JP2016072235A - 正極用スラリー、蓄電デバイス正極の製造方法、及び蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の蓄電デバイス正極の製造方法は、集電体の表面上に上述した正極用スラリーを塗布及び乾燥して層を形成することを特徴とする。本発明により製造した蓄電デバイス正極を用いて蓄電デバイスを製造すれば、優れた充放電特性を発現することができる。
されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
本実施の形態に係る正極用スラリーは、集電体の表面上に正極活物質を含む層(正極活物質層)を形成するために用いられる組成物を意味する。正極用スラリーを、例えば、集電体の表面に塗布及び乾燥することで、集電体の表面上に正極活物質層を形成することができる。
(A)成分は、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位Mcと、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位Mdと、芳香族ビニルに由来する繰り返し単位Meとを有するジエン系重合体を含有する。
ではなく、一次粒子が凝集して形成された二次粒子をも評価対象とすることができる。従って、これらの粒度分布測定装置によって測定された粒度分布は、正極用スラリー中に含まれる(A)成分の分散状態の指標とすることもできる。
(A)成分はジエン系重合体を含有する。そのジエン系重合体は、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位Mcと、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位Mdと、芳香族ビニルに由来する繰り返し単位Meとを有する。
ジエン系重合体が不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位Mcを有することにより、正極用スラリーの安定性が向上する。
ジエン系重合体が共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位Mdを有することにより、ジエン系重合体の結着力が強くなる。そのため、正極活物質層と集電体との結着性が向上する。また、ジエン系重合体が共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位Mdを有することにより、ゴム弾性がジエン系重合体に付与される。そのため、正極活物質層が集電体の体積収縮や拡大等の変化に追従することが可能となる。その結果、蓄電デバイスの充放電特性を長期間維持することができる。
質量部とした場合に30〜60質量部であることが好ましく、40〜55質量部であることがより好ましい。繰り返し単位Mdの含有割合が前記範囲にあると、正極活物質層と集電体との結着性が一層向上する。
ジエン系重合体が芳香族ビニルに由来する繰り返し単位Meを有することにより、正極用スラリーが導電付与剤を含有する場合、(A)成分と導電付与剤との親和性をより良好にすることができる。
ジエン系重合体は、前記以外の繰り返し単位を有してもよい。前記以外の繰り返し単位としては、例えば、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位Mbが挙げられる。
α,β−不飽和ニトリル化合物の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等から選択される1種以上が挙げられる。これらのうち、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルから選択される1種以上であることが好ましく、アクリロニトリルであることがより好ましい。
ジエン系重合体の合成方法は特に限定されず、例えば、公知の乳化重合工程、又はこれを適宜に組み合わせた工程によって、容易に合成することができる。例えば、特許第4957932号公報に記載の方法等を用いることにより、容易にジエン系重合体を合成することができる。
1.1.3.1.カウンターイオン
正極用スラリーの安定性向上のために、あらかじめ、アンモニア、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等)水酸化物、無機アンモニウム化合物(塩化アンモニウム等)、有機アミン化合物(エタノールアミン、ジエチルアミン等)等の水溶液を加えて、ジエン系重合体のpH調整をすることが好ましい。
ジエン系重合体のTHF不溶分は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。THF不溶分は、蓄電デバイスで使用する電解液への不溶分量とほぼ比例すると推測される。このため、THF不溶分が前記範囲であれば、蓄電デバイスを作製して、長期間にわたり充放電を繰り返した場合でも電解液へのジエン系重合体の溶出を抑制できる。
ジエン系重合体の転移温度は、JIS K7121に準拠する示差走査熱量測定(DSC)によって測定することができる。ジエン系重合体は、−50〜5℃の温度範囲において吸熱ピークを1つしか有さないものであることが好ましい。
本実施の形態に係る正極用スラリーに含まれる(B)成分としては、例えば、下記一般式(1)で表され、かつオリビン型結晶構造を有するリチウム原子含有酸化物(オリビン型リチウム含有リン酸化合物)から選択される1種以上が挙げられる。
(式(1)中、M1は、Mg、Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Ge及びSnよりなる群から選択される少なくとも1種の金属のイオンであり、Xは、Si、S、P及びVよりなる群から選択される少なくとも1種であり、xは、0<x<1の関係を満たす数である。)
なお、前記一般式(1)におけるxの値は、M1及びXの価数に応じて、前記一般式(1)全体の価数が0価となるように選択される。
集電体の表面に正極用スラリーを塗布、乾燥させ、塗膜(正極活物質層)を形成する工程において、表面張力の作用を受けることにより、(A)成分及び/又は(B)成分が塗膜の厚み方向に沿って移動すること(以下、「マイグレーション」ともいう)がある。具体的には、(A)成分及び/又は(B)成分が、塗膜における、集電体とは反対側の界面(気固界面)へと移動する傾向がある。
ここで、(B)成分の平均粒子径とは、レーザー回折法を測定原理とする粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定し、その粒度分布において粒子径が小さい方から順に粒子数を累積してゆき、粒子数の累積度数が粒子の総数における50%となるときの粒子径(数平均粒子径、D50)の値である。
本実施の形態に係る正極用スラリーは、(C)液状媒体を含有する。(C)液状媒体は、水を含有する水系媒体であることが好ましい。水系媒体は、水から成るものであってもよいし、水と、水以外の非水系媒体とを含有していてもよい。この非水系媒体としては、例えば、アミド化合物、炭化水素、アルコール、ケトン、エステル、アミン化合物、ラクトン、スルホキシド、スルホン化合物等から選択される1種以上が挙げられる。
1.4.その他の成分
本実施の形態に係る正極用スラリーは、必要に応じて前述した成分以外の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば導電付与剤、非水系媒体、増粘剤、防腐剤等が挙げられる。
前記導電付与剤の具体例としては、カーボン等が挙げられる。カーボンは、正極用スラ
リーをリチウムイオン二次電池(蓄電デバイスの一例)に用いる場合に好適である。カーボンとしては、例えば、グラファイト、活性炭、アセチレンブラック、ファーネスブラック、黒鉛、炭素繊維、フラーレン等を挙げることができる。これらの中でも、アセチレンブラック、又はファーネスブラックが好ましい。導電付与剤の使用割合は、(B)成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは1〜15質量部であり、特に好ましくは2〜10質量部である。
本実施の形態に係る正極用スラリーは、例えば、その塗布性を改善する観点から、80〜350℃の標準沸点を有する非水系媒体を含有することができる。このような非水系媒体の具体例としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;トルエン、キシレン、n−ドデカン、テトラリン等の炭化水素;2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、ラウリルアルコール等のアルコール;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン;酢酸ベンジル、酪酸イソペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル;o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン等のアミン化合物;γ−ブチロラクトン、δ−ブチロラクトン等のラクトン;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド・スルホン化合物等から選択される1種以上が挙げられる。これらの中でも、(A)成分の安定性、正極用スラリーを塗布する際の作業性等の点から、N−メチルピロリドンを使用することが好ましい。
本実施の形態に係る正極用スラリーは、その塗工性を改善する観点から、増粘剤を含有することができる。増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース化合物;前記セルロース化合物のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸、変性ポリ(メタ)アクリル酸等のポリカルボン酸;前記ポリカルボン酸のアルカリ金属塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系(共)重合体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸及びフマル酸等の不飽和カルボン酸とビニルエステルとの共重合体の鹸化物等の水溶性ポリマー等を挙げることができる。これらの中でも特に、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリル酸及びそのアルカリ金属塩が好ましい。
本実施の形態に係る正極用スラリーは、防腐剤を含有することができる。防腐剤を含有することにより、正極用スラリーを貯蔵した際に、細菌や黴等が増殖して異物が発生することを抑制できる。また、正極用スラリーを用いて製造された蓄電デバイスの充放電時にバインダーの劣化が抑制されるため、蓄電デバイスの充放電特性の低下を抑制することができる。防腐剤として、特に、イソチアゾリン系化合物を含有する場合、上述した効果が一層著しい。
,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等から選択される1種以上が挙げられる。
本実施の形態に係る正極用スラリーは、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分と、必要に応じて用いられるその他の成分と、を混合することにより製造することができる。混合の順番は適宜設定できる。各成分の混合は、公知の攪拌方法によって行うことができ、例えば攪拌機、脱泡機、ビーズミル、高圧ホモジナイザー等を利用して混合することができる。
本実施の形態に係る正極用スラリーは、曳糸性が30〜80%であることが好ましく、33〜79%であることがより好ましい。曳糸性が前記範囲であると、正極用スラリーを集電体上へ塗布し、正極活物質層を形成する際、十分なレベリング性が容易に得られる。この場合、厚みが均一な正極活物質層を形成することができる。正極活物質層の厚みが均一な正極を使用すると、充放電反応の面内ばらつきを抑制することができるため、安定した蓄電デバイス特性の発現が容易となる。
は下記式(2)から求めることができる。
2.蓄電デバイス正極
本実施の形態に係る蓄電デバイス正極は、集電体と、前記集電体の表面上に前述の正極用スラリーを塗布及び乾燥して形成した層(正極活物質層)とを備えるものである。すなわち、この蓄電デバイス正極は、集電体上に、前記(A)成分、前記(B)成分、さらに必要に応じて添加したその他の成分を含有する正極活物質層が結着したものである。
正極用スラリーを集電体の表面に塗布する方法は特に制限されない。塗布方法として、例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、浸漬法、ハケ塗り法等を適宜用いることができる。
ロールプレス機の線圧力:0.1〜10(t/cm)、好ましくは0.5〜5(t/cm)。
蓄電デバイス正極の送り速度(ロールの回転速度):1〜80m/min、好ましくは5〜50m/min。
本実施の形態に係る蓄電デバイスは、前記の蓄電デバイス正極を備え、さらに、例えば、電解液を含有し、セパレータ、蓄電デバイス負極等の部品を備える。蓄電デバイスとしては、例えば、二次電池等が挙げられる。蓄電デバイスは、常法に従って製造することができる。
中から、蓄電デバイスとしての機能を効果的に発現するものを選択すればよい。
(実施例1)
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
攪拌機を備えた温度調節可能なオートクレーブ中に、水200質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.9質量部、過硫酸カリウム1.0質量部、重亜硫酸ナトリウム0.5質量部、α−メチルスチレンダイマー0.2質量部、ドデシルメルカプタン0.2質量部、及び表1における「S1」の列に示す一段目重合成分を一括して仕込み、70
℃に昇温して2時間重合反応させた。
・MMA:メタクリル酸メチル
・HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
・AA:アクリル酸
・TA:イタコン酸
・AN:アクリロニトリル
・BD:1,3−ブタジエン
・ST:スチレン
ここで、AA、及びTAは不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位Mcの一例であり、BDは共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位Mdの一例であり、STは芳香族ビニルに由来する繰り返し単位Meの一例である。MMA、HEMA、及びANはその他の繰り返し単位の一例である。
分添加開始から3時間経過した時点で、α−メチルスチレンダイマー1.0質量部及びドデシルメルカプタン0.3質量部を添加した。
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P−03」)に、増粘剤(商品名「CMC1120」、ダイセル化学工業株式会社製)1質量部(固形分換算)、宝泉株式会社製リン酸鉄リチウム(LiFePO4)100質量部、アセチレンブラック5質量部、及び水68質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。前記リン酸鉄リチウムは、めのう乳鉢で粉砕し、ふるいを用いて分級することで、平均粒子径(D50値)を10μmとしたものである。また、前記リン酸鉄リチウムは、正極活物質の一例である。
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P−03」)に、増粘剤(商品名「CMC2200」、ダイセル化学工業株式会社製)1質量部(固形分換算)、負極活物質としてのグラファイト100質量部(固形分換算)、及び水68質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。
00rpmで5分間、さらに真空下において1800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、負極用スラリーを調製した。
露点が−80℃以下となるようAr置換されたグローブボックス内で、前記のように製造した蓄電デバイス負極を直径15.95mmの円形に打ち抜き成型したものを、2極式コインセル(宝泉株式会社製、商品名「HSフラットセル」)上に載置した。
(5−1)塗布性(平滑性)の評価
前記(2)で作製した蓄電デバイス正極から、幅12cm×長さ12cmの試験片を切り出した。この試験片を、各マスの寸法が2cm×2cmである36マスに分け、各マスにおける正極活物質層の膜厚を、膜厚計(ミツトヨ製、DIGIMATIC MICROMETER IP65)を用いて測定し、その膜厚の平均値に対する標準偏差の割合(平滑性)を算出した。
×:平滑性が2%を超えて不良。
(5−2)粉落ち性の評価
前記(2)で作成した蓄電デバイス正極から、10cm×5cmのサンプルを5枚切り
出し、それらを重ね合わせた。実験台の上に市販の上質紙を置き、その上に100メッシュのステンレスメッシュを置いた。5枚重ねたサンプルを、メッシュの上方でハサミを用いて切断した。切断はサンプルの短辺方向に沿って行い、1cm間隔で9回切断した。そして、切断の際にステンレスメッシュを通過し上質紙上にこぼれ落ちた正極活物質粉末の状態を観察した。その観察結果によって粉落ち性を以下のように評価した。評価結果を表3に示す。
×:多量の粉落ちが観察される。不良。
(5−3)結着性の評価
前記(2)で作成した蓄電デバイス正極から、10cm四方のサンプル5枚を切り出し、120℃の熱プレスで5分間圧縮し成型した。各サンプルの表面に、ナイフを用いて、集電体に達する深さの切り込みを入れた。その切り込みは、2mm間隔で縦横それぞれ6本入れた。その結果、各サンプル上に、切り込みにより碁盤目状に区画された25マスが形成された。
×:正極活物質層が脱落したマスが21個以上であり、結着性が不良。
(5−4)容量維持率の評価
前記(4)で組み立てたリチウムイオン二次電池に対し、定電流(1C)にて充電を開始し、電圧が4.2Vになるまで継続した。電圧が4.2になった時点以降は、定電圧(4.2V)にて充電を続行し、電流値が0.01Cとなった時点を充電完了(カットオフ)とした。
前記(4)で組み立てたリチウムイオン二次電池に対し、定電流(0.2C)にて充電を開始し、電圧が4.2Vになるまで継続した。電圧が4.2Vになった時点以降は、定電圧(4.2V)にて充電を続行し、電流値が0.01Cとなった時点を充電完了(カットオフ)として、0.2Cでの充電容量を測定した。その後、定電流(0.2C)にて放電を開始し、電圧が2.7Vになった時点を放電完了(カットオフ)とし、0.2Cでの放電容量を測定した。
○:放電レート特性及び充電レート特性が80%以上で良好。
なお、本実施例の測定条件において「1C」とは、ある一定の電気容量を有するセルを定電流放電して1時間で放電終了となる電流値を示す。たとえば「0.1C」とは、10時間かけて放電終了となる電流値のことであり、「10C」とは0.1時間かけて放電完了となる電流値のことをいう。
前記(2)で調製した正極用スラリーについて、曳糸性を評価した。その評価結果を表3に示す。
(実施例2〜11、比較例1〜4)
基本的には前記実施例1における水系分散体S1と同様にして、水系分散体S2〜S13を調製した。ただし、水系分散体S2〜S13の調製では、一段目重合性分の種類と仕込み量、及び二段目重合性分の種類と仕込み量は表1に示すとおりとし、(A)成分に含まれる単量体の種類と仕込み量は、表2に示すとおりとした。
また、基本的には前記実施例1と同様にして、正極用スラリー、蓄電デバイス正極、負極用スラリー、及び蓄電デバイス負極を作成し、リチウムイオン電池を組み立てた。
(各実施例及び各比較例の評価結果)
前記表3の記載内容から明らかなように、実施例1〜11における正極用スラリーを用いた場合、曳糸性、正極特性(塗布性、粉落ち性、結着性)、及び蓄電デバイス特性において優れることが判明した。
Claims (6)
- (A)重合体粒子と、
(B)オリビン型リチウム含有リン酸化合物と、
(C)液状媒体と、
を含有し、
前記(A)重合体粒子が、
不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位Mcと、
共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位Mdと、
芳香族ビニルに由来する繰り返し単位Meと、
を有するジエン系重合体を含有し、
前記(A)重合体粒子の平均粒子径が90〜170nmであることを特徴とする正極用スラリー。 - 前記(B)オリビン型リチウム含有リン酸化合物の平均粒子径が1〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の正極用スラリー。
- 前記(B)オリビン型リチウム含有リン酸化合物がリン酸鉄リチウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の正極用スラリー。
- 前記不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位Mcが、ナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれる少なくとも一種の陽イオンの塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の正極用スラリー。
- 集電体の表面上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極用スラリーを塗布及び乾燥して層を形成することを特徴とする蓄電デバイス正極の製造方法。
- 請求項5に記載の製造方法で蓄電デバイス正極を製造することを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
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