JP2016072025A - 蓄電装置用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活物質層の表面に効率よく平滑な保護層を形成することのできる蓄電装置用電極の製造方法を提供すること。【解決手段】この蓄電装置用電極の製造方法は、金属製の集電体である金属箔11の表面に存在する活物質層12の表面に保護層を有する蓄電装置用電極の製造方法である。この製造法補では、保護層を形成する保護コート材が溶媒に分散された保護コート用スラリー13aを活物質層12の表面に塗工し、保護コート用スラリー13aが塗工された電極前駆体15に高周波電界を印可して誘電加熱によって活物質層12を加熱し、活物質層12の表面に塗工された保護コート用スラリー13aを乾燥させることによって保護層を形成する保護層形成工程を含む。【選択図】図3

Description

この発明は、二次電池やキャパシタのような蓄電装置に用いられる蓄電装置用電極の製造方法に関するものである。
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)などの車両に搭載される蓄電装置としては、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池などがよく知られている。これらの二次電池では、例えば、集電体としての金属箔の表面に活物質を含むペースト状又はスラリー状の活物質合剤を塗布して活物質層を形成した正極及び負極の電極を、間に多孔質かつ樹脂製のセパレータを介在させた状態で積層又は捲回するなどして電極組立体を形成するとともに、該電極組立体をケースに収容している。
また、従来より、電極組立体に関し、正極及び負極の電極間の短絡を抑制する絶縁構造について、より耐熱性を向上させる取組みがなされていた。その一つとして、正極と負極の電極との間に、樹脂製セパレータに加え、絶縁性の保護層を配置することが提案されている。保護層は樹脂製セパレータよりも耐熱性に優れ、例えば、活物質層上に微小なセラミック粒子からなるセラミック層を形成したものもある。
こうしたセラミック層を有する電極の製造方法の一例を説明すると、まず、長尺帯状の集電体上に、その長手方向に連続的又は間欠的に活物質層を形成し、集電体の表面に活物質層を形成する。次に、活物質層が形成された集電体を長手方向に搬送しながら、セラミック粒子を溶媒に分散させた保護コート用スラリーを活物質層上に塗布する。その後、乾燥装置内に電極材料を通過させ、保護コート用スラリーが乾燥すると、活物質層上にセラミック層が形成される。そして、活物質層の表面にセラミック層が形成された集電体を電極の形状に切断することで、セラミック層を有する電極が製造される(例えば、特許文献1)。
特開2006‐48942号公報
ところで、特許文献1には、熱風や赤外線をあてて保護コート用スラリーを乾燥させる乾燥装置を用いてもよいとの記載がなされているが、熱風や赤外線をあてて外部から保護コート用スラリーを加熱すると、活物質層に塗布された保護コート用スラリーの表面から溶媒が蒸発して表面にセラミック粒子の密度の濃い膜が形成される。こうした膜が形成されてしまうとレベリング性が損なわれ、保護コート用スラリー内部の気泡がはじけると、セラミック層の一部に凹部が形成されてしまう場合がある。凹部は、活物質層が露出したり、セラミック層の厚さが極端に薄い状態となったりした箇所である。セラミック層にこうした凹部が生じていると、二次電池の使用時に凹部に電流が集中し二次電池の性能が低下したり、寿命が短くなったりして好ましくない。
また、特許文献1には、電磁誘導を利用して保護コート用スラリーを乾燥させる乾燥装置を用いてもよいとの記載もあるが、電磁誘導を利用した誘導加熱の場合には、金属製の集電体が発熱し、その熱が活物質層を介して内側から保護コート用スラリーに伝達される。しかし、活物質層には電解液が含浸することによってイオンの通路になる空隙が無数に存在しているため、活物質層は熱伝導率が低く、保護コート用スラリーに熱が伝わりにくい。すなわち、集電体を発熱させる誘導加熱によって保護コート用スラリーを乾燥させる製造方法は、内側から保護コート用スラリーを加熱するため、表面における膜の形成を抑制して平滑な保護層を形成できるものの、熱伝導のロスが多く、効率がよくない。
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘導加熱によって保護コート用スラリーを乾燥させる製造方法よりも熱伝導のロスを抑制し、活物質層の表面に効率よく平滑な保護層を形成することのできる蓄電装置用電極の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための蓄電装置用電極の製造方法は、金属製の集電体の表面に存在する活物質層の表面に保護層を有する蓄電装置用電極の製造方法である。この製造方法は、前記保護層を形成する保護コート材が溶媒に分散された保護コート用スラリーを前記活物質層の表面に塗工し、同保護コート用スラリーが塗工された電極前駆体に高周波電界を印可して誘電加熱によって前記活物質層を加熱し、同活物質層の表面に塗工された前記保護コート用スラリーを乾燥させることによって前記保護層を形成する保護層形成工程を含む。
誘電加熱では、導電体である金属製の集電体は発熱せずに、活物質層に含まれる活物質が発熱する。すなわち、保護コート用スラリーが塗工されている活物質層自体が発熱する。そのため、上記の製造方法によれば、集電体を発熱させて活物質層を介して伝わる熱により保護コート用スラリーを乾燥させる誘導加熱を用いる製造方法よりも熱伝導のロスを抑制し、効率よく内側から保護コート用スラリーを加熱することができる。したがって、上記の製造方法によれば、表面における膜の形成を抑制しつつ保護コート用スラリーを乾燥させ、活物質層の表面に効率よく平滑な保護層を形成することができる。
また、上記の製造方法では、前記保護コート材は、セラミック粒子であり、前記保護層形成工程において前記保護層としてセラミック層を形成することが好ましい。
誘電体であるセラミック粒子は、誘電加熱によって発熱する。そのため、上記の製造方法によれば、保護層形成工程において電極前駆体に高周波電界を印可した際に、保護コート用スラリーに含まれるセラミック粒子自体が発熱し、保護コート用スラリーが速やかに乾燥するようになる。
また、上記の製造方法では、前記保護層形成工程において、前記集電体の両面にそれぞれ存在する前記活物質層双方の表面に前記保護コート用スラリーを塗工し、同保護コート用スラリーが塗工された電極前駆体に高周波電界を印可して誘電加熱によって前記集電体の両面に存在する前記活物質層双方を加熱し、同活物質層双方の表面に前記保護層を形成するようにしてもよい。
上記の製造方法によれば、一度の誘電加熱によって集電体の両面にそれぞれ存在する活物質層双方を発熱させ、それぞれの活物質層の表面に塗工された保護コート用スラリー双方を乾燥させることができる。
また、上記の製造方法では、前記保護層形成工程において、ダイヘッドから吐出した前記保護コート用スラリーを前記活物質層の表面に塗布するダイコート法を用いて前記活物質層の表面に前記保護コート用スラリーを塗工するようにしてもよい。
また、上記の製造方法では、前記保護層形成工程において、グラビアロールで掻き上げた前記保護コート用スラリーを前記活物質層の表面に塗布するグラビアコート法を用いて前記活物質層の表面に前記保護コート用スラリーを塗工するようにしてもよい。
保護コート用スラリーを活物質層の表面に塗布する塗工方法としては、ダイコート法やグラビアコート法の他に、基材に塗工液を噴霧するスプレーコート法などが考えられるが、スプレーコート法は基材に塗工液を塗り重ねることで膜厚をコントロールするため、膜厚の調整がしにくく、膜厚を厚くするとレベリング性が損なわれる。
これに対して、ダイヘッドから塗工液を押し出して基材にコーティングするダイコート法であれば、スプレーコート法に比べて、膜厚を厚くしてもレベリング性が損なわれにくい。そのため、上記の製造方法によれば、スプレーコート法に比べて、平滑な保護層を形成しやすくなる。
また、グラビアロールで掻き上げた塗工液を基材にコーティングするグラビアコート法は、低粘度の塗工液を平滑にコーティングすることができ、膜厚の調整も容易である。そのため、上記の製造方法によれば、スプレーコート法に比べて、平滑な保護層を形成しやすくなる。
また、上記の製造方法について、前記保護層形成工程を経て表面に前記保護層が形成された前記活物質層を、前記保護層とともに圧縮するプレス工程を含むようにしてもよい。
上記の製造方法によれば、活物質層を圧縮することによって、活物質層の密度を調整するとともに、活物質層の表面に形成された保護層を活物質層に密着させて剥がれにくくすることができる。すなわち、活物質層の密度を調整するプレス工程と保護層を活物質層に密着させるプレス工程とを一つのプレス工程にまとめて、生産性を向上させることができる。
本発明によれば、活物質層の表面に効率よく平滑な保護層を形成することができる。
実施形態の製造方法によって製造される電極の斜視図。 同実施形態の製造方法における各工程の手順を示すフローチャート。 保護層形成工程で使用される生産設備の模式図。 電極前駆体を幅方向に切断した断面図。 グラビアコート法による塗工方法を示す模式図。 他の塗工方法を示す模式図。
以下、蓄電装置用電極の製造方法を具体化した一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
この実施形態の製造方法を通じて製造される電極を使用した蓄電装置としての二次電池は、図示しないが、外観が角型をなす角型電池であり、リチウムイオン電池である。この二次電池は、ケース内に電極組立体を備える。電極組立体は、複数の正極の電極と、複数の負極の電極を備え、電極組立体は、正極の電極と負極の電極とが、両者の間を、多孔質かつ樹脂製のセパレータで絶縁した状態で交互に積層されて構成されている。
図1に示すように、この二次電池に使用される蓄電装置用電極としての電極10は、集電体としての矩形状の金属箔11と、金属箔11の両面に設けられた矩形状の活物質層12と、活物質層12の表面の全体を覆うドットハッチングで示す保護層としてのセラミック層13とを備えている。セラミック層13は、積層される各電極10間の短絡を抑制する絶縁機能を有するとともに、耐熱性を有する。電極10は、その一辺に沿って、活物質層12が設けられず、金属箔11が露出した未塗工部12aを有する。そして、電極10において、未塗工部12aの一部には、集電タブ14が突出する状態に設けられている。なお、活物質層12は、活物質粒子同士が樹脂製のバインダにより相互に固定され、活物質間に電解液及びイオンの通路となる多数の空隙を備えた状態で構成されている。また、セラミック層13は、電気的絶縁性を有する保護コート材としてのセラミック粒子と樹脂製のバインダで構成される。この実施形態におけるセラミック粒子はアルミナ粒子であり、セラミック層13は活物質層12と同様に多数の空隙を備える。セラミック層13は、薄くかつ平坦なことが望ましい。
次に電極10の製造方法について説明する。
図2に示すように、この実施形態の製造方法は、混練工程S1と、活物質層形成工程S2と、保護層形成工程S3と、プレス工程S4と、切断工程S5と、減圧乾燥工程S6と、打ち抜き工程S7とを含む。
混練工程S1は、活物質、バインダ、溶媒及び必要に応じて導電助剤、増粘剤を混練して活物質合剤を製造する。電極が正極の場合は、活物質として正極用活物質を使用し、電極が負極の場合は、活物質として負極用活物質を使用する。
活物質層形成工程S2は、金属製の集電体としての帯状の金属箔に活物質合剤を塗布する工程で、表面塗工工程と裏面塗工工程とを含む。表面塗工工程では、帯状の金属箔が供給用リールから繰り出され、塗工装置で活物質合剤が帯状の金属箔の一面(表面)に塗布され、乾燥装置を経て活物質合剤が乾燥された後、巻取用リールに巻き取られる。裏面塗工工程では、表面塗工工程において、一面に活物質合剤が塗布、乾燥された後、巻取用リールに巻き取られた帯状の金属箔の他面(裏面)に、活物質合剤が塗布、乾燥された後、巻取用リールに巻き取られる。図示しない乾燥装置の内部では、80〜100度の熱風が供給されており、内部を通過する金属箔上の活物質合剤より溶媒が蒸発し、また、バインダの作用により、活物質粒子が相互に結合されて金属箔上に活物質層が形成される。なお、乾燥装置の通過後の活物質層では、活物質粒子間に比較的大きな空隙が存在している。
保護層形成工程S3では、帯状の金属箔の表面に形成された活物質層の表面に、保護コート用スラリーが塗布され、塗布後、乾燥装置を経て保護コート用スラリーが乾燥することにより、活物質層の表面にセラミック層が形成される。セラミック層が形成された電極前駆体は、巻取用リールに巻き取られる。
プレス工程S4は、保護層形成工程S3で活物質層の表面にセラミック層が形成された帯状の電極前駆体をロールプレスによって圧縮する。このとき、活物質層における活物質粒子間の空隙は狭くなるが、電解液が含浸し、イオンの通路となるためには十分な広さが確保される。
切断工程S5は、プレス工程S4後の帯状の電極前駆体を切断する。この実施形態では帯状の電極前駆体を、電極一枚分の幅となるように、長手方向に切断する。
減圧乾燥工程S6では、帯状の電極前駆体を、巻き取られた状態で乾燥炉内に配置する。乾燥炉内の減圧高温環境下に、数時間〜十数時間保管することで、活物質層形成工程S2の乾燥装置などで乾燥しきれず、活物質層やセラミック層内に残る僅かな溶媒(水又は非水溶媒)を蒸発させる。
打ち抜き工程S7は、帯状の電極前駆体から個々の電極を打ち抜く。この実施形態では積層型電極組立体用のタブを備えた電極を打ち抜く。
上記の7工程のうち、保護層形成工程S3を除く他の工程、即ち混練工程S1、活物質層形成工程S2、プレス工程S4、切断工程S5、減圧乾燥工程S6及び打ち抜き工程S7は従来の電極製造工程における各工程と基本的に同様であるため、以下では、主に保護層形成工程S3について説明する。
図3に示すように、保護層形成工程S3で使用される生産設備20は、保護コート用スラリー13aを金属箔11の両面に存在する活物質層12の表面に塗布する塗工装置23と、保護コート用スラリー13aを乾燥させる乾燥装置30とを有する。なお、保護コート用スラリー13aは、保護コート材であるセラミック粒子と、バインダと、溶媒よりなる。
生産設備20は、供給ロール21を有し、この供給ロール21には、両面に活物質層12を有する金属箔11が巻装されている。供給ロール21は、図示しない支持装置によって回転可能に支持されている。また、生産設備20は、巻取ロール22を有し、この巻取ロール22は、図示しない支持装置によって回転可能に支持されている。更に、生産設備20は、金属箔11を支持する複数の搬送ロール29を有する。そして、供給ロール21から供給された金属箔11が、回転する巻取ロール22に巻き取られることにより、金属箔11は、搬送ロール29によって支持されながら一定の速度で搬送される。
塗工装置23は第1のダイヘッド23bを備え、この第1のダイヘッド23bの吐出口(図示せず)は、金属箔11の下方において、金属箔11の下面に存在する活物質層12に対向配置されている。また、塗工装置23は第2のダイヘッド23aを備え、この第2のダイヘッド23aの吐出口(図示せず)は、金属箔11の上方において、金属箔11の上面に存在する活物質層12に対向配置されている。
そして、塗工工程では、第1のダイヘッド23bの吐出口から金属箔11の下面に存在する活物質層12の表面に保護コート用スラリー13aが連続的に塗布され、第2のダイヘッド23aの吐出口から金属箔11の上面に存在する活物質層12の表面に保護コート用スラリー13aが連続的に塗布される。
これにより、図4に示すように、集電体としての金属箔11と、金属箔11の両面に形成された活物質層12と、活物質層12の表面に塗工された保護コート用スラリー13aとを備えた電極前駆体15が形成される。活物質層12は、電極前駆体15の幅方向両側に未塗工部12aが存在するように金属箔11上に形成されている。
図3に示すように、乾燥装置30は、第1の電極31と、第2の電極32と、高周波電源33とを備えている。第1の電極31と第2の電極は、塗工装置23を経て保護コート用スラリー13aが塗工された電極前駆体15を挟むように対向配置されている。そして、これら第1の電極31と第2の電極32には高周波電源33が接続されている。
乾燥装置30は、高周波電源33によって第1の電極31と第2の電極32との間に位置する電極前駆体15に対して高周波電界を印可することによって電極前駆体15を誘電加熱する。これにより、保護コート用スラリー13aに含まれる溶媒が蒸発するとともに、セラミック粒子間、あるいはセラミック粒子と活物質層12との間が、バインダにより結合される。すなわち、保護コート用スラリー13aが乾燥し、セラミック粒子が活物質層12上に固定され、活物質層12の表面に保護層であるセラミック層13が形成される。乾燥装置30を経てセラミック層13が形成された帯状の電極前駆体15は、巻取ロール22に巻き取られる。
なお、表面に保護層であるセラミック層13が形成された活物質層12は、上述したように、プレス工程S4において、セラミック層13とともに所定の密度になるように圧縮される。
次にこの実施形態の製造方法の作用について説明する。
保護層形成工程S3において、誘電加熱によって保護コート用スラリー13aを乾燥させるが、誘電加熱では、導電体である金属箔11は発熱せずに、活物質層に含まれる活物質が発熱する。すなわち、保護コート用スラリー13aが塗工されている活物質層12が発熱する。
また、誘電体であるセラミック粒子は、誘電加熱によって発熱する。そのため、この製造方法によれば、保護層形成工程S3において電極前駆体15に高周波電界を印可した際に、保護コート用スラリー13aに含まれるセラミック粒子自体も発熱する。
そのため、保護コート用スラリー13aが内側から加熱されやすく、熱風や赤外線をあてて外部から保護コート用スラリー13aを加熱する場合と比べて保護コート用スラリー13aの表面に膜が形成されにくい。
以上説明した製造方法によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)この製造方法によれば、集電体である金属箔11を発熱させて内部に空隙の存在する活物質層12を介して伝わる熱により保護コート用スラリー13aを乾燥させる誘導加熱を用いる製造方法よりも熱伝導のロスを抑制し、効率よく内側から保護コート用スラリー13aを加熱することができる。したがって、表面における膜の形成を抑制しつつ保護コート用スラリー13aを乾燥させ、活物質層12の表面に効率よく平滑なセラミック層13を形成することができる。
(2)保護層形成工程S3において電極前駆体15に高周波電界を印可した際に、保護コート用スラリー13aに含まれるセラミック粒子自体も発熱するため、保護コート用スラリー13aが速やかに乾燥する。
(3)この製造方法によれば、金属箔11の両面にそれぞれ存在する活物質層12双方の表面に保護コート用スラリー13aを塗工し、同保護コート用スラリー13aが両面に塗工された電極前駆体15を乾燥装置30で誘電加熱する。そのため、一度の誘電加熱によって金属箔11の両面にそれぞれ存在する活物質層12双方を発熱させ、それぞれの活物質層12の表面に塗工された保護コート用スラリー13a双方を乾燥させることができる。
(4)保護コート用スラリー13aを活物質層12の表面に塗布する塗工方法としては、他に基材に塗工液を噴霧するスプレーコート法などが考えられるが、スプレーコート法は基材に塗工液を塗り重ねることで膜厚をコントロールするため、膜厚の調整がしにくく、膜厚を厚くするとレベリング性が損なわれる。これに対して、この実施形態の製造方法のように、ダイヘッドから塗工液を押し出して基材にコーティングするダイコート法であれば、スプレーコート法に比べて、膜厚を厚くしてもレベリング性が損なわれにくい。そのため、この実施形態の製造方法によれば、スプレーコート法に比べて、平滑なセラミック層13を形成しやすい。
(5)この製造方法では、活物質層形成工程S2、保護層形成工程S3の後にプレス工程S4を実施する。そのため、活物質層12を圧縮することによって、活物質層12の密度を調整するとともに、活物質層12の表面に形成されたセラミック層13を活物質層12に密着させて剥がれにくくすることができる。すなわち、この製造方法では、活物質層12の密度を調整するプレス工程と保護層であるセラミック層13を活物質層12に密着させるプレス工程とが一つのプレス工程にまとめられている。そのため、これらのプレス工程が別々に行われる場合と比較して、生産性が高くなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 両面に活物質層12が形成された金属箔11にセラミック層13を片面ずつ順次形成するようにしてもよい。
○ 保護層形成工程S3において活物質層12の表面に保護コート用スラリー13aを塗布する塗工方法は適宜変更することができる。
グラビアロールで掻き上げた塗工液を活基材の表面に塗布するグラビアコート法を用いて活物質層12の表面に保護コート用スラリー13aを塗工するようにしてもよい。例えば、図5に示すように、スラリー収容部41に収容されている保護コート用スラリー13aをグラビアロール40で掻き上げて金属箔11の両面に存在する活物質層12のうち、金属箔11の下面に存在する活物質層12の表面に保護コート用スラリー13aを塗布する。なお、金属箔11は、一対のガイドロール42,43によって張力が調整され、グラビアロール40に押し付けられる。グラビアコート法は、低粘度の塗工液を平滑にコーティングすることができ、膜厚の調整も容易である。そのため、グラビアコート法を用いる製造方法を採用した場合にも、スプレーコート法に比べて、平滑な保護層を形成しやすくなる。
また、その他、コンマロールを利用してコーティングロールに付着させた塗工液を基材に転写するコンマコート法を用いることもできる。例えば、この場合、図6に示すように、保護コート用スラリー13aを供給するスラリー供給部51とコンマロール52とをコーティングロール50の上側に配設し、コーティングロール50の側方近傍にバックロール53を配設する。なお、コーティングロール50及びバックロール53は同じ回転方向へ回転するようになっている。こうした構成によれば、コーティングロール50の回転により保護コート用スラリー13aが所定の厚さでコーティングロール50の表面に付着して、バックロール53と対向する位置へ移送される。また、バックロール53の回転により、両面に活物質層12が存在する金属箔11が、コーティングロール50側へ押圧された状態でバックロール53との対向位置を下側から上側へ通過した後、移動方向を変更して図示しないガイドロールに案内されて図示しない巻取ロールに巻き取られる。その結果、金属箔11がコーティングロール50とバックロール53との対向位置を通過する間に、コーティングロール50に付着している保護コート用スラリー13aが転写され、金属箔11の上面に存在する活物質層12の表面に保護コート用スラリー13aが塗布される。
なお、塗工方法として、スプレーコート法を採用することもできる。
○ 保護コート材であるセラミック粒子はアルミナに限らず、例えば、他の金属酸化物や金属窒化物であってもよい。
○ 保護層はセラミック層に限らない。すなわち、保護コート材はセラミック粒子に限らず、電気的絶縁性と必要な耐熱性を満たす材質であればよく、例えば、熱硬化性樹脂製の粒子であってもよい。
○ 片面ずつ保護層を形成するようにしてもよい。
○ 活物質層12の密度を調整するプレス工程と保護層を活物質層12に密着させるプレス工程とを別々に実施するようにしてもよい。
○ 実施形態では、金属箔11の長手方向に連続して設けた活物質層12に保護層を形成したが、金属箔11の長手方向に間欠的に設けた活物質層12に保護層を形成してもよい。
○ 集電体は、活物質層12が形成できるものであれば、金属箔11に限定されるものではない。例えば、織物状や網状の基材シートを用いてもよい。
○ 電極10は、金属箔11の片面だけに活物質層12及び保護層を有するものであってもよい。
○ 電極10は、負極及び正極のいずれであってもよい。
○ 積層型電極組立体用の電極の製造方法に限らず、巻回型電極組立体用の電極の製造方法に適用してもよい。
○ 電極組立体が使用される二次電池は、リチウムイオン二次電池に限らず、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池などの他の二次電池であってもよい。
11…集電体としての金属箔、12…活物質層、13…保護層としてのセラミック層、13a…保護コート用スラリー、15…電極前駆体、S3…保護層形成工程、S4…プレス工程、23a…第2のダイヘッド、23b…第1のダイヘッド、40…グラビアロール。

Claims (6)

  1. 金属製の集電体の表面に存在する活物質層の表面に保護層を有する蓄電装置用電極の製造方法であり、
    前記保護層を形成する保護コート材が溶媒に分散された保護コート用スラリーを前記活物質層の表面に塗工し、同保護コート用スラリーが塗工された電極前駆体に高周波電界を印可して誘電加熱によって前記活物質層を加熱し、同活物質層の表面に塗工された前記保護コート用スラリーを乾燥させることによって前記保護層を形成する保護層形成工程を含む蓄電装置用電極の製造方法。
  2. 前記保護コート材は、セラミック粒子であり、前記保護層形成工程において前記保護層としてセラミック層を形成する請求項1に記載の蓄電装置用電極の製造方法。
  3. 前記保護層形成工程において、前記集電体の両面にそれぞれ存在する前記活物質層双方の表面に前記保護コート用スラリーを塗工し、同保護コート用スラリーが塗工された電極前駆体に高周波電界を印可して誘電加熱によって前記集電体の両面に存在する前記活物質層双方を加熱し、同活物質層双方の表面に前記保護層を形成する請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置用電極の製造方法。
  4. 前記保護層形成工程において、ダイヘッドから吐出した前記保護コート用スラリーを前記活物質層の表面に塗布するダイコート法を用いて前記活物質層の表面に前記保護コート用スラリーを塗工する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の蓄電装置用電極の製造方法。
  5. 前記保護層形成工程において、グラビアロールで掻き上げた前記保護コート用スラリーを前記活物質層の表面に塗布するグラビアコート法を用いて前記活物質層の表面に前記保護コート用スラリーを塗工する請求項1〜請求項2のいずれか一項に記載の蓄電装置用電極の製造方法。
  6. 前記保護層形成工程を経て表面に前記保護層が形成された前記活物質層を、前記保護層とともに圧縮するプレス工程を含む請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置用電極の製造方法。
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