JPS6019727Y2 - 訓練用人形体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は消防訓練等の災害訓練に供される訓練用人形体
に関する。

従来、消防訓練を始めとする災害訓練においてビル等の
高所より逃げ遅れた人あるいは傷をした人等の救出訓練
に際しては、人間そのものがモデルとなり、あるいは、
人体状をした袋体等を人間変りとして使用されてきたの
であるが、前者にあっては訓練中に墜落する等の事故を
起すおそれがあり、極めて危険であるとともに、後者に
あっては危険性はないが、人体そのものと重量及びバラ
ンス関節部分等何れも異なるため実態に即した訓練をす
ることができない。

本考案は、かかる欠点に鑑みて案出されたものであり、
人形体であることから危険性がないとともに、人体とほ
ぼ等しいバランス、重量、弾性、関節状態であることか
ら、人間そのものを訓練に供した場合と同様の訓練をす
ることができる訓練用人形体を提供することを目的とす
る。

考案の構成は人体本体を硬質性合成樹脂体にて構威し、
外面部分を人体の弾性に等しい軟質合成樹脂体にて構威
し、前記人体本体の関節部分は、人体の関節回動状態と
同様に回動することができるべく自在継手にて接続し、
腰等人体の救出用ロープの巻回及び当接個所にはサポー
タ−等の保護部材を取り付けるとともに人体と同様な重
量及びバランスにて形成したことを特徴とする訓練用人
形体に関するものであり、これを図面に示す一実施例に
基づいて説明すれば次の如くである。

図中１は、本考案の訓練用人形本体であり、硬質合成樹
脂体より形成されており、本実施例の場合には、ポリエ
ステルとガラス繊維の混合体が用いられている。

２は頭部であり、毛髪、顔ともに人体と同様に形成され
ている。

３は足部に形成された空洞部分であり、人体の体重及び
バランスと同様な構成とするために形成され、図示しな
いが砂、鉄粉等を混入する場合もある。

４は外皮部分であり、人体の外面と同様な弾性を有する
軟質合成樹脂体が用いられており、本実施例の場合には
発泡ポリウレタンが使用されている。

５は訓練用人形体１の関節部分に介在されてなる接続具
であり、人体の関節部分と同様な回動状態を得ることが
できるように構成されており、例えば第２図に示す肩部
分１ａと腕部分１ｂ間に介在される接続具について説明
すれば、肩部分の接続具５ａと腕部分の接続具５ｂとは
、ビス６及びネジ７にて、ユニバーサルジヨイントに取
外し自在に接続されているが、１８０°の回動状態はで
きても上方向への回動は、ストッパ一部８の作用により
回動することはできず、人間の肩１ａと腕１ｂと同様な
接続回動状態である。

また、第３図に示す腹部分１ｃと足部分１ｄとの接続具
も同様に腹部分の接続具５ｃと足部分の接続具がビス９
及ヒネジ１０にて、ユニバーサルジヨイント状に前のみ
９０°曲けられる状態で接続され、人間の腰と足の同様
な接続回動状態を得ることができるものである。

その他、首部分、ひじ部分、ウェスト部分、ひざ部分等
に人間と同様な回動状態を得ることのできる接続具５が
介在されている。

１１は訓練に際し、救出用ロープ人間本体への巻回ある
いは、当接個所に取付けられてなる保護部材であり、本
実施例においてはサポータ−類が所要個所に取付けられ
ている。

尚、図示しないが、訓練用人形体本体１内には、激しい
訓練及び実験等にも耐えることが出来るべく補強用ワイ
ヤーを、人体形成の各構成部分に介在し回動あるいは、
屈曲部分にて、それぞれ接続する形態のものであっても
よい。

しかして平均的な人体の身長・体重及びバランスと同様
な身長重量及び、バランスを有しかつ人体の関節回動状
態及び屈曲状態と同様の構成からなり、しかも人体の弾
性と同様な外面構成からなる本考案の訓練用人形体によ
れば、激しい状態下の救出訓練、あるいは高層ビル等か
らの高度の救出訓練にあってもモデルは、人形体である
ことから、不慮の訓練事故等にあっても危険性はないと
ともに、当該訓練用人形体は、人体と全ての面に亘り、
同様な構成に係るものであることから、火災、地震等の
実際の救出訓練に適した訓練をすることができ、訓練技
術の一層の向上を期待することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の訓練用人形体の一部断面概略正面図、
第２図は肩部分と腹部分の接続状態を示す概略斜視図、
第３図は腹部分と足部分の接続状態を示す概略斜視図で
ある。 １・・・・・・訓練用人形本体、２・・・・・・頭部、
３・・・・・・空洞部分、４・・・・・・外皮部分、５
・・・・・・接続具、１１・・・・・・保護部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 人体本体を硬質性合成樹脂体にて構威し、外面部分
   を人体の弾性に等しい軟質合成樹脂体にて構威し、前記
   人体本体の間接部分は、人体の関節回動状態と同様に回
   動することができるべく自在継手にて接続し、腰等人体
   の救出用ロープの巻回及び当接個所にはサポータ−等の
   保護部材を取り付けるとともに人体と同様な重量及びバ
   ランスにて形成したことを特徴とする訓練用人形体。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の人体本体の硬
   質合成樹脂体には、砂、鉄粉を混入し、あるいは空洞部
   分を設けることにより人体と同様な重量及び、バランス
   を形成したことを特徴とする訓練用人形体。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の硬質合成樹脂
   体は、ポリエステルとガラス繊維により成ることを特徴
   とする訓練用人形体。 ４ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の軟質合成樹脂
   体は、発泡ポリウレタンを用いたことを特徴とする訓練
   用人形体。 ５ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の人体本体内に
   は、ワイヤーを介在させたことを特徴とする訓練用人形
   体。