JP2016072266A - 撮像素子パッケージおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】混在型偏光フィルタと混在型分光フィルタとの位置ずれに起因するクロストークを低減させ、信号の精度を向上させる。
【解決手段】混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14が、撮像素子の受光部12の上部に設けられる撮像素子パッケージ1において、受光部12に近い側のフィルタの開口面積が、他方のフィルタの開口面積よりも小さい。
【選択図】図3
【解決手段】混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14が、撮像素子の受光部12の上部に設けられる撮像素子パッケージ1において、受光部12に近い側のフィルタの開口面積が、他方のフィルタの開口面積よりも小さい。
【選択図】図3
Description
本発明は、撮像素子パッケージおよび撮像装置に関する。
半導体微細加工技術の進展に伴い、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor),CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子(イメージセンサ)の高画素化が進んでおり、画素ピッチが数μmのものも実現されている。
輝度情報のみを反映する撮像素子、およびそのパッケージ構造は多く市販されており、それらの撮像素子パッケージでは、汚染防止や損傷防止のためにカバーガラス(ガラス基板)が用いられている。
例えば、特許文献1,2には、ガラス基板は可視光領域において透明であり、入射した光を透過するとともに、マイクロレンズに集光された光は撮像素子基板上に形成された受光部にて受光される撮像素子パッケージが開示されている。また、ガラス基板表面に反射防止構造や紫外線フィルタが施されているものも知られている。
また、輝度情報以外の偏光、分光といった光学情報を取得するために、撮像素子表面に光学機能領域を作製したモノリシック型(一体型)撮像素子は、今後用途が拡がると予想される。このような撮像素子としては、例えば、偏光情報を取得するためには、直交する二方向、もしくはさらに45°、135°を加えた4方向のワイヤグリッドパターン領域からなる1画素サイズの分割素子(以下、混在型偏光フィルタと呼ぶ)が利用される。
さらに、1画素サイズ、もしくは4画素サイズのカラーフィルタ(以下、混在型カラーフィルタと呼ぶ)と混在型偏光フィルタとを併用することで撮像機能を拡大することが可能となる。
例えば、特許文献3には、ワイヤグリッド素子と、カラーフィルタと組み合わせた撮像素子を備え、被写体を立体画像として撮像する撮像装置について開示されている。また、特許文献4には、延伸した高分子フィルムに二色以上の偏光性色相域を形成されたカラー偏光子が開示されている。また、特許文献5には、断面が多角形であるワイヤグリッド偏光子が開示されている。
図1は撮像素子パッケージ1の基本構成を示す断面模式図を示しているが、図1に示す撮像素子パッケージ1において、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14は、互いに位置ずれ無く配置されている必要がある。
しかしながら、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14および受光部12との間の相対的な位置関係が設計値からずれてしまうことでクロストーク(望まない信号が混入すること)が発生し、偏光信号、および分光信号の精度が低下してしまっていた。特に、撮像素子の高画素化に伴い、この位置ずれに起因するクロストークが発生しやすいという課題があった。上記特許文献には、このクロストークの発生についての課題および解決手段は開示されていない。
そこで本発明は、混在型偏光フィルタと混在型分光フィルタとの位置ずれに起因するクロストークを低減させ、信号の精度を向上させる撮像素子パッケージを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る撮像素子パッケージは、混在型偏光フィルタおよび混在型カラーフィルタが、撮像素子の受光部の上部に設けられる撮像素子パッケージにおいて、前記受光部に近い側のフィルタの開口面積が、他方のフィルタの開口面積よりも小さいものである。
本発明によれば、混在型偏光フィルタと混在型分光フィルタとの位置ずれに起因するクロストークを低減させ、信号の精度を向上させることができる。
以下、本発明に係る構成を図1から図8に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
(撮像素子パッケージ)
本実施形態に係る撮像素子パッケージは、混在型偏光フィルタ(混在型偏光フィルタ13)および混在型カラーフィルタ(混在型カラーフィルタ14)が、撮像素子の受光部(受光部12)の上部に設けられる撮像素子パッケージ(撮像素子パッケージ1)において、受光部に近い側のフィルタの開口面積が、他方のフィルタの開口面積よりも小さいものである(図3、図5〜図8)。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
本実施形態に係る撮像素子パッケージは、混在型偏光フィルタ(混在型偏光フィルタ13)および混在型カラーフィルタ(混在型カラーフィルタ14)が、撮像素子の受光部(受光部12)の上部に設けられる撮像素子パッケージ(撮像素子パッケージ1)において、受光部に近い側のフィルタの開口面積が、他方のフィルタの開口面積よりも小さいものである(図3、図5〜図8)。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
図1は撮像素子パッケージ1の基本構成を示す断面模式図である。撮像素子パッケージ1は、撮像素子支持基板11に形成される受光部12上に、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14およびマイクロレンズ15がこの順に積層されて形成されている。なお、受光部12はフォトダイオードであって、マイクロレンズ15は、フォトダイオードの集光効率を高めるために光の入射側に配置されるマイクロレンズである。
以下、受光部12、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14およびマイクロレンズ15を撮像素子16ともいう。また、撮像素子16が形成された撮像素子支持基板11を撮像素子基板10ともいう。
撮像素子支持基板11において、受光部12側には、撮像素子16をカバーするためのガラスなどの透明基板20が接着剤層30を介して接合されている。
この撮像素子パッケージ1において、混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14は、互いに位置ずれ無く配置されることが必要となる。2つのフィルタが互いに位置ずれなく、配置されている場合には、対応する各受光部12にて所望の光信号を得ることができ、画素ごとに信号を分離することが可能となる。
しかしながら、混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14を互いに位置ずれ無く作製することは、その作製精度や位置合わせ精度において困難が伴う。ここで、図1に示す混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14が形成された撮像素子16において、位置ずれが発生した場合について説明する。
図2は、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14を有する撮像素子16が形成された撮像素子基板10の断面模式図であって、混在型偏光フィルタ13の位置に対して混在型カラーフィルタ14の位置が横方向にずれてしまった場合の例を示している。なお、受光部12の下側には配線層17が形成され、配線層17は撮像素子16に含まれる。Lは入射光を示している。図2において、混在型カラーフィルタ14の端部を透過した光の一部は、位置ずれのために隣接する所望外の混在型偏光フィルタ13を透過し、その下に存在する受光部12に入射してしまう。
このように入射する光は、クロストークの要因となるため除去することが望まれる。作製精度や位置合わせ精度を高めることでクロストークは低減可能ではあるが、垂直に入射する光以外にも迷光は様々な反射によって発生するため、クロストークを完全に除くことは容易ではない。
そこで、本実施形態に係る撮像素子パッケージ1では、偏光フィルタとカラーフィルタのような混在型フィルタが積層した構造において、光が入射する領域(以下、開口部とする)を受光部12に近い側で小さくすることによって、クロストークを低減するものである。
具体的には、図3に示すように、本実施形態に係る撮像素子16では、受光部12に近い側の混在型フィルタ(ここでは、混在型偏光フィルタ13)の開口部を小さくするために、混在型偏光フィルタ13の画素領域の周囲を遮光部18とするものである。
このように遮光部18を設けて開口面積を小さくすることにより、クロストークが発生しやすい端部に入射する光を反射し、受光しないため、クロストークを低減することができ、信号の品質を向上、安定化させることができる。
図2、図3において、混在型カラーフィルタ14の横幅をa、混在型偏光フィルタ13の横幅をbとして示している。
図2の構成例では、混在型カラーフィルタ14の横幅aと混在型偏光フィルタ13の横幅bはほぼ同じ大きさとなっている。これに対し、図3に示す本実施形態に係る例では、混在型カラーフィルタ14の横幅aの方を、混在型偏光フィルタ13の横幅bよりも大きくしている。これは各混在型偏光フィルタ13間に、遮光部18(1領域の横幅をcで示す)を設けているためである。したがって、混在型偏光フィルタ13の横幅bに遮光部18の横幅cを加えると、混在型カラーフィルタ14の横幅aとほぼ同じ大きさとなる。
なお、図3の例では、受光部12上に、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14がこの順で積層されている例を説明したが、受光部12側に近い側のフィルタの開口部を小さくすることは他のフィルタの組合せにおいても有効である。例えば、受光部12上に、混在型カラーフィルタ14、混在型偏光フィルタ13の順で形成されている場合は、混在型カラーフィルタ14の一部を遮光部として、開口部を小さくすればよい。
また、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14の一方または両方を透明基板20の撮像素子基板10の対向面に設けることとしてもよい。また、受光部12側に近い側のフィルタの開口部が小さくなるように、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14の両方に遮光部を設けてもよい。
(撮像装置)
図4は、本実施形態にかかる撮像装置100の概略構成を示す説明図である。撮像装置100は、主に、撮像レンズ40と、上述した撮像素子パッケージ1と、信号処理部50とから構成される。被検物からの光は、撮像レンズ40を通り、透明基板20を透過して撮像素子16で電気信号に変換される。信号処理部50には撮像素子16から出力される電気信号が入力される。信号処理部50は、この電気信号を処理して、輝度情報、分光情報、偏光情報、又は位相情報などの画像信号を生成する。撮像装置100は、信号処理部50で生成した画像信号であるデジタル信号を、後続の出力機器へ出力する。この撮像装置100によれば、輝度情報に加え、偏光、分光、位相情報などの他の情報を取得することが可能となる。
図4は、本実施形態にかかる撮像装置100の概略構成を示す説明図である。撮像装置100は、主に、撮像レンズ40と、上述した撮像素子パッケージ1と、信号処理部50とから構成される。被検物からの光は、撮像レンズ40を通り、透明基板20を透過して撮像素子16で電気信号に変換される。信号処理部50には撮像素子16から出力される電気信号が入力される。信号処理部50は、この電気信号を処理して、輝度情報、分光情報、偏光情報、又は位相情報などの画像信号を生成する。撮像装置100は、信号処理部50で生成した画像信号であるデジタル信号を、後続の出力機器へ出力する。この撮像装置100によれば、輝度情報に加え、偏光、分光、位相情報などの他の情報を取得することが可能となる。
<実施例1>
図5は、実施例1に係る撮像素子パッケージ1の説明図であって、(a)撮像素子基板10の断面模式図、(b)撮像素子パッケージ1の上面模式図、(c)撮像素子パッケージ1の断面模式図、(d)混在型偏光フィルタ13の上面模式図、(e)混在型カラーフィルタ14の上面模式図、(f)マイクロレンズ15の上面模式図をそれぞれ示している。
図5は、実施例1に係る撮像素子パッケージ1の説明図であって、(a)撮像素子基板10の断面模式図、(b)撮像素子パッケージ1の上面模式図、(c)撮像素子パッケージ1の断面模式図、(d)混在型偏光フィルタ13の上面模式図、(e)混在型カラーフィルタ14の上面模式図、(f)マイクロレンズ15の上面模式図をそれぞれ示している。
図5に示す撮像素子パッケージ1は、偏光成分を画像して認識するカラー偏光イメージングカメラの撮像素子パッケージ1である。図5(a)に示すように、受光部12の上部に、混在型偏光フィルタ13、および混在型カラーフィルタ14が形成されている。配線層17は受光部12の下側に形成される裏面照射型撮像素子である。
図5(b)に示すように、撮像素子パッケージ1は、受光部12、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14およびマイクロレンズ15が形成される受光領域全体の外側に枠状に塗布された接着剤(接着剤層30)によって透明基板20と撮像素子基板10が接着している。
また、図5(c)に示すように、撮像素子パッケージ1は、撮像素子信号をボンディングワイヤー31からパッケージの内部基板であるインターポーザ33に導通する樹脂パッケージである。
また、図5(d)に示すように、混在型偏光フィルタ13は、4画素で1つのまとまりとなるが、縦方向のグリッド3画素、横方向のグリッド1画素である。1領域は遮光部18を含めて約6μmである。
また、図5(e)に示すように、混在型カラーフィルタ14の1領域は約6μmである。また、図5(f)に示すように、マイクロレンズ15の1領域は約6μmである。
混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14は、4画素領域でひとつの偏光信号を処理し、偏光イメージングカメラとしての役割を果たす。混在型カラーフィルタ14の1領域に対して各々、マイクロレンズ15が形成され、1画素が対応する。
混在型偏光フィルタ13は、金属細線が周期的に配列したワイヤグリッド素子(偏光子)である。グリッド材質はAlとし、グリッド周期約150nm、グリッド高さ約200nmとした。混在型偏光フィルタ13の遮光部18は幅約600nmとして、Al薄膜をそのまま残すことで利用した。また、グリッド間およびその上部にはSiO2膜を成膜した。
混在型偏光フィルタ13と混在型カラーフィルタ14との間の横方向の位置ずれは最大約300nm生じていたが、遮光部18を設けることにより、迷光を除去し、クロストークの発生を低減できることを確認した。遮光部18を設ける割合としては、画素サイズの10%程度の横幅とするとほぼ十分である。なお、20%程度であっても問題がないが、画素が小さい場合には信号強度が十分でない場合がある。
混在型カラーフィルタ14は、色素材料による吸収型であり、RGGBの配列とした。混在型偏光フィルタ13上にフォトリソグラフィによってパターニングした。
撮像素子パッケージ1の詳細について説明する。透明基板20であるガラスの厚みは約400μm、一辺は約6mmであり、上面には反射防止膜が形成されている。そして、枠状に塗布された接着剤(接着剤層30)を用いて透明基板20と撮像素子基板10を接着した。光硬化型接着剤を用いた場合、接着剤厚みを約10μm、塗布幅を約80μmにて、ほぼ均一にして接着することが可能である。
接着剤を撮像素子支持基板11に塗布後、照度約10mW/cm2にて積算エネルギー6000mJ/cm2となる紫外線を照射することにより硬化した。
また、熱養生として80℃、30minの加熱工程を加えた。接着剤厚み10μmは、接着剤剥離を発生させない十分な厚みである。さらに、ダイボンド剤34を用いて撮像素子基板10をインターポーザ33(1辺が約9.5mmとした)に接着し、ワイヤボンディングの後、透明基板20の側面に封止材32を用いて樹脂封止することで撮像素子パッケージ1とした。
その後、撮像素子パッケージ1をボード基板に半田づけし、偏光カラー画像を取得した。その結果、混在型偏光フィルタ13と混在型カラーフィルタ14との間の位置ずれが発生した試料においても十分な偏光信号、および色信号を取得できた。また、位置ずれが発生していない試料においても遮光部18を設けることで、遮光部18を設けない場合と比較して信号品質が向上した。混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14において受光部12に近い側で開口部が小さくなる構造とすることにより、迷光の影響を低減できることを確認できた。
<実施例2>
図6は、実施例2に係る撮像素子パッケージ1の説明図であって、撮像素子基板10の断面模式図である。実施例1と同様の点についての説明は省略する。実施例2は、撮像素子パッケージ1の構造としては実施例1とほぼ同様である。
図6は、実施例2に係る撮像素子パッケージ1の説明図であって、撮像素子基板10の断面模式図である。実施例1と同様の点についての説明は省略する。実施例2は、撮像素子パッケージ1の構造としては実施例1とほぼ同様である。
実施例2では、図6に示すように、混在型偏光フィルタ13と混在型カラーフィルタ14の相対的な位置ずれを100nm以下としたものである。位置ずれが小さい場合においても、遮光部18が存在することにより、わずかな迷光も遮光するため、信号品質が向上した。遮光部18を設けることで位置ずれ精度によらず、信号が良好になることを確認した。
<実施例3>
図7は、実施例3に係る撮像素子パッケージ1の説明図であって、(a)撮像素子基板10の断面模式図、(b)混在型カラーフィルタ14の上面模式図、(c)混在型偏光フィルタ13の上面模式図、(d)ナノホールアレイ19の上面模式図である。
図7は、実施例3に係る撮像素子パッケージ1の説明図であって、(a)撮像素子基板10の断面模式図、(b)混在型カラーフィルタ14の上面模式図、(c)混在型偏光フィルタ13の上面模式図、(d)ナノホールアレイ19の上面模式図である。
実施例3では、撮像素子16の構造が実施例1とは異なる。図7(a)に示すように、受光部12上に混在型カラーフィルタ14、混在型偏光フィルタ13の順で積層されている。混在型カラーフィルタ14は、図7(b)に示すようにRGGB配列であり、薄膜は厚み150nmのAlからなる。また、図7(d)に示すように、ほぼ円柱状の空隙(ナノホール)19aが周期配列しており、周期を制御することによって透過波長を制御する。ナノホールアレイ19は最密充填構造となっており、周期によって透過する波長を選定できる。1つの空隙19aの直径は約100nmであり、周囲はSiO2によって被覆している。周期(空隙19a同士の中心点間距離)は赤色対応(R)では420nm、緑色対(G)では340nm、青色対応(B)では240nmとした。1画素に相当する領域の端部19bではナノホールアレイ19は形成されておらず、遮光(遮光部18)の役割を果たす。遮光部18の横幅は約600nmとした。
図7(c)に示すように、混在型偏光フィルタ13は、4画素分で1方向の偏光情報となるようにした。図7(c)では、左側8画素分は縦方向に配列したグリッド、右側8画素分は横方向に配列したグリッドを示している。グリッド配列方向と垂直方向に振動する光を透過し、グリッド配列方向と平行に振動する光を反射する。遮光部18は、4画素領域を囲うように枠状に形成され、幅は約300nmである。
<実施例4>
ここまで説明した混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14を受光部12上に形成するオンチップ型のほか、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14のいずれか、または両方を透明基板20側に平板型光学素子として形成し、それらを高精度に位置合わせして接着する構造も可能である。
ここまで説明した混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14を受光部12上に形成するオンチップ型のほか、混在型偏光フィルタ13、混在型カラーフィルタ14のいずれか、または両方を透明基板20側に平板型光学素子として形成し、それらを高精度に位置合わせして接着する構造も可能である。
図8は、実施例4に係る撮像素子パッケージ1の説明図であって、(a)透明基板20および撮像素子基板10の断面模式図、(b)混在型カラーフィルタ14の上面模式図、(c)混在型偏光フィルタ13の上面模式図、(d)ナノホールアレイ19の上面模式図である。
実施例4では、図8(a)に示すように、混在型偏光フィルタ13のパターンを透明基板20の下面に配置した。受光部12の上側には、混在型カラーフィルタ14のみ配置した。
図8(b),(d)に示す混在型カラーフィルタ14、ナノホールアレイ19は、実施例3と同様とした。
図8(c)に示すように、混在型偏光フィルタ13は、4画素分でひとまとまりになっており、グリッド配列方向と垂直方向に振動する光を透過し、グリッド配列方向と平行に振動する光を反射する。遮光部18は、画素ごとに枠状に形成され、幅は約300nmである。
ここまで説明した撮像素子16、撮像素子パッケージ1は、CMOSセンサ、CCDセンサにおける様々な撮像素子、およびそれらのパッケージング構造に適用することができる。
以上説明した本実施形態に係る撮像素子パッケージ1は、混在型偏光フィルタ13と混在型カラーフィルタ14が形成された撮像素子パッケージにおいて、偏光信号および分光信号について、混在型偏光フィルタと混在型カラーフィルタが相互に位置ずれを起こしてもクロストークを低減でき、信号の精度を高め、安定化させることができる。
撮像素子パッケージ1は、実施例1〜4に限定されず、受光部12側に近いほど開口部を小さくしたフィルタを用いていればよい。開口部の割合は限定されないが、受光部12に近い側のフィルタにて画素サイズの10%程度の横幅とすると十分である。
混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14の両方を受光部12が形成される撮像素子支持基板11上に形成することで、オンチップの構造となり、混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14と受光部12との間の距離が小さくなり、信号品質を向上させることができる。
また、混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14の一方もしくは両方を透明基板20上に形成することで、撮像素子16とは別に透明基板20にフィルタを形成するため良品同士を組み合わせればよく、歩留まりを向上させることができる。また、透明基板20においてフィルタが形成される面と反対側の面(光の入射面)に反射防止膜を設けることが好ましい。無反射構造を用いることで、透過率特性を向上させることができる。
混在型偏光フィルタ13は、ワイヤグリッド素子を用いることで高コントラスト、高透過率の画像を取得することが可能となる。この場合、平板型光学素子となることから比較的厚みが小さく、クロストークの物理的発生を低減することができる。
また、混在型偏光フィルタ13は、一次元フォトニック結晶としての多層膜とすることも好ましい。一次元フォトニック結晶を用いることにより高コントラスト、高透過率の画像を取得することが可能となる。ここで、オートクローニング法による多層膜が領域ごとに配列した偏光子配列体についても作製した。多層膜の厚みは約6μmであり、ワイヤグリッド素子では厚みを数百μmにすることができるためよりクロストークを低減できる。また、画素サイズは約6μmの撮像素子を用いたが、4μm程度の画素サイズに対しても作製した。
混在型カラーフィルタ14は、金属ナノホールアレイを用いることにより波長選択の自由度が大きく、特定波長からの情報を取得することが可能となる。また、平板型光学素子となることから比較的厚みが小さく、クロストークの物理的発生を低減することができる。なお、混在型カラーフィルタ14のホール形状は、円柱のほか、三角柱など、他の形状でも利用可能である。
混在型偏光フィルタ13および混在型カラーフィルタ14の材料は、Alのほか、Au,Ag,Ta,Wなども利用可能であるが、貴金属を用いることで光学特性が良好になる。また、有機材料も利用可能である。
撮像素子16の受光部12は、配線層17を受光部12の下側に配置する裏面照射型のほか、配線層17を受光部12の上側に配置する表面照射型も適用可能である。なお、輝度やクロストークの点で裏面照射型の方がより効果的である。また、単に輝度情報を画像として得るだけでなく、領域によって偏光情報や赤外光情報などの情報を取得することが可能である。これらの情報を取得する受光部12の分割面積は画素サイズに依存するが、特に限定されるものではない。
撮像素子基板10と透明基板20を接着する接着剤は、マイクロレンズ15と選択的光学機能膜との間を充填する形でもよいが、その場合可視光領域にて透光性の高い接着剤を選定する必要がある。接着剤層30の厚みは3〜50μmほどまで実施したが、この値に限定されるものではない。接着剤は紫外線硬化型のほか、熱硬化型、紫外線硬化の後に熱硬化を行うタイプなどを利用することができる。また、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系など材料の種類のほか、接着剤内部の充填剤の有無は特に限定されるものではない。
撮像素子パッケージ1のパッケージ構造は、封止材32を用いた樹脂パッケージ(図5(c)参照)とすることで、低コストでの作製が可能となる。また、セラミックパッケージとすることで、信頼性が高い撮像素子パッケージとすることができる。その他、チップサイズパッケージなどが利用できる。
尚、上述の実施形態、実施例は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1 撮像素子パッケージ
10 撮像素子基板
11 撮像素子支持基板
12 受光部
13 混在型偏光フィルタ
14 混在型カラーフィルタ
15 マイクロレンズ
16 撮像素子
17 配線層
18 遮光部
19 ナノホールアレイ
19a 空隙
20 透明基板
30 接着剤層
31 ボンディングワイヤー
32 封止材
33 インターポーザ
34 ダイボンド剤
40 撮像レンズ
50 信号処理部
100 撮像装置
L 入射光
10 撮像素子基板
11 撮像素子支持基板
12 受光部
13 混在型偏光フィルタ
14 混在型カラーフィルタ
15 マイクロレンズ
16 撮像素子
17 配線層
18 遮光部
19 ナノホールアレイ
19a 空隙
20 透明基板
30 接着剤層
31 ボンディングワイヤー
32 封止材
33 インターポーザ
34 ダイボンド剤
40 撮像レンズ
50 信号処理部
100 撮像装置
L 入射光
Claims (10)
- 混在型偏光フィルタおよび混在型カラーフィルタが、撮像素子の受光部の上部に設けられる撮像素子パッケージにおいて、
前記受光部に近い側のフィルタの開口面積が、他方のフィルタの開口面積よりも小さいことを特徴とする撮像素子パッケージ。 - 前記受光部に近い側のフィルタは、画素領域の周囲に遮光部を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像素子パッケージ。
- 前記遮光部を第一遮光部としたとき、
前記他方のフィルタに、前記第一遮光部よりも領域面積の小さい第二遮光部を有することを特徴とする請求項2に記載の撮像素子パッケージ。 - 前記混在型偏光フィルタおよび前記混在型カラーフィルタの一方または両方は、前記受光部が形成される前記撮像素子の支持基板上に形成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の撮像素子パッケージ。
- 前記撮像素子を覆う透明基板を有し、
前記混在型偏光フィルタおよび前記混在型カラーフィルタの一方または両方は、前記透明基板の前記撮像素子に対向する面に形成されていることを特徴とする請求項1から3までいずれかに記載の撮像素子パッケージ。 - 前記透明基板は、光の入射面に反射防止膜を備えることを特徴とする請求項5に記載の撮像素子パッケージ。
- 前記混在型偏光フィルタは、金属細線が周期的に配列されたワイヤグリッド素子、または一次元フォトニック結晶としての多層膜からなることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の撮像素子パッケージ。
- 前記混在型カラーフィルタは、金属ナノホールアレイからなることを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の撮像素子パッケージ。
- 当該撮像素子パッケージは樹脂パッケージまたはセラミックパッケージであることを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の撮像素子パッケージ。
- 請求項1から9までのいずれかに記載の撮像素子パッケージを備えることを特徴とする撮像装置。
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JP2014196547A JP2016072266A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | 撮像素子パッケージおよび撮像装置 |
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