以下、本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
以下、本発明の実施例1について、図1〜図11に基づいて説明する。なお、主として、図3の正面図に基づいて、前後左右を規定する。即ち、図2における左側を前、右側を後として説明する。1は本発明の照明装置である電気スタンドである。この電気スタンド1は、合成樹脂製の基部2と、この基部2の上に一体に立設した合成樹脂製の支柱部3と、この支柱部3の上部に可動に設けられた首部4と、この首部4の先端に可動に設けられた灯体5とを有して構成される。前記基部2は、前側の幅が後側の幅より広い平面視で台形の板状底面部2Aを有し、この底面部2Aが、設置面でもある被照射面Fと当接する。
前記基部2の上面部10は後上面部11と載置受け部たる前上面部12とで水平に対する角度が異なり、前記後上面部11が底面部2Aと平行に形成され、前上面部12は前側に向かって上向きに傾斜し、前上面部12は底面部2Aに対して、10度以上45度未満、好ましくは20〜30度程度の角度をなす。また、前記上面部10の周囲と前記底面部2Aの周囲との間には、前面部14Fと左,右側面部14L,14Rと後面部14Bとが設けられて基部2は中空状に形成されている。
また、前記前上面部12には、左右方向中央に中央凸部13を設け、この中央凸部13は前後方向に形成され、この中央凸部13の左右に凹部15,15が形成されている。また、前記中央凸部13の上面13Jと凹部15の底面15Tとは左右の傾斜段差面13K,13Kにより連結され、左右の傾斜段差面13K,13Kは下方から上方に向かって間隔が狭まるように傾斜している。即ち、前記中央凸部13は前側から見て等脚台形形状をなす。
図5及び図6等に示すように、前記基部2の上面部10には、前記中央凸部13の後部左右の位置に、平面において略半円柱状で後側に凹んだ取付段差面16,16を設け、これら取付段差面16,16に対応して、可動レバー21を回動可能に連結する連結筒部17,17が前記底面15Tに突設されている。なお、左右の連結筒部17,17は基部2において、左右対称の位置にある。また、前記連結筒部17が前記可動レバー21の回転中心となる。
また、前記左右の取付段差面16,16から前記基部2の左,右側面部14L,14Rに向かって左右の収納側段差面18,18が形成され、これら左右の収納側段差面18,18は前側に向かって間隔が広くなるように形成されている。それら左右の収納側段差面18,18のなす角度は、120〜150度程度である。
更に、前記基部2の上面部10の左右前端角部には、左右凸部19,19が設けられている。これら左右凸部19,19は、前記傾斜段差面13Kと対向する前後方向の中央側傾斜段差面19Cを有し、この中央側傾斜段差面19Cの後端から基部2の側部に向かって後側傾斜段差面19Uが設けられている。この後側傾斜段差面19Uは、前記連結筒部17を中心とした円の略接線方向に形成されている。なお、前記段差面13K,16,18,19C,19Uは、前記上面13Jと底面15Tの間に設けられる。また、前記段差面16,18は、上面13Jと底面15Tとに略直交する。
図5及び図6などに示すように、前記可動レバー21は、杆状のレバー本体22の基端に回動筒部23を一体に設け、この回動筒部23を前記連結筒部17に回動可能に外嵌する。また、前記レバー本体22の先端には上向きの載置物用押さえ部24が設けられ、この押さえ部24の上端には拡大頭部25が設けられ、この拡大頭部25は略球状をなす。更に、前記レバー本体22の先端側の上面には段部26を設け、前記レバー本体22は前記段部26の基端側より先端側が細く形成されている。そして、その段部26の位置に、エラストマーなどからなる輪体27を外嵌し、この輪体27が滑り止め部である。
次に、前記可動レバー21の取付構造について説明する。緩み止め部材31は、合成樹脂などからなり、前記左右の連結筒部17,17に対応して、左右のワッシャ部32,32を備え、この左右のワッシャ部32,32を左右方向の連結杆33により一体に連結している。また、前記ワッシャ部32には透孔34が穿設されると共に、前記ワッシャ部32の下面には前記連結筒部17の上部に外嵌する外嵌凹部35が形成されている。
更に、前記ワッシャ部32の下面と前記回動筒部23の上面との間には、弾性リング36を配置している。この弾性リング36はシリコンゴムやエラストマーなどからなり、少なくとも厚さ方向の圧縮に対する弾性復元力を有する。また、この弾性リング36は、前記可動レバー21及び前記基部2の材質より摩擦抵抗が大きい。なお、前記連結筒部17の高さより前記回動筒部23の高さは低く、前記連結筒部17に前記回動筒部23を外嵌すると共に、前記連結筒部17に前記ワッシャ部32を外嵌した状態で、前記回動筒部23の上面と前記ワッシャ部32の下面との間隔が前記弾性リング36の厚さより狭く設定されている。
そして、前記連結筒部17に前記回動筒部23を回動可能に外装し、前記連結筒部17の上部に前記弾性リング36を外装し、更に、前記連結筒部17の上端に前記ワッシャ部32を外装した状態で、透孔34にネジ37を挿通し、このネジ37を連結筒部17に螺合し、前記連結筒部17の上面が前記ワッシャ部32の前記外嵌凹部35の上面に当接すると、前記弾性リング36が圧縮される。なお、左右の前記連結筒部17,17に左右の前記可動レバー21,21の回動筒部23,23をそれぞれ連結する。
このようにして前記弾性リング36が前記回動筒部23の上面に圧接した状態で、前記連結筒部17に前記回動筒部23が回動可能に連結されるから、前記可動レバー21の回動に所定の抵抗力が得られる。従って、後述するように、開いた本6のページ等を前記押さえ部24により押さえた状態で保持することができる。また、同様に、前記輪体27が前記底面15Tに当接することにより、前記可動レバー21の可動に所定の抵抗力が得られる。
また、左右のワッシャ部32,32は前記連結杆33により連結されているから、回り止め状態となっている。従って、前記ネジ37が緩む方向に前記可動レバー21を回しても、前記ワッシャ部32が回ることがないから、前記ネジ37の緩みを防止できる。
前記中央凸部13の上面及び左右凸部19,19の上面には、シリコンゴム板等の摩擦の大きい滑り止め部材41,42,42を貼設し、これらの滑り止め部材41,42,42の上面により滑り止め部41A,42A,42Aを構成している。また、これらの滑り止め部材41,42,42の上面には、不定形な小凸部43が複数形成されている。
また、図2及び図5に示すように、前記後上面部11の中央には長方形形状の孔44が穿設され、この孔44により前記基部2の内部と前記支柱部3の内部が連通する。なお、孔44には、後述するように、電気ケーブル等が挿通される。また、前記孔44に対応して、前記基部2の後面部14Bには、コード用開口部45が形成されている。
前記支柱部3は、前面が開口したケース本体51と、このケース本体51の前面開口部52を塞ぐ前面部53とを備え、合成樹脂からなる。そして、この前面部53が傾斜支持部である。また、前記支柱部3は、下方から上方に向かって左右幅及び前後幅が縮小する形状をなし、前記前面部53の上部が後になるように後傾している。前記ケース本体51は後面部51Bと、この後面部51Bから前側に向かって相互の間隔が広がる左,右側面部51L,51Rとを有し、これら左,右側面部51L,51Rの前縁間に前記前面開口部52が形成されている。また、前記ケース本体51は、底面部51Tを有し、この底面部51Tが前記基部2の後上面部11側に固定されている。
前記前面部53は正面視で略三角形状をなし、左右方向中央が後側に凹んで形成されている。具体的には、前記前面部53の左右方向中央に一定幅の中央傾斜支持部54が設けられ、この中央傾斜支持部54の左右に、相互の間隔が後側から前側に向かって拡大する左右傾斜支持部55,55が設けられている。これらの傾斜支持部54,55は、いずれも平坦面又は大きな曲率の湾曲面に形成されている。なお、左右傾斜支持部55,55同士のなす角度は、120〜150度程度である。また、前記中央傾斜支持部54の左右幅は、16〜36mm程度であり、前記各左右傾斜支持部55,55は、上方に向かって左右幅が狭くなる。更に、図3に示すように、前記支柱部3の最大左右幅は、前記基部2の最大左右幅よりも狭い。
また、前記前面部53の左右の前縁部56,56は、緩やかな凹状に湾曲し、これらの前縁部56の下部に、前記前上面部12と略直交する縦縁部56A,56Aが形成されている。なお、前記前縁部56及び縦縁部56Aは、垂直から20〜40度、好ましくは25〜35度程度後方に傾倒している。前記前縁部56,56は湾曲しているから、前記角度は、前記前縁部56の上端と下端とを結んだ仮想線の角度である。
前記ケース本体51の後面部51Bには、複数のボス部61が前方に向かって突設され、このボス部61に対応して、前記前面部53の後面に挿入ボス部62が後方に向かって突出されている。そして、この挿入ボス部62の先端を前記ボス部61の先端に係入し、このボス部61の後部から挿通したネジ63を、前記挿入ボス部62に螺着することにより、前記ケース本体51に前記前面部53を固定することができる。
また、前記前面部53の下部には、底面部53Tが形成され、前記ケース本体51に前面部53を固定した状態で、前記底面部53Tが後上面部11の上面に当接又は近接し、前記収納側段差面18側において、前記底面部53Tと凹部15の底面15Tとの間に前記可動レバー21のレバー本体22の少なくとも一部を挿入して収納するレバー収納部58が左右に設けられている。
図2に示すように、前記ケース本体51には電源基板64が内蔵され、この電源基板64の後部は基板カバー64Aにより覆われている。また、前記基部2の後部には、前記コード用開口部45に電源コード65が挿通保持され、この電源コード65が前記電源基板64に電気的に接続されている。更に、前記基部2の前面部14Fの中央上部には、スイッチ用の装着孔66を穿設し、この装着孔66に押しボタン式のスイッチ67が配置されている。そして、このスイッチ67は、基部2の内部に設けたスイッチホルダー68により保持されている。また、前記基部2の内部にはスイッチ基板69が設けられ、このスイッチ基板69は前記電源基板64に電気的に接続されており、前記スイッチ67を押すことにより前記スイッチ基板69が操作され、前記電気スタンド1の点灯のオンオフを行うことができる。
また、図2及び図7に示すように、前記基部2の内部の前側には、該基部2の合成樹脂より比重の大きな金属等からなる錘46が設けられている。この錘46は、前記スイッチ基板69の左右に、断面が三角形状の左右錘部47,47が設けられ、この左右の錘部47,47を連結錘部48により連結してなる。なお、この左右錘部47,47の三角形状の二辺は、前面部14Fと前上面部12の傾斜に略対応している。
前記首部4の内部には、それ自体が可撓性を有するフレキシブルシャフト4Aが設けられている。
次に、前記灯体5の構成について説明する。図1等に示すように、前記灯体5は、前記首部4の先端に連結したケース本体71を備える。このケース本体71は、上ケース部72と下ケース部73とからなる。この上ケース部72の先端側には、フード部74が先端側に向かって延設されている。前記ケース本体71は合成樹脂製で、光を通さない不透明な材料からなる。なお、前記灯体5は、前記首部4の軸中心に対して、水平位置より上下それぞれ15度程度回動可能である。また、前記灯体5は、前記首部4を屈曲させることにより、水平位置から略垂直位置まで向きを変更することができる。なお、この例の前記灯体5の水平位置とは、前記下ケース部73の下面が水平線と略平行となる状態の位置を指す。
また、前記上ケース部72は先端側が斜め上向きの傾斜部72Aを有し、この傾斜部72Aの先端から前記フード部74が斜め下向きに形成される。即ち、前記上ケース部72は、側面視で山型状に形成される。また、前記上ケース部72と前記下ケース部73の先端側の間には、開口部75が形成されている。
前記灯体5の光学系について詳述する。前記灯体5は、光源としての複数の照明用LED76を有する。これらのLED76は、金属基板77上に左右一列に複数並べて設けられ、前記開口部75から外部に光を照射する。また、前記金属基板77は、板状の放熱体78に接続される。この放熱体78は、熱伝導性の良いアルミニウム等の金属からなる。
前記LED76は、前記開口部75の下前縁の位置より基端側(後側)に位置し、前記ケース本体71に内蔵されている。また、前記灯体5の水平位置で、前記LED76及び金属基板77は、前記LED76の光軸76Jが先端側(前側)に向かって斜め上向きをなすように、傾けた状態で設けられている。そして、前記光軸76Jと、補助線101で示す水平線とのなす角度θは、10度以上45度未満、好ましくは20〜30度程度であり、図8では角度θが25度のものを図示している。これは、角度θが10度未満であると、被照射面F方向に向かう直射光が多くなってしまい、また、角度θが45度以上であると、光反射手段81へ照射する照射範囲が狭くなる虞が生じるからである。なお、前記金属基板77が、垂直線に対してなす角度は、前記角度θと同一である。
また、前記傾斜部72A及びフード部74内には、板状の前記光反射手段81が設けられている。この光反射手段81の光反射面である内面の少なくとも一部は、前記LED76の位置より上方に位置する。また、前記光反射手段81は、前記LED76の上部から前記フード部74の先端側に亘って連続して設けられている。
前記光反射手段81は、光を反射するものであって、鏡面反射の割合より拡散反射の割合が大きな素材で形成されている。前記光反射手段81の鏡面反射の割合は、10%以下が眩しさを低減する面から好ましく、かつ、拡散反射の割合は、80%を超えるものが照明効果の点から好ましい。なお、前記光反射手段81は、反射面が白色のものを用いている。前記光反射手段81の一例としては、超微細発泡反射板MCPET(登録商標:古河電気工業株式会社製)等を用いることができる。超微細発泡反射板MCPETは、厚さ0.94mm、全反射率99%、拡散反射率96%である。補足すると、上述した反射率は、波長550nmの光における硫酸バリウムとの相対値であり、全反射率99%に対して3%が鏡面反射分であり、残りの1%が吸収された分である。
前記光反射手段81は、基端に斜め上向きの基端側傾斜部81Aを設け、この基端側傾斜部81Aの先端に略水平な中間部81Bを設け、この中間部81Bの先端に斜め下向きの先端側傾斜部81Cを設けている。なお、前記基端側傾斜部81Aと中間部81Bの間、前記中間部81Bと先端側傾斜部81Cとの間には、それぞれ屈曲部81Kが設けられている。また、いずれも水平に対して、前記基端側傾斜部81Aの傾斜角度は前記角度θ以上で45度以下、前記先端側傾斜部81Cの角度は、前記角度θと略同一又は同一であり、かつ、前記フード部74の角度より小さい。なお、前記基端側傾斜部81A、中間部81Bの長さは、それ程変わらないが、前記先端側傾斜部81Cは最も長く、前記中間部81Bのおよそ5倍程度の長さを有する。
前記基端側傾斜部81Aは、その基端が前記金属基板77の前面側まで伸び、その先端(屈曲部81K)が略開口部75に位置する。また、先端側傾斜部81Cは、前記フード部74の先端側まで延設されており、その先端は前記LED76の位置又はこの位置よりも下方に位置する。従って、前記フード部74及び前記先端側傾斜部81Cは、前記LED76の位置から引き出された補助線101で示す水平線と交差するように、それぞれの傾斜角度と長さが規定されている。
前記放熱体78は、前記金属基板77の後面と、前記光反射手段81の上面を覆うように設けられる。具体的には、前記放熱体78は、前記金属基板77の後面に接すると共に、前記光反射手段81の上面に貼り付けられる。即ち、金属製放熱体78の下面に、前記光反射手段81が貼り付けられている。なお、図8等に示すように、前記放熱体78は、前記光反射手段81に倣った形状となるように成形される。従って、前記放熱体78は、前記光反射手段81に対応して、基端側傾斜部と、中間部と、先端側傾斜部とを有し、更に前記金属基板77の後面に沿う部分とを一体に有する。
前記LED76の照射側には、合成樹脂製で、透光性を有するLEDカバー82が設けられている。このLEDカバー82は、前記光軸76Jと直交する前面部83と、該光軸76Jと略平行な上,下面部84,84とを一体に有して断面略U字型に形成される。前記上,下面部84,84の後縁は、金属基板77の前面に当接している。なお、前記LEDカバー82は、透明又は半透明のものを用いることができ、前記LED76に近接するため、耐熱性に優れた合成樹脂、例えばポリカーボネート等を用いることが好ましい。
前記LEDカバー82には、前記LED76から放射される光のうち、前記光反射手段81に照射されない直射光が通過する範囲に、拡散光生成手段85を設けている。本実施例において、前記拡散光生成手段85は、前記LEDカバー82の外面に施したシボ加工部からなる。この拡散光生成手段85は、前記下面部84の底面と、前記前面部83の下部側とに設けられている。そして、図8に示すように、前記LED76と先端側傾斜部81Cの先端とを結ぶ仮想線103の位置より多少上方に、前記拡散光生成手段85の上端が位置している。なお、前記拡散光生成手段85の上端と、仮想線103が前記前面部83に交差する位置との高さの差を0〜5mm程度とすることが好ましい。そして、前記LEDカバー82において、前記拡散光生成手段85以外の部分は、前記LED76が放射した光を拡散させずに透過させる透過部86である。なお、本実施例においては、前記仮想線103が前記前面部83に交差する位置よりも上方の前記LEDカバー82の部分については、その殆どの部分が前記透過部86である。
従って、前記LED76から放射される光のうち、前記光反射手段81に照射されない直射光が前記拡散光生成手段85を透過することにより、拡散光となって前記被照射面Fに照射される。
次に、灯体5の照明について説明する。なお、前記電気スタンド1は、前記電源コード65により、予め図示しない交流電源に接続されているものとする。そして、使用者が前記スイッチ67を操作することで、前記灯体5に設けられた前記LED76に電力が供給され、このLED76が発光する。
なお、前記LED76に通電することで発生する熱は、前記金属基板77を介して前記放熱体78に移動し、この放熱体78から放出される。
図8に示したように、前記LED76から放射された光の一部は、前記LEDカバー82の透過部86を透過して、前記光反射手段81に照射される。前記光反射手段81に照射された光は、この光反射手段81において反射することにより、所定の割合の拡散光が生成されて下方に照射され、被照射面Fを照明することができる。この場合、水平に対して上向きの角度が大きな光は、前記中間部81Bで反射し、水平に対して上向きの角度が小さな光は、前記先端側傾斜部81Cで反射し、所定割合が拡散光となって下側に照射される。このように、前記光反射手段81に照射された光は、この光反射手段81で反射されることにより、所定の割合の拡散光が生成されるので、本来点光源である前記LED76の眩しさや多重影を低減させ、目に優しい柔らかい光で被照射面Fを照明することができる。また、前記光反射手段81に、略水平な前記中間部81Bを設けることにより、前記先端側傾斜部81Cの水平に対する角度を大きく設定することができ、前記LED76の光を良好に下方に導くことができる。また、前記基端側傾斜部81Aにおいても反射により光は拡散するが、基端側傾斜部81Aの水平に対する角度が光軸の角度θより大きいから、前記基端側傾斜部81Aで反射した後で前記拡散光生成手段85に向かう光量を抑えることができる。また、前記光反射手段81に照射された光は、この光反射手段81で反射されることにより、所定の割合の拡散光が生成されるため、従来の直射光を基本に照明するものと比べて、被照射面Fを比較的広範囲に照明することができる。従って、前記光反射手段81の反射率が、鏡面反射の割合よりも拡散反射の割合が大きくすることにより、光源の光を効率的に拡散光に変化させて、載置物たる本6等にも良好に光を照射することができる。更に、前記光反射手段81の反射率が、鏡面反射の割合よりも拡散反射の割合が大きいから、光源の光を効率的に拡散光に変化させて、光源の眩しさの発生を低減することができ、同時に載置物たる本6等で反射した光による眩しさを低減できる。
一方、前記LED76から放射された光のうち、前記光反射手段81に照射されない直射光、即ち前記拡散光生成手段85を透過する光は、該拡散光生成手段85を透過することにより、拡散光となって下方に照射される。
次に、前記基部2と支柱部3の前面の使用方法について説明する。前記電気スタンド1を読書に用いる場合、前記左右のレバー収納部58,58に収納していた前記可動レバー21,21を、前記押さえ部24,24を用いて前側に回す。そして、前記前面部53と左右の前記押さえ部24,24の間に、開いた本6を配置し、該本6を前記前上面部12に載置する。この場合、本6の背表紙を前記中央傾斜支持部54に当たるように配置し、本6の表紙及び裏表紙を左右の前記傾斜支持部55,55又は前記前縁部56,56に当たるように配置することにより、前記前面部53により本6を安定して支持することができる。更に、前記押さえ部24が開いた本6に当たるように前記可動レバー21を逆方向に回し、本6の左右に開いたページを左右の前記押さえ部24,24により押さえる。
また、本6の下部は前記前上面部12の前記滑り止め部材41,42,42の上に載置されることにより、ずれにくくなる。
このように、前記灯体5を支持する前記基部2と前記支柱部3の前面を利用することにより、前記電気スタンド1が大型化することなく、開いた本6を安定して支持することができる。
また、前記基部2の内部で前側、即ち前上面部12側には、金属などからなる前記錘46が設けられているから、本6等を前記前面部53に立て掛けても、前記電気スタンド1が後に倒れることがなく、安定したものとなる。
さらに、図11に示すように、携帯端末7を立て掛けて支持することができる。前記携帯端末7としては、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、電子書籍端末等の情報通信可能な携帯型の電子機器が例示され、その前面に表示部7Hを有する。
具体的には、前記携帯端末7の側部7Sを前上面部12に載置すると共に、携帯端末7の後面を前面部53に立て掛ける。この場合、特に画面の小さいスマートフォン等の携帯端末7を前記前上面部12に載置した場合、前記可動レバー21,21は前記携帯端末7の表示部7Hの前側にあると、前記表示部7Hの操作や、前記表示部7Hの視認がしにくくなり、可動レバー21が邪魔になるおそれがある。従って、前記可動レバー21を使用しない場合には、前記可動レバー21を前記支柱部3の下方に移動することにより、前記可動レバー21が載置物の邪魔になることを防止することができる。
また、前記携帯端末7を取り外す際に、前記凹部15に指を差し入れ、前記側部7Sに指をかけ、持ち上げることで、前記表示部7Hのある前面側に触ることなく、携帯端末7を取り外すことができる。
以上のように本実施例では、基部2と、前記基部2に取り付けられた支柱部3と、前記支柱部3に設けられた首部4と、前記首部4に設けられた灯体5とを有する照明装置において、前記基部2が載置物たる本6又は携帯端末7を受ける載置受け部たる前上面部12を有し、前記支柱部3の前側に前記載置物を傾斜支持する傾斜支持部たる前面部53を設け、前記前面部53の左右方向中央側が後側に凹んでいるから、載置物を前記前上面部12に載置すると共に、載置物の後側を前記前面部53により支持することにより、載置物を安定して支持することができ、また、前記基部2と前記支柱部3を用いるため全体が大型化することがない。更に、載置物が本6の場合は、背表紙側を凹んだ前記前面部53で支持することにより、本6を開いた状態で支持できる。
また、前記傾斜支持部たる前記前面部53は、中央傾斜支持部54と、前記中央傾斜支持部54の左右に設けられ相互の間隔が前側に向かって広がる左右傾斜支持部55,55とを備えるから、前記中央傾斜支持部54に背表紙、前記左右傾斜支持部55,55に表紙及び裏表紙を支持させることにより、本6を開いた状態で安定して支持することができる。
また、前記基部2の内部に錘46を有し、この錘46が前記基部2の前側に配置されているから、傾斜支持部たる前記前面部53に載置物を立て掛けるようにして支持しても、前記錘46が前記基部2の前側にあるため、前記基部2及び前記支柱部3が安定する。
また、前記載置受け部たる前上面部12に複数の凸部たる中央凸部13及び凸部19,19を設けると共に複数の凸部19,13,19の間に凹部15,15を設け、前記中央凸部13及び凸部19,19に滑り止め部41A,42Aを設けたから、載置物が滑り難く、また、前記凹部15,15に指等を入れて載置物を容易に持ち上げることができる。
また、前記基部2に設けられ、基端を中心に回動可能に設けられた一対の可動レバー21,21と、前記可動レバー21の先端に設けられた載置物用押さえ部24とを備え、前記可動レバー21が前記支柱部3の下方に挿入可能であるから、一対の可動レバー21,21を回動して前記載置物用押さえ部24,24を前側に配置し、前記前面部53の下側と載置物用押さえ部24との間に、開いた本6を挟んで保持することができる。また、使用しない場合は、前記可動レバー21を前記支柱部3の下方に移動することにより、前記可動レバー21が載置物の邪魔になることがない。
また、前記灯体5が、光源たる照明用LED76と、このLED76の上方に設けられた光反射手段81とを有し、この光反射手段81の反射率が、鏡面反射の割合よりも拡散反射の割合を大きくすることにより、光源の光を効率的に拡散光に変化させて、載置物たる本6などにも良好に光を照射することができる。更に、前記光反射手段81の反射率が、鏡面反射の割合よりも拡散反射の割合が大きいから、前記LED76の光を効率的に拡散光に変化させて、眩しさを低減させることができ、同時に載置物たる本6等に反射した光による眩しさを低減することができる。
また、実施例上の効果として、可動レバー21の連結筒部17への取付構造には、左右のワッシャ部32,32を連結杆33により連結した緩み止め部材31を備えるから、ワッシャ部32に挿通したネジ37が緩むことを防止できる。また、回動筒部23に圧接して回転抵抗を付与する回転抵抗部材たる弾性リング36を備えるから、可動レバー21の可動に所定の抵抗力が得られ、本6等を安定して押さえることができる。更に、基部2の前面にスイッチ67を設けたから、傾斜支持部たる前面部53に本6等を立て掛けても、光源のオンオフ操作を手元で行うことができる。また、錘46はスイッチ基板69を挟んで左右の左右錘部47,47を配置したから、基部2の前側に効率よく重心を置くことができる。更に、前上面部12を前側に向かって高くなるように形成することにより、載置物を安定して載置できると共に、基部2内の前側の空間を大きく取ることができ、この前側の空間に錘46やスイッチ基板69を収納することができる。
以下、灯体5に係わる実施例上の効果として、本実施例では、光源たるLED76を備えた灯体5と、前記LED76の上方に設けられた光反射手段81とを有する照明装置たる電気スタンド1において、前記LED76の光軸76Jが水平よりも上向きに規定されていると共に、前記光反射手段81と交差するから、前記LED76の放射光を前記光反射手段81で反射させて、拡散光に変化させることによって、眩しさや多重影を低減することができる。また、導光体等の部品を用いる必要がないため、前記灯体5の重さを比較的軽量にすることができると共に、前記電気スタンド1自体を安価に製造することができる。
また、本実施例では、前記光反射手段81の反射率が、鏡面反射の割合よりも拡散反射の割合の方が大きいから、効率よく光源の眩しさ及び多重影の発生を低減させることができる。
更に、光源が前記LED76からなり、このLED76の照射側に透光性を有する前記LEDカバー82が設けられ、このLEDカバー82のうち、被照射面F方向に直接向かう光が透過する範囲に、拡散光生成手段85を設けたから、前記LEDカバー82により使用者が前記LED76に直接触れないようにでき、且つ、直射光がシボ加工等によって形成された前記拡散光生成手段85を透過することにより、直射光の眩しさ及び多重影の発生を低減することができる。
また、前記光軸76Jと、前記補助線101で示す水平線とのなす角度θは、10度以上45度未満、好ましく20度以上30度以下であるから、被照射面Fの比較的広い範囲を効果的に照明することができる。即ち、角度θが45度を越えると、前記光反射手段81へ照射する照射範囲が狭くなる虞があり、また、角度θが10度未満では、被照射面F方向に直接向かう直射光が多くなってしまうため、上記の範囲が好ましい。また、金属製の前記放熱体78の内面に板状の前記光反射手段81を重ねて貼り付けて固定したから、シート状で可撓性を有する前記光反射手段81の取り付けを容易に行うことができる。また、前記光反射手段81の鏡面反射の割合が10%以下であるから、眩しさの低減効果に優れる。しかも、前記LEDカバー82には、前記LED76が放射した光が拡散せずに透過する透過部86を設けたから、照明効率の低下を防止することができる。
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例では中央凸部と左右凸部とを設けたが、左右凸部のみ設け、これら左右凸部の間に凹部を設けてもよい。同様に、上記実施例では、傾斜支持部を中央傾斜支持部と左右傾斜支持部とで構成したが、傾斜支持部を左右傾斜支持部のみで構成してもよい。また、本実施例では、基部の内部の前側に金属等からなる錘を設けたが、この錘は少なくとも前側に設けられていればよく、前側以外の基部の内部にも錘を設けても構わない。また、首部は、灯体と支柱部を連結し、灯体の位置や角度を調整可能するものであれば、如何なるものでも構わない。