JP2016076660A - インプリント用モールドの洗浄方法、及びインプリント方法 - Google Patents

インプリント用モールドの洗浄方法、及びインプリント方法 Download PDF

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【課題】 インプリント用ポリジメチルシロキサンモールドの洗浄に好適な有機溶媒を提供する。【解決手段】ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドを洗浄する方法であって、該インプリント用モールドを23℃の温度で5分間、有機溶媒中に浸漬させた際、該インプリント用モールドの膨潤率が10〜30%となる有機溶媒を使用して、該インプリント用モールドを洗浄する方法である。具体的な有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種のケトン溶媒であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なインプリント用モールドの洗浄方法、及びインプリント方法に関する。
近年、半導体集積回路は、微細加工により微細化された高精度なものが生産されている。微細加工は、高精度の半導体集積回路の他にも、液晶パネル等の反射防止層形成、偏光フィルム・有機ELパネル・LED基板における光取り出し効率向上等の光学・照明用途、自動車用窓ガラスの撥水加工、立体的な細胞培養技術等のバイオテクノロジー、二次電池、太陽電池、燃料電池等のエネルギー開発等において、必要な技術である。このような微細加工は、一般的にナノインプリント技術が利用されている。
ナノインプリント技術とは、基板上に形成したいパターンに対応するパターンの凹凸を有するモールドを、基板表面に形成された塗膜上に型押しし、塗膜を硬化させた後、分離(離型)することにより、所望のパターンを該基板表面に転写する工程を含んでおり、低コストで量産化が可能な微細加工技術として期待されている。
このナノインプリント技術は、基板表面に形成する塗膜材の特性により二種類に大別される。1つは、塗膜材として熱可塑性樹脂を用い、それをガラス転移温度以上に加熱して塑性変形させ、モールドを押し付けた後、冷却して塗膜材を硬化させることによりパターンを転写する熱インプリント法である。
もう1つは、モールド、または基板の少なくとも一方が透明であるものを使用し、塗膜材として液状の光硬化性組成物を用い、モールドを押し付けて塗膜と接触させ、次いでモールド、または基板を介して光を照射して該塗膜材を硬化させることによりパターンを転写する光インプリント法である。
熱ナノインプリント法は、加熱・冷却の熱サイクルがあるため、スループットが低く、温度による寸法変化、パターン精度の低下という問題点がある。これに対して、光インプリント法は、熱サイクルがないため、スループットに優れ、温度による寸法変化等が小さい。そのため、光インプリント法は、ナノインプリント技術において広く利用されるようになっており、該方法に好適に用いられる光硬化性インプリント用組成物の開発が進められている。
インプリントに用いられるモールドとしては、石英ガラスやシリコン基板に電子線描画により作製したマスターモールドではなく、そのマスターモールドから複製したレプリカモールドが一般的に使用されている。これは、マスターモールド(原版)は非常に高価であるため、破損等のリスクを最小限にとどめるためである。
光インプリント法は、インプリント時の圧力環境により減圧方式と常圧方式の二種類に分けられる。減圧方式は、チャンバー内を減圧にして空気を抜き、減圧下でモールドを押し付け、パターン転写する方式である(図1参照)。レプリカモールドには、ポリエチレンテレフタレート(PET)や環状ポリオレフィン樹脂(COP)等の樹脂フィルムモールドが多く用いられる。一方、常圧方式は、空気中でモールドを押し付け、パターン転写する方式である(図2参照)。レプリカモールドには、シリコーン系樹脂、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)モールドを用いることが必須である。常圧方式(図3参照)は、空気中でインプリントを行うために、インプリントの際に必ずモールド内に空気が入り込むことになる。PDMSは、ガス透過性が通常のプラスチックの10〜100倍と非常に高いため、モールドを通して入り込んだ空気を抜くことが可能である(図3a、b参照)。そのために、空気中でもパターン欠陥がなく、パターン転写を行うことができる(図3c参照)。
また、常圧方式の光インプリント法では、塗膜材であるインプリント用組成物を空気中で重合させるため、アクリル系重合性単量体等の酸素阻害を受けるラジカル重合系では硬化が困難である。そのため、酸素阻害を受けないカチオン重合系であるエポキシ系重合性単量体が一般的に用いられている。
インプリントにおいて、レプリカモールドは繰返し使用が求められている。そのために、レプリカモールドには塗膜材との離型性の向上を目的として、通常、フッ素系表面処理剤等による離型処理が施されている。ただし、PDMSは離型性にも優れているため、PDMSモールドに関しては、特別な離型処理は不要である。これは、シロキサン鎖がメチル基を外側にした螺旋構造を取っており、その外側を向いたメチル基の存在により表面エネルギーが小さくなっているためである。
しかしながら、PDMSモールドであっても、繰返し使用回数の増加に伴いレプリカモールドに塗膜材等の付着が生じることがある。付着した塗膜材は、パターン欠陥の原因となるため、PDMSモールドに付着した塗膜材を洗浄除去する必要がある。
モールドの洗浄方法としては、遷移金属錯体により活性化された過酸化水素により樹脂(塗膜材)を分解させる方法が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1には、PDMSモールドも洗浄の対象となることが示されている。
しかしながら、特許文献1の実施例では、実際には石英板を用いた洗浄効果しか示されていない。つまり、特許文献1に記載の方法では、石英等の無機材料からなるモールドの洗浄には適しているものと考えられるが、過酷な条件のため、有機高分子材料であるPDMSモールドにおいては、該モールドへ与えるダメージが大きいものと予想される。
特開2011−42050号公報
したがって、本発明の目的は、PDMSのようなシリコーン系樹脂よりなるインプリント用モールドの洗浄に適した方法を提供することにある。
本発明者らは、シリコーン系樹脂よりなるインプリント用モールドの洗浄方法の検討を行った。その結果、該インプリント用モールドを特定の範囲で膨潤させることができる有機溶媒を使用することにより、塗膜材の洗浄・除去が効率的に行われ、かつ、有機溶媒の除去後(乾燥後)の該インプリント用モールドの形状保持性(寸法精度)が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドを洗浄する方法であって、該インプリント用モールドを、5分間、23℃の温度の有機溶媒中に浸漬させた際、該インプリント用モールドの膨潤率が10〜30%となる有機溶媒を使用して、該インプリント用モールドを洗浄する方法である。
本発明においては、前記シリコーン系樹脂が、ポリジメチルシロキサンである場合に適している。さらには、前記インプリント用モールドの洗浄に使用する有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種のケトン溶媒であることが好ましい。
また、他の本発明は、上記洗浄方法で洗浄したインプリント用モールドを使用してパターンを形成する方法である。このパターン形成方法おいては、塗膜材を形成するインプリント用組成物が、重合してエポキシ樹脂を形成するモノマーを含む場合に適している。また、1回以上パターン形成に使用したインプリント用モールドを洗浄し、洗浄後の該インプリント用モールドをパターン形成に使用することが好ましい。
さらに他の本発明は、上記方法でパターンを形成した基板と塩素系ガスとを接触させてエッチングする基板の加工方法である。
本発明によれば、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドに付着、あるいは浸透したインプリント用組成物を効率よく除去できる。また、該インプリント用モールドに付着した、該インプリント用組成物が重合硬化した硬化体も効率よく除去することができる。そして、洗浄後のインプリント用モールドは、ガス透過性等の性能の回復も期待できる。その結果、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドを繰返し使用することができ、長寿命化、すなわちコストダウンを達成することが可能となる。
減圧方式インプリントのフロー図 常圧方式インプリントのフロー図 常圧方式での充填のイメージ図 凸型円柱形状モールド(マスターモールド)の模式図 凹型円柱形状モールド(PDMSモールド)の模式図 マスターモールド又はPDMSモールドのパターンを上方から見た場合の配置図
本発明は、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドを特定の有機溶媒を使用して洗浄する方法に関する。
以下、順を追って説明する。まず、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系樹脂からなる、洗浄の対象となるインプリント用モールドについて説明する。
(洗浄の対象となるインプリント用モールド)
本発明において、洗浄の対象となるインプリント用モールドは、公知のシリコーン系樹脂からなるモールドであれば、特に制限されるものではない。シリコーン系樹脂の中でも、一般的な材質として、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。本発明の洗浄方法は、ポリジメチルシロキサンからなるインプリント用モールドの洗浄に適している。なお、シリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドを使用する場合、インプリント方法は常圧方式が採用される。
インプリント用モールドは、繰返し使用回数の増加に伴い劣化が起こる。具体的には、インプリント用組成物、及び/又は該組成物の硬化体のモールドへの付着、インプリント用組成物の浸透が主な現象である。また、それに伴い、シリコーン系樹脂、例えば、ポリジメチルシロキサンの細孔の閉塞によるガス透過性の低下、インプリント用組成物の浸透膨潤・付着(硬化体の付着を含む)によるモールドパターンの寸法変化、パターン欠陥の発生、柔軟性や離型性の低下が起きると考えられる。したがって、本発明の洗浄方法において、除去すべき好適な対象物は、インプリント用組成物、及び/又は該組成物の硬化体(三次元架橋高分子)である。そのため、本発明において、洗浄とは、モールドに付着したものを除去・低減することを指し、特に、モールドに浸透・付着したインプリント用組成物、及び/又は該組成物の硬化体を除去・低減するものであることが好ましい。
空気中でインプリント用組成物を重合・硬化させる常圧方式の光インプリント法において、該インプリント用組成物は、酸素で重合が阻害されないエポキシ系重合性単量体を主成分としている。そのため、特に制限されるものではないが、本発明の洗浄方法において、洗浄の対象となるインプリント用モールドは、エポキシ系重合性単量体を含むインプリント用組成物を使用してパターンを形成する場合のものであることが好ましい。
また、本発明の洗浄方法は、下記に詳述するが、シリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドを特定の割合で膨潤させることができる有機溶媒を使用する。そのため、本発明の洗浄方法において、対象となるインプリント用モールドは、ミクロンオーダー以下の微細なパターンが形成されたものであってもよい。すなわち、インプリント用モールドのミクロンオーダー以下の微細なパターンに付着したインプリント用組成物、及び/又は該組成物の硬化体を除去するに際し、本発明の洗浄方法で使用する有機溶媒を用いれば、該インプリント用モールドを適度に膨潤させることができるため、該パターン中に付着したインプリント用組成物、及び/又は該組成物の硬化体を効率よく除去することができる。そして、該有機溶媒は、過度にインプリント用モールドを膨潤させることがないため、洗浄後のインプリント用モールドの寸法精度を向上することができる。
(洗浄に使用する有機溶媒)
本発明者等は、上記インプリント用モールドの洗浄方法において、適度に該モールドを膨潤させる有機溶媒を使用すれば、高度にインプリント用組成物、及び/又は該組成物の硬化体(以下、単に「付着物」とする場合もある)を除去できると考え、様々な検討を行った。そして、インプリント用モールド、あるいは該モールドと同じ材質のシリコーン系樹脂において、どの程度まで膨潤させる有機溶媒であれば、効率よく付着物を低減できるかの検討を行った。その結果、以下の予備実験でインプリント用モールドを10〜30%膨潤させる有機溶媒を使用することにより、優れた効果を発揮することを見出した。すなわち、本発明の洗浄方法において、該インプリント用モールドの洗浄に使用する有機溶媒は、該インプリント用モールドを、5分間、23℃の温度の有機溶媒中に浸漬させた際、該インプリント用モールドの膨潤率が10〜30%とするものでなければならない。なお、インプリント用モールドの膨潤率が10〜30%とは、体積が10〜30%増加したことを指す。例えば、有機溶媒に浸漬前のインプリント用モールドの体積を1とした場合、有機溶媒に浸漬後のインプリント用モールドの体積が1.1〜1.3になることを指す。
本発明において、インプリント用モールドを、5分間、23℃の温度の有機溶媒中に浸漬させる場合には、モールド全体が23℃の有機溶媒中に浸漬されるようにし、5分間静置させればよい。この際、インプリント用モールドの大きさは、特に制限されるものではないが、取扱い易さを考慮すると、最小辺の長さが数mm程度であって、最大辺の長さが数十mm程度の大きさであることが好ましい。この大きさであれば、数μm以下のパターン(凹凸形状:ホール)は無視することができ、膨潤前後のインプリント用モールドの縦・横・高さを比較することにより、膨潤率(体積変化率)を求めることができる。ちなみに、実施例においては、縦20mm×横20mm×高さ2mmのインプリント用モールドを使用して膨潤率を求めた。
5分間、23℃の温度でインプリント用モールドを浸漬させた際、該インプリント用モールドの膨潤率が10%未満となる有機溶媒を使用すると、寸法精度は低下しないが、付着物の除去効率が低下するため好ましくない。一方、膨潤率が30%を超える有機溶媒を使用すると、付着物の除去効率は高くなるが、乾燥時間が長時間となったり、寸法精度が低下するため好ましくない。
本発明においては、インプリント用モールドに対する膨潤率を予め測定した有機溶媒を洗浄に使用するため、該インプリント用モールドのシリコーン系樹脂の組成、分子量等は特に制限されるものではない。つまり、予め膨潤率を測定するため、その組成、分子量等のシリコーン系樹脂に適した有機溶媒を選択することができる。
シリコーン系樹脂の中でも、ポリジメチルシロキサンは、多少分子量にも影響されるが、その膨潤率は以下の通りであった。23℃の温度で5分間、浸漬させたときの各種有機溶媒に対するポリジメチルシロキサンの膨潤率は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール等のプロトン性極性溶媒では、数%程度と非常に小さかった。また、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン等の無極性溶媒では、膨潤率は50〜70%と非常に大きかった。これらの中間の性質を持つ有機溶媒であるアセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒では、膨潤率も中間の値である数〜50%であった。この中でも、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン溶媒は、対象としたポリジメチルシロキサンの膨潤率が10〜30%であり、本発明で使用する有機溶媒に適していると考えられる。
その有機溶媒の中でも、付着物を効率よく低減するためには、付着物、特にインプリント用組成物の硬化体(三次元架橋高分子)もある程度、膨潤させる有機溶媒を使用することが好ましい。インプリントの手法として常圧方式を使用した場合、該硬化体はエポキシ樹脂となる。そのため、本発明で使用する有機溶媒は、エポキシ樹脂を膨潤させる溶媒であることが好ましい。一般に、樹脂を溶解、または膨潤させる有機溶媒は、樹脂の溶解パラメータと近い値のものであることが経験的に知られている。溶解パラメータ(SP値)とは、ヒルデブラントにより導入された値であり、溶解度の目安となるパラメータである。SP値は、凝集エネルギー(蒸発エネルギー)の平方根により定義されるので、溶解パラメータは凝集力の指標となる。エポキシ樹脂のSP値は22.2(MPa)1/2であるので、この値に近い有機溶媒としては、アセトニトリル(SP値=24.4)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(SP値=24.9)、アセトン(SP値=19.9)、メチルエチルケトン(MEK)(SP値=19.1)、テトラヒドロフラン(THF)(SP値=19.5)等の非プロトン性極性溶媒となる。
ポリジメチルシロキサン、及びエポキシ樹脂の膨潤率から考慮すると、本発明で使用する有機溶媒は、使用するインプリント用モールドの膨潤率を10〜30%とする有機溶媒であって、エポキシ樹脂に近いSP値である有機溶媒を使用することが好ましい。具体的には、エポキシ樹脂の洗浄性とポリジメチルシロキサン等のシリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドの寸法精度を考慮すると、ケトン溶媒が最適であると考えられる。
ケトン溶媒は、シリコーン系樹脂よりなるインプリント用モールドの膨潤率を10〜30%とするものであれば、公知のものが何ら制限なく使用できる(ただし、23℃の温度で5分間浸漬させた際のモールドの膨潤率を指す。)。具体的なケトン溶媒を例示すれば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルn−プロピルケトン(2−ペンタノン)、ジエチルケトン(3−ペンタノン)、n−ブチルメチルケトン(2−ヘキサノン)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルペンチルケトン(2−ヘプタノン)、ジn−プロピルケトン(4−ヘプタノン)、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン(2,5−ヘキサンジオン)、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等を挙げることができる。
また、上記ケトン溶媒は、単独で使用してもよいし、複数種類を組み合わせて使用してもよい。中でも溶媒の揮発性(乾燥性)、汎用性や価格を考慮すると、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンが望ましい。
さらに、エポキシ樹脂の剥離洗浄性は、非プロトン性極性溶媒だけでなく、無極性溶媒でも良好である。したがって、シリコーン系樹脂(インプリント用モールド)の膨潤率を10〜30%に調整できる範囲であれば、上記ケトン溶媒と他の無極性溶媒とを混合して洗浄溶媒とすることができる。該無極性溶媒としては、公知のものが何ら制限なく使用できる。例えば、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ジn−ブチルエーテル、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、ジエチルエーテル、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエチレン、ベンゼン、酢酸エチル、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等を挙げることができる。ただし、洗浄溶媒の回収等を考慮すると、ケトン溶媒単独で使用することが好ましい。
次に、インプリント用モールドの具体的な洗浄方法について説明する。
(インプリント用モールドの洗浄方法)
インプリント用モールドの洗浄方法においては、除去すべきものを溶解除去することが理想的であるが、硬化体(三次元架橋高分子)は、基本的に、いかなる溶媒にも溶解しないため、溶解による除去は不可能である。溶解以外の除去方法としては、膨潤剥離、あるいはピラニア洗浄(濃硫酸/過酸化水素水)のように化学的に分解する等の方法が考えられる。しかしながら、シリコーン系樹脂、例えば、ポリジメチルシロキサン等は、強酸や強塩基には侵されるため、ピラニア洗浄のような過酷な高温・強酸性条件下では、ポリジメチルシロキサン自体が大きなダメージを受ける。したがって、除去方法としては膨潤剥離が適当であると考えられる。この点からも、本発明の洗浄方法は、シリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドの洗浄方法に適していると言える。
本発明において、インプリント用モールドの洗浄方法は、付着物が付着したインプリント用モールドと、該インプリント用モールドの膨潤率(23℃、5分間浸漬の条件)を10〜30%とする有機溶媒とを接触させればよい。
接触させる方法は、特に制限されるものではなく、該有機溶媒をインプリント用モールドにスプレーする方法、該有機溶媒中にインプリント用モールドを浸漬させる方法等を採用することができる。中でも、洗浄効率を高めるためには、浸漬させる方法を採用することが好ましい。また、インプリント用モールドを浸漬した状態で、揺動、撹拌、または超音波の照射により、さらに洗浄効率を高めることができる。超音波の照射は、市販の超音波洗浄機を用いることで実施することができる。超音波洗浄機の周波数は、特に制限されるものではなく、20〜100kHzの範囲から選択することができる。通常の超音波洗浄機では、35〜45kHzの周波数を用いることが多い。また、超音波洗浄機の出力ついても、特に制限されるものではなく、40〜500Wの範囲から選択することができる。通常の超音波洗浄機では、100〜240Wを用いることが多い。
洗浄時の有機溶媒の温度は、特に制限されるものではなく、20〜60℃程度から選択することができるが、洗浄効率を高めるためには、40〜60℃程度の温度が好ましい。超音波洗浄機を用いる場合は、温度が上がるにつれて、大きな泡が発生し、超音波が減衰するため、洗浄効果は低下する。したがって、20〜40℃程度の温度が好ましい。
洗浄時間は、特に制限されるものではなく、5分〜12時間の範囲から選択することができる。浸漬して静置する場合や、揺動、撹拌する場合は、30分〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。また、超音波洗浄を実施する場合には、5分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。浸漬洗浄後は、必要に応じて、新液(有機溶媒)にてリンス洗浄を行ってもよい。
上記のように洗浄を実施したインプリント用モールドは、PDMSモールドの細孔内部に有機溶媒を含み、膨潤しているため、繰返し使用に当たっては乾燥を実施し、有機溶媒を除去し、元のモールド寸法に戻す必要がある。乾燥方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。具体的には、窒素ブロー等で乾燥させる方法、室温で自然乾燥させる方法、乾燥機等で加熱して乾燥させる方法、真空乾燥機にて乾燥させる方法等を挙げることができる。中でも、熱履歴をかけることなく、完全に有機溶媒を除去することができる真空乾燥機による方法が、特に好適に用いられる。真空乾燥機による乾燥では、真空度0.1kPa程度、30〜40℃で、1〜5時間程度で乾燥することができる。
(インプリント用モールドを使用してパターンを形成する方法)
(インプリント用組成物)
本発明では、上記洗浄方法で洗浄したインプリント用モールドを使用して、複数回、パターンを形成する。このパターン形成方法について説明する。先ず、インプリント用組成物について説明する。
本発明では、重合性単量体、及び光重合開始剤を含むインプリント用組成物を用いる。本発明で使用する重合性単量体は、常圧方式の光インプリントを実施するため、酸素阻害を受けないカチオン重合性基を有する重合性単量体であれば、特に制限されるものではなく、公知のカチオン重合性単量体を使用することができる。カチオン重合性基としては、エポキシ基(オキシラン基)、オキセタン基、ビニル基、ビニルエーテル基、スチリル基を有するカチオン重合性単量体が好ましい。中でもエポキシ基(オキシラン基)、オキセタン基を有するカチオン重合性単量体が好ましい。
カチオン重合性単量体は、1分子中に1つのカチオン重合性基を有する単官能カチオン重合性単量体であってもよいし、1分子中に2つ以上のカチオン重合性基を有する多官能カチオン重合性単量体であってもよい。さらには、これら単官能カチオン重合性単量体、及び多官能カチオン重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。
カチオン重合性単量体を、具体的に例示すれば、1分子中に1つのカチオン重合性基を有する単官能カチオン重合性単量体としては、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等の単官能エポキシ化合物;
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メタアリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、3−アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)シクロヘキサン、4−フルオロ−{1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、4−メトキシ−{1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、{1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル}フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の単官能オキセタン化合物;
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等のNビニル化合物;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、(シクロヘキシルメチル)ビニルエーテル、{(4−メチルシクロヘキシル)メチル}ビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、{2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチル}ビニルエーテル、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル、(2−エトキシエチル)ビニルエーテル、(2−ブトキシエチル)ビニルエーテル、{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}ビニルエーテル、{2−(2−エトキシエトキシ)エチル}ビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、(2−ヒドロキシエチル)ビニルエーテル、(3−ヒドロキシプロピル)ビニルエーテル、(4−ヒドロキシブチル)ビニルエーテル、{4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル}メチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、(2−クロロエチル)ビニルエーテル、(4−クロロブチル)ビニルエーテル、{2−(2−クロロエトキシ)エチル}ビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類;
スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、アネトール、イソオイゲノール、4−(クロロメチル)スチレン、4−アセトキシスチレン、4−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、4−ブロモスチレン、2−ビニル安息香酸メチル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−イソプロピルスチレン、4−イソプロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3―オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−アリルスチレン、4−(3−ブテニル)スチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等のスチリル基を有する単量体が挙げられる。
1分子中に2つの以上のカチオン重合性基を有する多官能重合性単量体としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ビシクロヘキシル−3,3’−ジオキサイド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等の多官能エポキシ化合物;
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、1,4−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)フェニル}メタン、2,2’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、1,2−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}エタン、1,3−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキサイド変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタン化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類が挙げられる。また、上記カチオン重合性単量体は、使用する用途、形成するパターンの形状に応じて、単独でもよいし、複数種類のものを組み合わせて使用してもよい。
中でも、塩素系ガスのエッチング耐性を向上させることができるという点から、分子内に芳香環を有する単量体、または環状構造を有する単量体が好ましい。中でも、重合してエポキシ樹脂を形成するモノマー(前記多官能エポキシ化合物)を使用することが好ましい。エポキシ樹脂とは、エポキシ基が架橋に関与してなる樹脂を指す。
これらモノマーの中でも、前記多官能エポキシ化合物と前記多官能オキセタン化合物とを含むインプリント用組成物が好ましい。具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビシクロヘキシル−3,3’−ジオキサイドから選ばれる多官能エポキシ化合物と、
1,4−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)フェニル}メタン、2,2’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼンから選ばれる多官能オキセタン化合物とを含むものであることが好ましい。
本発明のインプリント用組成物は、前記のカチオン重合性基を有する重合性単量体以外の、他の重合性基を有する重合性単量体(以下、単に他の重合性単量体とする場合もある)を含むことができる。次に、他の重合性単量体について説明する。
(他の重合性単量体)
本発明において、他の重合性単量体は、特に制限されるものではなく、光重合に使用される公知のカチオン重合性基以外の重合性基を有する単量体を使用することができる。
カチオン重合性基以外の重合性基を有する単量体としては、(メタ)アクリル基を有する単量体が挙げられる。ただし、本発明においては、空気中での光重合によりインプリントを実施するため、カチオン重合性基以外の重合性基を有する単量体は、酸素阻害を受ける。そのため、前記カチオン重合性基以外の重合性基を有する単量体を使用する場合には、本発明の効果を損なわない範囲、具体的には、重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量%としたとき、前記カチオン重合性基以外の重合性基を有する単量体は0〜20質量%とすることが好ましく、より好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0質量%である。
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体は、1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体、及び/又は2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体であってもよい。具体的な重合性単量体としては、特開2014−57016号公報に記載されているような(メタ)アクリル基を有する重合性単量体が挙げられる。
中でも、塩素系ガスのエッチング耐性を向上させることができるという点から、分子内にο−フェニルフェノキシ基、フルオレン等の芳香環を有する単量体、または環状構造を有する単量体が好ましい。具体的には、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−[2−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}エトキシ]フェニル〕プロパン、9,9−ビス[4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−{3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ}フェニル]フルオレン、1,3−アダマンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
次に、光重合開始剤について説明する。
(光重合開始剤)
本発明において、光重合開始剤に用いる光酸発生剤は、特に制限されるものではなく、紫外線等の照射により直接ブレンステッド酸、あるいはルイス酸を発生しうる化合物であれば、公知の化合物が何ら制限なく用いられる。このような光酸発生剤としては、ジアリールヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物、スルホン酸エステル化合物等が挙げられる。中でも、ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤が、重合活性が高く、優れている。上記光酸発生剤は、1種または2種以上を混合して用いてもよい。
光酸発生剤を、具体的に例示すれば、ジアリールヨードニウム塩化合物としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム、(p−イソプロピルフェニル)(p−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、(p−t−ブチルフェニル)フェニルヨードニウム、(p−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、(p−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、(p−フェノキシフェニル)フェニルヨードニウム等のクロライド、ブロマイド、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
本発明において、上記光重合開始剤の使用量は、重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
(増感剤)
本発明のインプリント用組成物には、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感剤を添加することができる。以下、増感剤について説明する。
増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ350〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。例えば、特開2006−282875号公報に記載されている増感剤を使用することができる。具体的に例示すれば、多核芳香族化合物類、キサンテン類、シアニン類、メロシアニン類、チアジン類、アクリジン類、アントラキノン類、クマリン類等が挙げられる。その中でも、9−メチルアントラセン、7,12−ジメチルベンゾ[a]アントラセン等の多核芳香族化合物類、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン類等が好適に使用できる。上記増感剤は、1種または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、上記増感剤の使用量は、重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
(その他の添加成分)
本発明のインプリント用組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を配合することができる。
本発明のインプリント用組成物の使用に当たり、前記インプリント用組成物を基板上に塗布して使用するが、この場合、インプリント用組成物を溶媒で希釈して使用することもできる。また、本発明の光硬化性組成物を安定化させる目的、又はその他の目的で溶媒や安定化剤やその他公知の添加剤を配合することもできる。使用される溶媒としては、本発明のインプリント用組成物が溶解する溶媒であれば、何ら制限なく使用できる。具体的に例示すれば、炭化水素類、塩素系炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルコール類等が挙げられる。その中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類、シクロヘキサノン等のケトン類、ジアセトンアルコール等のアルコール類等が好適に使用できる。
溶媒を使用する場合、使用量は特に制限されず、目的の塗膜の厚みに応じて、適宜選択される。中でも、溶媒およびインプリント用組成物の合計量を100質量%とすると、該溶媒の濃度が10〜99質量%となる範囲とすることが好ましい。
本発明のインプリント用組成物には、その他の公知の添加剤を配合することができる。具体的には、界面活性剤、重合禁止剤等を配合することができる。界面活性剤は塗膜の均一性の点から、重合禁止剤は保存中に重合しないように安定化させるために配合される。
界面活性剤を配合する場合には、重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.0001〜1質量部、好ましくは、0.001〜0.1質量部の割合で配合することができる。
界面活性剤としては、フッ素含有界面活性剤、シリコーン含有界面活性剤、脂肪族系界面活性剤が使用できる。中でも、インプリント用組成物がシリコンウエハ等の基板へ塗布されるものの場合、はじきを生ずることなく、組成物を均一に塗布しやすい点から、脂肪族系界面活性剤を使用することがより好ましい。例えば、特開2014−57016号公報に記載されている界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体的な例としては、高級アルキル硫酸の金属塩類、脂肪族カルボン酸の金属塩類、高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ジエステルの金属塩類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類、4級アンモニウム塩類、アルキルジメチルアミンオキシド類、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルスルホベタイン類、アミドアミノ酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類等を挙げることができる。その中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等を使用することが好ましい。界面活性剤は、それぞれ単独で使用できるだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することもできる。
重合禁止剤を配合する場合には、重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.01〜1.0質量部、好ましくは、0.1〜0.5質量部の割合で配合することができる。
重合禁止剤の例としては、公知のものを挙げることができ、例えば、最も代表的なものは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
また、他の添加成分として、レプリカモールド(パターン面)からの離型性を向上し、基板上に再現性に優れた形状のパターンを形成できることから、ハイパーブランチポリマーのような球状微粒子を添加することもできる。この場合、直径は1〜10nm、分子量10,000〜100,000の球状ハイパーブランチポリマーを配合することが好ましい。配合量は、重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部の量であることが好ましい。
本発明のインプリント用組成物は、少なくとも、カチオン重合性単量体、光重合開始剤を混合することによって調製され、任意の添加成分を混合することによって調製してもよい。これら成分の添加順序は特に制限されるものではないが、カチオン重合性単量体を混合した後に、その他の成分を混合するのが好ましい。
(インプリント用組成物・塗膜剤の製造方法)
本発明のインプリント用組成物は、上記カチオン重合性単量体の他、必要に応じて配合される他の重合性単量体、重合開始剤、その他添加成分を混合することにより製造できる。塗膜剤とする場合には、さらに有機溶媒を混合すればよい。これら成分の添加順序は特に制限されるものではないが、先ず、重合性単量体、及び必要に応じて配合される有機溶媒を十分に混合して均一な状態とした後、その他の成分を混合するのが好ましい。
(インプリン用組成物・塗膜剤を用いたパターンの形成方法)
本発明のインプリント用組成物を用いたパターン形成方法について説明する。本発明のパターン形成方法は、塗膜形成工程、硬化工程、及びパターン転写工程を含む。これら工程について説明する。
(塗膜形成工程)
前記方法により調製したインプリント用組成物、又は必要に応じて有機溶剤を混合した塗膜剤(インプリント用組成物を含む塗膜剤)を、基板上に塗布する。該基板は、特に制限されるものではなく、シリコン基板、炭化ケイ素基板、第13族元素の窒化物単結晶基板、サファイア基板等が挙げられる。
先ず、インプリント用組成物を含む塗膜剤(インプリント用組成物のみの場合もある)を基板上に公知の方法に従って塗布することにより、塗膜を形成する。なお、基板は、本発明のインプリント用組成物よりなる硬化膜との密着性をより改善するために、表面処理を施すこともできる。
基板上に、スピンコート法、ディッピング法、ディスペンス法、インクジェット法、スプレーコート法のような公知の方法により、本発明のインプリント用組成物を塗布することにより、塗膜を形成することができる。塗膜の厚みは、特に制限されるものではなく、使用するモールドのパターンに応じた最適膜厚を適宜決定すればよいが、通常0.1〜5μmである。
インプリントでは、パターンが形成されたモールドの反転したパターンが得られる。インプリント用組成物が重合硬化してなる硬化膜のインプリントパターンとしては、円錐台形状、円柱形状が一般的である。したがって、モールドは、円錐台形状、または円柱形状の反転パターンを有するモールドを使用し、インプリントを実施する。すなわち、モールドのパターンとしては、凹型の円錐台形状、または円柱形状のパターンである。このようなモールドは様々なパターンのものが市販されている。
また、塗膜形成後に、必要に応じてプリベーク工程を加えてもよい。プリベーク温度は、塗膜が乾燥する温度であれば、特に制限されないが、通常は、40℃〜150℃の範囲から選択できる。揮発による重合性単量体の組成変化が起こる場合もあるため、乾燥温度は100℃以下が好ましい。
(硬化工程)
次に、所望のパターンが形成されているモールドのパターン形成面を、前記塗膜と接触させる。ここで用いるモールドは、PDMS等のシリコーン樹脂からなるインプリント用モールドであり、複数回インプリントを実施し、前述の方法にて洗浄し、次いで乾燥したものである。本発明のインプリント用組成物は、PDMSモールドを押し付ける際に、圧力は特に必要なく、PDMSモールドの自重だけで簡単に空気を抜きながら、モールド凹部に充填することができる。圧力をかける場合には、0.01〜1MPaの低圧が好ましい。PDMSモールドは柔軟性の高いシリコーン樹脂であるため、圧力をかけると、PDMSモールド自体の変形が起こり、転写パターンに狂いが生じることになる。
その後、PDMSモールドのパターン面と塗膜とを接触させた状態のまま、光を照射して、塗膜を硬化させる。照射する光は、波長が500nm以下で、光の照射時間は、0.1〜300秒の範囲から選択される。塗膜の厚み等にもよるが、通常、1〜60秒である。
本発明のインプリント用組成物は、酸素阻害を受けないカチオン重合性単量体であるため、光重合時の雰囲気としては、大気下で重合することが可能である。
(パターン転写工程)
光照射(光重合)した後、硬化した塗膜からPDMSモールドを分離(離型)することにより、該PDMSモールドのパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを、例えば、サファイア基板上に形成することができる。以下、基板上に硬化膜よりなるパターンが形成されたものを、単に、積層体とする場合もある。
本発明の洗浄方法は、上記硬化工程、及びパターン転写工程を実施した際に使用したモールドを洗浄する方法である。洗浄の対象となるモールドは、使用するインプリント用組成物、モールド形状等によって最適値が異なるため限定はできないが、少なくとも1回以上の硬化工程、及びパターン転写工程を実施したものであり、好適には、50〜100回程度、実施したものである。
(基板の加工方法)
本発明のインプリント用組成物から得られる硬化膜は、サファイア基板を表面加工する際のマスクとして用いることができる。なお、塩素系ガスとしては、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を挙げることができ、必要に応じて、酸素ガス、フッ素系ガス、アルゴンガス等を混合して使用することもできる。なお、以下、凹凸パターンを有するサファイア基板の加工方法をPSS加工とも表現し、説明する。
具体的な方法としては、まず、積層体の硬化膜の肉薄部分(残膜)をドライエッチングにより除去し、サファイア基板表面を出した後、さらにドライエッチングを行い、硬化膜すべてを除去させることにより、円錐形状の凹凸パターンを有するサファイア基板を作製する。また、残膜が0.2μm以下の薄い場合は、残膜を除去する工程を実施せずに、残膜の除去とドライエッチングによるPSS加工を一度に行うことも可能である。
ドライエッチングの具体的な条件として、アンテナ電力は100〜800Wの任意の電力を選択することができる。ただし、硬化膜の炭化等の変質防止や、サファイア基板のエッチング速度を高めることを考慮すると、200〜500Wが望ましい。
また、バイアス電力は100〜500Wの任意の電力が選択することができる。同様に、硬化膜の炭化等の変質防止や、サファイア基板のエッチング速度を高めることを考慮すると、200〜300Wが望ましい。
エッチングガスの流量としては、全ガス流量を50〜150sccmに設定するのが通常である。実際にエッチングを行う塩素系ガスや、希釈を目的とするアルゴン等のガスの割合は任意に設定することができる。
ドライエッチング時間は、硬化膜を完全にドライエッチングにより除去できるまで行う必要がある。通常は、硬化膜が完全に除去される時間(ジャストエッチタイム)より2〜3割長めのエッチング時間を設定する。実際のエッチング時間は、硬化膜が形成する円錐の高さによって異なるが、通常は10〜40分である。
以上の方法により、基板にパターンを形成することができる。
以下、本発明を実施例、および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。先ず、本発明で使用した材料、本発明における評価方法について説明する。
(インプリント用組成物)
オキセタン、またはエポキシ系重合性モノマー、増感剤、光酸発生剤、重合禁止剤から構成されるインプリント用組成物Aを調合例1に示す方法により調製した。組成を表1に示した(表中の値は、すべて質量部である。)。
(マスターモールド 図4、6参照)
マスターモールドには、以下のシリコン製の凸型円柱形状モールド(パターン形成面:縦20mm×横20mm)を用いた。パターンは、ピラー直径D=2.0μm(図4 符号41)、ピラー高さH=2.0μm(図4 符号42)、周期P=4.0μm(図6 符号62)、アスペクト比=1.0、配列は三角配列である(図6参照、図6 符号62がピラー直径Dに相当する場合)。
(PDMSモールド(図5、6参照)の作製方法)
PDMSモールドは、以下の手順で作製した。高精細転写用シリコーン印象剤(信越化学工業(株)製)の主剤SIM−360 10gに対し、硬化剤CAT−360 1gを加え、スターラーで撹拌した後、超音波を照射し、気泡を軽く除いた(印象剤液を調整した)。次に、底面をシリコンウエハ(30mm×30mm)、縁をポリイミドテープで作った容器に、マスターモールドをセットし、調製した印象剤液を流し入れ、真空下で2時間放置して、脱泡した。脱泡後、恒温槽にて、150℃で30分間加熱し、印象剤液を硬化させた。硬化したシリコーン系樹脂をマスターモールドから剥離し、PDMSモールドを得た。パターンは、凹型円柱形状であり、ホール直径D=2.0μm(図5 符号51)、ホール高さH=2.0μm(図5 符号52)、周期P=4.0μm(図6 符号62)、アスペクト比=1.0、配列は三角配列である(図6参照、図6 符号62がホール直径Dに相当する場合)。
(PDMSモールドの各有機溶媒に対する膨潤率)
100mlのビーカーに種々の有機溶媒を入れ、PDMSモールド(縦20mm×横20mm×高さ(厚み)2mm)を、23℃で、5分間浸漬させた。浸漬前後の寸法変化から膨潤率(体積変化率)を求めた。
(洗浄性評価用サンプルの調製方法)
PDMSモールドを4分割の短冊状(縦20mm×横5mm×高さ(厚み)2mm)に切断し、パターン形成面に、インプリント用組成物Aを少量(φ3mm程度)ずつ5カ所に付着させ、窒素気流下にてLED(波長365nm、照度:25mW/cm)を40秒間照射して硬化させ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着したPDMSモールドを作製した。このときの露光量は、1J/cmである。
(インプリント用組成物Aの硬化体(付着物)の洗浄方法と洗浄性の評価)
有機溶媒の入った20mlのサンプル管瓶に、インプリント用組成物の硬化体が付着した短冊状のPDMSモールド(縦20mm×横5mm×高さ(厚さ)2mm)を入れ、5分間超音波照射し、洗浄した。超音波洗浄機には、周波数45kHz、出力100WのVS−100III(アズワン(株)製)を用いた。
インプリント用組成物硬化体の洗浄性は、以下のように3段階に評価した。
○:4〜5カ所の硬化体が除去できたもの。
△:3カ所の硬化体が除去できたもの。
×:0〜2カ所の硬化体が除去できたもの。
(モールドパターンの寸法精度の評価)
洗浄後のPDMSモールドパターンの寸法精度は、以下の方法により評価した。洗浄後の短冊状のPDMSモールドを、真空乾燥機にて、40℃、1時間乾燥して有機溶媒を除去した。洗浄前と乾燥度の短冊状のPDMSモールドは、走査型電子顕微鏡(SEM)によりパターン形状を観察した。寸法精度は、{(乾燥後のPDMSモールドのホール直径−浸漬前のPDMSモールドのホール直径)/浸漬前のPDMSモールドのホール直径)}×100により算出した。PDMSモールドの寸法精度は、以下のように3段階に評価した。
◎:寸法精度が、±0.5%未満。
○:寸法精度が、±2%未満。
×:寸法精度が、±2%以上。
調合例1(インプリント用組成物)
オキセタン系重合性単量体として、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(東亞合成(株)製、アロンオキセタン OXT−121)7.0g、エポキシ系重合性単量体として、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル(株)製、セロキサイド2021P)3.0g、増感剤として、9−メチルアントラセン(東京化成工業(株)製)0.1g、光酸発生剤として、(p−イソプロピルフェニル)(p−メチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(東京化成工業(株)製、IDPI)0.2g、重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル(HQME)0.015g、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.002g、希釈溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)15.0gを均一に混合した。その後、孔径0.2μmのシリンジフィルターにてろ過し、インプリント用組成物Aを得た。このインプリント用組成物Aの配合割合を表1に示した(表中の値は、すべて質量部である。)。
Figure 2016076660
実施例1
20mlのサンプル管瓶に、アセトン20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は−0.2%であり、評価は◎であった。なお、アセトンでのPDMSモールドの膨潤率は17%であった。したがって、アセトンは寸法精度、洗浄性ともに問題なく、洗浄溶媒として使用できる。評価結果を表2に示す。
実施例2
20mlのサンプル管瓶に、メチルエチルケトン(MEK)20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は−0.1%であり、評価は◎であった。なお、メチルエチルケトン(MEK)でのPDMSモールドの膨潤率は10%であった。したがって、メチルエチルケトン(MEK)は寸法精度、洗浄性ともに問題なく、洗浄溶媒として使用できる。評価結果を表2に示す。
実施例3
20mlのサンプル管瓶に、メチルイソブチルケトン(MIBK)20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+0.6%であり、評価は○であった。なお、メチルイソブチルケトン(MIBK)でのPDMSモールドの膨潤率は26%であった。したがって、メチルイソブチルケトン(MIBK)は寸法精度、洗浄性ともに問題なく、洗浄溶媒として使用できる。評価結果を表2に示す。
実施例4
20mlのサンプル管瓶に、シクロヘキサノン20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+0.1%であり、評価は◎であった。なお、シクロヘキサノンでのPDMSモールドの膨潤率は13%であった。したがって、シクロヘキサノンは寸法精度、洗浄性ともに問題なく、洗浄溶媒として使用できる。評価結果を表2に示す。
実施例5
20mlのサンプル管瓶に、アセトン18mlとトルエン2ml(アセトン/トルエン=9/1の混合溶媒)を入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+0.7%であり、評価は○であった。なお、アセトン/トルエン=9/1の混合溶媒でのPDMSモールドの膨潤率は20%であった。したがって、アセトン/トルエン=9/1の混合溶媒は寸法精度、洗浄性ともに問題なく、洗浄溶媒として使用できる。評価結果を表2に示す。
実施例6
20mlのサンプル管瓶に、アセトン16mlとクロロホルム4ml(アセトン/クロロホルム=8/2の混合溶媒)を入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+0.6%であり、評価は○であった。なお、アセトン/クロロホルム=8/2の混合溶媒でのPDMSモールドの膨潤率は20%であった。したがって、アセトン/クロロホルム=8/2の混合溶媒は寸法精度、洗浄性ともに問題なく、洗浄溶媒として使用できる。評価結果を表2に示す。
比較例1
20mlのサンプル管瓶に、n−ブタノール20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は2つであり、洗浄性は×であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+0.1%であり、評価は◎であった。なお、n−ブタノールでのPDMSモールドの膨潤率は3%であった。したがって、n−ブタノールは、寸法精度は良好であるが、洗浄性が悪く、洗浄溶媒としては使用できない。評価結果を表2に示す。
比較例2
20mlのサンプル管瓶に、テトラヒドロフラン(THF)20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+2.3%であり、評価は×であった。なお、テトラヒドロフラン(THF)でのPDMSモールドの膨潤率は50%であった。したがって、テトラヒドロフラン(THF)は、洗浄性は良好であるが、寸法精度が悪く、洗浄溶媒としては使用できない。評価結果を表2に示す。
比較例3
20mlのサンプル管瓶に、クロロホルム20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は3つであり、洗浄性は△であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+2.2%であり、評価は×であった。なお、クロロホルムでのPDMSモールドの膨潤率は68%であった。したがって、クロロホルムは、洗浄性はそれなりに良好であるが、寸法精度が悪く、洗浄溶媒としては使用できない。評価結果を表2に示す。
比較例4
20mlのサンプル管瓶に、ヘキサン20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+2.5%であり、評価は×であった。なお、ヘキサンでのPDMSモールドの膨潤率は68%であった。したがって、ヘキサンは、洗浄性は良好であるが、寸法精度が悪く、洗浄溶媒としては使用できない。評価結果を表2に示す。
比較例5
20mlのサンプル管瓶に、トルエン20mlを入れ、インプリント用組成物Aの硬化体の付着した短冊状PDMSモールドを浸漬し、超音波洗浄機(周波数45kHz、出力100W)にて、5分間洗浄を行った。洗浄除去できた硬化体の個数は5つであり、洗浄性は○であった。次いで、40℃で1時間真空乾燥させたときの短冊状PDMSモールドの寸法精度は+2.6%であり、評価は×であった。なお、トルエンでのPDMSモールドの膨潤率は68%であった。したがって、トルエンは、洗浄性は良好であるが、寸法精度が悪く、洗浄溶媒としては使用できない。評価結果を表2に示す。
Figure 2016076660
以上の通り、実施例1〜6の洗浄方法に従えば、インプリント用組成物の硬化体が付着したPDMSモールドから容易に硬化体を除去することができる。そして、比較的低温で短時間の乾燥であっても、洗浄前後のモールドの寸法が殆ど変わらない。これらのことから明らかな通り、インプリント用組成物を用いてパターンを形成するに際し、シリコーン系樹脂からなるモールドを本発明の方法に従って洗浄することにより、複数回使用することが可能となる。
31 基板
32 インプリント用組成物
33 PDMSモールド
41 凸型円柱形状モールドのピラー直径D
42 凸型円柱形状モールドのピラー高さH
51 凹型円柱形状モールドのホール直径D
52 凹型円柱形状モールドのホール高さH
61 直径D
62 周期P(円柱の中心間の距離)

Claims (7)

  1. シリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドを洗浄する方法であって、
    該インプリント用モールドを、5分間、23℃の温度の有機溶媒中に浸漬させた際、該インプリント用モールドの膨潤率が10〜30%となる有機溶媒を使用して、該インプリント用モールドを洗浄する方法。
  2. 前記シリコーン系樹脂が、ポリジメチルシロキサンである請求項1に記載の方法。
  3. 前記インプリント用モールドの洗浄に使用する有機溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも1種のケトン溶媒である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 基板上にインプリント用組成物からなる塗膜を形成する工程、
    シリコーン系樹脂からなるインプリント用モールドのパターンが形成されたパターン形成面と該塗膜とを接触させ、その状態で塗膜を硬化させる工程、
    該インプリント用モールドを硬化した塗膜から分離して、インプリント用モールドのパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成する工程
    を含むパターン形成方法において、
    該インプリント用モールドを、5分間、23℃の温度の有機溶媒中に浸漬させた際、該インプリント用モールドの膨潤率が10〜30%となる有機溶媒を使用して洗浄したインプリント用モールドをパターン形成に使用することを特徴とする方法。
  5. 前記インプリント用組成物が、重合してエポキシ樹脂を形成するモノマーを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 洗浄した前記インプリント用モールドが、1回以上パターン形成に使用されたものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
  7. 請求項4〜6の何れかに記載の方法で基板上に形成したパターンをマスクとして、該基板のパターンを形成した面と塩素系ガスとを接触させてエッチングすることを特徴とする基板の加工方法。
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