置できず、シート側の固定点P1よりフロア側の固定点P2を左右幅方向で左側に移動させてオフセットする必要がある。その場合、固定点P1とP2が同一垂直断面に位置せず、後端の湾曲部Bは上下方向で傾斜することになる。このように、ワイヤハーネスおよびその外装材100が斜め搭載されると、外装材100の切込ラインKは後端の上下方向の湾曲部Bで図7(A)に示すように、水平方向ではなく傾斜方向となる。このように、外装材100の湾曲部Bが傾斜して取り付けられると、スライドシートの前後移動時に後端の湾曲部Bで切込ラインKにより、図7(B)に示すように、捩れが発生しやすくなる。その結果、外装材100がワイヤハーネスの移動にスムーズに追従できなくなり、外装材100が破損する恐れがある。
かつ、スライドシートとフロアとの間に外装材100で外装したワイヤハーネスを配索する作業は、スライドシートを後方に倒して下面を露出させ、該スライドシートの下面の固定点P1にワイヤハーネスを固定すると共に、フロア側の固定点P2にワイヤハーネスを固定して組みつける作業となる。該組み付け作業時に、ワイヤハーネスおよび外装材100が斜めであると、捩れが発生して外装材100が破損する恐れがある。
このように、前記キャタピラ型の外装材100は上下方向の湾曲部が斜めになると捩れが発生するため、該外装材100で外装するワイヤハーネスの配索箇所が規制を受ける問題がある。
このように、前記キャタピラ型の外装材100は上下方向の湾曲部が斜めになると捩れが発生するため、該外装材100で外装するワイヤハーネスの配索箇所が規制を受ける問題がある。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、キャタピラ型の外装材100で外装したワイヤハーネスの両端固定点が同一垂直断面ではなく、オフセットとなった場合にも捩れが発生しないキャタピラ型の外装材および該外装材で外装したワイヤハーネスの配索構造を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスに外装するキャタピラ型の外装材であって、
展開形状で帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向の中間部に間隔をあけて備えると共に、前記長さ方向に一定間隔をあけて前記4本の折曲ラインA〜Dを結ぶスリットを備え、
前記スリットは幅方向一端の前記折曲ラインAと隣接する中間の前記折曲ラインBの間および他端の前記折曲ラインDと隣接する中間の前記折曲ラインCの間は該折曲ラインと直交方向の直交スリットとし、中間の折曲ラインBとCの間は傾斜させて傾斜スリットとし、
かつ、前記折曲ラインA、Dより外側の両側辺に互いに係止する係止突起と係止穴を設け、前記折曲ラインA〜Dを折り曲げると共に前記係止突起を係止穴に係止して4角筒とし、該四角筒の前記折曲ラインで囲まれた3辺が前記スリットで分離されて屈曲自在に連結される構成としているワイヤハーネス用の外装材を提供している。
展開形状で帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向の中間部に間隔をあけて備えると共に、前記長さ方向に一定間隔をあけて前記4本の折曲ラインA〜Dを結ぶスリットを備え、
前記スリットは幅方向一端の前記折曲ラインAと隣接する中間の前記折曲ラインBの間および他端の前記折曲ラインDと隣接する中間の前記折曲ラインCの間は該折曲ラインと直交方向の直交スリットとし、中間の折曲ラインBとCの間は傾斜させて傾斜スリットとし、
かつ、前記折曲ラインA、Dより外側の両側辺に互いに係止する係止突起と係止穴を設け、前記折曲ラインA〜Dを折り曲げると共に前記係止突起を係止穴に係止して4角筒とし、該四角筒の前記折曲ラインで囲まれた3辺が前記スリットで分離されて屈曲自在に連結される構成としているワイヤハーネス用の外装材を提供している。
前記のように、各スリットは、折曲ラインAとB、CとDを結ぶ部分が該折曲ラインと90度をなす直交スリットとなると共に互いに長さ方向で位置ずれし、折曲ラインBとCを結ぶ部分が傾斜スリットとなる。
前記傾斜スリットの傾斜角度は、30〜60度、あるいは傾斜配置される傾斜角度と同様な角度とすることが好ましいが、限定されない。
前記傾斜スリットの傾斜角度は、30〜60度、あるいは傾斜配置される傾斜角度と同様な角度とすることが好ましいが、限定されない。
具体的には、外装する前記ワイヤハーネスは長さ方向の一端がスライドシート等の移動材に固定されると共に、中間領域でU字状に湾曲されて、他端がフロア材等の固定材に固定され、
前記中間領域の湾曲部が上下斜方向に傾斜されて配索され、該湾曲部の傾斜角度に前記傾斜スリットの傾斜角度を対応させ、該傾斜スリットを前記固定材と平行な水平方向となる設定とすることが好ましい。
前記中間領域の湾曲部が上下斜方向に傾斜されて配索され、該湾曲部の傾斜角度に前記傾斜スリットの傾斜角度を対応させ、該傾斜スリットを前記固定材と平行な水平方向となる設定とすることが好ましい。
前記のように、本発明のキャタピラ型の外装材は、上下方向の湾曲部が傾斜配置されても、その傾斜角度に応じて前記傾斜スリットの傾斜角度を設定し、傾斜配置された状態で傾斜スリットが水平方向となるように設定しているため、 外装材の傾斜配置される湾曲部に捩れが発生するのを防止でき、外装材の適用範囲を広げることができる。
前記各傾斜スリットの中央部に円弧を入れ、該傾斜スリットにより分割される一方の分割片に円弧状凸部を設けると共に他方の分割片に円弧状凹部を設け、かつ、両側の直交スリットの先端に亀裂防止用の小円を設け、
さらに、前記一端側の折曲ラインAの外側辺の外端に長さ方向に間隔をあけて前記係止突起を設ける一方、他端側の折曲ラインDの外側辺に前記係止穴を設けることが好ましい。
さらに、前記一端側の折曲ラインAの外側辺の外端に長さ方向に間隔をあけて前記係止突起を設ける一方、他端側の折曲ラインDの外側辺に前記係止穴を設けることが好ましい。
また、前記長さ方向に一定間隔をあけて設ける前記スリットのうち、外装材の長さ方向の端部側では前記傾斜スリットの折曲ラインに対する傾斜角度を漸次増大し、長さ方向の先端では折曲ラインに対して直交させ、前記4本の折曲ラインA〜Dを直線で結ぶ直交スリットとすることが好ましい。
前記構成とすると、外装材の長さ方向の両端からワイヤハーネスを該外装材の軸線方向に引き出すことができる。
前記構成とすると、外装材の長さ方向の両端からワイヤハーネスを該外装材の軸線方向に引き出すことができる。
前記本発明の外装材は、樹脂成形品からなり、ワイヤハーネスの電線群を集束保護する必要がある領域に連続して外装できる長さを有するものとしている。ワイヤハーネスの電線群は、折曲ラインで折り曲げる前の平板の状態で、該平板の上面に載せ、その後、折り曲げて四角筒とし、前記係止突起を係止穴に挿入係止して組み立てる。あるいは、折曲ラインで折り曲げると共に、係止突起は係止穴に挿入係止せずに一辺を開いた状態で電線群を横入れし、その後、係止突起を係止穴に挿入係止して四角筒としてもよい。
かつ、四角筒に組み立てる外装材の長さ方向の両端で、引き出される電線群と外装材の外周面に粘着テープを巻き付け、電線群を外装材に固着することが好ましい。
かつ、四角筒に組み立てる外装材の長さ方向の両端で、引き出される電線群と外装材の外周面に粘着テープを巻き付け、電線群を外装材に固着することが好ましい。
前記本発明のワイヤハーネス用の外装材は、自動車に搭載するスライドシートとフロアとの間に配索するスライドシート用のワイヤハーネスの外装材として好適に用いられる。該スライドシート用のワイヤハーネスは、フロアハーネスの幹線から分岐する枝線からなる電線群、前記枝線にコネクタ接続する電線群、あるいは前記スライドシート内に配索するシートハーネスからフロア側へ延在させて前記フロアハーネスとコネクタ接続する電線群からなる。
具体的には、本発明は、自動車に搭載するスライドシートとフロアとの間に配索するスライドシート用のワイヤハーネスが前記外装材で外装され、該スライドシートの下面と車室床面材下方のフロアパネルとの間に横向きU字状に配索され、該外装材の長さ方向の両端が固定されるシート側固定点とフロア側固定点が同一垂直断面に位置せず、前記外装材の後端側の上下方向の湾曲部が傾斜して配置され、前記フロア側固定点となる水平面に対する前記湾曲部の傾斜角度と前記外装材の傾斜スリットの傾斜角度とを対応させ、該傾斜スリットを水平配置していることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造を提供している。
前記のように、スライドシートの下面とフロアとの間にU字状に配索するスライドシート用のワイヤハーネスのシート側固定点に対してフロア側固定点を真下に位置できず、オフセット位置となり、ワイヤハーネスおよび外装材は傾斜して配置された場合、外装材に傾斜スリットを設け、該傾斜スリットをフロア側と平行な水平方向とすると、外装材に捩れが生じるのを防止できる。よって、外装材に破損を発生させずに、スライドシートの移動に前記キャタピラ型の外装材で外装したワイヤハーネスをスムーズに追従できる。かつ、本発明の安価なキャタピラ型の外装材の適用範囲を広げることができる。
なお、本発明の外装材で外装するワイヤハーネスは前記スライドシート用ワイヤハーネスに限定されず、ワイヤハーネスが湾曲して配索されると共に正逆回転あるいは往復移動され、かつ、前記湾曲する箇所が傾斜する場合に好適に用いられる。
本発明のワイヤハーネス用のキャタピラ型の外装材は、上下方向の湾曲部が傾斜配置されても、その傾斜角度に応じて前記傾斜スリットの傾斜角度を設定し、該傾斜スリットが水平方向となるようにしているため、外装材の傾斜配置される湾曲部に捩れが発生するのを防止でき、外装材の適用範囲を広げることができる。
以下、本発明のワイヤハーネス用の外装材の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の外装材は、図1に示すキャタピラ型の外装材1からなる。該外装材1は、樹脂製であり、図1(A)(B)に示すように、展開形状で帯状の平板20からなり、長さ方向Xに延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向Yの中間部に間隔をあけて設けている。前記平板20の厚さは薄く可撓性を有するものである。
本発明の外装材は、図1に示すキャタピラ型の外装材1からなる。該外装材1は、樹脂製であり、図1(A)(B)に示すように、展開形状で帯状の平板20からなり、長さ方向Xに延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向Yの中間部に間隔をあけて設けている。前記平板20の厚さは薄く可撓性を有するものである。
前記折曲ラインA〜Dを90度で折り曲げて、折曲ラインAとBに挟まれる辺2、折曲ラインBとCに挟まれる辺3、折曲ラインCとDに挟まれる辺4、折曲ラインAと幅方向の一端縁に挟まる辺5、折曲ラインDと幅方向の他端縁に挟まる辺6が形成されるようにしている。前記辺5の一端縁から長さ方向に間隔をあけて係止突起7を設け、前記辺6に前記係止突起7を挿入係止する係止穴8を長さ方向に間隔をあけて設けている。図1(C)に示すように、折曲ラインA〜Dを折り曲げて、辺5の係止突起7を辺6の係止穴8に挿入係止して辺5と6とからなる辺9を形成し、辺3と辺9が対向すると共に辺2と辺4が対向する四角筒状に組み立てられるようにしている。
前記帯状の平板20には長さ方向Xに一定間隔をあけて前記4本の折曲ラインA〜Dを結ぶスリット10を設けている。各スリット10は幅が1mm以下であり、折曲ラインAからBの間の辺2に折曲ラインと直交する直交スリット11を設け、折曲ラインBからCの間の辺3に傾斜スリット12を設け、折曲ラインCからDの間の辺4に直交スリット13を設け、これらスリットを連続させて1本のスリット10としている。
前記のように、長さ方向Xに一定間隔をあけて幅方向Yのスリット10を3つの辺2、3、4に連続して設けることにより、辺2、3、4からなるコ字状の分割ブロック15をスリット10を挟んで長さ方向に連続して設け、これら分割ブロック15を残りの1つの可撓性を有する辺9で長さ方向に連続させている。該構成とすることで、四角筒状とした外装材1の分割ブロック15は、可撓性を有する連続した辺9を内周側とし、辺3を外周側として屈曲できる構成としている。
前記スリット10の直交スリット11と13は長さ方向で位置ずれさせて千鳥配置とし、その間の傾斜スリット12の幅方向両端を直交スリット11と13に連続させている。
また、各スリット10の傾斜スリット12の中央部に半円弧12aを入れ、分割する一方の分割ブロック15の辺3に円弧状凸部3aを設けると共に他方の分割ブロック15に円弧状凹部3bを設けている。かつ、両側の直交スリット11、13の先端に亀裂防止用の小円11a、13aを設けている。
前記辺3の傾斜スリット12の傾斜角度α1は、後述する図3(A)に示すように、外装材1で外装するワイヤハーネス200の両端が固定されて横向きU字状に配索され、その後端の湾曲部BCが、同一垂直断面に配置されず、図3(B)に示すように左右幅方向に位置ずれして傾斜配置される場合、湾曲部BCの傾斜角度α2と同様な角度としている。即ち、湾曲部BCの傾斜角度α2と傾斜スリット12の折曲ラインBに対する傾斜角度α1を略同様な角度とに設定し、α1がα2±10°の範囲としている。
前記外装材1に対してワイヤハーネス200の電線群は図2に示すように挿通しているが、挿通作業は、外装材1を四角筒に組み立てる前に、図1に示す展開状態、または折曲ラインBとCを90度折り曲げて、辺3を底面とした上面開口の凹形状にした状態で、ワイヤハーネス200の電線群を辺3上にセットする。その後、折曲ラインA、Dも折り曲げて四角筒とすると共に、係止穴8に係止突起7を挿入係止して、キャタピラ型の外装材1でワイヤハーネス200を外装する。該外装材1の長さ方向の両端で、外装材1から引き出されるワイヤハーネス200の電線群の外周面と外装材1の外周面にかけて粘着テープを巻き付けて、外装材1にワイヤハーネス200を固着している。
前記外装材1で外装したワイヤハーネス200に対して、図2中で実線矢印C1の方向に屈曲する負荷がかかると、外周面となる辺3およびその両側の辺2と4はスリット10により長さ方向で分割されて分割ブロック15となり、内周面となる辺9が可撓性を有する連続辺であるため、実線矢印C1の方向への屈曲が可能となる。逆方向の点線矢印C2の連続した辺9が外周側となる屈曲は、辺9が伸縮できないことより該点線矢印C2の屈曲はできない。このように、キャタピラ型の外装材1で外装するワイヤハーネス200は一方側には屈曲できるが、他方側には屈曲できず、屈曲方向を規制でき、周辺機器との干渉発生を防止できる。
図3(A)〜(C)に示すように、自動車に搭載するスライドシート150に配索するワイヤハーネス200に前記外装材1は外装される。
前記ワイヤハーネス200はフロアハーネスの幹線から分岐するワイヤハーネスで、該ワイヤハーネス200の先端をスライドシート150の下面に固定点P1で固定し、フロアカーペット積層材からなる車室床材170の下方で前後方向に直線状に配索した後に後端側で下向きに湾曲した後に前方へ直線状に配索し、言わば、横向きU形状に配索して、下側前端をフロアパネル160に固定点P2で固定している。
前記ワイヤハーネス200はフロアハーネスの幹線から分岐するワイヤハーネスで、該ワイヤハーネス200の先端をスライドシート150の下面に固定点P1で固定し、フロアカーペット積層材からなる車室床材170の下方で前後方向に直線状に配索した後に後端側で下向きに湾曲した後に前方へ直線状に配索し、言わば、横向きU形状に配索して、下側前端をフロアパネル160に固定点P2で固定している。
図3(B)に示すように、ワイヤハーネスの上側配索位置に対して同一垂直断面の真下の位置に干渉材が存在すると、一点鎖線で示すように後端の湾曲部BCを垂直方向に配置すると干渉材と干渉する。よって、後端の湾曲部BCは実線で示すように傾斜配置され、シート側の固定点P1に対してフロア側の固定点P2をオフセットする。
前記のように、傾斜した湾曲部BCがフロアパネル160の水平部と成す角度α2に、外装材1の傾斜スリット12の傾斜角度α1が略同等となるように設けている。よって、フロアパネル160の水平部に対して角度α2で傾斜した湾曲部BCでは、傾斜角度α1とした傾斜スリット12は図3(C)に示すように水平となる。
前記のように、傾斜した湾曲部BCがフロアパネル160の水平部と成す角度α2に、外装材1の傾斜スリット12の傾斜角度α1が略同等となるように設けている。よって、フロアパネル160の水平部に対して角度α2で傾斜した湾曲部BCでは、傾斜角度α1とした傾斜スリット12は図3(C)に示すように水平となる。
スライドシート150の前後移動に追従して、外装材1で外装したワイヤハーネス200が移動する際、水平方向に前後移動する上下両側領域の間の後端の傾斜した湾曲部BCが上向き或いは下向きに引っ張られる際に、傾斜スリット12がフロアパネル160と平行な水平方向となるため、前記図7(B)に示す捩れを発生させることなく作動させることができる。
かつ、スライドシート150とフロアとの間に外装材1で外装したワイヤハーネス200を配索する作業時にも、外装材1に捩れが発生するのを防止できる。即ち、スライドシート150を後方に倒して下面を露出させ、該スライドシート150の下面にワイヤハーネス200の先端側を固定すると共に、ワイヤハーネス200の他端側を、同一垂直断面ではなく、幅方向にオフセットしてワイヤハーネス200および外装材1を傾斜して固定するが、そのさい、外装材1の傾斜角度と傾斜スリット12の傾斜角度とが平行となるため、外装材1に捩れを発生させることなく配索作業を行うことができる。
図4(A)(B)に外装材1の変形例を示す。
変形例の外装材1−2では、長さ方向Xに一定間隔をあけて設けるスリット10のうち、外装材1の長さ方向の両端では傾斜スリット12の折曲ラインBに対する傾斜角度αを漸次増大している。傾斜スリット12−2は角度α1ー2、傾斜スリット12−1では角度α1−1とし、先端の傾斜スリット12ー0では傾斜を無くして角度α1−0としている。即ち、α1<α1ー2<α1ー1<α1ー0としている。即ち、両側の直交スリットに対する傾斜を減少している。
長さ方向先端のスリット10は両側の直交スリット11と13を位置ずれさせず、傾斜スリット12−0の両端を直交スリット11と13に連続させ、折曲ラインA〜Dと直交する直線としている。
なお、変形例では、傾斜スリット12の中央に円弧部を設けていない。他の構成は前記実施形態の外装材と同一であるため説明を省略する。
変形例の外装材1−2では、長さ方向Xに一定間隔をあけて設けるスリット10のうち、外装材1の長さ方向の両端では傾斜スリット12の折曲ラインBに対する傾斜角度αを漸次増大している。傾斜スリット12−2は角度α1ー2、傾斜スリット12−1では角度α1−1とし、先端の傾斜スリット12ー0では傾斜を無くして角度α1−0としている。即ち、α1<α1ー2<α1ー1<α1ー0としている。即ち、両側の直交スリットに対する傾斜を減少している。
長さ方向先端のスリット10は両側の直交スリット11と13を位置ずれさせず、傾斜スリット12−0の両端を直交スリット11と13に連続させ、折曲ラインA〜Dと直交する直線としている。
なお、変形例では、傾斜スリット12の中央に円弧部を設けていない。他の構成は前記実施形態の外装材と同一であるため説明を省略する。
前記のように、外装材1の長さ方向の両端で、スリット10の傾斜スリットの折曲ラインに対する傾斜角度を次第に増加させることで、外装材1から引き出すワイヤハーネス200を確実に外装材1の長さ方向と平行方向に引き出すことができる。
さらに、本発明の外装材1は前記スライドシートに配索するワイヤハーネスの外装材に限定されず、他の箇所に屈曲自在に配索されるワイヤハーネス、さらに、回転移動するワイヤハーネスの外装材としても好適に利用できる。
1 外装材
2〜6 辺
7 係止突起
8 係止穴
10 スリット
11、13 直交スリット
12 傾斜スリット
A〜D 折曲ライン
150 スライドシート
160 フロアパネル
170 車室床材
200 ワイヤハーネス
2〜6 辺
7 係止突起
8 係止穴
10 スリット
11、13 直交スリット
12 傾斜スリット
A〜D 折曲ライン
150 スライドシート
160 フロアパネル
170 車室床材
200 ワイヤハーネス
Claims (4)
- ワイヤハーネスに外装するキャタピラ型の外装材であって、
展開形状で帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向の中間部に間隔をあけて備えると共に、前記長さ方向に一定間隔をあけて前記4本の折曲ラインA〜Dを結ぶスリットを備え、
前記スリットは幅方向一端の前記折曲ラインAと隣接する中間の前記折曲ラインBの間および他端の前記折曲ラインDと隣接する中間の前記折曲ラインCの間は該折曲ラインと直交方向の直交スリットとし、中間の折曲ラインBとCの間は傾斜させて傾斜スリットとし、
かつ、前記折曲ラインA、Dより外側の両側に互いに係止する係止突起と係止穴を設け、前記折曲ラインA〜Dを折り曲げると共に前記係止突起を係止穴に係止して4角筒とし、該四角筒の前記折曲ラインで囲まれた3辺が前記スリットで分離されて屈曲自在に連結される構成としているワイヤハーネス用の外装材。 - 前記傾斜スリットの傾斜角度は、30〜60度、あるいは傾斜配置される傾斜角度と同様な角度としている請求項1に記載のワイヤハーネス用の外装材。
- 外装する前記ワイヤハーネスは長さ方向の一端が移動材に固定されると共に、中間領域でU字状に湾曲されて、他端が固定材に固定され、
前記中間領域の湾曲部が上下斜方向に傾斜されて配索され、該傾斜角度に前記傾斜スリットの傾斜角度を対応させ、該傾斜スリットを前記固定材と平行な水平方向となる設定としている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用の外装材。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の外装材で、自動車に搭載するスライドシートとフロアとの間に配索するスライドシート用のワイヤハーネスが外装され、
前記外装材で外装したワイヤハーネスがスライドシートの下面と車室床面材下方のフロアパネルとの間に横向きU字状に配索され、該外装材の長さ方向の両端が固定されるシート側固定点とフロア側固定点が同一垂直断面に位置せず、前記外装材の後端側の上下方向の湾曲部が傾斜して配置され、前記フロア側固定点となる水平面に対する前記湾曲部の傾斜角度と前記外装材の傾斜スリットの傾斜角度とを対応させ、該傾斜スリットを水平配置していることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
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