JP2016072158A - 電池用包装材料を巻き取るためのコア管 - Google Patents

電池用包装材料を巻き取るためのコア管 Download PDF

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大佑 安田
天野 真
Makoto Amano
真 天野
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Rikiya Yamashita
力也 山下
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Junichi Chiyonaga
純一 千代永
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Abstract

【課題】
重量の大きな電池用包装材料が巻き取られた場合にも、電池用包装材料の位置ずれが効果的に抑制されるコア管を提供する。
【解決手段】
少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を巻き取るための中空円柱形状のコア管であって、
前記コア管の熱膨張係数が2×10-5/℃以下である、コア管。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池用包装材料を巻き取るためのコア管、及び当該コア管に電池用包装材料が巻き付けられた電池用包装材料の巻取体に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されている。これらの電池において、電極、電解質などにより構成される電池素子は、包装材料などにより封止される必要がある。電池用包装材料としては、金属製の包装材料が多用されている。
近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、多様な形状を有する電池が求められている。また、電池には、薄型化、軽量化なども求められている。しかしながら、従来多用されている金属製の包装材料では、電池形状の多様化に追従することが困難である。また、金属製であるため、包装材料の軽量化にも限界がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層フィルムが提案されている。
例えば、特許文献1には、外側層としての2軸延伸ポリアミドフィルム層と、内側層としての熱可塑性樹脂未延伸フィルム層と、これら両フィルム層間に配設されたアルミニウム箔層とを含む電池ケース用包材が開示されている。
このような電池用包装材料は、生産ラインにおいて、一般に、帯状の積層フィルムとして製造され、これを中空円柱形状のコア管に巻き取った巻取体として保管、輸送などがされる。そして、電池の製造時に、巻取体から電池用包装材料を巻き出し、電池の製品仕様に従った所定の形状となるようにカットして使用される。
特開2008−287971号公報
近年、輸送効率の向上が求められているため、コア管に巻き取る電池用包装材料の長さも増加傾向にある。しかしながら、電池用包装材料には、金属層が積層されているため、巻き取る電池用包装材料が長くなると、コア管の周囲に巻き取られた電池用包装材料が非常に重くなる。コア管を形成する材料としては、ポリエチレンなどの樹脂が一般に使用されているが、本発明者が検討を行ったところ、コア管に巻き取られた電池用包装材料の重量が10kg程度に達すると、保管や輸送環境によっては、コア管の長さ方向に電池用包装材料がずれる場合があることを見出した。コア管に巻き取られた電池用包装材料の位置がずれると、電池の生産ラインにおいて、電池用包装材料を適切に巻き出すことができなくなる場合がある。
このような状況は、本発明は、重量の大きな電池用包装材料が巻き取られた場合にも、温度変化などに伴う電池用包装材料の位置ずれが効果的に抑制される、電池用包装材料を巻き取るためのコア管を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を巻き取るための中空円柱形状のコア管において、コア管の熱膨張係数を2×10-5/℃以下とすることにより、例えば10kg、さらには20kgという重量の大きな電池用包装材料が巻き取られた場合にも、電池用包装材料の位置ずれが効果的に抑制されることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を巻き取るための中空円柱形状のコア管であって、
前記コア管の熱膨張係数が2×10-5/℃以下である、コア管。
項2. 前記コア管に巻き取られる前記電池用包装材料の重量が、10Kg以上である、項1に記載のコア管。
項3. 前記コア管は、前記電池用包装材料が巻き取られた状態で、−10℃以下、または40℃以上の環境下に曝される、項1または2に記載のコア管。
項4. 前記コア管は、外径が70〜100mm、長さが30〜600mm、肉厚が3〜10mmである、項1〜3のいずれかに記載のコア管。
項5. 前記コア管が、ガラス繊維強化プラスチック及び紙の少なくとも一方により形成されている、項1〜4のいずれかに記載のコア管。
項6. 項1〜5のいずれかに記載のコア管に、少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料が巻き取られてなる、電池用包装材料の巻取体。
項7. 前記電池用包装材料の重量が、10Kg以上である、項6に記載の巻取体。
本発明によれば、少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を巻き取るための中空円柱形状のコア管であって、重量の大きな電池用包装材料が巻き取られた場合にも、電池用包装材料が巻き取られた位置のずれが効果的に抑制されるコア管を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該コア管に電池用包装材料が巻き取られた、電池用包装材料の巻取体を提供することができる。
本発明に係るコア管を長さ方向から見た際の模式図である。 本発明に係るコア管の長さ方向における模式的断面図である。 本発明に係る巻取体の長さ方向における模式的断面図である。 本発明のコア管に巻き取られる電池用包装材料の積層構造の一例を示す模式的断面図である。 コア管に巻き取られた電池用包装材料の位置ずれの評価において、位置ずれがない巻取体の長さ方向における模式的断面図である。 コア管に巻き取られた電池用包装材料の位置ずれの評価において、位置ずれがある巻取体の長さ方向における模式的断面図である。
1.電池用包装材料のコア管
本発明のコア管は、少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を巻き取るための中空円柱形状のコア管であって、コア管の熱膨張係数が2×10-5/℃以下であることを特徴とする。以下、図1〜6を参照しながら、本発明のコア管について詳述する。
本発明のコア管10は、例えば図1及び図2に示されるように、中空円柱形状を有している。コア管の外径Wとしては、特に制限されないが、重量の大きな電池用包装材料が巻き取られた場合にも、電池用包装材料の位置ずれを効果的に抑制する観点からは、好ましくは70〜100mm程度、より好ましくは75〜100mm程度、さらに好ましくは80〜95mm程度が挙げられる。また、同様の観点から、コア管の肉厚Dとしては、好ましくは3〜10mm程度、より好ましくは5〜10mm程度、さらに好ましくは5〜8mm程度が挙げられる。同様の観点から、コア管の長さLとしては、好ましくは30〜600mm程度、より好ましくは100〜500mm程度、より好ましくは200〜400mm程度が挙げられる。
本発明のコア管は、熱膨張係数が2×10-5/℃以下であることを特徴とする。本発明のコア管は、このような小さい熱膨張係数を有していることにより、例えば10kg以上、さらには20kg以上という、重量の大きな電池用包装材料が巻き取られた場合にも、電池用包装材料の位置ずれを効果的に抑制することができる。巻き取られた電池用包装材料の位置ずれをより効果的に抑制する観点からは、本発明のコア管の熱膨張係数としては、好ましくは1×10-5/℃以下が挙げられる。なお、熱膨張係数が小さいほど、保管や輸送環境の温度変化に伴う大きさの変化が小さいため、電池用包装材料の位置ずれをより効果的に抑制することができるが、コア管には高い機械的強度等も求められるため、コア管を形成する材料の熱膨張係数の下限値は、通常1×10-6/℃程度である。
本発明において、コア管の熱膨張係数は、コア管を形成している材料について、JIS K7197の規定に準拠した方法により熱膨張係数を測定した値である。
コア管を形成する材料としては、上記の熱膨張係数を有しているものであれば、特に制限されないが、好ましくはガラス繊維強化プラスチック(FRP)、紙などが挙げられ、これらの中でも、特にガラス繊維強化プラスチックが好ましい。ガラス繊維強化プラスチックの種類としては、特に制限されず、樹脂中にガラス繊維などを配合したものであればよい。ガラス繊維強化プラスチックに用いられる樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、好ましくはエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、好ましくはポリエステル樹脂、メチルメタクリレートなどが挙げられる。
本発明のコア管に巻き取られる電池用包装材料の重量としては、例えば10kg以上、さらには20kg以上、さらには30kg以上、さらには40kg以上が挙げられる。本発明のコア管によれば、このような非常に重量の大きな電池用包装材料が巻き取られた場合にも、電池用包装材料が巻き取られた位置がずれることを効果的に抑制することができる。なお、本発明のコア管に巻き取られる電池用包装材料の重量の上限としては、通常、50kg程度である。
また、本発明のコア管は、−10〜40℃程度、相対湿度1〜99%程度の環境下において、電池用包装材料が巻き取られた後、−10℃以下、または40℃以上の環境下に曝されるものであってもよい。例えば、室温(25℃程度)、相対湿度50%程度の環境下で電池用包装材料が巻き取られたコア管が、このような低温または高温環境下、特に低温下に曝されると、従来のポリエチレンやABS樹脂などにより形成されたコア管では、温度変化による大きさ(主に外径)の変化が非常に大きく、電池用包装材料が巻き取られた位置がずれやすいという問題がある。これに対して、本発明のコア管によれば、温度変化による大きさの変化が小さいため、例えば保管や運搬環境における温度変化が大きい場合にも、電池用包装材料が巻き取られた位置がずれにくいという特徴を有している。例えば、本発明のコア管に電池用包装材料を巻き取った際の温度T1と、得られた巻取体の保管、運搬環境下における温度T2との差が、10〜40℃程度であっても、10〜40kg程度の電池用包装材料の位置ずれを効果的に抑制し得る。
2.コア管に巻き取られる電池用包装材料の積層構造
本発明のコア管に巻き取られる電池用包装材料11は、例えば図4に示されるように、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層4がこの順に積層された積層フィルムからなる。電池用包装材料を形成する積層フィルムは、コア管にロール状に巻き取られる。
電池用包装材料において、基材層1が最外層となり、シーラント層4は最内層になる。すなわち、電池の組み立て時に、電池用包装材料のシーラント層4が電池の内側となるようにして、電池用包装材料で電池素子を包み込み、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士を熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
電池用包装材料は、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層4を備えていればよく、さらに他の層を有していてもよい。例えば、基材層1と金属層3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層2が設けられていてもよい。また、金属層3とシーラント層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
3.電池用包装材料の各層の構成
[基材層1]
電池用包装材料において、基材層1は、電池を組み立てた時に、最外層に位置し、電池用包装材料の基材となる層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという利点があり、基材層1の形成素材として好適に使用される。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層1の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層1の形成素材として好適に使用される。
基材層1は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層1として好適に使用される。
これらの中でも、基材層1を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ナイロンが挙げられる。
基材層1は、耐ピンホール性及び電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルムを積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層1を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。また、接着剤を介して接着させる場合、使用する接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型、UVやEBなどの電子線硬化型等のいずれであってもよい。接着剤の成分としてポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン系樹脂が挙げられる。
基材層1の厚みは、特に制限されないが、例えば、5μm〜50μm程度、好ましくは12μm〜30μm程度とすることができる。
[接着層2]
電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3との接着強度を高めることを目的として、必要に応じて設けられる層である。
接着層2は、基材層1と金属層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着剤の樹脂成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂;ふっ化エチレンプロピレン共重合体等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の接着剤成分の組み合わせ態様については、特に制限されないが、例えば、その接着剤成分として、ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドとポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、展延性、高湿度条件下における耐久性や応変抑制作用、ヒートシール時の熱劣化抑制作用等が優れ、基材層1と金属層3との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリウレタン系2液硬化型接着剤;ポリアミド、ポリエステル、又はこれらと変性ポリオレフィンとのブレンド樹脂が挙げられる。
また、接着層2は異なる接着剤成分で多層化してもよい。接着層2を異なる接着剤成分で多層化する場合、基材層1と金属層3とのラミネーション強度を向上させるという観点から、基材層1側に配される接着剤成分を基材層1との接着性に優れる樹脂を選択し、金属層3側に配される接着剤成分を金属層3との接着性に優れる接着剤成分を選択することが好ましい。接着層2は異なる接着剤成分で多層化する場合、具体的には、金属層3側に配置される接着剤成分としては、好ましくは、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂等が挙げられる。
接着層2の厚さについては、例えば、2〜50μm程度、好ましくは3〜25μm程度が挙げられる。
[金属層3]
電池用包装材料において、金属層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層3は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、金属層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
金属層3の厚みは、特に制限されないが、例えば、10μm〜200μm程度、好ましくは20μm〜100μm程度とすることができる。
また、金属層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
また、金属層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において金属層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[接着層5]
電池用包装材料においては、金属層3とシーラント層4を強固に接着させることなどを目的として、金属層3とシーラント層4との間に接着層5をさらに設けてもよい。
接着層5は、金属層3と後述のシーラント層4とを接着可能な接着剤成分によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着層5の形成に使用される接着剤成分の接着機構についても、特に限定されず、例えば、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などが挙げられる。
接着層5の形成に使用できる接着剤成分の具体的としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの接着剤成分は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
接着層5の厚みは、特に制限されないが、例えば、1μm〜40μm程度とすることが好ましく、2μm〜30μm程度とすることがより好ましい。
[シーラント層4]
電池用包装材料において、シーラント層4は、電池を組み立てた時に、電池用包装材料の最内層を構成する層である。電池の組み立て時に、シーラント層4の表面同士を互いに接触させ、接触した部分を熱溶着して電池素子を密封することができる。
シーラント層4は、熱可塑性樹脂により形成されていることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などの結晶性または非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、ポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。
環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体である。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。また、環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネンなどの環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエンなどの環状ジエンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、環状アルケンが好ましく、ノルボルネンがさらに好ましい。
カルボン酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをカルボン酸で変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物をブロック重合またはグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンは、上記の環状ポリオレフィンと同様とすることができる。また、変性に使用されるカルボン酸としては、上記の酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に用いられるものと同様とすることができる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは結晶性または非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種類以上のブレンドポリマーが挙げられる。
シーラント層4は、1種類の樹脂成分のみから形成されていてもよく、2種類以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーから形成されていてもよい。さらに、シーラント層4は、1層のみで形成されていてもよく、同一または異なる樹脂成分によって2層以上により形成されていてもよい。
シーラント層4の厚みは、特に制限されないが、例えば、5μm〜500μm程度、好ましくは10μm〜200μm程度、より好ましくは10μm〜100μm程度とすることができる。
4.電池用包装材料の巻取体の構成
本発明の電池用包装材料の巻取体20は、例えば図3に示されるように、前述の電池用包装材料11が本発明のコア管10の周囲に巻き取られることにより構成されている。本発明の電池用包装材料の巻取体20においては、電池用包装材料11の基材層1が内側(コア管側)になるように巻き取られていてもよいし、シーラント層4が内側になるように巻き取られていてもよい。
本発明の巻取体において、コア管に巻き取られた電池用包装材料の重量の下限としては、特に制限されないが、例えば、例えば10kg以上、さらには20kg以上、さらには30kg以上、さらには40kg以上が挙げられる。このような非常に重量の大きな電池用包装材料が巻き取られている場合にも、本発明の巻取体においては、電池用包装材料の位置ずれが効果的に抑制されている。なお、本発明の巻取体に巻き取られた電池用包装材料の重量の上限としては、通常、50kg程度である。
本発明の巻取体において、電池用包装材料を構成する積層フィルムの長さは、特に制限されないが、例えば200m以上、好ましくは200〜600m程度が挙げられる。また、当該積層フィルムの幅は、例えば0.01〜1m程度、好ましくは0.1〜1m程度が挙げられる。積層フィルムの厚みとしては、例えば200μm以下、好ましくは50〜200μm程度、より好ましくは65〜130μm程度が挙げられる。本発明の巻取体において、巻き取られた電池用包装材料の肉厚Mとしては、例えば100mm〜350mm程度が挙げられる。
5.巻取体の製造方法
本発明の巻取体の製造方法は、上記の各層が積層された積層フィルムからなる電池用包装材料が本発明のコア管に巻き取られたものが得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法を例示することができる。
コア管に巻き取る積層フィルムは、市販の電池用包装材料であってもよいし、例えば以下の工程により製造したものであってもよい。積層フィルムを製造する場合、少なくとも、基材層1と、金属層3と、シーラント層4とをこの順になるように積層して、積層フィルムを得る。具体的には、例えば、以下のようにして積層フィルムが得られる。まず、基材層1と金属層3とを積層する。この積層は、例えば、接着層2を形成する上記の接着剤成分などを用いたドライラミネート法などにより行うことができる。また、基材層1と金属層3とを積層する方法としては、基材層1を形成する樹脂を金属層3の表面に押出し形成する方法や、基材層1の一方側の表面に金属を蒸着して金属層3を形成する方法などが挙げられる。次に、金属層3の上にシーラント層4を積層する。この積層は、例えば、ドライラミネート法などにより行うことができる。なお、金属層3とシーラント層4との接着強度を高めることを目的として、必要に応じて、金属層3の上に接着層5を形成する接着剤成分を塗布し、乾燥させた後、その上からシーラント層4を形成してもよい。シーラント層4は、例えば、熱可塑性樹脂の溶融押出しにより形成することができる。また、シーラント層4は、例えば、金属層3の上に樹脂フィルムを積層することにより形成してもよい。
得られた積層フィルムにおける各層の接着性を高めるために、エージング処理などを行ってもよい。エージング処理は、例えば、積層フィルムを30〜100℃程度の温度下に1〜200時間加熱することにより行うことができる。さらに、得られた積層フィルムにおける各層の接着性をさらに高めるために、得られた積層フィルムをシーラント層4の融点以上の温度で加熱してもよい。このときの温度は、シーラント層4の融点+5℃以上、融点+100℃以下であることが好ましく、融点+10℃以上、融点+80℃以下であることがより好ましい。なお、本発明において、シーラント層の融点とは、シーラント層を構成する樹脂成分の示差走査熱量測定における吸熱ピーク温度をいう。エージング処理での加熱及びシーラント層4の融点以上での加熱は、それぞれ、例えば、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線式などの方式により行うことができる。
なお、電池用包装材料において、積層フィルムを構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性などを向上または安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理が施されていてもよい。
次に、積層フィルムを本発明のコア管に巻き取って、本発明の巻取体を得る、巻取工程を行う。積層フィルムの巻取方法は、帯状の積層フィルムが本発明のコア管の周囲にロール状に巻き取られれば、特に制限されず、公知のフィルム巻取機などを用いて、所望の長さの積層フィルムを所定の張力でコア管に巻き取ればよい。なお、積層フィルムを巻き取る際の張力は、コア管に巻き取る積層フィルムの重量などに応じて、適宜設定すればよく、通常10〜100Nの範囲である。
6.電池用包装材料の巻取体の用途
本発明の電池用包装材料の巻取体は、電池用包装材料を巻き出し、適当な大きさにカットすることにより、正極、負極、電解質などの電池素子を密封して収容するための包装体として使用される。すなわち、当該巻取体から巻き出された電池用包装材料は、電池素子の形状に合わせて変形され、電池素子を収容する包装体とすることができる。
具体的には、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして、電池用包装材料で被覆する。次に、フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料(包装体)で密封された電池が提供される。包装体を用いて電池素子を収容する場合、電池用包装材料のシーラント層4が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の巻取体は、巻き取られた電池用包装材料の位置ずれが効果的に抑制されているため、電池の製造工程における電池用包装材料の巻き出しを高い位置精度で行うことができる。本発明の巻取体から巻き出される電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれにも用いることができるが、特に二次電池に用いることが適している。電池用包装材料が適用される二次電池の種類としては、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシタなどが挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の巻取体から巻き出される電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<実施例1〜2及び比較例1〜2>
[電池用包装材料の製造]
延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)からなる基材層1の上に、アルミニウム箔(厚さ40μm)からなる金属層3をドライラミネーション法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、金属層3上に接着層2(厚さ3μm)を形成した。次いで、金属層3上の接着層2と基材層1を加圧加熱貼合した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層1/接着層2/金属層3の積層体を調製した。次いで、前記積層体の金属層3側にシーラント層4を形成する樹脂成分(酸変性ポリプロピレン樹脂とプロピレン樹脂の混合樹脂)を溶融状態(250℃)で押し出しすることにより、金属層3上にシーラント層4(厚さ80μm)を積層させた。斯して、基材層1/接着層2/金属層3/シーラント層4が順に積層された積層フィルム(厚さ153μm、幅266mm、長さ600m)からなる帯状の電池用包装材料を得た。なお、基材層1を形成するPETとナイロンの積層体は、PETフィルム(厚さ12μm)とナイロンフィルムとを接着層2を形成する接着剤で接着したものである。
[電池用包装材料の巻取体の製造]
室温(25℃)、相対湿度50%の環境下において、市販のフィルム巻取機に、それぞれ表1に記載の材料により形成されたコア管(外径90.3mm、肉厚7.5mm、長さ266mm)をセットし、シーラント層がコア管側になるようして、上記で得られた電池用包装材料を一定張力で巻き取り、巻取体を得た。コア管に巻き取った電池用包装材料の重量は、それぞれ10〜40kg、肉厚は100〜350mmとした。各コア管の熱膨張係数などの詳細は、それぞれ以下の通りである。また、熱膨張係数は、前述の測定方法により測定した値である。
・クリーン紙管:高密度防塵紙、熱膨張係数1×10-5/℃
・ガラス繊維強化プラスチック管(FRP):ガラス繊維とポリエステル樹脂の複合体、熱膨張係数2×10-5/℃
・ポリエチレン管:高密度ポリエチレン(HDPE)、熱膨張係数13×10-5/℃
・ABS管:スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、熱膨張係数13×10-5/℃
[電池用包装材料の位置ずれの評価]
得られた巻取体を、そのまま室温(25℃)、相対湿度50%の環境下で1日保管したものと、−10℃、相対湿度50%の環境下で1日保管したものを用意した。次に、巻取体を、それぞれ、図5に示されるようにして、コア管10のみを台30に載置し、電池用包装材料11のみの上から表1に記載の荷重を加えて、電池用包装材料11の位置ずれの有無を確認した。荷重を加えることによっても電池用包装材料11の位置がずれなかった場合を○、ずれた場合を×と評価した。25℃と−10℃の環境下における結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
表1に示される結果から明らかな通り、常温下においては、実施例1〜2及び比較例1〜2のいずれの巻取体に10kg〜50kgの荷重を加えても、電池用包装材料の位置ずれは生じなかった。一方、表2に示される結果から明らかな通り、−10℃で1日保管した場合、実施例1〜2の巻取体に10kg〜50kgの荷重を加えても、電池用包装材料の位置ずれは生じなかったが、比較例1〜2の巻取体に10kg〜50kgの荷重を加えた場合、全ての巻取体において電池用包装材料の位置ずれが生じた。
1…基材層
2…接着層
3…金属層
4…シーラント層
5…接着層
10…コア管
11…電池用包装材料
20…巻取体
30…台

Claims (7)

  1. 少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を巻き取るための中空円柱形状のコア管であって、
    前記コア管の熱膨張係数が2×10-5/℃以下である、コア管。
  2. 前記コア管に巻き取られる前記電池用包装材料の重量が、10Kg以上である、請求項1に記載のコア管。
  3. 前記コア管は、前記電池用包装材料が巻き取られた状態で、−10℃以下、または40℃以上の環境下に曝される、請求項1または2に記載のコア管。
  4. 前記コア管は、外径が70〜100mm、長さが30〜600mm、肉厚が3〜10mmである、請求項1〜3のいずれかに記載のコア管。
  5. 前記コア管が、ガラス繊維強化プラスチック及び紙の少なくとも一方により形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載のコア管。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のコア管に、少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とがこの順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料が巻き取られてなる、電池用包装材料の巻取体。
  7. 前記電池用包装材料の重量が、10Kg以上である、請求項6に記載の巻取体。
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