JP2016076057A - 光学フィルム、映像源ユニット、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】映像を提供する装置に形成されたパターンを、読み取り装置で精度よく検知でき、その検知可能範囲が広い光学フィルムを提供する。
【解決手段】複数の層が積層されてなる光学フィルム(10)であって、赤外線を吸収するとともに所定のパターンを形成しているパターン層(13)を有し、パターンに用いられる赤外線を吸収する材料は、当該材料で縦横10cm、厚さ10μmの膜を形成したときに、950nmの波長の光の透過率が10%以下、及び950nmの波長の光の拡散反射率が1.7%未満となる性能を有している。
【選択図】図3
【解決手段】複数の層が積層されてなる光学フィルム(10)であって、赤外線を吸収するとともに所定のパターンを形成しているパターン層(13)を有し、パターンに用いられる赤外線を吸収する材料は、当該材料で縦横10cm、厚さ10μmの膜を形成したときに、950nmの波長の光の透過率が10%以下、及び950nmの波長の光の拡散反射率が1.7%未満となる性能を有している。
【選択図】図3
Description
本発明は、読み取りのためのパターンを具備する光学フィルム、該光学フィルムを備える映像源ユニット、及び読み取り機能を有する表示装置に関する。
所定のパターンが形成された印刷物に赤外線を照射してその反射光を読み取ることにより、当該パターンに関連付けられた情報を出力する技術がある。例えば特許文献1には、複数のドットからなり、各ドットが取り得る位置の組み合わせによりパターンをなし、これに赤外線を照射し、反射して戻った赤外線のパターンを読み取る技術が開示されている。読み取られた情報はパターンごとに所定の内容と関連付けられており、例えば視覚的、聴覚的な出力(映像や音)をするようにプログラムされている。
特許文献1に記載の技術は、紙や物体の表面に形成されたドットパターンを読み取るものである。これに対して近年においては、大型の電子黒板、コンピュータ、テレビ、携帯型の端末機器等の画面でパターン認識をしたいとの要望がある。このような要望を満たす光学フィルムとして特許文献2には、用紙上でも、画素構造を有するディスプレイ装置にでもパターン認識ができる光学フィルムが開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の光学フィルムを実際にディスプレイ装置に適用しても、読み取り装置で正確に読み取れる範囲が狭く、読み取り範囲を広くして操作性を向上させることが望まれる。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、映像を提供する装置に形成されたパターンを、読み取り装置で精度よく検知でき、その検知可能範囲が広い光学フィルムを提供することを課題とする。また、当該光学フィルムを備える映像源ユニット、及び表示装置を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、複数の層が積層されてなる光学フィルム(10)であって、赤外線を吸収するとともに所定のパターンを形成しているパターン層(13)を有し、パターンに用いられる赤外線を吸収する材料は、当該材料で縦横10cm、厚さ10μmの膜を形成したときに、950nmの波長の光の透過率が10%以下、及び950nmの波長の光の拡散反射率が1.7%未満となる性能を有している、光学フィルムである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学フィルム(10)において、赤外線を吸収する材料は、バインダー及び該バインダーに染料が含有されてなる。
請求項3に記載の発明は、映像源(6)と、映像源の映像光出射側に配置された請求項1又は2に記載の光学フィルム(10)と、を備える映像源ユニット(5)である。
請求項4に記載の発明は、筐体(2)と、筐体の内側に配置された請求項3に記載の映像源ユニット(5)と、を備える、表示装置(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の表示装置(1)において、さらに読み取り装置(30)を備え、読み取り装置は、赤外線を出射する光源と、赤外線を検知するセンサと、センサからの情報に基づいてパターン層のパターンを認識する手段と、を備える。
本発明によれば、読み取り装置を用いてパターン層に形成された情報を精度よく読み取り、所定の出力を得ることができる。そしてその読み取りの範囲を広くすることが可能である。
以下本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし本発明は当該形態に限定されるものではない。ここで、本発明に具備される要素は実際には非常に微細、薄層のものが多いことから、分かりやすさのため各図ではその一部を変形、拡大等して表している。また要素には符号を付してあるが、見易さのため繰り返しとなる符号は一部を省略することがある。
図1は1つの形態を説明する図で、映像源ユニット5を備える表示装置1、及び読み取り装置30を表した斜視図である。図1では紙面上方が観察者側である。ここで本形態で表示装置1はいわゆる携帯型端末であり、筐体2を備え、筐体2の内側に映像源ユニット5が内蔵される。
筐体2は表示装置1の外殻を形成し、表示装置を構成する部材の大部分をその内側に収める部材である。筐体2は開口を有しており、該開口から映像源ユニット5のいわゆる画面部分が露出して視認可能とされている。その他、表示装置1には表示装置として機能するための各種公知の構成部材が備えられている。
筐体2は表示装置1の外殻を形成し、表示装置を構成する部材の大部分をその内側に収める部材である。筐体2は開口を有しており、該開口から映像源ユニット5のいわゆる画面部分が露出して視認可能とされている。その他、表示装置1には表示装置として機能するための各種公知の構成部材が備えられている。
また、表示装置1に対して観察者側から読み取り装置30を近づけて所定の操作をすることにより、画面上の位置情報を認識し、当該位置情報に関連づけられた予め決められた出力を得ることができる。
図2は映像源ユニット5の分解斜視図である。図2ではわかりやすさのため、光学フィルム10を映像源6と分離して表しているが、実際には粘着層11(図3参照)を介して貼り付けて積層されている。図3は図2にIII−IIIで示した線を含む厚さ方向断面図である。また、映像源ユニット5が表示装置1に配置された際には、図2の紙面右上及び図3の紙面右が観察者側となり、図2の紙面左下及び図3の紙面左が映像源側となる。
映像源ユニット5は、映像源6及び該映像源6の映像光出射側(すなわち観察者側)に配置された光学フィルム10を有して構成されている。
本形態では映像源6として液晶表示パネルが適用されている。液晶表示パネルは公知のものを用いることができる。すなわち、面光源装置、該面光源装置の出光側に配置された下偏光板、液晶層、上偏光板を具備している。その他液晶表示パネルとして通常用いられる各種の機能層を具備してもよい。また本形態では映像源6に拡散反射層も含まれている。拡散反射層は、観察者側の読み取り装置30(図1参照)から出射されてここに達した赤外線を拡散反射し、その少なくとも一部をパターン層13側(観察者側、読み取り装置30側)に戻す機能を有する層である。拡散反射層で反射する光線は読み取り装置30から出射される赤外線であり、映像源6からの可視光は透過する。読み取り装置30から出射される光線は赤外線であり、さらに具体的には850nm以上1000nm以下の波長の光線が例示できる。
光学フィルム10は、映像源6の映像光出射側に配置されるフィルムであり複数の層からなる。本形態では光学フィルム10は映像源6側から、粘着層11、屈折率調整層12、パターン層13、基材層14、及びハードコート層15が積層されて構成されている。以下に各層について説明する。
粘着層11は光学フィルム10を映像源6に貼りつけるための粘着剤が設けられた層である。ここに用いられる粘着剤は公知の粘着剤、接着剤を用いることができ、光学的に透明で使用環境下での剥離、著しい変色が無く、また他の部材へ損傷を与えないものがよい。
屈折率調整層12は、後で説明するパターン層13の単位ドット13aに接して単位ドット13aの突出部を覆うように配置され、単位ドット13aと概ね同じ屈折率、又は単位ドット13aよりも低い屈折率の透光性樹脂により形成されている。屈折率調整層12としては例えば紫外線硬化性のウレタンアクリレート等を用いることができる。これにより単位ドット13aに起因して発生するモアレ干渉縞の発生を防止することができる。
ここで、屈折率調整層12と単位ドット13aとの屈折率差は0.03以内であることが好ましく、屈折率が同一(屈折率差が0)であることがさらに好ましい。
ここで、屈折率調整層12と単位ドット13aとの屈折率差は0.03以内であることが好ましく、屈折率が同一(屈折率差が0)であることがさらに好ましい。
屈折率調整層12に用いる材料は、透光性を有するとともに単位ドット13aとの屈折率差が上記のようになれば特に限定されることなく用いることができる。これには例えばウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系およびブタジエンアクリレート等の光硬化型樹脂を用いることができる。
パターン層13は、読み取り装置30(図1参照)により認識されるべきパターンを含む層であり、パターンには、後で詳しく説明するように、読み取り装置30から出射される赤外線を吸収する材料が含有されている。本形態では、平面視(観察者側からみたとき)で複数の点状の要素13a(単位ドット13a)がシート面方向に2次元的に配列され、ドットパターンを形成している。図4にパターン層13を平面視して一部を拡大した図を表した。図4に表した破線は説明のために用いる仮想の線である。
例えば縦横6本ずつの等間隔に形成された仮想線による格子を考える。そして格子における1つの交点に対して1つの単位ドット13aを配置し、その配置は当該交点に対して上、下、右、左の4つのいずれかをとる。これによれば36個の単位ドット13aによるそれぞれ上下左右の組み合わせで436通りの異なるパターンを表すことができる。
本形態において各単位ドット13aは図3、図4よりわかるように、平面視で端面が現れ、光学フィルム10の厚さ方向に軸線を有する基材層14の面から突出する円柱状であり、読み取り装置30から出射される赤外線を吸収する材料を含有して構成されている。ここでは円柱状である単位ドット13aを表したがこれに限らず単位ドットとして機能することができればその形状は特に限定されない。これには例えば半球状、ドーム状、上部が切断された錐状等を挙げることができる。この形状は単位ドットの作製方法に依存することもある。
本形態では単位ドット13aは、用いられる読み取り装置30が出射する赤外線の波長を吸収することができるように構成される。通常は読み取り装置からは850nm以上1000nm以下の範囲のいずれかにピーク波長を有する赤外線が出射されるので、単位ドット13aも850nm以上1000nm以下の波長の赤外線を吸収できるように構成することが好ましい。
さらに詳しくは、単位ドット13aは次の条件を満たす材料からなる。すなわち、単位ドット13aに用いられる材料を縦横10cm、厚さ10μmの膜としてこれをPET(ポリエチレンテレフタレート)表面に塗工して試験膜を形成したとき、950nmの波長の光に対する透過率が10%以下であるとともに、950nmの波長の光に対する拡散反射率が1.7%未満である材料である。これにより、読み取り装置30により検知できる範囲を広げることができる。
ここで透過率の測定は公知の方法で行われ、本形態では紫外可視近赤外分光光度計(株式会社島津製作所、UV−3600)を用いて測定される。
一方、拡散反射率は例えば紫外可視近赤外分光光度計(株式会社島津製作所、UV−3600)を用い、0度入光時の拡散反射成分を測定することにより得ることができる。すなわち、図5に概念的に示したように、積分球20の一方に試験膜21を配置し、その膜の法線方向から測定光を照射して(0度入光)その積分球内に拡散反射した拡散光を測定する。このとき、鏡面反射分は入光部なので検知されず、鏡面反射を含まない拡散反射成分のみを測定をすることができる。
一方、拡散反射率は例えば紫外可視近赤外分光光度計(株式会社島津製作所、UV−3600)を用い、0度入光時の拡散反射成分を測定することにより得ることができる。すなわち、図5に概念的に示したように、積分球20の一方に試験膜21を配置し、その膜の法線方向から測定光を照射して(0度入光)その積分球内に拡散反射した拡散光を測定する。このとき、鏡面反射分は入光部なので検知されず、鏡面反射を含まない拡散反射成分のみを測定をすることができる。
単位ドット13aを赤外線を吸収しつつ、上記透過率及び上記拡散反射率とするための単位ドット13aを構成する材料は特に限定されることはないが、バインダー及び該バインダーに各種染料を混入して構成することができる。ここで染料はバインダーに溶解し、バインダー中に溶解することなく混濁されるのみの顔料とは異なる。これにより特に拡散反射を抑えることができる。
バインダーとしては染料との相性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。特に限定されることはないが例えばポリオレフィン等を挙げることができる。
一方、染料としては具体的にはジイモニウム系、フタロシアニン系、シアニン系、セシウムタングステン等を挙げることができる。
また、希釈溶剤として例えばメチルエチルケトン(MEK)やシクロヘキサノール等を用いることができる。
一方、染料としては具体的にはジイモニウム系、フタロシアニン系、シアニン系、セシウムタングステン等を挙げることができる。
また、希釈溶剤として例えばメチルエチルケトン(MEK)やシクロヘキサノール等を用いることができる。
これらバインダー、染料、及び希釈溶剤を含有する組成物(いわゆるインキ)はその固形分率が10質量%以上50質量%以下であることが好ましい。また、当該固形分中における染料濃度は5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。固形分率が10質量%より低いと、単位ドットの高さが低くなってしまうため、固形分中の染料濃度を高くする必要がある。一方、固形分率を50質量%より高くすると(すなわち希釈溶剤の比率を低くすると)、染料およびバインダーの溶解が困難になる虞がある。
組成物(インキ)は染料を希釈溶剤に溶解させた後、バインダー(例えば熱可塑性樹脂)をさらに溶解(分散)することにより作製できる。このとき、予め得ておいた分量により、材料を縦横10cm、厚さ10μmの膜としてこれをPET表面に塗工して試験膜を形成したとき、950nmの波長の光に対する透過率が10%以下であるとともに、950nmの波長の光に対する拡散反射率が1.7%未満となるように調整する。
また、さらには上記したように単位ドット13aと屈折率調整層12との屈折率差を上記のように構成することにより、単位ドット13aに起因して発生するモアレ干渉縞の発生を防止することができる。
図3に戻って説明を続ける。基材層14は、その一方の面にパターン層13を形成する基材となる層である。基材層14は、透光性を有するとともにパターン層13の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層14を構成する材料の具体例として例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル、トリアセチルセルロース(TAC)を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
基材層14の厚さは特に限定されないが、25μm以上300μm以下であることが好ましい。基材層14の厚さがこの範囲を外れると、加工性に問題を生じる虞がある。例えば、基材層14がこれより薄くなるとしわが生じやすくなる。また、基材層14がこれより厚くなると、光学フィルム10の巻き取りが困難になる。
ハードコート層15は、基材層14の面のうち観察者側面に設けられるハードコート層であり、屈折率調整層12とは反対側(観察者側)に配置される。これにより基材層14の傷つきを防止している。
ハードコート層15は透明な樹脂層として形成することができ、硬化性樹脂が硬化してなる樹脂硬化層として形成することが好ましい。
具体的には電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
具体的には電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
このような光学フィルム10は例えば次のように作製することができる。
一方の面にハードコート層15が積層された基材層14の他方の面にパターン層13をスクリーン印刷し、その上から光硬化型樹脂を塗布して光を照射して硬化することで屈折率調整層12を構成する。
次にアクリル系感圧接着剤を用いて屈折率調整層12に粘着剤を塗布して粘着層11とする。
一方の面にハードコート層15が積層された基材層14の他方の面にパターン層13をスクリーン印刷し、その上から光硬化型樹脂を塗布して光を照射して硬化することで屈折率調整層12を構成する。
次にアクリル系感圧接着剤を用いて屈折率調整層12に粘着剤を塗布して粘着層11とする。
そして、光学フィルム10の粘着層11により映像源6に光学フィルム10を貼り付けて映像源ユニット5を得る。
以上のように構成された映像源ユニット5を筐体2に納め、ハードコート層15側が観察者側となるように配置することで、表示装置1とすることができる。その際には必要に応じて映像源ユニット1を作動させるための電気回路、電源回路等も備えられる。
また、この表示装置には、読み取り装置30(図1参照)を備えてもよい。読み取り装置30は赤外線を照射する光源、反射して戻った赤外線を受光するセンサ、及び受光した光に基づいてパターンを認識し、これに関連づけられた出力をする演算・制御手段を備えている。読み取り装置は公知のものを用いることができる。
このような表示装置は例えば次のように作動する。光路例を示しつつ説明する。ただし当該光路例は概念的なものであり、反射や屈折等を厳密に表したものではない。
表示装置1を作動させると、映像源6からは映像光が出射される。映像源6から出射した映像光L10(図3参照)は映像源6内の拡散反射層を透過するが、該拡散反射層は可視光である映像光は透過することができるように構成されているので映像光L10は観察者側に出光し、観察者は適切に映像を観察することができる。
一方、読み取り装置30からは、例えば図4に示したような複数の単位ドット13aを読むためにスキャンなどにより読み取り装置の光源から所定の範囲に対して図1にIaで示したように赤外線が出光される。その中の光路例として図3に表したように、観察者側から赤外線L20、L21、L22が光学フィルム10に向けて出射される。
赤外線L20は単位ドット13aに達してここで吸収される。従って赤外線L20は読み取り装置30のセンサには検知されず、この部分に単位ドット13aが配置されていることを認識できる。このとき、単位ドット13aは上記したような赤外線の透過率及び拡散反射率を有するように構成されていることから、単位ドット13aから読み取り装置30に向けて拡散反射する赤外線が非常に低く抑えられている。これにより、図6に示したように、読み取り装置30の読み取り角度θ(赤外線の照射方向が光学シートの法線Nに対して成す角)を大きくすることができる。読み取り角度θを大きくすることができれば、利用者が高い自由度で読み取り装置を操作することができ、利便性を向上させることが可能である。
一方、図3に示したように読み取り装置30の光源から出射された赤外線L21、L22は、単位ドット13a間を透過して映像源6に達する。映像源6に達した赤外線は該映像源6に具備される拡散反射層で拡散反射する。拡散反射した赤外線のうちの一部である赤外線L21は屈折率調整層12を透過して単位ドット13aで吸収され読み取り装置30には検知されないのでここに単位ドット13aが配置されていることが認識される。一方、映像源6内の拡散反射層で拡散反射した赤外線の他の一部である赤外線L22は読み取り装置30へ戻り(図1のIbも参照)観察者側に出射される。この拡散反射した赤外線L22は読み取り装置30により検知され、この部分には単位ドット13aが配置されていないことを認識する。
そして読み取り装置30により検知した情報、及び検知しなかったという情報に基づいて光学フィルム10における単位ドット13aの配置を特定する。さらに、当該配置に対して予め関連づけられた出力(映像、音等)をおこなう。
そして読み取り装置30により検知した情報、及び検知しなかったという情報に基づいて光学フィルム10における単位ドット13aの配置を特定する。さらに、当該配置に対して予め関連づけられた出力(映像、音等)をおこなう。
以上のように、光学フィルム10、これを備える映像源ユニット5、表示装置1によれば、読み取り装置30により、パターン層13に形成された情報を精度よく読みとり、所定の出力を得ることができる。一方、映像源6から出射された映像光は効率よく、その質を維持して観察者に提供される。
また、本発明では単位ドット13aの透過率及び拡散反射率が上記のように構成されているので、単位ドット13aに到達したにもかかわらず読み取り装置30に赤外線が戻ってしまうことを抑制することができる。これにより、読み取り装置30により精度よく読み取ることができる読み取り角度(図6のθ)を大きくすることが可能となる。
以上、1つの形態について説明したが、本発明の趣旨に沿っていれば層の省略、追加、変更は可能である。例えば本形態では拡散反射層が映像源に具備される態様を説明したが、拡散反射層が光学フィルム側に配置されてもよい。その際には拡散反射層は屈折率調整層よりも映像源側に配置される。
実施例では次の手順により光学フィルムを作製した。
基材層としてPET(東洋紡株式会社、A4300、厚さ125μm)を用い、単位ドットをスクリーン印刷した。単位ドットには、赤外吸収色素として日本化薬製ジイモニウム色素(IRG−068、染料)、バインダーにポリオレフィン、溶媒にメチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを使用し、色素:バインダー:溶媒の重量比が5:20:75となるよう調製されたインキを使用した(屈折率1.50)。単位ドットの形状は円柱で直径100μm、高さ1μmとした。単位ドットが配置される仮想格子(図4の点線で表した格子)の格子間隔は300μmである。
屈折率調整層は、単位ドットと屈折率が同じになるように調整したアクリル系紫外線硬化型樹脂を用いた。
次にアクリル系感圧接着剤(SKダイン2094 綜研化学株式会社製、屈折率1.49μm)を25μm厚さで塗布した。
基材層としてPET(東洋紡株式会社、A4300、厚さ125μm)を用い、単位ドットをスクリーン印刷した。単位ドットには、赤外吸収色素として日本化薬製ジイモニウム色素(IRG−068、染料)、バインダーにポリオレフィン、溶媒にメチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを使用し、色素:バインダー:溶媒の重量比が5:20:75となるよう調製されたインキを使用した(屈折率1.50)。単位ドットの形状は円柱で直径100μm、高さ1μmとした。単位ドットが配置される仮想格子(図4の点線で表した格子)の格子間隔は300μmである。
屈折率調整層は、単位ドットと屈折率が同じになるように調整したアクリル系紫外線硬化型樹脂を用いた。
次にアクリル系感圧接着剤(SKダイン2094 綜研化学株式会社製、屈折率1.49μm)を25μm厚さで塗布した。
また、別途、950nmの波長の光に対する透過率及び拡散反射率を測定するため、上記実施例に用いた単位ドットのインキをPET(東洋紡株式会社、A4300、厚さ125μm)の上に縦横10cm、厚さ10μmで塗工した試験膜を作製した。そしてこの試験膜に対して上記したように950nmの波長の光に対する透過率、及び950nmの波長の光に対する拡散反射率をそれぞれ測定した。
透過率は上記のように株式会社島津製作所、UV−3600を用いて測定した。
一方、拡散反射率については上記のように、株式会社島津製作所、UV−3600を用い、0度入光時の拡散反射成分を測定することにより得た。
結果は表1に「透過率」、「拡散反射率」としてそれぞれ示した。
透過率は上記のように株式会社島津製作所、UV−3600を用いて測定した。
一方、拡散反射率については上記のように、株式会社島津製作所、UV−3600を用い、0度入光時の拡散反射成分を測定することにより得た。
結果は表1に「透過率」、「拡散反射率」としてそれぞれ示した。
比較例として単位ドットを構成する材料はジイモイウム色素(日本カーリット株式会社、CIR−FS265、顔料)を用いた。比較例1〜比較例3で当該顔料の濃度を変更した。具体的には比較例1の顔料の濃度が12.5質量%、比較例2の顔料の濃度が15.0質量%、比較例3の顔料の濃度が20.0質量%である。
その他の構成については実施例と同じとして光学フィルムを作製した。また、比較例1〜3についても実施例と同様に試験膜を作製して950nmの波長の光に対する透過率及び拡散反射率をそれぞれ得た。結果は表1に「透過率」、「拡散反射率」として示した。透過率及び拡散反射率の測定は、単位ドットに用いられる材料を縦横10cm、厚さ10μmの膜としてこれをPET(A4300、厚さ50μm)フィルム表面に塗工して試験膜を形成し、PETフィルム側から試験膜に光を照射することにより上記の通り行った。これにより試験膜の表面粗さの影響を排除することができる。
その他の構成については実施例と同じとして光学フィルムを作製した。また、比較例1〜3についても実施例と同様に試験膜を作製して950nmの波長の光に対する透過率及び拡散反射率をそれぞれ得た。結果は表1に「透過率」、「拡散反射率」として示した。透過率及び拡散反射率の測定は、単位ドットに用いられる材料を縦横10cm、厚さ10μmの膜としてこれをPET(A4300、厚さ50μm)フィルム表面に塗工して試験膜を形成し、PETフィルム側から試験膜に光を照射することにより上記の通り行った。これにより試験膜の表面粗さの影響を排除することができる。
上記実施例の光学フィルム及び比較例1〜3の光学フィルムを順次映像源(パナソニック電工株式会社、4K UT−MB5)に貼り付け、読み取り装置を用いて読み取り角を調べた。表1に結果を示す。表1の結果では「読み取り角度」として読み取りを精度よく行うことができる限界の読み取り角度を表している。
表1に示した結果からわかるように、実施例では0°≦θ≦47°の範囲で正確に読み取り装置による読み取りが可能であり、950nmの波長の光に対する拡散反射率が1.70%以上になると、読み取り可能な角度が30°以下になってしまう。比較例1〜3では透過率が低いことから、読み取り性が良いはずだとも思えるが、実際には透過率よりも拡散反射率に大きく影響を受けることがわかる。
また、単位ドットは赤外線を吸収する必要があるため、その透過率は低い方が好ましいため、950nmの波長の光に対する透過率は10%以下であることが好ましく、かかる点において実施例1はこれを満たしている。
また、単位ドットは赤外線を吸収する必要があるため、その透過率は低い方が好ましいため、950nmの波長の光に対する透過率は10%以下であることが好ましく、かかる点において実施例1はこれを満たしている。
1 表示装置
5 映像源ユニット
6 映像源
10 光学フィルム
11 粘着層
12 屈折率調整層
13 パターン層
13a 単位ドット
14 基材層
15 ハードコート層
5 映像源ユニット
6 映像源
10 光学フィルム
11 粘着層
12 屈折率調整層
13 パターン層
13a 単位ドット
14 基材層
15 ハードコート層
Claims (5)
- 複数の層が積層されてなる光学フィルムであって、
赤外線を吸収するとともに所定のパターンを形成しているパターン層を有し、
前記パターンに用いられる赤外線を吸収する材料は、当該材料で縦横10cm、厚さ10μmの膜を形成したときに、950nmの波長の光の透過率が10%以下、及び950nmの波長の光の拡散反射率が1.7%未満となる性能を有している、光学フィルム。 - 前記赤外線を吸収する材料は、バインダー及び該バインダーに染料が含有されてなる、請求項1に記載の光学フィルム。
- 映像源と、
前記映像源の映像光出射側に配置された請求項1又は2に記載の光学フィルムと、
を備える映像源ユニット。 - 筐体と、
前記筐体の内側に配置された請求項3に記載の映像源ユニットと、を備える、表示装置。 - さらに読み取り装置を備え、
前記読み取り装置は、前記赤外線を出射する光源と、前記赤外線を検知するセンサと、前記センサからの情報に基づいて前記パターン層の前記パターンを認識する手段と、を備える、請求項4に記載の表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014205478A JP2016076057A (ja) | 2014-10-06 | 2014-10-06 | 光学フィルム、映像源ユニット、及び表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014205478A JP2016076057A (ja) | 2014-10-06 | 2014-10-06 | 光学フィルム、映像源ユニット、及び表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016076057A true JP2016076057A (ja) | 2016-05-12 |
Family
ID=55949922
Family Applications (1)
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JP2014205478A Pending JP2016076057A (ja) | 2014-10-06 | 2014-10-06 | 光学フィルム、映像源ユニット、及び表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016076057A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109313866A (zh) * | 2016-07-20 | 2019-02-05 | 惠普发展公司,有限责任合伙企业 | 具有在下面的编码图案的近红外透明显示边框 |
-
2014
- 2014-10-06 JP JP2014205478A patent/JP2016076057A/ja active Pending
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