JP2016075054A - 屋根上設置物の取付金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本願は、部材の厚さを増加させることなく、金具の強度を高め、風等による荷重に強い屋根上設置物の取付金具を提供することを目的とする。また、屋根上に取り付けやすい屋根上設置物の取付金具を提供することを目的とする。【解決手段】 本願は、縦葺き屋根材の突条部を挟持部で挟持する第1ピース及び第2ピースと、締付具と、取付具を有する屋根上設置物の取付金具である。第1ピース及び第2ピースは、載置部の下面側となる位置に第1ピースの載置部に略直角な向きの補強面を有している。第1ピースの補強面と第2ピースの補強面とは、互いに略直角な向きに形成されている。取付具が上面部方向に引き上げられたときに、第2ピースの補強面の端縁が、第1ピースの補強面の端縁に当接される。【選択図】 図1

Description

本願は、屋根上設置物を取り付けるための金具に関するものである。
従来技術について、図9で説明する。
図9は、特開2014−34783号公報にて公開されている取付金具に関する技術である。図9に示した先行技術は、ハゼ部の上方においてハゼ部と交差する方向に延びる締結ボルトにてハゼ部を挟持して締結固定される第1と第2の金具を備える。その上部に、取付ボルトが挿入される長穴をハゼ部と交差する方向に沿って有する天井部と、天井部から下方に延びる天井側壁とを備える。さらに、天井部の下面側に、長穴に挿入された取付ボルトの六角ボルトヘッドの回り止め部を有する。
特開2014−34783号公報
図9に示した先行技術は、設置物取り付け後、設置物にかかる風荷重は、取付ボルトによって天井部だけが受ける。そのため、天井部が変形しやすかった。その結果、設置物の取り付け状態が不安定になりやすく、設置物が飛散する恐れがあった。また、天井部に形成されているのが長穴であるために、天井部自体の強度が構造的に低く、取付ボルトが抜けやすかった。したがって、天井部を極めて高強度にする必要があった。しかし、そのためには、天井部の板厚を厚くするほかなく、材料・加工コストの上昇が不可避であった。
また、図9に示した先行技術は、天井部の長穴に取付ボルトが組み合わせられている。そのため、取付ボルトの位置決めがしにくく、不安定な状態になりやすかった。そのため、設置物の適正な取付位置を想定した上で、不安定な状態の取付ボルトによって取り付け作業を行う必要があり、手間がかかっていた。さらに、設置物が太陽光発電パネルである場合、太陽光発電パネル同士のアースを確保するための配線を別途行う必要があった。
本願は、部材の厚さを増加させることなく、金具の強度を高め、風等による荷重に強い屋根上設置物の取付金具を提供することを目的とする。また、屋根上に取り付けやすい屋根上設置物の取付金具を提供することを目的とする。
本願は、縦葺き屋根材の突条部を挟持部で挟持する第1ピース及び第2ピースと、第1ピース及び第2ピースを連結させる締付具と、取付具を有する屋根上設置物の取付金具である。第1ピースは、締付具挿通孔が形成された側面と、取付具挿通孔が形成された載置部を有する。第2ピースは、締付具挿通孔が形成された側面と、取付具挿通孔が形成された上面部を有する。上面部に載置部が重ねられ、取付具を取付具挿通孔に挿通して載置部上に突出させている。第1ピース及び第2ピースは、載置部の下面側となる位置に載置部に略直角な向きの補強面を有している。第1ピースの補強面と第2ピースの補強面とは、互いに略直角な向きに形成されている。取付具が上面部方向に引き上げられたときに、第2ピースの補強面の端縁が、第1ピースの補強面の端縁に当接される。
また、本願は、上記の構成に加え、第1ピースには、載置部に孔が形成されており、第2ピースには、孔から載置部上に突出される箇所が形成されている。
本願の屋根上設置物の取付金具は、取付具が上面部方向に引き上げられたときに、第2ピースの補強面の端縁が、第1ピースの補強面の端縁に当接される。この当接により、上面部及び載置部の変形を防ぐ。また、端縁同士が当接されて風等による荷重を受けるので、載置部や上面部が板厚方向だけで荷重を受ける場合に比べて格段に強度が高い。
また、第1ピースには載置部に孔が形成されており、第2ピースには孔に挿通されて載置部上に突出される箇所が形成されている。そのため、第1ピースと第2ピースを組み合わせたときに、がたつきが少なく、施工現場で扱いやすい。また、その載置部上に突出された箇所を屋根上設置物の取付位置決め部や、取り付けられる太陽光発電パネル間をアース接続させるための導通突起として利用することも可能である。
本願の屋根上設置物の取付金具の実施例を示す説明図である。 本願の屋根上設置物の取付金具の実施例を示す説明図である。 本願の屋根上設置物の取付金具の実施例を示す説明図である。 本願の屋根上設置物の取付金具における第1ピースの実施例を示す説明図である。 本願の屋根上設置物の取付金具における第2ピースの実施例を示す説明図である。 本願の屋根上設置物の取付金具を屋根上に取り付けた実施例を示す説明図である。 本願の屋根上設置物の取付金具によって屋根上設置物を取り付けた実施例を示す説明図である。 本願の屋根上設置物の取付金具によって屋根上設置物を取り付けた実施例を示す説明図である。 従来技術の説明図である。
本願の屋根上設置物の取付金具について、図1から図8までにより説明する。図1及び図2は、本願の屋根上設置物の取付金具の一例である。図3は、図1及び図2に示した実施例の分解斜視図である。図4は、図1から図3までに示した実施例における第1ピースの一例である。図5は、図1から図3までに示した実施例における第2ピースの一例である。図6は、図1等に示した実施例の取付金具を屋根上に取り付けた状態を示した図である。図7及び図8は、図1等に示した実施例によって屋根上設置物を取り付けた図である。
本願において、屋根上設置物とは、太陽光発電パネル等を指す。また、本願において、縦葺き屋根材とは、突条部を有するハゼ折板や瓦棒葺きなどである。
まず、請求項1に示した本願の屋根上設置物の取付金具について説明する。本実施例では、取付金具Aは折り曲げ加工により形成されている。本実施例では、対になる第1ピース1と第2ピース2が組み合わされて構成されている。
第1ピース1と第2ピース2は、締付具3によって連結される。締付具3とは、ボルト31・ナット32などを指す。なお、締付具3は、第1ピース1と第2ピース2に対して、縦葺き屋根材Yの突条部Y1を挟持するような力を加えることができれば、ボルト31・ナット32に準じるようなものであってもよい。
第1ピース1及び第2ピース2は、締付具3が挿通される締付具挿通孔111・211を形成した側面11・21を有する。なお、縦葺き屋根材Yの突条部Y1を第1ピース1及び第2ピース2によって挟持するときに、締付具3を締め付けやすいように、第1ピース1及び第2ピース2の側面11・21同士が対面され、締付具挿通孔111・211の位置が同じ高さになるように形成されていることが望ましい。
第1ピース1及び第2ピース2の側面11・21の両側端縁を折り曲げた部分や下端縁によって、縦葺き屋根材Yの突条部Y1に当接される挟持部14・24が形成されている。第1ピース1及び第2ピース2の側面11・21の両側端縁を折り曲げた部分を挟持部14・24とする場合、縦葺き屋根材Yの突条部Y1に合わせた形状に両側端縁を折り曲げた部分が切り欠かれている。第1ピース1及び第2ピース2の側面11・21の下端縁を挟持部14・24とする場合、縦葺き屋根材Yの突条部Y1に面で当接されるような形状にすることによって、本願の屋根上設置物の取付金具Aを安定した状態に取り付けることができる。
上記のように、第1ピース1及び第2ピース2の側面11・21の端縁が折り曲げられていることによって、側面11・21の変形を防止することができる。たとえば、載置部12に荷重がかかった場合、側面11・21を変形させるような力が加わる。このとき、側面11・21は、この折り曲げられている部分によって補強・支持されている状態なので、変形しにくくなる。
第1ピース1及び第2ピース2の下端縁を折り曲げて、屋根面当接部15・25を形成してもよい。屋根面当接部15・25が形成されることによって、本願の屋根上設置物の取付金具を、より安定した状態で屋根上に取り付けることができる。
次に、本願の第1ピース1の実施例について説明する。本実施例の第1ピース1は、取付具4が挿通される取付具挿通孔121が形成された載置部12を有している。本実施例では、側面11から略直角に折り曲げられて、載置部12が形成されている。本実施例では、載置部12の裏面に、側面11の両側端が折り曲げられて形成された補強面13・13の上端が位置する形状になっている。この形状により、載置部12が受ける荷重を補強面13・13の上端でも支えるので、強度が高い。また、載置部12が側面11の幅よりも広く形成でき、屋根上設置物をより安定した状態に取り付けることができる。
本実施例の第1ピース1は、載置部12の折曲辺に対向する端縁や、載置部12が側面11の幅より外側に延出されている部分が、鈍角に折り下げられ、折下面122・122が形成されている。この折下面122・122によって、載置部12の変形を防止することができる。また、この折下面122・122を形成する際、載置部12上に突起するような切り込みを入れ、導通突起122aを形成してもよい。この導通突起122aを形成することで、屋根上設置物Sのひとつである太陽光発電パネルS´を設置する際、太陽光発電パネルS´・S´間においてアース線による接続をすることなく、導通させることができる。
次に、本願の第2ピースの実施例について説明する。本実施例の第2ピース2は、取付具4が挿通される取付具挿通孔221が形成された上面部22を有している。本実施例では、側面21から略直角に折り曲げられて、上面部22が形成されている。さらに、上面部22の端部が折り下げられ、補強面23が形成されている。この補強面23により、上面部22の変形が防止される。また、取付具4として六角ボルトを用いる場合、補強面23と側面21の間隔をボルト頭部の二面幅に合わせることが望ましい。そうすることで、六角ボルトの回り止めになり、屋根上設置物Sが取り付けやすくなる。
本実施例の第2ピース2は、側面21の上面部22近傍に孔があいている。その孔に止め具Tを挿入することで、取付具4の落下を防止することができる。本実施例の第2ピース2は、上面部22の取付具挿通孔221に取付具4が挿入された後、側面21の孔に止め具Tが挿入されている。このようにすることで、取付具4と第2ピース2が一部材化され、取り扱いやすい状態にできる。
本実施例の第2ピース2は、第1ピース1と組み合わせられたときに、第1ピース1の折下面122上に位置する載置部当接部26を形成してもよい。この載置部当接部26により、第1ピース1の側面11側に載置部12が起き上がるような変形を防ぐことができる。また、締付具3が締め付けられたときに、この載置部当接部26が載置部12に当接される。その結果、締付具3によって締め付けられる力が、挟持部24に効率的に伝えられる。さらに、載置部当接部26によって、第2ピース2自体の変形も防ぐことができる。
本実施例の第1ピース1及び第2ピース2は、上記のとおり、載置部13の下面側となる位置に、載置部13に略直角な向きの補強面13・23を有している。さらに、第1ピース1の補強面13と第2ピース2の補強面23とは、互いに略直角な向きに形成されている。すなわち、本実施例では、第1ピース1の補強面13は側面11に略直角な向きに形成されており、第2ピース2の補強面23は側面21に対面する(平行な)向きに形成されている。
そして、取付具4が上面部22方向に引き上げられたときに、第2ピース2の補強面23の端縁231は、第1ピース1の補強面13の端縁131に当接される位置になっている。そのため、屋根上設置物Sが取り付けられた後、風等による荷重を受けたときに、載置部12と上面部22、それに加えて補強面13・23同士の当接でも支える構造になっている。そのため、従来技術のように載置部12と上面部22の板厚のみで風等により荷重を受ける構造に比べて、本実施例は強度が高い。
次に、請求項2に示した本願の屋根上設置物の取付金具について説明する。請求項2に示した本願の屋根上設置物の取付金具は、第1ピース1には、載置部12に孔123が形成されている。一方、第2ピース2には、孔123に挿通されて載置部12上に突出される箇所が形成されている。このような構成にすることによって、その箇所と孔123が第2ピース2を第1ピース1に組み合わせるためのガイドとしての役割を果たし、それらを組み合わせやすくできる。さらに、第1ピース1と第2ピース2とを組み合わせたとき、それらのがたつきを防ぐこともできる。
本実施例において、孔123から載置部12上に突出される箇所は、様々な用途に利用することができる。たとえば、その部分は、屋根上設置物Sの取付位置決め部27とすることができる。屋根上設置物Sの取り付けに際して、屋根上設置物Sの端部を取付位置決め部27に当接させるだけで、適切な位置に容易に取り付けることができる。また、本実施例において、取付位置決め部27は、略三角形状に形成されている。この形状にすることによって、載置部12の孔123に挿通させやすいので、第2ピース2が第1ピース1に組み合わせやすくなる。
このほか、孔123から載置部12上に突出される箇所を、鋭利にし、導通突起としてもよい。この導通突起を形成することで、太陽光発電パネルS´を設置する際、太陽光発電パネルS´・S´間においてアース線を接続することなく、導通させることができる。
なお、孔123から載置部12上に突出される箇所は、補強面23等の一部であってもよい。たとえば、補強面23の端縁231のうち、第1ピース1の補強面13に当接しない部分に、上記の導通突起を形成させてもよい。
上記のとおり、載置部12の孔123の位置・大きさ・形状等は問わない。同様に、孔123から載置部12上に突出される箇所の位置・大きさ・形状等は問わない。さらに、孔123から載置部12上に突出される箇所の用途も限定されない。
次に、本願の屋根上設置物の取付金具によって、縦葺き屋根材Yのひとつであるハゼ折板上に屋根上設置物Sである太陽光発電パネルS´を取り付ける方法について説明する。
ハゼ折板の突条部であるハゼ部Y1を左右から挟持するように、第1ピース1と第2ピース2を配置する。第1ピース1と第2ピース2の締付具挿通孔111・211に挿通された締付具3を締め付けることで、本願の屋根上設置物の取付金具がハゼ折板上に取り付けられる。このような手順を繰り返し、ハゼ折板上に複数の取付金具Aを所定の位置に取り付けていく。
次に、複数の取付金具Aの載置部12上に、太陽光発電パネルS´を載置する。そして、載置部12上に突出された取付具4によって、太陽光発電パネルS´が取り付けられる。本実施例においては、取付具4は、ボルト41、ナット42、断面略ハット形状の押え金具43等で構成されている。なお、取付具4は、屋根上設置物Sを載置部12上に固定できるものであればよく、いかなるものの組合せであってもよい。
上記のとおり、本願は、金具の強度を高め、風等による荷重に強い構造を具備する屋根上設置物の取付金具である。その実現のために、部材の厚さ・数等を増加させたり、金具の大型化をさせることを必要としない。その結果、屋根上設置物の取付金具の製作コスト低減を実現している。
A 取付金具
1 第1ピース
11 側面
111 締付具挿通孔
12 載置部
121 取付具挿通孔
122 折下面
122a 導通突起
123 孔
13 補強面
131 端縁
14 挟持部
15 屋根面当接部
2 第2ピース
21 側面
211 締付具挿通孔
22 上面部
221 取付具挿通孔
23 補強面
231 端縁
24 挟持部
25 屋根面当接部
26 載置部当接部
27 取付位置決め部
3 締付具
31 ボルト
32 ナット
4 取付具
41 ボルト
42 ナット
43 押え金具
T 止め具
Y 縦葺き屋根材
Y1 突条部(ハゼ部)
S 屋根上設置物
S´ 太陽光発電パネル

Claims (2)

  1. 縦葺き屋根材の突条部を挟持部で挟持する第1ピース及び第2ピースと、
    該第1ピース及び第2ピースを連結させる締付具と、
    取付具を有しており、
    前記第1ピースは、
    締付具挿通孔が形成された側面と、
    取付具挿通孔が形成された載置部を有しており、
    前記第2ピースは、
    締付具挿通孔が形成された側面と、
    取付具挿通孔が形成された上面部を有しており、
    該上面部に前記載置部が重ねられ、
    取付具を取付具挿通孔に挿通して載置部上に突出させた
    屋根上設置物の取付金具であって、
    前記第1ピース及び第2ピースは、
    載置部の下面側となる位置に、
    載置部に略直角な向きの補強面を有しており、
    第1ピースの補強面と第2ピースの補強面とは、
    互いに略直角な向きに形成されており、
    取付具が上面部方向に引き上げられたときに、
    第2ピースの補強面の端縁が、
    第1ピースの補強面の端縁に当接される
    屋根上設置物の取付金具。
  2. 第1ピースには、
    載置部に孔が形成されており、
    第2ピースには、
    前記孔から載置部上に突出される箇所が形成されている
    請求項1の屋根上設置物の取付金具。
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