JP2016072418A - 色素増感型光電変換素子 - Google Patents

色素増感型光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐久性を有する色素増感型光電変換素子を提供すること。【解決手段】少なくとも1つの色素増感型光電変換セルを有し、色素増感型光電変換セルが、透明基板および透明基板の上に設けられる透明導電層を有する導電性基板と、導電性基板に対向し、金属基板を含む対向基板と、導電性基板又は対向基板上に設けられる酸化物半導体層と、導電性基板及び対向基板の間に設けられる環状の封止部と、少なくとも1本の配線材の一端と金属基板とを接続する第1接続部と、配線材の他端に接続される被接続部とを備えており、第1接続部が、第1導電粒子と、無機フィラーと、バインダ樹脂とを含み、配線材が、第2導電粒子と、バインダ樹脂とを含み、第1導電粒子及び第2導電粒子が共通の元素を含み、第1接続部において、第1導電粒子の平均粒径が無機フィラーの平均粒径よりも大きく、第1接続部中の無機フィラーの含有率が、配線材中の無機フィラーの含有率よりも大きい、色素増感型光電変換素子。【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型光電変換素子に関する。
光電変換素子として、安価で、高い光電変換効率が得られることから色素増感型光電変換素子が注目されており、色素増感型光電変換素子に関して種々の開発が行われている。
色素増感型光電変換素子は一般に、少なくとも1つの色素増感型光電変換セルを備えており、色素増感型光電変換セルは、導電性基板と、対極などの対向基板と、導電性基板と対向基板とを連結する環状の封止部とを備えている。そして、導電性基板は、透明基板と、その上に形成された透明導電層とを有し、導電性基板と対向基板との間には酸化物半導体層が設けられる。
このような色素増感型光電変換素子として、例えば下記特許文献1記載のものが知られている。下記特許文献1には、透明基板及び透明導電層を有する透明導電性基板上に設けられる複数の光電変換セルを、銀ペーストを硬化してなる導電材などの配線材で接続した色素増感太陽電池モジュールが開示されている。より具体的に述べると、特許文献1では、例えば配線材の一端が、隣り合う2つの光電変換素子のうちの一方の光電変換素子の対極の金属板に直接接続され、配線材の他端は、他方の光電変換素子の透明導電性基板上の接続端子に接続されることが開示されている。
特開2014−49358号公報
しかし、上記特許文献1に記載の色素増感太陽電池モジュールは、以下に示す課題を有していた。
すなわち、上記特許文献1に記載の色素増感太陽電池モジュールは、耐久性の点で改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐久性を有する色素増感型光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた。まず配線材は、種々の部材に接触しており、それらの部材が温度変化に伴って伸縮することにより配線材が大きく伸縮することがあることに気付いた。そして、このとき、配線材中に導電粒子以外に無機フィラーが多く含まれていると、温度変化に伴って配線材が伸縮する際に、その無機フィラーの周辺に空隙が形成され、その空隙を起点に配線材に亀裂が生じ、配線材が断線する場合があるのではないかと本発明者は考えた。一方、配線材中の無機フィラーの含有率が小さ過ぎると、配線材中の導電粒子と金属基板との間の密着性が低下し、配線材が温度変化に伴って伸縮する際、配線材が金属基板から剥離するのではないかと考えた。そこで、本発明者は、配線材と金属基板との間にこれらを接続する接続部を設け、その接続部中の無機フィラーの含有率を配線材中の無機フィラーの含有率よりも大きくするのがよいのではないかと考えた。しかし、実際には、このような接続部を設けるだけでは、色素増感太陽電池モジュールの耐久性の点で未だ改善の余地がある場合があった。そこで、本発明者はさらに鋭意研究を重ねた結果、接続部中の導電粒子の平均粒径と無機フィラーの平均粒径との関係が色素増感太陽電池モジュールの耐久性を改善する上で重要であることに気付いた。こうして、本発明者は本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも1つの色素増感型光電変換セルを有し、前記色素増感型光電変換セルが、透明基板および前記透明基板の上に設けられる透明導電層を有する導電性基板と、前記導電性基板に対向し、金属基板を含む対向基板と、前記導電性基板又は前記対向基板上に設けられる酸化物半導体層と、前記導電性基板及び前記対向基板の間に設けられる環状の封止部と、少なくとも1本の配線材の一端と前記金属基板とを接続する第1接続部と、前記配線材の他端に接続される被接続部とを備えており、前記第1接続部が、第1導電粒子と、無機フィラーと、バインダ樹脂とを含み、前記配線材が、第2導電粒子と、バインダ樹脂とを含み、前記第1導電粒子及び前記第2導電粒子が共通の元素を含み、前記第1接続部において、前記第1導電粒子の平均粒径が前記無機フィラーの平均粒径よりも大きく、前記第1接続部中の前記無機フィラーの含有率が、前記配線材中の無機フィラーの含有率よりも大きい、色素増感型光電変換素子である。
この色素増感型光電変換素子によれば、配線材が温度変化に伴って伸縮しても、配線材中の無機フィラーの含有率が第1接続部中の無機フィラーの含有率よりも小さいので、配線材において、無機フィラーの周辺に空隙がより形成されにくく、その空隙を起点に配線材に亀裂が生じて配線材が断線することを十分に抑制できる。一方、第1接続部においては、無機フィラーの含有率を多くすることができるので、第1接続部の第1導電粒子と金属基板との間の密着性を、配線材と金属基板との間の密着性よりも向上させることができ、金属基板からの第1接続部の剥離を十分に抑制できる。さらには第1接続部において、第1導電粒子の平均粒径を無機フィラーの平均粒径よりも大きくすることで、第1導電粒子と金属基板との接触面積を増加させることができるので、温度変化に伴って第1接続部に応力が加わっても、金属基板と第1接続部との間の導電性の低下を十分に抑制することができる。さらに第1導電粒子及び第2導電粒子が共通の元素を含むので、第1接続部と配線材の界面での接着力が向上し剥離しにくくなる。以上のことから、本発明の色素増感型光電変換素子によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感型光電変換素子において、前記無機フィラーが導電性材料であることが好ましい。
この場合、無機フィラーが導電性材料であるため、第1接続部と金属基板との間の抵抗をより小さくすることが可能となり、色素増感型光電変換素子の光電変換特性をより向上させることができる。
上記色素増感型光電変換素子においては、前記第1接続部の前記バインダ樹脂及び前記配線材の前記バインダ樹脂がポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種で構成されることが好ましい。
この場合、第1接続部のバインダ樹脂が上記樹脂以外の樹脂で構成される場合に比べて、第1接続部と金属基板との密着性をより高めることができ、金属基板からの第1接続部の剥離をより十分に抑制することができる。また、第1接続部及び配線材がいずれもポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種で構成されるため、第1接続部と配線材との密着性を高めることも可能となり、第1接続部からの配線材の剥離をもより十分に抑制することができる。従って、本発明の色素増感型光電変換素子は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感型光電変換素子においては、前記配線材中の無機フィラーの含有率が0質量%であることが好ましい。
この場合、配線材中の無機フィラーの含有率が0質量%より大きい場合に比べて、配線材が伸縮した際に、無機フィラーの周辺で空隙が形成され難くなり、配線材においてその空隙を起点とした亀裂の発生をより十分に抑制することができる。
上記色素増感型光電変換素子においては、前記金属基板が、不動態を形成し得る金属で構成されていることが好ましい。
この場合、金属基板が電解質によって腐食されにくくなるため、本発明の色素増感型光電変換素子は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感型光電変換素子は、前記封止部が樹脂を含む場合には、前記配線材が、前記封止部に接触しており、第1接続部は前記封止部と接触していないことが好ましい。
配線材の方が、第1接続部よりも無機フィラーの含有率が少ないため、伸縮しやすい。したがって、温度の変化により伸縮しやすい封止部に、配線材のみが接触し、第1接続部が接触しないことで、封止部の伸縮に配線材が追従でき断線をしにくい。したがって、伸縮しやすい封止部を用いても、配線材や第1接続部の断線を抑制することが可能となる。。
なお、本発明において、「平均粒径」とは、第1接続部又は配線材の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した際に測定される平均粒径を言う。ここで、SEMにより測定される平均粒径とは、SEMにより観察される第1接続部又は配線材の断面における第1導電粒子又は無機フィラーについて下記式に基づいて算出される粒径の平均値を言うものとする。
粒径=(S/π)1/2
(上記式中、Sは第1導電粒子又は無機フィラーの面積を示す)
本発明によれば、優れた耐久性を有する色素増感型光電変換素子が提供される。
本発明の色素増感型光電変換素子の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の第1実施形態の一部を示す平面図である。 図1の色素増感型光電変換素子における透明導電膜のパターンを示す平面図である。 図1の第1一体化封止部を示す平面図である。 図1の第2一体化封止部を示す平面図である。 図2のVI−VI線に沿った断面図である。 バックシートを固定するための連結部を形成した作用極を示す平面図である。 図2のVIII−VIII線に沿った部分断面図である。 図4の第1一体化封止部を形成するための第1一体化封止部形成体を示す平面図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の第2実施形態の一部を示す平面図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の第3実施形態の一部を示す平面図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の第4実施形態の一部を示す平面図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の第5実施形態の一部を示す平面図である。
以下、本発明の色素増感型光電変換素子の好適な実施形態について図1〜図8を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の色素増感型光電変換素子の好適な実施形態を示す断面図、図2は、本発明の色素増感型光電変換素子の好適な実施形態の一部を示す平面図、図3は、図1の色素増感型光電変換素子における透明導電膜のパターンを示す平面図、図4は、図1の第1一体化封止部を示す平面図、図5は、図1の第2一体化封止部を示す平面図、図6は、図2のVI−VI線に沿った断面図、図7は、バックシートを固定するための連結部を形成した作用極を示す平面図、図8は、図2のVIII−VIII線に沿った部分断面図である。
図1に示すように、色素増感型光電変換素子(以下、「モジュール」と呼ぶことがある)100は、複数(図1では4つ)の色素増感型光電変換セル(以下、「セル」と呼ぶことがある)50と、セル50のうち光入射面50aと反対側の面を覆うように設けられるバックシート80とを有している。図2に示すように、複数のセル50は配線材60Pによって直列に接続されている。以下、説明の便宜上、モジュール100における4つのセル50をセル50A〜50Dと呼ぶことがある。
図1に示すように、複数のセル50の各々は、導電性基板15を有する作用極10と、導電性基板15に対向する対極20と、導電性基板15及び対極20を接合させる環状の封止部30Aとを備えている。導電性基板15、対極20及び環状の封止部30Aによって形成されるセル空間には電解質40が充填されている。
対極20は、金属基板21と、金属基板21の作用極10側に設けられて触媒反応を促進する触媒層22とを備えている。また隣り合う2つのセル50において、対極20同士は互いに離間している。本実施形態では、対極20によって第2電極が構成されている。
図1および図2に示すように、作用極10は、導電性基板15と、導電性基板15上に設けられる少なくとも1つの酸化物半導体層13とを有している。導電性基板15は、透明基板11と、透明基板11の上に設けられる透明導電膜12と、透明基板11の上に設けられガラスフリットからなる絶縁材33と、透明導電膜12上に設けられる接続端子16とを有する。酸化物半導体層13は、環状の封止部30Aの内側に配置されている。また酸化物半導体層13には光増感色素が吸着している。
透明基板11は、セル50A〜50Dの共通の透明基板として使用されている。なお、本実施形態では、導電性基板15によって第1電極が構成されている。
図2および図3に示すように、透明導電膜12は、互いに絶縁された状態で設けられる透明導電膜12A〜12Fで構成されている。すなわち、透明導電膜12A〜12Fは互いに溝90を介在させて配置されている。ここで、透明導電膜12A〜12Dはそれぞれ複数のセル50A〜50Dの透明導電膜12を構成している。また透明導電膜12Eは、封止部30Aに沿って折れ曲がるようにして配置されている。透明導電膜12Fは、バックシート80の周縁部80aを固定するための環状の透明電極膜12である(図1参照)。
図3に示すように、透明導電膜12A〜12Dはいずれも、側縁部12bを有する四角形状の本体部12aと、本体部12aの側縁部12bから側方に突出する突出部12cとを有している。
図2に示すように、透明導電膜12A〜12Dのうち透明導電膜12Cの突出部12cは、セル50A〜50Dの配列方向Xに対して側方に張り出す張出し部12dと、張出し部12dから延びて、隣りのセル50Dの本体部12aに溝90を介して対向する対向部12eとを有している。
セル50Bにおいても、透明導電膜12Bの突出部12cは、張出し部12dと対向部12eとを有している。またセル50Aにおいても、透明導電膜12Aの突出部12cは、張出し部12dと対向部12eとを有している。
なお、セル50Dは、既にセル50Cと接続されており、他に接続されるべきセル50が存在しない。このため、セル50Dにおいて、透明導電膜12Dの突出部12cは対向部12eを有していない。すなわち透明導電膜12Dの突出部12cは張出し部12dのみで構成される。
但し、透明導電膜12Dは、モジュール100で発生した電流を外部に取り出すための第1電流取出し部12fと、第1電流取出し部12fと本体部12aとを接続し、透明導電膜12A〜12Cの側縁部12bに沿って延びる接続部12gとをさらに有している。第1電流取出し部12fは、セル50Aの周囲であって透明導電膜12Aに対して透明導電膜12Bと反対側に配置されている。
一方、透明導電膜12Eも、モジュール100で発生した電流を外部に取り出すための第2電流取出し部12hを有しており、第2電流取出し部12hは、セル50Aの周囲であって透明導電膜12Aに対して透明導電膜12Bと反対側に配置されている。そして、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hは、セル50Aの周囲において溝90B(90)を介して隣り合うように配置されている。ここで、溝90は、透明導電膜12の本体部12aの縁部に沿って形成される第1の溝90Aと、透明導電膜12のうち本体部12aを除く部分の縁部に沿って形成され、バックシート80の周縁部80aと交差する第2の溝90Bとで構成されている。
また、透明導電膜12A〜12Cの各突出部12cおよび透明導電膜12Eの上には、接続端子16が設けられている。各接続端子16は、配線材60Pと接続され、封止部30Aの外側で封止部30Aに沿って延びる配線材接続部16Aと、配線材接続部16Aから封止部30Aの外側で封止部30Aに沿って延びる配線材非接続部16Bとを有する。本実施形態では、透明導電膜12A〜12Cにおいては、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aは、突起部12cの対向部12e上に設けられており、接続される隣りのセル50の本体部12aに対向している。透明導電膜12Eにおいては、接続端子16のうちの配線材接続部16Aは、接続される隣りのセル50Aの本体部12aに対向している。そして、配線材非接続部16Bの幅は、配線材接続部16Aの幅より狭くなっている。ここで、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bの幅はそれぞれ一定となっている。なお、配線材接続部16Aの幅とは、配線材接続部16Aの延び方向に直交する方向の長さであって配線材接続部16Aの幅のうち最も狭い幅を意味し、配線材非接続部16Bの幅とは、配線材非接続部16Bの延び方向に直交する方向の長さであって配線材非接続部16Bの幅のうち最も狭い幅を意味するものとする。
一方、図2及び図8に示すように、セル50A〜50Dの各々の金属基板21上には導電性の第1接続部61が接続されている。また導電性基板15のうちの封止部30A側には4本の配線材60P(以下、それぞれ配線材60P1〜60P4と呼ぶことがある)が設けられている。そして、配線材60P1の一端はセル50Aの金属基板21上に接続された第1接続部61に接続され、配線材60P1の他端は、透明導電膜12E上の接続端子16の配線材接続部16Aに接続されている。同様に、配線材60P2の一端はセル50Bの金属基板21上に接続された第1接続部61に接続され、配線材60P2の他端は、透明導電膜12A上の接続端子16の配線材接続部16Aに接続されている。配線材60P3の一端はセル50Cの金属基板21上に接続された第1接続部61に接続され、配線材60P3の他端は、透明導電膜12B上の接続端子16の配線材接続部16Aに接続されている。配線材60P4の一端はセル50Dの金属基板21上に接続された第1接続部61に接続され、配線材60P4の他端は、透明導電膜12C上の接続端子16の配線材接続部16Aに接続されている。そして、本実施形態では、配線材60P1〜60P4の他端に接続された配線材接続部16Aが被接続部を構成している。また配線材60P1〜60P4はいずれも、樹脂を含む封止部30Aの上を通るように、即ち封止部30Aと接触するように設けられている。
ここで、第1接続部61は、封止部30Aには接触していない。また第1接続部61は、第1導電粒子と、無機フィラーと、バインダ樹脂とを含み、配線材61は、第2導電粒子と、バインダ樹脂とを含んでおり、第1導電粒子及び第2導電粒子は共通の元素を含んでいる。また第1接続部61においては、第1導電粒子の平均粒径が無機フィラーの平均粒径よりも大きくなっており、第1接続部61中の無機フィラーの含有率は配線材60P中の無機フィラーの含有率よりも大きくなっている。
また第1電流取出し部12f、第2電流取出し部12h上にはそれぞれ、外部接続端子18a,18bが設けられている。
図1に示すように、封止部30Aは、樹脂を含んでおり、導電性基板15と対極20との間に設けられる環状の第1封止部31Aと、第1封止部31Aと重なるように設けられ、第1封止部31Aと共に対極20の縁部20aを挟持する第2封止部32Aとを有している。そして、図4に示すように、隣り合う第1封止部31A同士は一体化されて第1一体化封止部31を構成している。別言すると、第1一体化封止部31は、隣り合う2つの対極20の間に設けられていない環状の部分(以下、「環状部」と呼ぶ)31aと、隣り合う2つの対極20の間に設けられており、環状の部分31aの内側開口31cを仕切る部分(以下、「仕切部」と呼ぶ)31bとで構成されている。また図5に示すように、第2封止部32A同士は、隣り合う対極20の間で一体化され、第2一体化封止部32を構成している。第2一体化封止部32は、隣り合う2つの対極20の間に設けられていない環状の部分(以下、「環状部」と呼ぶ)32aと、隣り合う2つの対極20の間に設けられており、環状の部分32aの内側開口32cを仕切る部分(以下、「仕切部」と呼ぶ)32bとで構成されている。
また図1に示すように、第1封止部31Aと溝90との間には、隣り合う透明導電膜12A〜12F同士間の溝90に入り込み且つ隣り合う透明導電膜12にまたがるようにガラスフリットからなる絶縁材33が設けられている。詳しく述べると、絶縁材33は、溝90のうち透明導電膜12の本体部12aの縁部に沿って形成される第1の溝90Aに入り込むとともに、第1の溝90Aを形成している本体部12aの縁部をも覆っている。
図6に示すように、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなっている。さらに、第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となっている。
また、第2一体化封止部32は、対極20のうち作用極10と反対側に設けられる本体部32dと、隣り合う対極20同士の間に設けられる接着部32eとを有している。第2一体化封止部32は、接着部32eによって第1一体化封止部31に接着されている。
図1に示すように、導電性基板15の上にはバックシート80が設けられている。バックシート80は、耐候性層と、金属層とを含む積層体80Aと、積層体80Aに対し金属層と反対側に設けられ、連結部14を介して導電性基板15と接着する接着部80Bとを含む。ここで、接着部80Bは、バックシート80を導電性基板15に接着させるためのものであり、図1に示すように、積層体80Aの周縁部に形成されていればよい。但し、接着部80Bは、積層体80Aのうちセル50側の面全体に設けられていてもよい。バックシート80の周縁部80aは、接着部80Bによって、連結部14を介して透明導電膜12のうち透明導電膜12D,12E,12Fと接続されている。ここで、接着部80Bはセル50の封止部30Aと離間している。また連結部14も封止部30Aと離間している。なお、バックシート80より内側で且つ封止部30Aの外側の空間に電解質40は充填されていない。
また透明導電膜12Dにおいては、本体部12a、接続部12gおよび電流取出し部12fを通るように、透明導電膜12Dよりも低い抵抗を有する集電配線17が延びている。この集電配線17は、バックシート80と導電性基板15との連結部14と交差しないように配置されている。別言すると、集電配線17は、連結部14よりも内側に配置されている。
なお、図2に示すように、各セル50A〜50Dにはそれぞれ、バイパスダイオード70A〜70Dが並列に接続されている。具体的には、バイパスダイオード70Aは、セル50Aとセル50Bとの間の第2一体化封止部32の仕切部32b上に固定され、バイパスダイオード70Bは、セル50Bとセル50Cとの間の第2一体化封止部32の仕切部32b上に固定され、バイパスダイオード70Cは、セル50Cとセル50Dとの間の第2一体化封止部32の仕切部32b上に固定されている。バイパスダイオード70Dは、セル50Dの封止部30A上に固定されている。そして、バイパスダイオード70A〜70Dと第1接続部61とを接続するように対極20の金属基板21に配線材60Qが固定されている。さらにバイパスダイオード70Dは、配線材60Rを介して透明導電膜12Dに接続されている。
また、図1に示すように、各セル50の対極20上には、乾燥剤95が設けられている。
上記モジュール100によれば、配線材60Pが温度変化に伴って伸縮しても、配線材60P中の無機フィラーの含有率が第1接続部61中の無機フィラーの含有率よりも小さいので、配線材60Pにおいて、無機フィラーの周辺に空隙が形成されにくく、その空隙を起点に配線材60Pに亀裂が生じ、配線材60Pが断線することを十分に抑制できる。一方、第1接続部61においては、無機フィラーの含有率を多くすることができるので、第1接続部61の第1導電粒子と金属基板21との間の密着性を、配線材60Pと金属基板21との間の密着性よりも向上させることができ、金属基板21からの第1接続部61の剥離を十分に抑制できる。さらには第1接続部61において、第1導電粒子の平均粒径を無機フィラーの平均粒径よりも大きくすることで、第1導電粒子と金属基板21との接触面積を増加させることができるので、温度変化に伴って第1接続部61に応力が加わっても、金属基板21からの第1接続部61の剥離を十分に抑制することができる。さらに第1導電粒子及び第2導電粒子が共通の元素を含むので、第1接続部61と配線材60Pの界面での接着力が向上し剥離しにくくなる。以上のことから、モジュール100によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
またモジュール100において、封止部30Aが樹脂を含み、配線材60Pが、封止部30Aに接触しており、第1接続部61は封止部30Aと接触していない。このため、配線材60Pの方が、第1接続部61よりも無機フィラーの含有率が少ないため、伸縮しやすい。したがって、温度の変化により伸縮しやすい封止部30Aに、配線材60Pのみが接触し、第1接続部61が接触しないことで、封止部30Aの伸縮に配線材60Pが追従でき断線をしにくい。したがって、伸縮しやすい封止部30Aを用いても、配線材60Pや第1接続部61の断線を抑制することが可能となる。
さらにモジュール100では、透明導電膜12の縁部に沿って溝90が形成され、この溝90が、環状の封止部30Aの内側に配置される透明導電膜12の本体部12aの縁部に沿って形成される第1の溝90Aを有する。そして、その第1の溝90Aに、ガラスフリットからなる絶縁材33が入り込むとともに、この絶縁材33が、第1の溝90Aを形成している本体部12aの縁部をも覆っている。このため、透明基板11の内部であって溝90の下方の位置に溝90に沿ってクラックが形成され、そのクラックが本体部12aの縁部にまでつながっていたとしても、そのクラックを経た封止部30Aの外部からの水分の侵入が絶縁材33によって十分に抑制される。特に、モジュール100では、第1の溝90Aを形成する本体部12aの縁部を覆い、第1の溝90Aに入り込む絶縁材33がガラスフリットからなるため、絶縁材33が樹脂である場合に比べて高い封止性能を有する。このため、モジュール100によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
またモジュール100では、封止部30Aと絶縁材33とが重なるように配置されている。このため、絶縁材33が封止部30Aと重ならないように配置されている場合に比べて、モジュール100の受光面側から見た、発電に寄与する部分の面積をより増加させることができる。このため、開口率をより向上させることができる。
またモジュール100では、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hは、セル50Aの周囲であって透明導電膜12Aに対し透明導電膜12Bと反対側に配置され、透明導電膜12Aの第1電流取出し部12fおよび透明導電膜12Fの第2電流取出し部12hは互いに溝90を介して隣り合うように配置されている。このため、モジュール100においては、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hのそれぞれに外部接続端子18a,18bを隣り合うように配置することが可能となる。従って、外部接続端子18a,18bから電流を外部に取り出すためのコネクタの数を1つとすることが可能となる。すなわち、仮に、第1電流取出し部12fが透明導電膜12Dに対し透明導電膜12Cと反対側に配置されている場合、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hが互いに大きく離れて配置されるため、外部接続端子18a,18bも大きく離れて配置されることになる。この場合、モジュール100から電流を取り出すには、外部接続端子18aに接続するコネクタと、外部接続端子18bに接続するコネクタの2つのコネクタが必要になる。しかし、モジュール100によれば、外部接続端子18a,18bを隣り合うように配置することが可能となるため、コネクタは1つで済む。このため、モジュール100によれば、省スペース化を図ることができる。また、モジュール100は、低照度下で使用されると、発電電流が小さい。具体的には、発電電流は2mA以下である。このため、セル50A〜50Dの両端のセル50A,50Dのうち一端側のセル50Dの透明導電膜12Dの一部を、他端側のセル50Aの対極20の金属基板21に電気的に接続された第2電流取出し部12hの隣りに溝90を介して第1電流取出し部12fとして配置しても、モジュール100の光電変換性能の低下を十分に抑制することができる。
また、モジュール100では、セル50A〜50DがX方向に沿って一列に配列されており、セル50A〜50Dの両端のセル50A,50Dのうち一端側のセル50Dの透明導電膜12Dが、封止部30Aの内側に設けられる本体部12aと、第1電流取出し部12fと、本体部12aと第1電流取出し部12fとを接続する接続部12gとを有する。このため、セル50A〜50Dの一部であるセル50C、50Dを途中で折り返し、セル50Aとセル50Dとをそれらが互いに隣り合うように配置する場合に比べて、隣り合う2つのセル50同士を接続するためにセル50A〜50Dの配列方向(図2のX方向)に沿って設けられる接続端子16の設置領域をより短くすることが可能となり、より省スペース化を図ることが可能となる。また、モジュール100によれば、当該モジュール100が低照度環境下で使用される場合、通常、発電電流が小さいため、モジュール100が、本体部12aと第1電流取出し部12fとを接続する第1接続部12gをさらに有していても、光電変換特性の低下を十分に抑制することができる。
さらに、モジュール100では、集電配線17が、バックシート80と導電性基板15との連結部14と交差しないように配置されている。集電配線17は一般に、多孔質であるため通気性を有しており、水蒸気等のガスが透過可能となっているところ、集電配線17が、バックシート80と導電性基板15との連結部14と交差しないように配置されていると、集電配線17を通してバックシート80と導電性基板15との間の空間に外部から水蒸気等が侵入することを防止することができる。その結果、モジュール100は優れた耐久性を有することが可能となる。また集電配線17は、透明導電膜12Dよりも低い抵抗を有するため、発電電流が大きくなっても、光電変換特性の低下を十分に抑制することができる。
さらに、モジュール100が温度変化の大きい環境下に置かれた場合、接続端子16の幅が狭いほど、接続端子16は、透明導電膜12の突出部12cから剥離しにくくなる。その点、モジュール100では、接続端子16のうち配線材非接続部16Bが、配線材60Pと接続される配線材接続部16Aより狭い幅を有する。このため、接続端子16のうち配線材非接続部16Bは、透明導電膜12の突出部12cから剥離しにくくなる。従って、仮に配線材接続部16Aが透明導電膜12の突出部12cから剥離しても、配線材非接続部16Bは透明導電膜12から剥離せず透明導電膜12に対する接続を維持することが可能となる。また配線材接続部16Aが透明導電膜12の突出部12cから剥離しても、モジュール100は正常に動作することが可能である。従って、モジュール100によれば、接続信頼性を向上させることが可能となる。また、隣り合う2つのセル50のうち一方のセル50における対極20の金属基板21に接続された配線材60Pは、他方のセル50における突出部12c上の配線材接続部16Aと接続され、配線材接続部16Aは、突出部12c上で封止部30Aの外側に設けられている。すなわち、隣り合う2つのセル50同士の接続が封止部30Aの外側で行われる。このため、モジュール100によれば、開口率を向上させることが可能となる。
またモジュール100では、セル50A〜50Dのうち隣りのセル50と接続されるセル50において、突出部12cが、本体部12aから側方に張り出す張出し部12dと、張出し部12dから延びて、隣りのセル50の本体部12aに対向する対向部12eとを有し、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aが対向部12e上に設けられている。
この場合、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aが、隣りのセル50の本体部12aに対向する対向部12e上に設けられているため、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aが、隣りのセル50の本体部12aに対向する対向部12e上に設けられていない場合と異なり、配線材接続部16Aに接続される配線材60Pが、隣りのセル50の対極20の金属基板21を横切ることを十分に防止することが可能となる。その結果、隣り合うセル50同士間の短絡を十分に防止することが可能となる。
またモジュール100では、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bはいずれも封止部30Aに沿って配置されている。このため、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bを封止部30Aから遠ざかる方向に沿って配置する場合に比べて、接続端子16のために要するスペースを省くことができる。
さらにモジュール100では、バックシート80の接着部80Bは、セル50の封止部30Aと離間している。このため、接着部80Bが、低温時において収縮することにより封止部30Aを引っ張って、封止部30Aと導電性基板15又は対極20との界面に過大な応力が加わることが十分に抑制される。また、高温時においても、接着部80Bが、膨張することにより封止部30Aを押して、封止部30Aと導電性基板15又は対極20との界面に過大な応力を加えることが十分に抑制される。すなわち、高温時でも低温時でも、封止部30Aと導電性基板15又は対極20との界面に過大な応力が加わることが十分に抑制される。このため、モジュール100は、優れた耐久性を有することが可能となる。
さらに、モジュール100では、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなっている。このため、モジュール100における開口率をより十分に向上させることができる。またモジュール100では、隣り合う第1封止部31A同士、及び、隣り合う第2封止部32A同士が、隣り合う対極20の間で一体化されている。ここで、隣り合う第1封止部31A同士が一体化されなければ、隣り合うセル50の間においては、大気に対して露出される封止部が2箇所となる。これに対し、モジュール100においては、隣り合う第1封止部31A同士が一体化されているため、隣り合うセル50の間において、大気に対して露出される封止部が1箇所となる。すなわち、第1一体化封止部31は、環状部31aと、仕切部31bとで構成されているため、隣り合うセル50の間において、大気に対して露出される封止部が仕切部31bの1箇所のみとなる。また第1封止部31A同士が一体化されることで、大気から電解質40までの水分等の侵入距離が延びる。このため、隣り合うセル50間において、セル50の外部から侵入する水分や空気の量を十分に低減することができる。すなわち、モジュール100の封止性能を十分に向上させることができる。またモジュール100によれば、隣り合う第1封止部31A同士が一体化されている。このため、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pが、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くても、その仕切部31bにおいて十分な封止幅を確保することが可能となる。すなわち、モジュール100によれば、開口率を向上させながら、第1封止部31Aと導電性基板15との接着強度、及び、第1封止部31Aと対極20との接着強度を十分に大きくすることが可能となる。その結果、開口率を向上させることができると共に、モジュール100が高温下で使用される場合に電解質40が膨張して第1封止部31Aの内側から外側に向かう過大な応力が加えられても、導電性基板15及び対極20からの第1封止部31Aの剥離を十分に抑制することができ、優れた耐久性を有することが可能となる。
さらに、モジュール100では、対極20と第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となっている。この場合、第1一体化封止部31の仕切部31bにおいて、仕切部31bの幅が環状部31aの幅Tの100%以上であるため、第1一体化封止部31の仕切部31bにおいて、仕切部31bの幅Rが環状部31aの幅Tの100%未満である場合と比べて、大気から電解質40までの水分等の侵入距離がより延びることになる。このため、隣り合うセル50間にある仕切部31bを通して外部から水分が侵入することをより十分に抑制することができる。一方、仕切部31bの幅Rが環状部31aの幅Tの200%を超える場合と比べて、開口率をより向上させることができる。
またモジュール100においては、第2封止部32Aが、第1封止部31Aと接着されており、対極20の縁部20aが第1封止部31Aと第2封止部32Aとによって挟持されている。このため、対極20に対して作用極10から離れる方向の応力が作用しても、その剥離が第2封止部32Aによって十分に抑制される。また、第2一体化封止部32の仕切部32bは、隣り合う対極20同士間の隙間Sを通って第1封止部31Aに接着されているため、隣り合うセル50の対極20同士が接触することが確実に防止される。
次に、作用極10、連結部14、光増感色素、対極20、封止部30A、電解質40、第1接続部61、配線材60P,60Q、バックシート80および乾燥剤95について詳細に説明する。
(作用極)
透明基板11を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、および、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。透明基板11の厚さは、モジュール100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50〜10000μmの範囲にすればよい。
透明導電膜12に含まれる材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素添加酸化スズ(Fluorine−doped−Tin−Oxide:FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電膜12は、単層でも、異なる導電性金属酸化物を含む複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜12が単層で構成される場合、透明導電膜12は、高い耐熱性及び耐薬品性を有することから、FTOを含むことが好ましい。透明導電膜12は、ガラスフリットをさらに含んでもよい。透明導電膜12の厚さは例えば0.01〜2μmの範囲にすればよい。
また透明導電膜12のうち透明導電膜12Dの接続部12gの抵抗値は、特に制限されるものではないが、下記式(1)で表される抵抗値以下であることが好ましい。
抵抗値=直列接続されるセル50の数×120Ω (1)
この場合、接続部12gの抵抗値が、上記式(1)で表される抵抗値を超える場合と比べて、モジュール100の性能低下を十分に抑制することができる。本実施形態では、セル50の数は4であるから、上記式(1)で表わされる抵抗値は480Ωとなるので、接続部12gの抵抗値は480Ω以下であることが好ましい。
絶縁材33は本実施形態ではガラスフリットからなる。絶縁材33の厚さは通常、10〜30μmであり、好ましくは15〜25μmである。絶縁材33が透明導電層12の縁部を覆う幅は、0.2mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。透明導電層12の縁部を覆う幅を0.2mm以上とすることで、隣接するDSC50の透明導電層12の間の絶縁性を十分に確保することができる。但し、絶縁材33が透明導電層12の縁部を覆う幅は、5mm以下であることが好ましい。
接続端子16は、金属材料を含む。金属材料としては、例えば銀、銅およびインジウムなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いてもよい。
また接続端子16の金属材料は、配線材60Pと同一の金属材料で構成されていても異なる金属材料で構成されていてもよいが、同一の金属材料で構成されていることが好ましい。
この場合、接続端子16および配線材60Pが同一の金属材料で構成されているため、接続端子16と配線材60Pとの密着性をより十分に向上させることができる。このため、モジュール100における接続信頼性をより向上させることが可能となる。
接続端子16においては、配線材非接続部16Bの幅は、配線材接続部16Aの幅より狭ければ特に制限されないが、配線材接続部16Aの幅の1/2以下であることが好ましい。
この場合、配線材非接続部16Bの幅が配線材接続部16Aの幅の1/2を超える場合に比べて、モジュール100における接続信頼性をより向上させることが可能となる。
配線材接続部16Aの幅は特に制限されないが、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは0.8〜2mmである。
酸化物半導体層13は通常、酸化チタン(TiO)を含む。
なお、酸化物半導体層13は、酸化チタン以外の酸化物半導体粒子で構成されてもよい。このような酸化物半導体粒子としては、例えば酸化シリコン(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO)、酸化ニオブ(Nb)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)及び酸化アルミニウム(Al)が挙げられる。
酸化物半導体層13は通常、光を吸収するための吸収層で構成されるが、吸収層と吸収層を透過した光を反射して吸収層に戻す反射層とで構成されてもよい。
酸化物半導体層13の厚さは通常は、0.5〜50μmとすればよいが、18〜35μmとすることが好ましい。この場合、厚さが18μm未満である場合に比べて、酸化物半導体層13からの反射光又は散乱光により、DSCモジュール100を導電性基板15側から見た場合に、酸化物半導体層13の周囲が明るく見えることを十分に抑制することができる。一方、厚さが18〜35μmであると、厚さが35μmを超える場合に比べて、透明導電層12からの酸化物半導体層13の剥離や、酸化物半導体層13におけるひび割れの発生をより十分に抑制できる。
(連結部)
連結部14を構成する材料は、バックシート80と透明導電膜12とを接着させることができるものであれば特に制限されず、連結部14を構成する材料としては、例えばガラスフリット、封止部31Aに用いられる樹脂材料と同様の樹脂材料などを用いることができる。中でも、連結部14は、ガラスフリットであることが好ましい。ガラスフリットは樹脂材料に比べて高い封止性能を有するため、バックシート80の外側からの水分等の侵入を効果的に抑制することができる。
(光増感色素)
光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
(対極)
対極20は、上述したように、金属基板21と、金属基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備える。
金属基板21は、金属で構成されればよいが、この金属は、不動態を形成し得る金属であることが好ましい。この場合、金属基板21が電解質40によって腐食されにくくなるため、モジュール100は、より優れた耐久性を有することが可能となる。不動態を形成し得る金属としては、例えばチタン、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ステンレス又はこれらの合金等が挙げられる。金属基板21の厚さは、モジュール100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005〜0.1mmとすればよい。
触媒層22は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。ここで、炭素系材料としては、カーボンブラックやカーボンナノチューブが好適に用いられる。
(封止部)
封止部30Aは、第1封止部31Aと、第2封止部32Aとで構成される。
第1封止部31Aを構成する材料としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を含む変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
第1封止部31Aの厚さは通常、40〜90μmであり、好ましくは60〜80μmである。
対極20と仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qの25%以上100%未満であることが好ましい。この場合、接着部の幅Pが、接着部の幅Qの25%未満である場合と比べて、より優れた耐久性を有することが可能となる。接着部の幅Pは、接着部の幅Qの30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。
モジュール100においては、第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満であることが好ましく、120〜180%であることがより好ましい。
この場合、大きな開口率と優れた耐久性とをバランスさせることができる。
第2封止部32Aを構成する材料としては、第1封止部31Aと同様、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を含む変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。第2封止部32Aを構成する材料は、第1封止部31Aを構成する材料と同一であっても異なってもよい。第2封止部32Aを構成する材料が、第1封止部31Aを構成する材料と同一である場合、第2封止部32Aと第1封止部31Aとの界面がなくなるため、外部からの水分の侵入や電解質40の漏洩を効果的に抑制することができる。第2一体化封止部32の形成のための封止用樹脂フィルムの構成材料が、第1一体化封止部31の形成のための封止用樹脂フィルムの構成材料と異なる場合、例えば第1一体化封止部31の形成のための封止用樹脂フィルムの構成材料よりも高い融点を有する場合は、第2封止部32Aは、第1封止部31Aよりも硬くなるため、隣り合うセル50の対極20同士の接触を効果的に防止することができる。また第1封止部31Aは第2封止部32Aよりも軟らかくなるため、封止部30Aに加わる応力を効果的に緩和することができる。
第2封止部32Aの厚さは通常、20〜45μmであり、好ましくは30〜40μmである。
(電解質)
電解質40は、例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、バレロニトリル、ピバロニトリル、グルタロニトリル、メタクリロニトリル、イソブチロニトリル、フェニルアセトニトリル、アクリロニトリル、スクシノニトリル、オキサロニトリル、ペンタニトリル、アジポニトリルなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオン、亜鉛錯体、鉄錯体、コバルト錯体などの酸化還元対が挙げられる。
また電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体を用いてもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、エチルメチルイミダゾリウムヨーダイド、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨーダイド、ブチルメチルイミダゾリウムヨーダイド、又は、メチルプロピルイミダゾリウムヨーダイドが好適に用いられる。
また、電解質40は、上記有機溶媒に代えて、上記イオン液体と上記有機溶媒との混合物を用いてもよい。
また電解質40には添加剤を加えることができる。添加剤としては、LiI、I、4−t−ブチルピリジン、グアニジウムチオシアネート、1−メチルベンゾイミダゾール、1−ブチルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
さらに電解質40としては、上記電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化した電解質を用いてもよい。
なお、電解質40は、I/I からなる酸化還元対を含み、I の濃度が0.006mol/リットル以下であることが好ましく、0〜6×10−6mol/リットルであることがより好ましく、0〜6×10−8mol/リットルであることがさらに好ましい。この場合、電子を運ぶI の濃度が低いため、漏れ電流をより減少させることができる。このため、開放電圧をより増加させることができるため、光電変換特性をより向上させることができる。
(第1接続部)
第1接続部61は、少なくとも第1導電粒子と、無機フィラーと、バインダ樹脂とを含む。第1導電粒子は導電性を有する粒子であればいかなるものでもよいが、通常は金属粒子である。金属粒子を構成する金属としては、例えば銀、銅又はこれらの金属と他の金属との合金が挙げられる。他の金属としては、例えば金、ニッケルなどが挙げられる。
第1導電粒子の平均粒径D1は、無機フィラーの平均粒径D2よりも大きければ特に制限されるものではないが、10μm以下であることが好ましい。この場合、第1導電粒子の平均粒径D1が10μmを超える場合に比べて、第1接続部61と金属基板21との間の抵抗をより小さくすることができる。第1導電粒子の平均粒径D1は5μm以下であることがより好ましい。但し、第1導電粒子の平均粒径D1は0.02μm以上であることがより好ましい。
無機フィラーとしては、例えばカーボン、ITO粉末などの導電性材料や、ガラスフリットなどの無機絶縁材料などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることもできる。中でも、導電性材料が好ましい。この場合、無機フィラーが導電性材料であるため、第1接続部61と金属基板21との間の抵抗をより小さくすることが可能となり、モジュール100の光電変換特性をより向上させることができる。ここで、導電性材料は、第1導電性粒子を構成する導電性材料と同一でも異なってもよいが、金属基板21と第1接続部61との導電性や接着性を向上させるという理由から、異なることが好ましい。
第1接続部61中の第1導電粒子の含有率は特に制限されるものではないが、好ましくは60〜95質量%であり、より好ましくは70〜90質量%である。
無機フィラーは、粒子状であっても繊維状であってもよいが、粒子状の方が好ましい。この場合、第1接続部61が金属基板21に対しどの方向から接しても、角度依存性がなく、第1接続部61と金属基板21との間で同様の密着力と抵抗が得られる。
無機フィラーの平均粒径D2は、第1導電粒子の平均粒径D1よりも小さければ特に制限されるものではないが、2μm以下であることが好ましい。この場合、無機フィラーの平均粒径D2が2μmを超える場合に比べて、第1接続部61と金属基板21との間の抵抗をより小さくすることができる。特に、無機フィラーが導電性材料で構成され且つ金属基板21が不動態を形成し得る金属で構成されている場合には、無機フィラーの平均粒径D2は、1μm以下であることがより好ましい。この場合、無機フィラーが金属基板21の表面に形成された不動態膜を突き抜けることで、第1接続部61と金属基板21との間の抵抗を効果的に低下させることが可能となり、モジュール100の光電変換特性をより向上させることができる。ここで、導電性材料としては、カーボンが好ましい。この場合、第1接続部61と金属基板21との間の抵抗を特に効果的に小さくすることができる。但し、金属基板21と第1接続部61との接着性の観点から、無機フィラーの平均粒径D2は0.01μm以上であることがより好ましい。
第1接続部61中の無機フィラーの含有率R1は、配線材60P中の無機フィラーの含有率R2より大きければよく、特に制限されるものではないが、好ましくは0.1〜6質量%であり、より好ましくは0.5〜3質量%である。
バインダ樹脂は、特に制限されるものではないが、このようなバインダ樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
第1接続部61中のバインダ樹脂の含有率は、特に制限されるものではないが、好ましくは3〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
(配線材)
配線材60Pは、少なくとも第2導電粒子と、バインダ樹脂とを含む。第2導電粒子は、第1導電性粒子と共通の元素を有する粒子であればいかなるものでもよいが、通常は金属粒子である。金属粒子を構成する金属としては、第1導電性粒子と同様のものを用いることができる。
配線材60P中の第2導電粒子の含有率は特に制限されるものではないが、好ましくは50〜95質量%であり、より好ましくは60〜90質量%である。
バインダ樹脂は、特に制限されるものではなく、このようなバインダ樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。配線材60P中のバインダ樹脂は、第1接続部61中のバインダ樹脂と同一でも異なってもよい。
但し、第1接続部61中のバインダ樹脂として、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を用いる場合には、配線材60P中のバインダ樹脂として、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を用いることが好ましい。この場合、第1接続部61のバインダ樹脂が上記樹脂を含まない場合に比べて、第1接続部61と金属基板21との密着性をより高めることができ、金属基板21からの第1接続部61の剥離をより十分に抑制することができる。また、第1接続部61中のバインダ樹脂と配線材60P中のバインダ樹脂とが同一である場合には、第1接続部61と配線材60Pとの密着性を高めることも可能となり、第1接続部61からの配線材60Pの剥離をもより十分に抑制することができる。従って、モジュール100は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
配線材60P中のバインダ樹脂の含有率は、特に制限されるものではないが、好ましくは3〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
配線材60Pは、第1接続部61中の無機フィラーの含有率R1が配線材60P中の無機フィラーの含有率R2よりも大きくなる限り、無機フィラーを含んでいてもよいが、無機フィラーを含まないことが好ましい。すなわち、配線材60P中の無機フィラーの含有率R2は0質量%であることが好ましい。この場合、配線材60P中の無機フィラーの含有率R2が0質量%より大きい場合に比べて、配線材60Pが伸縮した際に、無機フィラーの周辺で空隙がより形成され難くなり、配線材60Pにおいてその空隙を起点とした亀裂の発生をより十分に抑制することができる。
配線材60Pが無機フィラーを含有する場合、無機フィラーとしては、第1接続部61中の無機フィラーと同様のものを用いることができる。また配線材60Pが無機フィラーを含有する場合、配線材60P中の無機フィラーの含有率R2は、3質量%以下であることが好ましい。この場合、配線材60P中の無機フィラーの含有率R2が上記範囲を外れる場合に比べて、配線材60Pが温度変化により伸縮しても、亀裂が生じ難くなり、より優れた耐久性を得ることができる。
配線材60P中の無機フィラーの含有率R2は、第1接続部61中の無機フィラーの含有率R1よりも小さければよい。すなわちR1−R2は0質量%よりも大きければよい。ここで、R1−R2は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。但し、R1−R2は6質量%以下であることが好ましい。この場合、R1−R2が6質量%を超える場合に比べて、R1−R2の差が小さく配線材60P及び第1接続部61の伸縮率も近くなり、配線材60Pと第1接続部61との界面で剥離が生じることを効果的抑制できる。
(バックシート)
バックシート80は、上述したように、耐候性層と、金属層とを含む積層体80Aと、積層体80Aのセル50側の面に設けられ、積層体80Aと連結部14とを接着する接着部80Bとを含む。
耐候性層は、例えばポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートで構成されていればよい。
耐候性層の厚さは、例えば50〜300μmであればよい。
金属層は、例えばアルミニウムを含む金属材料で構成されていればよい。金属材料は通常、アルミニウム単体で構成されるが、アルミニウムと他の金属との合金であってもよい。他の金属としては、例えば銅、マンガン、亜鉛、マグネシウム、鉛、及び、ビスマスが挙げられる。具体的には、98%以上の純アルミニウムにその他の金属が微量添加された1000系アルミニウムが望ましい。これは、この1000系アルミニウムが、他のアルミニウム合金と比較して、安価で、加工性に優れているためである。
金属層の厚さは特に制限されるものではないが、例えば12〜30μmであればよい。
積層体80Aは、さらに樹脂層を含んでいてもよい。樹脂層を構成する材料としては、例えばブチルゴム、ニトリルゴム、熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。樹脂層は、金属層のうち耐候性層と反対側の表面全体に形成されていてもよいし、周縁部にのみ形成されていてもよい。
接着部80Bを構成する材料としては、例えばブチルゴム、ニトリルゴム、熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。接着部80Bの厚さは特に制限されるものではないが、例えば300〜1000μmであればよい。
(乾燥剤)
乾燥剤95は、シート状であっても、粒状であってもよい。乾燥剤95は、例えば水分を吸収するものであればよく、乾燥剤95としては、例えばシリカゲル、アルミナ、ゼオライトなどが挙げられる。
次に、モジュール100の製造方法について図3、図7および図9を参照しながら説明する。図9は、図4の第1一体化封止部を形成するための第1一体化封止部形成体を示す平面図である。
まず1つの透明基板11の上に透明導電膜を形成してなる積層体を用意する。
透明導電膜の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法又はCVD法などが用いられる。
次に、図3に示すように、透明導電膜に対して溝90を形成し、互いに溝90を介在させて絶縁状態で配置される透明導電膜12A〜12Fを形成する。具体的には、セル50A〜50Dに対応する4つの透明導電膜12A〜12Dは、四角形状の本体部12a及び突出部12cを有するように形成する。このとき、セル50A〜50Cに対応する透明導電膜12A〜12Cについては、突出部12cが張出し部12dのみならず、張出し部12dから延びて、隣りのセル50の本体部12aに対向する対向部12eをも有するように形成する。また透明導電膜12Dについては、四角形状の本体部12a及び張出し部12dのみならず、第1電流取出し部12fと、第1電流取出し部12fと本体部12aとを接続する接続部12gとを有するように形成する。このとき、第1電流取出し部12fは、透明導電膜12Aに対し、透明導電膜12Bと反対側に配置されるように形成する。さらに、透明導電膜12Eは、第2電流取出し部12hが形成されるように形成する。このとき、第2電流取出し部12hは、透明導電膜12Aに対し、透明導電膜12Bと反対側に配置され、且つ、第1電流取出し部12fの隣りに溝90を介して配置されるように形成する。
溝90は、例えばYAGレーザ又はCOレーザ等を光源として用いたレーザスクライブ法によって形成することができる。
こうして、透明基板11の上に透明導電膜12を形成する。
次に、透明導電膜12A〜12Cのうちの突出部12c上に、配線材接続部16Aと配線材非接続部16Bとで構成される接続端子16の前駆体を形成する。具体的には、接続端子16の前駆体は、配線材接続部16Aが対向部12e上に設けられるように形成する。また透明導電膜12Eにも接続端子16の前駆体を形成する。また配線材非接続部16Bの前駆体は、配線材接続部16Aの幅よりも狭くなるように形成する。接続端子16の前駆体は、例えば銀ペーストを塗布し乾燥させることで形成することができる。
さらに、透明導電膜12Dの接続部12gの上には集電配線17の前駆体を形成する。集電配線17の前駆体は、例えば銀ペーストを塗布し乾燥させることで形成することができる。
また、透明導電膜12Aの第1電流取出し部12f,第2電流取出し部12h上にはそれぞれ外部に電流を取り出すための外部接続用端子18a,18bの前駆体を形成する。外部接続用端子の前駆体は、例えば銀ペーストを塗布し乾燥させることで形成することができる。
さらに、本体部12aの縁部に沿って形成される第1の溝90Aに入り込み且つ本体部12aの縁部をも覆うように、ガラスフリットからなる絶縁材33の前駆体を形成する。絶縁材33は、例えばガラスフリットを含むペーストを塗布し乾燥させることによって形成することができる。
またバックシート80を固定するために、絶縁材33と同様にして、絶縁材33を囲むように且つ透明導電膜12D、透明導電膜12E、透明導電膜12Fを通るように環状の連結部14の前駆体を形成する。
さらに透明導電膜12A〜12Dの各々の本体部12aの上に酸化物半導体層13の前駆体を形成する。
酸化物半導体層13の前駆体は、酸化物半導体層13を形成するための酸化物半導体層用ペーストを印刷した後、乾燥することによって得られる。酸化物半導体層用ペーストは、酸化チタンのほか、ポリエチレングリコール、エチルセルロースなどの樹脂及び、テルピネオールなどの溶媒を含む。
酸化物半導体層用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、又はバーコート法などを用いることができる。
最後に、接続端子16の前駆体、絶縁材33の前駆体、連結部14の前駆体、酸化物半導体層13の前駆体を一括して焼成し、接続端子16、絶縁材33、連結部14、および酸化物半導体層13を形成する。
このとき、焼成温度は酸化物半導体粒子やガラスフリットの種類により異なるが、通常は350〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子やガラスフリットの種類により異なるが、通常は1〜5時間である。
こうして、図7に示すように、バックシート80を固定するための連結部14が形成され、導電性基板15を有する作用極10が得られる。
次に、作用極10の酸化物半導体層13に光増感色素を担持させる。このためには、作用極10を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な光増感色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を酸化物半導体層13に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させても、光増感色素を酸化物半導体層13に担持させることが可能である。
次に、酸化物半導体層13の上に電解質40を配置する。
次に、図9に示すように、第1一体化封止部31を形成するための第1一体化封止部形成体131を準備する。第1一体化封止部形成体131は、第1一体化封止部31を構成する材料からなる1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムにセル50の数に応じた四角形状の開口131aを形成することによって得ることができる。第1一体化封止部形成体131は、複数の第1封止部形成体131Aを一体化させてなる構造を有する。
そして、この第1一体化封止部形成体131を、導電性基板15の上に接着させる。このとき、第1一体化封止部形成体131は、絶縁材33と重なるように接着する。第1一体化封止部形成体131の導電性基板15の接着は、第1一体化封止部形成体131を加熱溶融させることによって行うことができる。また第1一体化封止部形成体131は、透明導電膜12の本体部12aが第1一体化封止部形成体131の内側に配置されるように導電性基板15に接着する。
一方、セル50の数と同数の対極20を用意する。
対極20は、金属基板21上に、対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22を形成することにより得ることができる。
次に、上述した第1一体化封止部形成体131をもう1つ用意する。そして、複数の対極20の各々を、第1一体化封止部形成体131の各開口131aを塞ぐように貼り合わせる。
次に、対極20に接着した第1一体化封止部形成体131と、作用極10に接着した第1一体化封止部形成体131とを重ね合わせ、第1一体化封止部形成体131を加圧しながら加熱溶融させる。こうして作用極10と対極20との間に第1一体化封止部31が形成される。このとき、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pが、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなるように第1一体化封止部31を形成する。また第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となるように第1一体化封止部31を形成する。第1一体化封止部31の形成は、大気圧下で行っても減圧下で行ってもよいが、減圧下で行うことが好ましい。
次に、第2一体化封止部32を準備する(図5参照)。第2一体化封止部32は、複数の第1封止部32Aを一体化させてなる構造を有する。第2一体化封止部32は、1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムにセル50の数に応じた四角形状の開口32cを形成することによって得ることができる。第2一体化封止部32は、第1一体化封止部31と共に対極20の縁部20aを挟むように対極20に貼り合わせる。第2一体化封止部32の対極20への接着は、第2一体化封止部32を加熱溶融させることによって行うことができる。
封止用樹脂フィルムとしては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を含む変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
次に、第2封止部32の仕切部32bにバイパスダイオード70A,70B,70Cを固定する。またセル50Dの封止部30A上にもバイパスダイオード70Dを固定する。
そして、セル50A〜50Dの各々の金属基板21上に導電性の第1接続部61を形成する。第1接続部61は、第1接続部61を構成する材料を含むペーストを用意し、このペーストを対極20の金属基板21上に塗布し、硬化させることによって得ることができる。
次に、セル50Aの金属基板21上の第1接続部61と透明導電膜12E上の接続端子16の配線材接続部16Aとを接続するように配線材60P1を形成する。具体的には、配線材60P1を構成する材料を含むペーストを用意し、このペーストを、第1接続部61と透明導電膜12E上の接続端子16の配線材接続部16Aとを結び且つ封止部30Aに接触するように塗布し、硬化させることにより、配線材60P1が得られる。
同様に、セル50Bの金属基板21上の第1接続部61と透明導電膜12A上の接続端子16の配線材接続部16Aとを接続するように配線材60P2を形成し、セル50Cの金属基板21上の第1接続部61と透明導電膜12B上の接続端子16の配線材接続部16Aとを接続するように配線材60P3を形成し、セル50Dの金属基板21上の第1接続部61と透明導電膜12C上の接続端子16の配線材接続部16Aとを接続するように配線材60P4を形成する。さらにバイパスダイオード70Dと透明導電膜12Dとを接続するように配線材60Rを形成する。
そして、バイパスダイオード70A〜70Dと第1接続部61とを接続するように対極20の金属基板21上に配線材60Qを形成する。
最後に、バックシート80を用意し、このバックシート80の周縁部80aを連結部14に接着させる。このとき、バックシート80の接着部80Bとセル50の封止部30Aとが離間するようにバックシート80を配置する。
以上のようにしてモジュール100が得られる。
なお、上述した説明では、接続端子16、絶縁材33、連結部14、および酸化物半導体層13を形成するために、接続端子16の前駆体、絶縁材33の前駆体、連結部14の前駆体、酸化物半導体層13の前駆体を一括して焼成する方法を用いているが、接続端子16、絶縁材33、連結部14、および酸化物半導体層13はそれぞれ別々に前駆体を焼成して形成してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、セル50A〜50Dが図2のX方向に沿って一列に配列されているが、図10に示すモジュール200のように、セル50A〜50Dの一部であるセル50C、50Dを途中で折り返し、セル50Aとセル50Dとをそれらが互いに隣り合うように配置してもよい。この場合、透明導電膜12Dは、モジュール100と異なり、本体部12aと第1電流取出し部12fとの間に接続部12gを設ける必要がない。このため、集電配線17も設ける必要がない。
また上記実施形態では、バックシート80と導電性基板15との連結部14と交差する第2の溝90Bが、ガラスフリットからなる絶縁材33で覆われていないが、図11に示すモジュール300のように、第2の溝90Bは、ガラスフリットからなる絶縁材33で覆われていることが好ましい。なお、図11において、バックシート80は省略してある。図11に示すように、第2の溝90Bが連結部14と交差していると、その第2の溝90Bを通じて水分がバックシート80と導電性基板15との間の空間に侵入することが可能となる。この場合、第2の溝90Bに絶縁材33が入り込み、絶縁材33が、透明導電膜12のうち本体部12aを除く部分の縁部をも覆っていることで、バックシート80の外側から内側への水分の侵入が十分に抑制される。このため、バックシート80と導電性基板15との間の空間に侵入した水分が封止部30Aを通じて封止部30Aの内側に入り込むことが十分に抑制される。このため、モジュール300の耐久性の低下を十分に抑制することが可能となる。
さらに上記実施形態では、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hが、セル50A側の周囲に配置されているが、図12に示すモジュール400に示すように、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hは、セル50D側の周囲に配置されていてもよい。この場合、第1電流取出し部12fは、透明導電膜12Dの本体部12aに対しセル50Cと反対側に封止部30Aの外側まで突出するように設けられる。一方、第2電流取出し部12hは、透明導電膜12Dの本体部12aに対しセル50Cと反対側に設けられる。また透明導電膜12A〜12Dに沿って被接続部としての接続部12iが延びており、この接続部12iが、第2電流取出し部12fとセル50Aの対極20の金属基板21とを接続している。具体的には、接続部12iの上に、接続部12iに沿って集電配線417が設けられ、この集電配線417と、バイパスダイオード70Aに接続された配線材60Qから延びる配線材60Pとが接続されている。このモジュール400によっても、優れた光電変換特性を有しながら省スペース化を図ることができる。なお、この場合に、接続部12iの抵抗値が、下記式(1)で表される抵抗値以下であることが好ましいのは、上記実施形態と同様である。
抵抗値=直列接続されるセル50の数×120Ω (1)
また上記実施形態では、導電性基板15が絶縁材33を有しているが、絶縁材33を有していなくてもよい。この場合、封止部30Aおよび第1一体化封止部31Aは、透明基板11、透明導電膜12又は接続端子16に接合されることになる。ここで、導電性基板15は接続端子16を有していなくてもよい。この場合、封止部30Aおよび第1一体化封止部31Aは、透明基板11又は透明導電膜12に接合されることになる。
また上記実施形態では、溝90が第2の溝90Bを有しているが、第2の溝90Bは必ずしも形成されていなくてもよい。
また上記実施形態では、接続端子16の配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bの幅が一定とされているが、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bの幅はそれぞれ、接続端子16の延び方向に沿って変化してもよい。例えば配線材非接続部16Bのうち配線材接続部16Aから最も遠い側の端部から最も近い側の端部に向かって幅が単調に増加し、配線材接続部16Aのうち配線材非接続部16B側の端部から導電部材非接続部16Bより最も遠い側の端部に向かって幅が単調に増加してもよい。
また上記実施形態では、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bはそれぞれ封止部30Aに沿って設けられているが、これらは、封止部30Aから遠ざかる方向に延びるように形成されていてもよい。但し、この場合、配線材接続部16Aが配線材非接続部16Bよりも封止部30Aに近い位置に配置されていることが好ましい。この場合、配線材60Pをより短くすることができる。
あるいは、透明導電膜12A〜12C上に形成される接続端子16においては、配線材非接続部16Bは、配線材接続部16Aに直交するように配置されてもよい。
また配線材接続部16A、配線材非接続部16Bの幅以下であってもよい。
また上記実施形態では、第2封止部32Aが第1封止部31Aに接着されているが、第2封止部32Aは第1封止部31Aに接着されていなくてもよい。
さらに上記実施形態では、封止部30Aが第1封止部31Aと第2封止部32Aとで構成されているが、第2封止部32Aは省略されてもよい。
また上記実施形態では、対極20と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなっているが、接着部の幅Pは、接着部の幅Q以上であってもよい。
さらに、上記実施形態では、第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となっているが、仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%未満であってもよく、200%以上であってもよい。
また上記実施形態では、バックシート80と透明導電膜12とが、ガラスフリットからなる連結部14を介して接着されているが、バックシート80と透明導電膜12とは、必ずしも連結部14を介して接着されている必要はない。
さらにまた上記実施形態では、連結部14と絶縁材33とが離間しているが、これらはいずれもガラスフリットで構成され、一体化されていることが好ましい。この場合、バックシート80と導電性基板15との間の空間において水分が侵入したとしても、連結部14と導電性基板15との間の界面、封止部30Aと導電性基板15との間の界面が存在しなくなる。また絶縁材33も連結部14もガラスフリットからなり、樹脂に比べ高い封止性能を有する。このため、連結部14と導電性基板15との間の界面や絶縁材33と導電性基板15との間の界面を通じた水分の侵入を十分に抑制することができる。
また上記実施形態では、絶縁材33はガラスフリットからなっているが、絶縁材33を構成する材料は、第1封止部30Aを構成する材料よりも高い融点を有するものであればよい。このため、このような材料としては、ガラスフリットのほか、例えばポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。この場合、封止部30Aが高温時に流動性を有するようになっても、絶縁材33は、ガラスフリットからなる場合と同様、熱可塑性樹脂からなる場合に比べて高温時でも流動化しにくい。このため、導電性基板15と対極20との接触が十分に抑制され、導電性基板15と対極20との間の短絡を十分に抑制できる。
また上記実施形態では、被接続部が配線材接続部16Aによって構成されているが、被接続部は配線材60Pの他端が接触する部分であればよく、例えば配線材60Pの他端が透明導電膜12と直接接触する場合には、透明導電膜12によって被接続部が構成されてもよい。
さらに上記実施形態では、複数のセル50が配線材60Pによって直列接続されているが、並列接続されていてもよい。この場合、配線材60Pの一端は隣り合う2つのセル50の一方のセル50の金属基板21に第1接続部61を介して接続され、配線材60Pの他端は他方のセル50の金属基板21に第1接続部61を介して接続されることになる。すなわち、第1接続部61が被接続部を兼ねることになる。
さらに上記実施形態では、第1接続部61が封止部30Aに接触していないが、第1接続部61は封止部30Aに接触していてもよい。
さらに上記実施形態では、複数のセル50が用いられているが、図13に示すモジュール500のように、本発明では、セルは1つのみ用いてもよい。なお、図13に示すモジュール500は、モジュール100においてセル50B〜セル50Dを省略し、第2電流取出部12h上に設けられた接続端子16と、セル50Aの対極20の金属基板21とが配線材60Pを介して電気的に接続されている。ここで、配線材60Pと金属基板21とが第1接続部61によって接続されていることは、上記実施形態と同様である。またモジュール500においては、接続端子16が配線材接続部16Aのみで構成され、この配線材接続部16Aは、封止部30Aと外部接続端子18bとの間に配置されている。すなわち、配線材接続部16Aは、セル50Aの透明導電層12Aのうちの本体部12aの側縁部12bに対向する位置に配置されていない。このため、第1実施形態のモジュール100において配線材接続部16Aが配置されていた部分のスペースまで酸化物半導体層13を拡大することが可能となる。この場合、無駄なスペースが有効利用されるとともに発電面積を拡大することができる。
さらに上記実施形態では、透明導電層12に溝90が形成され、絶縁材33が第1の溝90Aに入り込んでいるが、絶縁材33は必ずしも第1の溝90Aに入り込んでいる必要はなく、透明導電層12に溝90が形成されている必要もない。例えばモジュールが1つの色素増感型光電変換セルのみを有する場合、透明導電層12に溝90を形成する必要はない。この場合、絶縁材33は、第1の溝90Aに入り込まないことになる。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まずガラスからなる厚さ1mmの透明基板の上に、厚さ1μmのFTOからなる透明導電膜を形成してなる積層体を準備した。次に、図3に示すように、COレーザ(ユニバーサルシステム社製V−460)によって透明導電膜12に溝90を形成し、透明導電膜12A〜12Fを形成した。このとき、溝90の幅は1mmとした。また透明導電膜12A〜12Cはそれぞれ、4.6cm×2.0cmの四角形状の本体部と、本体部の片側側縁部から突出する突出部とを有するように形成した。また透明導電膜12Dは、4.6cm×2.1cmの四角形状の本体部と、本体部の片側側縁部から突出する突出部とを有するように形成した。また透明導電膜12A〜12Dのうち3つの透明導電膜12A〜12Cの突出部12cについては、本体部12aの片側縁部12bから張り出す張出し部12dと、張出し部12dから延びて、隣りの透明導電膜12の本体部12aに対向する対向部12eとで構成されるようにした。また透明導電膜12Dの突起部12cについては、本体部12aの片側縁部12bから張り出す張出し部12dのみで構成されるようにした。このとき、張出し部12dの張出し方向(図2のX方向に直交する方向)の長さは2.1mmとし、張出し部12dの幅は9.8mmとした。また対向部12eの幅は2.1mmとし、対向部12eの延び方向の長さは9.8mmとなるようにした。
また透明導電膜12Dについては、本体部12aおよび突出部12cのみならず、第1電流取出し部12fと、第1電流取出し部12fと本体部12aとを接続する接続部12gとを有するように形成した。透明導電膜12Eについては、第2電流取出し部12hを有するように形成した。このとき、接続部12gの幅は、1.3mmとし、長さは59mmとした。また接続部12gの抵抗値を四端子法にて測定したところ、100Ωであった。
次に、透明導電膜12A〜12Cのうちの突出部12c上に、配線材接続部16Aと配線材非接続部16Bとで構成される接続端子16の前駆体を形成した。具体的には、接続端子16の前駆体は、配線材接続部16Aの前駆体が対向部12e上に設けられるように、配線材非接続部16Bの前駆体が張出し部12d上に設けられるように形成した。このとき、配線材非接続部16Bの前駆体は、配線材接続部16Aの幅よりも狭くなるように形成した。接続端子16の前駆体は、スクリーン印刷により銀ペースト(福田金属箔粉工業社製「GL−6000X16」)を塗布し乾燥させることで形成した。
さらに、透明導電膜12Dの接続部12gの上に集電配線17の前駆体を形成した。集電配線17の前駆体は、スクリーン印刷により銀ペーストを塗布し乾燥させることで形成した。
また、透明導電膜12Aの第1電流取出し部12f,第2電流取出し部12h上にそれぞれ外部に電流を取り出すための外部接続用端子18a,18bの前駆体を形成した。外部接続用端子の前駆体は、スクリーン印刷により銀ペーストを塗布し乾燥させることで形成した。
さらに、ガラスフリットからなる絶縁材33の前駆体を、第1の溝90Aに入り込み且つ第1の溝90Aを形成している本体部12aの縁部を覆うように形成した。絶縁材33は、スクリーン印刷によりガラスフリットを含むペーストを塗布し乾燥させることによって形成した。このとき、絶縁材33で覆った透明導電膜の縁部は、溝90から0.2mmの部分とした。
またバックシート80を固定するために、絶縁材33と同様にして、絶縁材33を囲むように且つ透明導電膜12D、透明導電膜12E、透明導電膜12Fを通るようにガラスフリットからなる環状の連結部14の前駆体を形成した。またこのとき、連結部14の前駆体は、その内側に集電配線17の前駆体が配置されるように形成した。また連結部14は、その外側に、第1電流取出し部および第2電流取出し部が配置されるように形成した。連結部14は、スクリーン印刷によりガラスフリットを含むペーストを塗布し乾燥させることによって形成した。
さらに透明導電膜12A〜12Dの各々の本体部12aの上に、酸化物半導体層13の前駆体を形成した。このとき、酸化物半導体層13の前駆体は、アナターゼ結晶型酸化チタン(日揮触媒化成社製21NR)を含有する光吸収層形成用酸化チタンナノ粒子ペーストを、スクリーン印刷により正方形状に塗布し、150℃で10分間乾燥させることにより得た。
次に、接続端子16の前駆体、集電配線17の前駆体、外部接続用端子18a,18bの前駆体、絶縁材33の前駆体、連結部14の前駆体、絶縁材33の前駆体、酸化物半導体層13の前駆体を500℃で15分間焼成し、接続端子16、集電配線17、外部接続用端子18a,18b、連結部14、絶縁材33および酸化物半導体層13を形成した。こうして、連結部14が形成され、導電性基板15を有する作用極10を得た。このとき、接続端子16のうち配線材接続部の幅は1.0mmであり、配線材非接続部の幅は0.3mmであった。また配線材接続部の延び方向に沿った長さは7.0mmであり、配線材非接続部の延び方向に沿った長さは7.0mmであった。また集電配線17、外部接続用端子18a,18b、連結部14、および酸化物半導体層13の寸法はそれぞれ以下の通りであった。
集電配線17:厚さ4μm、幅200μm、図2のX方向に沿った長さ79mm、図2のX方向に直交する方向に沿った長さ21mm
外部接続用端子18a,18b:厚さ20μm、幅2mm、長さ7mm
連結部14:厚さ50μm、幅3mm
酸化物半導体層13:厚さ14μm、図2のX方向の長さ17mm、図2のX方向に直交する方向の長さ42.1mm
こうして作用極を得た。
次に、上記のようにして得られた作用極を、N719からなる光増感色素を0.2mM含み、溶媒を、アセトニトリルとtertブタノールとを1:1の体積比で混合してなる混合溶媒とした色素溶液中に一昼夜浸漬させた後、取り出して乾燥させ、酸化物半導体層に光増感色素を担持させた。
次に、酸化物半導体層の上に、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨーダイドおよび3−メトキシプロピオニトリルの混合物に、I、メチルベンゾイミダゾール、ブチルベンゾイミダゾール、グアニジウムチオシアネート及びt−ブチルピリジンを加えて得られる電解質をスクリーン印刷法によって塗布し乾燥させて電解質を配置した。
次に、第1封止部を形成するための第1一体化封止部形成体を準備した。第1一体化封止部形成体は、8.0cm×4.6cm×50μmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(商品名:バイネル、デュポン社製)からなる1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムに、4つの四角形状の開口を形成することによって得た。このとき、各開口が1.7cm×4.4cm×50μmの大きさとなるように、且つ、環状部の幅が2mm、環状部の内側開口を仕切る仕切部の幅が2.6mmとなるように第1一体化封止部形成体を作製した。
そして、この第1一体化封止部形成体を、作用極上の絶縁材33に重ね合わせた後、第1一体化封止部形成体を加熱溶融させることによって作用極上の絶縁材33に接着させた。
次に、4枚の対極を用意した。4枚の対極のうち2枚の対極は、4.6cm×1.9cm×40μmのチタン箔の上にスパッタリング法によって厚さ5nmの白金からなる触媒層を形成することによって用意した。4枚の対極のうち残りの2枚の対極は、4.6cm×2.0cm×40μmのチタン箔の上にスパッタリング法によって厚さ5nmの白金からなる触媒層を形成することによって用意した。また、上記第1一体化封止部形成体をもう1つ準備し、この第1一体化封止部形成体を、対極のうち作用極と対向する面に、上記と同様にして接着させた。
そして、作用極に接着させた第1一体化封止部形成体と、対極に接着させた第1一体化封止部形成体とを対向させ、第1一体化封止部形成体同士を重ね合わせた。そして、この状態で第1一体化封止部形成体を加圧しながら第1一体化封止部形成体を加熱溶融させた。こうして作用極と対極との間に第1封止部を形成した。このとき、第1一体化封止部の仕切部と対極のうち導電性基板側の面との接着部の幅P、第1一体化封止部のうちの環状部と対極のうち導電性基板側の面との接着部の幅Q、第1一体化封止部の仕切部の幅Rおよび環状部の幅Tはそれぞれ以下の通りであった。

P=1.0mm
Q=2.0mm
R=2.6mm
T=2.2mm
次に、第2一体化封止部を準備した。第2一体化封止部は、8.0cm×4.6cm×50μmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(商品名:バイネル、デュポン社製)からなる1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムに、4つの四角形状の開口を形成することによって得た。このとき、各開口が、1.7cm×4.4cm×50μmの大きさとなるように且つ、環状部の幅が2mmで、環状部の内側開口を仕切る仕切部の幅が2.6mmとなるように第2一体化封止部を作製した。第2一体化封止部は、第1一体化封止部と共に対極の縁部を挟むように対極に貼り合わせた。このとき、第2一体化封止部を対極に押しつけながら第1一体化封止部及び第2一体化封止部を加熱溶融させることによって対極及び第1一体化封止部に貼り合せた。
次に、各対極の金属基板上に、乾燥剤シートを両面テープで貼り付けた。乾燥剤シートの寸法は、厚さ1mm×縦3cm×横1cmであり、乾燥剤シートとしては、ゼオシート(商品名、品川化成社製)を用いた。
次に、第1導電粒子としての銀粒子(平均粒径:3.5μm)、無機フィラーとしてのカーボン(平均粒径:500nm)、バインダ樹脂としてのポリエステル系樹脂を溶媒であるジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート中に分散させ、第1導電性ペーストを作製した。このとき、第1導電粒子、無機フィラー、バインダ樹脂および溶媒は、70:1:10:19の質量比で混合した。そして、この第1導電性ペーストをセル50A〜50Dの各々の金属基板21上に、2mm×2mm×50μmの寸法となるように塗布し、85℃で10分間仮乾燥させた。こうして第1接続部前駆体を得た。
一方、第2導電粒子としての銀粒子(平均粒径:2μm)及びバインダ樹脂としてのポリエステル系樹脂を酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル中に分散させ、第2導電性ペーストを作製した。このとき、第2導電粒子、バインダ樹脂および溶媒は、65:10:25の質量比で混合した。
そして、4つの透明導電膜12A〜12C、12E上の配線材接続部とセル50A〜50Dの各々の金属基板21上に形成した第1接続部前駆体とをそれぞれ接続するように上記第2導電性ペーストを塗布し、硬化させることによって、幅が2mmの配線材60Pを形成した。このとき、配線材60Pは、上記第2導電性ペーストを、85℃で12時間硬化させることによって形成した。
そして、図2に示すように、第2一体化封止部の上にバイパスダイオード70A〜70Dを配置し、バイパスダイオード70A〜70Dの各々とセル50A〜50Dの各々の第1接続部61とを接続するように対極20の金属基板21上に幅が2mmの配線材60Qを形成した。配線材60Qは、上記第2導電性ペーストを塗布し、85℃で12時間熱処理することで硬化させて形成した。このとき、第1接続部前駆体から第1接続部が得られた。バイパスダイオードとしては、ローム社製RB751V−40を用いた。
次に、ブチルゴム(アイカ工業社製「アイカメルト」)を200℃で加熱しながらディスペンサで連結部14上に塗布し、接着部の前駆体を形成した。一方、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂フィルム(厚さ50μm)、アルミ箔(厚さ25μm)、バイネル(商品名、デュポン社製)からなるフィルム(厚さ50μm)をこの順に積層した積層体を用意した。そして、この積層体80Aの周縁部と接着部80Bの前駆体の上に重ね合わせ、10秒間加圧した。こうして、連結部14に、接着部80Bと積層体80Aとで構成されるバックシート80を得た。以上のようにしてモジュールを得た。
(実施例2〜13及び比較例1〜3)
第1接続部における第1導電粒子の平均粒径D1(μm)、無機フィラーの含有率R1(質量%)、無機フィラーの平均粒径D2、バインダ樹脂、D1−D2、配線材における第2導電粒子の平均粒径(μm)、無機フィラーの含有率R2(質量%)、バインダ樹脂およびR1−R2をそれぞれ表1に示すようにしたこと以外は実施例1と同様にしてモジュールを作製した。
[特性評価]
上記のようにして得られた実施例1〜13及び比較例1〜3のモジュールについて、耐久性を評価した。
実施例1〜13および比較例1〜3で得られたモジュールについて、光電変換効率(η)を測定した。続いて、実施例1〜13および比較例1〜3で得られたモジュールについて、JIS C 8938に準じたヒートサイクル試験を行った後の光電変換効率(η)も測定した。そして、下記式:
光電変換効率の保持率(%)=η/η×100
に基づき、光電変換効率の保持率(光電変換保持率)を算出した。結果を表1に示す。
このとき、光電変換効率の測定は、Xeランプソーラーシミュレータ(山下電装社製YSS−150)とIVテスタ(英光精機社製MP−160)を使用して行った。
Figure 2016072418
表1に示されているように、実施例1〜13のモジュールは、比較例1〜3のモジュールに比べ、光電変換保持率が大きいことが分かった。
以上の結果から、本発明の色素増感型光電変換素子によれば、優れた耐久性を有することが可能となることが確認された。
11…透明基板
12…透明導電層
13…酸化物半導体層
15…透明導電性基板(導電性基板)
16A…配線材接続部(被接続部)
20…対極(対向基板)
21…金属基板
30A…封止部
50,50A〜50D…色素増感型光電変換セル
60P、60P1〜60P4…配線材
61…第1接続部
100〜500…色素増感型光電変換素子

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの色素増感型光電変換セルを有し、
    前記色素増感型光電変換セルが、
    透明基板および前記透明基板の上に設けられる透明導電層を有する導電性基板と、
    前記導電性基板に対向し、金属基板を含む対向基板と、
    前記導電性基板又は前記対向基板上に設けられる酸化物半導体層と、
    前記導電性基板及び前記対向基板の間に設けられる環状の封止部と、
    少なくとも1本の配線材の一端と前記金属基板とを接続する第1接続部と、
    前記配線材の他端に接続される被接続部とを備えており、
    前記第1接続部が、第1導電粒子と、無機フィラーと、バインダ樹脂とを含み、
    前記配線材が、第2導電粒子と、バインダ樹脂とを含み、
    前記第1導電粒子及び前記第2導電粒子が共通の元素を含み、
    前記第1接続部において、前記第1導電粒子の平均粒径が前記無機フィラーの平均粒径よりも大きく、
    前記第1接続部中の前記無機フィラーの含有率が、前記配線材中の無機フィラーの含有率よりも大きい、色素増感型光電変換素子。
  2. 前記無機フィラーが導電性材料である、請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  3. 前記第1接続部の前記バインダ樹脂及び前記配線材の前記バインダ樹脂がポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種で構成される、請求項1又は2に記載の色素増感型光電変換素子。
  4. 前記配線材中の無機フィラーの含有率が0質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感型光電変換素子。
  5. 前記金属基板が、不動態を形成し得る金属で構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素増感型光電変換素子。
  6. 前記封止部が樹脂を含み、前記配線材が前記封止部に接触しており、第1接続部は前記封止部と接触していない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感型光電変換素子。
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