JP2016076459A - コネクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁ハウジングに設けられた板状部材装着部に装着された配線板状部材について、弾性変位及び弾性復元を行う弾性部材を必要とすることなく、板状部材装着部からの不所望な離脱を確実に阻止できるコネクタ装置を提供する。【解決手段】板状部材装着部15が設けられた絶縁ハウジング11と、絶縁ハウジング11により回転可能に支持された両端部と中間部31とを有して絶縁ハウジング11に対して回動可能に設けられ、中間部31が絶縁ハウジング11に近接する第1の静止位置と中間部31が絶縁ハウジング11から離隔する第2の静止位置とを選択的にとる回動操作部材14とを備え、回動操作部材14の両端部に夫々形成された係止部37a(35a)が、回動操作部材14が第1の静止位置をとるとき、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16を係止することができる位置におかれる。【選択図】図12
Description
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板(FPC)やフレキシブル平板状ケーブル(FFC)等の配線板状部材が装着されるもとで、その配線板状部材に設けられた接続端子部を他の配線基板に電気的に接続された状態とするため、装着された配線板状部材に設けられた接続端子部に接触接続されるコンタクト及び装着された配線板状部材をその不所望な離脱を阻止すべく係止する手段を備えたコネクタ装置に関する。
各種の電子機器に実装される比較的小型なフレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等の配線板状部材は、各種の電気部品が取り付けられる主配線基板への取付けが、当該主配線基板に電気的接続がなされて固着されるコネクタ装置が用いられて行われることが多いものとされる。このような配線板状部材の主配線基板への取付けにあたって用いられるコネクタ装置は、配線板状部材に設けられた接続端子部に接触接続される導電性のコンタクトを有していて、そのコンタクトを介して、配線板状部材に設けられた接続端子部を主配線基板に設けられた配線部における端子に電気的に接続する。
従来提案されている、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材の主配線基板への取付けに用いられるコネクタ装置は、配線板状部材が装着される板状部材装着部が設けられたものとされて主配線基板に配される、絶縁材料によって形成された絶縁ハウジングを有していて、その絶縁ハウジングに配列配置されて設けられて主配線基板に設けられた配線端子に連結され、板状部材装着部に装着された配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々対応するものとなる、複数のコンタクトが備えられたものとされることが多い。そして、コネクタ装置に備えられた複数のコンタクトが配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続された状態におかれることにより、配線板状部材が主配線基板との電気的接続状態におかれる。
このような従来提案されているコネクタ装置にあっては、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材が、主配線基板に配された絶縁ハウジングに設けられた板状部材装着部に装着されて、絶縁ハウジングに配された複数のコンタクトが、板状部材装着部に装着された配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続され、それにより、配線板状部材が主配線基板との電気的接続状態におかれるにあたり、配線板状部材が絶縁ハウジングに設けられた板状部材装着部から不所望に離脱するような事態が回避されなくてはならない。当然のことながら、絶縁ハウジングに配された複数のコンタクトが板状部材装着部に装着された配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続された状態が適正に維持されるためには、板状部材装着部に装着された配線板状部材が、その状態を安定に維持することができ、板状部材装着部から不所望に離脱せしめられるような事態をまねかないものとされることが必要とされるのである。
そのため、上述のような、絶縁ハウジングを有し、複数のコンタクトが備えられたコネクタ装置であって、絶縁ハウジングに設けられた板状部材装着部に装着された配線板状部材に係合して、当該配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を阻止するロック手段を備えたコネクタ装置も従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に示されるコネクタ装置(コネクタ(1))にあっては、絶縁ハウジング(コネクタハウジング(20)) に、その本体(21)の内部に形成された端末収容部(22)を含むものとされて本体(21)の正面側において開口する板状部材装着部、及び、本体(21)の背面側から正面側へと伸びる一対の可撓腕部(31)と各可撓腕部(31)の端部を連結する連結部(32)とを有したロックアーム(30)が設けられており、ロックアーム(30)の連結部(32)には、係合斜面(34)を有した係合突起(33)が形成されている。さらに、絶縁ハウジングには、本体(21)の幅方向両端部に夫々回動自在に軸着された一対のカム部(42)と一対のカム部(42)から夫々伸びる一対の操作レバー(43)と各操作レバー(43)の端部を連結する連結部(44)とを有したロック解除部材(40)が、その全体が回動可能とされて取り付けられている。ロック解除部材(40)は、絶縁ハウジングに対して伏した状態と絶縁ハウジングに対して起き上がった状態とを選択的にとる。
そして、ロック解除部材(40)が絶縁ハウジングに対して伏した状態をとるもとで、絶縁ハウジングに設けられた板状部材装着部に、本体(21)の正面側において開口する部分を通じて、端末部(11)を有した配線板状部材(FPC/FFC(10)) がその端末部(11)を端末収容部(22)に向かわせる状態をもって挿入される。その際、端末収容部(22)に向かって移動する配線板状部材の端末部(11)が、ロックアーム(30)の連結部(32)に形成されて板状部材装着部内に突出する係合突起(33)の係合斜面(34)に当接して係合突起(33)を押し上げ、それにより、ロックアーム(30)の一対の可撓腕部(31)の夫々に弾性変位を生じさせて係合突起(33)を上方に移動させ、係合突起(33)に端末部(11)に乗り上げた状態をとらせる。続いて、端末部(11)が端末収容部(22)に収容される位置に到達すると、端末部(11)に設けられた係止穴(13)がそれまで端末部(11)に乗り上げていた係合突起(33)に対応する位置をとる。
それにより、ロックアーム(30)の一対の可撓腕部(31)の夫々が弾性変位した状態から弾性復元して元の位置をとる状態に移行し、それに伴って、ロックアーム(30)の連結部(32)に形成された係合突起(33)を配線板状部材の端末部(11)に設けられた係止穴(13)に係合させる。その結果、端末部(11)が端末収容部(22)に収容されて板状部材装着部に装着された配線板状部材が、ロックアーム(30)によって係止され、板状部材装着部からの不所望な離脱が阻止されることが期待される。
なお、絶縁ハウジングの本体(21)の内部に形成された端末収容部(22)には複数のコンタクト(23)が配されていて、複数のコンタクト(23)は、端末収容部(22)に収容された配線板状部材の端末部(11)に接触接続される。
その後、絶縁ハウジングに対して伏した状態をとるロック解除部材(40)が回動せしめられて絶縁ハウジングに対して起き上がった状態に移行せしめられると、ロック解除部材(40)が有する一対のカム部(42)の夫々が、ロックアーム(30)の連結部(32)の幅方向両端部の夫々に設けられた解除受部(35)を押し上げて、ロックアーム(30)の一対の可撓腕部(31)の夫々に弾性変位を生じさせ、それにより、連結部(32)に形成された係合突起(33)を上方に移動させて、配線板状部材の端末部(11)に設けられた係止穴(13)から離隔させる。その結果、端末部(11)が端末収容部(22)に収容されて板状部材装着部に装着された配線板状部材に対するロックアーム(30)による係止が解除される。
上述のような、特許文献1に記載された、絶縁ハウジングに設けられた板状部材装着部に装着された配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を阻止するロック手段を成すロックアームを備えたものとして従来提案されているコネクタ装置においては、端末部が端末収容部に収容されて板状部材装着部に装着された配線板状部材が、ロックアームによって係止されて板状部材装着部からの不所望な離脱が阻止されることが期待される状態におかれるにあたっては、ロックアームの一対の可撓腕部の夫々が、一旦弾性変位を生じてロックアームの連結部に形成された係合突起に配線板状部材の端末部に設けられた係止穴から離隔する状態をとらせ、その後、弾性変位を生じた状態から弾性復元して係合突起を係止穴に係合させ、それにより、ロックアームが配線板状部材を係止する状態が得られる。
しかしながら、斯かるもとにあっては、弾性変位及び弾性復元を行うロックアームにおける可撓腕部が、素材疲労や経年変化等により弾性が劣化して塑性変形を生じる事態をまねき易いものとなり、可撓腕部に塑性変形が生じた場合には、その可撓腕部が一旦弾性変位を生じた後に弾性復元するにあたり、適正な弾性復元を行うことができなくなってしまう虞がある。そして、可撓腕部が適正な弾性復元を行うことができなくなったときには、それに伴って、ロックアームの連結部に形成された係合突起が配線板状部材の端末部に設けられた係止穴に適正に係合することができなくなり、その結果、ロックアームによる配線板状部材に対する係止が不確実かつ不安定なものとなって、配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱の阻止を確実に行うことができなくなってしまうという不都合が生じる。
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、配線板状部材が装着される板状部材装着部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに配列配置されて設けられ、板状部材装着部に装着された配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続される複数のコンタクトと、板状部材装着部に装着された配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を阻止するロック手段を成す係止部とを備えたコネクタ装置であって、弾性変位及び弾性復元を行う弾性部材を必要とすることなく、板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止部による係止状態のもとに置いて、当該配線板状部材の板状部材差込み部からの不所望な離脱を確実に阻止することができるとともに、必要に応じて、板状部材装着部に装着された配線板状部材に対する係止部による係止状態を容易に解除することができ、配線板状部材の板状部材装着部からの意図的な離脱を可能とするものを提供する。
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明(以下、本願発明という。)に係るコネクタ装置は、板状部材装着部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに配列配置されて、板状部材装着部に装着された配線板状部材における複数の接続端子部に接触接続される複数のコンタクトと、絶縁ハウジングにより回転可能に支持された両端部とそれらの両端部の間に配された中間部とを有して絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、中間部が絶縁ハウジングに近接する第1の静止位置と中間部が絶縁ハウジングから離隔する第2の静止位置とを選択的にとる回動操作部と、を備えて成り、回動操作部材が有する両端部の夫々に板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止するための係止部が形成されていて、その係止部が、回動操作部材が第1の静止位置をとるとき、板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止することができる位置におかれ、また、回動操作部材が第2の静止位置をとるとき、板状部材装着部に装着された配線板状部材に対する係止を解除することができる位置におかれることを特徴とするものとされる。
上述のような本願発明に係るコネクタ装置にあっては、板状部材装着部が設けられるとともに複数のコンタクトが配列配置された絶縁ハウジングに、当該絶縁ハウジングにより回転可能に支持された両端部とそれらの間に配された中間部とを有した回動操作部材が回動可能に設けられており、回動操作部材は、その中間部が絶縁ハウジングに近接する第1の静止位置とその中間部が絶縁ハウジングから離隔する第2の静止位置とを選択的にとるものとされている。そして、絶縁ハウジングにより回転可能に支持された回動操作部材の両端部の夫々には、板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止するための係止部が形成されていて、この係止部は、板状部材装着部に装着された配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を阻止するロック手段を成しており、回動操作部材が第1の静止位置をとるとき、板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止することができる位置におかれ、それにより、回動操作部材が第1の静止位置をとるもとで配線板状部材が板状部材装着部に装着されたときには、板状部材装着部内において配線板状部材に対する係止を行い、また、回動操作部材が第2の静止位置をとるとき、板状部材装着部に装着された配線板状部材に対する係止を解除することができる位置におかれ、それにより、配線板状部材が板状部材装着部に装着されたもとで回動操作部材が第2の静止位置をとるときには、配線板状部材に対する係止を解除する。
斯かる本願発明に係るコネクタ装置の一例においては、絶縁ハウジングに取付けられて板状部材装着部を覆うカバー部材が備えられていて、配線板状部材が、絶縁ハウジングにおける板状部材装着部を形成する部分とカバー部材との間に差し込まれて板状部材装着部に装着される。そして、カバー部材における、回動操作部材が第1の静止位置をとるとき係止部に対応することになる位置に、板状部材装着部内に連なる空間を形成する空間拡大部が形成されており、また、絶縁ハウジングにより回転可能に支持された回動操作部材の両端部の夫々に、係止部に加えて案内部が形成されていて、この案内部が、回動操作部材が第1の静止位置をとるもとで配線板状部材が板状部材装着部に装着される過程において、当該配線板状部材における可動部分に当接して弾性変形を生じさせ、その可動部分をカバー部材に形成された空間拡大部が形成する空間内へと案内するとともに、係止部が、回動操作部材が第1の静止位置をとるもとで配線板状部材が板状部材装着部に装着されたとき、板状部材装着部内において配線板状部材における可動部分に隣接して設けられた係合部分に係合する。さらに、案内部は、回動操作部材が第1の静止位置をとるもとで、配線板状部材における可動部分を空間拡大部が形成する空間内へと案内した後、配線板状部材の板状部材装着部への装着のための移動に伴って可動部分との当接を解除し、配線板状部材における係合部分に回動操作部材の端部に形成された係止部との係合状態をとらせる。
本願発明に係るコネクタ装置によれば、上述のように、絶縁ハウジングにより回転可能に支持された回動操作部材の両端部の夫々に形成された係止部が、板状部材装着部に装着された配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を阻止するロック手段を成しており、回動操作部材が第1の静止位置をとるとき、板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止することができる位置におかれ、それにより、回動操作部材が第1の静止位置をとるもとで配線板状部材が板状部材装着部に装着されたときには、板状部材装着部において配線板状部材に対する係止を行うので、弾性変位及び弾性復元を行う弾性部材を必要とすることなく、板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止部による係止状態のもとに置いて、当該配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を確実に阻止することができる。
さらに、本願発明に係るコネクタ装置によれば、回動操作部材の両端部の夫々に形成されてロック手段を成す係止部が、回動操作部材が第2の静止位置をとるとき、板状部材装着部に装着された配線板状部材に対する係止を解除することができる位置におかれ、それにより、配線板状部材が板状部材装着部に装着されたもとで回動操作部材が第2の静止位置をとるときには、配線板状部材に対する係止を解除するので、必要に応じて、板状部材装着部に装着された配線板状部材に対する係止部による係止状態を容易に解除することができ、その結果、配線板状部材の板状部材装着部からの意図的な離脱が可能とされる。
本願発明を実施するための形態は、以下に述べられる本願発明についての実施例をもって説明される。
図1は、本願発明に係るコネクタ装置の一例をそれが固着された配線基板及びそれに装着される配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板と共に示す斜視図であり、また、図2は、本願発明に係るコネクタ装置の一例をそれが固着された配線基板と共に示す平面図である。
図1及び図2において、本願発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング11を備えている。絶縁ハウジング11は、配線基板12に位置固定されて配されており、それにより、コネクタ装置10の全体が配線基板12に固定されたものとされている。その際、絶縁ハウジング11における正面側端面部分11aとそれに対向する背面側端面部分11b(後述される図3,図6,図7等に示されている。)とに挟まれた端面部分11cが、配線基板12に対接する部分とされている。以下においては、配線基板12に対接する絶縁ハウジング11の端面部分11cを下方端面部分11cというとともに、下方端面部分11cから配線基板12側に向かう方向を下向方向といい、下方端面部分11cから配線基板12側とは反対側に向かう方向を上向方向という。
絶縁ハウジング11には、例えば、金属板材に加工が施されて形成されたカバー部材13が固着されており、また、例えば、金属棒材に加工が施されて形成された回動操作部材14が絶縁ハウジング11に対して回動可能に取り付けられている。さらに、絶縁ハウジング11には、その正面側端面部分11aからその内部へと拡がる板状部材装着部15が設けられており、カバー部材13は、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を覆うものとされている。それにより、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に板状部材収容空間が形成され、この板状部材収容空間には、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板16が部分的に収容される。従って、フレキシブル印刷配線基板16は、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に差し込まれて、板状部材装着部15に装着されることになり、フレキシブル印刷配線基板16がコネクタ装置10に装着された状態が得られる。
フレキシブル印刷配線基板16には、図1において配線基板12に対面する下向となっている面に、例えば、各々が細い短冊状に形成された複数の接続端子部が配列配置されて設けられている。また、フレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部を挟んで相互対向する一対の側縁部には、各々が凹部を成す一対の係合部分41及び42が夫々形成されていて、一対の側縁部の一方における係合部分41より先端側の部分が可動部分43とされており、一対の側縁部の他方における係合部分42より先端側の部分が可動部分44とされている。可動部分43は、フレキシブル印刷配線基板16における一対の側縁部に挟まれた複数の接続端子部が配列配置された部分に対して、フレキシブル印刷配線基板16の厚み方向に変形移動することが可能とされており、係合部分41は、可動部分43に隣接している。同様に、可動部分44は、フレキシブル印刷配線基板16における一対の側縁部に挟まれた複数の接続端子部が配列配置された部分に対して、フレキシブル印刷配線基板16の厚み方向に変形移動することが可能とされており、係合部分42は、可動部分44に隣接している。さらに、フレキシブル印刷配線基板16における一対の側縁部に挟まれた複数の接続端子部が配列配置された部分の中央部には、切欠部45が形成されている。
絶縁ハウジング11をそれからカバー部材13及び回動操作部材14が取り外された状態をもって示す図3に示されるように、絶縁ハウジング11には、それにおける板状部材装着部15を形成する部分に、絶縁ハウジング11の長手方向(図3において矢印Lhにて示される方向。)に沿って配列配置された複数のコンタクト17が設けられている。複数のコンタクト17は、交互に配された複数の第1のコンタクト18と複数の第2のコンタクト19とを含んでいる。
複数の第1のコンタクト18の夫々は、絶縁ハウジング11の下方端面部分11c側から上向方向に突出して、フレキシブル印刷配線基板16に設けられた接続端子部に押圧接触するものとされる接触部18aと、絶縁ハウジング11の正面側端面部分11aからその外部に導出されて、絶縁ハウジング11が配された配線基板12に設けられた配線端子部に、例えば、半田付けにより接続されものとされる基板接続部18bとを有している。同様に、複数の第2のコンタクト19の夫々も、絶縁ハウジング11の下方端面部分11c側から上向方向に突出して、フレキシブル印刷配線基板16に設けられた接続端子部に押圧接触するものとされる接触部19aと、絶縁ハウジング11の背面側端面部分11bからその外部に導出されて、絶縁ハウジング11が配された配線基板12に設けられた配線端子部に、例えば、半田付けにより接続されものとされる基板接続部19b(図2に示されている。)とを有している。
これらの複数の第1のコンタクト18及び複数の第2のコンタクト19は、フレキシブル印刷配線基板16における信号用,接地用あるいは電源用接続端子部に接触接続される信号用,接地用あるいは電源用コンタクトとして用いられる。そして、複数の第1のコンタクト18の夫々は、フレキシブル印刷配線基板16が絶縁ハウジング11に設けられた板状部材装着部15に装着されたとき、そのフレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部のうちの対応するものに接触部18aを押圧接触させ、それにより、複数の第1のコンタクト18が、フレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部に夫々接触接続される。また、複数の第2のコンタクト19の夫々は、フレキシブル印刷配線基板16が絶縁ハウジング11に設けられた板状部材装着部15に装着されたとき、そのフレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部のうちの対応するものに接触部19aを押圧接触させ、それにより、複数の第2のコンタクト19が、フレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部に夫々接触接続される。その結果、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部が、複数のコンタクト17を介して、絶縁ハウジング11が配された配線基板12に設けられた配線端子に電気的に接続されることになる。
また、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分の中央部には、カバー部材13が係合するものとされたカバー固定部20が形成されている。カバー固定部20は、板状部材装着部15から上向方向に突出しており、フレキシブル印刷配線基板16が絶縁ハウジング11に設けられた板状部材装着部15に装着されるときには、フレキシブル印刷配線基板16に形成された切欠部45内に収容される。
カバー部材13を単独で示す図4に示されるように、カバー部材13は、絶縁ハウジング11に固着されたとき絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に対向する平板状部21を有している。そして、平板状部21におけるその長手方向(図4において矢印Lcにより示される方向。)の両端部分の夫々には、絶縁ハウジング11との係合状態をとる屈曲端部22と、カバー部材13が絶縁ハウジング11に固着されたとき絶縁ハウジング11における板状部材装着部15内に連なる空間を形成することになる空間拡大部23とが形成されている。屈曲端部22には、長孔を成す開口係合部24(一対の屈曲端部22のうちの一方に設けられたものは図にあらわれない。)が設けられている。
また、カバー部材13の平板状部21における中央部分には、カバー部材13が絶縁ハウジング11に固着されるとき絶縁ハウジング11に形成されたカバー固定部20に係合することになる屈曲係合部25が形成されている。
回動操作部材14を単独で示す図5に示されるように、回動操作部材14は、その長手方向(図5において矢印Laにより示される方向。)に沿って直線状に伸びる中間部31と中間部31の両端から夫々屈曲して伸びて中間部31を挟んで相互対向する一対の端部32及び33とを有している。即ち、相互対向する一対の端部32及び33は、回動操作部材14におけるその長手方向の両端部を成しているのであり、中間部31は両端部(一対の端部32及び33)の間に配されているのである。
回動操作部材14の両端部のうちの一方を成す端部32には、中間部31に連なる連結部34と連結部34から屈曲して回動操作部材14の両端部のうちの他方を成す端部33に向かって伸びる軸状部35とが設けられている。そして、連結部34には、突起部を成す突出係合部34aが形成されている。また、軸状部35には、平面状部を成す係止部35aと係止部35aが成す平面状部の面に交差する面を成す案内部35bとが形成されている。係止部35aは、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に装着された、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材を係止するためのものとされており、また、案内部35b は、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材が装着される際に、当該配線板状部材の部分を案内するものとされている。従って、回動操作部材14の両端部のうちの一方を成す端部32には、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に装着された、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材を係止するための係止部35aと、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材が装着される際に、当該配線板状部材の部分を案内する案内部35b とが形成されていることになる。
回動操作部材14の両端部のうちの他方を成す端部33にも、端部32の場合と同様にして、中間部31に連なる連結部36と連結部36から屈曲して端部32に向かって伸びる軸状部37とが設けられている。そして、連結部36には、突起部を成す突出係合部36a(図2)が形成されている。また、軸状部37には、平面状部を成す係止部37aと係止部37aが成す平面状部の面に交差する面を成す案内部37bとが形成されている。係止部37aは、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に装着された、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材を係止するためのものとされており、また、案内部37b は、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材が装着される際に、当該配線板状部材の部分を案内するものとされている。従って、回動操作部材14の両端部のうちの他方を成す端部33には、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に装着された、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材を係止するための係止部37aと、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に、例えば、フレキシブル印刷配線基板16とされる配線板状部材が装着される際に、当該配線板状部材の部分を案内する案内部37b とが形成されていることになる。
上述のカバー部材13が、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を覆うものとして絶縁ハウジング11に固着されるときには、カバー部材13の長手方向が絶縁ハウジング11の長手方向と一致せしめられたもとで、カバー部材13の平板状部21が絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に対向せしめられる。そして、平板状部21に形成された一対の屈曲端部22が絶縁ハウジング11におけるその長手方向の両端部との係合状態をとり、また、平板状部21に形成された屈曲係合部25が絶縁ハウジング11に形成されたカバー固定部20に係合して、それにより、カバー部材13が絶縁ハウジング11に固着された状態が得られる。
そして、カバー部材13が絶縁ハウジング11に固着されたもとにあっては、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13の平板状部21との間に板状部材収容空間が形成されるとともに、カバー部材13の平板状部21における両端部分に形成された一対の空間拡大部23の夫々の内側に、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15内に連なる空間(以下、拡大空間という。)が形成されている。
また、上述の回動操作部材14が、絶縁ハウジング11に対して回動可能に設けられるときには、回動操作部材14の長手方向が絶縁ハウジング11の長手方向と一致せしめられたもとで、回動操作部材14における両端部を成す一対の端部32及び33に夫々設けられた軸状部35及び37が、絶縁ハウジング11におけるその長手方向の両端部により夫々回転可能に支持される。従って、回動操作部材14における両端部を成す一対の端部32及び33が絶縁ハウジング11に回転可能に支持されることになり、それにより、回動操作部材14が、その全体が絶縁ハウジング11に対して回動可能とされて、図1及び図2に示されるような、回動操作部材14における中間部31が絶縁ハウジング11に近接する第1の静止位置と、後述される図13及び図14に示されるような、回動操作部材14における中間部31が絶縁ハウジング11から離隔する第2の静止位置とを、選択的にとることができるものとされる。
カバー部材13が絶縁ハウジング11に固着され、さらに、回動操作部材14が絶縁ハウジング11に対して回動可能に設けられたもとにあっては、回動操作部材14が第1の静止位置をとるとき、回動操作部材14の端部32における連結部34に設けられた突出係合部34aが、カバー部材13の平板状部21における一対の屈曲端部22のうちの一方に形成された開口係合部24に係合するとともに、回動操作部材14の端部33における連結部36に設けられた突出係合部36aが、カバー部材13の平板状部21における一対の屈曲端部22のうちの他方に形成された開口係合部24に係合する。それにより、回動操作部材14が第1の静止位置をとる状態が安定に維持される。
また、カバー部材13が絶縁ハウジング11に固着され、さらに、回動操作部材14が絶縁ハウジング11に対して回動可能に設けられたもとにあって、回動操作部材14が第1の静止位置をとるときには、その内側に絶縁ハウジング11における板状部材装着部15内に連なる拡大空間を形成する、カバー部材13の平板状部21における両端部分に形成された一対の空間拡大部23が、回動操作部材14における両端部を成す一対の端部32及び33に夫々設けられた係止部35a及び37aに対応する位置に置かれる。即ち、カバー部材13における、回動操作部材14が第1の静止位置をとるとき係止部35a及び37aに対応することになる一対の位置に、一対の空間拡大部23が夫々形成されていることになる。
上述のようにして、絶縁ハウジング11にカバー部材13が固着されるとともに回動操作部材14が回動可能に設けられてコネクタ装置10が構成され、図1及び図2に示されるようにコネクタ装置10が配線基板12に固定されて、回動操作部材14が第1の静止位置をとるときには、図2におけるVI−VI線断面を示す図6に示されるように、カバー部材13の平板状部21に形成された屈曲係合部25が、絶縁ハウジング11に形成されたカバー固定部20に係合していて、カバー部材13が絶縁ハウジング11に固着された状態が安定に維持される。さらに、カバー部材13には、平板状部21から屈曲して配線基板12に向かって伸びる屈曲板状部26が、絶縁ハウジング11の背面側端面部分11bに沿うものとして設けられており、それにより、カバー部材13の絶縁ハウジング11に対する固着がより安定に行われる。そして、第1の静止位置をとる回動操作部材14における中間部31が、絶縁ハウジング11の背面側端面部分11bに沿うものとされたカバー部材13における屈曲板状部26の背後となる位置に置かれる。
また、上述のように、コネクタ装置10が配線基板12に固定されて、回動操作部材14が第1の静止位置をとるときには、図2における VII−VII 線断面を示す図7に示されるように、複数の第1のコンタクト18の夫々の接触部18a、及び、複数の第2のコンタクト19の夫々の接触部19aが、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に形成された板状部材収容空間に配されている。さらに、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に形成された板状部材収容空間には、回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された係止部37a及び案内部37bが配されており、同様に、図示はされていないが、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された係止部35a及び案内部35bも配されている。
そして、コネクタ装置10がその絶縁ハウジング11に対して回動可能に設けられた回動操作部材14が第1の静止位置をとる状態に置かれたもとで、フレキシブル印刷配線基板16が、コネクタ装置10の絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と絶縁ハウジング11に固着されて板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に差し込まれて、そこに形成された板状部材収容空間に部分的に収容される。それにより、フレキシブル印刷配線基板16が、コネクタ装置10の絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に装着され、図8に示されるような、フレキシブル印刷配線基板16がコネクタ装置10に装着された状態が得られる。
図8に示される状態のもとにあっては、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に形成された板状部材収容空間内において、図9に示されるように、絶縁ハウジング11に配列配置された複数の第1のコンタクト18の夫々における接触部18aが、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部(図示が省略されている。)のうちの対応するものに押圧接触し、さらに、図10に示されるように、絶縁ハウジング11に配列配置された複数の第2のコンタクト19の夫々における接触部19aが、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部(図示が省略されている。)のうちの対応するものに押圧接触する。それにより、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部が、複数の第1のコンタクト18及び複数の第2のコンタクト19を介して、絶縁ハウジング11が配された配線基板12に設けられた配線端子(図示が省略されている。)に電気的に接続される。
また、上述のように、コネクタ装置10がその絶縁ハウジング11に対して回動可能に設けられた回動操作部材14が第1の静止位置をとる状態に置かれたもとで、フレキシブル印刷配線基板16が、コネクタ装置10の絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と絶縁ハウジング11に固着されて板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に差し込まれて、コネクタ装置10の絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に装着されるにあたっては、その過程において、フレキシブル印刷配線基板16に設けられた一対の可動部分43及び44の各々の先端が、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に形成された板状部材収容空間に配された、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された係止部35a及び案内部35bのうちの案内部35b、及び、回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された係止部37a及び案内部37bのうちの案内部37bに、夫々突き当たる。
そして、図11に示されるように、回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された案内部37bが、それに突き当たったフレキシブル印刷配線基板16の可動部分44に当接し、当該可動部分44を、カバー部材13の平板状部21に形成された空間拡大部23の内側における拡大空間に一時的に収容されるように変形移動させる。また、このとき、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された案内部35bも、それに突き当たったフレキシブル印刷配線基板16の可動部分43に当接し、当該可動部分43を、カバー部材13の平板状部21に形成された空間拡大部23の内側における拡大空間に一時的に収容されるように変形移動させる。
その後、フレキシブル印刷配線基板16の、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間への更なる差込みに伴って、図12に示されるように、板状部材収容空間に配された案内部37bが、フレキシブル印刷配線基板16の可動部分44に当接した状態から当該可動部分44に隣接する係合部分42内に配される状態に移行する。それにより、フレキシブル印刷配線基板16の可動部分44が自らの復元力によって変形移動した状態から元の状態に戻り、案内部37bと共に板状部材収容空間に配された係止部37aが、元の状態に戻った可動部分44に隣接する係合部分42における可動部分44との境界部42aに係合する状態をとり、それによって、フレキシブル印刷配線基板16を係止する。
また、斯かる際には、板状部材収容空間に配された案内部35bも、フレキシブル印刷配線基板16の可動部分43に当接した状態から当該可動部分43に隣接する係合部分41内に配される状態に移行する。それにより、フレキシブル印刷配線基板16の可動部分43が自らの復元力によって変形移動した状態から元の状態に戻り、案内部35bと共に板状部材収容空間に配された係止部35aが、元の状態に戻った可動部分43に隣接する係合部分41における可動部分43との境界部41a(図1)に係合する状態をとり、それによって、フレキシブル印刷配線基板16を係止する。
このようにして、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された係止部35a及び回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された係止部37aが、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板16を係止する状態がとられて、フレキシブル印刷配線基板16の板状部材装着部15への装着が完了する。
板状部材装着み部15への装着が完了したフレキシブル印刷配線基板16は、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された係止部35a及び回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された係止部37aによって係止されていることにより、板状部材装着部15からの不所望な離脱が阻止される状態におかれる。その結果、絶縁ハウジング11内において、絶縁ハウジング11に配列配置された複数の第1のコンタクト18の夫々における接触部18a及び複数の第2のコンタクト19の夫々における接触部19aが、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16における複数の接続端子部のうちの対応するものに押圧接触した状態が安定に維持される。
その後、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16が、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された係止部35a及び回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された係止部37aによって係止されたもとで、例えば、手動操作によって、回動操作部材14の端部32における連結部34に設けられた突出係合部34aとカバー部材13の平板状部21における一対の屈曲端部22のうちの一方に形成された開口係合部24との相互係合、及び、回動操作部材14の端部33における連結部36に設けられた突出係合部36aとカバー部材13の平板状部21における一対の屈曲端部22のうちの他方に形成された開口係合部24との相互係合が解除されて、図13及び図14に示されるように、回動操作部材14が、絶縁ハウジング11に対して回動せしめられて第1の静止位置から第2の静止位置に移行せしめられると、その過程において、回動操作部材14の端部32における軸状部35及び回動操作部材14の端部33における軸状部37の夫々が、回動操作部材14の回動に伴って回転せしめられる。
それにより、図14に示されるように、回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された係止部37aが、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15を形成する部分と板状部材装着部15を覆うカバー部材13との間に形成された板状部材収容空間内において絶縁ハウジング11の下方端面部分11c側に変位し、フレキシブル印刷配線基板16の係合部分42における可動部分44との境界部42aとの係合を解除する。また、同様に、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された係止部35aも、板状部材収容空間内において絶縁ハウジング11の下方端面部分11c側に変位し、フレキシブル印刷配線基板16の係合部分41における可動部分43との境界部41aとの係合を解除する。その結果、回動操作部材14の端部32における軸状部35に形成された係止部35a及び回動操作部材14の端部33における軸状部37に形成された係止部37aによる、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16に対する係止が解除されて、フレキシブル印刷配線基板16を板状部材装着部15から意図的に離脱させ得ることになる。
上述のような本願発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10によれば、絶縁ハウジング11により回転可能に支持された回動操作部材14の両端部を成す一対の端部32及び33に夫々形成された係止部35a及び37aが、絶縁ハウジング11における板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16の板状部材装着部15からの不所望な離脱を阻止するロック手段を成しており、回動操作部材14が第1の静止位置をとるとき、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16を係止することができる位置におかれ、それにより、回動操作部材14が第1の静止位置をとるもとでフレキシブル印刷配線基板16が板状部材装着部15に装着されたときには、板状部材装着部15においてフレキシブル印刷配線基板16に対する係止を行うので、弾性変位及び弾性復元を行う弾性部材を必要とすることなく、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16を一対の係止部35a及び37aによる係止状態のもとに置いて、当該フレキシブル印刷配線基板16の板状部材装着部15からの不所望な離脱を確実に阻止することができる。
さらに、コネクタ装置10によれば、回動操作部材14の一対の端部32及び33に夫々形成されてロック手段を成す係止部35a及び37aが、回動操作部材14が第2の静止位置をとるとき、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16に対する係止を解除することができる位置におかれ、それにより、フレキシブル印刷配線基板16が板状部材装着部15に装着されたもとで回動操作部材14が第2の静止位置をとるときには、フレキシブル印刷配線基板16に対する係止を解除するので、必要に応じて、板状部材装着部15に装着されたフレキシブル印刷配線基板16に対する係止部35a及び37aによる係止状態を容易に解除することができ、その結果、フレキシブル印刷配線基板16の板状部材装着部15からの意図的な離脱が可能とされる。
なお、上述のコネクタ装置10は、カバー部材13を備えているが、本願発明に係るコネクタ装置は、カバー部材13のようなカバー部材を備えることは必ずしも必要ではない。
以上のような本願発明に係るコネクタ装置は、配線板状部材が装着される板状部材装着部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに配列配置されて設けられ、板状部材装着部に装着された配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続される複数のコンタクトと、板状部材装着部に装着された配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を阻止するロック手段を成す係止部とを備えたコネクタ装置であって、弾性変位及び弾性復元を行う弾性部材を必要とすることなく、板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止部による係止状態のもとに置いて、当該配線板状部材の板状部材装着部からの不所望な離脱を確実に阻止することができるとともに、必要に応じて、板状部材装着部に装着された配線板状部材に対する係止部による係止状態を容易に解除することができ、配線板状部材の板状部材装着部からの意図的な離脱を可能とするものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
10・・・コネクタ装置, 11・・・絶縁ハウジング, 12・・・配線基板, 13・・・カバー部材, 14・・・回動操作部材, 15・・・板状部材装着部, 16・・・フレキシブル印刷配線基板, 17・・・コンタクト, 18・・・第1のコンタクト, 19・・・第2のコンタクト, 20・・・カバー固定部, 21・・・平板状部, 22・・・屈曲端部, 23・・・空間拡大部, 24・・・開口係合部, 25・・・屈曲係合部, 26・・・屈曲板状部, 31・・・中間部, 32,33・・・端部, 34,36・・・連結部, 34a,36a・・・突出係合部, 35,37・・・軸状部, 35a,37a・・・係止部, 35b,37b・・・案内部, 41,42・・・係合部分, 41a,42a・・・(係合部分41及び42の)境界部, 43,44・・・可動部分, 45・・・切欠部
Claims (6)
- 板状部材装着部が設けられた絶縁ハウジングと、
該絶縁ハウジングに配列配置されて、上記板状部材装着部に装着された配線板状部材における複数の接続端子部に接触接続される複数のコンタクトと、
上記絶縁ハウジングにより回転可能に支持された両端部と該両端部の間に配された中間部とを有して上記絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、上記中間部が上記絶縁ハウジングに近接する第1の静止位置と上記中間部が上記絶縁ハウジングから離隔する第2の静止位置とを選択的にとる回動操作部材と、
を備え、
上記回動操作部材が有する上記両端部の夫々に上記板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止するための係止部が形成されていて、該係止部が、上記回動操作部材が上記第1の静止位置をとるとき、上記板状部材装着部に装着された配線板状部材を係止することができる位置におかれ、また、上記回動操作部材が上記第2の静止位置をとるとき、上記板状部材装着部に装着された配線板状部材に対する係止を解除することができる位置におかれることを特徴とするコネクタ装置。 - 上記絶縁ハウジングに取り付けられて上記板状部材装着部を覆うカバー部材を備え、配線板状部材が、上記絶縁ハウジングにおける上記板状部材装着部を形成する部分と上記カバー部材との間に差し込まれて上記板状部材装着部に装着されることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
- 上記カバー部材における、上記回動操作部材が上記第1の静止位置をとるとき上記係止部に対応することになる位置に、上記板状部材装着部内に連なる空間を形成する空間拡大部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ装置。
- 上記回動操作部材が有する上記両端部の夫々に、上記係止部に加えて案内部が形成されており、上記回動操作部材が上記第1の静止位置をとるもとで、上記案内部が、配線板状部材が上記板状部材装着部に装着される過程において、該配線板状部材における可動部分に当接して弾性変形を生じさせ、該可動部分を上記空間拡大部が形成する空間内へと案内し、上記係止部が、上記配線板状部材が上記板状部材装着部に装着されたとき、上記板状部材装着部内において上記配線板状部材における上記可動部分に隣接して設けられた係合部分に係合することを特徴とする請求項3記載のコネクタ装置。
- 上記案内部が、上記回動操作部材が上記第1の静止位置をとるもとで、上記配線板状部材における上記可動部分を上記空間拡大部が形成する空間内へと案内した後、上記配線板状部材の上記板状部材装着部への装着のための移動に伴って上記可動部分との当接を解除し、上記配線板状部材における係合部分に上記係止部との係合状態をとらせることを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
- 上記絶縁ハウジング又は上記カバー部材に第1の係合部が形成されるとともに、上記回動操作部材に第2の係合部が形成され、上記回動操作部材が上記第1の静止状態をとるとき、上記第1及び第2の係合部が相互係合して、上記回動操作部材を上記第1の静止状態に維持することを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
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