JP2016075926A - 救助訓練用人形 - Google Patents

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Abstract

【課題】意識の全くない被災者や意識の薄れた被災者の状態を的確に模擬し、高難度な救出活動模擬訓練にも適した救出訓練用人形を提供する。【解決手段】頭部外皮2の下面には、頸部外皮部分104が収容可能な窪み部5が形成され、頸部芯材120は、頭部内において、頸部芯材連結部9よりも下位の第一空間領域16に配される第一の頸部芯材121と、胴部外皮内において胴部芯材に第二の関節部151を介して一端が連結されるとともに、他端側にて第一の関節部150を介して第一の頸部芯材と連結される第二の頸部芯材131とで構成され、第一の頸部芯材は、頸部芯材連結部の孔部10を介して、頸部芯材連結部よりも上位の第二空間領域17に上端のネジ部を突出させるとともにネジ止めして連結したときに、前記窪み部内に頸部外皮部分と第一の関節部を収容して第一の関節部を外部から遮蔽可能な長さに形成した。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば救助訓練などに用いられる人形であって、体位の変化に伴って四肢が関節位置で重力の作用する方向に曲がる救助訓練用の人形に関するものである。なお、救助訓練とは、災害に遭っている被災者を救出することを目的として行なう訓練の他、例えば頭部を自力で支えることができない被介護者や、腕部の自由が利かない被介護者や、脚部の自由が利かず自力で立つことのできない被介護者などを移動する(救助する)訓練もいうものとする。
例えば、火災や地震などの災害時などに、家屋内、高所あるいは煙の充満した雰囲気現場に取り残された被災者や瓦礫の下敷きになっている被災者などを救出する場面において、消防隊員やレスキュー隊員あるいは自衛隊員などが活躍している。
消防隊員やレスキュー隊員あるいは自衛隊員など人命救助などの仕事に携わる人達は、実際の災害現場などにて迅速・的確な救出作業が行えるように、日々模擬的な救出訓練を行なっている。実際の災害現場での救出作業に近い模擬的な救出訓練を行なうには救出対象となる被災者として人体(生体)を用いて行なうのが最も適しているが、このような救出訓練には危険が伴うため、救助訓練用の特別な人形を用いて行っている。
従来の救助訓練用の人形としては、非特許文献1に開示されているものが知られている。
非特許文献1に開示の救助訓練用の人形は、芯材としてスチールワイヤーを用い、これを人間の外形を模した合成樹脂製の外皮で覆い、外皮と芯材の間に発泡性樹脂と錘の役目を持たせた鉄球又は石粒を充填してなるものである。
この非特許文献1に開示の救助訓練用の人形は、肩、肘、膝の関節部は、それぞれの部位の芯材の端に固着した回転自在の金属継手で連結された構造を採用していたため、その連結部位で動かす(回す・曲げる)ことが可能な構造となっていたが、股関節は胴体から伸ばした芯材であるスチールワイヤーを直接大腿部に連結した構造となっていた。
また、実際の人体の胴体部にあっては、胸部分・腹部分及び腰部分で前後・左右に傾く動きも可能であるが、従来の救助訓練用の人形ではこのような動きが成しえていなかった。さらに、頭部と胴体との連結部分にあっても前後・左右に曲がらない構造となっていた。
櫻護謨株式会社、"消防訓練用品 救助訓練用人形・「太助」"のページ、[online]、[平成24年11月26日検索]、インターネット〈URL:http://public.sakura-rubber.co.jp/f/pdf/07/006.pdf 〉
実際の救助活動では、意識がある被災者ばかりではなく、意識のない状態の被災者を救出する場面も多々あり、このような状況下における被災者は、全ての力が抜けてぐったりとしているため、頸、胴体の腹部分、腕、脚などは重力の作用する方向に自然と曲がってしまう(傾いてしまう)ものである。
しかし、頸や胴体などが曲がらない非特許文献1に開示の救助訓練用の人形では、実際の災害に忠実な訓練をすることができなかった。
最近の災害では二階以上の窓やベランダからロープを使っての救出や、屋上や船上からヘリコプターから吊り下げたロープを使用し救助隊員が被災者を抱きかかえて救出することも行われている。
このような救助活動では万一にでも不手際があると被災者のみならず救助隊員の生命にも係ることであることから、このような難度の高い救出作業も考慮した訓練が必要である。
しかし、このような難度の高い救出作業を模擬することが、非特許文献1に開示の救助訓練用の人形ではなし得るものではなかった。
すなわち、非特許文献1に開示の救助訓練用の人形を構成する芯材のスチールワイヤーは、引っ張り力には強いが圧縮力や曲げ力に耐えるような剛性は持っていない。そこで、人間の体重に相当する重量を保持するには外皮に荷重を担わせる必要があることから、非特許文献1に開示の救助訓練用の人形にあっては、外皮が厚く硬いものとしており弾力性も人間の肌の柔らかさや弾力性とは異なっていた。
硬いものであれば、大きくて重い物でもしっかり持つことができるが、柔らかく弾力性がある場合にはしっかり持つのは難しいものである。
よって、生体の肌感覚より硬い非特許文献1に開示の救助訓練用の人形では、人体(生体)と比して抱えやすいため、実際の救助活動に近似した模擬訓練が成し得ないものであった。
また、非特許文献1に開示の救助訓練用の人形にあっては、頭部が正面向きの位置に固定されていた。
人間の頭部の重量は体重の約8%もの重量を占めているため、意識を失った状態で人間の頭は前方には頭を突き出し、うなだれた形で60度まで、後方には50度まで曲がってしまうものである。
このように重たい重量を占める頭部が大きく移動することは、特に、意識を失っている被災者などをロープを使って救助作業するときの安定性に大きな影響を及ぼすことになるため、このような状況を想定しての模擬救助訓練はとても重要で迅速かつ的確に行なう必要があった。
しかし、非特許文献1に開示の救助訓練用の人形にあっては、上述のとおり、頭部が固定されているものであるため、このような現象が模擬できないという欠点があった。
また、救助の際には被災の状況により無意識状態での頭垂れによる気道の閉塞、搬送中の頚椎の損傷防止の目的で、ネックカラー(頚椎保護具)の装着が行われる。
この処置は、うな垂れた頭部を真直ぐに伸ばした状態にしてからその状態を維持するように頸部に装着するものであるが、非特許文献1に開示の救助訓練用の人形では、頭部が正面向きの位置に外皮のみにより固定されていたものであるためこの処置を模擬することはできなかった。
非特許文献1に開示の救助訓練用の人形は、関節部で区切られた胴体(体幹)、上腕、大腿、下腿といった各部位の重量調整を、比重の大きい鉄球や石粒を用い、これを比重の小さい合成樹脂製の発泡性充填剤にランダムに混入して行っていたため、部位単位としての重量分布は偏ったものとなり人体の体重分布とは異なってしまっていた。
先に述べたロープで吊って救助隊員が被災者を抱きかかえての救助作業訓練を非特許文献1に開示の救助訓練用人形を用いて行う場合には、特に体重の約55%を占める頭部と胴体部分での重量分布の差により、ロープで吊り下げての救助作業中に揺れ方と廻り方に生体での救助作業とは違和感を生じており適切ではなかった。これは、重心位置からみた回転慣性モーメントが生体の場合と人形の場合に違いがあることに起因している。
すなわち、質量が重心位置から遠くにあるほど慣性モーメントが大きくなり、何かの拍子で一度揺れや回転が始まると止めにくくなってしまうものであるため、特に重心位置からみた回転慣性モーメントが生体の場合と人形の場合に違いがある点に鑑みて製作されていない非特許文献1に開示の救助訓練用人形では的確な模擬を体験することはできなかった。
また、地震などの災害では家屋の倒壊などにより、長時間胸部を圧迫されたことによる窒息死が多い。したがって、倒壊家屋などから胸部が圧迫された状態の被災者を迅速・かつ的確に救出する模擬訓練が行なわれている。
このとき、胸部を圧迫している部材を持ち上げて被災者を引き出す訓練を救助訓練用の人形を用いて行なうが、その際に加わっている荷重とその荷重による人形の胸部の変形量が、人体(生体)の場合における変形量を模擬していることが要求される。
しかし、人形が柔らかく荷重に対する変形量が大きすぎるものでは、実際の災害を想定しての的確な訓練を行なうことができない。
また、非特許文献1に開示の救助訓練用の人形の場合、強度部材の役割を担う合成樹脂製の硬い外皮を有する構造であるため、圧迫されたときの変形量が小さすぎてしまい、圧迫している部材を僅かに持ち上げただけでも人形が引き出せてしまうため、これも実際の災害を想定しての的確な訓練を行なうことができない。
さらに、従来の訓練用人形では胴体の外皮と大腿の外皮は分離されて曲げることは可能であったが、関節機能はスチールワイヤーの柔軟性によっており、胴体下部と大腿の上部をつなぐ関節部は大腿の芯材のスチールワイヤーがそのまま上に伸びて胴体下部の芯材に直接連結されていた。
従って訓練中に誤って人形を落下させるなどにより一方の大腿部が破損した場合には、頭部と一体となった胴体と両腿まで含めての交換が必要となり、経済的な負担が大きかった。
本発明は、従来技術の有するこのような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、意識の全くない被災者や意識の薄れた被災者の状態を的確に模擬し、高難度な救出活動模擬訓練にも適した救助訓練用人形を提供することである。
このような目的を達成するために、本発明がなした技術的手段は、剛性のある芯材と、芯材を覆う軟質製の外皮と、外皮と芯材との間の空間に配設される弾力性を備えた軟質性内装部材と、で構成され、
少なくとも頭部を構成する頭部外皮内に備えられる頭部芯材の所定箇所と、胴部を構成する胴部外皮内に備えられる胴部芯材の所定箇所には、重量増大部がそれぞれの芯材を中心として左右均等に一体に備えられており、
前記頭部外皮の下面には、胴部外皮の一部を構成する頸部外皮部分が収容可能な窪み部が形成され、窪み部の先端には、胴部芯材と連結する頸部芯材が挿通可能な頸部芯材挿通用の孔部が形成され、
前記頭部芯材は、人形の高さ方向における頭部外皮内の所定位置に水平方向にわたって固定される頸部芯材連結部と、前記頸部芯材連結部の所定位置に備えられる重量増大部とで構成され、
前記頸部芯材連結部は、頭部外皮内に水平方向にわたる長さの板状に形成されるとともに、その中央位置に上下方向にわたって貫通する頸部芯材連結用の孔部を備え、
前記重量増大部は、前記頸部芯材連結用の孔部の左右に均等に配設され、
前記軟質性内装部材は、少なくとも前記頸部芯材が頭部内において上下方向に移動可能な第一空間領域と、前記頸部芯材を前記頸部芯材連結部に連結操作する第二空間領域を除いて配設され、
前記頭部外皮の頂面は、前記第二空間領域の上方にて、前記第二空間領域を外部に開放可能に着脱可能に配設され、
前記頸部芯材は、頭部内に位置して前記第一空間領域を上下方向に移動可能に配される第一の頸部芯材と、胴部外皮内において胴部芯材に第二の関節部を介して一端が連結されるとともに、他端側にて第一の関節部を介して前記第一の頸部芯材と連結される第二の頸部芯材とで構成され、
前記第一の頸部芯材は、前記頸部芯材連結部の頸部芯材連結用の孔部を介して前記第二空間領域に上端のネジ部を突出させるとともに着脱調整可能にネジ止めして連結したときに、頭部外皮下面の前記窪み部内に、前記頸部外皮部分と、前記第一の関節部を収容して前記第一の関節部を外部から遮蔽可能な長さに形成したことを特徴とする救助訓練用人形としたことである。
本発明の救助訓練用人形によれば、柔らかい軟質合成樹脂の外皮とその内側の弾力性を備えた軟質性内装部材との組み合わせで構成していることから、人間の皮膚を押した際の感触を再現することができる。また、外皮が柔らかく弾性に富んでいるため、誤って落下させた場合であっても落下時の衝撃が吸収され、外皮と軟質性内装部材の破損を防ぐことができる。
頭部は救助訓練用人形の訓練中の傾きに応じて重力が作用する方向に動き、特に胴部に対して深く頭部を垂れることができるので、人間の救出作業中の重心移動を模擬することができる。
部位として最も大きい重量と回転に対する慣性を有する胴部については、重量増大部(錘)を分割して重心に対する回転慣性モーメントまで考慮した配置として芯材に固着してあるので、ロープで吊り下げての訓練中に訓練隊員が揺れ方と廻り方での違和感を生じることもない。また、救助作業中に頸部保護のため実施されるネックカラーの装着の訓練にも対応できる。
さらに、取扱い中に誤って人形を落下させるなどで、頭部、上腕、前腕、大腿または下腿の一部の部位を破損した場合でも関節部などで分割(着脱)可能であるので、破損した部分のみの交換で再使用でき、修理費用の削減と修理期間の短縮を図ることができる。
本発明の救助訓練用人形の全体正面図である。 本発明の救助訓練用人形の一部を切り欠いて示す全体正面図である。 本発明救助訓練用人形の一連に連結された芯材の全体を示す正面図である。 本発明救助訓練用人形の一連に連結された芯材の全体を示す側面図である。 頸部芯材が頭部内にて頭部芯材と連結されている状態を示す概略断面図である。 頸部芯材と頭部芯材との連結が解かれ、頸部芯材の一部が頭部外に引き出された状態を示す概略断面図である。 頭部の左右回転状態を頭部下方から見た状態を一部省略して示す概略図で、(a)は顔部分が正面を向いている状態(規制部が接していない状態)、(b)は顔部分が横方向を向いている状態(規制部が接している状態)、(c)は顔部分が(b)とは逆方向に横方向を向いている状態(規制部が接している状態)を示す図ある。 頸部芯材と胴部芯材に係る分解斜視図である。 頸部芯材と胴部芯材に係る各関節部の動きを示す斜視図である。 (a)は頸部芯材と胸部芯材とを連結する関節部、胸部芯材と背部芯材とを連結する関節部のそれぞれの動きを一部省略して示す概略断面図で、(b)は第一の背部芯材と第二の背部芯材とを連結する関節部の動きを一部省略して示す概略断面図である。 胸部あたりで横方向に断面した状態を一部省略して示す概略横断平面図である。 他の実施形態を胸部あたりで横方向に断面した状態で一部省略して示す概略横断平面図である。 胸部あたりで縦方向に断面した状態を一部省略して示す概略縦断正面図である。 一部省略して示す胴部の縦断側面図である。 腕部を断面して示す側面図である。 腕部芯材の全体を示す断面図である。 腕部の関節部(肘部)における動きを示す図である。 腕部の関節部(手首部)における動きを示す図である。 脚部を断面して示す正面図である。 脚部の関節部(膝部)における動きを示す図である。 脚部の関節部(足首部)における動きを示す図である。 本発明の救助訓練用人形の使用状態の一例で、寝ている状態から起こそうとしている状態を示す概略図である。
以下、本発明に係る救助訓練用人形の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態に過ぎず、何らこれに限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で適宜設計変更することが可能である。本実施形態では、成人男性を模した形態を採用したが、成人女性や子供などを模した人形であってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施形態の救助訓練用人形は、例えば、頭部と、胴部と、左右の腕部と、左右の脚部を備え、標準的な日本人の身長・体型を有し、頭部と、胴部と、左右の腕部と、左右の脚部のそれぞれの重量を模擬した人形である。なお、本実施形態でいうところの標準的な日本人の身長・体型を有するとの要件は本実施形態で想定している一例であって、これに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
頭部、胴部、左右の腕部、左右の脚部は、それぞれ剛性のある芯材と、それぞれ独立して芯材を覆う軟質合成樹脂製の外皮と、それぞれの外皮と芯材との間の空間に配設される軟質性内装部材で構成されている。
外皮は、重量に対する荷重を担うことはないので、厚さが薄くて弾力性を備えた軟質合成樹脂材を使用することができ、例えば本実施形態では、スラッシュ成形等で成形された弾力性を備えた軟質塩化ビニル樹脂製とする。なお、肉厚の程度は任意であって適宜設計変更可能である。また、外皮の材質は、特に限定されるものではないが、人体(生体)を模擬するものであるため可能な限り人体(生体)の肉質感(柔らかく、弾力性がある。)がでるようにゴムや軟質合成樹脂材からなるものが好ましく、かつ種々の訓練にも耐え得る強度の高いものが好ましい。
外皮は、人間(生体)の皮膚感覚を模擬するため、たとえば軟質合成樹脂製の外皮の引張破断伸びが300%〜450%の範囲に設定されている。
軟質性内装部材は、連続発泡ウレタン樹脂などの弾力性を備えた軟質の連続発泡合成樹脂材が用いられる。
例えば本実施形態では、連続発泡した状態でそれぞれの外皮内空間が埋まる量の軟質発泡ウレタン主剤と硬化剤を混合し、液体の状態でそれぞれの外皮内に注入する。芯材と外皮の空間に連続発泡したウレタン樹脂が一杯に充填され硬化するまで放置する。
なお、2液混合タイプであっても1液性で水分により発泡するタイプであってもよく、また、発泡ウレタン樹脂に限らず、その他同様の特性を有するものでもよい。人形としての重量は、芯材と重量増大部によって担うため、軟質性内装材は、人体(生体)の皮膚の表面感覚と弾力性を模擬することが可能となる材料を選択するのが好ましい。
芯材は、人間の骨格に相当する部材であって、例えば成人男性を模擬した人形の重量に耐える剛性のある金属製部材(例えば、普通鋼又は構造用合金鋼など)で、頭部内から胴部内及び脚部の足部内と腕部の手部内にまで及ぶ一連の芯材構造(頭部芯材、胴部芯材(頸部芯材・胸部芯材・背部芯材)、腕部芯材(上腕芯材・前腕芯材・手部芯材)、脚部芯材(大腿芯材・下腿芯材・足部芯材)で構成されている。
芯材としては、普通鋼又は構造用合金鋼が使用され、本実施形態では、例えば、一般構造用圧延鋼材や溶接用圧延鋼材などを使用する。なお、一般構造用圧延鋼材や溶接用圧延鋼材などは単に一実施の形態を例示したにすぎず限定解釈されるものではなく、また表面処理など(メッキ処理など)は適宜本発明の範囲内で設計変更可能である。
例えば、本実施形態では、断面係数を0.1cm3以上100cm3以下の一般構造用圧延鋼材を採用している。
具体的には、後述のとおりであり、芯材は、頭部外皮2内に配される頭部芯材8と、一端側が頭部芯材8と着脱可能かつ回転可能に連結され、頭部芯材8と連結した状態で頭部外皮2の下端から胴部外皮101内に臨む長さに形成された頸部芯材120と、胴部外皮101内で頸部芯材120の他端側と連結され胴部外皮101の幅方向に長尺に形成された胸部芯材152と、頸部芯材120の連結側と人形の高さ方向で反対側において胸部芯材152と連結され、人形の高さ方向に配される背部芯材170と、胸部芯材152の左右端部においてそれぞれ肩部の関節部216を介して連結される左右の腕部芯材(上腕芯材210・前腕芯材232・手部芯材249)と、胸部芯材152の連結側と人形の高さ方向で反対側において背部芯材170と連結され、胴部外皮101の幅方向に長尺に形成された股間芯材181と、股間芯材181の左右端部においてそれぞれ脚部付け根部の関節部320を介して連結される左右の脚部芯材(大腿芯材310・下腿芯材336・足部芯材345)とで構成されている。
そして、芯材の所定箇所には鋼材(例えば、一般構造用圧延鋼材、溶接用圧延鋼材など)などからなる重量増大部が備えられている。また、少なくとも、芯材における頸部、胴部、肩部、肘部、手首部、脚部付け根部、膝部及び足首部には関節部を有している。
なお、芯材は、所定の剛性を有し、骨格に相当する部材として人形としての重量に耐える剛性のある材質からなるものであれば合成樹脂材などであっても本発明の範囲内であり適宜設計変更可能である。また、芯材の形状も特に限定解釈されるものではなく、丸棒状、角棒状など本発明の範囲内で設計変更可能である。
重量増大部は、所定の芯材の左右の領域に、芯材と一体でかつ重量が左右均等となるように固定して配設される。大きさ・形状などは特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
重量増大部は、例えば成人男性を模擬し、成人男性の頭部・胴部・腕部・脚部の各部の標準的な重量を、芯材の重量を含めて決定し、配設される。
したがって、模擬する対象(成人男性・成人女性・子供など)によって適宜設計変更されるものである。
なお、重量増大部は、別体に形成されて芯材に固定されるものであっても、芯材と一体成形されるものであってもよく任意である。
関節部は、一方の芯材と他方の芯材を着脱自在に軸にて連結し、かつ軸を中心に双方向に回転可能とするとともに、一方の芯材と他方の芯材を軸にて連結している連結箇所には揺動可能なスペースが形成されている。すなわち、このような関節部を備えることにより、意識をなくした人体(生体)の脱力状態を模擬することが可能となる。
関節部の配設箇所は、特に限定解釈されるものではないが、少なくとも、頸部の芯材、頸部芯材と胴部芯材の連結箇所、胴部の芯材、胴部芯材と腕部芯材とを連結する肩部、上腕芯材と前腕芯材とを連結する肘部、前腕芯材と手部芯材とを連結する手首部、胴部芯材と脚部芯材と連結する脚部付け根部、大腿芯材と下腿芯材とを連結する膝部及び下腿芯材と足部芯材を連結する足首部には配設される。
以下、頭部を1、胴部を100、左右の腕部を200、左右の脚部を300と符号を付すとともに、頭部1、胴部100、左右の腕部200、左右の脚部300のそれぞれの構成部位毎に分けて、本実施形態の救助訓練用人形について詳細に説明する。
なお、各部位の共通箇所については上述の記載を援用し詳細な説明は省略する。
頭部1は、頭部外皮2と、頭部外皮2内に固定して配設される頭部芯材8と、頭部外皮2と頭部芯材8との間に配設される軟質性内装部材15を備えて構成されている(図1乃至図7参照。)。
頭部1は、後述する頭部芯材8の頸部芯材連結部9と頸部芯材120との連結箇所にて頸部芯材120を中心にして左右に回転可能に構成されており、頭部芯材8と頸部芯材120との連結箇所には、所定角度以上の頭部1の回転作動を規制する頭部回転規制部126を備えている。頭部回転規制部126については後述する。
頭部外皮2は、人間の頭部(顔含む)外観を模擬して中空に形成されており、頭頂部外皮3は、円板状に形成されて頭部外皮本体4に対して着脱可能に構成されている(図2、図6参照。)。本実施形態では、頭頂部外皮3を樹脂の弾性を利用した嵌め込み式としているが、着脱可能な周知の構造が適用可能である。
頭部外皮2の下面には、胴部外皮101の頸部外皮部分104と第一の関節部150が収容可能な窪み部5が形成され、窪み部5の先端には、頸部芯材挿通用の孔部6が形成されている(図5、図6参照。)。
窪み部5は、頭頂部外皮3の方向に向けて先細り状に形成されている。本実施形態では、胴部外皮101の頸部外皮部分104が先細り状(円錐台形状)に形成されているため、これにあわせて窪み部5の窪み形状も先細り形状に形成されているが、頸部外皮部分104を挿入して合致することのできる形状であればよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、頭部外皮2には、頭部芯材8(9)をボルト止めするための固着用孔部7,7が、頭部外皮2の左右側面、例えば左右のこめかみ部位置にそれぞれ対向して設けられている。固着用孔部7の設ける位置は、頭部芯材8(9)の固定位置によって決定されるため、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
頭部芯材8は、人形の高さ方向における頭部外皮2内の所定位置に水平方向にわたって固定される頸部芯材連結部9と、頸部芯材連結部9の所定位置に備えられる重量増大部13とで構成されている。
頸部芯材連結部9は、頭部外皮2内に水平方向にわたる長さの板状に形成されるとともに、その中央位置に上下方向にわたって貫通する頸部芯材連結用の孔部10を備えている。
頸部芯材連結部9は、それぞれの左右両端面にボルト止め孔11,11を設けており、頭部外皮2の左右側面の内面間にわたって架け渡すとともに、前記ボルト止め孔11,11を頭部外皮2に設けられた固着用孔部7,7と連通させてボルト12,12で固着される。
重量増大部13は、頸部芯材連結部9における頸部芯材連結用の孔部10の左右の領域に重量が均等となるように固定して配設されている(図2、図5、図6参照。)。
重量増大部13は、本実施形態では成人男性を模擬しているものであるため、成人男性の頭部の標準的な重量を考慮して配設されるものであり、頸部芯材連結部9や頭部1内に配される頸部芯材を含めてその重量を調整する。したがって、模擬する対象(成人男性・成人女性・子供など)によって適宜設計変更されるものである。
本実施形態では、所定大きさの中実のブロック状に形成されており、頸部芯材連結部9の上面と下面に配設されており、下面に配される重量増大部13aよりも上面に配される重量増大部13bの方が重く設定されている。また、本実施形態では下面に配される重量増大部13aは、頸部芯材連結部9の下面に直接一体に配されているが、上面に配される重量増大部13bにあっては、ボルト14などの取り外し作業によって、頸部芯材連結部9から着脱可能に構成されている。重量増大部13は、一つ一つを小さく形成して重量を抑えるものとし、多数個に分割して配することで微妙に重量を調整するものとしてもよく本発明の範囲内である。
また、重量増大部13は、頸部芯材連結部9と一体に設けられているものであってもよく任意である。
軟質性内装部材15は、上述したとおりの構成を有しており、少なくとも頸部芯材120が頭部1内において上下方向に移動可能な第一空間領域16と、頸部芯材を頭部芯材8の頸部芯材連結部9に連結操作するための第二空間領域17を除いて頭部外皮2内の空間一杯に配設されている(図5、図6参照。)。
第一空間領域16は、頸部芯材120が上下方向に移動可能な空間を有しているものであればその形状は円筒状・角筒状など特に限定解釈されるものではない。
また、第二空間領域17は、頸部芯材120を頭部芯材8に連結する際に用いられるナット18を着脱操作可能な空間領域を有しているものであればその形状は円筒状・角筒状など特に限定解釈されるものではない。
胴部100は、人間の成人男性の胴部外観を模擬して内部中空に形成された胴部外皮101と、胴部外皮101内に配される芯材(頸部芯材120、胸部芯材152、背部芯材170)と、胴部外皮101内に配される軟質性内装部材15と、胴部100(胴部外皮101)内に配される重量増大部155,194で構成されている(図1乃至図4、図8乃至図14参照。)。
胴部100(胴部外皮101)内の重量増大部は、胴部内に配される芯材の重心に対して左右対称で、かつ上下に配されている。後述するが、具体的に本実施形態では、胸部芯材152の周りにおいて、胸部芯材152の長さ方向全域において均等に配される胸部重量増大部155と、第二の背部芯材176の周りにおいて、第二の背部芯材176を中心にしてその左右方向に均等に配される背部重量増大部194とで構成されている。
胴部外皮101は、本実施形態では、人体の胸部分を含む上胴部を表現する中空の上部外皮102と、腹部分を含む下胴部を表現する中空の下部外皮109の二部材で構成されており、上部外皮102内には胸部芯材152と第一の背部芯材171が配され、下部外皮109内には第二の背部芯材131が配されている。
なお、本実施形態で言う上胴部と下胴部は特に限定解釈される用語ではなく、単に説明上このような用語を用いたに過ぎない。
また、胴部外皮101は、例えば、胸部外皮部分(上部外皮)103、腹部外皮部分(中部外皮)110、腰部外皮部分(下部外皮)112の三部材などで構成されていてもよく、あるいは分割されない一部材で構成されているものであってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
上部外皮102は、胸部外皮部分103を有し、上端のほぼ中心から頸部外皮部分104を一体に立ち上げ形成し、左右側面の上方には左右の腕部の上端が収容可能な腕部収容空間107,107を凹設しており(図13参照)、下端は内部中空部と連続する開口108が形成されている(図14参照)。腕部収容空間107は、腕部200の上端の一部を収容することで胴部100と腕部200との連結箇所が直視されないように凹設されている(図2、図13参照)。
左右の腕部収容空間107,107には、胸部芯材125の左右端部(ネジ部154,154)が突出可能な貫通孔107a,107aが形成されている(図11、図13参照)。
頸部外皮部分104は、中空で、かつ先細り状(円錐台形状)に外観が形成されており、その内部空間104aは上部外皮102内と連通している(図5、図6参照)。頸部外皮部分104の先端には、第一の関節部150を収容可能な関節部収容空間105が凹設されているとともに、その関節部収容空間105の最深部には内部空間と連通する先端開口部106が形成されている(図5、図6参照)。
なお、頸部外皮部分104は、頭部外皮2の下端に形成されている窪み部5の窪み形状にあわせて先細り形状に形成されているが、窪み部5に挿入して合致することのできる形状であればよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
下部外皮109は、腹部外皮部分110と腰部外皮部分112とからなり、腹部外皮部分110の上端に内部中空部と連通する開口111を形成するとともに、腰部外皮部分112の下端、すなわち股間部分113の両側には、脚部の上端の一部を収容する脚部収容空間114,114を凹設して構成されている(図2、図14参照)。
脚部収容空間114は、脚部の上端の一部を収容することで胴部100と脚部300との連結箇所が直視されないように凹設されている。
左右の脚部収容空間114,114には、股間芯材181がそれぞれ左右に突出可能な連通孔114a,114aが形成されている。
上部外皮102と下部外皮109は、上部外皮102の下端開口108に下部外皮109の上端を挿入するとともに、上部外皮102の下端開口108の内面と下部外皮102の上端の外面の重ね合わせ部分を左右のボルト115,115(図3参照)を介して軸着して連結することにより、軸を中心に双方向(図14で符号R1で示す身体の前後方向)に回転可能に構成する。
このように構成することにより、胴部100が上部外皮102と下部外皮109との連結領域を介して身体の前後方向に回転可能(揺動可能)であるため、意識を失った被災者の状況、すなわち、上部外皮102と下部外皮109との連結領域(軸着領域)116にて重力の作用する方向に傾く状態が提供可能となる(図2参照)。
また本実施形態では、上部外皮102と下部外皮109の軸着領域116における胴部外皮101の内面には、胴部100の腹部分に圧縮荷重が加わった際に、荷重に応じて変形可能な環状の腹部補強部材117が配されている(図2乃至図4、図14参照)。
腹部補強部材117は、本実施形態では、下部外皮109の上端開口111の内面に嵌り合う程度の径を有する連続した環状に一般構造用圧延鋼材をもって形成されている。腹部補強部材117は、前記上部外皮102と下部外皮109を軸着したボルト115を介して一緒に固着されている。
なお、腹部補強部材117は、一部が切れている非連続の環状に形成されていてもよい。また、その肉厚や幅厚は特に限定されず、所定の圧縮荷重に応じて変形可能であればよく適宜設計変更可能である。
頸部芯材120は、本実施形態では、頭部1内に位置して第一空間領域16を上下方向に移動可能に配される第一の頸部芯材121と、胴部外皮101内において胸部芯材に関節部を介して一端が連結されて頸部外皮部分104の外方に他端を臨ませる第二の頸部芯材130とで構成されている(図5、図6参照)。
第一の頸部芯材121は、一端側が頭部芯材8と着脱可能かつ回転可能に連結され、頭部芯材8と連結した状態で頭部外皮2下端から胴部外皮101内に臨む長さの円柱状に形成されている。
第一の頸部芯材121は、円柱状本体122と、円柱状本体122の上端に一体に備えられる円板状の当接部123と、当接部123から立ち上げ形成されている連結ボルト部124と、円柱状本体122における当接部123と反対側の下端に一体に備えられる板状連結片129とで構成されている。
円柱状本体122は、頭部1内の第一空間領域16の内面に接しない程度の外径を有する所定長さの円柱状に形成されている。
当接部123は、頭部芯材8の頸部芯材連結部9の頸部芯材連結用孔部10の径よりも大径に形成され、その中心に連結ボルト部124が形成されている。
連結ボルト部124は、頸部芯材連結部9の頸部芯材連結用孔部10に遊びをもって嵌まる程度の外径であって、かつ遊嵌された際に、その先端側が所定高さをもって頸部芯材連結部9の上面から突出する全体長さを有している。突出する所定高さとは、少なくとも、頸部芯材連結部9の上面から突出した先端側に連結用のナット18を取り付け可能な程度の高さをいうものとする。
このように頭部芯材8の頸部芯材連結部9と頸部芯材120の第一の頸部芯材121は、連結ボルト124の軸を中心として双方向(図7にて符号R2で示す左右方向)に回転可能に連結される。
板状連結片129は、円柱状本体122の円形状下面から、円形状の下面の直径線を通る薄肉平板状に直交状に形成するとともに、下端部分に連結用の貫通孔130を形成してなる(図8参照)。
また、本実施形態では、頭部芯材8と第一の頸部芯材121との回転作動を制限すべく頭部回転規制部126を備えている(図5乃至図7参照)。
図7は頭部1の左右回転状態を頭部1の下方から見た状態を一部省略して示す概略図で、(a)は顔部分が正面を向いている状態(頭部回転規制部126が機能していない状態)、(b)は顔部分が横方向を向いている状態(頭部回転規制部126が機能している状態)、(c)は顔部分が(b)とは逆方向に横方向を向いている状態(頭部回転規制部126が機能している状態)を示す図である。
人体(生体)の顔部は、正面を直視した状態から左右それぞれに略90度程度しか回転しないものである。よって、頭部1が通常回転可能な回転範囲に収まるように頭部回転規制部126によってその回転作動を制限している。
本実施形態の頭部回転規制部126について具体的に説明する。
頭部回転規制部126は、第一の規制突起127,127と、第二の規制突起128,128で構成されている。
頭部芯材8の頸部芯材連結部9の下面における頸部芯材連結用の孔部10の外周所定位置に、一対の第一の規制突起127,127を、それぞれ頸部芯材連結部9の下面から直交状に下向きに設けている(垂設している。)。本実施形態では、前記頸部芯材連結部9の短尺幅方向(図7にて符号W1で示す方向)に直交し、かつ頸部芯材連結用の孔部10の中心を通る仮想線(図7にて符号L1で示す線)の延長上に、小径円柱状にそれぞれの第一の規制突起127を設けている。
第一の頸部芯材121の当接部123の円周面の所定位置に、一対の第二の規制突起128,128を、それぞれ当設部123の側面から水平方向に横向きに設けている。本実施形態では、頸部芯材120を人形の高さ方向に直立させた状態において、当接部123の円周面を横方向(図7にて符号W2で示す第一の関節部のボルト軸と同一軸方向)に直交し、かつ当接部123の円中心を通る仮想線(図7にて符号L2で示す線)の延長上に、小径円柱状にそれぞれの第二の規制突起128を設けている。
第一の規制突起127が第二の規制突起128に接触して頭部1の回転を規制可能であれば全て本発明の範囲内であって、特にそれぞれの突出高さ、形状などは任意であって本発明の範囲内で設計変更可能である。
第二の頸部芯材131は、角柱状本体132と、角柱状本体132の両端にそれぞれ一体に備えられる上端側の二股状の連結片133,133と、下端側の二股状の連結片137,137で構成されている。上端側の二股状の連結片133,133は、第一の頸部芯材121の板状連結片129と連結され、下側の二股状の連結片137,137は、胸部芯材152、本実施形態では後述するように胸部芯材152に備えられる重量増大部155と連結される(図2乃至図6、図8、図9参照)。
角柱状本体132は、第一の頸部芯材121の円柱状本体122の直径幅と同一の幅をもって所定長さの角柱状に形成されている。
上端側の二股状の連結片133,133は、それぞれが角柱状本体132の上端から所定間隔をあけて平行、かつ一体に平板状に形成されており、それぞれの相対向する所定位置には同軸上に連結用の貫通孔134,134が形成されている。
上端側の二股状の連結片133,133は、第一の頸部芯材121の板状連結片129とで第一の関節部150を構成している。
すなわち、上端側の二股状の連結片133,133間に第一の頸部芯材121の板状連結片129を遊嵌するとともに、それぞれの貫通孔134,134,130を連通させてボルト135a・ナット135bを介して連結することで、ボルト135軸を中心に双方向(図9にて符号R3で示す前後回転方向)に回転自在で、かつボルト135軸にて連結している連結箇所には揺動(図9にて符号R4にて示す方向)可能なスペース136が形成されている(図5、図6参照。)。
第一の頸部芯材121が頭部芯材8の頸部芯材連結部9に連結されたときに頭部外皮2の下面に形成される窪み部5と、胴部外皮101の頸部外皮部分104の先端の関節部収容空間105との上下方向であわせた空間に、前記第一の関節部150が位置する。
本実施形態では、このように構成したため、頭部芯材8に頸部芯材120を連結しているときは、頭部外皮2の窪み部5と、頸部外皮部分104の関節部収容空間105との上下方向であわせた空間に、前記第一の関節部150が位置するため、外部から第一の関節部150が直視され難い。
そして、ナット18を取り外し、頭部芯材8から第一の頸部芯材121を取り外し、第一空間16を下方に移動させれば(図6参照。)、第一の関節部150が露出するため、メンテナンス時などに頭部1と胴部100とを分離させるボルト135の取り外し作業が容易となる。
下端側の二股状の連結片137,137は、それぞれが角柱状本体132の下端から所定間隔をあけて平行、かつ一体に平板状に形成されており、それぞれの相対向する所定位置132には同軸上に連結用の貫通孔138,138が形成されている。
下端側の二股状の連結片137,137は、胸部芯材152の重量増大部155の上面略中心位置から突設される連結突片157とで第二の関節部151を構成している。
すなわち、下端側の二股状の連結片137,137間に、胸部芯材152の重量増大部155の連結突片157を遊嵌するとともに、それぞれの貫通孔138,138,156を連通させてボルト139a・ナット139bを介して連結することで、ボルト139軸を中心に双方向(図9にて符号R5で示す前後回転方向)に回転自在で、かつボルト139軸にて連結している連結箇所には揺動(図9にて符号R6にて示す方向)可能なスペース140が形成されている(図5、図6参照。)。
このように頭部1と胴部100との連結構造を複数の関節部、本実施形態では上述のように回転可能かつ揺動可能に構成した第一の関節部150と第二の関節部151によって連結する構造としたため、頭部1の移動による重心位置の変化の模擬が可能で、また、頸部保護が必要な場合の応急処置の訓練にも対応できる。
すなわち、本実施形態の救助訓練用人形の訓練中の頭部1の傾きに応じて重力が作用する方向に動き、特に胴部100に対して深く頭部1を垂れることができるので、人間の救出作業中の重心移動を模擬することができる。
さらに本実施形態では、頭部1内に配した頭部芯材120の上面に配される重量増大部13bの方が下面に配される重量増大部13aよりも重く設定しているため、頭部1は訓練用人形の訓練中の傾きに応じて重力が作用する方向に動き易いため、意識を失っているときの人体の救出模擬に適している。
なお、本実施形態では、第二の頸部芯材131を角柱状に形成したものをもって説明するが、第二の頸部芯材131はこれに何等限定解釈されるものではなく他の形態、例えば円柱状に本体を形成し、その上下端にそれぞれ二股状の連結片を立設するものであってもよい。また、第二の頸部芯材131は、二枚の板材からなり、それぞれの上下端の相対向する位置に連結用の貫通孔を設けてなるものであってもよい。
胸部芯材152は、胴部外皮101の胸部外皮部分103に配されている(図2、図14参照。)。
胸部芯材152は、胴部外皮101(胸部外皮部分103)の幅方向長さよりも長尺棒状に本体部153が形成され、その本体部153の両端にネジ部154,154をそれぞれ形成してなり、胴部外皮101の胸部外皮部分103の左右側面に位置する貫通孔107a,107aから腕部収容空間107,107に前記それぞれのネジ部154,154を突出させている。そして、それぞれのネジ部154,154に第五の関節部216を介して左右の腕部200,200が着脱可能かつ揺動可能に連結される(図2、図8、図9、図11、図13参照)。
本実施形態では、中実の長尺角柱状に一般構造用圧延鋼材からなる重量増大部(胸部重量増大部)155が形成され、重量増大部155は、胴部外皮101の胸部外皮部分103の内面幅方向と略同じ長さで、胸部芯材152の周りにおいて、胸部芯材152の長さ方向全域において均等に配されるように形成されている。
すなわち、その角柱状の重量増大部155の中心位置にて長尺方向に両端に貫通した貫通孔156が形成され、その貫通孔156に胸部芯材152の本体部153が挿通されて両端のネジ部154,154がそれぞれ重量増大部155の両端から突出している。これにより、胸部芯材152の周りにおいて、胸部芯材152の長さ方向全域において上下左右方向に均等に重量増大部155が配されることとなる。
また、本実施形態では、胸部重量増大部155の上面略中心位置と下面略中心位置からそれぞれ連結突片(上側)157,連結突片(下側)158が突設されており、上述したとおり、第二の頸部芯材131における下側の二股状の連結片137が、前記上面側の連結突片157の貫通孔157aにボルト139a・ナット139bを介して連結されることにより、第二の関節部151が形成される。連結突片(上側)157には貫通孔157aが形成され、連結突片(下側)158には貫通孔158aが形成されている。
すなわち、頸部芯材120と胸部芯材152が、ボルト139軸を中心に双方向(図9にて符号R5で示す前後回転方向)に回転自在で、かつボルト139軸にて連結している連結箇所で揺動(図9にて符号R6にて示す方向)自在に連結される。
胴部外皮101の胸部外皮部分103の内面には、胸部外皮部分103に圧縮荷重が加わった際に、荷重に応じて変形可能な一般構造用圧延鋼材からなる環状の胸部補強部材160が配されている。胸部補強部材160は、本実施形態では、胸部芯材152が配される領域に配されている(図2、図11、図13参照。)。
胸部補強部材160は、具体的には、胸部外皮部分103の内面形状に沿って(内面に嵌り合う形状)緩い外向き曲面に形成された前補強部160aと、胸部外皮部分103と反対側の背中上面外皮部分159の内面形状に沿って、前記前補強部160aよりもさらに緩い外向き曲面に形成された後補強部160bと、前補強部160aと後補強部160bのそれぞれの端部同士をつなぐとともに、側面外皮部分118の内面形状に沿って緩い内向き曲面に形成された左補強部160c・右補強部160dとで連続した環状に形成されている(図8、図9、図11参照)。
本実施形態では、左補強部160cと右補強部160dの相対向する位置に貫通孔161,161を形成し、胸部外皮部分103の左右側面に位置する貫通孔107a,107aに、前記貫通孔161,161を連通させるとともに、胸部芯材152を挿通させて備えている。すなわち、本実施形態によれば、胸部重量増大部155を囲むようにして胸部補強部材160が配されている(図8、図9、図11参照。)。
また、胸部補強部材160は、胴部外皮101の胸部外皮部分103の内面で、胸部芯材152が配される領域よりも人形の高さ方向において下方の領域に配されているものであってもよい。
本実施形態では、上述したように胸部芯材152が配される領域に配した胸部補強部材160を第一の胸部補強部材とし、その下方領域に第二の胸部補強部材162を配している(図2乃至図4、図13、図14参照。)。
第二の胸部補強部材162は、本実施形態では、第一の胸部補強部材161を配した領域よりも下方の領域の胸部外皮部分103の内面に嵌り合う程度の径を有する連続した環状に一般構造用圧延鋼材をもって形成されている。具体的な形状は第一の胸部補強部材161と略同一の形状である。
第二の胸部補強部材162は、特に限定解釈されるものではないが、胸部外皮部分103に図示しないボルトなどを介して取付固定されるか、あるいは背部芯材170の所定箇所に図示しないボルトなどを介して取付固定されるものとする。
第一の胸部補強部材161及び第二の胸部補強部材162は、本実施形態では、胸部外皮部分103の内面に嵌り合う程度の径を有する連続した環状に一般構造用圧延鋼材をもって形成されているが、一部が切れている非連続の環状に形成されていてもよい。また、その材質、及び肉厚や幅厚は特に限定されず、所定の圧縮荷重に応じて変形可能であればよく適宜設計変更可能である。
本実施形態では、上述したとおり、第一の胸部補強部材161と第二の胸部補強部材162を備えたため、地震などの災害を想定し、家屋の倒壊などから胸部が圧迫された状態の被災者を迅速・かつ的確に救出する模擬訓練が行なうにあたり、人体(生体)の場合における胸部の変形量を模擬することができる。すなわち、第一の胸部補強部材161と第二の胸部補強部材162を備えたことにより、この第一の胸部補強部材161や第二の胸部補強部材162が圧縮荷重に応じて変形するため、人体に皮膚感覚が近似するやわらかい軟質合成樹脂材料を人形の外皮に使用することとしても柔らかすぎない胸部を備えた救助訓練用を提供し得る。また、本実施形態によれば、剛性を有する芯材を備えたため、従来のように人形としての剛性を確保する為に外皮の肉厚を厚くして硬くすることとしなくても人体(生体)の場合における胸部の変形量を模擬することができる。また、第一の胸部補強部材161や第二の胸部補強部材162の肉厚や幅厚、あるいは材質などによって、圧縮荷重に対する変形量を設定変更可能である。
背部芯材170は、頸部芯材120が連結されている側と人形の高さ方向で反対側において胸部芯材152に連結され、人形の高さ方向で胸部芯材152の下側に配されている。
なお、本実施形態では、胸部芯材152の周りに胸部重量増大部155を備えていることから、背部芯材170は胸部重量増大部155の下側に配されている(図2、図8及び図9参照。)。
本実施形態の背部芯材170は、胸部芯材152と関節部(第三の関節部)190を介して連結される第一の背部芯材171と、股間芯材181を連結し、第一の背部芯材171と関節部(第四の関節部)191を介して連結される第二の背部芯材176の二部材で構成されている(図2、図8及び図9参照。)。
第一の背部芯材171は、一般構造用圧延鋼材からなる同一形状の二枚の平板部172,172を所定間隔あけて並設させてなるもので、それぞれの平板部172,172の両端にはそれぞれ貫通孔(上側貫通孔)173と貫通孔(下側貫通孔)174が形成されている。そして、貫通孔173と173,174と174をそれぞれ連通させてボルト175a・ナット175b,ボルト180a・ナット180bによって連結して構成されている。
第一の背部芯材171の二枚の平板部172,172の上端側で、胸部重量増大部155の下側の連結突片158を両側から挟み込むとともに、それぞれの貫通孔173,173と、連結突片158の貫通孔158aを連通させてボルト175a・ナット175bを介して連結することで第三の関節部190が構成される。
そして、第一の背部芯材171の二枚の平板部172,172の下端側で、第二の背部芯材176の上端側を両側から挟み込むとともに、それぞれの貫通孔174,174と178を連通させてボルト180a・ナット180bを介して連結することで第四の関節部191が構成される。
第二の背部芯材176は、第一の背部芯材171よりも長尺で、かつ幅広に形成された一般構造用圧延鋼材からなる単一の平板部177であって、上端側に貫通孔(上側貫通孔)178が形成され、下側に股間芯材挿通孔179が形成されている。
第三の関節部190及び第四の関節部191は、胸部重量増大部155の連結突片(下側)158及び第二の背部芯材176の上端側を、それぞれ、第一の背部芯材171の二枚の平板部172,172の上端側と下端側で遊嵌状に挟み込むとともに、貫通孔173,173と158a、貫通孔174,174と178aをそれぞれ連通させてボルト175a,180aを介して連結することで、ボルト軸(ボルト175a軸,ボルト180a軸)を中心に双方向(図10、図14にて符号R7で示す前後回転方向)に回転自在で、かつボルト軸(ボルト175a軸,ボルト180a軸)にて連結している連結箇所には揺動(図9にて符号R8にて示す方向)可能なスペース192と193が形成されている(図3、図9参照。)。
本実施形態では、第二の背部芯材176の周りにおいて、第二の背部芯材176を中心にしてその左右側面に均等に背部重量増大部194,194が配されている(図2乃至図4、図8、図9、図14参照)。本実施形態の背部重量増大部194,194は、一般構造用圧延鋼材にて同一重量の中実の角柱状に一対で形成されており、それぞれを第二の背部芯材176における貫通孔(上側)178と貫通孔(下側)179の間の平坦領域にボルト195(図3と図4)などを介して着脱可能に取付固定されている。重量増大部194は、第二の背部芯材176に対して密着させて固定し、がたつかないようにする。
第一の背部芯材171と第二の背部芯材176を連結する第四の関節部191は、前記上部外皮102と下部外皮109の軸着領域に位置している。
このように構成したことにより、第一の背部芯材171と第二の背部芯材176の間に位置する第四の関節部191の動きを妨げることなく重力の作用する方向に揺れ動くことができる。
軟質性内装部材15は、上述したとおりの構成を有しており、胸部芯材152の配設領域から頸部芯材120の配設領域にわたる胴部外皮101内の空間領域196と、第二の背部芯材176の配設領域から股間芯材181の配設領域にわたる胴部外皮101内の空間領域197一杯に配設されている。
また、第一の背部芯材171の配設領域にあたる胴部外皮101内の空間領域198には、軟質性内装部材15は配設されないものとする。
すなわち、空間領域198は、第三の関節部190と第四の関節部191が配される領域であって、この空間領域198を第三空間領域ともいう。これは、第一の背部芯材171の可動を胴部100内において軟質性内装部材15によって妨げられないようにしているものである。
また、頸部芯材120の周りにも軟質性内装部材15を配設しないようにして頸部芯材120の可動を妨げないようにしている。すなわち、第二の関節部151が配される空間領域199であって、この空間を第四空間領域ともいう。これは、頸部芯材120における第二の頸部芯材131の可動を胴部100内において軟質性内装部材15によって妨げられないようにしているものである(図5、図6、図13参照)。
股間芯材181は、一般構造用圧延鋼材にて所定長さの棒状に形成され、両端にはネジ部182,182が形成されており、胸部芯材152の連結側と人形の高さ方向で反対側において、第二の背部芯材176の下端に連結されている(図2、図3、図8、図9、図19参照)。
股間芯材181は、第二の背部芯材176に形成された股間芯材挿通孔179に対して緩く挿通することで第二の背部芯材176に対して揺動可能(図9にて符号R9で示す方向に揺れ動く)に配される。
そして、胴部外皮101の下部外皮109における左右の脚部収容空間114,114に形成した連通孔114a,114aを介して、両側のネジ部182,182がそれぞれ左右の脚部収容空間114,114に突出して臨み、第八の関節部を介して前記ネジ部182,182と着脱可能かつ揺動可能に連結されている。
救助訓練用人形の構成部位として最も大きい重量と回転に対する慣性を有する胴体については、上述したとおり、重量増大部155を胸部芯材152周りに配するとともに、重量増大部194を第二の背部芯材176周りに分割して配設し、重心に対する回転慣性モーメントまで考慮した配置としているので、ロープで吊り下げての訓練中に訓練隊員が揺れ方と廻り方での違和感を生じることもない。
腕部200は、人間の成人男性の腕部外観を模擬して形成された上腕部201と前腕部226と手部245とからなり、第五の関節部216を介して胸部芯材152の端部のネジ部154と着脱可能かつ揺動可能に連結されている(図1乃至図4、図11、図13、図15乃至図17参照)。左腕部と右腕部とは、構造が同一であるため、一方の腕部のみを説明し他方の腕部については説明を省略する。
上腕部201は、内部中空に形成された上腕部外皮202と、上腕部外皮202内に配される上腕芯材210と、上腕部外皮202と上腕芯材210との間の空間に配される軟質性内装部材15とで構成されている(図15参照)。
上腕部外皮202は、上腕芯材210と軟質性内装部材15を内装する中空部を有する本体部203と、前記中空部と貫通孔(上側貫通孔)204を介して上端側で連通する第五の関節部収容空間205と、前記中空部と貫通孔(下側貫通孔)206を介して下端側で連通する下端側空間部207とを備えて構成されている。
第五の関節部収容空間205は、胸部芯材152と連結した第五の関節部(肩部の関節部)216が挿通される挿通孔205aが形成されている。
下端側空間部207は、後述する前腕部外皮227の上端側空間部229によって第六の関節部(肘部の関節部)241を収容する第六の関節部収容空間208を構成する。
上腕芯材210は、一般構造用圧延鋼材で形成されており、所定長さの板状に芯材本体部211が形成されるとともに、その上端側には貫通孔(上側貫通孔)214を備えた連結片(上側連結片)212が一体に形成されており、下端側には貫通孔(下側貫通孔)215を備えた連結片213が一体に形成されている。
そして、上端側の連結片212が第五の関節部(肩部の関節部)216と連結されるとともに、下端側の連結片213が第六の関節部(肘部の関節部)241と連結される。
また、芯材本体部211の両側面には、上腕部201が所定重量となるように左右の重量増大部225,225をそれぞれ一体に備えている。
重量増大部225は、特に本実施形態の形態に限定解釈されるものではなく、他の形態をもって一体に備えられるものであってもよく、あるいは別体に形成されてボルトなどを介して着脱可能に本体部に備えられる形態であってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
芯材本体部211は、上腕部外皮202の本体部203の中空部から少なくとも上端側の連結片212と下端側の連結片213が突出する程度の長尺に形成されている。本実施形態では、双方の連結片212と213が一体に形成されている芯材本体部211のそれぞれの両端部までも中空部から突出する程度の長尺に形成されている(図15参照。)。
第五の関節部(肩部の関節部)216は、胸部芯材152の端部(ネジ部154)を、ナット217を介して回転可能に軸着する胸部芯材連結部218と、上腕芯材210の上端側の連結片212をボルト219とナット220を介して回転可能に軸着する腕部芯材連結部221を備えて構成されており、胸部芯材152の端部(ネジ部154)にて胸部芯材152を中心にして双方向(図11にて符号R10で示す軸を中心に前後方向)に回転可能で、腕部芯材152の上端でボルト219止めした軸着部を中心にして、上腕芯材210が双方向(図13にて符号R11で示す軸を中心にした上下方向)に回転可能に連結する。
胸部芯材連結部218は、胸部芯材152の端部(ネジ部154)を挿通可能な孔部であって、挿通された胸部芯材152の端部(ネジ部154)をナット217を介して連結し、この状態で第五の関節部216が胸部芯材152の端部にて胸部芯材152を中心にして双方向(図11にて符号R10で示す軸を中心に前後方向)に回転可能となる。
腕部芯材連結部221は、上腕芯材210の上端側の連結片212を遊びをもって挿入し、揺動可能にボルト219とナット220を介して軸着する二股状の連結片222,222を有している。
連結片222には、貫通孔223を有しており、貫通孔223,223と連結片212の貫通孔214を連通させてボルト219とナット220を介して連結し、この状態で第五の関節部216がボルト219軸を中心に双方向(図13にて符号R11で示す上下方向)に回転自在で、かつボルト219軸にて連結している連結箇所には揺動(図16にて符号R12にて示す方向に揺れ動く)可能なスペース224が形成されている。
前腕部226は、内部中空に形成された前腕部外皮227と、前腕部外皮227内に配される前腕芯材232と、前腕部外皮227と前腕芯材232との間の空間に配される軟質性内装部材15とで構成されている。
前腕部外皮227は、前腕芯材232と軟質性内装部材15を内装する中空部を有する本体部228と、前記中空部と貫通孔を介して上端側で連通する上端側空間部229と、前記中空部と貫通孔を介して下端側で連通する下端側空間部230とを備えて構成されている。
上端側空間部229は、上腕部外皮202の下端側空間部207とによって第六の関節部(肘部の関節部)241を収容する第六の関節部収容空間208を構成する。
また、下端側空間部230は、後述する手部外皮246の上端側空間部とによって第七の関節部(手首部の関節部)260を収容する第七の関節部収容空間231を構成する。
前腕芯材232は、一般構造用圧延鋼材で形成されており、二股状に形成され、かつそれぞれの端部に貫通孔234,234を有する連結片233,233と、二股状の連結片233,233の基端側から、二股状の連結片233,233の基端側幅と同一の幅で連続して形成された肉厚平板の第一の芯材部235と、第一の芯材部235から薄幅状、本実施形態では二股状の連結片233,233間の空間幅と略同一幅で平板状に連続して形成された薄肉平板の第二の芯材部236と、第二の芯材部236と同一薄幅で、第二の芯材部236と直交するように連続して形成され、貫通孔238を有する第三の芯材部237とで構成されている。
前腕芯材232は、前腕部外皮227の本体部228の中空部から少なくとも上端側の二股状の連結片233,233と、第三の芯材部237の下端側(貫通孔238部分)が突出する程度の長尺に形成されている(図15参照。)。
第六の関節部(肘部の関節部)241は、前腕芯材232の上端側に備えた二股状の連結片233の間に、前記上腕芯材210の下端側の連結片213を遊びをもって挿入し、それぞれの貫通孔234,234と215を連通させて揺動可能にボルト239・ナット240を介して軸着して構成されている(図16を参照。)。
したがって、ボルト239軸を中心に双方向(図15にて符号R13で示す上下方向)に回転自在で、かつボルト239軸にて連結している連結箇所には揺動(図16にて符号R14にて示す方向に揺れ動く)可能なスペース242が形成されている。
本実施形態における第六の関節部(肘部の関節部241)は、上腕部201と前腕部226が伸びきった状態から前腕部226が後方に回転しないように肘部回転規制部243を備えている(図15及び図17参照。)。
肘部回転規制部243は、前腕芯材232の上端側に備えられている二股状の連結片233の側面同士にわたって配設される板部が機能している。
板部(肘部回転規制部243)は、上腕芯材210と前腕芯材232が直線状に伸びきった状態のときに、前腕芯材232の板部(肘部回転規制部243)が上腕芯材210の下端側の連結片213に当接する位置に配設される。
すなわち、上腕部201と前腕部226が直線状に伸びきった状態から前腕部226がさらに後方に回転しようとした際に、上腕芯材210の下端側の連結片213が、前記板部(肘部回転規制部243)と当接し、それ以上の回転作動を規制する機能を有している(図15及び図17参照。)。
手部245は、内部中空に形成された手部外皮246と、手部外皮246内に配される手部芯材249と、手部外皮246と手部芯材249との間の空間に配される軟質性内装部材15とで構成されている。
手部外皮246は、手部芯材249と軟質性内装部材15を内装する中空部を有する本体部247と、本体部247の上端側で開口する上端側開口部248とを備えて構成されている。
上端側開口部248は、前記前腕部226の下端側に備えた下端側空間部230とによって第七の関節部(手首部の関節部)260を収容する第七の関節部収容空間231を構成する。
また、本実施形態では、手部外皮246の上端側開口部248は、前腕部226の下端側を収容可能に広く開口している。このように構成したことで、第七の関節部260が直視されないとの作用効果を奏する。
手部芯材249は、一般構造用圧延鋼材で形成されており、二股状に形成された貫通孔251,251を有する連結片250,250と、二股状の連結片250,250の基端側から所定角度で前方に向けて一体に形成されている平板部252と、二股状の連結片250,250と平板部252との連結部周囲を囲むように、二股状の連結片250,250と一体に構成され、かつ手部外皮246の内面にボルト253を介して固着され、手部245の形状保持を図る環状の保持部材254とで構成されている(図15、図16、図18参照。)。
前腕部226と手部245は、前腕芯材232と手部芯材249が第七の関節部(手首部の関節部)260を介して連結されている。
第七の関節部(手首部の関節部)260は、手部芯材249の上端側に備えた二股状の連結片250,250の間に、前記前腕芯材232の第三の芯材部237の下端側を遊びをもって挿入し、それぞれの貫通孔251,251と238を連通させて揺動可能にボルト261とナット262を介して軸着して構成されている(図15、図16、図18を参照。)。
したがって、ボルト262軸を中心に双方向(図16、図18にて符号R15で示す上下方向)に回転自在で、かつボルト262軸にて連結している連結箇所には揺動(図15にて符号R16にて示す方向に揺れ動く)可能なスペース263が形成されている。
上腕部201、前腕部226及び手部245に備えられている軟質性内装部材15は、上述したとおりの構成を有しており、上腕部外皮202の本体部203の中空部と、前腕部外皮227の本体部228の中空部と、手部外皮246の本体部247の中空部のそれぞれ一杯に配設されている。
また、上腕部201の上端に形成されている第五の関節部収容空間205と、上腕部201の下端に形成されている下端側空間部207及び前腕部226の上端に形成されている上端側空間部229とで構成される第六の関節部収容空間208と、前腕部226の下端に形成されている下端側空間部230及び手部245の上端側空間部248とで形成される第七の関節部収容空間231には、軟質性内装部材15は配設されないものとする。
すなわち、第五の関節部収容空間205には肩部の関節部である第五の関節部216が収容され、第六の関節部収容空間208には肘部の関節部である第六の関節部241が収容され、第七の関節部収容空間231には手首部の関節部である第七の関節部260が収容されるため、それぞれの関節部の作動が軟質性内装部材15によって妨げられないようにしているものである。
なお、本実施形態では、人体(生体)を可能な限り忠実に模擬するため、指内には芯材を内装せず、軟質性内装部材15のみとしているが、指内に芯材を内装する形態であってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
脚部300は、人間の成人男性の脚部外観を模擬して形成された大腿部301と下腿部330と足部340とからなり、第八の関節部320を介して股間芯材181の端部のネジ部182と着脱可能かつ揺動可能に連結されている(図1乃至図4、図19、図20参照)。左脚部300と右脚部300とは、構造が同一であるため、一方の脚部300のみを説明し他方の脚部300については説明を省略する。
大腿部301は、内部中空に形成した大腿部外皮302と、大腿部外皮302内に配される大腿芯材310と、大腿部外皮302と大腿芯材310との間の空間に配される軟質性内装部材15とで構成されている。
大腿部外皮302は、大腿芯材310と軟質性内装部材15を内装する中空部を有する本体部303と、前記中空部と貫通孔304を介して上端側で連通する第八の関節部収容空間305と、前記中空部と貫通孔306を介して下端側で連通する下端側空間部307とを備えて構成されている。
第八の関節部収容空間305は、股間芯材181と連結した第八の関節部(脚付け根部の関節部)320が挿通される挿通孔305aが形成されている。
下端側空間部307は、後述する下腿部外皮331の上端側空間部333によって第九の関節部(膝部の関節部)350を収容する第九の関節部収容空間308を構成する。
大腿芯材310は、一般構造用圧延鋼材で形成されており、二股状に形成され、貫通孔312,312を有する上端側の連結片311,311と、二股状の連結片311,311の基端側から、二股状の連結片311,311と同一幅で連続して形成された肉厚平板の第一の大腿芯材部313と、第一の大腿芯材部313と直交するように連続して形成された第二の大腿芯材部314と、第二の大腿芯材部314の下端側に二股状に形成され、貫通孔316,316を有する下端側の連結片315,315とで構成されている。したがって、上端側の二股状の連結片311,311と、下端側の二股状の連結片315,315は、上下方向で直交状に配されている(図2乃至図4、図19参照。)。
大腿芯材310は、大腿部外皮302の本体部303の中空部から、少なくとも上端側の連結片311,311と下端側の連結片315,315が突出する程度の長尺に形成されている(図15参照。)。
第八の関節部(脚付け根部の関節部)320は、股間芯材181の端部(ネジ部182)を回転可能に軸着する股間芯材連結部321と、大腿芯材310の上端側の連結片311,311を回転可能に軸着する大腿芯材連結部(連結片)324を備えて構成されており、股間芯材181の端部(ネジ部182)にて股間芯材181を中心にして双方向(図19にて符号R17で示す軸を中心に前後方向)に回転可能で、かつ大腿芯材310の上端でボルト止めした軸着部を中心にして、大腿芯材310が双方向(図4にて符号R18で示す軸を中心にした上下方向)に回転可能に連結する。
股間芯材連結部321は、股間芯材181の端部(ネジ部182)を挿通可能な孔部322を有し、挿通された股間芯材181の端部(ネジ部182)をナット323を介して連結し、この状態で第八の関節部320が股間芯材181(ネジ部182)の端部にて股間芯材181を中心にして双方向(図19にて符号R9で示す軸を中心に前後方向)に回転可能となる(図2乃至図4、図8、図9、図19参照。)。
大腿芯材連結部324は、大腿芯材310の上端側の二股状の連結片311,311間に遊びをもって挿入し、揺動可能にボルト325・ナット326を介して軸着する貫通孔327を有する平板状に形成されている(図2乃至図4、図8、図9、図19参照。)。
したがって、ボルト325軸を中心に双方向(図19にて符号R17で示す上下方向)に回転自在で、かつボルト325軸にて連結している連結箇所、すなわち、大腿芯材310の上端側の連結片311,311と大腿芯材連結部324との間には、揺動(図4にて矢印R18にて示す方向に揺れ動く)可能なスペース328が形成されている。
下腿部330は、内部中空に形成された下腿部外皮331と、下腿部外皮331内に配される下腿芯材336と、下腿部外皮331と下腿芯材336との間の空間に配される軟質性内装部材15とで構成されている。
下腿部外皮331は、下腿芯材336と軟質性内装部材15を内装する中空部を有する本体部332と、前記中空部と貫通孔334を介して上端側で連通する上端側空間部333を備えて構成されている。上端側空間部333は、大腿部外皮302の下端側空間部307とによって第九の関節部(膝部の関節部)350を収容する第九の関節部収容空間308を構成する。
また、下端側は、下腿芯材336の下端側が突出可能な貫通孔335を有している。
下腿芯材336は、一般構造用圧延鋼材で形成されており、長尺の肉厚平板に形成された芯材本体部337と、芯材本体部337の上端と下端から、それぞれ一体に突出し、貫通孔338bを有する連結片338a(上側)と、貫通孔339bを有する連結片339a(下側)とで構成されている。
下腿芯材336は、下腿部外皮331の本体部332の中空部から少なくとも上端側の連結片338aと下端側の連結片339aが突出する程度の長尺に形成されている(図19参照。)。
第九の関節部(膝部の関節部)350は、大腿芯材310の下端側に備えた二股状の連結片315,315の間に、前記下腿芯材336の上端側の連結片338aを遊びをもって挿入し、それぞれの貫通孔316,316と338bを連通させて揺動可能にボルト351・ナット352を介して軸着して構成されている(図19を参照。)。
したがって、ボルト351軸を中心に双方向(図20にて符号R19で示す上下方向)に回転自在で、かつボルト351軸にて連結している連結箇所には揺動(図19にて符号R20にて示す方向に揺れ動く)可能なスペース353が形成されている。
本実施形態における第九の関節部(膝部の関節部)350は、大腿部301と下腿部330が伸びきった状態から下腿部330が前方に回転しないように膝部回転規制部355を備えている(図19及び図20参照。)。
膝部回転規制部355は、大腿芯材310の下端側に備えられている二股状の連結片315,315の側面同士にわたって配設される板部が機能している。膝部回転規制部355(板部)は、大腿芯材310と下腿芯材336が直線状に伸びきった状態のときに、大腿芯材310の板部(膝部回転規制部355)が下腿芯材336の上端側の連結片338に当接する位置に配設される。
すなわち、大腿部301と下腿部330が直線状に伸びきった状態から下腿部330がさらに前方に回転しようとした際に、下腿芯材336の上端側の連結片338が、前記膝部回転規制部355(板部)と当接し、それ以上の回転作動を規制する機能を有している(図19及び図20参照。)。
足部340は、内部中空に形成された足部外皮341と、足部外皮341内に配される足部芯材345と、足部外皮341と足部芯材345との間の空間に配される軟質性内装部材15とで構成されている(図1乃至図4、図19乃至図21参照)。
足部外皮341は、足部芯材345と軟質性内装部材15を内装する中空部を有する本体部342と、本体部342の上端側で開口する上端側開口部343とを備えて構成されている。
上端側開口部343は、第十の関節部(足首部の関節部)を収容する第十の関節部収容空間344を構成する。
また、本実施形態では、足部外皮341の上端側開口部343は、下腿部330の下端側を収容可能に広く開口している。このように構成したことで、第十の関節部が直視されないとの作用効果を奏する。
足部芯材345は、一般構造用圧延鋼材で形成されており、二股状に形成され、貫通孔347,347を有する連結片346,346と、二股状の連結片346,346の基端側から所定角度で前方に向けて一体に形成されている平板部348と、二股状の連結片346,346の周囲を囲むように、二股状の連結片346,346と一体に構成され、かつ足部外皮341の内面にボルト349bを介して固着され、足部340の形状保持を図る環状の保持部材349aとで構成されている(図2乃至図4、図19乃至図21参照。)。
下腿部330と足部340は、下腿芯材336と足部芯材345が第十の関節部(足首部の関節部)360を介して連結されている。
第十の関節部(足首部の関節部)360は、足部芯材345の上端側に備えた二股状の連結片346の間に、前記下腿芯材336の下端側の連結片340を遊びをもって挿入し、それぞれの貫通孔347,347と341を連通させて揺動可能にボルト361・ナット362を介して軸着して構成されている(図2、図19を参照。)。
したがって、ボルト361軸を中心に双方向(図21にて符号R21で示す上下方向)に回転自在で、かつボルト361軸にて連結している連結箇所には揺動(図19にて符号R22にて示す方向に揺れ動く)可能なスペース363が形成されている。
大腿部301、下腿部330及び足部340に備えられている軟質性内装部材15は、上述したとおりの構成を有しており、大腿部外皮302の本体部303の中空部と、下腿部外皮331の本体部332の中空部と、足部外皮341の本体部342の中空部のそれぞれ一杯に配設されている。
また、大腿部301の上端に形成されている第八の関節部収容空間305と、大腿部301の下端に形成されている下端側空間部307及び下腿部330の上端に形成されている上端側空間部333とで構成される第九の関節部収容空間308と、足部340の上端側開口部343に形成される第十の関節部収容空間344には、軟質性内装部材15は配設されないものとする。
すなわち、第八の関節部収容空間305には脚付け根部の関節部である第八の関節部320が収容され、第九の関節部収容空間308には膝部の関節部である第九の関節部350が収容され、第十の関節部収容空間344には足首部の関節部である第十の関節部360が収容されるため、それぞれの関節部の作動が軟質性内装部材15によって妨げられないようにしているものである。
なお、本実施形態では、人体(生体)を可能な限り忠実に模擬するため、指内には芯材を内装せず、軟質性内装部材15のみとしているが、指内に芯材を内装する形態であってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施形態では、脚部300の大腿芯材310、下腿芯材336、足部芯材345をそれぞれ全体的に太い一般構造用圧延鋼材をもって形成し、脚部300の芯材長さ方向に重量があるように構成しているため、芯材周りに均等に集中している。特に本実施形態に限定解釈されるものではなく、所定の芯材周りに重量増大部を別体あるいは一体に備えるものであってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
なお、各所に配される重量増大部は、単に重量のみならず重心に対する慣性モーメントが人体の慣性モーメントに合うように配置して取り付けるのが好ましい。芯材の表面並びに表皮の裏面に軟質性内装部材15が付着するので各部位の外皮はこの軟質性内装材15を介して芯材と一体化される。
なお、頸部芯材120に配される関節部は本実施形態に限定されず、揺動の支点すなわち関節部が3箇所以上としてもよく本発明の範囲内である。また、頸部芯材の周りに配する頸部外皮部分を、重力の作用によって頸部が容易に揺動し得るように頸部外皮部分を蛇腹状に形成することも可能である。
図12は、本発明の他の実施形態の一例を示す横断断面図である。
本実施形態は、胸部芯材152の両端と第五の関節部216との間に、さらに揺動可能な第十一の関節部370を配設した実施の一形態である。
具体的には、胸部芯材152の端部には貫通孔(図示省略)を有する連結部371が形成される。
第十一の関節部370は、連結部371の図示省略した貫通孔に、ボルト372を挿通して揺動可能に連結する貫通孔373を備えた二股状の連結片374を一端側に形成し、他端側には第五の関節部216の胸部芯材連結部218に挿通可能なネジ部375を形成し、挿通されたネジ部375をナット376を介して連結し、この状態で第五の関節部216が、前記ネジ部375を中心にして双方向(図12にて符号R23で示す軸を中心にした前後方向)に回転可能となる。
また、胸部芯材152の連結部371の貫通孔にボルト372を介して二股状の連結片374を軸着すると、この状態でボルト372軸を中心として第五の関節部216が双方向(図12にて符号R24で示す軸を中心にした左右方向)に回転可能となる。
このような構成を採用することによって、本実施形態の救助訓練用人形は、腕部200の可動範囲が広がるため、胸部分の前方にて左右の腕部200,200を重ね合わせることができる。
「落下試験」
本実施形態の救助訓練用人形を使用して落下試験を行い、本実施形態の救助訓練用人形の外観上の変化(破損・欠損・傷の有無など)を確認した。
試験機:懸垂型落下試験機
温 度:室温
落下高さ:地上から20cm、75/30cm、100cm、200cm
(1)(2)はラフハンドリングを想定し、(3)(4)は訓練中に誤って落下させてしまった場合を想定している。
(1)地上から20cm浮かせた位置から水平に寝かせた状態(水平に寝かせて吊り上げた状態)で、背中側から落下させたが、全く外観上の変化は確認されなかった。
(2)地上から脇を75cm、腰を30cm浮かせた位置から傾斜落下(脚を前に投げ出して座っている状態で吊り上げて腰から落下)させたが、全く外観上の変化は確認されなかった。
(3)地上から100cm浮かせた位置から水平に寝かせた状態(水平に寝かせて吊り上げた状態)で、背中側から落下させたが、全く外観上の変化は確認されなかった。
(4)地上から200cm浮かせた位置から水平に寝かせた状態(水平に寝かせて吊り上げた状態)で、背中側から落下させたが、全く外観上の変化は確認されなかった。
本発明は、例えば頭部を自力で支えることができない被介護者や、腕部の自由が利かない被介護者や、脚部の自由が利かず自力で立つことのできない被介護者などを移動する(介護する)訓練をするために用いられる人形としても利用可能であり、また、通常一般的な人形や、マネキン人形などにも利用可能である。
1 頭部
2 頭部外皮
8 頭部芯材
15 軟質性内装部材
100 胴部
101 胴部外皮
120 頸部芯材
155 胸部重量増大部
194 背部重量増大部
140,192,193,224,242,263,328,353,363 揺動可能なスペース
200 腕部
300 脚部

Claims (1)

  1. 剛性のある芯材と、芯材を覆う軟質製の外皮と、外皮と芯材との間の空間に配設される弾力性を備えた軟質性内装部材と、で構成され、
    少なくとも頭部を構成する頭部外皮内に備えられる頭部芯材の所定箇所と、胴部を構成する胴部外皮内に備えられる胴部芯材の所定箇所には、重量増大部がそれぞれの芯材を中心として左右均等に一体に備えられており、
    前記頭部外皮の下面には、胴部外皮の一部を構成する頸部外皮部分が収容可能な窪み部が形成され、窪み部の先端には、胴部芯材と連結する頸部芯材が挿通可能な頸部芯材挿通用の孔部が形成され、
    前記頭部芯材は、人形の高さ方向における頭部外皮内の所定位置に水平方向にわたって固定される頸部芯材連結部と、前記頸部芯材連結部の所定位置に備えられる重量増大部とで構成され、
    前記頸部芯材連結部は、頭部外皮内に水平方向にわたる長さの板状に形成されるとともに、その中央位置に上下方向にわたって貫通する頸部芯材連結用の孔部を備え、
    前記重量増大部は、前記頸部芯材連結用の孔部の左右に均等に配設され、
    前記軟質性内装部材は、少なくとも前記頸部芯材が頭部内において上下方向に移動可能な第一空間領域と、前記頸部芯材を前記頸部芯材連結部に連結操作する第二空間領域を除いて配設され、
    前記頭部外皮の頂面は、前記第二空間領域の上方にて、前記第二空間領域を外部に開放可能に着脱可能に配設され、
    前記頸部芯材は、頭部内に位置して前記第一空間領域を上下方向に移動可能に配される第一の頸部芯材と、胴部外皮内において胴部芯材に第二の関節部を介して一端が連結されるとともに、他端側にて第一の関節部を介して前記第一の頸部芯材と連結される第二の頸部芯材とで構成され、
    前記第一の頸部芯材は、前記頸部芯材連結部の頸部芯材連結用の孔部を介して前記第二空間領域に上端のネジ部を突出させるとともに着脱調整可能にネジ止めして連結したときに、頭部外皮下面の前記窪み部内に、前記頸部外皮部分と、前記第一の関節部を収容して前記第一の関節部を外部から遮蔽可能な長さに形成したことを特徴とする救助訓練用人形。
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